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発明の名称 光学補償シート及びその製造方法、偏光板、ならびに液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−58053(P2007−58053A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−246010(P2005−246010)
出願日 平成17年8月26日(2005.8.26)
代理人 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
発明者 及川 徳樹 / 西川 秀幸 / 牛山 章伸 / 森嶌 慎一
要約 課題
光学補償機能に優れ、欠陥が少なく、波長分散値が小さい光学補償シートを提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
透明支持体上に、光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が、下記式(a)を満足する光学特性を示すとともに、
液晶性化合物の少なくとも一種と、
カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種とを含有する組成物から形成された層である光学補償シート;
式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
【請求項2】
前記ポリマーAが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である請求項1に記載の光学補償シート;
【化1】


式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;Lはフェニレン基を含む下記の連結基群から選ばれる2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基、及びアリーレン基;Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。
【請求項3】
前記光学異方性層が、フルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーB」という)の少なくとも一種を更に含有する請求項1又は2に記載の光学補償シート。
【請求項4】
透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が下記式(a)を満足する光学特性を示すとともに、
液晶性化合物の少なくとも一種を含有する組成物から形成され、且つ該液晶性化合物の分子を水平配向させた後、ハイブリッド配向させて形成された層である光学補償シート;
式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
【請求項5】
前記液晶性化合物の波長分散値が下記化合物(A)よりも小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償シート;
【化2】


【請求項6】
該光学異方性層が式(a1)を満足する光学特性を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シート。
式(a1) Re(450)/Re(650)≦1.20
【請求項7】
前記液晶性化合物が、下記一般式(V)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シート;
【化3】


一般式(V)中、Dはトリフェニレンを表し;n1は3〜6の整数を表し;R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ、水素原子、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す。
【請求項8】
前記液晶性化合物が下記一般式(DI)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シート;
【化4】


一般式(DI)中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;L1、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し;H1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表し;
【化5】


[一般式(DI−A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
【化6】


[一般式(DI−B)中、YB1及びYB2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
21、R22及びR23はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表す;
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
[一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表し;L21は単結合又は二価の連結基を表し;Cyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の二価の環状基を表し;n1は0〜4整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−又は*−C≡C−を表し(ここで、*は一般式(DI−R)中のベンゼン環に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表すが、これらの基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1はそれぞれ独立に重合性基又は水素原子を表す。]。
【請求項9】
透明支持体上に、光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が、
下記一般式(V)又は下記一般式(DI)で表される液晶性化合物の少なくとも一種と、
カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種とを含有する組成物から形成された層である光学補償シート;
【化7】


一般式(V)中、Dはトリフェニレンを表し;n1は3〜6の整数を表し;R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ、水素原子、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す;
【化8】


一般式(DI)中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;L1、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し;H1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表し;
【化9】


[一般式(DI−A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
【化10】


[一般式(DI−B)中、YB1及びYB2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
21、R22及びR23はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表す;
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
[一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表し;L21は単結合又は二価の連結基を表し;Cyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の二価の環状基を表し;n1は0〜4整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−又は*−C≡C−を表し(ここで、*は一般式(DI−R)中のベンゼン環に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表すが、これらの基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1はそれぞれ独立に重合性基又は水素原子を表す。]。
【請求項10】
前記光学異方性層において、前記液晶性化合物の分子がハイブリッド配向状態に固定されている請求項9に記載の光学補償シート。
【請求項11】
少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートの製造方法であって、
少なくとも一種の液晶性化合物の分子を、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を含有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、
前記水平配向した液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させる工程と、
前記ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して、下記式(a)を満足する光学特性を示す光学異方性層を形成する工程と、
を含む光学補償シートの製造方法;
一般式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
【請求項12】
少なくとも、偏光膜と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学補償シート又は請求項11に記載の製造方法によって製造される光学補償シートとを有する偏光板。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学補償シート又は請求項11に記載の製造方法によって製造される光学補償シートを有する液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な光学補償シートならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。特に、従来よりも波長分散値が小さい液晶性化合物からなる光学異方性層からなる光学補償シートに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、通常、液晶セル、偏光素子及び位相差板からなる。透過型液晶表示装置では、通常、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に配置し、一枚又は二枚の位相差板を液晶セルと偏光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚の位相差板、そして一枚の偏光素子の順に配置する。液晶セルは、通常、棒状液晶性分子層、それを封入するための二枚の基板、棒状液晶性分子に電圧を加えるための電極層、及び棒状液晶性分子の配向を制御する配向膜層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric LiquidCrystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper TwistedNematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically ControlledBirefringence)、反射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest−Host)のような様々な表示モードが提案されている。
【0003】
位相差板は、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。位相差板としては、延伸複屈折ポリマーフィルムが従来から使用されている。延伸複屈折フィルムからなる位相差板に代えて、透明支持体上に液晶性分子から形成された光学異方性層を有する位相差板を使用することが提案されている。液晶性分子には多様な配向形態があるため、液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
【0004】
位相差板の光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違いに応じて決定する。液晶性分子を用いると、液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する位相差板を製造することができる。液晶性分子としては、一般に、棒状液晶性分子又はディスコティック液晶性分子が用いられている。液晶性分子を用いた位相差板では、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用位相差板は、特許文献1〜4の各明細書に記載がある。また、IPSモード又はFLCモードの液晶セル用位相差板は、特許文献5及び6に記載がある。さらに、OCBモード又はHANモードの液晶セル用位相差板は、特許文献7及び8の各明細書に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用位相差板は、特許文献9に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用位相差板は、特許文献10に記載がある。
【0005】
これまで位相差板に用いられてきたディスコティック液晶性分子のほとんどは、2,3,6,7,10,11−ヘキサ{4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)ベンゾイルオキシ}トリフェニレン及びその誘導体であった。またこれ以外のディスコティック液晶性分子を用いた例も報告されているが、いずれも波長分散値は高いものであった。
ところが、位相差板の波長分散値は、その用途によって様々なものが必要となってきており、特に近年は、波長分散値の低いものが求められてきている。例えば、位相差板としてλ/4板を例にあげると、波長分散値の大きい液晶性分子を用いた位相差板よりも波長分散値の小さい液晶性分子を用いた位相差板の方が、可視領域の全ての波長で比較すると、性能が高いものになる。
【0006】
【特許文献1】特開平6−214116号公報
【特許文献2】米国特許5583679号明細書
【特許文献3】米国特許5646703号明細書
【特許文献4】ドイツ特許公報3911620A1号
【特許文献5】特開平9−292522号公報
【特許文献6】特開平10−54982号公報
【特許文献7】米国特許第5805253号明細書
【特許文献8】国際特許出願公開第96/37804号パンフレット
【特許文献9】特開平9−26572号公報
【特許文献10】特許第2866372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、欠陥が少なく、波長分散値が小さい光学補償シート、及びそれを用いた偏光板を提供することを課題とする。
また、本発明は、波長分散値が小さい光学補償シートを安定的に高い生産性で作製可能な光学補償シートの作製方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、可視光域全域の光に対して視野角特性が改善された液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1) 透明支持体上に、光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が、下記式(a)を満足する光学特性を示すとともに、
液晶性化合物の少なくとも一種と、
カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種とを含有する組成物から形成された層である光学補償シート;
式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
(2) 前記ポリマーAが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である(1)の光学補償シート;
【0009】
【化1】


【0010】
式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;Lはフェニレン基を含む下記の連結基群から選ばれる2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基、及びアリーレン基;Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。
【0011】
(3) 前記光学異方性層が、フルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーB」という)の少なくとも一種を更に含有する(1)又は(2)の光学補償シート。
(4) 透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が下記式(a)を満足する光学特性を示すとともに、
液晶性化合物の少なくとも一種を含有する組成物から形成され、且つ該液晶性化合物の分子を水平配向させた後、ハイブリッド配向させて形成された層である光学補償シート;
該光学異方性層中において該液晶性化合物の分子がハイブリッド配向状態に固定されている光学補償シート;
式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
(5) 前記液晶性化合物の波長分散値が下記化合物(A)の波長分散値よりも小さい(1)〜(4)のいずれかの光学補償シート;
【0012】
【化2】


