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発明の名称 偏光板剥離用治具、及びこれを用いた偏光板剥離装置並びに偏光板剥離方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−71975(P2007−71975A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256476(P2005−256476)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 藤原 功 / 小泉 博一 / 小野 雅子
要約 課題
液晶パネルのギャップ精度や液晶の温度特性に影響を与えることなく液晶パネルに貼付された偏光板をパネルから容易に剥離可能な偏光板剥離用治具、及びこれを用いた偏光板剥離装置並びに偏光板剥離方法を提供すること。

解決手段
偏光板202と液晶パネル200との間にリン青銅からなり傾斜角度が15゜〜60゜の範囲であり、硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材からなる偏光板剥離用治具10を挿入し、その冶具10を長手方向に移動させながら偏光板202を液晶パネル200から剥離する。
特許請求の範囲
【請求項1】
偏光板が貼合された液晶パネルに対し、該偏光板の貼合面側の界面に先端部を挿入して前記偏光板を剥離させる板状の偏光板剥離用治具であって、
前記界面に挿入する一端部が、該一端部の先端に向けて薄肉化する傾斜面を有すると共に該傾斜面の傾斜角度が15゜〜60゜の範囲であり、少なくとも前記一端部が硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材からなることを特徴とする偏光板剥離用治具。
【請求項2】
前記金属素材が、リン青銅を含むことを特徴とする請求項1記載の偏光板剥離用治具。
【請求項3】
前記傾斜面の前記一端部側の先端が、半径0.2mm〜0.7mmの円弧面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偏光板剥離用治具。
【請求項4】
偏光板の貼合された液晶パネルを基台に固定して、前記偏光板を剥離する偏光板剥離装置であって、
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の偏光板剥離用治具と、
前記偏光板剥離用治具を保持するヘッド部と、
前記ヘッド部を前記液晶パネルの表面上に前記偏光板剥離用治具を当接させつつ移動可能に支持するヘッド移動機構と、を備えたことを特徴とする偏光板剥離装置。
【請求項5】
前記ヘッド部が、前記偏光板剥離用治具の前記先端部における片脇側に配設され、前記偏光板剥離用治具により剥がし取る偏光板片の片端を切断する剪断刃を備えたことを特徴とする請求項4記載の偏光板剥離装置。
【請求項6】
前記偏光板剥離用治具が、前記先端部の幅が前記液晶パネルの全幅より長く形成されたことを特徴とする請求項4記載の偏光板剥離装置。
【請求項7】
偏光板が貼合された液晶パネルに対し、該偏光板の貼合面側の界面に板状の偏光板剥離用治具の先端部を挿入して前記偏光板を剥離させる偏光板剥離方法であって、
前記偏光板剥離用治具を、前記偏光板の前記界面に挿入した状態で前記液晶パネル表面の一方向に沿って移動させ、前記偏光板剥離用治具に当接した前記偏光板を、少なくとも前記当接した幅長分剥がし取ることを特徴とする偏光板剥離方法。
【請求項8】
前記偏光板剥離用治具の前記先端部の幅長が、矩形状からなる前記液晶パネルの短辺よりも短く、前記偏光板剥離用治具を前記一方向に平行に複数回移動させて前記偏光板を短冊状に剥がし取ることを特徴とする偏光板剥離方法。
【請求項9】
前記偏光板剥離用治具により偏光板を剥離する手前側で、前記偏光板剥離用治具の前記先端部の幅長分を予め裁断することを特徴とする請求項8記載の偏光板剥離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板の貼合された液晶パネルから偏光板を剥離する偏光板剥離用治具、及びこれを用いた偏光板剥離装置並びに偏光板剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶パネルに偏光板を貼合した際に、貼合した偏光板が液晶パネルに対してズレや曲がりを生じている場合、偏光板の接合界面に異物が混入した場合、偏光板に傷が入った場合等に、この貼合した偏光板を剥離して、新たに貼合し直すことが行われている。
