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発明の名称 回転変位型光変調素子及びこれを用いた光学装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−52256(P2007−52256A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−237595(P2005−237595)
出願日 平成17年8月18日(2005.8.18)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 木村 宏一
要約 課題
回転変位型光変調素子のマイクロミラーを小さな力で駆動できるようにし、高速応答可能とする。

解決手段
基板30上に形成されたマイクロミラー37と、ミラー37を傾動自在に基板30に支持するヒンジ部材とをマイクロエレクトロメカニカル技術を用いて形成した回転変位型光変調素子において、ミラー37を回転軸周りに傾動させたときミラー37の裏側の周端を基板30に非接触に保ったまま該裏側の内面に当接してミラー37の傾動を停止させミラー37を傾斜状態に保持する突部38a,38bを、前記基板に対し高さ方向に隆起させて形成する。ミラー37と突部38aとの間に意図しない吸着力Fsが発生していても、回転軸からFs発生箇所までの距離が短いため、小さな力でFsに抗してミラー37を駆動でき、高速応答が可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に形成されたマイクロミラーと、該マイクロミラーを傾動自在に前記基板に支持するヒンジ部材とをマイクロエレクトロメカニカル技術を用いて形成した回転変位型光変調素子において、前記マイクロミラーを回転軸周りに傾動させたとき該マイクロミラーの裏側の周端を前記基板に非接触に保ったまま該裏側の内面に当接して該マイクロミラーの傾動を停止させ該マイクロミラーを傾斜状態に保持する突部を、前記基板に対し高さ方向に隆起させて形成したことを特徴とする回転変位型光変調素子。
【請求項2】
前記突部のうち前記マイクロミラーの前記内面に当接する位置の前記高さ方向の位置が、該マイクロミラーの回転軸の位置より高いことを特徴とする請求項1に記載の回転変位型光変調素子。
【請求項3】
基板上に形成されたマイクロミラーと、該マイクロミラーを傾動自在に前記基板に支持するヒンジ部材とをマイクロエレクトロメカニカル技術を用いて形成した回転変位型光変調素子において、前記マイクロミラーを回転軸周りに傾動させたとき該マイクロミラーの裏側の周端を前記基板に非接触に保ったまま該裏側の内面に当接して該マイクロミラーの傾動を停止させ該マイクロミラーを傾斜状態に保持する突部を形成すると共に、該突部のうち前記マイクロミラーの前記内面に当接する位置の前記基板の高さ方向の位置を該マイクロミラーの回転軸位置より高くしたことを特徴とする回転変位型光変調素子。
【請求項4】
前記突部のうち前記当接する位置の前記回転軸からの距離が、前記マイクロミラーの裏側の最外周端と前記回転軸との間の距離の1/3以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転変位型光変調素子。
【請求項5】
前記マイクロミラーの背面側に可動電極膜を一体に形成した場合には前記突部は前記マイクロミラーの裏側または前記可動電極膜の裏側の内面に当接して該マイクロミラー及び該可動電極膜の周端を前記基板に対して非接触状態で停止させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回転変位型光変調素子。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の回転変位型光変調素子をアレイ状に配列形成したアレイ素子を搭載したことを特徴とする光学装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィ工程に使用されるオンディマンドのデジタル露光装置、デジタル露光による印刷装置等の画像形成装置、プロジェクタ等の投影表示装置、ヘッドマウントディスプレイ等のマイクロディスプレイ装置等の光学装置に搭載される光変調素子に係り、特に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により1次元または2次元に配列形成される回転変位型光変調素子に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ工程に使用されるオンディマンドのデジタル露光装置、デジタル露光による印刷装置等の画像形成装置、プロジェクタ等の投影表示装置、ヘッドマウントディスプレイ等のマイクロディスプレイ装置等の光学装置に搭載される光変調素子として、液晶素子、電気光学結晶や磁気光学結晶を用いた素子、MEMS技術による微小電気機械素子が知られている。
【0003】
これらの中では、特に、MEMS技術により微小電気機械素子として製造されるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)素子等の光変調素子が、高速性、アレイ化による高集積性、紫外域(UV)から赤外域(IR)までの波長選択の自由度などから優れており、各種の光変調素子が開発されている。
【0004】
図25は、特許文献1に記載されている光変調素子の分解斜視図である。基板1上には、矩形の画素毎に、駆動電極膜2a,2bと共通電極膜3a,3bとが夫々対角位置に形成され、共通電極膜3a,3b間にヒンジ軸4が掛け渡されている。ヒンジ軸4の両脇には可動電極膜5a,5bがヒンジ軸4と一体に突設形成され、ヒンジ軸4の中央部には支柱6が立設され、この支柱6に反射鏡(マイクロミラー)の役割をする反射膜7が取り付けられている。
【0005】
