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発明の名称 レーザモジュールの組立装置及び組立方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−65463(P2007−65463A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253423(P2005−253423)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
発明者 永野 和彦
要約 課題
レーザモジュールの組立装置において、合波ビーム生成手段と光ファイバとの調芯を効率よく実施する。

解決手段
レーザモジュールの組立装置6は、合波ビームの設計上のビーム中心軸をz軸とし、z軸に交わる平面をxy平面としたとき、各レーザ素子について、レーザ素子を単独点灯した際の、任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段7Xと、各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置と設計上のレーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数のxy平面と平行な平面上のビーム中心位置からなるビーム位置情報に基づいて、複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいz位置を求める集光点計算手段71とを備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のレーザ素子及び該複数のレーザ素子からの出射光を集光する集光光学系を備え、前記複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と、前記合波ビームが入射する光ファイバとを光学的に結合して、
前記複数のレーザ素子と前記集光光学系と前記光ファイバとを備えたレーザモジュールを組み立てるレーザモジュールの組立装置において、
前記合波ビームの設計上のビーム中心軸をz軸とし(原点は任意)、該z軸に交わる一つの平面をxy平面としたとき、
前記複数のレーザ素子の各々について、該1個のレーザ素子を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置における前記xy平面と平行な平面上の該レーザ素子の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段と、
前記各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置における前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データと設計上の該レーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、前記各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数の前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報に基づいて、前記複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さい前記xy平面と平行な平面のz位置を求める集光点計算手段とを備えたことを特徴とするレーザモジュールの組立装置。
【請求項2】
前記ビーム位置情報、及び/又は前記集光点計算手段による前記z位置の計算結果を記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザモジュールの組立装置。
【請求項3】
前記ビーム中心位置測定手段は、
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバをxy方向に相対移動させるxy方向相対移動手段と、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバをz方向に相対移動させるz方向相対移動手段と、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとが任意の相対位置で光学的に結合されたときの該光ファイバからの光出力を測定する光出力測定手段とを備え、
前記z方向相対移動手段により、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの光入射面を前記ビーム中心位置の測定を行うz位置に相対配置し、該配置で、前記xy方向相対移動手段による前記光ファイバのxy方向相対移動と前記光出力測定手段による前記光出力の測定とを実施して、該光出力が最大となる前記光ファイバの前記光入射面の中心位置を前記ビーム中心位置として求めるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザモジュールの組立装置。
【請求項4】
前記z方向相対移動手段により、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの前記光入射面を前記集光点計算手段により計算された前記z位置に相対配置し、
その後さらに該光ファイバの前記合波ビーム生成手段に対する相対位置の微調整を行って、前記合波ビームの前記光ファイバからの光出力が最大となる該光ファイバの前記相対位置を測定し、該相対位置で、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとを固定するものであることを特徴とする請求項3に記載のレーザモジュールの組立装置。
【請求項5】
前記ビーム中心位置測定手段をなす、前記xy方向相対移動手段と前記z方向相対移動手段と前記光出力測定手段とが、前記合波ビームの前記光ファイバからの光出力が最大となる該光ファイバの前記相対位置を測定する手段を兼ねていることを特徴とする請求項4に記載のレーザモジュールの組立装置。
【請求項6】
前記レーザモジュールは、
前記合波ビーム生成手段が、前記複数のレーザ素子及び前記集光光学系が光出射側に開口部を有する筐体に収容されたレーザユニットからなり、
該レーザユニットの前記筐体に、前記光ファイバの光入射側端部が介挿される筒状部を有し、前記開口部を覆う光ファイバ固定部材が取り付けられ、
前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとの固定前において、前記光ファイバ固定部材が前記筐体に対してxy方向に相対移動自在とされ、前記光ファイバが前記筒状部に対してz方向に相対移動自在とされたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザモジュールの組立装置。
【請求項7】
複数のレーザ素子及び該複数のレーザ素子からの出射光を集光する集光光学系を備え、前記複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と、前記合波ビームが入射する光ファイバとを光学的に結合して、
前記複数のレーザ素子と前記集光光学系と前記光ファイバとを備えたレーザモジュールを組み立てるレーザモジュールの組立方法において、
