米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 測定; 光学 -> 富士フイルム株式会社

発明の名称 位相差板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−57609(P2007−57609A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−240266(P2005−240266)
出願日 平成17年8月22日(2005.8.22)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 永田 伊知郎 / 西川 秀幸
要約 課題
膜厚が薄い位相差板の提供を目的とする。

解決手段
支持体上に、少なくとも一層の光学異方性層を有し、該光学異方性層が下記一般式(I)および(II)で表される化合物の少なくとも一種から形成される層であることを特徴とする位相差板。
特許請求の範囲
【請求項1】
支持体上に、少なくとも一層の光学異方性層を有し、該光学異方性層が下記一般式(I)および(II)で表される化合物の少なくとも一種から形成される層であることを特徴とする位相差板。
【化1】



(一般式(I)および(II)中、AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、炭素原子または窒素原子を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、下記一般式(I−A)を表す。)
【化2】



(一般式(I−A)中、A、A、A、A、A、A、AおよびA10は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表し、Mは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−CH−CH−、−CH−O−、−O−CH−、−NH−CO−、−S−CO−、−CH=CH−、−C≡C−を表し、Lは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。Qは重合性基または水素原子を表し、nは1、2または3を表す。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶化合物を含有する光学異方性層を有する位相差板およびこれに用いる液晶化合物に関し、特に光学異方性層を有する位相差板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶を利用した二軸性フィルムは、従来の二軸延伸フィルムと比較して、その膜厚を薄くできる利点を有するため、液晶デバイスの薄層化や軽量化等に有用な手段である。延伸フィルムは、寸度の安定性が悪く、光学性能が湿熱等で変わりやすいといった問題を持つことが多い。そのため(重合性)二軸性液晶の開発が求められている。
【0003】
例えば、ヘテロ環骨格を有する化合物が二軸性を示すことが開示されている(非特許文献1、2参照)。
【非特許文献1】PHYSICAL REVIEW LETTERS 92巻、145505頁、2004年
【非特許文献2】PHYSICAL REVIEW LETTERS 92巻、145506頁、2004年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、膜厚が薄い位相差板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の手段によって解決された。
(1)支持体上に、少なくとも一層の光学異方性層を有し、該光学異方性層が下記一般式(I)および(II)で表される化合物の少なくとも一種から形成される層であることを特徴とする位相差板。
【0006】
【化1】


【0007】
(一般式(I)および(II)中、AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、炭素原子または窒素原子を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、下記一般式(I−A)を表す。)
【0008】
【化2】


【0009】
(一般式(I−A)中、A、A、A、A、A、A、AおよびA10は、そ
れぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表し、Mは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−CH−CH−、−CH−O−、−O−CH−、−NH−CO−、−S−CO−、−CH=CH−、−C≡C−を表し、Lは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。また、Qは重合性基または水素原子を表し、nは1、2または3を表す。)
【0010】
(2)上記一般式(I)又は(II)で表される化合物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、膜厚が薄い位相差板を提供することが可能である。また特定の置換基を有する化合物では、二軸性を示す膜厚が薄い位相差板を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
【0013】
本発明の化合物は、下記一般式(I)または(II)で表される。
【0014】
【化3】


【0015】
一般式(I)および(II)中、A、Aは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、炭素原子または窒素原子を表し、R、Rは、それぞれ独立に、下記一般式(I−A)を表す。
【0016】
【化4】