【0013】
(6) 該光学異方性層が式(a1)を満足する光学特性を有する(1)〜(5)のいずれかの光学補償シート。
式(a1) Re(450)/Re(650)≦1.20
(7) 前記液晶性化合物が、下記一般式(V)で表される化合物である(1)〜(6)のいずれかの光学補償シート;
【0014】
【化3】


【0015】
一般式(V)中、Dはトリフェニレンを表し;n1は3〜6の整数を表し;R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ、水素原子、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す。
【0016】
(8) 前記液晶性化合物が下記一般式(DI)で表される(1)〜(6)のいずれかの光学補償シート;
【0017】
【化4】


【0018】
一般式(DI)中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;L1、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し;H1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表し;
【0019】
【化5】


[一般式(DI−A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
【0020】
【化6】


[一般式(DI−B)中、YB1及びYB2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
【0021】
21、R22及びR23はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表し;
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
[一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表し;L21は単結合又は二価の連結基を表し;Cyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の二価の環状基を表し;n1は0〜4整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−又は*−C≡C−を表し(ここで、*は一般式(DI−R)中のベンゼン環に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表すが、これらの基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1はそれぞれ独立に重合性基又は水素原子を表す。]
【0022】
(9) 透明支持体上に、光学異方性層を有する光学補償シートであって、
該光学異方性層が、
下記一般式(V)又は下記一般式(DI)で表される液晶性化合物の少なくとも一種と、
カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種とを含有する組成物から形成された層である光学補償シート;
【0023】
【化7】


【0024】
一般式(V)中、Dはトリフェニレンを表し;n1は3〜6の整数を表し;R11、R12、R13、R14及びR15はそれぞれ、水素原子、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、又は炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基を表す;
【0025】
【化8】


【0026】
一般式(DI)中、Y11、Y12及びY13はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;L1、L2及びL3はそれぞれ独立に、単結合又は二価の連結基を表し;H1、H2及びH3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表し;
【0027】
【化9】


[一般式(DI−A)中、YA1及びYA2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
【0028】
【化10】


[一般式(DI−B)中、YB1及びYB2はそれぞれ独立に、メチン又は窒素原子を表し;XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表し;*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。]
21、R22及びR23はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−R)を表し;
【0029】
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
[一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表し;L21は単結合又は二価の連結基を表し;Cyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の二価の環状基を表し;n1は0〜4整数を表し;L22は*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−又は*−C≡C−を表し(ここで、*は一般式(DI−R)中のベンゼン環に結合する位置を表す);L23は−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表すが、これらの基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよく;Q1はそれぞれ独立に重合性基又は水素原子を表す。]。
【0030】
(10) 前記光学異方性層において、前記液晶性化合物の分子がハイブリッド配向状態に固定されている(9)の光学補償シート。
(11) 少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートの製造方法であって、
少なくとも一種の液晶性化合物の分子を、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を含有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、
前記水平配向した液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させる工程と、
前記ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して、下記式(a)を満足する光学特性を示す光学異方性層を形成する工程と、
を含む光学補償シートの製造方法;
一般式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
数式中Re(450)、Re(650)は波長450nm、650nmにおける光学異方性層の面内レターデーション値である。
(12) 少なくとも、偏光膜と、(1)〜(10)のいずれかの光学補償シート又は(11)の製造方法によって製造される光学補償シートとを有する偏光板。
(13) (1)〜(10)のいずれかの光学補償シート又は(11)の製造方法によって製造される光学補償シートを有する液晶表示装置。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、欠陥が少なく、波長分散値が小さい光学補償シート及びそれを用いた偏光板を提供することができる。また、本発明によれば、波長分散値が小さい光学補償シートを安定的に高い生産性で作製可能な光学補償シートの作製方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、可視光域全域の光に対して視野角特性が改善された液晶表示装置を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0032】
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0033】
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、透明支持体上に光学異方性層を有し、光学異方性層の光学特性、例えば、面内レターデーション(Re)、の波長分散性が小さいことを特徴とする。前記光学異方性層は、下記式(a)を満足するのが好ましく、下記式(a1)を満足するのがさらに好ましい。
式(a) Re(450)/Re(650)<1.25
式(a1) Re(450)/Re(650)≦1.20
光学特性の波長分散性が小さい光学異方性層は、光学異方性層の材料である液晶性化合物及び/又は添加剤を選択することによって、液晶性化合物の分子の配向を調整することによって、又はその製造条件を調整することによって作製することができる。
本発明の光学補償シートの一態様は、前記光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、及びフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」という)の少なくとも一種とを含有する組成物から形成された層である光学補償シートである。
【0034】
[ポリマーA]
まず、本発明の光学補償シートに用いられるポリマーAについて説明する。
ポリマーAは、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基[−PO(OH)2]及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性基と、少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基、と、フルオロ脂肪族基とを有するポリマーである。ポリマーAは、各々の基を有するモノマー由来の繰り返し単位をそれぞれ含んでいる必要はなく、例えば、フェニレン基を有する繰り返し単位を含み、親水性基及び/又はフルオロ脂肪族基は、フェニレン基の置換基として含まれていてもよい。ポリマーAは、液晶性化合物の分子がハイブリッド配向するのを促進し、さらに傾斜角、とりわけ空気界面側の傾斜角の制御に有効である。さらに、ポリマーAが少なくとも1つのフェニル基及び/又はフェニレン基を含んでいるので、配向速度を効果的に向上させることもできる。前記ポリマーAは、好ましくはフルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である。
【0035】
【化11】


【0036】
式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基又は下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基、及びアリーレン基;Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。
【0037】
ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があるポリマー種のいずれであってもよく、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、PTFE類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記ポリマーAは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
【0038】
前記ポリマーAに含まれるフルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位は、特開2004−333861号公報の一般式[1]に記載のフルオロ脂肪族基を側鎖に有するポリマーを用いることが好ましい。
【0039】
次に前記ポリマーAに含まれる一般式(1)の繰り返し単位について説明する。
上記一般式(1)において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Qはカルボキシル基(−COOH)又はその塩、スルホ基(−SO3H)又はその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}又はその塩を表す。Lは下記の連結基群から選ばれる任意の基、又はそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基、及びアリーレン基。
【0040】
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は下記に例示した置換基群から選ばれる置換基を表す。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
【0041】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
【0042】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
【0043】
1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、又は後述する−L−Qで表される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、−L−Qで表される基であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基であることが特に好ましく、R2及びR3が水素原子で、R1が水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、適当な置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
【0044】
Lは、上記連結基群から選ばれる2価の連結基、又はそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。上記連結基群中、−NR4−のR4は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子又はアルキル基である。また、−PO(OR5)−のR5はアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくはアルキル基である。R4及びR5がアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す場合の炭素数は「置換基群」で説明したものと同じである。Lとしては、液晶化合物の配向速度を向上させるとともに、液晶化合物のハイブリッド配向における空気界面側の傾斜角を制御する点で、単結合、−O−、−CO−、−NR4−、−S−、−SO2−、アルキレン基又はアリーレン基を含むことが好ましく、単結合、−CO−、−O−、−NR4−、アルキレン基又はアリーレン基を含んでいることが特に好ましく、アリーレン基、又はアラルキレン基(アルキレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の連結基)であることが特に好ましい。更に、Lがフェニレン基を含むことが最も好ましい。Lがアルキレン基を含む場合、アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラブチレン、ヘキサメチレン基等が挙げられる。Lが、アリーレン基を含む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン、ナフタレン基等が挙げられる。Lが、アルキレン基とアラルキレン基を含む場合、アラルキレン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好ましいアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が挙げられる。Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していてもよい。このような置換基としては先にR1〜R3における置換基として挙げた置換基と同様なものを挙げることができる。
以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0045】
【化12】