前記合波ビームの設計上のビーム中心軸をz軸とし(原点は任意)、該z軸に交わる一つの平面をxy平面としたとき、
前記複数のレーザ素子の各々について、該1個のレーザ素子を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置における前記xy平面と平行な平面上の該レーザ素子の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定工程と、
前記各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置における前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データと設計上の該レーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、前記各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数の前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報に基づいて、前記複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さい前記xy平面と平行な平面上のz位置を求める集光点計算工程とを有することを特徴とするレーザモジュールの組立方法。
【請求項8】
前記ビーム中心位置測定工程は、
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの光入射面を前記ビーム中心位置の測定を行うz位置に相対配置し、該配置で、前記光ファイバのxy方向相対移動と前記光ファイバからの光出力の測定とを実施して、該光出力が最大となる前記光ファイバの前記光入射面の中心位置を前記ビーム中心位置として求める工程であることを特徴とする請求項7に記載のレーザモジュールの組立方法。
【請求項9】
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの前記光入射面を前記集光点計算工程により計算された前記z位置に相対配置する光ファイバ配置工程と、
前記光ファイバの前記合波ビーム生成手段に対する相対位置の微調整を行って、前記合波ビームの前記光ファイバからの光出力が最大となる該光ファイバの前記相対位置を測定する位置微調整工程と、
該位置微調整工程で測定された前記光ファイバの前記相対位置で、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとを固定する固定工程とをさらに有することを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザモジュールの組立方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレーザ素子からの出射光を合波する合波ビーム生成手段と光ファイバとを光学的に結合してレーザモジュールを組み立てる、レーザモジュールの組立装置及び組立方法に係り、特に合波ビーム生成手段と光ファイバとの調芯技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1個のレーザ素子及び集光光学系を備えたレーザユニットと光ファイバとを光学的に結合してレーザモジュールを組み立てる組立装置が開示されている。
【0003】
上記レーザモジュールでは、集光点と光ファイバのコア中心とを高精度に合わせることが重要である。ビーム中心軸をz軸とし(原点は任意)、このz軸に交わる平面をxy平面とする。
【0004】
特許文献1の組立装置は、レーザユニットをxy方向に移動するxy方向移動手段と、光ファイバをz方向に移動するz方向移動手段と、レーザユニットと光ファイバとが任意の位置で結合されたときの光ファイバからの光出力を測定する光出力測定手段とを備えたものである。
【0005】
かかる組立装置では、集光点と光ファイバのコア中心とが完全に一致するときに光出力が最大となることを利用して、以下のように調芯及び固定が行われる。
【0006】
はじめに、レーザユニットを固定して光ファイバを任意のz位置に配置し、その後、レーザユニットをxy平面で移動させながら光ファイバからの出力を測定し、光ファイバが上記z置にあるときに光出力が最大となるレーザユニットのxy位置を求める。この操作を光ファイバのz位置を変えて行う。以上の操作により、光出力が最大となるレーザユニットのxy位置と光ファイバのz位置との組合わせ(このときの光ファイバの光入射面の中心位置が集光点)が求まるので、この位置で、レーザユニットと光ファイとを固定する。上記操作は、大まかな刻みで粗調芯行った後、小刻みの微調芯を行って実施され、光出力が最大となる点を高精度に求めている。
【0007】
特許文献2には、レーザユニットからの出射光の任意のz位置における光強度分布を撮像素子により測定し、画像処理により上記z位置において光出力が最大となるxy位置を求め、この操作をz位置を変えて行って、光出力が最大となるxyz位置(集光点)を求め、この位置に光ファイバを配置してレーザユニットと光ファイバとを固定するレーザモジュールの組立装置が開示されている。
【特許文献1】特許第2970508号公報
【特許文献2】特開2003-177285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び2に記載の組立装置は、1個のレーザ素子を用いたレーザモジュールを対象としたものである。近年、高輝度高出力を得るために、複数のレーザ素子を用い、複数のレーザ素子からの出射光を合波して光ファイバに入射させる合波レーザモジュールが検討されている。以下、合波レーザモジュールにおいて、複数のレーザ素子及び集光光学系を備え、複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する光学系を「合波ビーム生成手段」と称す。合波ビーム生成手段は、複数のレーザ素子と集光光学系とが筐体に収容されたレーザユニットでもよいし、複数のレーザ素子と集光光学系とがユニット化されていない光学系でもよい。
【0009】
1個のレーザ素子を用いるレーザモジュールであれば、あるxy平面における出射光の光強度分布は、ビーム中心の光強度が最も大きくビーム中心から離れるにつれて光強度が低下するガウス分布のような分布を呈するので、集光点を絞りやすく、集光点を求めやすい。
【0010】
これに対して、合波モジュールでは、上記光強度分布を有する出射光が複数のレーザ素子から出射されて重なり合った合波ビームに対して、集光点を求めなければならない。しかも、個々のレーザ素子の集光点のz位置は通常一致しない。したがって、集光点を絞ることが難しく、合波ビーム生成手段に対する光ファイバの相対位置を広範囲に渡って変えながら光出力を測定し、光出力が最大となる光ファイバの相対位置(集光点)を網羅的に探索する必要があり、調芯には多大な時間と労力を要する。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と光ファイバとの調芯を効率よくしかも高精度に実施することが可能な、レーザモジュールの組立装置及び組立方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のレーザモジュールの組立装置は、
