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液晶表示用基材の製造方法、及び液晶表示用基材並びに液晶表示装置 - 富士フイルム株式会社
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発明の名称 液晶表示用基材の製造方法、及び液晶表示用基材並びに液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−52215(P2007−52215A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236939(P2005−236939)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
発明者 竹政 克弥 / 角 克人
要約 課題
露光工程において、露光ヘッドに設けられている光透過性部材の表面への異物などの付着を防止でき、画素欠けや生産性が低下することなく、優れた高精細な凸状パターンを有する液晶表示用基材の製造方法、並びに、これを用いて形成された液晶表示用基材及び、これを用いた液晶表示装置を提供すること。

解決手段
感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、光透過性部材を介して光を照射し、被露光面に対して、パターン状に露光を行う露光工程を含み、前記露光の際に、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.2〜10.0m/秒で送風する液晶表示用基材の製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】
感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、
光透過性部材を介して光を照射し、被露光面に対して、パターン状に露光を行う露光工程を含み、
前記露光の際に、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.2〜10.0m/秒で送風することを特徴とする液晶表示用基材の製造方法。
【請求項2】
露光工程が、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備え、かつ光透過性部材を有する露光ヘッドと、感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する請求項1に記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項3】
被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、1.0〜150.0mmである請求項1から2のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項4】
感光層が、支持体上に感光性組成物からなる感光性転写層を有する感光性転写材料を用いて、該感光性転写層と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項5】
感光層が、感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項6】
光変調手段が、空間光変調素子である請求項2から5のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項7】
空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である請求項6に記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項8】
光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である請求項1から7のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項9】
光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する請求項8に記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項10】
走査方向に対し描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置されてなる露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う請求項1から9のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法により製造されたことを特徴とする液晶表示用基材。
【請求項12】
請求項11に記載の液晶表示用基材が液晶配向制御用突起である液晶表示用基材。
【請求項13】
請求項11から12のいずれかに記載の液晶表示用基材を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の照射によって化学変化する感光層を有する感光性転写材料などを用いた液晶表示用基材の製造方法、液晶表示用基材、並びに、液晶表示装置に関する。詳細には、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)を構成する導電層の外側から液晶層側に凸部となるように設けられる液晶配向制御用突起などの製造方法、これを用いて形成された液晶表示用基材、並びに液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CRT(Cathode−Ray Tube)ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレイとしては、液晶表示装置(LCD)が現在最も広く使用されており、その期待も大きい。中でも、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)方式のLCD(TFT−LCD)は、パーソナルコンピュータ、ワープロ、及びOA機器や、携帯テレビジョン等への応用によって市場の一層の拡大が期待されているとともに、画像品質の更なる向上が求められている。
【0003】
現在、TFT−LCDの中で最も広く使用されている方式は、ノーマリホワイトモードのTN(Twisted Nematic)型のLCDである。しかし、TN型のLCDは、視野角が狭く、表示画面を観察する位置によって表示状態が異なってしまい、TN型のLCDは、その用途は限られたものとなってしまう。このような視野角のが狭いという欠点は、電極を備える一対の基板間に液晶を挟持し、電極間に電圧印加して表示することが可能なLCD(例えば、単純マトリックス型やプラズマアドレス型LCD)においても同様な欠点がある。このような欠点を解決するため、液晶層に液晶配向制御用の突起を形成し、その表面に沿って局部的に液晶分子の配向状態に傾きを与えることにより、視野角は拡大され、液晶面に対して斜めから観察した場合であっても、液晶面を正面から観察した場合と同様の表示状態が得られる。
【0004】
また、液晶表示装置における液晶層の間隔を保持し、外力による間隔の歪などが生じないよう機械的強度の確保などのため柱材、スペーサなどの液晶表示用基材が用いられる。
このような、液晶配向制御用突起、柱材、スペーサなどの液晶表示用基材に形成される凸状パターンは、一般的に、基材上などに感光性組成物からなるフォトレジスト層を均一に形成し、露光、現像することにより得ることができる。
前記凸状パターンの形成方法としては、凸状パターン情報に基づいて作製されたフォトマスクをフォトレジスト層上にセットし、露光現像するフォトマスキング方法、前記フォトマスクを用いず、凸状パターン情報に基づくデータを光変調したレーザ光などにより直接フォトレジスト層に光照射するダイレクトイメージング(直接描画)方法などが挙げられる(非特許文献1参照)。このダイレクトイメージング方法によれば、高精細な凸状パターンを得ることができる。
しかし、前記ダイレクトイメージング方法や前記フォトマスキング方法の場合、光照射する露光ヘッドに設けられている、レンズなどの光透過性部材の被露光面側の表面には、雰囲気中の微細なごみや、感光性材料から生ずる昇華成分などが付着することがあり、該付着物により、パターンの画素欠けなど表示特性が低下するという問題がある。前記微細ごみは、感光性材料を適宜カットして基材に転写する際に、カット部分から微細な破片や繊維などが生じ、微細ごみとして該感光性材料や前記レンズなどの表面に付着することがある。また、前記昇華成分としては、前記感光性材料のクレゾール樹脂のオリゴマー成分やナフトキノンジアジドエステルの感光分解物成分などが考えられ、熱、光、温度などの影響を受け固体から気体又は微粒子などに昇華するものと思われる。特に該昇華成分は、付着し易く前記レンズなどの表面に付着した場合、該付着物を清掃除去する工程が必要となるなど、生産性の低下を招くという問題がある。