【0046】
【化13】


【0047】
前記式(1)中、Qはカルボキシル基、カルボキシル基の塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなど)、ピリジニウム塩など)、スルホ基、スルホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、ホスホノキシ基、ホスホノキシ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)を表す。より好ましくはカルボキシル基、スルホ基、ホスホ基であり、特に好ましくはカルボキシル基又はスルホ基であり、最も好ましくはカルボキシル基である。
【0048】
前記ポリマーAは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。また前記ポリマーAは、前記フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位を1種又は2種以上有していてもよい。さらに、前記ポリマーAはそれら以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。前記他の繰り返し単位については特に制限されず、通常のラジカル重合反応可能なモノマーから誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。以下、他の繰り返し単位を誘導するモノマーの具体例を挙げる。前記ポリマーAは、下記モノマー群から選ばれるモノマーから誘導される繰り返し単位を1種含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
【0049】
モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
【0050】
(3)α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
【0051】
(3b)アルキルメタクリレート類
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
【0052】
(3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
【0053】
(3d)α、β−不飽和カルボン酸のアミド類
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
【0054】
(4)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレン及びその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
【0055】
(7)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;及び
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
【0056】
また、前記ポリマーAは、特開2004−333861号公報の一般式[2]に記載のモノマーから誘導される繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0057】
前記ポリマーAにおけるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。前記フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の量は、該フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位の構成モノマー総量の0.5質量%以上であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。
【0058】
本発明に用いる前記ポリマーAの質量平均分子量は1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましく、5,000以上50,000以下であることがさらに好ましい。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
【0059】
なお、前記ポリマーAは、ディスコティック液晶性化合物の配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有するものも好ましい。
【0060】
以下に、前記ポリマーAとして本発明に好ましく用いられる具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値(a、b、c、d等の数値)は、それぞれ各モノマーの組成比を示す質量百分率であり、MwはTSK Gel GMHxL、TSK Gel G4000 HxL、TSK Gel G2000 HxL (いずれも東ソー(株)の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した質量平均分子量である。
【0061】
【化14】


【0062】
【化15】


【0063】
【化16】


【0064】
【化17】


【0065】
【化18】


【0066】
【化19】


【0067】
【化20】


【0068】
【化21】


【0069】
【化22】


【0070】
光学異方性層形成用組成物における前記ポリマーAの含有量の好ましい範囲は、その用途によって異なるが、組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中、0.005〜8質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%であることがさらに好ましい。前記フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位の添加量が0.005質量%未満では効果が不十分であり、また8質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0071】
前記光学異方性層は、前記ポリマーAを2種以上含有していることが好ましい。また、前記光学異方性層は、塗布性向上のために、前記ポリマーAとともに、フルオロ脂肪族基を含有するポリマーBをさらに含有してもよい。前記ポリマーBは、特開2004−333861号公報の一般式[1]、一般式[2]に記載の繰り返し単位を含む共重合体であることが好ましい。
【0072】
[液晶性化合物]
前記光学異方性層は、液晶性化合物の少なくとも一種を含有する組成物から形成される。前記光学異方性層の形成には、配向膜を利用するのが好ましい。光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物としては、特に制限はなく、種々の化合物を用いることができる。棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物を用いることが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いることがより好ましい。また、液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶であってもよい。さらに、低分子液晶性化合物が層を形成する際に架橋され、もはや液晶性を示さなくなったものも含まれる。光学異方性層中において液晶性化合物の分子は、配向状態に固定されていることが好ましく、ハイブリッド配向状態に固定されていることがより好ましい。
【0073】
本発明に用いられる液晶性化合物は、波長分散値が小さい液晶性化合物であるのが好ましい。特に、従来光学異方性層の形成に用いられていた下記化合物(A)と比較して、波長分散値が小さい液晶性化合物を用いるのが好ましい。
波長分散値とは、波長分散値=450nmにおけるレターデーション値/650nmにおけるレターデーション値で示される値である。波長分散値の測定におけるレターデーション値は、液晶性分子を配向膜平面に対して略垂直に配向させて測定した値である。レターデーションの測定は、種々の機器で可能であるが、例えば、このような測定が可能な機器としてはKOBRA(王子計測機器(株)製)、エリプソメータM−150(日本分光(株)製)を例にあげることができる。下記化合物(A)を配向膜平面に対して略垂直に配向させて、エリプソメータM−150で測定を行うと、波長分散値(450nm/650nm)=1.27が得られる。
【0074】
【化23】


【0075】
上記した通り、本発明に用いる液晶性化合物はこの波長分散値が化合物(A)よりも小さいことが好ましい。本発明に用いる液晶性化合物は、波長分散値をエリプソメータM−150で測定した波長分散値(450nm/650nm)で表すと、1.25以下であることが好ましく、1.20以下であることがさらに好ましく、1.15以下であることがより好ましい。
【0076】
本発明には、棒状液晶及びディスコティック液晶のいずれを用いてもよいが、特に、下記一般式(V)又は、下記一般式(DI)で表される化合物を用いるのが好ましい。
まず、一般式(V)で表される化合物について詳細に説明する。
【0077】
【化24】


【0078】
一般式(V)において、Dは円盤状コアである。円盤状コアは、該円盤状化合物の中心に位置し、その円盤面を構成する。円盤状コアは、円盤状液晶性分子の分子構造において、よく知られている概念である。円盤状液晶(Discotic Liquid Crystal)は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994)等に記載されている。
【0079】
以下に、Dで表される円盤状コアの例を示す。各化合物中のYは下記一般式(VI)を意味する。下記一般式(VI)中のR11、R12、R13、R14及びR15は、前記一般式(V)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0080】
【化25】


