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発明の名称 光学補償フィルム、これを用いた偏光板および液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−57608(P2007−57608A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−240265(P2005−240265)
出願日 平成17年8月22日(2005.8.22)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 伊藤 洋士
要約 課題
高いコントラストと黒表示時の視角方向に依存した色ずれを改良する光学補償フィルム、それを用いた偏光板、液晶表示装置を提供すること。

解決手段
第1の複屈折層と、第2の複屈折層とを含む複合複屈折部材上に液晶性化合物を含有する光学異方性層を設け、下記式(1)のA1値が0.10〜0.95、下記式(2)のA2値が1.01〜1.50、下記式(4)のB1値が0.40〜0.95、下記式(5)のB2値が1.05〜1.93、かつRth(550)が70〜400nmである光学補償フィルム。(1)A1値=Re(450)/Re(550)、(2)A2値=Re(650)/Re(550)、(4)B1値={Re(450)/Rth(450)}/{Re(550)/Rth(550)}、(5)B2値={Re(650)/Rth(650)}/{Re(550)/Rth(550)}
特許請求の範囲
【請求項1】
透明フィルム上に液晶性化合物を含有する光学異方性層を設けてなる光学補償フィルムであって、該透明フィルムが、第1の複屈折層と、第2の複屈折層とを含む複合複屈折部材であり、下記式(1)により定義されるA1値が0.10〜0.95の範囲を満足し、下記式(2)により定義されるA2値が1.01〜1.50の範囲を満足するとともに、下記式(4)により定義されるB1値が0.40〜0.95の範囲を満足し、下記式(5)により定義されるB2値が1.05〜1.93の範囲を満足し、かつRth(550)が70〜400nmであることを特徴とする光学補償フィルム。
(1)A1値=Re(450)/Re(550)
(2)A2値=Re(650)/Re(550)
(4)B1値={Re(450)/Rth(450)}/{Re(550)/Rth(550)}
(5)B2値={Re(650)/Rth(650)}/{Re(550)/Rth(550)}
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該透明フィルムの面内レターデーション値であり;Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該透明フィルムの厚さ方向のレターデーション値である。)
【請求項2】
該透明フィルムの第1の複屈折層および第2の複屈折層の複屈折の波長依存性が、互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
【請求項3】
該透明フィルムの第1の複屈折層と、第2の複屈折層の少なくとも一方の層が、液晶性化合物を含有する複屈折層であることを特徴とする請求項2に記載の光学補償フィルム。
【請求項4】
該液晶性化合物がディスコティック化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
【請求項5】
偏光膜の少なくとも片側に請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償フィルムを有することを特徴とする偏光板。
【請求項6】
液晶セルおよび請求項5に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
【請求項7】
該液晶セルが、VA方式、OCB方式、またはIPS方式であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は光学補償フィルム、これを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。前記偏光板は、一般的にセルロースアセテートからなる保護フィルムおよび偏光膜を有し、例えば、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。透過型液晶表示装置では、偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償フィルムを配置することもある。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償フィルム、偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶性分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過および反射型いずれにも適用できる、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示方式が提案されている。
【0003】
この様なLCDの中でも、高い表示品位が必要な用途については、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、薄膜トタンジスタにより駆動する90度ねじれネマチック型液晶表示装置(以下、TN方式という)が主に用いられている。しかしながら、TN方式は正面から見た場合には優れた表示特性を有するものの、斜め方向から見た場合にコントラストが低下し、階調表示で明るさが逆転する階調反転等が起こることにより表示特性が悪くなるという視野角特性を有しており、この改良が強く要望されている。
【0004】
一方、IPS方式、OCB方式、およびVA方式といった広視野角の液晶方式は、近年の液晶テレビの需要増に伴い、そのシェアーを拡大している。各方式とも年々、表示品位を向上させてきている(特許文献1〜14)が、斜めから見た際に生じる色ずれの問題は解決されていない。
【0005】
一方、2層の異なる非液晶性の高分子素材からなる複屈折層を用いた位相差フィルムを用いることでVA方式の色ズレを改良する方法があるが(特許文献15)、OCB方式、IPS方式への適用は困難であり、さらに製造が非常に複雑であるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平9−211444号公報
【特許文献2】特開平11−316378号公報
【特許文献3】特開平2−176625号公報
【特許文献4】特開平11−95208号公報
【特許文献5】特開2003−15134号公報
【特許文献6】特開平11−95208号公報
【特許文献7】特開平2002−221622号公報
【特許文献8】特開平9−80424号公報
【特許文献9】特開平10−54982号公報
【特許文献10】特開平11−202323号公報
【特許文献11】特開平9−292522号公報
【特許文献12】特開平11−133408号公報
【特許文献13】特開平11−305217号公報
【特許文献14】特開平10−307291号公報
【特許文献15】特開2005−77853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、液晶セルが正確に光学的に補償し、高いコントラストと黒表示時の視角方向に依存した色ずれを改良する、生産性に優れた光学補償フィルム、特にVA、IPSおよびOCB方式用の光学補償フィルム、およびそれを用いた偏光板を提供することである。また、本発明の課題は、コントラストが改善され、黒表示時の視角方向に依存した色ずれが改良された液晶表示装置、特に、VA、IPSおよびOCB方式の液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決する手段は以下の通りである。
1.透明フィルム上に液晶性化合物を含有する光学異方性層を設けてなる光学補償フィルムであって、該透明フィルムが、第1の複屈折層と、第2の複屈折層とを含む複合複屈折部材であり、下記式(1)により定義されるA1値が0.10〜0.95の範囲を満足し、下記式(2)により定義されるA2値が1.01〜1.50の範囲を満足するとともに、下記式(4)により定義されるB1値が0.40〜0.95の範囲を満足し、下記式(5)により定義されるB2値が1.05〜1.93の範囲を満足し、かつRth(550)が70〜400nmであることを特徴とする光学補償フィルム。
(1)A1値=Re(450)/Re(550)
(2)A2値=Re(650)/Re(550)
(4)B1値={Re(450)/Rth(450)}/{Re(550)/Rth(550)}
(5)B2値={Re(650)/Rth(650)}/{Re(550)/Rth(550)}
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該透明フィルムの面内レターデーション値であり;Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該透明フィルムの厚さ方向のレターデーション値である。)
2.該透明フィルムの第1の複屈折層および第2の複屈折層の複屈折の波長依存性が、互いに異なることを特徴とする前記1に記載の光学補償フィルム。
3.該透明フィルムの第1の複屈折層と、第2の複屈折層の少なくとも一方の層が、液晶性化合物を含有する複屈折層であることを特徴とする前記2に記載の光学補償フィルム。
4.該液晶性化合物がディスコティック化合物であることを特徴とする前記1に記載の光学補償フィルム。
5.偏光膜の少なくとも片側に前記1〜4のいずれかに記載の光学補償フィルムを有することを特徴とする偏光板。
6.液晶セルおよび前記5に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
7.該液晶セルが、VA方式、OCB方式、またはIPS方式であることを特徴とする前記6に記載の液晶表示装置。
【0009】
なお、本明細書において、「45゜」、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
【0010】
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板および液晶表示装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」および「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」および「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体のことを意味するものとする。
【0011】
また、本明細書において「分子対称軸」とは、分子が回転対称軸を有する場合は該対称軸をいうが、厳密な意味で分子が回転対称性であることを要求するものではない。一般的には、分子対称軸は、円盤状液晶性化合物では、円盤面の中心を貫く円盤面に対して垂直な軸と一致し、また棒状液晶性化合物では分子の長軸と一致する。また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション値および厚さ方向のレターデーション値を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA・21ADHにより判断される)を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。平均屈折率の仮定値1.48および膜厚を入力することで、KOBRA・21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、本発明者らの鋭意検討の結果得られた知見に基づいて完成されたものであり、上述の光学補償フィルムまたは偏光板を使用することで、特にVA方式や、IPS方式、OCB方式の黒状態の視角補償をほぼ全ての波長において可能にするものである。その結果、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けが軽減され、視野角コントラストが著しく改善されている。また、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けをほぼ全ての可視光波長領域で抑えることができるため、従来問題であった視野角に依存した黒表示時の色ずれが大きく改善されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明の液晶表示装置の構成例を示す。図1に示すOCB方式の液晶表示装置は、電圧印加時、即ち黒表示時に、液晶が基板面に対してベンド配向する液晶層7とそれを挟む上側基板6および下側基板8からなる液晶セルを有する。基板6および8は液晶面に配向処理が施してあり、ラビング方向を矢印RDで示す。裏面の場合は破線矢印で示してある。液晶セルを挟持して偏光膜1および101が配置されている。偏光膜1および101それぞれの透過軸2および102を、互いに直交に、かつ液晶セルの液晶層7のRD方向と45度の角度に配置している。偏光膜1および101と液晶セルとの間には、本発明の複合複屈折部材13aおよび113aと光学異方性層5および9がそれぞれ配置されている。複合複屈折部材13aおよび113aは、その面内遅相軸14aおよび114aが、それぞれに隣接する偏光膜1および101の透過軸2および102の方向と平行に配置されている。また、光学異方性層5および9は、液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を有する。
【0014】
図1中の液晶セルは、上側基板6および下側基板8と、これらに挟持される液晶分子から形成される液晶層7からなる。基板6および8の液晶分子に接触する表面(以下、「内面」という場合がある)には、配向膜(不図示)が形成されていて、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子の配向がプレチルト角をもった平行方向に制御されている。また、基板6および8の内面には、液晶分子からなる液晶層7に電圧を印加可能な透明電極(不図示)が形成されている。本発明では、液晶層7の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは、0.1〜1.5ミクロンとするのが好ましく、さらに、0.2〜1.5ミクロンとするのがより好ましく、0.3〜1.2ミクロンとするのがさらに好ましく、0.4〜1.0ミクロンとするのがさらにより好ましい。これらの範囲では白電圧印加時における白表示輝度が高いことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。用いる液晶材料については特に制限されないが、上下基板6および8間に電界が印加される態様では、電界方向に平行に液晶分子が応答するような、誘電率異方性が正の液晶材料を使用する。
【0015】
例えば、液晶セルをOCB方式の液晶セルとする場合は、上下基板6および8間に、誘電異方性が正で、Δn=0.16、Δε=5程度のネマチック液晶材料などを用いることができる。液晶層7の厚さdについては特に制限されないが、前記範囲の特性の液晶を用いる場合、4ミクロン程度に設定することができる。厚さdと、白電圧印加時の屈折率異方性Δnの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化するので、白電圧印加時において十分な明るさを得るためには、無印加状態における液晶層7のΔn・dは0.4〜1.0ミクロンの範囲になるように設定するのが好ましい。
【0016】
なお、OCB方式の液晶表示装置では、TN方式の液晶表示装置で一般的に使われているカイラル材の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。また、マルチドメイン構造とする場合には、各ドメイン間の境界領域の液晶分子の配向を調整するのに有利である。マルチドメイン構造とは、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割した構造をいう。例えば、OCB方式において、マルチドメイン構造にすると、輝度や色調の視野角特性が改善されるので好ましい。具体的には、画素のそれぞれを液晶分子の初期配向状態が互いに異なる2以上(好ましくは4または8)の領域で構成して平均化することで、視野角に依存した輝度や色調の偏りを低減することができる。また、それぞれの画素を、電圧印加状態において液晶分子の配向方向が連続的に変化する互いに異なる2以上の領域から構成しても同様の効果が得られる。
【0017】
複合複屈折部材13aおよび113aは、光学異方性層5および9の支持体として機能していてもよいし、偏光膜1と偏光膜101の保護膜としても機能していてもよいし、その双方の機能を有していてもよい。また、複合複屈折部材13aと偏光膜1との間、または複合複屈折部材113aと偏光膜101との間に、別途、偏光膜用の保護膜が配置された構成であってもよいが、該保護膜は配置されていないのが好ましい。複合複屈折部材13aの遅相軸14a、複合複屈折部材113aの遅相軸114aは、互いに実質的に平行もしくは直交しているのが好ましい。複合複屈折部材13aおよび113aの遅相軸14aおよび114aが互いに直交していると、それぞれの複合複屈折部材の複屈折を互いに打ち消すことにより、液晶表示装置に垂直入射した光の光学特性が劣化するのを低減することができる。また、遅相軸14aおよび114aが互いに平行する態様では、液晶層に残留位相差がある場合にはこの位相差を補償することができる。
【0018】
偏光膜1および101の透過軸2および102、複合複屈折部材13aおよび113a
の遅相軸方向14aおよび114a、ならびに液晶層7の液晶分子の配向方向については、各部材に用いられる材料、表示方式、部材の積層構造等に応じて最適な範囲に調整する。すなわち、偏光膜1の透過軸2および偏光膜101の透過軸102が、互いに実質的に直交しているように配置する。但し、本発明の液晶表示装置は、この構成に限定されるものではない。
【0019】