【0003】
このような液晶パネルから偏光板を剥離するには、例えば次に示す方法がある。
液晶パネルから偏光板を剥離する第1の方法として、図6(a)に示すように、液晶パネル500を固定し、偏光板501の端部を、回転可能な剥離ローラー502に挟み込み、剥離ローラー502に偏光板501を巻きつけて剥離する(例えば、特許文献1参照)方法がある。
しかし、この方法では、偏光板501を剥離する際に、剥離界面で液晶パネル500の表面に対して垂直方向の応力が働くため、液晶パネル500が反ることによる割れや、液晶セルのギャップが変動することにより、表示画像にむらが生じる等の問題があった。
【0004】
また、液晶パネルから偏光板を剥離する第2の方法として、図6(b)に示すように、70℃〜100℃に加熱されたスライサー600(偏光板と液晶パネルを貼合している粘着剤を軟らかくするため)を偏光板601と液晶パネル602との間に挿入し、スライサー600を液晶パネル602の長手方向に移動させることで、液晶パネル602に垂直方向の応力を大きく発生させることなく剥離する(例えば、特許文献2参照)方法がある。
しかし、この方法は、加熱したスライサー600を使用するために、液晶の特性(位相差Δn等)が変化してしまい、再度面内の温度均一性が保たれるまでの安定化時間が必要となり、作業性が悪いという問題があった。また液晶TVの大画面化に伴い面内での加熱度合いのばらつきが大きくなり、色むらが発生する等の問題もあった。
【特許文献1】特開平10−282463号公報
【特許文献2】特開2002−350837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、液晶パネルのギャップ精度や液晶の温度特性に影響を与えることなく、液晶パネルに貼合された偏光板をパネルから容易に剥離可能な偏光板剥離用治具、及びこれを用いた偏光板剥離装置並びに偏光板剥離方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1)偏光板が貼合された液晶パネルに対し、該偏光板の貼合面側の界面に先端部を挿入して前記偏光板を剥離させる板状の偏光板剥離用治具であって、前記界面に挿入する一端部が、該一端部の先端に向けて薄肉化する傾斜面を有すると共に該傾斜面の傾斜角度が15゜〜60゜の範囲であり、少なくとも前記一端部が硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材からなることを特徴とする偏光板剥離用治具。
【0007】
このように構成された偏光板剥離用治具においては、界面に挿入する一端部が、一端部の先端に向けて薄肉化する傾斜面を有すると共に傾斜面の傾斜角度が15゜〜60゜の範囲であり、少なくとも一端部が硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材からなることで、剥離させ易いように最適化された傾斜角度及び硬度により、加熱することなく、垂直方向の応力を大きく発生させることなく、液晶パネルから偏光板を剥離することができる。
【0008】
(2) 前記金属素材が、リン青銅を含むことを特徴とする(1)記載の偏光板剥離用治具。
【0009】
このように構成された偏光板剥離用治具においては、リン青銅を含むことで、強靭であって耐食性に優れた偏光板剥離治具を得ることができる。
【0010】
(3) 前記傾斜面の前記一端部側の先端が、半径0.2mm〜0.7mmの円弧面を有することを特徴とする(1)又は(2)記載の偏光板剥離用治具。
【0011】
このように構成された偏光板剥離用治具においては、傾斜面の一端部側の先端が半径0.2mm〜0.7mmの円弧面を有することで、液晶パネルに傷等の損傷を与えることなく偏光板を確実に剥離することができる。
【0012】
(4) 偏光板の貼合された液晶パネルを基台に固定して、前記偏光板を剥離する偏光板剥離装置であって、(1)〜(3)のいずれかに記載の偏光板剥離用治具と、前記偏光板剥離用治具を保持するヘッド部と、前記ヘッド部を前記液晶パネルの表面上に前記偏光板剥離用治具を当接させつつ移動可能に支持するヘッド移動機構と、を備えたことを特徴とする偏光板剥離装置。