このため、凸状パターン形成の露光工程において、露光ヘッドに設けられている、レンズなど光透過性部材の表面に、異物などの付着による画素欠けや生産性の低下の問題がなく、高精細な凸状パターンを有する液晶表示用基材を製造する方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
【非特許文献1】石川明人”マスクレス露光による開発短縮と量産適用化”、「エレクロトニクス実装技術」、株式会社技術調査会、Vol.18、No.6、2002年、p.74-79
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、凸状パターン形成の露光工程において、露光ヘッドに設けられている、レンズなどの光透過性部材の表面への異物などの付着を防止でき、画素欠けや生産性が低下することなく、優れた高精細な凸状パターンを有する液晶表示用基材の製造方法、並びに、これを用いて形成された液晶表示用基材及び、これを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、光透過性部材を介して光を照射し、被露光面に対して、パターン状に露光を行う露光工程を含み、前記露光の際に、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.2〜10.0m/秒で送風することを特徴とする液晶表示用基材の製造方法である。
該<1>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、感光性組成物からなり基材の表面に位置する感光層に対して、光透過性部材を介して光を照射し、被露光面に対して、パターン状に露光を行う露光工程を含み、前記露光の際に、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.2〜10.0m/秒で送風すると、レンズなどの光透過性部材の被露光面側の表面に、雰囲気中の微細なごみや、感光性材料から生ずる昇華成分などが付着することを防止することができ、該付着物によるパターンの画素欠けなどの表示特性の低下は起きない。前記光透過性部材は、ガラスあるいはプラスチック製の無色又は有色の透明部材を意味し、レンズに代表される集光しうる部材や集光せず透過のみ可能とする部材でもよい。
<2> 露光工程が、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備え、かつ光透過性部材を有する露光ヘッドと、感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する前記<1>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<3> 被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、1.0〜150.0mmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<4> 被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、5.0〜50.0mmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<5> 最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.5〜2.5m/秒で送風する前記<1>から<4>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<6> 感光層が、支持体上に感光性組成物からなる感光性転写層を有する感光性転写材料を用いて、該感光性転写層と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される前記<1>から<5>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<7> 感光層が、感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される前記<1>から<6>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<8> 光変調手段が、光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、前記描素部をパターン情報に基づいて制御可能である前記<1>から<7>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<9> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<8>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<10> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<9>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<11> 光照射手段が、半導体レーザ素子から生ずるレーザ光を出射するレーザ光源である前記<1>から<10>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。。
<12> 光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である前記<1>から<11>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<13> 光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する前記<12>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<14> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<15> レーザ光の波長が330〜650nmである前記<14>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<16> 走査方向に対し描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置されてなる露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う前記<1>から<15>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
該<16>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<17> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<16>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
該<17>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<18> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<15>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
