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発明の名称 合波レーザ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65600(P2007−65600A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−255249(P2005−255249)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
発明者 永野 和彦 / 園田 慎一郎
要約 課題
複数の半導体レーザ素子から出射されたレーザビームを合波して出力する合波レーザ装置を、小型化可能とし、長期信頼性のあるものとすると共に安価に構成する。

解決手段
複数の半導体レーザ素子LD1〜4と、該複数の半導体レーザ素子LD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4をそれぞれコリメートすると共に集光する4つのレンズ11〜14と、各レーザビームB1〜4をそれぞれ反射する反射面を側面21〜24として有する正四角錐の光学部材20と、光学部材20で反射されたレーザビームの集光位置に入射端面31が配置された1本のマルチモード光ファイバ33とを備え、半導体レーザ素子LD1〜4、光ファイバ33、光学部材20およびレンズ11〜14が、各半導体レーザLD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4が光学部材20のそれぞれ異なる側面21〜24に入射し、該異なる側面21〜24に入射したレーザビームがそれぞれ反射されて光ファイバ33の入射端面31に集光される位置にそれぞれ配置する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の半導体レーザと、
1本のマルチモード光ファイバと、
角錘面状の反射面を有する光学部材を備え、
前記半導体レーザ、前記光ファイバおよび前記光学部材が、前記複数の半導体レーザから出射されるレーザビームが前記光学部材のそれぞれ異なる側面に入射し、該異なる側面から入射した複数のレーザビームが該側面で反射されて前記光ファイバの入射端面に集光される位置に配置されていることを特徴とする合波レーザ装置。
【請求項2】
前記複数の半導体レーザ素子が、個別に気密封止されたパッケージ内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の合波レーザ装置。
【請求項3】
前記光ファイバの入射端面に接触するように配置された透明部材を備え、
前記複数のレーザビームが前記透明部材を介して前記光ファイバの入射端面に集光されるものであり、
前記透明部材の、前記レーザビームが入射する入射面における該レーザビームの光パワー密度が、10W/mm2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の合波レーザ装置。
【請求項4】
前記光学部材を内包する、光出射窓を有する筐体を備え、
前記透明部材が、前記光出射窓を覆うように配置され、
前記光ファイバが、前記筐体の外部に該筐体に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項3記載の合波レーザ装置。
【請求項5】
前記光学部材を内包する、光出射窓を有する筐体と、
前記光出射窓を覆うように配置された透明部材とを備え、
前記光ファイバが、前記筐体の外部に前記透明部材に前記入射端面が接触するように配置されており、
前記複数のレーザビームが前記透明部材を介して前記光ファイバの入射端面に集光されるものであり、
前記光ファイバおよび前記透明部材が、前記筐体に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1または2記載の合波レーザ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は合波レーザ装置に関し、特に、複数の半導体レーザから発せられたレーザビームを光ファイバを利用して合波する合波レーザ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外域のレーザービームを発生させる装置として、半導体レーザー励起固体レーザーから発せられた赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーや、エキシマレーザーや、Arレーザーが実用に供されている。
【0003】
このような波長のレーザービームを発する光源は、350〜420nmの紫外領域を含んだ所定の波長域(以下「紫外域」という)に感度を有する感光材料を露光する露光装置において、露光用光源として適用することも考えられている。その場合の露光用光源は、当然ながら、感光材料を感光させるのに十分な出力を備えることが求められる。
【0004】