光学異方性層5および9は、複合複屈折部材13aおよび113aと、液晶セルとの間に配置される。光学異方性層5および9は、液晶性化合物、例えば、棒状化合物または円盤状化合物を含有する組成物から形成された層である。光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、所定の配向状態に固定されている。光学異方性層5および9中の液晶性化合物の分子対称軸の、少なくとも複合複屈折部材13aおよび113a側の界面における配向平均方向5aおよび9aと、複合複屈折部材13aおよび113aの面内の遅相軸14aおよび114aは、略45度で交差している。かかる関係で配置すると、光学異方性層5または9が、法線方向からの入射光に対してレターデーションを生じさせて、光漏れを生じさせることがなく、かつ斜め方向からの入射光に対しては本発明の効果を充分に奏することができる。液晶セル側の界面においても、光学異方性層5および9の分子対称軸の配向平均方向は、複合複屈折部材13aおよび113aの面内の遅相軸14aおよび114aと略45度であるのが好ましい。
【0020】
また、光学異方性層5の液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側の配向平均方向5aは、より近くに位置する偏光膜1の透過軸2と略45度に配置するのが好ましい。同様に、光学異方性層9の液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側の配向平均方向9aが、より近くに位置する偏光膜101の透過軸102と略45度に配置するのが好ましい。かかる関係で配置すると、光学異方性層5または9が発生するレターデーションと液晶層7で発生するレターデーションとの和に応じて光スイッチングをすることができ、かつ斜め方向からの入射光に対しては本発明の効果を充分に奏することができる。
【0021】
次に、図1の液晶表示装置の画像表示の原理について説明する。
基板6および8のそれぞれの透明電極(不図示)に黒に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層7中の液晶分子はベンド配向をし、そのときの面内のレターデーションを光学異方性層5および9の面内のレターデーションで相殺して、その結果、入射した光の偏光状態はほとんど変化しない。偏光膜1と101の透過軸2、102は直交しているので、下側から入射した光は、偏光膜101によって偏光され、偏光状態を維持したまま液晶セル6〜8を通過し、偏光膜1によって遮断される。すなわち、図1の液晶表示装置では、駆動状態において理想的な黒表示を実現する。これに対し、透明電極(不図示)に白に対応する駆動電圧を印加した駆動状態では、液晶層7中の液晶分子は黒に対応するベンド配向と異なったベンド配向になり、正面における面内レターデーションが黒のときと変化する。その結果、光学異方性層5および9の面内のレターデーションで相殺しなくなり、液晶セルを通過することによって偏光状態が変化し、偏光膜1を通過する。すなわち、白表示が得られる。
【0022】
従来、OCB方式において、正面のコントラストが高くても斜め方向では低下するという課題があった。黒表示時に、正面では液晶セルと光学異方性層の補償により、高コントラストが得られるのに対し、斜めから観察した場合は液晶層7の液晶分子に複屈折および偏光軸の回転が生じる。さらに上下の偏光膜1および101の透過軸2および102の交差角が、正面では90°の直交であるが、斜めから見た場合は90°からずれる。従来、この2つの要因のために斜め方向では漏れ光が生じ、コントラストが低下するという問題があった。図1に示す構成の本発明の液晶表示装置では、特定の条件を満たした光学特性を有する複合複屈折部材を用いることによって、黒表示時の斜め方向における光漏れを軽減させ、コントラストを改善している。
【0023】
より詳細には、本発明は、前記光学特性を有する複合複屈折部材を用いることによって、斜め方向に入射したR、G、B各波長の光について、波長ごとに異なった遅相軸およびレターデーションで光学補償することを可能としている。その結果、黒表示の視角コントラストを格段に向上されるとともに、さらに黒表示の視角方向における色づきも格段に軽減される。特に、左右方向に視角を振ったとき、例えば方位角0度方向と180度方向における極角60度において、色づきに差が生じ左右非対称性が発生していたが、これについても格段に向上される。
ここで、本明細書においては、R、G、Bの波長として、Rは波長650nm、Gは波長550nm、Bは波長450nmを用いた。R、G、Bの波長は必ずしもこの波長で代表されるものではないが、本発明の効果を奏する光学特性を規定するのに適当な波長であると考えられる。
【0024】
特に、本発明では、複合複屈折部材の複屈折の波長依存性、とくにReとRthの比であるRe/Rthに着目している。これは、Re/Rthの値は、2軸性複屈折媒体を斜め方向に進む光の伝播における2つの固有偏光の軸を決定するものだからである。2軸性複屈折媒体を斜め方向に進む光の伝播における2つの固有偏光の軸は、屈折率楕円体を光の進行方向の法線方向で切ったときに出来る断面の長軸と短軸の方向に対応する。図2に複合複屈折部材に、斜め方向に進む光が入射した場合における、2つある固有偏光の1つの軸の方向すなわちこの場合は遅相軸の角度と、Re/Rthの関係を計算した結果の一例を示す。
【0025】
なお、図2において、光の伝播方向は、方位角=45度、極角=34度と仮定した。図2に示すように、遅相軸の角度は入射光の波長には依存せず、Re/Rthにより一義的に決まる。光学補償フィルムを通過することによって入射光の偏光状態がどのように変化するかは、該光学補償フィルムの遅相軸方位および該光学補償フィルムのレターデーションによって主に決定されるが、従来の技術ではR、G,B各波長にかかわりなくRe/Rthの値はほぼ同一、すなわち遅相軸角度もほぼ同一になっていた。それに対し、本発明では、R、G、B各波長について、別々にRe/Rthの関係を規定することで、偏光状態の変化を主に決定するファクターである遅相軸およびレターデーションの双方をR、G、B各波長において最適化している。そして、複合複屈折部材を通った斜め方向の光が液晶性化合物の配向を固定した光学異方性層を通り、さらにベンド配向の液晶層を通ったときに、どの波長でもレターデーションおよび上下偏光膜の見かけの透過軸が正面からずれるという2つの要因を同時に補償出来るように、複合複屈折部材のRe/Rthの値を波長に応じて調整している。具体的には、波長が大きいほど複合複屈折部材のRe/Rthを大きくすることによって、光学異方性層および液晶セル層の波長分散によって発生するR、G、Bにおける偏光状態の差をなくすることが可能になった。その結果、完全な補償を可能とし、コントラストの低下を軽減している。R、G、Bで可視光全領域を代表させてフィルムのパラメーターを決めれば、可視光全領域でほぼ完全な補償をすることができるということになる。
【0026】
ここで、極角と方位角を定義する。極角はフィルム面の法線方向、即ち、図1中のz軸からの傾き角であり、例えば、フィルム面の法線方向は、極角=0度の方向である。方位角は、x軸の正の方向を基準に反時計回りに回転した方位を表しており、例えばx軸の正の方向は方位角=0度の方向であり、y軸の正の方向は方位角=90度の方向である。黒表示の光りぬけが最も問題になる斜め方向は、偏光層の偏光軸は±45になっているため、極角が0度ではない場合でかつ、方位角=0度、90度、180度、270度の場合を主に指す。
【0027】
本発明の効果をより詳細に説明するために、液晶表示装置に入射した光の偏光状態を、
図3中のポアンカレ球上に示した。なお、図3中、S2軸は、紙面上から下に垂直に貫く軸であり、図3は、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た図である。また、図3は、平面的に示されているので、偏光状態の変化前と変化後の点の変位は、図中直線の矢印で示されているが、実際は、液晶層や光学補償フィルムを通過することによる偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、それぞれの光学特性に応じて決定される特定の軸の回りに、特定の角度回転させることで表される。以下、図5および6についても同様である。
【0028】
図3(a)は、図1の液晶表示装置に、左60°から入射したG光の偏光状態の変化を、図3(b)は右60°から入射したG光の偏光状態の変化を示した図である。なお、複合複屈折部材13aおよび113aの光学特性、ならびに光学異方性層5および9の光学特性については、後述する図6のポアンカレ球と同一の条件であると仮定して計算した。左60°から入射したG光は、図3(a)にポアンカレ球上の点で示される様に、偏光状態が変化する。具体的には、偏光膜101を通過したG光の偏光状態I1は、複合複屈折部材113aを通過してI2、光学異方性層9を通過してI3、黒表示時の液晶セルの液晶層7を通過してI4、光学異方性層5を通過してI5、複合複屈折部材13aを通過してI6の偏光状態になり、偏光膜1によって遮蔽され、理想的な黒を表示する。一方、右60°から入射したG光も、偏光状態がI1'→I2'→I3'→I4'→I5'→I6'と変化する。偏光状態の変化の様子を検討すると、光学異方性層9および5と液晶層7を通過することによる偏光状態の変化は、左60°および右60°からの入射光で鏡面対称的な変化であるが、一方、複合複屈折部材113aおよび13aを通過することによる偏光状態の変化は、左60°および右60°からの入射光で一致している。左右の黒の光りぬけおよび左右の色ずれを軽減するためには、この補償条件を左右同時にかついずれの波長でも満たす必要がある。即ち、G光のみならず、可視光域のR(赤)およびB(青)の入射光それぞれについても、I6とI6'の位置が一致し、かつその位置が偏光膜1によって遮断される偏光状態を示す位置になっている必要がある。上記遷移は、図上では直線で表されているが、ポアンカレ球面上において必ずしも直線的な遷移に限るものではない。
【0029】
図4に示す様な従来のOCB方式の液晶表示装置の構成では、例えば、特開平11−316378号公報に開示された構成では、Re/Rthが上記の波長依存性を示す複合複屈折部材113aおよび13aは配置されておらず、その代わりに、例えば、光学異方性層5および9の透明支持体103aおよび3aが配置されている。透明支持体103および3は、光学異方性層5および9を支持する目的で用いられ、一般的なポリマーフィルムからなる。従って、複合複屈折部材113aおよび13aが示す様な、Re/Rthについての波長依存性がなく、R、G、Bいずれの波長においても同一のReおよびRthを示す。その結果、従来のOCB方式の液晶表示装置では、電圧印加時、即ち黒表示時に、正面において液晶セルと光学異方性層の面内レターデーションを相殺し、黒を得ることができても、斜め方向においては黒表示の光抜けは完全に抑えられないという問題があった。その結果、十分な視角コントラストが得られず、また全ての波長において補償をすることができないため、色づきの問題を抱えていた。
【0030】
より詳細に説明するために、図4に示す従来の構成のOCB方式の液晶表示装置に入射したR、G、B光の偏光状態を計算した結果を、図5のポアンカレ球上に示した。図5(a)が左60°から入射した光の偏光状態の変化をR、GおよびBそれぞれについて示した図であり、図5(b)が右60°から入射した光の偏光状態の変化をR、GおよびBそれぞれについて示した図である。図中、Rの入射光の偏光状態はIR、Gの入射光の偏光状態はIG、およびBの入射光の偏光状態はIBで示す。また、従来のOCB方式の液晶表示装置の構成として、図4中の透明支持体3および103が、R、G、Bのいずれの波長においても、Re=45nmおよびRth=160nmであると仮定し、かつ光学異方性層5および9がRe=30nmであると仮定して計算した。まず、図5(a)では、偏光膜101を通過後の偏光状態、IR1、IG1およびIB1は等しい。B光の偏光状態の変化に注目すると、左60°から入射したB光は、透明支持体103を通過後の偏光状態IB2が、光学異方性層9を通過することによって遷移する方向と同じ方向にずれ、右60°から入射したB光は、透明支持体103を通過後の偏光状態IB2'が、光学異方性層9を通過することによって遷移する方向と反対方向にずれていることが理解できる。すなわち、左から入射した光と右から入射した光では、透明支持体103が偏光状態に与える影響の仕方が異なっている。その結果、左60°からのR、GおよびBの入射光の最終の遷移状態IR6、IG6およびIB6の位置、右60°からのR、GおよびBの入射光の最終の遷移状態IR6'、IG6'およびIB6'の位置が、一致していないのみならず、左60°と右60°では全く異なった位置になっている。そのため、左右の黒の光抜けおよび左右の色ずれを生じ、従来はこれらを同時に改善することが困難であった。
【0031】
本発明では、特定の光学特性を示す複合複屈折部材を配置することで、OCB方式の液晶表示装置の左右の黒の光抜けおよび左右の色ずれを同時に改善している。より詳細に説明するために、図1に示した本発明の構成のOCB方式の液晶表示装置を通過するR、G、B光の偏光状態を計算した結果を、図6のポアンカレ球上に示した。図6(a)が左60°から入射した光の偏光状態の変化をR、GおよびBそれぞれについて示した図であり、図6(b)が右60°から入射した光の偏光状態の変化をR、GおよびBそれぞれについて示した図である。図中、Rの入射光の偏光状態はIR、Gの入射光の偏光状態はIG、およびBの入射光の偏光状態はIBで示す。また、複合複屈折部材113aおよび13aは、波長450nmにおけるRe/Rth(450nm)が0.17、波長550nmにおけるRe/Rth(550nm)が0.28、波長650nmにおけるRe/Rth(650nm)が0.39であり、かつ波長550nmにおけるRthが160nmであると仮定して計算した。光学異方性層5および9のReについては、図5に示したポアンカレ球と同一の値であると仮定した。
【0032】
図6(a)および(b)に示す様に、左右から入射したR光、G光およびB光は、複合複屈折部材113aおよび13aを通過後、いずれもS1=0付近の位置であって、かつ複合複屈折部材113aのRe/Rthの波長依存性を反映してずれた位置の偏光状態に変化する。このずれは、R光、G光およびB光が、光学異方性層9、5および液晶層7の波長分散によって受ける偏光状態のずれをキャンセルすることを可能にする。その結果、左右のどちらの方向から入射した光も、波長によらず最終遷移点を同じ位置にすることができる。その結果、左右の黒の光抜け、左右の色ずれを同時に改善することが可能になる。
【0033】
本発明は、入射光が法線方向とそれに対して傾いた斜め方向、例えば極角60度方向とで、レターデーションの波長分散が異なる光学特性を有する複合複屈折部材を用い、該複合複屈折部材のかかる光学特性を光学補償に積極的に用いることで、左右の黒の光ぬけ、左右の色ずれを同時に改善している。かかる原理を利用する限り、本発明の範囲は、液晶層の表示方式によって限定されず、VA方式、IPS方式、あるいは、ECB方式、およびTN方式等、いずれの表示方式の液晶層を有する液晶表示装置にも用いることができる。
【0034】
また、本発明の液晶表示装置は、図1に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶セルと偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。
【0035】
また、本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマト
リックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ばれるSTN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
【0036】
次に、この光学補償を実現する光学補償フィルムについて具体的に説明する。
【0037】
まず、光学異方性層について説明する。
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物が挙げられる。棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
【0038】
《棒状液晶性化合物》
本発明に使用可能な棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
【0039】
本発明に用いる棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有するのが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基またはエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
【0040】
《ディスコティック液晶性化合物》
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics Lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
【0041】
前記ディスコティック液晶性化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基または置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物から光学異方性層を形成した場合、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティ
ック液晶性化合物が熱または光で反応する基を有しており、熱または光によって該基が反応して、重合または架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
【0042】
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0043】
式(III) D(−L−Q)n
【0044】
式(III)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
【0045】
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
【0046】
【化1】