該<18>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<19> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<1>から<18>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<20> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<1>から<19>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。該<20>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、N重露光のNが、3以上7以下の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記画素パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<21> 使用描素部指定手段が、描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを備える前記<1>から<20>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<22> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<1>から<21>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<23> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<21>から<22>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<24> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<23>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<25> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<23>から<24>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<26> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<23>から<25>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
【0007】
<27> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<21>から<26>に記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<28> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<21>から<26>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
【0008】
<29> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<21>から<28>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
該<29>に記載の液晶表示用基材の製造方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純なパターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<30> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<1>から<29>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
【0009】
<31> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<1>から<30>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<32> パターン情報が表す画素パターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<1>から<31>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
【0010】
<33> 支持体上に熱可塑性樹脂層を有する前記<2>から<32>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
<34> 感光層が、支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光性転写材料、該支持体とは反対側の面と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される前記<1>から<33>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法である。
【0011】
<35> 前記<1>から<34>のいずれかに記載の液晶表示用基材の製造方法により製造されたことを特徴とする液晶表示用基材である。
<36> 前記<35>に記載の液晶表示用基材が液晶配向制御用突起である液晶表示用基材である。
<37> 前記<35>から前記<36>のいずれかに記載の液晶表示用基材を用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、従来における問題を解決することができ、凸状パターン形成の露光工程において、露光ヘッドに設けられている、レンズなどの光透過性部材の表面への異物などの付着を防止でき、画素欠けや生産性が低下することなく、優れた高精細な凸状パターンを有する液晶表示用基材の製造方法、並びに、これを用いて形成された液晶表示用基材及び、これを用いた液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(液晶表示用基材の製造方法)
本発明の液晶表示用基材の製造方法は、露光工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択された感光層形成工程及び現像工程などのその他の工程を含んでなる。
本発明の液晶表示用基材は、本発明の前記液晶表示用基材の製造方法により製造される。
本発明の液晶表示装置は、本発明の前記液晶表示用基材を用いてなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
以下、本発明の液晶表示用基材の製造方法の説明を通じて、本発明の液晶表示用基材及び液晶表示装置の詳細についても明らかにする。
【0014】
<液晶表示用基材>
前記液晶表示用基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置における液晶の配向方向をコントロールする液晶配向制御用突起、液晶の間隔を保持する柱材やスペーサ、及びカラーフィルタなどが挙げられる。これらの中でも、画素の欠陥により表示特性が大きく変化する液晶配向制御用突起が本発明の液晶表示用基材として好適である。
【0015】
<液晶配向制御用突起>
前記液晶配向制御用突起は、その表面に沿って局部的に液晶分子の配向状態に傾きを与え、液晶面に対して斜めから観察した場合であっても、液晶面を正面から観察した場合と同様の表示状態が得られるように視野角を拡げる作用がある。そのため、液晶表示装置における導電層の内側(導電層と液晶層との間)に液晶層側に凸部となるように設けられ、、構造体の凸部面に沿って液晶分子の配向の向きが傾斜するように規制するので、液晶面を観察する位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
【0016】
前記液晶配向制御用突起の具体的設置箇所としては、例えば、図40に示すように、ガラス基板212と、導電層216と、液晶分子218を含む液晶層219と、導電層217と、ガラス基板211とをこの順で積層した構造を有しる液晶表示装置210に形成される。液晶配向制御用突起213は、導電層217と液晶層219との間、及び導電層216と液晶層219との間などに設けられる。
また、図41に示すように、液晶表示装置210が、導電層216とガラス基板212との間にカラーフィルタ214を有する場合も同様に、液晶配向制御用突起213は、図41に示すように導電層216と液晶層219との間、及び、導電層217と液晶層219との間などに設けられる。なお、液晶配向制御用突起213と液晶層219との間には、液晶配向膜(ポリイミド膜)が設けられていてもよい。
【0017】
<スペーサ>
前記スペーサは、液晶表示装置における液晶セルを一定の間隔に保持するための突起若しくはリブ構造を有し、少なくとも2枚の基板と、該基板間に設けられた液晶と、該液晶に電界を印加する2枚の電極と、前記基板間のセル厚を規制するためのスペーサとして機能し、本発明の液晶表示用基材として好適である。
