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発明の名称 偏光板付き液晶セル及び液晶表示装置の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65470(P2007−65470A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253540(P2005−253540)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 林 秀典 / 田口 慶一
要約 課題
パネルの反りを防止して、表示性能の低下を抑えた画像表示装置を提供すること。

解決手段
カール値が1〜40m−1である偏光板を液晶セルの少なくとも片面に貼り合せる工程を含むことを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法および前記製造方法で作製した偏光板付き液晶セルを筐体に組み込む液晶表示装置の製造方法であって、貼合前の偏光板のカール方向が液晶表示装置の視認側に凸となるよう筐体に組み込むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
カール値が1〜40m−1である偏光板を液晶セルの少なくとも片面に貼り合せる工程を含むことを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法。
【請求項2】
カール値が1〜40m−1である偏光板を、液晶セルの両面に貼り合せる工程を含むことを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法であって、該偏光板のカール方向が同じ方向に凸なるように貼り合せることを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の製造方法で作製した偏光板付き液晶セルを筐体に組み込む液晶表示装置の製造方法であって、貼合前の偏光板のカール方向が液晶表示装置の視認側に凸となるよう筐体に組み込むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法であって、偏光板製造時に保護フィルムとしてカール値が10〜40m−1であるフィルムを1枚以上用いたことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板付き液晶セル及び液晶表示装置の製造方法に関し、特に液晶パネルの反りの防止策に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置はパソコンのモニター用途のみでなく、TV用途としての開発が進められており、大画面化、薄膜化が進んでいる。しかしながら、大画面化、薄膜化した液晶表示装置において、使用環境の変化によりパネルが反り、表示品位が低下する問題が発生している。例えば、液晶表示装置を高温高湿下に一定期間放置した後、常温常湿下に取り出すと、縁部分が視認側に反るために縁部分または四隅が筐体に接触し光モレが発生する場合がある。また、反りの発生したパネルが、背面に設置されているバックライトヘ密着し表示品位が低下する場合もある。
【0003】
このような基板の反りは、薄膜化して変形しやすくなった基板の上下に、環境変化により膨張・収縮する部材が積層されていること、および基板の表裏で偏光板の膨張・収縮率差があることが原因と考えられている。例えば、透過型液晶表示装置では、液晶セルの両側に配置される偏光板や位相差フィルムが温度や湿度の変化により膨張・収縮することで反りが発生する。
【0004】
環境変化による基板の反りを改善するために、液晶セルの両側に偏光板を設け、さらに裏側の偏光板と輝度向上フィルムとを積層した液晶表示装置においては、表側の偏光板に用いる保護フィルムと裏側の偏光板に用いる保護フィルムの膜厚を変えることによりパネルの反りを改善している(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、膜厚の薄いフィルムを用いると、偏光子の湿度による劣化が進みやすい。また、偏光板に一般に使用されているセルロースアセテートフィルム(80μm)の半分の厚みのセルロースアセテートフィルムを作製しようとすると、加工時のハンドリング等が難しく、歩留まりが低下する問題もあった。
【特許文献1】特開2003−149634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、液晶表示装置のパネルの反りを防止して、表示性能の低下を抑えた液晶セルおよび液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
偏光板、もしくは偏光板の保護フィルムのカールは、それぞれ、液晶セル、もしくは偏光子への貼合時にハンドリング性を悪化させるため、無い方が良いとされてきた。
しかし本発明の発明者が鋭意検討した結果、任意のカール値を有する偏光板を通常環境変化によりパネルが反る方向と逆方向に反りを持たせて貼ることで液晶表示装置の反りを抑制出来ることを見いだした。
具体的には、偏光板、もしくは偏光板を構成するフィルムを、鑑賞者側に凸になるよう、液晶セル貼合前にカールさせることで、反りに伴う光りぬけが発生しない液晶表示装置を作製できることが分った。
【0007】
すなわち本発明は以下の手段によって達成された。
(1)カール値が1〜40m−1である偏光板を液晶セルの少なくとも片面に貼り合せる工程を含むことを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法。