【0047】
【化2】


【0048】
【化3】


【0049】
【化4】


【0050】
式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。前記アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。前記アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好まし。前記アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
【0051】
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
【0052】
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
【0053】
式(III)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)は、不飽和重合性基またはエポキシ基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0054】
光学異方性層中の液晶性化合物の配向については、光学異方性層における液晶性化合物の分子対称軸の平均方向が、例えば長手方向に対して43°〜47°となるように配向する。
ハイブリッド配向では、液晶性化合物の分子対称軸と支持体の面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ支持体の面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。
角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
【0055】
液晶性化合物の分子対称軸の平均方向は、一般に液晶性化合物もしくは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。
本発明では、例えば、OCB方式用の光学補償フィルムを作製する場合、光学異方性層形成用配向膜をラビング処理によって作製し、複合屈折部材の遅相軸に対して45°の方向にラビング処理することで、液晶性化合物の分子対称軸の、少なくとも複合屈折部材界面における配向平均方向が、複合屈折部材の遅相軸に対して45°である光学異方性層を形成することができる。
例えば、本発明の光学補償フィルムは、遅相軸が長手方向と直交する長尺状の本発明の複合屈折部材を用いると連続的に作製できる。具体的には、長尺状の該複合屈折部材の表面に連続的に配向膜形成用塗布液を塗布して膜を作製し、次に該膜の表面を連続的に長手方向に45°の方向にラビング処理して配向膜を作製し、次に作製した配向膜上に連続的
に液晶性化合物を含有する光学異方性層形成用塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて、その状態に固定することで光学異方性層を作製して、長尺状の光学補償フィルムを連続的に作製することができる。長尺状に作製された光学補償フィルムは、液晶表示装置内に組み込まれる前に、所望の形状に裁断される。
【0056】
また、液晶性化合物の表面側(空気側)の分子対称軸の配向平均方向について、空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、複合屈折部材の遅相軸に対して略45°であるのが好ましく、42〜48°であるのがより好ましく、43〜47°であるのがさらに好ましい。空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、一般に、液晶性化合物又は液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。分子対称軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性化合物と添加剤との選択により調整できる。特に界面活性剤に関しては、塗布液の表面張力制御と両立することが好ましい。
【0057】
液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤および重合性モノマーは、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマーを混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることができる。
【0058】
液晶性化合物としてディスコティック液晶性化合物を用いる場合は、ディスコティック液晶性化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられるポリマーを用いるのが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
配向固定時の温度は、ディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度以下で行うことが好ましい。
【0059】
本発明において、光学異方性層は、少なくとも面内光学異方性を有する。前記光学異方性層の、面内レターデーションReは3〜300nmであるのが好ましく、5〜200nmであるのがより好ましく、10〜100nmであるのがさらに好ましい。前記光学異方性層の厚さ方向のレターデーションRthについては、20〜400nmであるのが好ましく、50〜200nmであるのがより好ましい。光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
【0060】
次に、本発明の透明フィルムについて説明する。
本発明の透明フィルムは、第1の複屈折層と、第2の複屈折層とを含む複合複屈折部材であり、前記第1の複屈折層の少なくとも片面に、前記第2の複屈折層が形成され、前記第2の複屈折層が、非液晶ポリマーから形成されるか、液晶性化合物から形成されること
が好ましい。非液晶ポリマーとしては特開2005−77853号公報に記載の材料が好ましく、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミド−イミドおよびポリエステル−イミドからなる群から選択される少なくとも1種類が挙げられる。また液晶性化合物としては前記の光学異方性層に用いられる液晶性化合物が挙げられる。例えば、棒状液晶性化合物を使用することが好ましく、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
前記第2の複屈折層は、その第1の複屈折層が形成される材料とは異なる材料から形成されるのが好ましい。
【0061】
前記複合複屈折部材全体として、下記式(1)により定義されるA1値が0.10〜0.95、好ましくは0.2〜0.85、さらに好ましくは0.3〜0.80の範囲を満足し、下記式(2)により定義されるA2値が1.01〜1.50、好ましくは1.10〜1.45、さらに好ましくは1.20〜1.40の範囲を満足するとともに、下記式(4)により定義されるB1値が0.40〜0.95、好ましくは0.45〜0.85、さらに好ましくは0.50〜0.80の範囲を満足し、下記式(5)により定義されるB2値が1.05〜1.93、好ましくは1.10〜1.90、さらに好ましくは1.15〜1.85の範囲を満足し、かつRth(550)が70〜400nm、好ましくは100〜300、さらに好ましくは130〜250であるのがよい。
(1)A1値=Re(450)/Re(550)
(2)A2値=Re(650)/Re(550)
(4)B1値={Re(450)/Rth(450)}/{Re(550)/Rth(550)}
(5)B2値={Re(650)/Rth(650)}/{Re(550)/Rth(550)}
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する透明フィルムのレターデーション値であり;Rth(λ)は、波長λnmの光に対する透明フィルムの厚さ方向のレターデーション値である。)
【0062】
前記第1の複屈折層の形成材料としては、延伸または収縮処理されると、複屈折性を示すような材料が挙げられる。また、前記形成材料としては、それから形成されたフィルムが透明であるようなポリマーが好ましい。この形成材料は、最終的に複合複屈折部材が、本発明の前記各条件を満たすものであれば特に制限されない。
【0063】
前記第1の複屈折層の形成材料としての前記ポリマーとしては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン等)、アモルファスポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン、セルロース系ポリマー(トリアセチルセルロース(TAC)等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル樹脂や、これらの混合物等が挙げられる。
【0064】
また、前記第1の複屈折層の形成材料として、液晶ポリマー等も使用できる。例えば、特開平2001−343529号公報(WO 01/37007号)に記載されているような、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物等も使用できる。具体例としては、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドの交互共重合体と、アクリロニトリルとスチレンの共重合体との混合物等である。
【0065】
これらの形成材料の中でも、前記第1の複屈折層の形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン、セルロース系ポリマー、ポリマーカーボネート樹脂等が好ましい。また、前記第1の複屈折層の形成材料は、負の複屈折率を有することが好ましい。さらに、第1の複屈折層は、Re(400)/Re(550)<1の特性を有することが好ましい。この特性を有する観点から、セルロース系ポリマー、特にセルロースアシレートを使用することが好ましい。
【0066】
以下、本発明のセルロースアシレートの好ましい態様について説明する。
セルロースアシレートの原料綿は、公知の原料を用いることができる(例えば、発明協会公開技法2001−1745参照)。また、セルロースアシレートの合成も公知の方法で行なうことができる(例えば、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)参照)。セルロースアシレートの粘度平均重合度は200〜700が好ましく250〜500が更に好ましく250〜350が最も好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.5〜5.0であることが好ましく、2.0〜4.5であることがさらに好ましく、3.0〜4.0であることが最も好ましい。
【0067】
該セルロースアシレートフィルムのアシル基は、特に制限はないが、アセチル基、プロピオニル基を用いることが好ましく、特にアセチル基が好ましい。全アシル基の置換度は2.7〜3.0が好ましく、2.8〜2.95がさらに好ましい。本明細書において、アシル基の置換度とは、ASTM D817に従って算出した値である。アシル基は、アセチル基であることが最も好ましく、アシル基がアセチル基であるセルロースアセテートを用いる場合には、酢化度が57.0〜62.5%が好ましく、58.0〜62.0%がさらに好ましい。酢化度がこの範囲にあると、流延時の搬送テンションによってReが所望の値より大きくなることもなく、面内ばらつきも少なく、温湿度によってレターデーション値の変化も少ない。
特に、セルロースアシレートフィルムのセルロースを構成するグルコース単位の水酸基を炭素原子数が2以上のアシル基で置換して得られ、グルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度をDS2、3位の水酸基のアシル基による置換度をDS3、6位の水酸基のアシル基による置換度をDS6としたときに、下記式(I)および(II)を満たすと、より温湿度によるRe値の変動が小さいくなり、好ましい。
(I) :2.0≦DS2+DS3+DS6≦3.0
(II) :DS6/(DS2+DS3+DS6)≧0.315
【0068】
(延伸)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、上述のように延伸することにより機能を発現する。
以下に、本発明に好ましい延伸方法を具体的に説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板に適用する上で、幅方向に延伸することが好ましい。例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特
開平4−284211号、特開平4−298310号、特開平11−48271号の各公報などに記載されている。フィルムの延伸は、前述のようにTgの25乃至100℃の条件下で実施する。フィルムの延伸は、一軸延伸でもよく2軸延伸でもよい。フィルムは、乾燥中の処理で延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。フィルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、0.5〜300%であることが好ましく、さらには1〜200%の延伸が好ましく、特には1〜100%の延伸が好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムはソルベントキャスト法による製膜工程および製膜したフィルムを延伸する工程を逐次、もしくは連続して行うことで製造することが好ましく、延伸倍率は1.2倍以上1.8倍以下であることが好ましい。また、延伸は1段で行っても良く、多段で行っても良い。多段で行なう場合は各延伸倍率の積がこの範囲にはいるようにすれば良い。