【0018】
<カラーフィルタ>
前記カラーフィルタは、液晶表示装置の液晶晶カラーディスプレイをカラー表示するため、液晶セル内に構成される部材の一つで顔料などが入った樹脂膜からなり、透明ガラス基板上に赤、緑、青の三原色パターンが規則正しく配列するように形成され、本発明の液晶表示用基材として好適である。
【0019】
[感光層形成工程]
前記感光層形成工程は、少なくとも樹脂を含有し、必要に応じて、その他の添加剤を含む感光性組成物を用いて、感光層を形成する工程であり、更に適宜選択されたその他の層を形成する工程である。
【0020】
前記感光層、及びその他の層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布により形成する方法、シート状の各層を加圧及び加熱の少なくともいずれかを行うことにより、ラミネートすることにより形成する方法、それらの併用などが挙げられる。
前記感光層形成工程としては、以下に示す第1の態様の感光層形成工程及び第2の態様の感光層形成工程が好適に挙げられる。
【0021】
第1の態様の感光層形成工程としては、前記感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより、基材の表面に、少なくとも、感光層を形成し、更に、適宜選択されたその他の層を形成する工程が挙げられる。
【0022】
第2の態様の感光層形成工程としては、前記感光性組成物をフィルム状に成形した感光性転写材料を基材の表面に加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において積層することにより、基材の表面に、少なくとも、感光性転写層(以下「感光層」と称することがある。)を形成し、更に、適宜選択されたその他の層を形成する工程が挙げられる。
【0023】
第1の態様の感光層形成工程において、前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
【0024】
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキンプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0025】
これらの中でも、各成分の溶解性、及び膜形成性の点で、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類が特に好適である。
【0026】
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて、前記基材に直接塗布する方法が挙げられる。
本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
前記感光層の塗布後に、乾燥するための条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
【0027】
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜10μmが好ましく、0.75〜6μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。前記厚みが0.5〜10μmの範囲内にあると、感光層用塗布液を基材上に塗布する際に、ピンホールが発生しにくく、現像持に露光部の除去を容易におこなうことができる。
【0028】
第1の態様の感光層形成工程において形成されるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸素遮断層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などが挙げられる。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層上に塗布する方法、シート状に形成されたその他の層を積層する方法などが挙げられる。
【0029】
前記第2の態様の感光層形成工程において、基材の表面に感光層、及び必要に応じて適宜選択されるその他の層を形成する方法としては、前記基材の表面に、支持体と該支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光層と、必要に応じて適宜選択されるその他の層とを有する感光性転写材料を、加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する方法が挙げられ、この方法では、前記支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光性転写材料を、該感光性組成物が基材の表面側となるように積層し、次いで、該支持体は感光性組成物上から剥離される。
前記支持体は剥離されるので、該支持体による光の散乱や屈折の等影響により、感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性転写材料が、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
【0030】
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、70〜160℃が好ましく、120〜145℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
【0031】
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス、ヒートロールラミネーター(例えば、大成ラミネーター株式会社社製、VP−IIや、株式会社日立インダストリアルズ、LamicII型)、真空ラミネーター(例えば、名機製作所製、MVLP500)などが好適に挙げられる。
以下に、液晶表示用基材として液晶配向制御用突起を作製する例を挙げる。
【0032】
<感光性転写材料>
前記液晶配向制御用突起に用いられる感光性転写材料は、支持体上に、クレゾール樹脂を含む感光層を少なくとも1層有することが望ましい。感光層にクレゾール樹脂を含有することで、液晶表示装置の作製に用いた場合に画像の焼き付けを防止することができる。更に、この感光性転写材料は、フェノール樹脂を用いた場合と比して現像ラチチュードが広いことから、感光層を基板等に転写した際に、現像時間が長くても画素(感光層を液晶表示用基材として形成したもの)が基板から脱落しにくく、現像条件に対する依存が少ない。
【0033】
また、前記感光性転写材料は、サイズの大きな基板上に液晶配向制御用突起(以下「構造体」と称する場合もある。)などの液晶表示用基材を形成する際に、該基板上に厚みの精度の高い感光性樹脂からなる層を形成(転写)することができる。
【0034】
前記感光性転写材料は、液晶表示装置を構成する導電層の外側(導電層と液晶層との間)から液晶層側に凸部となるように設けられる構造体(液晶配向制御用突起)の形成に好適に用いることができる。また、前記感光層は、更に、ナフトキノンジアジドエステルを含むことが好ましく、さらに、可塑剤、及び、高沸点溶剤を含んでいてもよい。
前記感光性転写材料の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光層とを、この順に有してなる形態などが挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
【0035】
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体としては、具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜シート若しくはこれらの積層物が好適に挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、5〜300μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。
【0036】
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものなどが挙げられる。
【0037】
前記支持体は、合成樹脂製であり、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
【0038】
<感光層>
前記感光層形成工程で形成される感光層としては、少なくとも、クレゾール樹脂、フェノール樹脂を含有することが好ましく、更に、必要に応じてナフトキノンジアジドエステルを含むことが好ましく、更には、可塑剤や残存溶媒として高沸点溶媒、その他の添加剤を含む感光性組成物を用いてなる。