【0081】
【化26】


【0082】
【化27】


【0083】
円盤状コア(D)は、トリフェニレン(Z4)であることが特に好ましい。
円盤状コア(D)は、Y(前記一般式(VI))以外の置換基を有していてもよい。円盤状コアが有していてもよい置換基の例は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、メルカプト基、ウレイド基、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基、置換アリール基、複素環基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換アリールオキシカルボニル基、置換アミノ基、アミド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、置換アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、置換アリールオキシカルボニルアミノ基、置換カルバモイル基、スルホンアミド基、置換スルファモイル基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、置換アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、置換アリールスルフィニル基、置換ウレイド基、リン酸アミド基、置換シリル基、アルコキシカルボニルオキシ基、置換アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基ならびに置換アリールオキシカルボニルオキシ基を含む。
【0084】
アルキル基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜30であることが好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルキル基の置換基の例は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基が除外される以外は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0085】
アルケニル基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜30であることが好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、アルケニル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルケニル基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同様である。アルキニル基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜30であることが好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、アルキニル基と同様である。置換アルキニル基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0086】
アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましい。置換アリール基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリール基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0087】
複素環基は、5員又は6員の複素環を有することが好ましい。複素環に、他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。複素環の複素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましい。複素環基は置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0088】
アルコキシ基及び置換アルコキシ基のアルキル部分は、アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルコキシ基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。アリールオキシ基及び置換アリールオキシ基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールオキシ基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0089】
アシル基はホルミル又は−CO−Rで表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
アシルオキシ基はホルミルオキシ又は−O−CO−Rで表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
【0090】
アルコキシカルボニル基及び置換アルコキシカルボニル基のアルキル部分は、アルキル基と同様である。置換アルコキシカルボニル基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
アリールオキシカルボニル基及び置換アリールオキシカルボニル基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールオキシカルボニル基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0091】
置換アミノ基は、−NH−R又は−N(−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
アミド基は、−NH−CO−Rで表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
イミド基は、−N(−CO−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
【0092】
アルコキシカルボニルアミノ基及び置換アルコキシカルボニルアミノ基のアルキル部分は、アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルコキシカルボニルアミノ基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同様である。
アリールオキシカルボニルアミノ基及び置換アリールオキシカルボニルアミノ基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールオキシカルボニルアミノ基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同様である。
【0093】
置換カルバモイル基は、−CO−NH−R又は−CO−N(−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
スルホンアミド基は、−NH−SO2−Rで表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。置換スルファモイル基は、−SO2−NH−R又は−SO2−N(−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
【0094】
アルキルチオ基及び置換アルキルチオ基のアルキル部分は、アルキル基と同様である。置換アルキルチオ基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同様である。
アリールチオ基及び置換アリールチオ基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールチオ基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
アルキルスルホニル基及び置換アルキルスルホニル基のアルキル部分は、アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルキルスルホニル基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0095】
アリールスルホニル基及び置換アリールスルホニル基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールスルホニル基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
アルキルスルフィニル基及び置換アルキルスルフィニル基のアルキル部分は、アルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルキルスルフィニル基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
アルキルスルフィニル基及び置換アルキルスルフィニル基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アルキルスルフィニル基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0096】
置換ウレイド基は、−NH−CO−NH−R又は−NH−CO−N(−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
リン酸アミド基は、−NH−O−P(=O)(−OH)−O−R又は−NH−O−P(=O)(−O−R)2で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
置換シリル基は、−SiH2−R、−SiH(−R)2又は−Si(−R)3で表され、Rはアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリール基又は置換アリール基である。
【0097】
アルコキシカルボニルオキシ基及び置換アルコキシカルボニルオキシ基のアルキル部分は、アルキル基と同様である。置換アルコキシカルボニルオキシ基の置換基の例は、置換アルキル基の置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
アリールオキシカルボニルオキシ基及び置換アリールオキシカルボニルオキシ基のアリール部分は、アリール基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換アリールオキシカルボニルオキシ基の置換基の例は、円盤状コアの置換基の例と同義であり、好ましい範囲も同義である。
【0098】
一般式(V)において、n1は3〜20の整数であって、3〜15の整数であることが好ましく、3〜12の整数であることがより好ましく、3〜10の整数であることがさらに好ましく、4〜8の整数であることがさらにまた好ましく、6であることが最も好ましい。
【0099】
一般式(V)において、R11、R12、R13、R14及びR15は水素原子又は置換基を表し、これらの例は円盤状コアの置換基の例と同様なものが挙げられる。また、R11、R12、R13、R14及びR15のいずれか二つが結合して環を形成していてもよく、例えば、脂肪族又は芳香族環があげられる。好ましくはR11、R12、R13及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、シアノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子である。
【0100】
カルボニルオキシ基に対し、R12及びR13、R14及びR15は、シス・トランスの位置関係が存在する。シスとはシクロプロパン環面に対してカルボニルオキシ基と同方向に置換基が存在する状態であり、トランスとはシクロプロパン環面に対してカルボニルオキシ基と逆方向に置換基が存在する状態である。この位置関係は指定のない限り特には制限しない。
【0101】
一般式(V)において、R11、R12、R13、R14及びR15の置換基の組み合わせにより、エナンチオマー及びジアステレオマー立体異性体が存在するが、これらは指定のない限り特には制限しない。
【0102】
一般式(V)で表される円盤状化合物は、下記一般式(VII)で表されることが好ましい。
【0103】
【化28】


【0104】
一般式(VII)において、Dは円盤状コアである。n1は3〜20の整数である。R11、R12、R13及びR15はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。mは1〜5の整数を表す。R16は置換基を表し、複数のR16が存在する時、それぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0105】
上記D、n1、R11、R12、R13及びR15は、一般式(V)中のD、n1、R11、R12、R13及びR15のそれぞれの定義と同様であり、好ましい範囲も同様である。
【0106】
一般式(VII)において、R16は置換基を表し、これらの例は円盤状コアの置換基の例と同様なものが挙げられる。好ましいR16の例は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基又は置換もしくは無置換のアシルオキシ基である。さらに好ましくは、少なくとも1つのR16が置換アルキル基、置換アルコキシ基、置換アルコキシカルボニル基、置換アリール基、置換アリールオキシ基、置換アルコキシカルボニルオキシ基、置換アリールオキシカルボニルオキシ基又は置換アシルオキシ基であり、置換基の末端に重合性基を有する。
【0107】
一般式(VII)において、R16の置換位置は指定のない限り特に制限しない。少なくとも1つのR16がパラ位に存在するのが好ましい。
一般式(VII)において、カルボニルオキシ基に対して、R15には、シス・トランスの位置関係が存在する。この位置関係は指定のない限り特には制限しない。好ましくはシスである。
【0108】
前記一般式(V)で表される液晶性円盤状化合物は、重合性基を有していてもよい。重合性基を有する円盤状化合物(重合性円盤状化合物)は、重合反応により円盤状化合物の円盤面が配向している状態を固定することができる。
一般式(V)で表される化合物が重合性基を有する場合、R14は置換アルキル基、置換アルコキシ基、置換アリール基又は置換アリールオキシ基であって、各置換基の末端に重合性基を有することが好ましい。
重合性円盤状化合物は、さらに、下記一般式(VIII)で表されることが好ましい。
【0109】
【化29】


【0110】
一般式(VIII)において、Dは円盤状コアである。n1は3〜20の整数を表す。R11、R12、R13及びR15は、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。D、n1、R11、R12、R13及びR15はそれぞれ、一般式(V)中のD、n1、R11、R12、R13及びR15とそれぞれ同様であり、好ましい範囲も同様である。
【0111】
一般式(VIII)において、Lは酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、及びそれらの組み合わせから選ばれる2価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は1〜30であることが好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、アルキレン基と同様である。置換アルキレン基の置換基の例は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基が除外される以外は、一般式(V)で説明した円盤状コアの置換基の例と同様である。
アリーレン基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましい。アリーレン基は、フェニレン又はナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。
置換アリーレン基のアリーレン部分は、アリーレン基と同様である。置換アリーレン基の置換基の例は、一般式(V)で説明した円盤状コアの置換基の例と同様である。
【0112】
一般式(VIII)において、Qは重合性基である。重合性基は、エポキシ基又はエチレン性不飽和基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和基(例、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル)であることが最も好ましい。
【0113】
本発明の円盤状化合物として、特に、好ましい円盤状化合物は、下記一般式(IX)で表されるトリフェニレン化合物である。
【0114】
【化30】


一般式(IX)において、D1はトリフェニレンを表し、n1は3〜6の整数を表し、R16、R17、R18、R19およびR20は、それぞれ、水素原子、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素原子数が3〜20の置換もしくは無置換のアルケニルオキシ基、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基または炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、炭素原子数が1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。各基の定義および例は、一般式(V)と同様であり、好ましい範囲も同義である。
【0115】
一般式(IX)において、R16、R17、R18およびR20は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子または置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基であるのが好ましい。
一般式(IX)において、好ましくはR19が、炭素原子数が6〜20の置換もしくは無置換のアリール基である。一般式(IX)において、好ましくはR19が、カルボニルオキシ基に対して、トランスである。
【0116】
一般式(IX)で表されるトリフェニレン化合物は、重合性基を有することができる。重合性基を有するトリフェニレン化合物(重合性トリフェニレン化合物)は、重合反応によりトリフェニレンからなる円盤面が配向している状態を固定することができる。
一般式(IX)で表されるトリフェニレン化合物が重合性基を有する場合、R19は炭素原子数が2〜20の置換アルキル基、炭素原子数が2〜20の置換アルコキシ基、炭素原子数が6〜20の置換アリール基または炭素原子数が6〜20の置換アリールオキシ基であって、置換基の末端に重合性基を有することが好ましい。
上記一般式(IX)には、不斉炭素原子が存在するため、ジアステレオマーやエナンチオマーが存在するが、本発明においてはこれらを区別せず、すべて含まれるものとする。つまり、構造の記述方法により立体異性体を区別しないこととする。
【0117】
以下に、一般式(V)で表される円盤状化合物の例を示す。なお、それぞれの例示化合物を表すとき、該例示化合物の横に記載されている数値(x)をもって、例示化合物(x)と示す。
【0118】
【化31】