【0069】
延伸速度は5%/分〜1000%/分であることが好ましく、さらに10%/分〜500%/分であることが好ましい。延伸温度は30℃〜160℃でおこなうことが好ましく、更には70℃〜150℃が好ましい。特に85〜150℃が好ましい。延伸はヒートロールあるいは/および放射熱源(IRヒーター等)、温風により行うことが好ましい。また、温度の均一性を高めるために恒温槽を設けてもよい。ロール延伸で一軸延伸を行う場合、ロール間距離(L)と該位相差板のフィルム幅(W)の比であるL/Wが、2.0乃至5.0であることが好ましい。
【0070】
延伸前に予熱工程を設けることが好ましい。延伸後に熱処理を行ってもよい。熱処理温度はセルロースアセテートフィルムのガラス転移温度より20℃低い値から10℃高い温度で行うことが好ましく、熱処理時間は1秒間乃至3分間であることが好ましい。また、加熱方法はゾーン加熱であっても、赤外線ヒータを用いた部分加熱であっても良い。工程の途中または最後にフィルムの両端をスリットしても良い。これらのスリット屑は回収し原料として再利用することが好ましい。さらにテンターに関しては、特開平11−077718号公報ではテンターで幅保持しながらウェブを乾燥させる際に、乾燥ガス吹き出し方法、吹き出し角度、風速分布、風速、風量、温度差、風量差、上下吹き出し風量比、高比熱乾燥ガスの使用等を適度にコントロールすることで、溶液流延法による速度を上げたり、ウェブ幅を広げたりする時の平面性等の品質低下防止を確保するものである。
【0071】
また、特開平11−077822号公報には、ムラ発生を防ぐために、延伸した熱可塑性樹フィルムを延伸工程後、熱緩和工程においてフィルムの幅方向に温度勾配を設けて熱処理する発明が記載されている。
【0072】
さらに、ムラ発生を防ぐために、特開平4−204503号公報には、フィルムの溶媒含有率を固形分基準で2〜10%にして延伸する発明が記載されている。
【0073】
また、クリップ噛み込み幅の規定によるカールを抑制するために、特開2002−248680号公報には、テンタークリップ噛み込み幅D≦(33/(log延伸率×log揮発分))で延伸することにより、カールを抑制し、延伸工程後のフィルム搬送を容易にする発明が記載されている。
【0074】
さらに、高速軟膜搬送と延伸とを両立させるために、特開2002−337224号公報には、テンター搬送を、前半ピン、後半クリップに切り替える発明が記載されている。
【0075】
また、特開2002−187960号公報には、視野角特性を簡便に改善でき、かつ視野角を改善することを目的として、セルロースエステルドープ液を流延用支持体に流延し、ついで、流延用支持体から剥離したウェブ(フィルム)を、ウェブ中の残留溶媒量が100質量%以下、とくに10〜100質量%の範囲にある間に少なくとも1方向に1.0〜4.0倍延伸することにより得られる光学的に二軸性を有する発明が記載されている。さらに好ましい態様として、ウェブ中の残留溶媒量が100質量%以下、特に10〜100質量%の範囲にある間に、少なくとも1方向に1.0〜4.0倍延伸することが記載されている。また、他の延伸する方法として、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法、これらを組み合わせて用いる方法なども挙げられている。さらに、いわゆるテンター法の場合には、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましいことが示されている。
【0076】
さらに、添加剤ブリードアウトが少なく、かつ層間の剥離現象もなく、しかも滑り性が良好で透明性に優れた位相差フィルムを作製するために、特開2003−014933号公報に記載されているように、樹脂と添加剤と有機溶媒とを含むドープAと、添加剤を含まないか、もしく添加剤の含有量がドープAより少ない樹脂と添加剤と有機溶媒とを含むドープBを調製し、ドープAがコア層、ドープBが表面層となるように支持体上に共流延して、剥離可能となるまで有機溶媒を蒸発させた後、ウェブを支持体から剥離し、さらに延伸時の樹脂フィルム中の残留溶媒が3〜50質量%の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜1.3倍延伸する発明が記載されている。さらに、好ましい態様として、ウェブを支持体から剥離し、更に延伸温度が140℃〜200℃の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸すること、樹脂と有機溶媒とを含むドープAと、樹脂と微粒子と有機溶媒とを含むドープBを調製し、ドープAがコア層、ドープBが表面層となるように支持体上に共流延して、剥離可能となるまで有機溶媒を蒸発させた後、ウェブを支持体から剥離し、更に延伸時の樹脂フィルム中の残留溶媒量が3質量%〜50質量%の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸すること、更に延伸温度が140℃〜200℃の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸すること、樹脂と有機溶媒と添加剤を含むドープAと、添加剤を含まないか添加剤の含有量がドープAより少ない樹脂と添加剤と有機溶媒とを含むドープBと、樹脂と微粒子と有機溶媒とを含むドープCを調製し、ドープAがコア層、ドープBが表面層、ドープCがドープBとは反対側の表面層となるように支持体上に共流延して、剥離可能となるまで有機溶媒を蒸発させた後、ウェブを支持体から剥離し、更に延伸時の樹脂フィルム中の残留溶媒量が3質量%〜50質量%の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸すること、延伸温度が140℃〜200℃の範囲で少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸すること、ドープA中の添加剤量が樹脂に対して1〜30質量%、ドープB中の添加剤量が樹脂に対して0〜5質量%であり、添加剤が可塑剤、あるいは紫外線吸収剤、あるいはレタデーション制御剤であること、ドープA中とドープB中の有機溶媒がメチレンクロライドまたは酢酸メチルを全有機溶媒に対して50質量%以上含有することを利用することが好ましい。
【0077】
さらに、特開2003−014933号公報には、延伸する方法として、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を横方向に広げて横方向に延伸するテンターと呼ばれる横延伸機を好ましく用いることができることが記載されている。また縦方向に延伸または収縮させるには、同時2軸延伸機を用いて搬送方向(縦方向)にクリップやピンの搬送方向の間隔を広げたりまたは縮めることで行うことができることも開示されている。また、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかに延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましく、また、縦方向に延伸する方法としては、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する
方法も用いることができることがしめされている。なお、これらの延伸方法は複合して用いることもでき、(縦延伸、横延伸、縦延伸)または(縦延伸、縦延伸)などのように、延伸工程を2段階以上に分けて行ってもよいことが記載されている。
【0078】
さらに、テンター乾燥のウェブの発泡を防止し、離脱性を向上させ、発塵を防止するために、特開2003−004374号公報には、乾燥装置において、乾燥器の熱風がウェブ両縁部に当たらないように、乾燥器の幅がウェブの幅よりも短く形成されている発明が記載されている。
【0079】
また、テンター乾燥のウェブの発泡を防止し、離脱性を向上させ、発塵を防止するために、特開2003−019757号公報には、テンターの保持部に乾燥風が当らないようウェブ両側端部内側に遮風板を設ける発明が記載されている。
【0080】
さらに、搬送、乾燥を安定的に行うために、特開2003−053749号公報には、ピンテンターにより担持されるフィルムの両端部の乾燥後の厚さをXμm、フィルムの製品部の乾燥後の平均厚さをTμmとすると、XとTとの関係が式(1)T≦60のとき、40≦X≦200、式(2)60<T≦120のとき、40+(T−60)×0.2≦X≦300または式(3)120<Tのとき、52+(T−120)×0.2≦X≦400の関係を満たす発明が記載されている。
【0081】
また、多段式テンターにシワを発生させないために、特開平2−182654号公報には、テンター装置において、多段式テンターの乾燥器内に加熱室と冷却室とを設け、左右のクリップ−チェーンを別々に冷却する発明が記載されている。
【0082】
さらに、ウェブの破断、シワ、搬送不良を防止するために、特開平9−077315号公報には、ピンテンターのピンにおいて、内側のピン密度を大きく、外側のピン密度を小さくする発明が記載されている。
【0083】
また、テンター内においてウェブ自体の発泡やウェブが保持手段に付着するのを防止するために、特開平9−085846号公報には、テンター乾燥装置において、ウェブの両側縁部保持ピンを吹出型冷却器でウェブの発泡温度未満に冷却すると共に、ウェブを喰い込ます直前のピンをダクト型冷却器でのドープのゲル化温度+15°C以下に冷却する発明が記載されている。
【0084】
さらに、ピンテンターハズレを防止し、異物を良化するために、特開2003−103542号公報には、ピンテンターにおいて、差込構造体を冷却し、差込構造体と接触しているウェブの表面温度がウェブのゲル化温度を超えないようにする溶液製膜方法に関する発明が記載されている。
【0085】
また、溶液流延法により速度を上げたり、テンターにてウェブの幅を広げたりする時の平面性等の品質低下を防止するために、特開平11−077718号公報には、テンター内でウェブを乾燥する際には、風速を0.5〜20(40)m/s、横手方向温度分布を10%以下、ウェブ上下風量比を0.2−1とし、乾燥ガス比を30−250J/Kmolとする発明が記載されている。さらに、テンター内での乾燥において、残留溶媒の量に応じて好ましい乾燥条件を開示している。具体的には、ウェブを支持体から剥離した後、ウェブ中の残留溶媒量が4質量%になるまでの間に、吹き出し口からの吹き出す角度がフィルム平面に対して30゜〜150゜の範囲にし、かつ乾燥ガスの吹き出し延長方向に位置するフィルム表面上での風速分布を風速の上限値を基準にした時、上限値と下限値との差を上限値の20%以内にして、乾燥ガスを吹き出し、ウェブを乾燥させること、ウェブ中の残留溶媒量が130質量%以下70質量%以上の時には、吹き出し型乾燥機から吹き出される乾燥ガスのウェブ表面上での風速が0.5m/sec以上20m/sec以下とすることまた残留溶媒量が70質量%未満4質量%以上の時には、乾燥ガスの風速が0.5m/sec以上40m/sec以下で吹き出される乾燥ガス風により乾燥させ、ウェブの幅手方向の乾燥ガスの温度分布がガス温度の上限値を基準にした時、上限値と下限値との差を上限値の10%以内とすること、ウェブ中の残留溶媒量が4質量%以上200質量%以下の時には、搬送されるウェブの上下に位置する吹き出し型乾燥機の吹き出し口から吹き出す乾燥ガスの風量比qが0.2≦q≦1とすることが記載されている。さらに、好ましい態様として、乾燥ガスに少なくとも1種の気体を使用し、その平均比熱が31.0J/K・mol以上、250J/K・mol以下であること、乾燥中の乾燥ガスに含まれる常温で液体の有機化合物の濃度が、50%以下の飽和蒸気圧の乾燥ガスで乾燥すること、等が開示されている。
【0086】
また汚染物質の発生によって平面性や塗布が悪化するのを防止するために、特開平11−077719公報号には、TACの製造装置において、テンターのクリップが加熱部分を内蔵している発明が記載されている。さらに好ましい態様として、テンターのクリップがウェブを解放してから、再びウェブを担持するまでの間に、クリップとウェブの接触部分に発生する異物を除去する装置を設けること、噴射する気体または液体およびブラシを用いて異物を除去すること、クリップあるいはピンとウェブとの接触時の残留量は12質量%以上50質量%以下であること、クリップあるいはピンとのウェブとの接触部の表面温度は60°以上200°以下(より好ましくは80°以上120°以下)であること、等が開示されている。
【0087】
平面性を良化し、テンター内での裂けによる品質低下を改良し、生産性を挙げるために、特開平11−090943号公報には、テンタークリップにおいて、テンターの任意の搬送長さLt(m)と、Ltと同じ長さのテンターのクリップがウェブを保持している部分の搬送方向の長さの総和Ltt(m)との比Lr=Ltt/Ltが、1.0≦Lr≦1.99とする発明が記載されている。さらに好ましい態様として、ウェブを保持する部分が、ウェブ幅方向から見て隙間なく配置することが開示されている。
【0088】
また、テンターにウェブを導入する際、ウェブのたるみに起因する平面性悪化と導入不安定性を良化させるために、特開平11−090944号公報には、プラスティックフィルムの製造装置において、テンター入口前に、ウェブ幅手方向のたるみ抑制装置を有する発明が記載されている。なお、さらに好ましい態様として、たるみ抑制装置が幅手方向に広がる角度が2〜60゜の方向範囲で回転する回転ローラーであること、ウェブの上部に吸気装置を有すること、ウェブの下から送風出来る送風機を有すること、等も開示されている。