複数のレーザ素子及び該複数のレーザ素子からの出射光を集光する集光光学系を備え、前記複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と、前記合波ビームが入射する光ファイバとを光学的に結合して、
前記複数のレーザ素子と前記集光光学系と前記光ファイバとを備えたレーザモジュールを組み立てるレーザモジュールの組立装置において、
前記合波ビームの設計上のビーム中心軸をz軸とし(原点は任意)、該z軸に交わる一つの平面をxy平面としたとき、
前記複数のレーザ素子の各々について、該1個のレーザ素子を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置における前記xy平面と平行な平面上の該レーザ素子の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段と、
前記各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置における前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データと設計上の該レーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、前記各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数の前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報に基づいて、前記複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さい前記xy平面と平行な平面のz位置を求める集光点計算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明のレーザモジュールの組立装置においては、z軸と交わる任意の平面をxy平面と設定することができるが、z軸と直交する平面をxy平面と設定することが好ましい。
【0014】
前記ビーム中心位置測定手段は、
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバをxy方向に相対移動させるxy方向相対移動手段と、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバをz方向に相対移動させるz方向相対移動手段と、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとが任意の相対位置で光学的に結合されたときの該光ファイバからの光出力を測定する光出力測定手段とを備え、
前記z方向相対移動手段により、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの光入射面を前記ビーム中心位置の測定を行うz位置に相対配置し、該配置で、前記xy方向相対移動手段による前記光ファイバのxy方向相対移動と前記光出力測定手段による前記光出力の測定とを実施して、該光出力が最大となる前記光ファイバの前記光入射面の中心位置を前記ビーム中心位置として求めるものであることが好ましい。
【0015】
本発明のレーザモジュールの組立装置は、前記z方向相対移動手段により、前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの前記光入射面を前記集光点計算手段により計算された前記z位置に相対配置し、その後さらに該光ファイバの前記合波ビーム生成手段に対する相対位置の微調整を行って、前記合波ビームの前記光ファイバからの光出力が最大となる該光ファイバの前記相対位置を測定し、該相対位置で、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとを固定するものであることが好ましい。
【0016】
本発明のレーザモジュールの組立方法は、
複数のレーザ素子及び該複数のレーザ素子からの出射光を集光する集光光学系を備え、前記複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と、前記合波ビームが入射する光ファイバとを光学的に結合して、
前記複数のレーザ素子と前記集光光学系と前記光ファイバとを備えたレーザモジュールを組み立てるレーザモジュールの組立方法において、
前記合波ビームの設計上のビーム中心軸をz軸とし(原点は任意)、該z軸に交わる一つの平面をxy平面としたとき、
前記複数のレーザ素子の各々について、該1個のレーザ素子を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置における前記xy平面と平行な平面上の該レーザ素子の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定工程と、
前記各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置における前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データと設計上の該レーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、前記各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数の前記xy平面と平行な平面上の前記ビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報に基づいて、前記複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さい前記xy平面と平行な平面上のz位置を求める集光点計算工程とを有することを特徴とするものである。
【0017】
前記ビーム中心位置測定工程は、
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの光入射面を前記ビーム中心位置の測定を行うz位置に相対配置し、該配置で、前記光ファイバのxy方向相対移動と前記光ファイバからの光出力の測定とを実施して、該光出力が最大となる前記光ファイバの前記光入射面の中心位置を前記ビーム中心位置として求める工程であることが好ましい。
【0018】
本発明のレーザモジュールの組立方法は、
前記合波ビーム生成手段に対して前記光ファイバの前記光入射面を前記集光点計算工程により計算された前記z位置に相対配置する光ファイバ配置工程と、
前記光ファイバの前記合波ビーム生成手段に対する相対位置の微調整を行って、前記合波ビームの前記光ファイバからの光出力が最大となる該光ファイバの前記相対位置を測定する位置微調整工程と、
該位置微調整工程で測定された前記光ファイバの前記相対位置で、前記合波ビーム生成手段と前記光ファイバとを固定する固定工程とをさらに有するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のレーザモジュールの組立装置は、
複数のレーザ素子の各々について、1個のレーザ素子を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段と、