(2)カール値が1〜40m−1である偏光板を、液晶セルの両面に貼り合せる工程を含むことを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法であって、該偏光板のカール方向が同じ方向に凸なるように貼り合せることを特徴とする偏光板付き液晶セルの製造方法。
(3)前記(1)または(2)に記載の製造方法で作製した偏光板付き液晶セルを筐体に組み込む液晶表示装置の製造方法であって、貼合前の偏光板のカール方向が液晶表示装置の視認側に凸となるよう筐体に組み込むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(4)前期(3)に記載の液晶表示装置の製造方法であって、偏光板製造時に保護フィルムとしてカール値が10〜40m−1であるフィルムを1枚以上用いたことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液晶表示装置のパネルの反りを防止して、表示性能の低下を抑えた液晶表示装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
以下において、本発明の液晶表示装置について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0010】
(偏光板、保護フィルムのカール測定)
本明細書中に記載されている偏光板あるいは保護フィルムのカール値とは偏光板、もしくは保護フィルムを、25℃80%RHの環境下に6時間以上放置したとき生じるカール値を表す。具体的にはカールしたフィルムの曲率半径を測定し、その逆数をカール値(m−1)とした。
【0011】
(液晶表示装置)
本発明の偏光板付き液晶セルは、カール値が1〜40m−1である偏光板を、液晶セルの少なくとも片面に貼り合せて製造される。
【0012】
上記液晶セルとしてはガラスまたは樹脂からなる液晶セルが用いられる。
また偏光板としては1〜40m−1のカール値を持つ1枚以上の偏光板が好ましく用いられる。偏光板のカール値はより好ましくは、5〜35m−1であり、特に好ましくは、15〜30m−1である。カール値が大きいほどパネルの反りへの抑制力は大きくなる。
【0013】
本発明の偏光板付き液晶セルの製造方法においては、例えば液晶層を2枚の偏光板で挟んだ構造のセルの場合、カール値が1〜40m−1である2枚の偏光板を同じ方向に凸なるように貼合することが好ましい。
この様にすることにより、カールによるパネルの反り抑制力は足し合わされ、パネルの反りが発生しにくくなる。
【0014】
本発明はさらに液晶表示装置にかかるものである。
液晶表示装置は、液晶セルの両側に偏光板を配置し、必要に応じて位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の各種光学素子が積層される。
一般に、液晶表示装置は液晶パネルの外周部を「ベゼル」と呼ばれるステンレス等の金属板からなる固定枠で固定して液晶モジュールとし、この液晶モジュールを他の構成部材と共に筐体内に組み立て、収納して製造される。本発明の液晶表示装置の製造方法も同様の構成で行われる。
【0015】
特に本発明の液晶表示装置は、前記本発明の製造方法で作製した偏光板付き液晶セルを筐体に組み込む際、貼合前の偏光板のカール方向が共に液晶表示装置の視認側に凸となるよう筐体に組み込んで製造されることを特徴とする。偏光板が複数の場合、カールの方向を同じにすることにより、カールによるパネルの反り抑制力は足し合わされ、大きくなる。
【0016】
(偏光板の保護フィルムのカール)
本発明の液晶表示装置の偏光板には、10〜40m−1のカール値を持つ1枚以上の保護フィルムが好ましく用いられる。用いる保護フィルムのカール値としてはより好ましくは、カール値が15〜35m−1であり、特に好ましくは、20〜35m−1である。カール値が大きいほどパネルの反りへの抑制力は大きくなる。
【0017】
(基板)
本発明の液晶表示装置を構成する液晶セルは、ガラスまたは樹脂(プラスチック)からなる。当該ガラスまたは樹脂は添加剤を含んでいてもよく、また基板はガラスまたは樹脂以外の構成要素を保持していてもよい。そして、ガラスや樹脂からなるセル基板の間に液晶を封入することができる。
液晶表示装置を構成する液晶セルの厚さは、装置を薄型化するために、1mm以下であることが好ましく、0.7mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが最も好ましい。基板の大きさについては基板の長辺が10cm〜500cmであることが好ましく、20cm〜500cmであることがより好ましく、50cm〜500cmであることがさらに好ましい。また、短辺は長辺に合わせて実用的な範囲の長さにすることが好ましい。面積が広い場合に液晶パネルの反りが発生しやすいことから、特に大画面の液晶表示装置で本発明を用いれば効果的である。
【0018】
樹脂基板としては、表示品位を満足する透明性と適当な機械的強度を有していれば特に限定されず、従来公知のものを全て使用できる。樹脂基板を形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル、ポリジアリルフタレート、ポリイソボニルメタクリレート等の熱硬化性樹脂などを挙げることができる。かかる樹脂は、1種または2種以上を用いることができ、他成分との共重合体や混合物として用いることもできる。
【0019】
(偏光板)