【0039】
−クレゾール樹脂−
前記クレゾール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クレゾールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.7〜1.0程度のものが好ましく、0.8〜1.0がより好ましい。また、前記クレゾール樹脂の重量平均分子量としては、800〜8,000が好ましく、1,000〜6,000がより好ましい。
【0040】
前記クレゾール樹脂の異性体比(o−体/m−体/p−体のモル比率)は、特に限定はないが、現像性を高める観点から全異性体に対するp−体の比率が10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。また、液晶パネル性能(焼き付け防止能など)を高める観点からは、m−体の比率が5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。
【0041】
前記クレゾール樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いることもできる。この場合、フェノール樹脂等の他の樹脂と混合して用いてもよい。また、本発明においては、前記クレゾール樹脂として、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとの反応生成物等のクレゾール樹脂の誘導体を用いてもよい。
【0042】
前記クレゾール樹脂の使用量としては、0.1〜10g/m2が好ましく、0.5〜5g/m2がより好ましい。
【0043】
−ナフトキノンジアジドエステル−
前記ナフトキノンジアジドエステルは、前記感光層に対してクレゾール樹脂と併用することが好ましい。前記ナフトキノンジアジドエステルは、1官能の化合物であってもよいし2官能以上の化合物であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。1官能のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、置換フェノールとを反応させたエステル化合物であることが好ましい。
【0044】
また、2官能以上のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、フェノール性水酸基を複数有する化合物とを反応させたエステル化合物であることが好ましい。前記フェノール性水酸基を複数有する化合物としては、例えば、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキノスフェノール類等のポリフェノール類;ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等の多官能フェノール;ビス型又はトリス型のジヒドロキシベンゼン若しくはトリヒドロキシベンゼン、非対称の多核フェノール、並びに、これらの混合物などが好ましい。
【0045】
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、例えば、4−t−ブチルフェノール、4−イソアミルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−アセチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−クロロフェノール、4−ベンジルオキシカルボニルフェノール、4−ドデシルフェノール、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]などが挙げられる。
【0046】
前記ナフトキノンジアジドエステルの具体例としては、例えば、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−4−スルホネート、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、4’−ベンゾイルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記感光性樹脂中のナフトキノンジアジドエステルのクレゾール樹脂に対する質量比は、現像性を高める観点から1〜200質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
【0048】
−その他の添加剤−
前記感光層には、感光層の現像性を促進させるために、2価以上の脂肪族カルボン酸や、2〜6価のフェノール化合物を含有していてもよい。前記2価以上の脂肪族カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシコハク酸、グルタル酸、アジピン酸などが挙げられ、マロン酸、コハク酸が好ましい。前記感光性樹脂中の全固形分に対する前記2価以上の脂肪族カルボン酸の含有量としては、0.5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
【0049】
また、前記2〜6価のフェノール化合物としては、2〜4価のフェノール化合物が特に好ましい。前記2〜6価のフェノール化合物としては、例えば、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]などが挙げられ、レゾルシノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好ましい。前記感光性樹脂中の全固形分に対する前記2〜6価のフェノール化合物の含有量としては、0.5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
【0050】
更に、前記感光層には、液晶配向制御用突起の形成時における転写不良や精度不良等の故障の認識を可能とし、製造適性を向上させる観点から、消色性染料を添加することもできる。前記消色性染料とは、一般に、200℃、1時間の加熱により消色し得る色素を意味し、ベーク時に消色可能な有色染料である。前記消色性染料としては、180℃、1時間の加熱により消色する色素が好ましい。このような色素は、通常、熱による分解若しくは酸化等による構造変化を起こすか、あるいは熱によって蒸発若しくは昇華するものである。また、消色性染料を用いて液晶配向制御用突起を作製した場合、該液晶配向制御用突起は、消色後に、400〜800nmの平行光線に対して90%以上の光透過率を有することが好ましい。
【0051】
前記消色性染料としては、熱によって分解する色素として、例えば、ビクトリアピュアブルーBOH、ビクトリアピュアブルーBOH−M、マラカイトグリーン、アイゼンマラカイトグリーン、マラカイトグリーン塩酸塩、アイゼンダイヤモンドグリーン等のジアルキルアミノトリフェニルメタン系の染料などが挙げられる。また、熱により蒸発又は昇華する色素としては、例えば、オリエントオイルブラウン、メチルイエロー、スミカロンブリリアントブルーB、1,3,5−トリフェニルテトラゾリウムホルマザンなどが挙げられる。
【0052】
前記消色性染料としては、前記のほか、染料便覧(有機合成化学協会編、丸善、昭和47年7月20日発行)に記載される、昇華堅牢試験の耐汚染性の評価(180℃、1時間以下の条件)が1〜3のものも使用可能である。具体的には、C.I.Disperse
Yellow 8,31,72、C.I.Disperse Orange 1,3,20,21、C.I.Disperse Red 15,55,60,65、C.I.Disperse Violet 8,23,26,37、C.I.Disperse Blue 20,26,55,56,72,90,91,92,106、C.I.Disperse Black 29、Diacellition Direct Black B M/D(三菱化成株式会社製)、Sumikaron Violet RS(住友化学株式会社製)、Dianix Fast Sky Blue B M/D(三菱化成株式会社製)、Miketon Polyester Blue BCL,GRN(三井石油化学株式会社製)、KayaronPolyester Navy Blue GF(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。加熱装置の適性、環境汚染を考慮すると、前記消色性染料としては、熱分解性の染料が好ましい。
【0053】