【0013】
このように構成された偏光板剥離装置においては、偏光板剥離用治具をヘッド部に保持し、ヘッド移動機構により、ヘッド部を液晶パネルの表面上に偏光板剥離用治具を当接させつつ移動可能に支持することで、偏光板を自動工程にて剥離することができる。
【0014】
(5) 前記ヘッド部が、前記偏光板剥離用治具の前記先端部における片脇側に配設され、前記偏光板剥離用治具により剥がし取る偏光板片の片端を切断する剪断刃を備えたことを特徴とする(4)記載の偏光板剥離装置。
【0015】
このように構成された偏光板剥離装置においては、偏光板剥離用治具によって偏光板を剥離する際に剥がし取る偏光板片の片端を剪断刃で切断するようにすれば、特に、大型パネルの剥離時に、偏光板を短冊状に切断しながら剥離することで、面内にかかる力を均一に保ちながら行うことができるとともに、剥がし取る偏光板片の片端及び剥がし取られる残りの偏光板の片端をきれいに切断することができるので、剥離作業により発生する切り屑等を少なくして生産性の向上を図ることができる。
【0016】
(6) 前記偏光板剥離用治具が、前記先端部の幅が前記液晶パネルの全幅より長く形成されたことを特徴とする(4)記載の偏光板剥離装置。
【0017】
このように構成された偏光板剥離装置においては、液晶パネルの全幅よりも長い先端部の幅を有する偏光板剥離用治具を用いることで、偏光板の剥離を単一の工程で短時間に行うことができるので、作業時間の短縮を図ることができる。
【0018】
(7) 偏光板が貼合された液晶パネルに対し、該偏光板の貼合面側の界面に板状の偏光板剥離用治具の先端部を挿入して前記偏光板を剥離させる偏光板剥離方法であって、前記偏光板剥離用治具を、前記偏光板の前記界面に挿入した状態で前記液晶パネル表面の一方向に沿って移動させ、前記偏光板剥離用治具に当接した前記偏光板を、少なくとも前記当接した幅長分剥がし取ることを特徴とする偏光板剥離方法。
【0019】
このように構成された偏光板剥離方法においては、偏光板剥離用治具の当接によって、偏光板の少なくとも当接した幅長分剥がし取ることができるので、加熱することなく、垂直方向の応力を大きく発生させることなく、液晶パネルから偏光板を剥離することができる。
【0020】
(8) 前記偏光板剥離用治具の前記先端部の幅長が、矩形状からなる前記液晶パネルの短辺よりも短く、前記偏光板剥離用治具を前記一方向に平行に複数回移動させて前記偏光板を短冊状に剥がし取ることを特徴とする偏光板剥離方法。
【0021】
このように構成された偏光板剥離方法においては、偏光板剥離用治具を一方向に平行に複数回移動させて偏光板を短冊状に剥がし取ることで、面内にかかる力を均一に保ちながら剥離作業を行うことができる。
【0022】
(9) 前記偏光板剥離用治具により偏光板を剥離する手前側で、前記偏光板剥離用治具の前記先端部の幅長分を予め裁断することを特徴とする(8)記載の偏光板剥離方法。
【0023】
このように構成された偏光板剥離方法においては、偏光板を剥離する手前側で、偏光板剥離用治具の先端部の幅長分を予め裁断しておくことで、特に、大型パネルの剥離時に、面内にかかる力を均一に保ちながら行うことができるとともに、剥がし取る偏光板片の片端及び剥がし取られる残りの偏光板の片端をきれいに切断することができるので、剥離作業により発生する切り屑等を少なくして生産性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、液晶パネルのギャップ精度や液晶の温度特性に影響を与えることなく、液晶パネルに貼付された偏光板をパネルから容易に剥離することができる。また、スライサーの横にカッター刃を配置することで大型液晶パネルであっても、パネルにかかる力を小さく均一にして偏光板の剥離を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る偏光板剥離用治具の構成図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図1に示すように、偏光板剥離用治具10は、基部12から界面挿入部14が長手方向に突出して一体にされている。基部12は、ステンレス材料からなり、界面挿入部14は、基部12よりも小さい、長さL(例えば30〜35mm)と、幅W(例えば50〜60mm)と、基部12に略等しい厚さt(10〜15mm)とを有する。界面挿入部14は、一端部に、先端に向けて薄肉化された傾斜面16を有する。傾斜面16は、傾斜角度θが15°〜60°の範囲に設定されており、先端部に円弧面18を有する。