しかし上記エキシマレーザーは、装置が大型で、コストやメンテナンスコストも高いという問題がある。
【0005】
また、赤外光を紫外域の第3高調波に変換する波長変換レーザーは、波長変換効率が非常に低いことから、高出力を得るのは極めて困難になっている。現在のところは、30Wの半導体レーザーで固体レーザー媒質を励起して10Wの基本波(波長1064nm)を発振させ、それを3Wの第2高調波(波長532nm)に変換し、それら両者の和周波である1Wの第3高調波(波長355nm)を得る、というのが現在の実用レベルである。その場合の半導体レーザーの電気−光効率は50%程度であり、そして紫外光への変換効率は1.7%程度と非常に低いものとなっている。そしてこのような波長変換レーザーは、高価な光波長変換素子を用いるために、コストがかなり高いものとなっている。
【0006】
またArレーザーは電気−光効率が0.005%と非常に低く、寿命が1000時間程度と非常に短いという問題がある。
【0007】
これらを解決し、高出力を得ることができる低コストかつ高寿命のレーザ装置として、複数の半導体レーザ素子からのレーザビームを合波して出力する合波レーザ装置が提案されている。例えば、特許文献1には、1次元状に並べられた複数の半導体レーザをからのレーザビームを光ファイバに集光して合波させる合波レーザ装置が提案されている。また、特許文献2には複数の半導体レーザを二次元状、具体的には円周状に並べて配設し、複数の半導体レーザからの光を1本の光ファイバに集光して合波させる合波レーザ装置が提案されている。
【0008】
一方、青色・紫外領域の短波長のレーザ、あるいは高出力のレーザ装置において、光パワー密度が高い状態にある光学部品の表面に有機物等の付着物が堆積し、光学部品の透過率の低下、あるいは破壊などの現象が生じやすいという問題が知られている。この光学部品のレーザビーム入射端面への付着物としては、空気中の塵埃の集塵効果によるもの、周辺あるいは空気中に揮発している有機物がレーザ光と化学反応した結果の堆積物・付着物などが知られている。この問題は、出力の大きい合波レーザ装置においては特に顕著になるものと考えられる。
【特許文献1】特開2004-77779号公報
【特許文献2】特開2003-347647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1および特許文献2の装置は、複数の半導体レーザ、光ファイバの先端およびレーザビームを光ファイバに集光する光学系が、気密封止された比較的大型のパッケージ内に配置された構成となっており、汚染物質の付着を効果的に抑制することができるが、このような気密封止パッケージは特注品となる場合が多く、コスト高になる虞がある。
【0010】
そこで、コスト高となる大型の気密封止パッケージを備えない構造とするため、例えば、特許文献2の装置において、個々にCANパッケージに実装された半導体レーザ素子を用い、円周状に配置した構成とすることも考えられる。しかしながら、例えば、外径直径が5.6mmのCANパッケージを円周状に4つ配列した場合、結合効率を高めるためにはコリメートレンズとして直径φが8mm程度のものを要する。このとき、4つの半導体レーザからの4本ビーム束の直径は、20mmにもなる。このコリメートレーザビームをNA(開口)=0.2のファイバに集光させる場合、焦点距離50mmの集光レンズとする必要がある。そのため、レーザ装置としてのサイズが大きくなりがちである。このようにモジュールとしてサイズが大きくなってしまい、結果として十分な低コスト化を図ることができない虞がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、小型かつ高出力が得られる低コストの合波レーザ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の合波レーザ装置は、複数の半導体レーザと、
1本のマルチモード光ファイバと、
角錘面状の反射面を有する光学部材を備え、
前記半導体レーザ、前記光ファイバおよび前記光学部材が、前記複数の半導体レーザから出射されるレーザビームが前記光学部材のそれぞれ異なる側面に入射し、該異なる側面から入射した複数のレーザビームが該側面で反射されて前記光ファイバの入射端面に集光される位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
角錘面状の反射面を有する光学部材とは、側面がミラーで構成された角垂体部材、あるいは角錘体形状の凹部を有し、角錘体形状の側面が反射面となっているプリズムなどである。
【0014】
なお、複数の半導体レーザ素子は、個別に気密封止されたパッケージ内に配置されていることが望ましい。
【0015】
また、本発明の合波レーザ装置は、光ファイバの入射端面に接触するように配置された透明部材を備え、複数のレーザビームが透明部材を介して光ファイバの入射端面に集光されるものであり、透明部材の、レーザビームが入射する入射面における該レーザビームの光パワー密度が、10W/mm2以下であることが望ましい。