斯かる光変調素子では、共通電極膜3a,3bへの印加電圧すなわち可動電極膜5a,5bへの印加電圧と、駆動電極膜2a,2bへの各印加電圧とを制御することで、可動電極膜5a,5bと駆動電極膜2a,2bとの間に静電気力が発生し、この静電気力でヒンジ軸4が捻れ、反射膜7が矢印Aに示す様に回転する。この反射膜7へ光を照射すると、その反射光の方向を反射膜7の回転で切り替えることができ、反射方向の光のオンオフが制御できる。
【0006】
図26は、特許文献2に記載されている光変調素子の矩形の画素1画素分の分解斜視図である。基板11上には、駆動電極膜12a,12bと共通電極膜13a,13bとが夫々対角位置に設けられている。各共通電極膜13a,13bには夫々支柱14a,14bが立設され、支柱14a,14bには、夫々、三角形のヒンジ軸支持片15a,15bが取り付けられている。両ヒンジ軸支持片15a,15b間にはヒンジ軸16が掛け渡されており、このヒンジ軸16の両脇には一体に可動電極膜17が形成されている。反射膜18の中央部には下方向に突出する突部(図示せず)が設けられており、この突部を可動電極膜17の中央部に取り付けることで、反射膜18が可動電極膜17と一体に回転する様になっている。各ヒンジ軸支持片15a,15bには、夫々、三角形の各辺に沿う突起部15c,15dが延設されている。
【0007】
この光変調素子でも、駆動電極膜12a,12bへの各印加電圧と、共通電極膜13a,13bへの印加電圧すなわち可動電極膜17への印加電圧とを制御することで、反射膜18の回転すなわち傾動が制御され、反射光の反射方向のオンオフが制御される。
【0008】
【特許文献1】特開平8―334709号公報
【特許文献2】特開2000―28937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の光変調素子の問題を、図27,図28を参照して説明する。図27(a)に示す様に、従来の光変調素子の反射膜20には、電圧Vcが印加される可動電極膜21が一体に設けられており、その下側の基板には、駆動電圧Vd1が印加される第1の駆動電極膜22aと、駆動電圧Vd2が印加される第2の駆動電極膜22bが設けられている。
【0010】
反射膜20が傾動したとき、基板側に当接して停止するため、可動電極膜21の先端部にはストッパチップ23a,23bが取り付けられており、このストッパチップ23a,23bが基板側の接触部24a,24bに当接する様にしている。
【0011】
今、図27(b)に示す様に、反射膜20が左傾してストッパチップ23aが接触部24aに当接したとする。このとき、接触部には、共通電極膜と駆動電極膜との間に印加される電圧に起因する静電気力以外に、意図しない吸着力Fsが存在する。この吸着力Fsは、例えば、ファンデルワールス力や、水分吸着による毛管凝縮効果、不純物堆積、表面改質による粘着(機械的摩耗,光化学反応)などに起因すると考えられており、経時に伴い増大することもある。この吸着現象は、反射膜20の左右への回転傾動時に不安定な動作を引き起こし、時には永久的な画素欠陥の原因になる。
【0012】
このため、従来は、図27(b)の左傾状態から図27(a)の初期状態にリリースするとき、図28(a)に示す様に、各電極膜への印加電圧を増大してストッパチップ23aが接触部24aを更に押し込む力を発生させ、その後に、図28(b)に示す様に、ストッパチップのバネ力(反発力)を利用してリリースする様にしている。
【0013】
しかし、接触部24a,24bはヒンジ軸から遠い位置にあり、吸着力Fsが同じ場合にはリリースするトルクが大きくなる。このため、リリース駆動のためのストッパチップのバネ弾性と押込み力を大きくし、反発力を強める必要がある。
【0014】
また、反射膜においても接触時の撓みが大きくなるため、ストッパチップや反射膜の堅牢性を向上させる必要を生じ、厚膜化など材料や構造設計に負担が生じてしまうという問題がある。また、リリース駆動時の駆動電圧を増大させる必要が生じ、システムの信頼性や低コスト化に課題が生じる。
【0015】
また、従来の光変調素子は、次の様な問題もある。今、図27(a)に示す様に、ヒンジ軸から可動電極膜21の端部までの距離を「a」、ストッパチップ23a,23aの夫々の長さを「b」、可動電極膜21が水平の時の基板からの距離(ギャップ長)を「d」とすると、反射膜20の最大回転角θrは、
d=(a+b)・sinθr
となる。
【0016】
ここで、ストッパチップ23a,23bが無い場合に同じ回転角θrを得るためのギャップ長を「d’」とすると、
d’=a・sinθr
∴ d=(1+b/a)・d’
となる。即ち、同じ最大回転角θrを得る場合に、ストッパチップが存在する場合のギャップdはストッパチップが無い場合のギャップd’より長くなる。
【0017】
反射膜20を回転変位させるための静電気力は、可動電極膜21と駆動電極膜22a,22bとに印加された電圧により発生し、ギャップの2乗に反比例するため、可動電極膜21の面積や、駆動電極膜22a,22bの面積、および、印加電圧が同じ条件であれば、静電気力はギャップの長い方、即ちストッパチップを有する方が小さくなる。
【0018】
従って、ストッパチップを設けなければならない構造は、同じ回転変位を得るために駆動電圧を高く必要が生じ、駆動回路が大きくなり、低集積性,高コストになってしまい、また、駆動回路の最高動作速度が低くなり、発生ノイズが大きくなるという問題がある。駆動電圧を低くするためには、ヒンジ軸の捩れ弾性を低くする必要があるが、この場合は、回転変位素子の固有振動数が低くなり、素子の応答性が低くなり、振動も大きくなってしまうという問題が生じる。
【0019】
図26に示す従来の光変調素子の場合には、反射膜18が回転傾動したとき、反射膜18の裏面の符号18aで示す位置が、ヒンジ軸支持片15a,15bの突起部15c,15dに接触することで、反射膜18の回転を停止させる構造になっている。この場合にも、突起部15c,15dと反射膜18との間に意図しない吸着力Fsが存在するため、上記と同様の問題が生じる。