本発明において、偏光板の種類は本発明の条件を満足する範囲であれば特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、二色性を有するヨウ素または二色性染料で染色し、延伸して配向させた後に架橋、乾燥させた偏光子と、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の保護フィルムと貼り合わせて製造される吸収型偏光板を好ましく用いることができる。偏光子は光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。光透過率は30%〜50%が好ましく、35%〜50%がさらに好ましく、40%〜50%であることが最も好ましい。偏光度は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、99%以上であることが最も好ましい。30%以下の透過率、もしくは90%以下の偏光度の場合には画像表示装置の輝度やコントラストが低く、表示品位が低下する。偏光子の厚さは1〜50μmが好ましく、10〜40μmがさらに好ましく、15〜35μmであることが最も好ましい。
【0020】
本発明において偏光子と保護膜との接着処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から
少なくともなる接着剤などを介して行うことができる。特に、ポリビニルアルコール系フィルムとの接着性が最も良好である点で、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができる。
【0021】
(カール処理)
本発明では、偏光板製造工程において、偏光膜と保護膜の貼り合せの前、あるいは貼り合せてから乾燥するまでの間、あるいは乾燥後に、保護膜の表面にカール処理を施す。この時保護膜のどちらの面にカール処理を行ってもよいが、偏光膜と接合される面の逆側にカール処理を施すことがより好ましい。通常、カール処理を行った面が凹となる。
保護膜/偏光膜/保護膜からなる偏光板を製造する工程では、カール処理は通常は偏光板の片面(一方の保護膜の偏光膜とは接合されない面)だけに行う。しかし特に精密にカールを制御する場合は、偏光板の両面(両方の保護膜の偏光膜とは接合されない面)にカール処理を施すことが出来る。この場合は、両方の保護膜に対するカール処理を異なる処理強度で行うことが好ましい。
【0022】
偏光板、保護フィルムのカール処理としては、具体的には、水蒸気や溶剤蒸気を吹き付ける方法、溶剤を塗布して乾燥する方法、及びポリマー溶液を塗布して乾燥する方法が挙げられる。
(蒸気処理)
この方法は、水や有機溶剤の蒸気を保護膜あるいは偏光板の片面だけにふきつけて蒸気に曝す処理である。使用する溶剤種は保護膜の素材に対して溶解性を有するかあるいは膨潤性を有する溶剤が効果的で好ましい。溶解性が強すぎると二次的な不都合を生じやすいため、溶解性の小さな溶剤や溶解はしないが膨潤しやすい溶剤を選定することが好ましい。セルロースアシレートフィルムの場合は、水が最も好ましい。炭素数1から8のアルコール類、ケトン類、炭素数4以上のエステル類も好ましい。塩化メチレンやクロロホルムの如き炭素数2以下のハロゲン含有溶剤や炭素数3以下のエステル類は単独で使用してもよいが、水や他の溶剤と混合してセルロースアシレートに対する溶解性を低減することにより、より好ましい溶剤として使用できる。
溶剤は使用する溶剤の沸点以上の温度に加熱し、細いノズルの先あるいはせまいスリットの隙間から保護膜表面に向けて噴射することができる。保護膜表面の溶剤蒸気濃度は2から100質量%が好ましく、10質量%以上90質量%以下がより好ましく、30質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。保護膜が蒸気に曝される時間は1から600秒が好ましく、2から120秒がより好ましく、4から40秒が更に好ましい。蒸気に曝されている時の保護膜の温度は、10℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上80℃以下がさらに好ましい。
【0023】
(溶剤塗布)
この方法は、溶剤を保護膜あるいは偏光板の片面だけに塗布した後乾燥する処理である。使用する溶剤種は保護膜の素材に対して溶解性を有するかあるいは膨潤性を有する溶剤が効果的で好ましい。溶解性が強すぎると二次的な不都合を生じやすいため、溶解性の小さな溶剤や溶解はしないが膨潤しやすい溶剤を選定することが好ましい。セルロースアシレートフィルムの場合は、炭素数1から8のアルコール類、ケトン類、炭素数4から8のエステル類などが好ましい。塩化メチレンやクロロホルムの如き炭素数2以下のハロゲン含有溶剤や炭素数3以下のエステル類は単独で使用してもよいが、水や他の溶剤と混合してセルロースアシレートに対する溶解性を低減することにより、より好ましい溶剤として使用できる。また複数の溶剤を混合調整して使用することにより、より精密にカールを制御できる。
溶剤の塗布量は1平方メートルあたり0.1gから100gが好ましく、0.5gから50gがより好ましく、2gから20gが更に好ましい。塗布方法は特に制限は無い。グ
ラビアコーター、リバースコーターあるいはワイヤーバーコーターなどのよく知られた一般の方法で塗布できる。塗布後の乾燥条件の好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、より好ましくは40℃〜90℃であり、さらに好ましくは50℃〜80℃である。好ましい乾燥時間は15秒〜10分であり、より好ましくは20秒〜7分であり、更に好ましくは30秒から3分である。もっとも好ましい乾燥条件としては45℃〜80℃の温度で30秒から3分である。
【0024】
(その他のフィルム)