【0016】
また、このとき、光学部材を内包する、光出射窓を有する筐体を備え、透明部材が、前記光出射窓を覆うように配置され、光ファイバが、前記筐体の外部に該筐体に対して着脱自在とされていることが望ましい。
【0017】
あるいは、本発明の合波レーザ装置は、光学部材を内包する、光出射窓を有する筐体と、光出射窓を覆うように配置された透明部材とを備え、光ファイバが、筐体の外部に透明部材に入射端面が接触するように配置されており、複数のレーザビームが透明部材を介して光ファイバの入射端面に集光されるものであり、光ファイバおよび透明部材が、筐体に対して着脱自在とされていることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の合波レーザ装置は、角錘面状の反射面を有するミラーまたはプリズムからなる光学部材を備え、半導体レーザ素子からのレーザビームの光路を反射させ、光ファイバの入射端面に集光させているため、レーザビームの光路を直線状ではなく折り返すことにより、焦点距離の短い集光レンズを使用することができ、結果として装置全体を小型化することが可能となる。
【0019】
複数の半導体レーザ素子はそれぞれ個別に気密封止されたパッケージ内に配置することができ、装置全体を大きな気密パッケージで覆う必要がなく、高価な気密パッケージを使わないためコストを抑制することができる。個々の半導体レーザを気密封止するためのパッケージは市販の安価なCANパッケージなどを用いることができる。
【0020】
また、紫外領域の合波レーザ装置においては、ファイバ入射端面でのパワー密度が高くなるためファイバ入射端面が汚染される問題があるが、本発明の合波レーザ装置において、光ファイバの入射端面が透明部材に接触するように配置構成すれば、光ファイバの入射端面と透明部材はフィジカルコンタクトしているので光ファイバの入射端面への汚染がなく、大気と接する透明部材のビーム入射面のパワー密度は光ファイバの入射端面におけるパワー密度と比較して低いため、該透明部材の入射端面への汚染物質の付着は抑制されたものとなり、結果として装置の劣化を抑制することができる。またその透明部材のレーザビームが入射する入射面における光パワー密度が、10W/mm2以下であれば、透明部材の入射面への汚染物質の付着をより効果的に抑制することができ、より高寿命化を図ることができる。
【0021】
また、本発明の合波レーザ装置は、光ファイバの入射端面に接触させられる透明部材と、光ファイバとが、光学部材を内包する筐体に対して着脱自在とされていれば、透明部材のレーザビームが入射する面に汚染物質が付着、堆積した場合や、透明部材と光ファイバの入射端面との間に塵埃等が介在した場合にも透明部材を容易にクリーニングもしくは交換することができるため、装置劣化を抑制し、高寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明の第1の実施の形態による合波レーザ装置について説明する。図1はその概略構成を示す側面図であり、図2は、光学部材および半導体レーザ素子の位置関係およびレーザビーム光路を概略的に示す平面図である。
【0024】
本実施形態の合波レーザ装置1は、4つの半導体レーザ素子LD1〜4と、該4つの半導体レーザ素子LD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4をそれぞれコリメートすると共に集光する4つのレンズ11〜14と、各レーザビームB1〜4をそれぞれ反射する反射面を側面21〜24として有する正四角錐の光学部材20と、光学部材20で反射されたレーザビームの集光位置に入射端面31が配置された1本のマルチモード光ファイバ33とを備えており、4つの半導体レーザ素子LD1〜4、光ファイバ33、光学部材20およびレンズ11〜14が、各半導体レーザLD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4が光学部材20のそれぞれ異なる側面21〜24に入射し、該異なる側面21〜24に入射したレーザビームがそれぞれ反射されて光ファイバ33の入射端面31に集光される位置にそれぞれ配置されている。
【0025】
光学部材20は図3に示す正四角錘形状の部材であり、その4つの側面21〜24はミラーで構成されており入射してくる光を反射する反射面である。この光学部材20は筐体15内に配置されており、筐体15の、光学部材20の頂点25上方の箇所にはレーザビームが出射する出射窓16が開口されている。また筐体15は、各半導体レーザ素子からのレーザビームが透過し、光学部材20に入射するよう側壁が光透過部材で構成されている。
【0026】
それぞれの半導体レーザ素子LD1〜4は、脱気処理後、不活性ガスを充填し気密封止されたCANパッケージC1〜C4内に配置されており、各半導体レーザからのレーザビームが光学部材20の4つの側面21〜24にそれぞれ入射される位置に配置されている(図2参照)。