【0017】
、Aが炭素原子の場合、炭素原子は置換基を有していてもよい。ここで、「原子は置換基を有していてもよいとは」、該原子を含む環状構造の該原子の部分に結合している水素原子部分が他の基に置換されていてもよいことを意図している(以下同じ)。炭素原子が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基を好ましい例として挙げることができる。これらの置換基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好
ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が最も好ましい。
、Aは、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。AおよびAは、少なくとも一方が窒素原子であることが好ましく、両方が、窒素原子であることがより好ましい。
は、酸素原子、硫黄原子、炭素原子または窒素原子を表し、酸素原子が好ましい。炭素原子、窒素原子の場合は各々、C(R0102)、NR03で表され、R01、R02、R03はそれぞれ独立に水素原子または置換基(該置換基はA等の炭素原子への置換基と同じである)を表す。
、Rは、それぞれ独立に上記一般式(I−A)を表す。
【0018】
一般式(I−A)中、A、A、A、A、A、A、A、A10は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。A、A、A、A、A、A、A、A10は、少なくとも6つが炭素原子であることが好ましく、すべて炭素原子であることがより好ましい。A、A、A、AおよびA、A、A、A10が炭素原子の場合、炭素原子は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原子数2〜16のアルキニル基、炭素原子数1〜16のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアシル基、炭素原子数1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数2〜16のアシルアミノ基が含まれる。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のハロゲンで置換されたアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。Mは単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−CH−CH−、−CH−O−、−O−CH−、−NH−CO−、−S−CO−、−CH=CH−、−C≡C−を表し、この中で−O−、−O−CO−、−CO−O−がより好ましい。*は上記一般式(I)または(II)における5員環と結合する位置を表す。nは1、2または3を表し、1がより好ましい。
【0019】
一般式(I−A)中のLは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。ここで、−NH−、−CH−、−CH=CH−の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0020】
は、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−NH−、−CH−、−CH=CH−および−C≡C−ならびにこれらの組み合わせからなる群より選ばれることが好ましく、−CH−を含むことがより好ましく、−CH−からのみなることがさらに好ましい。Lは、炭素原子を1〜2
0個含有することが好ましく、炭素原子を2〜14個含有することがより好ましい。さらにLは、−CH−を1〜16個含有することが好ましく、−CH−を2〜12個含有することがより好ましく、−CH−を2〜8個含有することがさらに好ましい。
【0021】
上述の基が水素原子を含む基であるときは、該水素原子は置換基で置き換わってもよい。このような置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲンで置換されたアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアシル基、炭素原子数1〜6のアルキルチオ基、炭素原子数2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数2〜6のアルキルで置換されたカルバモイル基および炭素原子数2〜6のアシルアミノ基が好ましい例として挙げられ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基がより好ましい。
【0022】
一般式(I−A)中のQは重合性基または水素原子を表す。本発明の化合物を光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フィルム等に用いる場合には、Qは重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
【0023】
【化5】


【0024】
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
【0025】
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
【0026】
【化6】


【0027】
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記式(M−1)〜(M−6)の中、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
【0028】
開環重合性基は、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
【0029】
以下に、一般式(I)および(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【化7】