各レーザ素子について得られる、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データと設計上のレーザ素子の発光点位置とからなるビーム位置情報、あるいは、各レーザ素子について得られる、z位置の異なる複数のxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報に基づいて、複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置を求める集光点計算手段とを備える構成を採用している。
【0020】
かかる構成では、光ファイバをz方向に相対移動させることなく、複数のレーザ素子からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置、すなわち合波ビームの集光点のz位置を計算で求めることができるので、合波ビームの集光点を絞る操作が容易である。
【0021】
また、合波ビームの集光点のz位置の計算に必要なビーム位置情報は、1個のレーザ素子を単独点灯して、少なくとも1つの任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定して得る構成としている。本発明のレーザモジュールの組立装置は、実測データに基づいて合波ビームの集光点のz位置を求める構成としているので、合波ビームの集光点のz位置を計算で精度よく求めることができる。1個のレーザ素子からの出射光に対してビーム中心位置を実測すればよいので、測定も容易である。
【0022】
本発明では、上記のように合波ビームの集光点を計算で求めて粗調芯を行い、その後必要に応じて、位置の微調整を行って合波ビームの集光点を実測し、調芯を完了する構成とすることができる。すなわち、最終的には、計算上の合波ビームの集光点ではなく、実測した合波ビームの集光点に合わせて、光ファイバの光入射面を相対配置し、合波ビーム生成手段と光ファイバとを固定することができる。かかる構成では、光ファイバの光入射面の中心(コア中心)と合波ビームの集光点とを高精度に一致させることができ、好ましい。本発明では、合波ビームの集光点を計算で求めてから合波ビームの集光点を実測するので、はじめから合波ビームの集光点の測定を行う場合に比して、はるかに測定も容易である。
【0023】
以上のように、本発明によれば、合波ビーム生成手段と光ファイバとの調芯を効率よくしかも高精度に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(レーザモジュール)
本発明はレーザモジュールの組立装置及び組立方法に関するものであるが、組立装置及び組立方法に先立ち、図面を参照して、本発明により製造されるレーザモジュールの構成例について説明する。
【0025】
図1は、レーザモジュールをなす後記レーザパッケージのパッケージベースとパッケージフレームとを取り出して示す斜視図である。図2及び図3は各々、レーザモジュール全体のモジュール中心軸を通るx方向断面図及びy方向断面図である。レーザモジュールのモジュール中心軸をz軸とし(原点は任意)、z=0においてz軸に直交する面をxy平面としてある。便宜上、パッケージベースの短手方向をx軸、長手方向をy軸としてある。
【0026】
上記のように、z軸と直交する平面をxy平面と設定することが好ましいが、z軸と交わる任意の平面をxy平面と設定することも差し支えない。
【0027】
図示するレーザモジュール1はいわゆるピッグテール型の合波レーザモジュールであり、光源である複数のレーザ素子11及び複数のレーザ素子11からの出射光を集光する集光レンズ(集光光学系)41、42を備え、複数のレーザ素子11からの出射光が合波された合波ビームを生成するレーザユニット(合波ビーム生成手段)2と、合波ビームが入射する光ファイバ51を含む光ファイバユニット5とが連結(光学的に結合)されてユニット化されたモジュールである。複数のレーザ素子11からの出射光及び合波ビームに符号Lを付してある。
【0028】
レーザユニット2は、複数のレーザ素子11が気密封止されたレーザパッケージ10を含むレーザパッケージユニット3と、集光レンズ41、42を含む集光光学系ユニット4とが連結されたユニットである。
【0029】
レーザパッケージ10は、パッケージ20内に、複数のレーザ素子11と複数のレーザ素子11からの出射光を平行光束化する複数のコリメートレンズ14とが気密封止されたものである。パッケージ20は、パッケージベース21と、パッケージベース21に熔接固定されたパッケージフレーム22と、パッケージフレーム22に固定され、透光性窓23aが取り付けられたパッケージリッド23とから構成されている。
【0030】
パッケージベース21は、y方向がx方向よりも長い略矩形の板状部材であり、パッケージフレーム22は、一辺の長さがパッケージベース21のx方向の長さと略等しい平面視略正方形の角筒状部材である。気密性を考慮すれば、パッケージベース21とパッケージフレーム22との熔接は、抵抗熔接(シーム熔接)が好ましい。パッケージ20内には、不活性ガスが封入されている。
【0031】
レーザ素子11としては特に制限なく、GaN系(370〜450nm)、AlGaInP系(580〜690nm)、InGaP系(650〜1000nm)、AlGaAs系(700〜1000nm)、GaAsP系(700〜1000nm)、InGaAs系(1000〜3500nm)、InAsP系(1000〜3500nm)等の半導体レーザ素子等が挙げられる。()内の数字は発振波長域を示す。
【0032】
複数のレーザ素子11は、レーザ素子基板13に突設された複数の放熱ブロック12に各々、光出射面が透光性窓23aと対向するよう実装されている。レーザ素子基板13がパッケージベース21の内面に固定されている。複数のコリメートレンズ14は、レーザ素子基板13に固定されたレンズ保持ブロック15に保持されて、パッケージ20内に固定されている。
【0033】
レーザ素子11の個数及び配列パターンに制限はなく、レーザ素子11をx方向に4個y方向に2個マトリクス状に配列し、計8個のレーザ素子11を用いた合波レーザモジュールを例として図示してある。図示例では、コリメートレンズ14は、レーザ素子11の個数と配列パターンに対応して、計8個備えられている。
【0034】
レーザ素子11に駆動電流を供給するリード線等の配線類16が、パッケージフレーム22から外部に引き出されている。
【0035】
レーザパッケージユニット3には、レーザパッケージ10の他に、レーザパッケージ10を集光光学系ユニット4と連結するための連結部材31(図3参照)が備えられている。連結部材31は、パッケージベース21上であってパッケージフレーム22より外側の部分に突設され、パッケージフレーム22のx方向に平行な両側面を覆う部材である。連結部材31は、パッケージベース21に固定ネジ32により固定されている。
【0036】
集光光学系ユニット4は、複数のレーザ素子11からの出射光のx方向成分を集光する第1の集光レンズ41と、複数のレーザ素子11からの出射光のy方向成分を集光する第2の集光レンズ42と、これら集光レンズ41、42を共に保持する略円筒状の集光レンズホルダ43とから構成されている。
【0037】
第1の集光レンズ41は、光入射面にy軸を対称軸とする対称凸面を有するシリンドリカルレンズであり、第2の集光レンズ42は、光入射面にx軸を対称軸とする対称凸面を有するアナモルフィックレンズである。集光レンズ41、42の組合せは適宜設計できる。
【0038】