【0089】
品質の劣化と生産性を阻害するたるみを起こさせないようにすることを目的として、特開平11−090945号公報には、TACの製法において、支持体より剥離したウェブを水平に対して角度を持たせてテンターに導入する発明が記載されている。
【0090】
また、安定した物性のフィルムを作るために、特開2000−289903号公報には、剥離され溶媒含有率50〜12wt%の時点で、ウェブの巾方向にテンションを与えつつ搬送する搬送装置において、ウェブの幅検知手段とウェブの保持手段と、2つ以上の可変可能な屈曲点を有しウェブの幅検知で検知の信号からウェブ幅を演算し、屈曲点の位置を変更する発明が記載されている。
【0091】
さらに、クリッピング性を向上し、ウェブの破断を長期間防止し、品質の優れたフィルムを得るために、特開2003−033933号公報には、テンターの入口寄り部分の左右両側において、ウェブの左右両側縁部の上方および下方のうちの少なくとも下方にウェ
ブ側縁部カール発生防止用ガイド板を配置し、ガイド板のウェブ対向面が、ウェブの搬送方向に配されたウェブ接触用樹脂部とウェブ接触用金属部とによって構成することが記載されている。さらに好ましい態様として、ガイド板のウェブ対向面のウェブ接触用樹脂部がウェブ搬送方向の上流側に、ウェブ接触用金属部が同下流側に配置されること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部およびウェブ接触用金属部の間の段差(傾斜を含む)が、500μm以内であること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部およびウェブ接触用金属部のウェブに接する幅手方向の距離が、それぞれ2〜150mmであること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部およびウェブ接触用金属部のウェブに接するウェブ搬送方向の距離が、それぞれ5〜120mmであること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部が、金属製ガイド基板に表面樹脂加工もしくは樹脂塗装により設けられること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部が樹脂単体からなっていること、ウェブの左右両側縁部において上方および下方に配置されたガイド板のウェブ対向面同士の間の距離が、3〜30mmであること、ウェブの左右両側縁部において上下両ガイド板のウェブ対向面同士の間の距離が、ウェブの幅手方向にかつ内方に向かって幅100mm当たり2mm以上の割合で拡大されていること、ウェブの左右両側縁部において上下両ガイド板がそれぞれ10〜300mmの長さを有するものであり、かつ上下両ガイド板がウェブの搬送方向に沿って前後にずれるように配置されていて、上下両ガイド板同士の間のずれの距離が、−200〜+200mmとなっていること、上部ガイド板のウェブ対向面が、樹脂または金属のみによって構成されていること、ガイド板のウェブ接触用樹脂部がテフロン(登録商標)製であり、ウェブ接触用金属部がステンレス鋼製であること、ガイド板のウェブ対向面またはこれに設けられたウェブ接触用樹脂部および/またはウェブ接触用金属部の表面粗さが、3μm以下なっていること、等が開示されている。また、ウェブ側縁部カール発生防止用上下ガイド板の設置位置は、支持体の剥離側端部からテンター導入部までの間が好ましく、特にテンター入口寄り部分に設置するのがより好ましいことも記載されている。
【0092】
さらに、テンター内で乾燥中発生するウェブの切断やムラを防止するために、特開平11−048271号公報には、剥離後、ウェブの溶媒含有率50〜12wt%の時点で、幅延伸装置で延伸、乾燥し、またウェブの溶媒含有率が10wt%以下の時点で加圧装置によってウェブの両面から0.2〜10KPaの圧力を付与する発明が記載されている。さらに好ましい態様として、溶媒含有率が4質量%以上の時点で張力付与を終了することや圧力をウェブ(フィルム)両面から加える方法としてニップロールを用いて圧力を加える場合は、ニップロールのペアは1から8組程度が好ましく、加圧する場合の温度は100〜200℃が好ましいことも開示されている。
【0093】
また、厚さ20−85μmの高品質薄手タックを得るための発明である、特開2002−036266号公報には、好ましい態様として、テンターの前後における、ウェブにその搬送方向に沿って作用する張力の差を、8N/mm2以下とすること、剥離工程の後、ウェブを予熱する予熱工程と、この予熱工程の後、テンターを用いてウェブを延伸する延伸工程と、この延伸工程の後、ウェブをこの延伸工程での延伸量よりも少ない量だけ緩和させる緩和工程とを具備し、予熱工程および前記延伸工程における温度T1を、(フィルムのガラス転移温度Tg−60)℃以上とし、かつ、緩和工程における温度T2を、(T1−10)℃以下とすること、延伸工程でのウェブの延伸率を、この延伸工程に入る直前のウェブ幅に対する比率で0〜30%に、緩和工程でのウェブの延伸率を、−10〜10%すること、等が開示されている。
【0094】
さらに、乾燥膜厚が10〜60μmの薄型化および軽量化透湿性の小耐久性に優れることを目的とした、特開2002−225054号公報には、剥離後、ウェブの残留溶媒量が10質量%になるまでの間に、ウェブの両端をクリップで把持して、幅保持による乾燥収縮抑制を行い、および/または幅手方向に延伸を行い、式S={(Nx+Ny)/2}−Nzで表される面配向度(S)が0.0008〜0.0020のフィルムを形成するこ
と(式中、Nxはフィルムの面内の最も屈折率が大きい方向の屈折率、NyはNxに対して面内で直角な方向の屈折率、Nzはフィルムの膜厚方向の屈折率)、流延から剥離までの時間を30〜90秒とすること、剥離後のウェブを幅手方向および/または長手方向に延伸すること、等が開示されている。
【0095】
また、特開2002−341144号公報には、光学ムラ抑制のために、レターデーション上昇剤の質量濃度が、フィルム幅方向中央に近づくほど高い光学分布を持つ、延伸工程を有する溶液製膜方法が記載されている。
【0096】
さらに、曇りの発生しないフィルムを得るための発明である特開2003−071863号公報には、巾手方向の延伸倍率は0〜100%であることが好ましく、偏光板保護フィルムとして用いる場合は、5〜20%が更に好ましく、8〜15%が最も好ましいことが記載されている。さらに、一方、位相差フィルムとして用いる場合は、10〜40%が更に好ましく、20〜30%が最も好ましく、延伸倍率によってRoをコントロールすることが可能で、延伸倍率が高い方が、でき上がったフィルムの平面性に優れるため好ましいことが開示されている。さらにテンターを行う場合のフィルムの残留溶媒量は、テンター開始時に20〜100質量%であるのが好ましく、かつ、フィルムの残留溶媒量が10質量%以下になるまでテンターをかけながら乾燥を行うことが好ましく、更に好ましくは5質量%以下であることがしめされている。またテンターを行う場合の乾燥温度は、30〜150℃が好ましく、50〜120℃が更に好ましく、70〜100℃が最も好ましく、乾燥温度の低い方が紫外線吸収剤や可塑剤などの蒸散が少なく、工程汚染を低減できるが、一方、乾燥温度の高い方がフィルムの平面性に優れることも開示されている。
【0097】
また、高温度、高湿度条件での保存時、縦、横の寸法変動を少なくする発明である、特開2002−248639号公報には、支持体上にセルロースエステル溶液を流延し、連続的に剥離して乾燥させるフィルムの製造方法において、乾燥収縮率が、式…0≦乾燥収縮率(%)≦0.1×剥離する時の残留溶媒量(%)を満たすように乾燥させる発明が記載されている。さらに、好ましい態様として、剥離後のセルロースエステルフィルムの残留溶媒量が40〜100質量%の範囲内にあるとき、テンター搬送でセルロースエステルフィルムの両端部を把持しながら少なくとも残留溶媒量を30質量%以上減少させること、剥離後のセルロースエステルフィルムのテンター搬送入り口における残留溶媒量が40〜100質量%であり、出口における残留溶媒量が4〜20質量%であること、テンター搬送でセルロースエステルフィルムを搬送する張力がテンター搬送の入り口から出口に向けて増加するようにすること、テンター搬送でセルロースエステルフィルムを搬送する張力とセルロースエステルフィルムを幅手方向の張力が略等しいこと、等が開示されている。
【0098】
なお、膜厚が薄く、光学的等方性、平面性に優れたフィルムを得るために、特開2000−239403号公報には、剥離時の残留溶媒率Xとテンターに導入する時の残留溶媒率Yの関係を0.3X≦Y≦0.9Xの範囲として製膜を行うことが開示されている。
【0099】
特開2002−286933号公報には、流延により製膜するフィルムを延伸する方法として、加熱条件下で延伸する方法と溶媒含有条件下で延伸する方法とが挙げられ、加熱条件下で延伸する場合には、樹脂のガラス転移点近傍以下の温度で延伸することが好ましく、一方、流延製膜されたフィルムを溶媒含浸条件下で延伸する場合には、一度乾燥したフィルムを再度溶媒に接触させて溶媒を含浸させて延伸することが可能であることが開示されている。
【0100】
(ReまたはRthの制御方法:最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長であるレターデーション上昇剤)
本発明の複合複屈折部材において、ReまたはRthの絶対値を制御するには、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である化合物をレターデーション上昇剤として用いることが好ましい。このような化合物を用いることで、可視域のReまたはRthの波長依存性を実質変化することなく絶対値を制御することが出来る。
『レターデーション上昇剤』とは、ある添加剤を含む例えばセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定したReまたはRthレターデーション値が、その添加剤を含まない以外は全く同様に作製したセルロースアシレートフィルムの波長550nmで測定したReまたはRthレターデーション値よりも、20nm以上高い値となる『添加剤』を意味する。レターデーション値の上昇は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがさらに好ましく、60nm以上であることが最も好ましい。
レターデーション上昇剤の機能の観点では、棒状化合物が好ましく、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。
【0101】
棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。
【0102】
棒状化合物は、液晶性を示すことが好ましい。棒状化合物は、加熱により液晶性を示す(サーモトロピック液晶性を有する)ことがさらに好ましい。液晶相は、ネマチック相またはスメクティック相が好ましい。
好ましい化合物としては、特開2004−4550号公報に記載されているが、これに限定されるものではない。溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
【0103】
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻、16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
【0104】
該レターデーション上昇剤の添加量は、ポリマーの量の0.1乃至30質量%であることが好ましく、0.5乃至20質量%であることがさらに好ましい。
【0105】
前記第1の複屈折層の少なくとも片面に、第2の複屈折層を形成する前記所定のポリマーを塗工して第2の複屈折層の前駆層を形成する。塗工方法としては、特に限定されないが、例えば、前述のような非液晶性ポリマーを加熱溶融して塗布する方法や、前記非液晶性ポリマーを溶媒に溶解させたポリマー溶液を塗布する方法等があげられる。その中でも、作業性に優れ、光学異方性制御の点から、前記ポリマー溶液を塗布する方法が好ましい。
【0106】
前記非液晶性ポリマー溶液におけるポリマー濃度は、特に制限されないが、例えば、塗工が容易な粘度となることから、溶媒100質量部に対して、前記ポリマーが、例えば0
.5〜50質量部、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。溶媒100質量部に対して前記ポリマーが0.5質量部以上であると、塗工に適した粘度が得られるので好ましい。また、50質量部以下であると、滑らかな塗工面を形成できる粘度が得られるので好ましい。
【0107】
前記ポリマー溶液の溶媒としては、特に制限されず、例えば、前記非液晶性ポリマー等の形成材料を溶解できればよく、前記形成材料の種類に応じて適宜決定できる。具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等があげられる。これらの溶媒は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。また、前記第1の複屈折層を侵食しないものが好ましい。
【0108】
前記ポリマー溶液は、例えば、必要に応じて、さらに安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を配合してもよい。
【0109】