【0119】
【化32】


【0120】
【化33】


【0121】
【化34】


【0122】
【化35】


【0123】
【化36】


【0124】
次に、一般式(DI)で表される化合物について詳細に説明する。
【0125】
【化37】


【0126】
一般式(DI)中、Y11、Y12、Y13は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。
11、Y12、Y13がメチンの場合は、メチンは置換基を有していてもよい。メチンの置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子及びシアノ基を挙げることができる。これらの中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基がさらに好ましく、炭素数は1〜12のアルキル基、炭素数は1〜12のアルコキシ基、炭素数は2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数は2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子及びシアノ基が最も好ましい。
【0127】
11、Y12、Y13は、すべてメチンであることが最も好ましく、またメチンは無置換であることが最も好ましい。
【0128】
一般式(DI)中、L1、L2、L3は、それぞれ独立に単結合又は二価の連結基である。L1、L2、L3が二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0129】
1、L2、L3で表される二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基は5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環及びナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。環状基は、芳香族環、及び複素環が好ましい。
【0130】
1、L2、L3で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル及びナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
【0131】
1、L2、L3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
【0132】
1、L2、L3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−、*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−が好ましく、単結合が最も好ましい。(ここで、*は一般式(DI)中のY11、Y12及びY13を含む6員環に結合する位置を表す。)
【0133】
1、H2、H3はそれぞれ独立に、下記一般式(DI−A)もしくは下記一般式(DI−B)を表す。
【0134】
【化38】


一般式(DI−A)中、YA1、YA2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。YA1、YA2としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることが最も好ましい。XAは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。XAとしては、酸素原子であることが、最も好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
【0135】
【化39】


一般式(DI−B)中、YB1、YB2は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。YB1、YB2としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることが最も好ましい。XBは酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。XBとしては、酸素原子であることが、最も好ましい。*はL1〜L3と結合する位置を表し、**はR1〜R3と結合する位置を表す。
【0136】
21、R22、R23は、それぞれ独立に下記一般式(DI−R)を表す。
一般式(DI−R)
*−(−L21−Cy)n1−L22−L23−Q1
一般式(DI−R)中、*は一般式(DI)中の5員環に結合する位置を表す。
21は単結合又は二価の連結基である。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NH−、−SO2−、−CH=CH−及び−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0137】
21は単結合、及び、**−O−CO−、**−CO−O−、**−CH=CH−、**−C≡C−(ここで、**は一般式(DI−R)中のL21の左側を表す)が好ましい。特に、単結合が好ましい。
【0138】
一般式(DI−R)中のCyは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。Cyに含まれる環状構造は、5員環、6員環、又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。Cyに含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、Cyに含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
【0139】
二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン及び1,3−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルナフタレン−2,7−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。二価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン及びナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。
【0140】
二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。二価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、炭素原子数が1〜4のハロゲン置換アルキル基が好ましく。特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0141】
1は、0〜4整数を表す。n1としては、1〜3の整数が好ましく。特に、1もしくは2が好ましい。
【0142】
22は、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−S−、*−NH−、*−SO2−、*−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−、を表す。(ここで、*は一般式(DI−R)中のベンゼン環に結合する位置を表す。)好ましくは、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−であり、特に、*−O−、*−O−CO−、*−O−CO−O−、*−CH2−が好ましい。上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基及び炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0143】
23は、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−NH−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。ここで、−NH−、−CH2−、−CH=CH−の水素原子は、他の置換基に置き換えられていてもよい。他の置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜6のアルコキシ基、炭素原子数が2〜6のアシル基、炭素原子数が1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜6のアルキル基が好ましい。これらの置換基に置き換えられることにより、本発明の液晶性化合物から液晶性組成物の調製する際に、使用する溶媒に対する溶解性を向上させることが出来る。
【0144】
23は、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−の組み合わせからなることが好ましい。L23は、炭素原子を1〜20個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個を含有することが特に好ましい。さらに、L23は、−CH2−を1〜16個含有することが好ましく、特に、−CH2−を2〜12個含有することが好ましい。
【0145】
1はそれぞれ独立に重合性基又は水素原子であるが、光学異方性層の位相差の大きさの熱による変化を軽減するためには、Q1は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
【0146】
【化40】


【0147】
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基又は開環重合性基が好ましい。
【0148】
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
【0149】
【化41】


【0150】
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。Rとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。上記(M−1)〜(M−6)の中でも、(M−1)又は(M−2)が好ましく、(M−1)が最も好ましい。
【0151】
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
【0152】
前記一般式(DI)で表される液晶化合物の中でも、下記一般式(DII)で表される化合物が好ましいい。
【0153】
【化42】


【0154】
一般式(DII)中、Y31、Y32、Y33は、一般式(DI)中、Y11、Y12、Y13の定義と同様である。
【0155】
一般式(DII)中、R31、R32、R33それぞれ独立に、下記一般式(DII−R)で表される。
【0156】
【化43】


【0157】
一般式(DII−R)中、A31、A32は、それぞれ独立にメチン又は窒素原子を表す。A31、A32としては、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることが最も好ましい。X3は酸素原子、硫黄原子、メチレン、又はイミノを表す。X3としては、酸素原子であることが、最も好ましい。
【0158】
一般式(DII−R)中のCy1は、6員環状構造を有する二価の連結基である。Cy1に含まれる6員環状構造は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、Cy1に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフェナントレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環及びピリミジン環が含まれる。
【0159】
二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン及び1,3−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル及びナフタレン−2,7−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。二価の環状基としては、特に、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン及びナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。
【0160】
二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。二価の環状基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が1〜6のハロゲン置換アルキル基が好ましく、さらに、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜4のアルキル基、炭素原子数が1〜4のハロゲン置換アルキル基が好ましく。特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0161】
一般式(DII−R)中のn3は、1〜3整数を表す。n3としては、1もしくは2が好ましい。
一般式(DII−R)中のL31は、一般式(DI−R)中のL22の定義と同様である。
一般式(DII−R)中のL32は、一般式(DI−R)中のL23の定義と同様である。
一般式(DII−R)中のQ3は、一般式(DI−R)中のQ1の定義と同様である。
【0162】
以下に、一般式(DI)又は一般式(DII)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0163】
【化44】