集光レンズホルダ43は、ホルダ本体43aとレーザパッケージユニット3との連結用である連結部材43bとから構成され、これらホルダ本体43aと連結部材43bとは固定ネジ44により固定されている。集光レンズホルダ43の光出射側は開口している。集光レンズホルダ43の光出射側開口部に符号43eを付してある。ホルダ本体43aの内部に、集光レンズ41、42を各々保持する、レンズ保持面が平坦な保持台43c、43dが設けられている。
【0039】
レーザモジュール1においては、レーザパッケージユニット3のパッケージベース21と連結部材31、及び集光光学系ユニット4の集光レンズホルダ43により、レーザユニット2の筐体が構成されている。
【0040】
光ファイバ51は、光ファイバ51の光入射側端部がフェルール52に挿入固定され、フェルール52がフェルール52の外径に略等しい内径の略筒状の光ファイバパッケージ53に挿入固定された光ファイバユニット5の形態で、集光光学系ユニット4に取り付けられるようになっている。光ファイバ51としては制限なく、コア径50〜60μmのマルチモード光ファイバ等が好ましく用いられる。
【0041】
光ファイバパッケージ53の光入射側端面は、フェルール52の光入射側端面よりレーザパッケージユニット3側に突出しており、光ファイバパッケージ53内において、光ファイバパッケージ53の光入射側端面とフェルール52の光入射側端面との間はテーパ状に拡径され、合波ビームLが通る光通過孔54が設けられている。光ファイバパッケージ53の光入射側端面には、光通過孔54を閉じる透光性窓55が取り付けられている。透光性窓55は光ファイバ51の光入射面を保護する機能を有する。
【0042】
集光光学系ユニット4の集光レンズホルダ43には、その光出射側端面に光ファイバユニット5との連結用である光ファイバ固定部材45が取り付けられている。この光ファイバ固定部材45は、円板状部45aと、円板状部45aを貫通する形態で円板状部45aと一体形成された円筒状部45bとからなり、円筒状部45bの内径が光ファイバパッケージ53の外径に略等しく設定された、集光レンズホルダ43の光出射側開口部43eを覆う部材である。
【0043】
レーザユニット2内において、複数のレーザ素子11、コリメータレンズ14、及び集光レンズ41、42は、合波ビームLのビーム軸がモジュール中心軸と略一致するよう、高精度に位置が調整されている。
【0044】
レーザモジュール1は、レーザユニット2と光ファイバユニット5との調芯を高精度に実施した後、これらユニット同士を固定して、製造される。
【0045】
レーザユニット2と光ファイバユニット5との固定前においては、光ファイバ固定部材45が集光レンズホルダ43の光出射側端面上においてxy方向に相対移動自在とされ、光ファイバユニット5が光ファイバ固定部材45の円筒状部45b内をz方向に相対移動自在とされ、光ファイバ51の光入射面上のコア中心と合波ビームLの集光点とが略一致する位置(例えば、光ファイバ51の光入射面上の集光ビーム径:30μm)に調整された後、集光レンズホルダ43と光ファイバ固定部材45との固定、及び光ファイバ固定部材45の円筒状部45bと光ファイバユニット5との固定(いずれも熔接固定や接着固定等)が実施されるようになっている。
【0046】
レーザモジュール1は、以上のように構成されている。
【0047】
(レーザモジュールの組立装置)
次に、図面を参照して、上記レーザモジュール1を組み立てる場合を例として、本発明に係る実施形態のレーザモジュールの組立装置、及びこれを用いたレーザモジュールの組立方法について、説明する。図4は、レーザモジュールの組立装置の構成を示す概略図(図2に対応した断面図)であり、図5は、ビーム中心位置測定工程と集光点計算工程とを説明するための説明図である。
【0048】
レーザモジュールの組立装置6は、ある条件範囲内において光出力が最大となるレーザユニット2(合波ビーム生成手段)に対する光ファイバ51の相対位置(光出力ピーク位置)を測定する光出力ピーク位置測定手段7と、光出力ピーク位置測定手段7による測定データに基づいて合波ビームLの集光点のz位置を計算し、該計算結果に基づいてレーザユニット2と光ファイバユニット5とを配置する制御を行う制御手段8とから概略構成されている。
【0049】
レーザモジュールの組立装置6において、x〜z軸は図1〜図3に示したレーザモジュール1に対応しており、z軸は合波ビームLの設計上のビーム中心軸(原点は任意)であり、z軸に直交する面がxy平面である。
【0050】
光出力ピーク位置測定手段7は、レーザユニット2に取り付けられた光ファイバ固定部材45の円筒状部45bを把持して、光ファイバ固定部材45をxy方向に移動させるxy方向移動手段61と、光ファイバユニット5の光ファイバパッケージ53を把持して、光ファイバユニット5をz方向に移動させるz方向移動手段62と、レーザユニット2と光ファイバユニット5とが任意の位置で光学的に結合されたときの光ファイバ51からの光出力を測定する光出力測定手段63とから概略構成されている。
【0051】
xy方向移動手段61は、レーザユニット2に対して光ファイバ51をxy方向に相対移動させる手段であり、z方向移動手段62は、レーザユニット2に対して光ファイバ51をz方向に相対移動させる手段である。
【0052】
xy方向移動手段61は、光ファイバ固定部材45の円筒状部45bを把持する把持部材61Aと、把持部材61Aに接続されたxy方向に移動可能な可動ステージ61Bと、可動ステージ61Bの移動を駆動制御すると共に、その位置を記憶する移動制御手段61Cとから構成されている。
【0053】
z方向移動手段62は、光ファイバパッケージ53を把持する把持部材62Aと、把持部材62Aに接続されたz方向に移動可能な可動ステージ62Bと、可動ステージ62Bの移動を駆動制御すると共に、その位置を記憶する移動制御手段62Cとから構成されている。
【0054】
xy方向移動手段61及びz方向移動手段62としては、例えば、光ファイバ51のコア径50〜60μmに対して、0.5μm程度の移動分解能があるものが好ましく使用される。
【0055】
光出力測定手段63としては、光ファイバ51の光出射端から出射される光を受光して、その強度(出力)を求めるフォトダイオード等が挙げられる。
【0056】
光出力ピーク位置測定手段7にはさらに、移動制御手段61C、62Cと光出力測定手段63とを制御し、移動制御手段61C、62Cに記憶された位置情報と光出力測定手段63による光出力データとに基づいて、ある条件範囲内において光出力が最大となる光ファイバ51の光入射面の相対位置を求める測定コントローラ64が備えられている。
【0057】
本実施形態では、光出力ピーク位置測定手段7により、複数のレーザ素子11の各々について、1個のレーザ素子11を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段7Xが構成されている。
【0058】
ビーム中心位置測定手段7Xは、任意の1個のレーザ素子11を単独点灯した状態で、z方向相対移動手段62により、光ファイバ51の光入射面をビーム中心位置の測定を行うz位置に相対配置し、該配置で、xy方向移動手段61による光ファイバ固定部材45のxy方向移動(光ファイバ51のxy方向相対移動)と光出力測定手段63による光出力の測定とを実施して、光ファイバ51からの光出力が最大となる光ファイバ51の光入射面の中心位置をビーム中心位置として求め、この操作をすべてのレーザ素子11について各々実施するものである。