偏光板の視認側表面にはハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、等を貼りあわせまたは表面処理によって適宜設けても良い。ハードコートフィルムまたはハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優れる硬化皮膜を、透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止フィルムまたは反射防止処理(アンチリフレクション)は、偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、防眩フィルムまたは防眩処理(アンチグレア)はパネル(画面)の表面で外光が反射してパネルからの透過光の視認を阻害することの防止を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式等による粗面化方式や、透明微粒子を含有した塗工液をコーティングする方式などの適宜な方式にて、保護膜表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。
【0025】
偏光板の液晶セル側には光学補償フィルムを必要に応じて設けても良い。光学補償フィルムは、一般に液晶表示装置の斜め方向の視野角を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは、偏光板の保護膜そのものに光学性能を持たせた一体型、例えばトリアセチルセルロースアシレートフィルムに光学補償性能を持たせて偏光子の保護膜としたものでも良いし、例えばトリアセチルセルロースフィルムにディスコティック液晶を塗布して、その後偏光板と一体化する型でも良い。また、光学補償フィルムは複数枚用いて貼りあわせても良い。貼りあわせる光学補償フィルムとしては主にポリマーフィルムが好ましく用いられる。例えば面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムや、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した傾斜配向ポリマーフィルムのような2方向延伸フィルムなどが用いられる。さらには傾斜配向フィルムも用いられる。例えばポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理または/および収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。
【0026】
(偏光板用保護膜の材質)
本発明の画像表示装置、特に液晶表示装置に用いられる偏光板の保護膜を形成する材料としては、光学性能、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましく、本請求を満たす範囲であればどのような材料を用いても良い。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例として挙げられる。また本発明に用いられる偏光板の保護膜は、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン
系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
【0027】
また、本発明に用いられる偏光板の保護膜を形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等が挙げられる。
【0028】
また、保護膜を形成する材料としては、従来偏光板の透明保護膜として用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることができる。
【0029】
(保護膜への添加剤)
本発明に用いられる偏光板の保護膜は熱可塑性のポリマー樹脂を熱溶融して製膜しても良いし、ポリマーを均一に溶解した溶液から溶液製膜(ソルベントキャスト法)によって製膜しても良い。熱溶融製膜の場合は種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を熱溶融時に加えることができる。一方、偏光板の保護膜を溶液から調製する場合は、ポリマー溶液(以下、ドープという)には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。またその添加する時期はドープ作製工程のどこで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
【0030】
(保護膜の厚み)
本発明の液晶表示装置に用いられる偏光板の保護膜の厚さは、弾性率の大きさや製造上の観点から20〜200μmであることが好ましい。より好ましくは40〜180μmであり、さらに好ましくは60〜150μmである。
本発明の液晶表示装置について詳細を以下に述べる。
【0031】
液晶表示装置は、様々な表示モードの液晶セルを用いて達成することができる。代表的な表示モードとして、IPS(In-Plane Switching)、VA(Vertically Aligned)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。
【0032】
液晶表示装置の反りおよび反りによるコーナームラを防止することができる方式として、偏光板の吸収軸をパネルの長辺方向(通常は画面の横方向)と平行または垂直に張り合わせる方式が望ましい。このような貼りあわせを一般に採用している表示モードとしてはIPS、VAが上げられ、本発明の液晶表示装置ではこれらの表示モードの液晶セルを望ましく用いることができる。
【0033】
(パネルの反り)
本発明の画像表示装置は、パネルの反りに関して、温度60℃、相対湿度90%にて48時間経時後、温度25℃相対湿度60%の環境下に移して20分後の時点での反り量w(mm)が、パネルの長辺方向の長さL(mm)に対して、w/L≦0.01を満たすことを特徴とする。より望ましくはw/L≦0.005であり、w/L≦0.003を満たすことがさらに望ましい。