【0026】
偏光板剥離用治具10は、界面挿入部14が、硬度120Hv以上、190Hv以下の、例えば、リン青銅等の金属素材から成形されている。また、先端の円弧面18は、半径0.2mm〜0.7mmに設定されている。
【0027】
偏光板剥離用治具10に用いられる具体的な金属材料としては、例えばステンレス材料や機械構造用炭素鋼等の鉄鋼材料、リン青銅等の銅合金、アルミニウム及びその合金等が利用できる。最も好ましい材料としては、リン青銅が挙げられる。これは、次の理由による。傾斜角度45度に加工した下記4種類の金属材料からなる冶具を用いて、シャープ株式会社製 32in液晶TV(型番:LC32−GD3)を分解して取り出した液晶パネルと偏光板とを剥離する実験を行った。その結果、治具の材質が軟らかいと偏光板と液晶パネルの剥離に大きな力が必要で作業性が悪く、硬すぎると液晶パネルに傷が付き易く損傷し易すくなることがわかった。
【0028】
ビッカース硬度で比較すると、各金属材料は次の関係がある。
ステンレス材料(SUS303):ビッカース硬度200Hv
>鉄鋼材料(S45C):180Hv
>リン青銅(C5191):150Hv
>アルミニウム(A6061):100Hv
上記のうち、硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材が良好な剥離性が得られることが分かり、リン青銅が最も好ましいことがわかった。
【0029】
また、偏光板剥離用治具10の傾斜面16の傾斜角度を変更して実験を行った結果、浅すぎる(15゜未満)と、剥離の際に液晶パネルを損傷しやすいこと、傾斜角度が深い(60゜を超える角度)と、剥離の際に垂直方向へ力がかかってしまうことがわかった。その結果、傾斜角度は15゜〜60゜の範囲が好ましく、さらに好ましくは20゜〜40゜、さらには30゜が最も好ましいことがわかった。以上から、液晶パネルと偏光板を剥離するための偏光板剥離用治具10として、リン青銅製で傾斜角度30゜することが最適な組み合わせとなる。
【0030】
なお、上記のように本実施形態ではリン青銅等の各種材料を提示したが、本発明はこれに限らず、上記の範囲の硬度を有する材料であれば利用することが可能である。
【0031】
次に、図2を参照して偏光板剥離装置について説明する。
図2は本発明に係る偏光板剥離装置の構成図で、(a)は平面図、(b)正面図である。
偏光板剥離装置100は、ヘッド部20と、ヘッド移動機構30とを主要な構造部材として構成されている。
ヘッド部20は、基台60上に載置された液晶パネル200の上方でパネル表面上の任意の位置に移動可能にされている。また、ヘッド部20は、偏光板剥離用治具10を保持する治具挿着孔22を有するとともに、液晶パネル120の幅方向に駆動用孔24とガイド孔26とを有する。治具挿着孔22には、偏光板剥離用治具10の基部12が挿入されたうえで、不図示の固定手段によって偏光板剥離用治具10が固定される。
【0032】
ヘッド移動機構30は、ボールねじを用いた動力変換機構であって、基台60上に固定された一対のレール部材32,32と、これらレール部材32,32にそれぞれ架け渡されたスライド部材34,34と、両スライド部材34,34に連結されたボールねじ軸36と、同じく両スライド部材34,34に連結された支軸38とを備え、ボールねじ軸36にヘッド部20が螺挿されている。
【0033】
スライド部材34,34のうちの一方である図2(a)中の右方側のスライド部材34には、動力発生用の不図示のモータが内蔵されており、このモータの回転動力は、同じく不図示の減速機構やクラッチ機構や回転方向変更機構を介して、一方がボールねじ軸36の回転に変換され、他方がスライド部材34のレール部材32の軸方向に沿った移動に変換される。
【0034】
ヘッド部20は、駆動用孔24にボールねじ軸36が螺挿されるとともにガイド孔26に支軸38が挿通されることで、モータの駆動によるボールねじ軸36の回転に伴い、液晶パネル200上を幅方向に移動される。即ち、ヘッド部20は、液晶パネル200の表面上に平行に保持されて図1(a)に示す矢印A方向である横方向に移動する。
【0035】