【0020】
また、可動電極膜17と突起部15c,15dの高さが同じであるため、ヒンジ軸16から可動電極膜17の端部までの距離と、ヒンジ軸16から駆動電極膜12a,12bの端部までの距離を、ヒンジ軸16から突起部15c,15dの接触部までの距離よりも短くする必要がある。このため、画素領域に制限ある場合、静電気力に寄与する可動電極膜と駆動電極膜の各面積が小さくなり、同じ駆動電圧における回転トルクが減少してしまうという問題がある。特に、図26に示す光変調素子の場合には、ヒンジ軸16から可動電極膜17の端部までの距離と、ヒンジ軸16から駆動電極膜12a,12bの端部までの距離が短いため、回転トルクはさらに減少する。
【0021】
本発明の目的は、意図しない吸着力Fsの悪影響がなく、小さな駆動電圧で駆動でき、高速応答が可能な回転変位型光変調素子とこの回転変位型光変調素子を用いた光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の回転変位型光変調素子は、基板上に形成されたマイクロミラーと、該マイクロミラーを傾動自在に前記基板に支持するヒンジ部材とをマイクロエレクトロメカニカル技術を用いて形成した回転変位型光変調素子において、前記マイクロミラーを回転軸周りに傾動させたとき該マイクロミラーの裏側の周端を前記基板に非接触に保ったまま該裏側の内面に当接して該マイクロミラーの傾動を停止させ該マイクロミラーを傾斜状態に保持する突部を、前記基板に対し高さ方向に隆起させて形成したことを特徴とする。
【0023】
本発明の回転変位型光変調素子は、前記突部のうち前記マイクロミラーの前記内面に当接する位置の前記高さ方向の位置が、該マイクロミラーの回転軸の位置より高いことを特徴とする。
【0024】
本発明の回転変位型光変調素子は、基板上に形成されたマイクロミラーと、該マイクロミラーを傾動自在に前記基板に支持するヒンジ部材とをマイクロエレクトロメカニカル技術を用いて形成した回転変位型光変調素子において、前記マイクロミラーを回転軸周りに傾動させたとき該マイクロミラーの裏側の周端を前記基板に非接触に保ったまま該裏側の内面に当接して該マイクロミラーの傾動を停止させ該マイクロミラーを傾斜状態に保持する突部を形成すると共に、該突部のうち前記マイクロミラーの前記内面に当接する位置の前記基板の高さ方向の位置を該マイクロミラーの回転軸位置より高くしたことを特徴とする。
【0025】
本発明の回転変位型光変調素子は、前記突部のうち前記当接する位置の前記回転軸からの距離が、前記マイクロミラーの裏側の最外周端と前記回転軸との間の距離の1/3以下であることを特徴とする。
【0026】
本発明の回転変位型光変調素子は、前記マイクロミラーの背面側に可動電極膜を一体に形成した場合には前記突部は前記マイクロミラーの裏側または前記可動電極膜の裏側の内面に当接して該マイクロミラー及び該可動電極膜の周端を前記基板に対して非接触状態で停止させる構成としたことを特徴とする。
【0027】
本発明の光学装置は、上記のいずれかに記載の回転変位型光変調素子をアレイ状に配列形成したアレイ素子を搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、マイクロミラーを傾動させた後にリリースして初期状態に戻すとき、突部(ストッパ)とマイクロミラーまたは可動電極膜との間に意図しない吸着力Fsが発生していても、ヒンジ軸(回転軸)からFs発生箇所(ストッパの接触位置)までの距離が短いため、小さな力でリリースすることができ、このため、高速応答が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図である。矩形の画素が形成される基板30の上には、第1駆動電極膜31aと第2駆動電極膜31bとが対角位置に形成され、他の対角位置には、一対の共通電極膜32a,32bが形成されており、両共通電極膜32a,32bは、矩形画素の対角線方向に形成された共通配線膜32cで接続される。
【0031】
図1(b)は、図1(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡:マイクロミラー)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。共通電極膜32a,32bには夫々ヒンジ支持部33a,33bが立設される。第1,第2駆動電極膜31a,31bをほぼ覆う面積の可動電極膜34には、ヒンジ支持部33a,33b方向に突出するヒンジ部35a,35bが突設され、このヒンジ部35a,35bがヒンジ支持部33a,33bに捩れ可能に支持される。ヒンジ軸は、本実施形態では、両共通電極膜32a,32c間を接続する共通配線膜32cの方向と平行になる。そして、可動電極膜34の中央に反射膜支持部36が形成され、この反射膜支持部36に反射膜(反射鏡)37が取り付けられる。
【0032】
図2(a)は、図1(b)のA―A線断面模式図であり、図2(b)は、図1(b)のB―B線断面模式図であり、図2(c)は、図1(b)のA’―A’線断面模式図であり、図2(d)は、図1(b)のB’―B’線断面模式図である。
【0033】
本実施形態の回転変位型光変調素子では、基板30の表面上に、高さのある4つの突部(以下、ストッパという。)38a,38b,38c,38dを設けている。共通電極膜32aに隣接して設けられるストッパ部材38a,38bは、共通電極膜32a,32b間の対向面側かつ共通配線膜32cから若干離間した位置にヒンジ軸と並行に設けられている。共通電極膜32bに隣接して設けられるストッパ部材38c,38dは、共通電極膜32a,32b間の対向面側かつ共通配線膜32cから若干離間した位置にヒンジ軸と並行に設けられている。
【0034】