【0059】
制御手段8には、ビーム中心位置測定手段7Xにより得られた測定データに基づいて、合波ビームLの集光点のz位置を計算する集光点計算手段71が備えられている。
【0060】
集光点計算手段71は、各レーザ素子11について得られる、z位置の異なる複数のxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報が入力され、該入力情報に基づいて、複数のレーザ素子11からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置(この位置が合波ビームLの集光点のz位置に相当)を求める計算を行うものである。
【0061】
本実施形態では、複数のレーザ素子11の各々について、ビーム中心位置測定手段7Xによるビーム中心位置の測定を実施し(ビーム中心位置測定工程)、集光点計算手段71により、複数のレーザ素子11からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置(合波ビームLの集光点のz位置)を求めて(集光点計算工程)、粗調芯を行う。
【0062】
図5を参照して、これらの工程について具体的に説明する。8個のレーザ素子11を用いたレーザモジュール1を例として説明する。8個のレーザ素子11に各々LD1〜8の番号を付し、各発光点位置を図示してある。実際には、レーザ素子11から出射された光は発散してコリメータレンズ14に入射し、コリメータレンズ14により平行光束化された後、集光レンズ41、42により集光されるが、説明を簡略化するため、図5では、発散光及びコリメート光については図示を省略してある。
【0063】
まず、一番目のレーザ素子LD1を単独点灯し、レーザユニット2に対して、光ファイバ51の光入射面を任意のz位置=z1に相対配置する。はじめに測定を行う光ファイバ51の光入射面のz位置は特に制限なく、設計仕様から合波ビームLの集光点があると予想される範囲内に設定することが好ましい。ビーム中心位置測定手段7Xにより、z=z1におけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1の出射光のビーム中心位置を求める。このビーム中心位置をP11(x1、y1、z1)とする。ビーム中心位置Pの添え字11は、左の数字がレーザ素子の番号(LD1)を示し、右の数字がz位置(z=z1)を示している。
【0064】
次に、光ファイバ51の光入射面をz=z1とは異なるz=z2に配置して、上記と同様の操作を行い、z=z2におけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1の出射光のビーム中心位置P12(x2、y2、z2)を求める。同様に、光ファイバ51の光入射面をz=z1、z=2とは異なるz=z3に配置して、上記と同様の操作を行い、z=z3におけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1の出射光のビーム中心位置P13(x3、y3、z3)を求める。
【0065】
z2及びz3は特に制限なく、例えばz2=z1+α、z3=z1−αに設定することができる(α>0)。例えばα=250(μm)に設定することができ、この場合、P12(x2、y2、z1+250)、P13(x3、y3、z1−250)となる。図5では、P11とP12とを実際よりも大きく離すと共に、P13を省略して、視認しやすく図示してある。
【0066】
以上の操作により、一番目のレーザ素子LD1について、3つのz位置z=z1、z2、z3におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置P11、P12、P13が各々求まる。
【0067】
z=z1、z2、z=z3におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定を、残りのレーザ素子LD2〜LD8について同様に実施し、各レーザ素子LD2〜LD8を単独点灯したときの出射光のビーム中心位置P21〜P23、・・・、P81〜P83を各々求める。ここでは、ビーム中心位置を測定するz位置を8個のレーザ素子11で同一としたが、レーザ素子11ごとに測定するz位置を変えてもよい。以上の操作により、ビーム中心位置測定工程が終了する。
【0068】
次いで、ビーム中心位置測定工程で得られたビーム中心位置の測定データが、集光点計算手段71に入力され、合波ビームLの集光点の計算が行われる。
【0069】
図5に示す如く、一番目のレーザ素子LD1に着目すれば、z位置の異なる3つのxy平面と平行な平面上におけるビーム中心位置の測定データP11、P12、P13があるので、これらを結ぶことでLD1からの出射光のビーム軸AX1が求められる。集光点計算手段71は、ビーム軸AX1の式を求めるものでもよいし、P11〜P13のうちいずれかを基準点とし、基準点から傾き方向に微小ずつxyz座標をずらしたときの位置を求め、ビーム軸AX1を間接的に求めるものでもよい。
【0070】
残りのレーザ素子LD2〜LD8について、同様に、ビーム中心位置の測定データからビーム軸AX2〜AX8を直接的又は間接的に求められる。
【0071】
各レーザ素子LD1〜LD8について直接的又は間接的に求められたビーム軸AX1〜AX8から、任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置が各々計算で求められ、該平面におけるレーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置のばらつきが求められるので、レーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置が求められる。
【0072】
各レーザ素子LD1〜LD8について、3つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置を測定する例について説明したが、各レーザ素子LD1〜LD8に対するz位置を変えたビーム中心位置の測定点数は少なくとも2点あれば、ビーム軸AX1〜AX8が直接的又は間接的に求まる。ただし、ビーム中心位置の測定点数は多い程、ビーム軸AX1〜AX8の計算精度がよくなり好ましい。
【0073】
以下、計算例を具体的に説明する。
上記で説明したように、一番目のレーザ素子LD1を単独点灯し、光ファイバ51の光入射面を任意のz位置=z1(例えば、LD1単独点灯における予測又は実測の集光点位置より前方(図示上方))に相対配置した際の、z=z1におけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1の出射光のビーム中心位置P11(x11、y11、z1)を求める。
次に、光ファイバ51の光入射面をz=z1とは異なるz=zn(例えば、LD1単独点灯における予測又は実測の集光点位置より後方(図示下方))に相対配置して、z=znにおけるxy平面と平行な平面上のレーザ素子LD1の出射光のビーム中心位置P1n(x1n、y1n、zn)を求める。ここで、nは、LD1についてビーム中心位置の座標を計算するz位置の個数に対応している(後記式(1)参照)。
z1とznの位置は制限なく、例えば、LD1単独点灯における予測又は実測の集光点位置を挟んで等距離に設定することが好ましい。