【0027】
コリメートおよび集光を行う各レンズ11〜14は、各CANパッケージC1〜C4の光出射窓外側に配置されている。
【0028】
筐体15の、出射窓16の外側には、透明部材30が該窓16を覆うように固定されており、さらにこの透明部材30を囲むようにして光ファイバ33の先端に取り付けられたフェルール35を受容するレセプタクル36が固定されている。
【0029】
光ファイバ33の入射端面31を含む先端部はフェルール35に挿入されており、このフェルール35ごと、レセプタクル36に嵌合するコネクタ38に取り付けられている。フェルール35はレセプタクル36の内スリーブ36aに受容され、レセプタクル36の外スリーブ36bとコネクタ38とには互いに係合する係合部36cおよび38cが設けられた構成である。
【0030】
コネクタ38は、レセプタクル36と嵌合時にフェルール35を透明部材30の接触面30aに押圧するバネ39を備えており、レセプタクル36にコネクタ38を接続すると、フェルール35はバネ39により所定の圧力を受けて透明部材30に押しつけられ、押圧接触された状態で保持固定される。
【0031】
レセプタクル36が筐体15に固定されているため、集光点と、フェルール35を受容するレセプタクル36の内スリーブ36aの位置は変化することがなく、光ファイバ33や半導体レーザLDを交換しても集光点と光ファイバ33の入射端面31の位置精度が維持され、高効率結合を得ることができる。
【0032】
本合波レーザ装置1においては、各半導体レーザ素子LD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4がレンズ11〜14を経て光学部材20の各側面21〜24に入射され、該側面21〜24で反射されて光学部材頂点25側へ進行方向が変えられ、透明部材30を介して該透明部材30に接触して配置されている光ファイバ33の入射端面31で集光する。該入射端面31から光ファイバ33内に入射したレーザビームはファイバ33内を伝播し、合波されたレーザビームが光ファイバ33の図示しない出射端面から出射される。
【0033】
各CANパッケージC1〜4内に250mWのレーザチップを備えているとすると、本合波レーザ装置は4つの半導体レーザ素子を備えているため、出力は1Wとなる。
【0034】
本実施形態の合波レーザ装置のように、レーザビームを反射する光学部材30を備え、レーザビームの光路を折り返すことにより、直線状で集光させる場合よりも焦点距離が短い集光レンズを用いることができるようになり、光路長を短くすることができ、全体として装置を小型化することができる。
【0035】
具体的な例として、半導体レーザ素子LD1〜4として250mWの半導体レーザをφ5.6mmのCANパッケージに実装し電気抵抗溶接によって密封したものを用い、各CAN パッケージC1〜4の光出射窓の外側に配置されているレンズ11〜14の、チップ側のNAが0.6、ファイバ側のNAが0.13であるとき、レンズ中心と発光点までの距離は、3mm、レンズ中心とファイバ入射点の集光点までの距離は、13.5mmとなる。これは、既述のように、特許文献2記載の装置において、φ5.6mmのCANパッケージを4つ備えた構成の場合に焦点距離が50mmであったことと比較すると格段に短いものである。
【0036】
なお、CANパッケージC1〜4は、内部の揮発成分を除去するため脱気処理を施した上で気密封止されたものであるため、汚染物質の半導体レーザ素子端面への付着を抑制することができる。また、使用時において光ファイバ33の入射端面31は透明部材30に接触させて押圧固定されているので、入射端面31は透明部材30により保護された状態となり汚染物質が付着しない。したがって、装置の長期に亘って信頼性の高いものとすることができる。
【0037】
さらに、半導体レーザ素子を気密封止するCANパッケージは市販の安価なものを用いることができ、一方、筐体15は気密封止する必要はないため、筐体が高価なものとなることもなく合波レーザ装置を安価に構成することができる。
【0038】
なお、本合波レーザ装置1において、駆動時における、透明部材30の光ビーム入射面30bにおける光パワー密度を10W/mm2以下とすることにより、透明部材30の入射面30bへの有機物等の汚染物質は抑制されるため、装置のさらなる高寿命化を図ることができる。
【0039】
図4は、透明部材30の光ビーム入射面30bにおける光パワー密度と、レーザモジュールの寿命との関係を示すデータである。ここで、寿命は、レーザモジュールの出力パワーが、初期出力パワーの60%になった時点で定義している。パワー密度が10W/mm2のとき18000時間の寿命が、パワー密度が大きくなるにつれて短くなることが明らかである。すなわち、透明部材の光ビーム入射面における光パワー密度を10W/mm2以下とすることにより、18000時間程度以上の寿命を得ることができると考えられ、製品の寿命として十分な長さを達成することができる。
【0040】