図3は、本実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図であり、図3(a)は初期状態を示す図、図3(b)は左傾時の状態を示す図である。初期状態で中立位置すなわち水平位置にある可動電極膜34及び反射膜37は、共通電極膜32a,32bと第1,第2駆動電極膜31a,31bとに電圧が印加されたとき発生する静電気力によって傾動し、可動電極膜34の裏側の内面がストッパ38a(右傾時は38c)に当接した位置で停止する。このとき、可動電極膜34の先端が基板30に接触しない様に、ストッパ38a,38cの高さが形成されている。
【0035】
この様に、本実施形態では、基板30に固定支持されたストッパ38a,38b,38c,38dを、駆動電極膜31a,31bの端部よりヒンジ軸側(内面側)に配置することを特徴としている。
【0036】
本実施形態では、反射膜37、可動電極34、ヒンジ部35a,35b、ヒンジ支持部33a,33b、ストッパ38a,38b,38c,38dはアルミ合金等の金属で構成され、共通電極膜32a,32bに接続される。従って、各々は電気的に同電位である。また、可動電極膜34の下方にはギャップ(空隙)を介して第1,第2の駆動電極膜31a,31bがヒンジ軸を挟んで対称に基板に固定配置されており、共通電極膜32a,32bと駆動電極膜31a,31b間の印加電圧V(1)、V(2)に応じて可動電極膜34が回転変位する。
【0037】
可動電極膜34の最大回転角θrは、可動電極膜34の裏面とストッパ上端部とが当接した時であり、構造体の形状により幾何学的に決定される。このとき、上述した様に、可動電極膜34の端部と駆動電極膜31a,31bとの間は、非接触に保たれる。
【0038】
今、図3(a)に示す様に、ヒンジ軸から可動電極膜34の端部までの距離を「a」、ヒンジ軸からストッパ接触部までの距離を「s」、基板30からストッパ頂部までの高さを「h」、可動電極膜34が水平時の可動電極膜下のギャップ長(可動電極膜から基板上に設けられた駆動電極膜表面までの距離)を「d」とすると、
d−h=s・tanθr
となる。
【0039】
また、最大回転変位θr時に可動電極膜34と駆動電極31a,31bを非接触にするために、ギャップ長dは、d>a・sinθrとなるが、寸前まで変位させることができれば、d≒a・sinθrとなり、静電気力は効率的に発生する。
【0040】
このため、小さな駆動電圧で駆動可能となり、駆動回路の回路規模は小さくて済む。また、ヒンジ軸の近くでストッパ38a,38b,38c,38dが可動電極膜34に接触するため、意図しない吸着力Fsに抗してリリースする場合に小さな力でリリースすることが可能となり、高速応答が可能となる。
【0041】
例えば、ヒンジ軸からストッパ38a〜38dまでの距離をxとしたとき、ストッパと可動電極膜34との間に発生する意図しない吸着力Fsに抗してリリースする場合、リリースに必要となる力Fは、F∝x・Fsとなり、距離xが小さいほど小さな力Fでリリースすることが可能となる。このため、本実施形態では、「x」を、ヒンジ軸から可動電極膜34の最外周端まで距離の1/3以下としている。
【0042】
図4,図5は、本実施形態における回転変位型光変調素子の製造工程を示す図であり、図4(a)〜(h)は図1(b)のB―B断面における製造工程図、図5(a)〜(h)は、図1(b)のB’―B’断面における製造工程図である。
【0043】
先ず、両図(a)に示す様に、基板30の上に第1導電膜41を製膜する。第1導電膜41は、アルミニウムAl、好ましくは高融点金属を含有したAl合金をスパッタで成膜する。第1導電膜41は、後述の工程で加工され、第1駆動電極膜31a,第2駆動電極膜31b,共通電極膜32a,32b,32c、ストッパ38a,38b,38c,38dとなる。従って、第1導電膜41の膜厚は、これらの中で最も高いストッパ38a〜38dの高さとなるように製膜される。
【0044】
尚、第1導電膜41を製膜する前に、Si基板等の基板30上にCMOS駆動回路(図示せず)を形成し、その上にSiO絶縁膜(図示せず)を形成してその表面をCMP等で平坦化し、その後に駆動回路の出力を素子の各電極と接続するためのコンタクトホール(図示せず)を形成しておく。
【0045】
次に、両図(b)に示す様に、第1導電膜41の表面にポジ型レジスト膜42を塗布し、グレースケールフォトマスクによるフォトリソグラフィにより所望形状(図示の例では、第1駆動電極、第2駆動電極、共通電極、及びストッパ)の構造体と同様の形状にレジスト構造体を形成する。
【0046】
次に、両図(c)に示す様に、塩素系ガスによるRIEドライエッチングにより、第1導電膜41を所望の形状、図示の例では、第1駆動電極膜31a、第2駆動電極膜31b、共通電極32a,32b,32c、ストッパ38a〜38dに形成する。即ち、両図(b)に示すレジスト構造体42を、第1導電膜41の構造に転写する。
【0047】
ここで、ストッパ38a〜38dの高さは、第1駆動電極膜31a、第2駆動電極膜31b、共通電極32a,32b,32cより高く形成される。また、第1駆動電極膜31a、第2駆動電極膜31bは、基板30に形成されている各々のコンタクトホール(図示せず)を介して駆動回路(図示せず)の出力に接続され、それぞれ電位が供給される。
【0048】
次に、両図(d)に示す様に、第1犠牲層としてポジ型のレジスト43を塗布し、ヒンジ支持部となる箇所に第1コンタクトホール44を形成し、ハードベークする。ハードベークは、ディープ(Deep)UVを照射しながら200℃を超える温度で行う。これにより、後工程の高温プロセスにおいてもその形状を維持し、レジスト剥離溶剤に不溶となる。また、ベーク時のリフロー効果により、下地膜の段差に依らずレジスト表面は概ね平坦となるが、更なる平坦化には第1コンタクトホール44の形成前にエッチバックや研磨法を用いる。
【0049】