また、前記ポリマー溶液は、例えば、前記形成材料の配向性等が著しく低下しない範囲で、異なる他の樹脂を含有してもよい。前記他の樹脂としては、例えば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があげられる。
【0110】
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等があげられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等があげられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等があげられる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂等があげられる。
【0111】
このように、前記他の樹脂等を前記ポリマー溶液に配合する場合、その配合量は、例えば、前記ポリマーに対して、0〜50質量%であり、好ましくは、0〜30質量%である。
【0112】
一方、第2の複屈折層の形成材料が液晶性化合物の場合、第1の複屈折層上に配向膜を設け、ラビング処理を施す方法が好ましく、用いられる。この場合、液晶性化合物の配向方向は連続フィルムの幅方向とすることが好ましく、特開2002−62427号公報に記載の配向膜を使用することが好ましい。
【0113】
[配向膜]
本発明の光学補償フィルムは、本発明の複合屈折部材と光学異方性層との間に配向膜を有していてもよい。また、光学異方性層を作製する際にのみ配向膜を使用し、配向膜上に光学異方性層を作製した後に、該光学異方性層のみを本発明の複合屈折部材上に転写してもよい。
本発明において、前記配向膜は、架橋されたポリマーからなる層であるのが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーであっても、架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱またはpH変化等により、ポリマー間で反応させて形成する;または、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成する;ことができる。
【0114】
架橋されたポリマーからなる配向膜は、通常、上記ポリマーまたはポリマーと架橋剤との混合物を含む塗布液を、支持体上に塗布した後、加熱等を行なうことにより形成することができる。
後述のラビング工程において、配向膜の発塵を抑制するために、架橋度を上げておくことが好ましい。前記塗布液中に添加する架橋剤の量(Mb)に対して、架橋後に残存している架橋剤の量(Ma)の比率(Ma/Mb)を1から引いた値(1−(Ma/Mb))を架橋度と定義した場合、架橋度は50%〜100%が好ましく、65%〜100%が更に好ましく、75%〜100%が最も好ましい。
【0115】
本発明において、前記配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論双方の機能を有するポリマーを使用することもできる。上記ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
本発明の複合屈折部材へポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを直接塗設する場合、親水性の下塗り層を設けるか、もしくは、鹸化処理を施す方法が好ましく使用される。
【0116】
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものがあり、一般には鹸化度80〜100%のものが好ましく、鹸化度82〜98%のものがより好ましい。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基として、例えば、COONa、Si(OX)3、N(CH3)3・Cl、C919COO、SO3Na、C1225等が導入される)、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、SC1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH2、COOR、C65等が導入される)等のポリビニルア
ルコールの変性物を挙げることができる。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変性もしくは変性ポリビニルアルコールが好ましく、より好ましくは鹸化度85〜95%の未変性ないしアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
該ポリビニルアルコールには、複合屈折部材と光学異方層との密着性を付与するために、架橋・重合活性基を導入することが好ましく、その好ましい例としては、特開平8−338913号公報に詳しく記載されている。
配向膜にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する場合、硬膜度の観点から、含水率を制御することが好ましく、0.4%〜2.5%であることが好ましく、0.6%〜1.6%であることが更に好ましい。含水率は、市販のカールフィッシャー法の水分率測定器で測定することができる。
なお、配向膜は、10ミクロン以下の膜厚であるのが好ましい。
【0117】
[偏光板]
本発明では、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる偏光板を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる偏光板を用いることができる。該偏光板は液晶セルの外側に配置される。偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる一対の偏光板を、液晶セルを挟持して配置させるのが好ましい。なお、上記した様に、液晶セル側に配置される保護膜は、本発明の光学補償フィルムであってもよい。
【0118】
《接着剤》
偏光膜と保護膜との接着剤は特に限定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げられ、中でもPVA系樹脂が好ましい。接着剤層厚みは乾燥後に0.01〜10ミクロンが好ましく、0.05〜5ミクロンが特に好ましい。
【0119】
《偏光膜と透明保護膜の一貫製造工程》
本発明に使用可能な偏光板は、偏光膜用フィルムを延伸後、収縮させ揮発分率を低下させる乾燥工程を有するが、乾燥後もしくは乾燥中に少なくとも片面に保護膜を貼り合わせた後、後加熱工程を有することが好ましい。具体的な貼り付け方法として、フィルムの乾燥工程中、両端を保持した状態で接着剤を用いて偏光膜に保護膜を貼り付け、その後両端を耳きりする、もしくは乾燥後、両端保持部から偏光膜用フィルムを解除し、フィルム両端を耳きりした後、保護膜を貼り付けるなどの方法がある。耳きりの方法としては、刃物などのカッターで切る方法、レーザーを用いる方法など、一般的な技術を用いることができる。貼り合わせた後に、接着剤を乾燥させるため、および偏光性能を良化させるために、加熱することが好ましい。加熱の条件としては、接着剤により異なるが、水系の場合は、30℃以上が好ましく、さらに好ましくは40℃〜100℃、さらに好ましくは50℃〜90℃である。これらの工程は一貫のラインで製造されることが、性能上および生産効率上更に好ましい。
【0120】
《偏光板の性能》
本発明の偏光板の光学的性質および耐久性(短期、長期での保存性)は、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)同等以上の性能を有することが好ましい。具体的には、可視光透過率が42.5%以上で、偏光度{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2≧0.9995(但し、Tpは平行透過率、Tcは直交透過率)であり、60℃、湿度90%RH雰囲気下に500時間および80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率の変化率が絶対値に基づいて3%以下、更には1%以下、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
【0121】
[液晶表示装置]
上記の偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の保護膜からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
本発明の偏光板は、液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板のうちの少なくとも一方として用いればよい。この際には、光学補償フィルムが液晶セル側となるように本発明の偏光板を配置する。
液晶セルは、VA方式、OCB方式、IPS方式、またはTN方式であることが好ましい。
VA方式の液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VA方式の液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVA方式の液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VA方式をマルチドメイン化した(MVA方式の)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させる方式(n−ASM方式)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVAL方式の液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCB方式の液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向方式の液晶セルである。ベンド配向方式の液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向方式の液晶セルは、自己光学補償機能を有する。
そのため、この液晶方式は、OCB(Optically Compensatory
Bend)液晶方式とも呼ばれる。ベンド配向方式の液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
TN方式の液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向している。
TN方式の液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
【実施例】
【0122】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記に制限されるものではない。
[実施例1 OCB方式への適用]
(複合複屈折部材TF−01の作製)
厚さ100μmの等方性ノルボルネンフィルムを175℃で170%テンター横一軸延伸して、厚み60μmの延伸ノルボルネンフィルム(第1の複屈折層)を得た。このフィルムは、Re(550)=115nm、Rth(550)=65の光学特性を示した。
【0123】
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FDA)および、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(PFMBTFMB)から合成された質量平均分子量(Mw)12万のポリイミドを、シクロヘキサノンに溶解して15質量%のポリイミド溶液を調製した。その溶液を、前記延伸ノルボルネンフィルム上に塗布した。その後100℃で10分間熱処理し、厚さ5μmの完全透明で平滑なポリイミドフィルムを前記延伸ノルボルネンフィルム上に形成し、さらに
、175℃で3%縦一軸延伸することにより、複合複屈折部材を得た。
作製した複合複屈折部材TF−01の光学特性を測定した。25℃、55%RHの環境下で2時間調湿した後のRe(550)を測定したところ45.0nmであった。また、Rth(550)を測定したところ160.0nmであった。なお、前記ポリイミドフィルム(第2の複屈折層)は、Re(550)=70、Rth(550)=95の光学特性を示した。
また、同様に波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、31nm、および59nmであった。また、波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、それぞれ、171nm、および155nmであった。
【0124】
すなわち、A1値=0.69、A2値=1.31であった。また、B1値=0.64、B2値=1.35であった。
【0125】
このTF−01のポリイミド側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥した。
アルカリ処理面の純水に対する接触角を測定したところ、42°であった。
【0126】
(配向膜の形成)
該アルカリ処理面に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を形成した。
【0127】
────────────────────────────────────────配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(AS3、三協化学(株)製) 0.35質量部
────────────────────────────────────────
【0128】
【化5】