【0031】
【化8】


【0032】
【化9】


【0033】
【化10】


【0034】
【化11】


【0035】
【化12】


【0036】
【化13】


【0037】
【化14】


【0038】
一般式(I)および(II)で表される化合物の中では、一般式(I)で表される化合物がより好ましい。
【0039】
本発明の、均一に配向した状態とは、均一で欠陥のないモノドメインな配向状態を指す。このような配向状態を実現するためには、良好なモノドメイン性を示す液晶相が望ましい。モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。良好なモノドメイン性を示すと、例えば位相差板に用いた場合に該位相差板が高い光透過率を有しやすくなる。
【0040】
本発明の薄膜を、均一に配向した薄膜として得るためには、液晶性化合物の必要に応じて他の添加剤を加え液晶性組成物とし、該液晶組成物を塗布した後、液晶状態で均一配向させることで得られる。液晶性化合物に加えることのできる添加剤の例としては、後述する空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
【0041】
均一に配向した状態を実現するためには、配向膜を設けることが好ましい。但し、液晶性化合物の光軸方向が薄膜面の法線方向と一致する場合(ホメオトロピック配向)においては必ずしも配向膜は必要ではない。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜
)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
本発明の液晶性組成物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、ラビング処理もしくは、光照射により形成される配向膜が好ましい。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
【0042】
本発明で配向状態が固定化された状態とは、その配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、通常の条件下では、0℃〜50℃が好ましく、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の条件下が好ましい。このような温度範囲は、固定化された液晶組成物に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。なお、配向状態が最終的に固定化され光学異方性層が形成された際には、本発明の液晶性組成物は液晶性を示す必要はない。例えば、液晶性化合物として重合性基を有する化合物を用いているので、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋反応が進行し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。
光学異方性層の形成にあたり本発明の液晶性組成物に加えることのできる添加剤の例としては、空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
【0043】
[空気界面配向制御剤]
液晶性組成物は、空気界面においては空気界面のチルト角で配向する。このチルト角は、液晶性組成物に含まれる液晶性化合物の種類や添加剤の種類等で、その程度が異なるため、目的に応じて空気界面のチルト角を任意に制御する必要がある。
【0044】
前記チルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤(空気界面配向制御剤)を用いることができ、添加剤を用いることが好ましい。このような添加剤としては、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の脂肪族基、または炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1つ以上有する化合物が好ましく、分子内に2つ以上有する化合物がさらに好ましい。例えば、空気界面配向制御剤としては、特開2002−20363号公報に記載の疎水性排除体積効果化合物を用いることができる。
【0045】
空気界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、本発明の液晶性組成物に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がさらに好ましく、0.1質量%〜5質量%が最も好ましい。
【0046】
[ハジキ防止剤]
本発明の液晶性組成物に添加し、該組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。
使用するポリマーとしては、本発明の液晶性組成物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
本発明の液晶性組成物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、本発明の液晶性組成物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあり、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
【0047】
[重合開始剤]
本発明における配向状態の固定化は、例えば、液晶性組成物を一度液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより、その液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化することで形成できる。また、本発明の液晶性組成物に重合開始剤を添加した組成物を液晶相形成温度まで加熱した後、重合させ冷却することによって液晶状態の配向状態を固定化することで形成できる。本発明における配向状態の固定化は、後者の重合反応により行うことが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応または電子線照射による重合反応が好ましい。
【0048】
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、光学異方性層の塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
【0049】
重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
【0050】
[重合性モノマー]
本発明の液晶性組成物には、重合性のモノマーを添加してもよい。本発明で使用できる重合性モノマーとしては、本発明の化合物と相溶性を有し、液晶組成物の配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.5〜50質量%の範囲にあり、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
【0051】
[塗布溶剤]
本発明の液晶性組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステルおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0052】
[塗布方式]
本発明の薄膜は、上記溶媒を用いて本発明の液晶性組成物の塗布液を調製し配向膜上に塗布し、本発明の液晶性組成物を配向処理することにより形成できる。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0054】
[合成例:A−10の合成]
下記スキームにしたがって合成した。
【0055】
【化15】