【0074】
次に、z=z1〜z=znの間について、z間隔tでxy平面と平行な平面上の、レーザ素子LD1からの出射光のビーム中心位置の座標を各々計算する。tは下記式(1)で表される。
t=(zn−z1)/(n−1)・・・(1)
【0075】
z=zk(k=1〜n)におけるxy平面と平行な平面上の、LD1からの出射光のビーム中心位置P1k(x1k,y1k,zk)は、下記式(2x)〜(2z)から計算することができる。
x1k=x11+(k−1)×(x1n−x11)/(n−1)・・・(2x)
y1k=y11+(k−1)×(y1n−y11)/(n−1)・・・(2y)
zk=z1+(k−1)t・・・(2z)
【0076】
同様にして、レーザ素子LD2〜LD8について各々、z=zk(k=1〜n)におけるxy平面と平行な平面上の、ビーム中心位置P2k(x2k,y2k,z2k)〜P8(x8k,y8k,z8k)を計算することができる。
【0077】
次に、z=zk(k=1〜n)におけるxy平面と平行な平面上の、レーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置P1k〜P8kのばらつきを計算する。
【0078】
z=zk(k=1〜n)におけるビーム中心位置P1k〜P8kから2点を選択して、これらのビーム中心位置間距離を計算する。この計算をビーム中心位置P1k〜P8kから選択される2点のすべての組合せについて実施する。
例えば、レーザ素子LD1のビーム中心位置P1kと、レーザ素子LD2のビーム中心位置の距離P2kとの距離d12kは、下記式(3)により計算することができる。
d12k=((x2k−x1k)−(y2k−y1k)1/2・・・(3)
【0079】
ビーム中心位置P1k〜P8kから選択される2点のすべての組合せについて計算したビーム中心位置間距離のうち最大の値dkを、ビーム中心位置P1k〜P8kのばらつきとして求める。
【0080】
すべてのk(=1〜n)について上記と同様の計算を実施することで、z=z1〜z=znまでのn個のz位置におけるdkを各々計算することができ、dkが最小となる時のk、すなわち、レーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置を計算することができる。
【0081】
合波ビームLの集光点の計算に際しては、設計上のレーザ素子LD1〜LD8の発光点位置を用いることもできる。設計上のレーザ素子LD1〜LD8の発光点位置を用いる場合には、各レーザ素子LD1〜LD8に対するz位置を変えたビーム中心位置の測定点数は少なくとも1点あれば、ビーム軸AX1〜AX8が直接的又は間接的に求まる。
【0082】
すなわち、集光点計算手段71は、各レーザ素子LD1〜LD8について得られる、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データと設計上のレーザ素子LD1〜LD8の発光点位置とからなるビーム位置情報に基づいて、レーザ素子LD1〜LD8からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置(合波ビームLの集光点のz位置)を求めるものであってもよい。
【0083】
この場合、各レーザ素子LD1〜LD8から出射されるビームの方向は、光学設計から光路追跡により求めることができるので、例えば、レーザ素子LD1〜LD8を単独点灯したときの予測又は実測の集光点近傍の光路の方向ベクトルの設計値を用いて、計算を行うことができる。
【0084】
すなわち、各レーザ素子LD1〜LD8を単独点灯した際の、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データと、各レーザ素子LD1〜LD8を単独点灯したときの予測又は実測の集光点近傍の光路の方向ベクトルの設計値とから、ビーム軸AX1〜AX8を直接的又は間接的に求めることができ、上記と同様に合波ビームLの集光点を計算することができる。
【0085】
設計上のレーザ素子LD1〜LD8の発光点位置を用いて計算を実施する場合には、実測点数を少なくすることができるので、合波ビームLの集光点の計算をより短時間で実施することができる。
【0086】
制御手段8には、集光点計算手段71による合波ビームLの集光点の計算に必要なビーム位置情報(各レーザ素子11について得られる、z位置の異なる複数のxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データからなるビーム位置情報、あるいは、各レーザ素子11について得られる、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データと設計上のレーザ素子11の発光点位置とからなるビーム位置情報)、及び/又は集光点計算手段71による合波ビームLの集光点のz位置の計算結果を記憶する記憶手段(メモリ)72が備えられている。
【0087】
記憶手段72を設ける構成とすることで、同仕様の複数のレーザモジュール1を組み立てる場合、2回目以降の組立てについては、ビーム中心位置測定手段7Xによるビーム中心位置の測定及び/又は集光点計算手段71による合波ビームLの集光点のz位置の計算を省略することができ、好ましい。
【0088】
本実施形態では、ビーム中心位置測定手段7Xによる各レーザ素子11の出射光のビーム中心位置の測定と集光点計算手段71による計算とにより、合波ビームLの集光点のz位置を計算で求めて粗調芯を行い、その上で、合波ビームLの実際の光出力を見ながら位置の微調整を行い、最適な位置でレーザユニット2と光ファイバユニット5との固定(光学的な結合)を行うことができる。
【0089】
すなわち、制御手段8は集光点計算手段71による計算結果に基づいてz方向移動手段62を制御して、レーザユニット2に対して光ファイバ51の光入射面を集光点計算手段71により計算された合波ビームLの集光点のz位置に相対配置する(光ファイバ配置工程)。
【0090】
次に、複数のレーザ素子11を全点灯した状態で、光ファイバ51のレーザユニット2に対する相対位置の微調整をxyz方向で実施して、合波ビームLの光ファイバ51からの光出力が最大となる光ファイバ51の光入射面の相対位置(合波ビームLの集光点のxyz位置)を測定する(位置微調整工程)。
【0091】
本実施形態では、ビーム中心位置測定手段7Xをなす光出力ピーク位置測定手段7が、合波ビームLの光ファイバ51からの光出力が最大となる光ファイバ51の相対位置を求め、合波ビームLの集光点を測定する合波ビーム集光点測定手段7Yを兼ねている。
【0092】
ビーム中心位置測定手段7Xは、1個のレーザ素子11を単独点灯し、光ファイバ51の光入射面を任意のz位置に固定した状態で、該z位置におけるxy平面と平行な平面上で光出力が最大となる光ファイバ51の相対位置を求めるものである。
【0093】
これに対して、合波ビーム集光点測定手段7Yは、複数のレーザ素子11を全点灯した状態で、光ファイバ51の光入射面を任意のz位置に固定して、xy方向移動手段61による光ファイバ固定部材45のxy方向移動(光ファイバ51のxy方向相対移動)と、光出力測定手段63による光出力の測定とを実施して、上記z位置において光ファイバ51からの光出力が最大となる光ファイバ51の光入射面のxy位置を求め、さらに光ファイバ51の光入射面のz位置を変えて同様の操作を行い、合波ビームLの光出力が最大となるレーザユニット2に対する光ファイバ51の光入射面の中心位置(合波ビームLの集光点のxyz位置)を合波ビームLの集光点として求めるものである。