【0034】
また、温度50℃、相対湿度50%にて4時間経時後、温度25℃相対湿度60%の環境下に移して20分後の時点でも、パネルの反り量w(mm)が、パネルの長辺方向の長さL(mm)に対して、w/L≦0.05を満たすことが望ましい。より望ましくはw/L≦0.02であり、w/L≦0.01を満たすことがさらに望ましい。
【実施例】
【0035】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0036】
(偏光板、保護フィルムのカール処理)
偏光板、もしくは保護フィルムは蒸気によりカール処理した。
保護膜P1の偏光膜と接合する面とは反対側面に、空気1kgあたり水蒸気1.5kgを含んだ高湿空気をあてた。偏光板、または保護フィルムのカール量は、両面、もしくは片面に高湿空気を当てる時間で調節した。
【0037】
(偏光板、保護フィルムのカール測定)
偏光板、もしくは保護フィルムを、25℃80%RHの環境下に6時間以上放置したとき生じるカールの曲率半径を測定し、その逆数をカール値(m−1)とした。
【0038】
<実施例1〜3>
(1)保護フィルムの作製
(1−1)保護フィルム1の作製
ケン化度99.5%のポリビニルアルコールを70℃に加温した水に溶解し、7.0重量%の水溶液を得た。60℃に保持し、水膨潤性雲母水溶液(コープケミカル製)を加えて分散し、ポリビニルアルコールに対して雲母が25質量%含まれる塗布液を調製した。
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80U、富士写真フイルム(株)製)を1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにしてフィルムの両表面をケン化処理した。
ケン化したセルロースアセテートフィルムの片面に調製した塗布液を5μmの厚みになるように塗布し、105℃で10分間乾燥させた後、120℃で5分間熱処理した。さらに水蒸気を用いたカール処理を偏光子に張り合わせる面に対して30秒間行い、カール値20m−1の偏光板用保護フィルム1を作製した。
【0039】
(1−2)保護フィルム2の作製
下記表1に示した組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
【0040】
【表1】


【0041】
平均粒子サイズ16nmのシリカ粒子(AELOSIL R972、日本アエロジル(株)製)20質量部と、メタノール80質量部とを30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記表2に示した組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット材溶液Aを調製した。
【0042】
【表2】


【0043】
下記表3に示した組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Aを調製した。レターデーション低下化合物は、光学的異方性を低下する化合物として用いた。
【0044】
【表3】


【0045】
【化1】


【0046】
【化2】


【0047】
前記セルロースアシレート溶液Aを94.6質量部、マット材溶液Aを1.3質量部、添加剤溶液Aを4.1質量部をそれぞれろ過後に混合し、流延部、テンター部、乾燥部から構成されるバンド流延機を用いて流延した。前記組成でレターデーション低下化合物および波長分散調整剤のセルロースアシレートに対する質量比は11.7%および1.2%であった。
バンド上で流延したフィルムを約55%の残留溶剤量を含んだ状態で剥離した後、テンターで両端を保持しながら95℃で乾燥させた。さらに残留溶剤量が約20%のところでテンターから離脱させ、クリップ跡のある両端を切り落とした後、複数のロールからなる乾燥部で100〜135℃の温度範囲で乾燥させて巻き取った。このようにして得た保護フィルム2の膜厚は80μmであった。さらに水蒸気を用いたカール処理を張り合わせの際に偏光子と反対側になる面に対して30秒間行い、カール値20m−1の偏光板用保護フィルム2を作製した。
【0048】
(1−3)保護フィルム3の作製
デソライトKZ−7869(紫外線硬化性ハードコート組成物、72質量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトンと88gのシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解し、ハードコート層塗布液を調製した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
【0049】
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91g、デソライトKZ−7115、KZ−7161(ZrO2微粒子分散液、JSR(株)製)199gを52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。さらにこの溶液に平均粒子サイズ2.0μmの架橋ポリスチレン粒子(SX−200H、綜研化学(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46質量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散した分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
【0050】