ヘッド部20は、モータの駆動によるスライド部材34,34のレール部材32,32に沿った移動に伴い、液晶パネル200の表面上に平行に保持されて図1(a)に示す矢印B方向である縦方向に移動することができる。
【0036】
ヘッド部20は、不図示のモータコントローラによる制御動作によってモータ、減速機構、クラッチ機構及び回転方向変更機構が駆動を制御されることで、ボールねじ軸36の軸方向に液晶パネル200の右端縁から左端縁に向けて段階的に移動されるとともに、スライド部材34,34のレール部材32,32の軸方向に液晶パネル200の上端縁から下端縁に向けて連続的に移動される。
【0037】
次に、図2(a),(b)を含め、図3を参照して偏光板剥離方法について説明する。
図3は本発明の実施形態による偏光板剥離装置の外観斜視図である。
偏光板剥離装置100は、液晶パネル200上に貼り付けられている偏光板202との界面に対して、ヘッド部20が30度で界面挿入部14の円弧面18を配置させている。パネルに対する剥離冶具刃先角度は、(1)パネルに垂直方向すぎるとセルが割れやすい、セルに垂直応力がかかりセルギャップが変化する、(2)浅すぎると、セルと偏光板を剥離するのに大きな力が必要、セルと偏光板を貼合している粘着剤がとれにくいため、10度〜50度が好ましく、20度〜40度がさらに好ましく、30度が最も好ましい。
【0038】
電源が投入されると、ヘッド部20は、液晶パネル200上に貼り付けられている偏光板202の右端部の上端縁上1列目の初期位置に配置される。このとき、界面挿入部14の円弧面18は、液晶パネル200と偏光板202との界面に挿入される。
【0039】
次に、1列目の剥離動作が実行される。1列目の剥離動作により、モータコントローラより与えられた電流によってモータが駆動を開始し、スライド部材34,34がレール部材32,32に沿って移動することで、ヘッド部20が液晶パネル200の上端縁から下端縁に向けて(B方向)移動され、偏光板剥離用治具10の界面挿入部14の幅寸法でもって偏光板202を1列剥離する。偏光板202は、界面挿入部14の円弧面18が進行することによって右端部から1列目が短冊状に剥がし取られ、剥がし取られた偏光板片204が液晶パネル200から分離される。
【0040】
1列目の剥離動作が終了すると、戻り動作が実行されるために、モータの動力によってスライド部材34,34がレール部材32,32に沿って戻り移動されることでヘッド部20が初期位置まで戻る。そして、ボールねじ軸36の回転駆動により、ヘッド部20が2列目の初期位置まで移動される(A方向移動)。
【0041】
次に、2列目の剥離動作が実行される。2列目の剥離動作は、1列目と同様にして、スライド部材34,34がレール部材32,32に沿って移動することで、ヘッド部20が液晶パネル200の上端縁から下端縁に向けて移動され、偏光板剥離用治具10の界面挿入部14の幅寸法でもって偏光板202を1列剥離する。そして、スライド部材34,34がレール部材32,32に沿って戻り移動されることでヘッド部20が初期位置まで戻り、ヘッド部20が3列目の初期位置まで移動される。1列目が剥離された偏光板202は、界面挿入部14の円弧面18が偏光板202と液晶パネル200との界面に挿入された状態で進行することによって、2列目が剥離される。そして、以後、この動作が繰り返し実行されることで、複数の偏光板片204を液晶パネル200から剥がし取る。なお、これら一連の動作は自動制御されるために、1列目から最後の列まで連続的に行われることで、液晶パネル200上の偏光板202が全て取り除かれる。その後、ヘッド部20は、1列目の初期位置に復帰する。なお、ヘッド部20は、液晶パネル200の横幅寸法及び縦寸法に応じてヘッド部20の初期位置が選択設定される。
【0042】
この偏光板剥離装置100によれば、偏光板剥離用治具10をヘッド部20に保持し、ヘッド移動機構30により、ヘッド部20を液晶パネル200の表面上に偏光板剥離用治具10を当接させつつ移動可能に支持することで、偏光板202を自動工程にて作業員の手を煩わせることなく効率良く剥離することができる。
【0043】
次に、ヘッド部20の他の構成について説明する。
図4はヘッド部の他の構成を示す外観斜視図である。
本構成のヘッド部21は、偏光板剥離用治具10の界面挿入部14における円弧面18のトレース方向上流側となる片脇側に剪断刃40を有し、他の構成は図3と同様である。
【0044】