透明部材の光ビーム入射面における光パワー密度を10W/mm2以下とするための具体的例を説明する。
【0041】
光ファイバのNAが0.22、集光ビームの入射NAが0.2、各半導体レーザ素子の出力は250mWであるとする。ここでは、4つの半導体レーザ素子からの光を合波するため、出力は1Wである。ファイバのビーム入射端面を保護する透明部材30として、屈折率1.5のガラスを使用するものとする。このとき、ガラス内部の集光ビームのNAは、0.127となる。ファイバ保護ガラスである透明部材30の板厚が1mmのとき、該透明部材30のビーム入射面における光パワー密度が10W/mm2となる。すなわち、上記条件の場合、透明部材30の板厚を1mm以上とすることにより、透明部材の光ビーム入射面における光パワー密度を10W/mm2以下とすることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態による合波レーザ装置について説明する。図5はその概略構成を示す側面図であり、図6は、図5に示す合波レーザ装置のコネクタ非装着時の構成を示す側面図である。なお、図5および図6において、第1の実施形態と同一の要素には同一符号を付し詳細な説明を省略し、主として第1の実施形態と異なる点を説明する(以下において同様とする)。
【0043】
本実施形態の合波レーザ装置2においては、筐体15の出射窓16の部分に該出射窓16よりも径の大きい開口部17が形成されており、この開口部17に透明部材30が挿入されている。開口部17は透明部材保持部を構成するものである。図6に示すように、透明部材30はレセプタクル36の内スリーブ36a内を貫通可能な大きさであり、筐体15に対して着脱可能である。透明部材30は円柱状のガラスブロックであり、窓16、保持部17はいずれも円筒状とされている。保持部17の径は窓16の径よりも若干広くなっており、この段差部分16aがストッパとなって透明部材30の光軸方向の位置が規制される。
【0044】
レセプタクル36にコネクタ38を接続すると、フェルール35はバネ39により所定の圧力を受けて透明部材30に押しつけられ、接触固定されるが、このとき、このフェルール35による押圧と筐体10の透明部材保持部16の段差部分16aとにより透明部材30の光学軸方向位置が一義的に定められる。したがって、透明部材が筐体に対して固定されていなくても光学のずれ等の問題は生じない。
【0045】
透明部材30が着脱自在であるため、長時間の駆動の後、透明部材30の光ビームBの入射面30bに汚染物質が付着した場合もしくは、透明部材30の光ファイバ接触面30aと光ファイバ33との間に塵埃等が付着した場合、透明部材30のクリーニングもしくは透明部材30の交換を容易に行うことができる。
【0046】
本実施形態の合波レーザ装置2においても、第1の実施形態の合波レーザ装置1と同様に小型化の効果を得ることができ、また、透明部材30が汚染された場合には、取り外してクリーニングもしくは交換が容易にできるため長期信頼性を得ることもできる。
【0047】
次に、本発明の第3の実施形態の合波レーザ装置について説明する。第3の実施形態の合波レーザ装置3の側断面図を図7に示す。本実施形態の合波レーザ装置3は、レーザビームを反射して光路を変化させる、角錘面状の反射面を有する光学部材がプリズム40から構成されている点で上記実施形態と異なる。
【0048】
プリズム40は、図8に斜視図を示すように、四角柱の底面に正四角錐形の凹部50が設けられた形状を有する。四角柱の外側面41〜44から入射したレーザビームは四角錘50の側面に相当する面45〜48で反射してその進行方向が四角柱の上面49向きに変えられる。
【0049】
プリズム40は、上面49のレーザ光集光位置に開口56を有する筐体55内に配置されており、光ファイバ33は、筐体55の開口56から挿入されて入射端面31がプリズム40の上面49に接触するように配置されている。半導体レーザ素子LD1〜4、レンズ11〜14、プリズム40および光ファイバ.33は、半導体レーザLD1〜4からのレーザビームB1〜4がそれぞれレンズ11〜14、プリズム40を経て光ファイバ33の入射端面31(プリズム上面49)で集光する位置関係に配置されている。
【0050】
本合波レーザ装置3においては、各半導体レーザ素子LD1〜4から出射されたレーザビームB1〜4がレンズ11〜14を経てプリズム40の各側面41〜44に入射され、角錘体状の凹部の側面45〜49で反射されてプリズムの上面49側へ進行方向が変えられ、プリズム上面49と接触いている光ファイバ33の入射端面31で集光する。該入射端面31から光ファイバ33内に入射したレーザビームはファイバ33内を伝播し、合波されたレーザビームが光ファイバ33の図示しない出射端面から出射される。
【0051】
本実施形態においても上記実施形態と同様に装置小型化の効果を得ることができ、また、各半導体レーザ素子がCANパッケージ内に配置されており、光ファイバ.33の入射端面31はプリズム40の上面49に押圧接触されて保持固定されて、駆動時に光パワー密度の高い部分における汚染物質の付着が防止されており、長期信頼性を得ることができる。