この第1犠牲層43は、後述の工程で除去される。従って、ハードベーク後のレジスト43の膜厚は将来の下部電極(駆動電極膜31a,31b等)とヒンジ部(及び可動電極膜34)の空隙を決定する。なお、犠牲層としてレジスト43の代わりに感光性ポリイミドも使用可能である。
【0050】
次に、両図(e)に示す様に、第2導電膜45として第2のアルミ薄膜(好ましくは高融点金属を含有したアルミ合金)をスパッタにより成膜する。第2導電膜45はフォトリソグラフィとエッチングにより、ヒンジ部35a,35b、ヒンジ支持部33a,33b、可動電極膜34となる所望の形状にパターニングされる。アルミのエッチングは、アルミエッチャント(リン酸、硝酸、酢酸の混合水溶液)によるウェットエッチング、または塩素系ガスによるRIEドライエッチングによってなされる。
【0051】
次に、両図(f)に示すように、第2犠牲層としてポジ型のレジスト46を塗布し、反射膜支持部36となる箇所に第2コンタクトホール47を形成し、ハードベークする。ハードベークはディープ(Deep)UVを照射しながら200℃を超える温度で行う。これにより、後工程の高温プロセスにおいてもその形状を維持し、レジスト剥離溶剤に不溶となる。また、ベーク時のリフロー効果により、下地膜の段差に依らずレジスト表面は概ね平坦となるが、更なる平坦化には第2コンタクトホール47の形成前にエッチバックや研磨法を用いる。この第2犠牲層46は、後述の工程で除去される。従って、ハードベーク後のレジストの膜厚は将来の反射膜37とヒンジ部35a,35b及び可動電極膜34との間の空隙を決定する。なお、犠牲層としてレジスト46の代わりに感光性ポリイミドも使用可能である。
【0052】
次に、両図(g)に示す様に、第3導電膜として第3のアルミ薄膜(又はアルミ合金)48をスパッタにより成膜する。第3導電膜48はフォトリソグラフィとエッチングにより反射膜37となる所望の形状にパターニングされる。アルミのエッチングは、アルミエッチャント(リン酸、硝酸、酢酸の混合水溶液)によるウェットエッチング、又は塩素系ガスによるRIEドライエッチングによってなされる。
【0053】
最後に、両図(h)に示す様に、酸素系ガスのプラズマエッチング(アッシング)により、第1、第2犠牲層43,46であるレジスト層を除去して空隙を形成することで、所望構造の回転変位型光変調素子が形成される。
【0054】
以上が、本実施形態に係る回転変位型光変調素子の形成工程であるが、下部電極、可動電極、ヒンジ部、ヒンジ支持部、ストッパの構造材料はアルミ以外に導電性を有するものであってもよい。例えば、結晶Si、多結晶Si、金属(Cr、Mo、Ta、Niなど)、金属シリサイド、導電性有機材料などが好適に使用可能である。また、前記導電部材上に保護用の絶縁膜(例えばSiO、SiNx)を積層してもよい。また、SiO、SiNx、BsG、金属酸化膜、ポリマーなどの絶縁性の薄膜に金属などの導電性薄膜を積層したハイブリッド構造も使用可能である。
【0055】
また、上記では、犠牲層としてレジスト材を用いたが、これに限らない。例えば、アルミ、Cu等の金属、SiO等の絶縁性材料なども犠牲層として好適である。この場合、構造材には犠牲層を除去する際に腐食やダメージを受けない材料が適宜選択される。
【0056】
更に、犠牲層除去方法には、上述したドライエッチング(プラズマエッチング)の他に、公知の構造材と犠牲層の組合せによってはウェットエッチングも使用可能である。なお、ウェットエッチングの場合は、エッチング後のリンス,乾燥工程で構造体が表面張力によりスティッキングを起こさない様に、超臨界乾燥法、又は凍結乾燥法による乾燥法が好ましい。その他、本発明の主旨に沿うものであれば、構造,材料,プロセスは例に挙げた限りではないのはいうまでもない。
【0057】
(第2の実施形態)
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図6(b)は、図6(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。また、図7(a)(b)(c)(d)は、夫々、図6(b)のA―A線,B―B線,A’―A’線,B’―B’線の断面模式図であり、図8は動作説明図である。
【0058】
本実施形態と第1の実施形態とは、ストッパを設ける場所が異なり、他の構成については同様または類似するため、同一部材または同様部材には同一符号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
本実施形態のストッパ38a,38b,38c,38dは、可動電極膜34と同一面に形成されるヒンジ支持部33a,33bの膜面に夫々片持ち梁式に支持される。つまり、ストッパ38a〜38bは、ヒンジ支持部33a,33bから中空に突出形成される。このため、反射膜37が図8に示す様に傾動したとき、反射膜37の下面がストッパ38a,38cまたは38b,38dに当接することで停止される。従って、本実施形態の可動電極膜34は、そのストッパ側の側部が、第1の実施形態の可動電極膜34に比較して切り欠かれており、可動電極膜34は、ストッパ38a〜38dに干渉しない構成となっている。
【0060】
(第3の実施形態)
図9(a)は、本発明の第3の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図9(b)は、図9(a)に示す基板の上面側に反射膜(本実施形態では、反射膜が可動電極膜を兼用する)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。また、図10(a)(b)(c)(d)は、夫々、図9(b)のA―A線,B―B線,A’―A’線,B’―B’線の断面模式図であり、図11は動作説明図である。
【0061】