【0164】
【化45】


【0165】
【化46】


【0166】
【化47】


【0167】
【化48】


【0168】
【化49】


【0169】
【化50】


【0170】
【化51】


【0171】
【化52】


【0172】
【化53】


【0173】
【化54】


【0174】
【化55】


【0175】
【化56】


【0176】
【化57】


【0177】
【化58】


【0178】
【化59】


【0179】
【化60】


【0180】
【化61】


【0181】
【化62】


【0182】
【化63】


【0183】
【化64】


【0184】
【化65】


【0185】
【化66】


【0186】
【化67】


【0187】
【化68】


【0188】
【化69】


【0189】
【化70】


【0190】
【化71】


【0191】
【化72】


【0192】
【化73】


【0193】
【化74】


【0194】
【化75】


【0195】
本発明に係る液晶性化合物は、良好なモノドメイン性を示す液晶相を発現することが望ましい。モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。良好なモノドメイン性を示すと、位相差板が高い光透過率を有しやすくなる。
【0196】
本発明に係る液晶性化合物が発現する液晶相としては、カラムナー相及びディスコティックネマチック相(ND相)を挙げることができる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示すディスコティックネマチック相(ND相)が最も好ましい。
【0197】
本発明に係る液晶性化合物は、液晶相を20℃〜300℃の範囲で発現することが好ましい。さらに好ましくは40℃〜280℃であり、最も好ましくは60℃〜250℃である。ここで20℃〜300℃で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(具体的に例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合(具体的に例えば、298℃〜310℃)も含む。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
【0198】
前記光学異方性層において、液晶性化合物の分子はハイブリッド配向状態に固定されているのが好ましい。ハイブリッド配向では、液晶性化合物の分子の物理的な対称軸と支持体の面との角度、すなわち傾斜角が、光学異方性層の深さ(すなわち、(透明)支持体に垂直な)方向でかつ偏光膜の面からの距離の増加と共に増加又は減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、又は、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していればよい。しかしながら、傾斜角は連続的に変化することが好ましい。
【0199】
一般に、ディスコティック液晶性化合物の物理的な対称軸の平均方向は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック液晶性化合物の物理的な対称軸方向は、一般にディスコティック液晶性化合物あるいはディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、ポリマー及び低分子化合物、前記ポリマーAなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性化合物と添加剤との選択により調整できる。
【0200】
前記液晶性化合物と共に使用する可塑剤、重合性モノマーは、液晶性化合物と相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないものが採用される。
【0201】
[光学異方性層の添加剤]
光学異方性層の形成にあたり、本発明に係る液晶性化合物に加えることが可能な添加剤としては、例えば、特開2002−98828号公報に記載のディスコティック液晶性分子及び後述する空気界面配向制御剤、配向膜界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
【0202】
[空気界面配向制御剤]
光学異方性層形成用の組成物中には、液晶性化合物とともに空気界面配向制御剤を含有させるのが好ましい。液晶性化合物は、一般的に、空気界面においては空気界面のチルト角(透明支持体面と液晶性化合物の円盤面のなす角)で配向する。空気界面におけるチルト角は、液晶性化合物の種類によりその程度が異なるために、空気界面のチルト角を所望の範囲に調整するために、空気界面配向制御剤を含有させるのが好ましい。
このチルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤を用いることができるが、添加剤を用いることが好ましい。
このような添加剤としては、炭素原子数が6〜40の置換又は無置換脂肪族基もしくは炭素原子数が6〜40の置換又は無置換脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1本以上有する化合物が好ましく、分子内に2本以上有する化合物がさらに好ましい。例えば、空気界面配向制御剤としては、特開2002−20363号公報に記載の疎水性排除体積効果化合物を用いることができる。
【0203】
空気界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、液晶性化合物に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がさらに好ましく、0.1質量%〜5質量%が最も好ましい。
【0204】
[配向膜界面配向制御剤]
光学異方性層形成用の組成物中には、液晶性化合物とともに配向膜界面配向制御剤を含有させてもよい。液晶性化合物は、一般的に、配向膜界面においては配向膜界面のチルト角で配向する。本発明に係る液晶性化合物が配向膜界面においてほぼ90°のチルト角を示す場合においては、配向膜界面のチルト角を制御する必要がないが、90°より小さいチルト角を示す液晶性化合物を用いた場合は、配向膜界面のチルト角を所望の範囲に調整するために、配向膜界面配向制御剤を含有させるのが好ましい。
このチルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤を用いることができるが、添加剤を用いることが好ましい。
このような添加剤としては、分子内に極性基を有する化合物が好ましい。極性基を有する化合物としては、例えば、−OH、−NH2、−COOH、−SO3H基やオニウム塩を分子内に有する化合物を挙げることができる。具体的に例えば特開2004−101920号公報に記載の添加剤を用いることができる。
【0205】
配向膜界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、本発明に係る液晶性化合物に対して、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.005質量%〜5質量%がさらに好ましく、0.01質量%〜2質量%が最も好ましい。
【0206】
[ハジキ防止剤]
前記光学異方性層形成用の組成物には、液晶性化合物とともに組成物の塗布時のハジキを防止するハジキ防止剤を含有させるのが好ましい。該組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、本発明に係る液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。本発明に係る液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、円盤状化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあり、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
また、界面活性剤を用いることもできる。このような界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特願2004−188333号公報明細書中の段落番号[0100]〜[0118]記載の化合物が挙げられる。界面活性剤の好ましい例としては、特願2004−188333号公報明細書中のX−1〜X−20、X−61〜X−72の化合物が挙げられる。上記界面活性剤は、ディスコティック化合物に対して一般に0.005〜8質量%(好ましくは0.2〜2.5質量%)の量にて使用される。
【0207】
[重合開始剤]
本発明では、液晶性化合物はモノドメイン配向、つまり実質的に均一に配向している状態で固定されていることが好ましく、そのため重合性の液晶性化合物を用いている場合には重合反応により液晶性化合物を固定することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
【0208】
[重合性モノマー]
本発明に係る液晶性化合物とともに使用する重合性モノマーとしては、本発明に係る液晶性化合物と相溶性を有し、本発明に係る液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0〜30質量%の範囲にあり、0〜20質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
【0209】
[塗布方式]
光学異方性層は、下記溶媒を用いて液晶組成物の塗布液を調製し、例えば配向膜上に塗布し、液晶性化合物を配向処理することで形成する。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0210】
[塗布溶剤]
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステル及びケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0211】
塗布液中の液晶性化合物及びその他の添加剤の固形分濃度としては、0.1質量%〜60質量%が好ましく、0.5質量%〜50質量%がより好ましく、2質量%〜40質量%がさらに好ましい。また、塗布液の粘度は、0.01cp〜100cpが好ましく、0.1cp〜50cpがより好ましい。均一性の高い光学フィルムを作製する場合には、塗布液の表面張力は、25mN/m以下であることが好ましい。
【0212】
前記塗布液の塗布後、乾燥工程と同時に又は乾燥工程の後に、液晶性化合物を、所望の配向状態とした後、その配向状態に固定して光学異方性層を形成することができる。本発明では、光学異方性層の形成時に、ポリマーAの存在下で液晶性化合物の分子を配向させることにより、液晶性化合物の分子を水平配向状態とした後に、ハイブリッド配向させることができる。その結果、欠陥がない光学異方性層を安定的に作製することができる。水平配向からハイブリッド配向への移行は、例えば、温度を上昇させることにより促進される。
【0213】
[配向膜]
液晶性化合物を配向させる方法としては、例えば、電場や磁場のような外場を用いる方法や配向膜を用いる方法を挙げることができるが、本発明においては、配向膜を用いることが好ましい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性化合物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、ラビング処理もしくは、光照射により形成される配向膜が好ましい。特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
なお、配向膜を用いて液晶性化合物を配向させてから、その配向状態のまま液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成し、光学異方性層のみをポリマーフィルム(又は透明支持体)上に転写してもよい。配向状態の固定された液晶性化合物は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。そのため、位相差板では、配向膜は(位相差板の製造において必須であるが)必須ではない。
液晶性化合物を配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを調節するポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。具体的なポリマーの種類については液晶セル又は位相差板について種々の文献に記載がある。いずれの配向膜においても、液晶性化合物と透明支持体の密着性を改善する目的で、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向膜を用いることが好ましく、かかる配向膜としては特開平9−152509号公報に記載されている。
【0214】
[透明支持体]
本発明の光学補償シートは、前記光学異方性層を支持する支持体を有する。支持体は、ガラス又は透明なポリマーフィルムであることが好ましい。
支持体は、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースジアセテート)、ノルボルネン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。とくに炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)又は4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
【0215】
なお、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、国際公開WO00/26705号公報に記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明の光学フィルムに用いることもできる。
偏光板保護フィルム、もしくは位相差フィルムに本発明の光学補償シートを使用する場合は、ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0〜62.0%であることがさらに好ましい。
【0216】
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算によって求められる。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
【0217】
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。本発明に用いるポリマーフィルムでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度又は多い方が好ましい。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。
6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
【0218】
本発明の光学補償シートは、単独で液晶表示装置の部材に用いることができ、偏光板と一体化して、偏光板中の一部材として液晶表示装置に組み込むこともできる。本発明の光学補償シートが一体化された偏光板は、偏光機能を有するのみならず、液晶表示装置の視野角の拡大にも寄与する。さらに、偏光膜の保護フィルムとして本発明の光学補償シートを用いた偏光板を用いることは、液晶表示装置の薄型化にも寄与する。