【0052】
なお、上記各実施形態においては正四角錘の光学部材もしくは正四角錘の凹部を有する光学部材としたが、三角錐、五角錐など種々の多角錘の光学部材を用いることができる。n角錘を用いた場合、n個の半導体レーザ素子からのレーザビームを合波する装置を構成することができる。
【0053】
8角錐の光学部材を備えた合波レーザ装置を本発明の第4の実施形態として説明する。図9はその概略構成を示す側面図であり、図10は、光学部材および半導体レーザ素子の位置関係およびレーザビーム光路を概略的に示す平面図である。
【0054】
図9および図10に示すように、本実施形態の合波レーザ装置4は、8つの半導体レーザ素子LD11〜18と、該8つの半導体レーザ素子LD11〜18から出射されたレーザビームB11〜18をそれぞれコリメートすると共に集光する8つのレンズ51〜58と、各レーザビームB11〜18をそれぞれ反射する反射面を側面61〜68として有する八角錘形状の光学部材60を備えている。
【0055】
光学部材60は八角錐形状の部材であり、その8つの側面61〜68はミラーで構成されており入射してくる光を反射する反射面である。
【0056】
それぞれの半導体レーザ素子LD11〜18は、脱気処理後、不活性ガスを充填し気密封止されたCANパッケージC11〜C18内に配置されており、各半導体レーザからのレーザビームが光学部材60の8つの側面61〜68にそれぞれ入射される位置に配置されている(図10参照)。コリメートおよび集光を行う各レンズ51〜58は、各CANパッケージC11〜C18の光出射窓外側に配置されている。
【0057】
その他の構成は第1の実施形態の構成とほぼ同様である。
【0058】
本合波レーザ装置4においては、各半導体レーザ素子LD11〜18から出射されたレーザビームB11〜18がレンズ11〜18を経て光学部材60の各側面61〜68に入射され、該側面61〜68で反射されて光学部材頂点側へ進行方向が変えられ、透明部材30を介して該透明部材30に接触して配置されている光ファイバ33の入射端面31で集光する。該入射端面31から光ファイバ33内に入射したレーザビームはファイバ33内を伝播し、合波されたレーザビームが光ファイバ33の図示しない出射端面から出射される。
【0059】
各CANパッケージC11〜18内に250mWのレーザチップを備えているとすると、本合波レーザ装置は8つの半導体レーザ素子を備えているため、出力は2Wとなる。
【0060】
本合波レーザ装置4においては8本のレーザビームB11〜18を集光するため、駆動時における、透明部材30の光ビーム入射面30bにおける光パワー密度を10W/mm2以下とするためには、第1の実施形態の場合と比較して透明部材30の厚みを厚くする必要がある。 具体的な例として、第1の実施形態の場合と同様に、光ファイバのNAが0.22、集光ビームの入射NAが0.2、各半導体レーザ素子の出力は250mWであり、ファイバのビーム入射端面を保護する透明部材30として、屈折率1.5のガラスを使用するものとする。このとき、250mWの半導体レーザ素子からのレーザビームを8本合波するため出力は2Wとなる。透明部材として板厚が1.4mmのガラスを用いたとき、透明部材のビーム入射面におけるパワー密度が10W/mm2となる。すなわち、上記条件の場合、透明部材30の板厚を1.4mm以上とすることにより、透明部材の光ビーム入射面における光パワー密度を10W/mm2以下とすることができ、透明部材のビーム入射面の汚染を防止することが可能となり、経時信頼性が高いレーザを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施形態の合波レーザ装置の側断面図
【図2】図1の合波レーザ装置の光路を示す平面図
【図3】角錐面を有する光学部材の斜視図
【図4】光入射端面におけるパワー密度と寿命の関係を示すグラフ
【図5】第2の実施形態の合波レーザ装置の側断面図
【図6】第2の実施形態の合波レーザ装置のコネクタ非装着状態を示す側面図
【図7】第3の実施形態の合波レーザ装置の側断面図
【図8】角錐面を有する光学部材の斜視図
【図9】第4の実施形態の合波レーザ装置の一部側断面図
【図10】図1の合波レーザ装置の光路を示す平面図
【符号の説明】
【0062】
1、2、3、4 合波レーザ装置
11、12、13、14 レンズ
15 筐体
16 出射窓
17 透明部材保持部
20 光学部材
21、22、23、24 反射面
30 透明部材
31 光ファイバの入射端面
33 光ファイバ
35 フェルール
36 レセプタクル
38 コネクタ
39 バネ
40 プリズム
B1〜4 レーザビーム
C1〜4 CANパッケージ
LD1〜4 半導体レーザ素子




 

 


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