本実施形態と第2の実施形態とは、ストッパを設ける構成は同一であるが、第1,第2駆動電極膜31a,31bを、高床式に基板30から持ち上げた位置に形成したことを特徴とする。即ち、基板30上には、第1駆動電極支持膜31cとこれに立設された支持部31dが設けられ、この支持部31dに第1駆動電極膜31aが高床式に支持されている。また同様に、基板30上には、第2駆動電極支持膜31eとこれに立設された支持部31fが設けられ、この支持部31fに第2駆動電極膜31bが高床式に支持されている。
【0062】
第1,第2の駆動電極膜31a,31bは分離して形成されるが、その境界部分の導電膜がヒンジ軸35として残され、このヒンジ軸35に、反射膜支持部36が立設される。
【0063】
尚、当然ながら、共通電極膜と同一電位となるストッパ38a〜38dが第1,第2駆動電極膜31a,31bと接触しないように、第1,第2駆動電極膜31a,31bの該当個所は切り欠かれている。他の構成については第2の実施形態と同様または類似するため、同一部材または同様部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0064】
本実施形態では、図11に示す様に、反射膜37が傾動したとき、反射膜37の裏面がストッパ38a,38cまたは38b,38dに当接して停止する。このとき、第1,第2駆動電極膜31a,31bの端部が反射膜37に接触しない様にストッパの高さや第1,第2駆動電極膜31a,31bの寸法が設定される。
【0065】
(第4の実施形態)
図12(a)は、本発明の第4の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図12(b)は、図12(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。また、図13(a)(b)(c)(d)は、夫々、図12(b)のA―A線,B―B線,A’―A’線,B’―B’線の断面模式図である。更に、図14(a)(b)は動作説明図である。
【0066】
上述した第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子が、ヒンジ軸を正方形画素の対角線位置に設け、正方形反射膜が対角線を中心に揺動する構成であったのに対し、本実施形態の回転変位型光変調素子は、正方形画素の中心線にヒンジ軸を設けた点のみが異なる。従って、図12,図13,図14は、第1の実施形態の図1,図2,図3に対応するため、同一機能を有する部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0067】
(第5の実施形態)
図15(a)は、本発明の第5の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図15(b)は、図15(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。また、図16(a)(b)(c)(d)は、夫々、図15(b)のA―A線,B―B線,A’―A’線,B’―B’線の断面模式図である。更に、図17は動作説明図である。
【0068】
上述した第2の実施形態に係る回転変位型光変調素子が、ヒンジ軸を正方形画素の対角線位置に設け、正方形反射膜が対角線を中心に揺動する構成であったのに対し、本実施形態の回転変位型光変調素子は、正方形画素の中心線にヒンジ軸を設けた点のみが異なる。従って、図15,図16,図17は、第2の実施形態の図6,図7,図8に対応するため、同一機能を有する部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0069】
(第6の実施形態)
図18(a)は、本発明の第6の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図18(b)は、図18(a)に示す基板の上面側に反射膜(可動電極膜を兼用する)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。また、図19(a)(b)(c)(d)は、夫々、図18(b)のA―A線,B―B線,A’―A’線,B’―B’線の断面模式図である。更に、図20は動作説明図である。
【0070】
上述した第3の実施形態に係る回転変位型光変調素子が、ヒンジ軸を正方形画素の対角線位置に設け、正方形反射膜が対角線を中心に揺動する構成であったのに対し、本実施形態の回転変位型光変調素子は、正方形画素の中心線にヒンジ軸を設けた点のみが異なる。従って、図18,図19,図20は、第3の実施形態の図9,図10,図11に対応するため、同一機能を有する部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0071】
(第7の実施形態)
図21(a)は、本発明の第7の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、図21(b)は、図21(a)に示す基板の上面側に可動電極膜(反射膜の裏面に可動電極膜を設けている)形成した回転変位型光変調素子の1画素分の平面模式図である。また、図22(a)(b)(c)は、夫々、図21(b)のA―A線,A’―A’線,B―B線の断面模式図であり、図23は動作説明図である。尚、上述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付して説明する。
【0072】
矩形画素の基板30の上辺と下辺に沿う位置には夫々共通電極膜32a,32bが形成されると共に、共通電極膜32a,32bは、矩形画素の中心線に沿って設けられた共通配線膜32cによって接続されている。基板30の左辺側と右辺側には夫々第1,第2駆動電極膜31a,31bが形成されている。
【0073】
共通電極膜32a,32bの中央部分にはヒンジ支持部33a,33bが立設される。反射膜37の下面に付着された可動電極膜34からヒンジ部35a,35bが夫々ヒンジ支持部33a,33bに延びてヒンジ支持部33a,33bに支持されている。