前記消色性染料の添加量としては、感光層の全固形分に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
【0054】
また、前記感光層には、熱可塑性の結合剤を用いることができる。前記熱可塑性の結合剤としては、例えば、エチレン性不飽和化合物等の公知の結合剤が挙げられる。前記結合剤及び可塑剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定される。
【0055】
本発明の感光性転写材料は、感光層にクレゾール樹脂とナフトキノンジアジドエステルとを併用することで、所望のパターンで露光した際に該露光部をアルカリ水溶液等による現像によって除去するポジ型の感光性転写材料とすることができる。即ち、アルカリ可溶性のクレゾール樹脂に対し、ナフトキノンジアジドエステルは溶解禁止剤として作用するが、光を受けるとインデンカルボン酸を生成し、溶解禁止効果がなくなる。このため、クレゾール樹脂とナフトキノンジアジドとを含む、前記感光層は、アルカリ現像により光照射部のみが溶解されるポジ型レジストとして機能する。
【0056】
前記感光層は、上述のクレゾール樹脂やナフトキノンジアジドエステル等の感光層に含まれる成分を溶剤に溶解した感光性組成物を、支持体(支持体と感光層との間に熱可塑性樹脂層や中間層が設けられている場合にはその層)上に、種々の塗布手段を用いて塗布、乾燥することで形成することができる。
【0057】
前記感光層を形成するための前記塗布手段としては、前記基材への前記感光性組成物溶液の塗布及び乾燥(前記第1の態様の感光層形成方法)と同様な方法で行うことができる。
【0058】
前記感光層の厚みとしては、0.5〜10μmが好ましく、0.75〜6μmがより好ましい。前記厚みが0.5〜10μmの範囲内にあると、感光層用塗布液を支持体上に塗布する際に、ピンホールが発生しにくく、現像持に露光部の除去を容易に行うことができる。
【0059】
−保護フィルム−
前記感光層上には、保管等の際の汚れや損傷から保護する目的で、保護フィルムを設ける。前記保護フィルムは、感光層に容易に貼付可能で、また、感光層から容易に剥離可能なものの中から選択でき、前記支持体と同一又は類似の材料からなるものであってもよい。具体的には、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシートなどが好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。さらに、前記保護フィルムの前記感光層と接する面に深さ0.3μm以上の凹部が1cmあたり1,000個以上あることが好ましく、深さ0.3μm以上の凹部が1cmあたり5,000個以上あることがより好ましい。該凹部は、フィルムのエンボス加工により形成されても良いし、マット化処理(サンドブラスト法)により形成されていても良く、さらにエッチング処理により凹凸を滑らかにしても良い。これらは特開平1−110930記載の方法などにより作製することができる。表面保護フィルム表面の凹部の数は光学顕微鏡で観察することにより計測できる。
また、前記保護フィルムの表面の凹部の深さとは、中心面平均高さから各凹部の最深部までの距離のことであり、まず中心面平均高さをもとめた後に、各凹部の最深部までの距離を測ることにより求められ、具体的にはレーザー顕微鏡、表面粗さ形状測定機(サーフコム;東京精密株式会社製)などにより計測できる。
【0060】
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、10〜60μmがより好ましい。
【0061】
前記保護フィルムの前記感光性転写材料において設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記感光層上に設けられる。
【0062】
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとの関係としては、接着力A>接着力Bであることが好適である。
【0063】
前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、特開2005−70767号公報の段落番号[0151]に記載の組合せや、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0064】
前記保護フィルムとしては、前記接着力の関係を満たすために、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調製するために表面処理することが好ましく、例えば、該表面処理の方法としては、特開2005−70767号公報の段落番号[0151]に記載の方法などが挙げられる。
【0065】
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、などが挙げられる。
【0066】
−熱可塑性樹脂層−
熱可塑性樹脂層は、支持体上の第一層目として設けられ、主として熱可塑性樹脂を含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。前記熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を可能とし、あるいは転写時の転写条件によっては熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して被転写体である基板上を汚染してしまう場合に除去処理を可能とするために、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂が好適である。更に、熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板上(又はカラーフィルタ上)に転写する際、基板上(又はカラーフィルタ上)に存在する凸部に起因して生じうる転写不良を防止するクッション材としての機能をも発揮させる観点から、加熱密着時に被転写物表面の凸部に応じて変形しうる性質を有することが好ましい。
【0067】
前記の点から、前記熱可塑性樹脂としては、アルカリ可溶性であって、実質的な軟化点が80℃以下の樹脂が好ましい。軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物などが挙げられる。前記熱可塑性樹脂は、一種単独からなるものであっても、二種以上を併用したものであってもよい。
【0068】
更に、前記熱可塑性樹脂としては、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子物質のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
【0069】
また、軟化点80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種公知の可塑剤を添加することにより、実質的な軟化点を80℃以下に下げて使用することもできる。
【0070】
前記有機高分子物質を用いる場合、上述の支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を加えることもできる。
【0071】
本発明の感光性転写材料は、支持体上に熱可塑性樹脂層の他、後述の中間層、及び前記感光層を順次積層して構成されるが、特に熱可塑性樹脂層と支持体との間の接着強度が他の層間における接着強度よりも小さくすることが必要である。これにより転写の後、支持体を容易に剥離することができ、更に剥離の際に熱可塑性樹脂層表面の破壊を伴うことなく支持体を除去することができる。これは、支持体除去後の感光層への露光を均一に行うことが可能となる点で好ましい態様である。
【0072】
前記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂と必要に応じて他の成分とを有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、例えば、スピンコート法等の公知の塗布方法で塗布等して形成することが可能である。
【0073】
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキンプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0074】
これらの中でも、各成分の溶解性、及び膜形成性の点で、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類が特に好適である。
【0075】
更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。