【0094】
本実施形態では、合波ビーム集光点測定手段7Yにより実測された、合波ビームLについて光ファイバ51からの光出力が最大となる光ファイバ51の相対位置で、レーザユニット2と光ファイバユニット5との固定(集光レンズホルダ43と光ファイバ固定部材45との固定、及び光ファイバ固定部材45の円筒状部45bと光ファイバユニット5との固定)を実施して、レーザモジュール1の組立てが完了する(固定工程)。
【0095】
本実施形態のレーザモジュールの組立装置6は、
複数のレーザ素子11の各々について、1個のレーザ素子11を単独点灯した際の、少なくとも1つの任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定するビーム中心位置測定手段7Xと、
各レーザ素子11について得られる、z位置の異なる複数のxy平面と平行な平面上のビーム中心位置からなるビーム位置情報(各レーザ素子11について得られる、少なくとも1つのz位置におけるxy平面と平行な平面上のビーム中心位置の測定データと設計上のレーザ素子11の発光点位置とからなるビーム位置情報でもよい)に基づいて、複数のレーザ素子11からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置を計算で求める集光点計算手段71とを備える構成を採用している。
【0096】
かかる構成では、光ファイバ51をz方向に相対移動させることなく、複数のレーザ素子11からの出射光のビーム中心位置のばらつきが最も小さいxy平面と平行な平面上のz位置、すなわち合波ビームLの集光点のz位置を計算で求めることができるので、合波ビームLの集光点を絞る操作が容易である。
【0097】
合波ビームLの集光点のz位置の計算に必要なビーム位置情報は、1個のレーザ素子11を単独点灯して、少なくとも1個の任意のz位置におけるxy平面と平行な平面上の出射光のビーム中心位置を測定して得る構成としている。本実施形態のレーザモジュールの組立装置6は、実測データに基づいて合波ビームLの集光点のz位置を計算する構成としているので、合波ビームLの集光点のz位置を計算で精度よく求めることができる。1個のレーザ素子からの出射光に対してビーム中心位置を実測すればよいので、測定も容易である。
【0098】
本実施形態では、上記のように合波ビームLの集光点を計算で求めて粗調芯を行い、その後、位置の微調整を行って合波ビームLの集光点を実測し、調芯を完了することができる。すなわち、最終的には、計算上の合波ビームLの集光点ではなく、実測した合波ビームLの集光点に合わせて、光ファイバ51の光入射面を相対配置し、レーザユニット2と光ファイバ51とを固定することができる。かかる構成では、光ファイバ51の光入射面の中心(コア中心)と合波ビームLの集光点とを高精度に一致させることができ、好ましい。本実施形態では、合波ビームLの集光点を計算で求めてから合波ビームLの集光点を実測するので、はじめから合波ビームLの集光点の測定を行う場合に比して、はるかに測定も容易である。
【0099】
なお、各レーザ素子11について測定するビーム中心位置の測定点数を増やせば、計算で求められる合波ビームLの集光点の位置と、実際の合波ビームLの集光点の位置とを、高精度に一致させることも可能である。この場合は、合波ビームLの集光点の実測(位置の微調整)は必ずしも必須ではない。
【0100】
以上のように、本実施形態によれば、レーザユニット2(合波ビーム生成手段)と光ファイバ51との調芯を効率よくしかも高精度に実施することができる。
【0101】
本発明者は、8個のレーザ素子11を用いるレーザモジュール1における調芯時間を、個々のレーザ素子11のビーム中心位置を求めずに、はじめから合波ビームLの集光点を網羅的に求める従来技術に比して、例えば1/10程度と大幅に短縮できることを見出している。
【0102】
(設計変更)
本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0103】
上記実施形態では光出力ピーク位置測定手段7が、xy方向移動手段61とz方向移動手段62と光出力測定手段63とを備える構成について説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。光出力ピーク位置測定手段7としては、例えば、「背景技術」に挙げた特許文献2に記載されているような、レーザユニット2からの出射光の任意のz位置における光強度分布を撮像する撮像素子と、撮像素子により撮像された画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、z方向移動手段62とを備え、レーザユニット2からの出射光の任意のz位置における光強度が最大となるxy位置を求めるものであってもよい。
【0104】
上記実施形態ではピッグテール型のレーザモジュールを組み立てる組立装置及び組立方法について説明したが、本発明は、複数のレーザ素子及び複数のレーザ素子からの出射光を集光する集光光学系を備え、複数のレーザ素子からの出射光が合波された合波ビームを生成する合波ビーム生成手段と、合波ビームが入射する光ファイバとが光学的に結合された構造を有するレーザモジュールであれば、いかなる構造のレーザモジュールの組立てにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のレーザモジュールの組立装置及び組立方法は、光通信、レーザ加工機、固体レーザ励起用光源等に使用されるレーザモジュールの組立てに好ましく利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明のレーザモジュールの組立装置及び組立方法により製造されるレーザモジュールの構成例を示す図であり、レーザパッケージのパッケージベースとパッケージフレームとを取り出して示す斜視図
【図2】本発明のレーザモジュールの組立装置及び組立方法により製造されるレーザモジュールの構成例の全体構成を示すx方向断面図
【図3】図2のレーザモジュールのy方向断面図
【図4】本発明に係る実施形態のレーザモジュールの組立装置の構成を示す概略図
【図5】本発明におけるビーム中心位置測定工程と集光点計算工程とを説明するための図
【符号の説明】
【0107】
1 レーザモジュール
2 レーザユニット(合波ビーム生成手段)
11、LD1〜LD8 レーザ素子
21 パッケージベース(合波ビーム生成手段の筐体の一部)
31 連結部材(合波ビーム生成手段の筐体の一部)
41、42 集光レンズ(集光光学系)
43 集光レンズホルダ(合波ビーム生成手段の筐体の一部)
43e 集光レンズホルダの光出射側開口部
45 光ファイバ固定部材
45b 筒状部
51 光ファイバ
L 出射光、合波ビーム
6 レーザモジュールの組立装置
7 光出力ピーク位置測定手段
7X ビーム中心位置測定手段
7Y 合波ビーム集光点測定手段
8 制御手段
61 xy方向移動手段(xy方向相対移動手段)
62 z方向移動手段(z方向相対移動手段)
63 光出力測定手段
71 集光点計算手段
72 記憶手段




 

 


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