【0074】
本実施形態に係るストッパ38a,38b,38c,38dは、共通配線膜32cの脇に、且つ共通配線膜32cの配線方向と直角方向に延びるように設けられている。尚、本実施形態では、ストッパ38a,38bは一体に連続に成形され、ストッパ38c,38dも一体に連続に成形されている。可動電極膜34が傾動したとき、図23(b)に示すように、可動電極膜34の下面がストッパ38a〜38dの先端部に当接することで可動電極膜34のそれ以上の傾動が停止され、且つ、可動電極膜34の端部が基板30側の駆動電極膜31a,31bに非接触となる高さにストッパの高さが設計される。
【0075】
以上述べた各実施形態に係る回転変位型光変調素子によれば、同じ回転変位を得るための駆動電圧を低くでき、これにより駆動回路が小さくなり、高集積性、低コストになると同時に、駆動回路の最高動作速度が速くなり、発生ノイズが小さくなる。
【0076】
また、駆動電圧を低くするためにヒンジ部の振れ弾性を低くする必要がなく、回転変位素子の固有振動数を高くでき、素子の応答性が速く、振動も小さくなる。更に、接触部が可動部裏面にあるため、ゴミや不純物等が付着し難くなり、入射光も侵入しないため光化学反応による表面改質、反応生成物の付着が起きず、素子の信頼性が向上する。
【0077】
更にまた、接触部がヒンジ軸から近いため、接触部の吸着力が同じでも吸着トルクは小さくなり、リリースし易くなり、素子の信頼性が向上する。また、可動膜の撓みが起こり難く、振動が発生せず、可動電極膜の信頼性が向上する。更に、可動電極膜を薄くでき、軽量化が図れ、応答性も向上する。
【0078】
尚、上述した各実施形態において、ストッパ部分に粘性を付与することも可能である。これにより、接触時の振動が抑制される。また、ストッパ部分に弾性を付与することも可能である。これにより、リリース駆動が更に容易となる。更にまた、接触部に離型表面処理を行ってもよい。これにより、スティッキングが効果的に防止可能となる。
【0079】
(第8の実施形態)
図24は、上述した実施形態に係る回転変位型光変調素子を一次元アレイ状に配列形成したアレイ素子を用いた露光装置のブロック構成図である。アレイ素子は、マイクロレンズアレイを備えるのが好適である。図示する露光装置は、露光対象物71を外周面に吸着して保持するドラム72と、ドラム72の回転軸に並行に配設されたガイド軸73に移動自在に支持される副走査ユニット74と、主走査位置検出器75と、副走査位置検出器76と、変調信号光源信号発生器77とを備える。
【0080】
副走査ユニット74には、回転変位型光変調素子を用いて構成したアレイ素子78と、変調信号光源信号発生器77からの光源信号に基づいてアレイ素子78に対してビーム光を照射するレーザ光源79と、変調信号光源信号発生器77からの変調信号によって各反射膜(マイクロミラー)が傾動するアレイ素子78からの露光対象物71方向への反射光を集光し倍率を変えて露光対象物71に結像させる結像レンズ系80とを備える。
【0081】
斯かる構成の露光装置において、画像信号が変調信号光源信号発生器77に入力すると、画像信号に応じた変調信号がアレイ素子78に出力される。これにより、アレイ素子78の各反射膜が、画像信号に応じて傾動される。レーザ光源79からレーザ光がアレイ素子78に入射すると、例えば左傾した反射膜による反射光のみがオン信号として結像レンズ系80を通って露光対象物71に入射し、露光対象物71表面の照射された各ドット位置が露光され、左傾しない反射膜に対応するドット位置は非露光となる。
【0082】
斯かる動作を副走査方向を移動させながら繰り返すことで、一ライン分の露光が終了し、各ライン毎の露光を行いながら主走査方向を移動させることで、一枚の露光対象物71の露光が終了する。
【0083】
以上は、第1〜第7のいずれかの実施形態に記載した回転変位型光変調素子を複数個一次元状に配列したアレイ素子を露光装置に適用した例であるが、二次元アレイ状に配列したアレイ素子を露光装置に適用しても良い。また、露光装置に限らず他の光学装置に適用することでもよい。例えば、フォトリソグラフィ工程に使用されるオンディマンドのデジタル露光装置、デジタル露光による印刷装置等の画像形成装置、プロジェクタ等の投影表示装置、ヘッドマウントディスプレイ等のマイクロディスプレイ装置等にも適用可能である。
【0084】
本実施形態に係る回転変位型光変調素子は素子の信頼性が高く高速駆動であり、駆動回路が小さくて済むため、これらの光学装置の信頼性も向上する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る回転変位型光変調素子は素子の信頼性が高く高速駆動であり、駆動回路が小さくて済むため、フォトリソグラフィ工程に使用されるオンディマンドのデジタル露光装置、デジタル露光による印刷装置等の画像形成装置、プロジェクタ等の投影表示装置、ヘッドマウントディスプレイ等のマイクロディスプレイ装置等の光学装置に適用すると有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図1(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図2】(a)は図1(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図1(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図1(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図1(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子の図1(b)のB―B断面における製造工程を