【0056】
(化合物2の合成)
三口フラスコに、4−ヘキシロキシ安息香酸10g、塩化チオニル(SOCl)60mlを入れてジメチルホルムアミド(DMF)を1ml滴下し、80℃で3時間攪拌した。得られた溶液を溶媒留去し、化合物2を10.8g得た。(収率100%)
【0057】
(化合物3の合成)
三口フラスコに、化合物2を10.8g、テトラヒドロフラン(THF)100mlを入れて、0℃に冷却した後、ヒドラジン一水和物2.3gを滴下し、40℃以下で1時間撹拌した。得られた溶液に水を入れ、結晶を沈殿させた後、ろ過した。その後、アセトニトリル(AR)でかけ洗いして化合物3を9.0g得た。(収率85%)
【0058】
(化合物4の合成)
三口フラスコに、化合物3を9.0g、DMF100ml、オキシ塩化リン(POCl)33mlを入れて120℃で3時間撹拌した。得られた溶液に水を入れ、結晶化させた後、ろ過した。さらに、塩化メチレン(CHCl)に溶解させ、水を加え、有機層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製して、化合物4を結晶として12.9g得た。(収率80%)
【0059】
(化合物5の合成)
三口フラスコに、化合物4を12.9g、CHCl120ml、BBr(1.0M in CHCl)120ml入れて、50℃で1時間撹拌した。得られた溶液に水を加えて、結晶を沈殿させ、ろ過にて化合物5を結晶として7.2g得た。
【0060】
(化合物7の合成)
三口フラスコに、4−クロロブタノール20g、酢酸エチル(EtOAc)200ml、メシルクロライド(MsCl)15.6mlを入れて、0℃に冷却した後、EtN28.2mlを滴下して室温で1時間撹拌した。得られた溶液に1N塩酸水を注ぎ、EtOAcで抽出した後、食塩水で洗い硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮し、化合物7を34.4g得た。(収率100%)
【0061】
(化合物8の合成)
三口フラスコに、化合物7を34.4g、4−ヒドロキシ安息香酸メチル25.4g、ジメチルアセトアミド(DMAc)1L、炭酸カリウム(KCO)46gを入れて100℃で3時間撹拌した。得られた溶液に水を入れて結晶を沈殿させ、ろ過して化合物8を36.5g得た。(収率90%)
【0062】
(化合物9の合成)
三口フラスコに、化合物8を36.5g、メチルアルコール(MeOH)300ml、1M NaOHaq.30mlを入れて60℃で1時間撹拌した。得られた溶液に1N塩酸水を入れて結晶を沈殿させた後、ろ過した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製して、化合物9を結晶として30.9g得た。(収率81%)
【0063】
(化合物11の合成)
三口フラスコに、化合物9を10g、THF100ml、メシルクロライド(MsCl)3.7mlを入れて、0℃に冷却した後、EtN6.2mlを滴下して室温で1時間撹拌した。得られた溶液にTHF30mlに溶解させた化合物5を0℃で3.7g滴下した。さらに、EtN6.1mlを滴下し、ジメチルアミノピリジン(DMAP)500mgを加え室温で5時間撹拌した。得られた溶液にMeOHを入れて結晶を沈殿させ、ろ
過した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製して、化合物11を結晶として7.4g得た。(収率75%)
【0064】
(化合物A−10の合成)
三口フラスコに、化合物11を7.4g、DMAc70ml、アクリル酸7.4ml、KCO23g、NaI9.8gを入れて90℃で3時間撹拌した。得られた溶液にMeOHを入れて結晶を沈殿させ、ろ過した。その後、カラムクロマトグラフィーにて精製して、化合物A−10を結晶として5.1g得た。(収率63%)
【0065】
[実施例:化合物A−10を均一に配向させた位相差板の作製]
ガラス基板上に、PVA−203(クラレ(株)製)の水溶液を塗布し、100℃で3分乾燥させた。PVA−203の厚みは、0.5μmであった。このPVA−203の薄膜を設けた基板上に下記塗布液をスピンコートし、200℃の恒温槽中に入れ、5分後に600mJ/cmの紫外線を照射して配向状態を固定した。室温まで放冷後、偏光顕微鏡でその配向状態を観察すると、ディスコティック液晶性化合物が欠陥なく傾斜もしくはハイブリッド配向していることが分かった。液晶性化合物の層の厚みは、1.0μmであった。
【0066】
(塗布液)
・前記液晶性化合物 A−10 100質量部
・下記空気界面配向制御剤 V−(1) 0.5質量部
・イルガキュア907(長瀬産業(株)) 3.0質量部
・ジエチルチオキサントン 1.0質量部
・メチルエチルケトン 400質量部
【0067】
【化16】


【0068】
上記実施例で得られた薄膜のRe角度依存性をKOBRA(王子計測機器(株)製)を用いて測定した。その結果、2軸性を示すことが分かった。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013