【0129】
(ラビング処理)
配向膜を形成した透明フィルムを速度20m/分で搬送し、長手方向に対して45°にラビング処理されるようにラビングロール(300mm直径)を設定し、650rpmで回転させて、透明フィルムの配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールと透明フィルムの接触長は、18mmとなるように設定した。
【0130】
(光学異方性層の形成)
102Kgのメチルエチルケトンに、下記円盤状液晶性化合物41.01Kg、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06Kg、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.35Kg、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35Kg、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45Kgを溶解した。溶液に、フルオロ脂肪族基含有共重合体(メガファックF780 大日本インキ(株)製)0.1Kgを加え、塗布液を調製した。塗布液を、#3.2のワイヤーバーを391回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている透明フィルムの配向膜面に連続的に塗布した。
【0131】
【化6】



【0132】
室温から100℃に連続的に加温し、溶媒を乾燥させ、その後、130℃の乾燥ゾーンで円盤状光学異方性層の膜面風速が、2.5m/secとなるように、約90秒間加熱し、円盤状液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させて、円盤状液晶性化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、ロール状光学補償フィルム(KH−1)を作製した。
【0133】
127℃の膜面温度で光学異方性層の粘度を測定したところ、695cpであった。粘度は、光学異方性層と同じ組成の液晶層(溶媒は除く)を加熱型のE型粘度系で測定した結果である。
作製したロール状光学補償フィルムKH−1の一部を切り取り、サンプルとして用いて、光学特性を測定した。波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は38nmであった。また、光学異方性層中の円盤状液晶性化合物の円盤面と支持体面との角度(傾斜角)は、層の深さ方向で連続的に変化し、平均で28゜であった。さらに、サンプルから光学異方性層のみを剥離し、光学異方性層の分子対称軸の平均方向を測定したところ、光学補償フィルムの長手方向に対して、45°となっていた。
【0134】
[実施例2 OCB方式への適用]
(複合複屈折部材TF−02の作製)
(セルロースアシレートフィルムPK−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)溶液を調製した。
【0135】
────────────────────────────────────────素材・溶剤組成
────────────────────────────────────────
セルロースアセテート(置換度2.81 酢化度60.2%) 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 6.5質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 5.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 500質量部
メタノール(第2溶媒) 80質量部
下記のレターデーション上昇剤(λmax=276nm) 5.6質量部
────────────────────────────────────────
【0136】
【化7】