保護フィルム1の塗布層の上に、前記のハードコート層塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。その上に、前記防眩層塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、窒素パージによって0.01%以下の酸素濃度雰囲気下において、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩性ハードコート層を形成した。このようにして保護フィルム3を作製した。保護フィルム3についてはカール処理を行わなかった。
【0051】
(2)偏光板の作製
(2−1)偏光板1の作製
上記のセルロースアシレートフィルムをケン化した方法と同様にして、保護フィルム2の表面をケン化した。
次に厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、けん化処理した保護フィルム1および保護フィルム2を偏光子と貼り合わせた。この時、保護フィルム1の、雲母塗布層とは反対側の表面を偏光子と貼りあわせて偏光板0を作製した。
偏光板0に用いた保護フィルム2の、偏光子と接着した面とは反対側にアートンフィルム(JSR社製)を一軸延伸した光学補償フィルムを貼合して偏光板1を作製した。光学補償フィルムの面内レターデーションReは270nmでNzファクターは0.5のものを用いた。この偏光板のカール値は10m−1であった。
【0052】
(2−2)偏光板2の作製
市販のセルロースアシレートフィルム(フジタックTD80U、富士写真フイルム(株)製)を1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにしてフィルムの両表面をケン化処理した。
偏光板1を作製したときと同様に偏光子を作製し、けん化処理したセルロースアシレートフィルムを両面から貼りあわせて偏光板2を作製した。出来上がった偏光板2に対して水蒸気によるカール処理を、液晶セルへの貼り合わせの時にセルと反対側になる面に60秒間行い、カール値を20m−1とした。
【0053】
(2−3)偏光板3の作製
保護フィルム1の代わりに保護フィルム3を用いたこと以外は偏光板1と同様にして、保護フィルム3のハードコート層とは反対側の面を偏光子と接着するようにして偏光板3を作製した。保護フィルム2側に水蒸気によるカール処理を70秒間行い、カール値を25m−1とした。
【0054】
(2−4)偏光板4の作製
エチレンビニルアルコール共重合体をけん化処理した市販のセルロースアシレートフィルム(フジタックTD80U、富士写真フイルム(株)製)上に塗布して、12μmの厚みの防湿層を形成した。こうして作製した防湿層付保護フィルムと保護フィルム2を、防湿層付保護フィルム/偏光子/保護フィルム2/アートンフィルムの順序で偏光板1と同様にして偏光板4を作製した。偏光板4へのカール処理は行わなかったが、カール値は15m−1であった。
【0055】
(2−4)偏光板5の作製
カール処理を行わないこと以外は偏光板2と同様にして偏光板5を作製した。偏光板5のカール値は0.1未満であった。
【0056】
(3)液晶表示装置の作製
IPS型液晶セルを使用した市販の液晶表示装置(HITACHI(株)製、W20-L5000、32インチサイズ)に設けられている偏光板、位相差板を剥がし、液晶セルを取り出した。液晶セルの表側(視認側)と裏側に、表4に記載される偏光板をそれぞれアクリル系の粘着材を用いて貼りあわせた。貼り合わせは、偏光板のカールが視認側に凸になるように行った。このようにして作製した液晶パネルを元通りに組み立て直して表4に示した
実施例1〜4の液晶表示装置を作製した。
【0057】
(4)液晶表示装置の湿熱処理による評価
作製した液晶表示装置を60℃、相対湿度90%の環境下で48時間放置した。処理後、そのまま25℃、相対湿度60%の環境に移した。電源を投入し、黒表示状態を目視で観察したところ、実施例1〜4の液晶表示装置の表示は、いずれも周囲に光モレがなく良好であった。次に、液晶表示装置から作製したパネルのみを取り出して、25℃、相対湿度60%の環境下に移してから20分での反り量を測定した。測定結果を表4に示す。
【0058】
<比較例1>
使用した偏光板、および保護フィルムにカール処理を行わず、カール値が0.1m−1未満であること以外は実施例3と同じである液晶表示装置を比較例1とした。このときの表側偏光板を偏光板6、裏側偏光板を偏光板7とする。この液晶表示装置を60℃、相対湿度90%の環境下で48時間放置した。処理後、そのまま25℃・相対湿度60%の環境に取り出した。電源を投入し、黒表示状態を目視で観察したところ、周囲、特にパネルの角部分が筐体に接触し、光モレが発生していた。次に、液晶表示装置からパネルのみを取り出し、実施例1〜4と同様に反り量を測定した。測定結果を表4に示す。
【0059】
【表4】



【0060】
表4から明らかなように、所定のカール値を有する偏光板によって作製した実施例1〜4の液晶表示装置は、液晶セルの反りが少なく、実用上問題ないレベルであることが確認された。一方、比較例1の液晶表示装置は、液晶セルの反り量が0.015と高い値を示し、実質的に使用に耐えないレベルであることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の画像表示装置は、基板の反りが抑制されているため、表示性能の低下を効果的に抑えることができる。このため、環境変化が著しい条件下においても、優れた表示性能を維持することが可能である。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。




 

 


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