【0076】
前記熱可塑性樹脂層の厚みとしては、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。前記厚みが、6〜100μmの範囲内にあると、基板(又はカラーフィルタ)上の1μm以上の凸部を完全に吸収することができると共に、現像性、製造適性を向上させることができる。
【0077】
前記熱可塑性樹脂層と前記支持体との間には、良好な剥離性を確保するために、グロー放電等の表面処理は施さず、またゼラチン等の下塗り層も設けないことが好ましい。
【0078】
−中間層−
前記感光層や前記熱可塑性樹脂層には有機溶剤が用いられることから、前記中間層は、両層が互いに混ざり合うのを防止する機能を有する。また、前記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものであればよい。
【0079】
前記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。前記中間層を構成する樹脂成分としては、公知のものの中から適宜選択でき、例えば、特開昭46−2121号公報や特公昭56−40824号公報に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらを2種以上組合せたものなどが挙げられる。
【0080】
これらの中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましく、更に添加剤を加えてもよい。更に、前記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が99%以下であるのものが好ましく、90%以下であるものが特に好ましい。また、前記ポリビニルピロリドンの含有量としては、中間層の固形分の1〜75質量%であることが好ましく、1〜60質量%であることが更に好ましく、10〜50質量%であることが最も好ましい。前記ポリビニルピロリドンの含有量が、1〜75質量%の範囲内にあると、感光層との密着性を十分に高めることができる。
前記添加剤としては、用いる樹脂成分を可塑化するものが好ましく、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びそれらのモノエーテル体、ジエーテル体、モノエステル体、ジエステル体、モノアミド体、ジアミド体、などが挙げられる。前記添加剤の添加量としては、樹脂の0〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。
【0081】
前記中間層は、樹脂成分等を水系溶媒に溶解、分散して塗布液(中間層用塗布液)を調製し、該塗布液を前記熱可塑性樹脂層上に公知の塗布方法により塗布して形成することが可能である。
前記水系溶媒としては、蒸留水等の水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添加した溶媒が挙げられる。
【0082】
前記中間層の厚みとしては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。前記厚みが、0.1〜5μmの間にあると、熱可塑性樹脂層と感光層の層混合を起こすことがなく、現像や中間層除去を容易に行うことができる。
【0083】
前記感光性転写材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性転写材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性転写材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
【0084】
なお、前記第2の態様の感光層形成方法により形成された感光層を有する積層体への露光方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体上にクッション層を介して存在する感光層からなるフィルムの場合は、前記支持体、必要に応じてクッション層も剥離した後、前記酸素遮断層を介して前記感光層を露光することが好ましい。
【0085】
<感光性転写材料の製造方法>
本発明に用いる感光性転写材料は、前記支持体上に、まず、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解し調製した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布・乾燥して、熱可塑性樹脂層を設け、続いて該熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶媒を用いてなる塗布液(中間層用塗布液)を塗布、乾燥して中間層を設け、更に該中間層上に、中間層を溶解しない溶剤にクレゾール樹脂等を溶解し調製した塗布液(感光層用塗布液)を塗布、乾燥して感光層を設けることにより形成することができる。あるいは、前記表面保護フィルム上に感光層を設けると共に、別途支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層とを設け、それぞれを中間層と感光層とが接するように貼り合わせることにより形成することもできる。また、本発明に用いる感光性転写材料は、前記保護フィルム上に感光層と中間層とを設けると共に、別途支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、それぞれを上述と同様に、中間層と感光層とが接するように貼り合わせることによって、製造することができる。
【0086】
また、後述するように、本発明に用いる感光性転写材料を被転写体である基板やカラーフィルタ上に密着させた後、感光性転写材料の支持体を剥離する過程では、支持体や基板などが帯電する結果、周囲のゴミ等を引き寄せ、剥離後の感光層上にゴミなどが付着することがある。このような場合、その後の露光過程で感光層に未露光部ができ、その部分が現像の際に残ってしまうことがある。このため、帯電を防止する目的で、支持体の少なくとも一方の表面に導電性層を設けたり、あるいは導電性を付与した支持体を用いることによって、その表面の電気抵抗を1013Ω以下にまで低下させることが好ましい。
【0087】
上述のように支持体に導電性を付与するためには、支持体中に導電性物質を含有させればよい。このような方法としては、例えば、金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を予め練り込んでおく方法が好適である。前記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン等の結晶性金属酸化物、及びその複合酸化物の少なくともいずれかの微粒子が挙げられる。
【0088】
前記帯電防止剤としては、エレクトロストリッパーA(花王株式会社製)、エレノンNo.19(第一工業製薬株式会社製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤;アモーゲンK(第一工業製薬株式会社製)等のベタイン系両性界面活性剤;ニッサンノニオンL(日本油脂株式会社製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤;エマルゲン106、120、147、420、220、905、910(花王株式会社製)やニッサンノニオンE(日本油脂株式会社製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、などが好適である。その他、非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のものが挙げられる。
【0089】
前記支持体上に導電性層を設ける場合、該導電性層は公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。前記導電性層に用いる導電性物質として、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO等から選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、及びその複合酸化物の少なくともいずれかの微粒子などが挙げられる。これらの導電性物質を導電性層に含有させて用いる方法が湿度環境に影響されず、安定した導電効果を発揮する点で好ましい。
【0090】