以下、本発明の光学補償シートを付加した偏光板について詳細に説明する。
【0219】
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光膜と前記光学補償シートとを有する。偏光板は一般に、基材フィルムに二色性物質を吸着、配向させて作製された偏光膜と、該偏光膜の少なくとも片面に貼合された保護膜とを有する。偏光膜の基材フィルムに使用されるポリマーとしては、ポリビニルアルコール(以下、PVA)系ポリマーが一般的である。二色性物質としてはヨウ素あるいは、二色性染料が単独、あるいは組み合わせて用いられる。保護膜としては、低複屈折性、透明性、適度な透湿性、寸度安定性等の物性が求められ、従来はセルロースアセテートフィルムが広く用いられ、その作製において塩素系有機溶媒であるメチレンクロライドを使用しており、環境保全の観点でその改良が望まれている。非塩素系有機溶媒を用いて作製されたセルロースアシレートフィルムは、その作製に際して非塩素系溶媒で流延しフィルム化することで、これらの改良したものである。
【0220】
ここで偏光膜に用いるPVAは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性、偏光性、耐熱、耐湿性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、フィルム強度や耐熱、耐湿性、延伸性などから1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。また、PVAのシンジオタクチシチーについては特に限定されず、目的に応じ任意の値をとることもできる。
【0221】
PVAを染色、延伸して偏光膜を作製する手順には、原反となるPVAフィルムを乾式又は湿式で延伸した後、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬する方法、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液中でPVAフィルムを延伸し配向させる方法、ヨウ素あるいは二色性染料にPVAフィルムを浸漬後、湿式又は乾式で延伸し配向させる方法などがある。
また、PVA原反を溶液製膜法により製膜する際、PVA溶液中に二色性物質をあらかじめ含有させる手法もとることができる。
【0222】
代表的な偏光板の湿式延伸による製造法を以下に述べる。まず、原反PVAフィルムを水溶液で予備膨潤する。次いで二色性物質の溶液に浸漬し、二色性物質を吸着させる。さらにホウ酸等のホウ素化合物の水溶液中で進行方向に一軸延伸する。必要に応じ色味調整浴、硬化浴等をこの後に設けてもよい。ある程度乾燥したところでPVA等の接着剤を用い保護膜を貼合する。さらに乾燥して偏光板が得られる。
【0223】
予備膨潤液中には、各種有機溶媒、無機塩、可塑剤、ホウ酸類等を水溶液中に添加してもよい。
【0224】
染色液は、二色性物質としてヨウ素を用いる場合を例にすると、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液を用いる。ヨウ素は0.1〜20g/リットル、ヨウ化カリウムは1〜100g/リットル、ヨウ素とヨウ化カリウムの重量比は1〜100が好ましい。染色時間は30〜5000秒が好ましく、液温度は5〜50℃が好ましい。染色液中にホウ素化合物等PVAを架橋する化合物を含有させることも好ましい。延伸浴中のホウ素化合物は、ホウ酸が特に好ましい。ホウ酸濃度は、好ましくは1〜200g/リットルであり、さらに好ましくは10〜120g/リットルである。延伸浴には、ホウ素化合物の他にヨウ化カリウム等の無機塩、各種有機溶媒、あるいは二色性染料等を含むことができる。色味調整浴、硬化浴には二色性染料のほか、ヨウ化カリウム等の無機塩、ホウ素化合物等を必要に応じ含有させる。
【0225】
PVAの延伸工程としては、上に例示した如く連続フィルムの進行方向に張力を付与し、進行方向にフィルムを延伸、配向させる方法が一般的であるが、いわゆるテンター方式等の延伸手段でフィルムの幅手方向に張力を付与し、幅手方向に配向させる方法も適用可能である。延伸は一軸方向に3倍以上行うことが好ましく、4.5倍以上がより好ましい。偏光膜の使用目的により二軸延伸を行ってもよい。延伸後の膜厚は特に限定されないが、取り扱い性、耐久性、経済性の観点より、5〜100μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。延伸時の温度は延伸条件によって異なるが、通常10〜250℃である。100℃以上の温度で乾式延伸する場合は、窒素等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、予め延伸したフィルムを染色する前には、100℃以上の温度で結晶化処理を行うことが好ましい。
【0226】
染色方法としては上に例示した浸漬法だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、既に述べた液層吸着のみでなく、寄贈による吸着も必要に応じ行うことができる。二色性色素で染色することも好ましい。二色性色素の具体例としては、例えばアゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物をあげることができる。水溶性のものが好ましいが、この限りではない。又、これらの二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入されていることが好ましい。
【0227】
二色性分子の代表的なものとしては、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド28、シー.アイ.ダイレクト.レッド39、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド83、シー.アイ.ダイレクト.レッド89、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、シー.アイ.アシッド.レッド37等が挙げられ、さらに特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開2000−48105号、特開2000−65205号、特開平7−261024号の各公報に記載の色素等を挙げることができる。特に、シー.アイ.ダイレクト.レッド28(コンゴーレッド)は古くよりこの用途に好ましいとして知られている。これらの二色性分子は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。
【0228】
これらの二色性分子は2種以上を配合することにより、各種の色相を有する偏光子を製造することができる。偏光素子又は偏光板として偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)や黒色を呈するように各種の二色性分子を配合したものが単板透過率、偏光率とも優れており好ましい。
【0229】
偏光膜の耐熱、耐湿性を高める観点から、偏光膜の製造工程においてPVAに架橋させる添加物を含ませることが好ましい。架橋剤としては、米国再発行特許第232897号に記載のものが使用できるが、ホウ酸、ホウ砂が実用的に好ましく用いられる。また、亜鉛、コバルト、ジルコニウム、鉄、ニッケル、マンガン等の金属塩を偏光膜に含有させることも、耐久性を高めることが知られており好ましい。これら架橋剤、金属塩は、上に述べた予備膨潤浴、二色性物質染色浴、延伸浴、硬化浴、色調整浴等のいずれの工程に含有させても良く、工程の順序は特に限定されない。保護膜と偏光膜を接着する接着剤としては特に限定はなく、PVA系、変性PVA系、ウレタン系、アクリル系等、知られているものを任意に用いることができる。接着層の厚みは0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。
【0230】
偏光膜の一方の表面には、本発明の光学補償シート(支持体表面が偏光膜と接する様に)貼合し、その反対側の表面には、セルロースアシレート等からなるポリマーフィルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフィルムの配置とする)ことが好ましい。
【0231】
本発明の光学補償シートは、種々の液晶表示装置に用いることができる。本発明の光学補償シートを、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された一対の偏光膜とを有する液晶表示装置に配置する場合は、前記一対の偏光膜の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に配置することが好ましい。本発明の光学補償シートは、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償するように、光学異方性層の光学特性を決定することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なるので、前記光学異方性層の光学特性の好ましい範囲も、用途によって異なる。液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2のP411〜414等に記載されている。
【0232】
本発明の光学補償シートの光学特性は、前記した様に、その用途、例えば、いずれのモードの液晶セルの光学補償に用いられるかによって、好ましい範囲が異なる。一般的には、光学異方性層のReは0〜70nmであることが好ましく、20〜70nmであることがより好ましく、Rthは50〜400nmであることが好ましく、100〜400nmであることがより好ましい。かかる光学特性を示す光学異方性層を形成するには、例えば、ディスコティック液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向に固定して光学異方性層を形成する場合は、最小傾斜角0〜90°(より好ましくは0〜60°)で、且つ最大傾斜角が30〜90°(より好ましくは50〜90°)のハイブリッド配向とすることが好ましい。また、透明支持体のReは0〜70nmであることが好ましく、0〜50nmであることがより好ましく、Rthは、10〜400nmであることが好ましく、40〜250nmであることがより好ましい。但し、前記一例であり、本発明の光学補償シートの光学特性は、この範囲に限定されるものではない。
【0233】
本明細書において、Re、Rthは各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
【0234】
以下、液晶表示装置であって、各液晶モードにおける、本発明の光学補償シートの好ましい形態について説明する。
(TNモード液晶表示装置)
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
【0235】
ホメオトロピック配向(円盤面が寝ている水平配向)の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が85〜95度の状態で配向している。
ホモジニアス配向(長軸が寝ている水平配向)の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が5度未満の状態で配向している。
ハイブリット配向(長軸の傾きが偏光膜との距離に伴って変化している配向)の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が15度以上であることが好ましく、15度〜85度であることがさらに好ましい。
【0236】
支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、又は、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層、さらにはホメオトロピック配向したディスコティック液晶性化合物とホモジニアス配向した棒状液晶性化合物の混合体からなる光学異方性層は、上記式で定義されるRthレターデーション値が40nm〜200nmであり、上記式で定義されるReレターデーション値が0〜70nmであることが好ましい。
ホメオトロピック配向(水平配向)しているディスコティック液晶性化合物層及びホモジニアス配向(水平配向)している棒状液晶性化合物層に関しては、特開2000−304931号及び同2000−304932号の各公報に記載されている。ハイブリット配向しているディスコティック液晶性化合物層に関しては、特開平8−50206号公報に記載がある。
【0237】
(OCBモード液晶表示装置)
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性化合物を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性化合物が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性化合物が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
【0238】
黒表示にTNモードと液晶の配向は同じ状態であるため、好ましい態様もTNモード対応を同じである。ただし、TNモードに比べ、OCBモードの方がセル中央部で液晶性化合物が立ち上がった範囲が大きいために、ディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層について、若干のレターデーション値の調整が必要である。具体的には、(透明)支持体上のディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
【0239】
支持体もしくはディスコティック液晶性化合物がホメオトロピック配向している光学異方性層、もしくは、棒状液晶性化合物がホモジニアス配向している光学異方性層は、Rthレターデーション値が150nm〜500nmであり、Reレターデーション値が20〜70nmであることが好ましい。
【0240】
(その他液晶表示装置)
ECBモード及びSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
【実施例】
【0241】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 0.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤)
3.9質量部 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 293質量部 314質量部
メタノール(第2溶媒) 71質量部 76質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5質量部 1.6質量部
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0質量部 0.8質量部
下記レターデーション上昇剤 1.4質量部 0質量部
────────────────────────────────────
【0242】
【化76】