剪断刃40は、偏光板剥離用治具10により剥がし取る偏光板片204の片端を切断するためのものであり、アダプター42によって刃先をヘッド部21の進行方向に向けた状態で、ヘッド部21に固定されている。この剪断刃40は、偏光板202を剥離する手前側で、偏光板剥離用治具10の先端部の幅長分を予め裁断しておくことができる。
【0045】
このヘッド部21によれば、偏光板剥離用治具10によって偏光板202を剥離する際に剥がし取る偏光板片204の片端を剪断刃40で切断するようにすれば、特に、大型パネルの剥離時に、偏光板202を短冊状に切断しながら剥離することで、面内にかかる力を均一に保ちながら行うことができるとともに、剥がし取る偏光板片204の片端、及び剥がし取られる残りの偏光板202の片端をきれいに切断することができるので、剥離作業により発生する切り屑等を少なくして生産性の向上を図ることができる。
【0046】
次に、図5を参照して偏光板剥離装置の他の構成について説明する。なお、図5(a),(b)において、図2(a),(b)と同様の構成且つ同様の作用を有する構成要素には同一の符号を付す。
図5は偏光板剥離装置の他の構成を示す構成図で、(a)は外観斜視図、(b)は(a)のP−P線断面図である。
【0047】
本構成の偏光板剥離装置300は、ヘッド部23と偏光板剥離用治具11の幅寸法が、液晶パネル200の全幅寸法よりも長く形成されている。そして、図2(a)に示すようなスライド部材34が設けられておらず、ヘッド部23を支持する支軸44が回転駆動されることで、両側に配置されたレール部材46,46に支持されながらレール部材46,46の軸方向にスライド移動するようになっている。そのため、ヘッド部23がスライド移動することで、液晶パネル200の全幅よりも長い偏光板剥離用治具11によって偏光板202を1回の移動ストロークで、一度に全て剥離する。なお、偏光板剥離用治具11は、幅寸法Wが液晶パネル200の全幅寸法より長い点を以外は、前述の実施形態で説明した偏光板剥離用治具10と同様の材質、性状である。
【0048】
この偏光板剥離装置300によれば、液晶パネル200の全幅よりも長い幅を有する界面挿入部14をもつ偏光板剥離用治具11を用いることで、偏光板202の剥離を単一の工程で短時間に行うことができるので、作業時間の短縮を図ることができる。
【0049】
以上説明したように、本発明に係る偏光板剥離用治具10によれば、界面に挿入する界面挿入部14の一端部が、一端部の先端に向けて薄肉化する傾斜面16を有すると共に傾斜面16の傾斜角度が15゜〜60゜の範囲であり、界面挿入部14が硬度120Hv以上、190Hv以下の金属素材からなることで、剥離させ易いように最適化された傾斜角度及び硬度により、熱(温度)をかけずに、なおかつ垂直方向の応力を大きく発生させることなく、液晶パネル200から偏光板202を剥離することができる。
【0050】
また、偏光板剥離用治具10の界面挿入部14がリン青銅を含むことで、強靭であって耐食性に優れた偏光板剥離治具とすることができる。また、傾斜面16の一端部側の先端が半径0.2mm〜0.7mmの円弧面18を有することで、液晶パネル200に傷等の損傷を与えることなく偏光板202を確実に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る偏光板剥離用治具の構成図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図2】本発明に係る偏光板剥離装置の構成図で、(a)は平面図、(b)正面図である。
【図3】本発明の実施形態による偏光板剥離装置の外観斜視図である。
【図4】ヘッド部の他の構成を示す外観斜視図である。
【図5】(a)は偏光板剥離装置の他の構成を示す外観斜視図、(b)は(a)のP−P線断面図である。
【図6】(a)は従来の液晶パネルから偏光板を剥離する第1の方法の断面図、(b)は従来の液晶パネルから偏光板を剥離する第2の方法の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 偏光板剥離用治具
16 傾斜面
18 円弧面
20,21,23 ヘッド部
30 ヘッド移動機構
40 剪断刃
60 基台
100,300 偏光板剥離装置
200 液晶パネル
202 偏光板
204 偏光板片




 

 


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