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回転変位型光変調素子の図1(b)のB’―B’断面における製造工程を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図6(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図7】(a)は図6(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図6(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図6(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図6(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図9】(a)は、本発明の第3の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図9(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図10】(a)は図9(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図9(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図9(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図9(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図12】(a)は、本発明の第4の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図12(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図13】(a)は図12(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図12(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図12(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図12(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図15】(a)は、本発明の第5の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図15(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図16】(a)は図15(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図15(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図15(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図15(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図17】本発明の第5の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図18】(a)は、本発明の第6の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図18(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図19】(a)は図18(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図18(b)のB―B線断面模式図であり、 (c)は図18(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (d)は図18(b)のB’―B’線断面模式図である。
【図20】本発明の第6の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図21】(a)は、本発明の第7の実施形態に係る回転変位型光変調素子の1画素分の基板平面模式図であり、 (b)は、図21(a)に示す基板の上面側に可動電極膜,反射膜(反射鏡)を形成した回転変位型光変調素子の1画素分の反射膜の一部を切り欠いた平面模式図である。
【図22】(a)は図21(b)のA―A線断面模式図であり、 (b)は図21(b)のA’―A’線断面模式図であり、 (c)は図21(b)のB―B線断面模式図である。
【図23】本発明の第7の実施形態に係る回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図24】本発明の第8の実施形態に係る露光装置のブロック構成図である。
【図25】従来の回転変位型光変調素子の分解斜視図である。
【図26】別の従来の回転変位型光変調素子の分解斜視図である。
【図27】従来の回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【図28】従来の回転変位型光変調素子の動作説明図である。
【符号の説明】
【0087】
30 基板
31a 第1駆動電極膜
31b 第2駆動電極膜
32a,32b 共通電極膜
32c 共通配線膜
33a,33b ヒンジ支持部
34 可動電極膜
35a,35b ヒンジ部
37 反射膜(反射鏡:マイクロミラー)
38a,38b,38c,38d 突部(ストッパ)




 

 


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