【0243】
得られた内層用ドープ及び外層用ドープを三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(PK−1)について、光学特性を測定した。
【0244】
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、93nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒
乾燥した。
【0245】
(配向層の形成)
50質量部のグルタルアルデヒドの水溶液を作製し、その水溶液中に亜硫酸ナトリウム0.05質量部を加えて4時間室温で放置した。その液を下記の変性ポリビニルアルコールの溶解した水/メタノール溶液に添加して、下記の組成の配向層塗布液を作製した。
【0246】
(配向層塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
亜硫酸ナトリウム 0.05質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
【0247】
【化77】


【0248】
上記のアルカリ処理したフィルム表面上に、配向膜塗布液をロッドコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し配向膜を作製した。
尚、乾燥後の塗布面の塗布幅方向での中央と左右両端の位置のpH値は6.0〜6.6の範囲であった。
【0249】
ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行方向に配向膜にラビング処理を実施した。
【0250】
(光学異方性層の形成)
光学異方性層の組成物
ディスコティック液晶性化合物(例示化合物(4)) 44.66質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 0.41質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.18質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.06質量部
ポリマーA(P−94) 0.18質量部
ポリマーB(下記構造) 0.10質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
【0251】
【化78】


【0252】
上記光学異方性層の組成物を、メチルエチルケトンに溶解し、比重0.915の塗布液とし、これを配向膜上に、#3.2のワイヤーバーで連続的に塗布し、125℃の状態で1.5分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層付き光学補償シート(KH−1)を作製した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は52nmであった。
偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、及び法線から60°まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
上記と同様の塗布液を同様の配向膜上に塗布し、130℃の状態に加熱し、配向状態の確認と配向に要する時間を評価した。
評価した結果を表1に示す。
【0253】
(偏光子の作製)
平均重合度4000、鹸化度99.8mol%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーのついたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜した。
このフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45度方向に斜め延伸してそのままよう素0.5g/L、よう化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、よう化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、さらに水洗槽において20度で10秒間水洗したのち80℃で5分間乾燥してよう素系偏光子(HF−01)を得た。偏光子は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
【0254】
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)をポリマー基材(PK−1)面で偏光子(HF−01)の片側に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80U:富士写真フィルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。
偏光子の透過軸とポリマー基材(PK−1)の遅相軸とは平行になるように配置した。
偏光子の透過軸と上記トリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
【0255】
[実施例2]
光学異方性層に含まれるディスコティック液晶性化合物(例示化合物(4))の代わりにディスコティック液晶化合物(D−38)を用いた以外は、実施例1と同様にして光学補償シート(KH−2)、さらには、KH−2付偏光板(HB−2)を作製した。
【0256】
[比較例1]
光学異方性層の塗布液にポリマーA(P−94)を添加しないこと以外は、実施例2と同様にして、光学補償シート(KH−H1)、さらには、KH−H1付偏光板(HB−H1)を作製した。
[比較例2]
光学異方性層に含まれるディスコティック液晶性化合物(例示化合物(4))の代わりに、下記の液晶化合物(DLC−1)を41.01質量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06質量を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H2)、さらには、KH−H2付偏光板(HB−H2)を作製した。
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートと液晶化合物の割合は、液晶転移温度を調整するために調整した。
【0257】
【化79】


【0258】
[比較例3]
光学異方性層の塗布液にポリマーA(P−94)を添加しないこと以外は、比較例3と同様にして、光学補償シート(KH−H3)、さらには、KH−H3付偏光板(HB−H3)を作製した。
【0259】
(光学補償シートの配向欠陥評価)
偏光顕微鏡にて、偏光板クロスニコルの状態で光学補償シートを観察した。光学補償シートは、最も視野が暗くなる配置(消光位)に配置し、そのとき観察される配向欠陥の数を計測した。4mm×2.5mmの視野を50倍で観察し、配向欠陥の数を以下のように区分けし、評価した。
○:10コ未満
△:10コ以上、30コ未満
×:30コ以上
(TN液晶セルでのムラ評価及び上視野角色味評価)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(LL−193A、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例1で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
液晶表示装置の表示パネルを全面中間調に調整し、ムラを評価した。また、黒表示のときの正面方向から見た色味と上60°方向から見たときの色味の変化を評価した。(Δu’v’≦0.045以下を○、Δu’v’>0.045を×)。以下に示す実施例2、ならびに比較例1〜3についても同様に評価した測定結果を第1表に示す。Δu’v’はCIE1976 UCS色度図による色差を指標にした。
【0260】
【表1】


【0261】
上記表1に示した実施例1及び2は、いずれも面内レターデーション(Re)の波長分散性が小さく、式(a)を満足していた。その結果、TN液晶セルの光学補償に用いた場合に、視野角に依存した色味変化がなく、優れた光学補償能を有していた。一方、比較例2及び3は、式(a)を満足せず、TN液晶セルの光学補償に用いた場合に、視野角に依存した色味変化が生じ、実施例1及び2と比較して光学補償能が劣っていた。
光学特性の波長分散性が軽減された光学補償シートは、液晶性化合物として一般式(V)又は(DI)で表される液晶性化合物を用いるのが好ましく、一般式(DI)で表される液晶性化合物を用いた実施例1及び2のReの波長依存性は、一般式(V)及び(DI)に属さない液晶性化合物DLC−1を用いた比較例2及び3よりも格段に低かった。
さらに、本発明では、液晶性化合物とともに、ポリマーAを含有する組成物から光学異方性層を形成することが好ましく、ポリマーAを含有しない比較例1及び3では、いずれも配向欠陥やムラが観察され、またハイブリッド配向状態となるまでに要する時間も、ポリマーAを含有する組成物を用いた場合よりも長くなった。これは、一旦、液晶性化合物の分子が、水平配向状態になった後に、ハイブリッド配向状態に移行するステップを経ないために、配向時間も長くなり、且つ配向欠陥配も生じるものと考えられる。
【0262】
[実施例3]
実施例1で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを80、90、110、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、110、120、130nmに変えても、実施例1で得られた効果とほぼ同等であった。
【0263】
[実施例4]
実施例1で用いたレターデーション上昇剤を、下記のレターデーション上昇剤に代え、内層の添加量を1.4質量部にし、Rthを110nmにしたポリマー基材を作製した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには、光学補償シート付き偏光板を作製した。実施例1で得られた効果とほぼ同等であった。
【0264】
【化80】


【0265】
[実施例5]
実施例4で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを80、90、100、120、130nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを80、90、100、120、130nmに変えても、実施例1で得られた効果とほぼ同等であった。
【産業上の利用可能性】
【0266】
本発明によれば、配向欠陥が少なく、優れた色味変化の視野角特性を有する液晶表示装置を提供することができる。




 

 


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