【0137】
得られたドープを、幅2mで長さ65mの長さのバンドを有する流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから1分乾燥し、剥ぎ取った後、さらに135℃の乾燥風で20分乾燥した。その後、このフィルムを185℃の温度条件下で、140%に1軸延伸した。なお、使用したセルロースアシレートのTgは140℃である。
作製したセルロースアシレートフィルムPK−1の厚さは88μmであった。エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、25℃、55%RHの環境下で2時間調湿した後のRe(550)を測定したところ65.0nmであった。また、Rth(550)を測定したところ145.0nmであった。
続いて、実施例1で使用したポリイミドを、シクロヘキサノンに溶解して15質量%のポリイミド溶液を調製した。その溶液を、前記PK−1上に塗布した。その後100℃で10分間熱処理し、厚さ5μmの完全透明で平滑なポリイミドフィルムをPK−1上に形成し、さらに、175℃で3%縦一軸延伸することにより、複合複屈折部材を得た(TF−02)を得た。
作製したフィルムTF−02の光学特性を測定した。25℃、55%RHの環境下で2時間調湿した後のRe(550)を測定したところ45.0nmであった。また、Rth(550)を測定したところ165.0nmであった。なお、前記ポリイミドフィルム(第2の複屈折層)は、Re(550)=20、Rth(550)=20の光学特性を示した。
また、同様に波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、31nm、および59nmであった。また、波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、それぞれ、176nm、および160nmであった。
【0138】
すなわち、A1値=0.69、A2値=1.31であった。また、B1値=0.64、
B2値=1.35であった。
【0139】
このTF−02のセルロースアシレートフィルム側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥した。
アルカリ処理面の純水に対する接触角を測定したところ、42°であった。
【0140】
(配向膜の形成)
該アルカリ処理面に、下記変性ポリビニルアルコール(VA231)を、N−メチルピロリドン/メチルエチルケトンの混合溶媒(質量比=1/4)に溶解して、4質量%溶液を調製した。この溶液を、バーコーターを用いてPK−1上に1μmの厚さに塗布した。塗布層を120℃で5分間加熱して、乾燥した。塗布層の表面をフィルムの長手方向にラビング処理して、配向膜を形成した。
【0141】
【化8】


【0142】
配向膜の上に、以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて0.7μmの厚さに塗布した。
【0143】
────────────────────────────────────
光学的異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────
下記棒状液晶化合物 100質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3質量部
光重合増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 400質量部
────────────────────────────────────
【0144】
【化9】



【0145】
塗布層を100℃で1分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間紫外線を照射して棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定した。このようにして光学
異方性層を形成し、光学補償フィルムを作製した。光学異方性層の配向性および棒状液晶性分子のディレクタ(長軸方向)を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、棒状液晶性分子は、長軸方向がラビング方向に直交するように配向していた。
このようにして、光学補償フィルム(KH−2)を作製した。
【0146】
[比較例1]
(支持体PK−3の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルローストリアセテート溶液を調製した。
【0147】
────────────────────────────────────────セルロースアセテート溶液組成
────────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製 360FP) 0.0009質量部
────────────────────────────────────────
【0148】
別のミキシングタンクに、下記の組成質量比を有するレターデーション上昇剤(UV526:λmax=328nm)16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部に該レターデーション上昇剤溶液36質量部、およびシリカ微粒子(アイロジル製 R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
【0149】
【化10】


【0150】
得られたドープを、幅2mで長さ65mの長さのバンドを有する流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、テンターを用いて幅方向に28%延伸した。この後、135℃の乾燥風で20分間乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%の支持体(PK−3)を製造した。なお、使用したセルロースアシレートのTgは140℃である。
得られた支持体(PK−3)の幅は1340mmであり、厚さは92μmであった。Re(550)を測定したところ、38nmであった。
また、Rth(550)を測定したところ、175nmであった。
また、同様に波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、40nm、および37nmであった。また、波長450nm、および650nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、それぞれ、178nm、および173nmであった。
【0151】
すなわち、A1値=1.05、A2値=0.97であった。また、B1値=1.03、B2値=0.98であった。
【0152】
このPK−3上に実施例1と同様の方法で、光学異方性層を設け、光学補償フィルム(KH−H1)を作製した。
【0153】
[実施例3]
<偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作製した光学補償フィルム(KH−1)を偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と光学補償フィルム(KH−1)の複合複屈折部材の遅相軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
【0154】
[実施例4]
<偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例2で作製した光学補償フィルム(KH−2)を偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と光学補償フィルム(KH−2)の複合複屈折部材の遅相軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
【0155】
[比較例2]
<偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、比較例1で作製した光学補償フィルム(KH−H1)を偏光膜の片側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と光学補償フィルム(KH−H1)の複合複屈折部材の遅相軸とは平行になるように配置した。
市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。
【0156】
[実施例5]
<液晶表示装置での実装評価>(ベンド配向液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを4.7μmに設定した。セルギャップにΔnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
作製したベンド配向セルを挟むように、実施例3で作製した偏光板を二枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面するディスコティック化合物からなる光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイト方式とした。正面における透過率が最も小さくなる電圧すなわち黒電圧を印加し、そのときの方位角0°、極角60°方向視野角における黒表示透過率(%)および、方位角0度極角60度と方位角180度極角60度との色ずれΔxを求めた。結果は第1表に示す。また、透過率の比(白表示/黒表示)をコントラスト比として、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示す。
【0157】
[比較例3]
実施例3の偏光板の代りに、比較例2の偏光板を使用する以外は、実施例5と同様にして液晶セルを作製し、色ずれおよび黒表示透過率を求めた。結果は第1表に示す。また、
視野角を評価した。結果を第2表に示す。
【0158】
【表1】



【0159】
第1表に示した結果から、Re/Rth(450nm)がRe/Rth(550nm)の0.40〜0.95倍の範囲内の0.64であり、かつRe/Rth(650nm)がRe/Rth(550nm)の1.05〜1.93倍の範囲内の1.35である本発明の実施例5の液晶表示装置は、それぞれが範囲外の比較例3と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が低く、かつ正面との色ずれも小さいことがわかる。
【0160】
【表2】




【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図2】光学補償フィルムの光学特性を示すグラフである。
【図3】本発明の液晶表示装置における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【図4】従来のOCB方式の液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図5】従来の液晶表示装置の一例における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【図6】本発明の液晶表示装置における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【符号の説明】
【0162】
1 偏光膜
2 透過軸
5 光学異方性層
5a 液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側の配向平均方向
6 上側基板
7 液晶層
8 下側基板
9 光学異方性層
9a 液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側の配向平均方向
13a 本発明の複合複屈折部材
14a 面内遅相軸
101 偏光膜
102 透過軸
113a 本発明の複合複屈折部材
114a 面内遅相軸




 

 


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