また、前記結晶性金属酸化物又はその複合酸化物の微粒子の体積抵抗値としては、107Ω・cm以下が好ましく、105Ω・cm以下がより好ましい。また、その粒子径としては、0.01〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.5μmがより好ましい。
【0091】
前記結晶性金属酸化物及びその複合酸化物の微粒子の製造方法は、特開昭56−143430号公報等に詳細に記載されている。即ち、第1に、金属酸化物微粒子を焼成によって作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に、焼成によって金属酸化物微粒子を作製する際に導電性を向上させるための異種原子を共存させる方法、第3に、焼成により金属微粒子を作製する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法などが記載されている。前記異種原子を含む具体例としては、ZnOに対してはAl、In等;TiO2に対してはNb、Ta等;、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等を存在させることが挙げられる。
【0092】
前記異種原子の添加量としては、0.01〜30mol%が好ましく、0.1〜10mol%がより好ましい。導電性粒子の使用量としては、0.05〜20g/m2が好ましく、0.1〜10g/m2がより好ましい。
【0093】
本発明の感光性転写材料の支持体に設けられる導電性層には、バインダーとして、例えば、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマー又は共重合体;可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
【0094】
また、これらのバインダー中に導電性粒子を分散する場合、チタン系分散剤又はシラン系分散剤等の分散液を添加してもよく、更に、必要に応じてバインダー架橋剤等を添加することもできる。
【0095】
前記チタン系分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第4,069,192号公報、同第4,080,353号公報等に記載の、チタネート系カップリング剤、プレンアクト(味の素株式会社製)などが挙げられる。前記シラン系分散剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、「シランカップリング剤」(信越化学株式会社製)として市販されている。前記バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤などが挙げられる。
【0096】
前記導電性層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させて支持体上に塗設したり、支持体上に下引処理(例えば、下塗り層等)を施した上に導電性微粒子を付着させたりすることにより設けることができる。
【0097】
前記導電性層は、支持体の感光層を塗設した面とは反対の表面上に設けてもよく、この場合には、十分な耐傷性を確保する目的で、導電性層上に更に疎水性重合体層を設けることが好ましい。この疎水性重合体層は、疎水性重合体を有機溶剤に溶解した状態又は水性ラテックスの状態で塗布すればよく、その塗布量としては、乾燥質量で0.05〜1g/m2程度が好ましい。
【0098】
前記疎水性重合体としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロースエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポリマー;有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。
【0099】
前記疎水性重合体層には、スベリ性を付与する目的で、例えば、特開昭55−79435号公報に記載の有機カルボン酸アミド等のスベリ剤を使用することができる。また、必要に応じて、マット剤等を使用することもできる。このような疎水性重合体層を設けても、導電性層の効果は実質的に影響を受けない。
【0100】
また、下塗り層を設ける場合、特開昭51−135526号公報、米国特許第3,143,421号公報、同第3,586,508号公報、同第2,698,235号公報、同第3,567,452号公報等に記載の塩化ビニリデン系共重合体、特開昭51−114120号公報、米国特許第3,615,556号公報等に記載のブタジエン等のジオレフイン系共重合体、特開昭51−58469号公報等に記載のグリシジルアクリレート又はグリシジルメタアクリレート含有共重合体、特開昭48−24923号公報等に記載のポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、特開昭50−39536号公報に記載の無水マレイン酸含有共重合体等を用いることができる。
【0101】
本発明においては、特開昭56−82504号公報、特開昭56−143443号公報、特開昭57−104931号公報、特開昭57−118242号公報、特開昭58−62647号公報、特開昭60−258541号公報等に記載の導電性層も必要に応じて用いることができる。
【0102】
支持体上に、導電性層を塗布する場合、ローラーコート、エアナイフコート、グラビアコート、バーコート、カーテンコート等の公知の方法により塗布することができる。十分な帯電防止効果を得るためには、導電性層又は導電性を付与した支持体の表面電気抵抗値を、1013Ω以下とすることが好ましく、1012Ω以下とすることが更に好ましい。
【0103】
また、熱可塑性樹脂層と支持体との強固な接着を防止するため、支持体面に公知の微粒子を含有する滑り剤組成物、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することもできる。
【0104】
前記支持体の熱可塑性樹脂層を設けない側の表面に導電性層を設ける場合には、熱可塑性樹脂層と支持体との接着性を向上させる目的で、支持体に、例えば、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理等の表面処理、フェノール性物質、ポリ塩化ビニリデン樹脂、スチレンブタジエンゴム、ゼラチン等の下塗り処理又はこれらの処理を組み合わせた処理を施すことができる。
【0105】
前記支持体用のフィルムは押し出し成形により形成することが可能であるが、導電性物質又は導電性層を支持体と同一又は異質のプラスチック原料に含有させ、前記フィルムと同時に押し出し成形した場合には、接着性、耐傷性に優れた導電性層を容易に得ることができる。この場合、前記疎水性重合体層や下塗り層を設ける必要はなく、感光性転写材料を構成する導電性付与支持体として最も好ましい実施形態である。
【0106】
<感光性転写材料を用いた第2の態様における液晶表示用基材の製造方法の具体例>
本発明の液晶配向制御用突起を例に挙げ、液晶表示用基材の製造方法の具体例について説明する。ここでは、本発明に用いる感光性転写材料として、支持体上にアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感光層及び保護フィルムがこの順に積層されてなる感光性転写材料を用い、更に、基体上の全面にカラーフィルタ層が設けられた基板を用いた具体例を示す。
【0107】
まず、前記感光性転写材料の保護フィルムを取り除き、前記感光層を加圧、加熱下で被転写体である基板の前記カラーフィルタ層上に密接し貼り合わせる。前記基板と前記感光層との貼り合わせには、従来公知のラミネーターを使用する。
【0108】
この際、本発明の液晶表示用基材の製造方法では、少なくとも一層のナフトキノンジアジド誘導体を含む感光性転写材料をより高温状態でラミネートすることが好ましい。感光性転写材料をより高温状態でラミネートする方法には、ラミネートする前にあらかじめ基板を加熱しておく方法や、ラミネート時のラミネーターのロール温度を上げる方法や、ラミネート時のラミネーターを通過するときの基板の搬送速度を遅くする方法、などがある。
ラミネートする前にあらかじめ基板を加熱しておく方法では、基板温度を70℃以上160℃以下とすることが好ましく、120℃以上145℃以下とすることがより好ましい。
基板を加熱するには、ホットプレートなどの接触型の加熱器を基板に接触させて用いることもできるし、また非接触で用いることもできる。また温風加熱器、IRヒーターなどの非接触型の加熱器を非接触で用いることもできる。基板温度が120℃未満であるとパターン形成後に画素の欠けを生じることがあり、基板温度が180℃を超えると感光性転写材料中の素材が分解し、感度変化、着色などを起こすことがある。
前記ラミネート時のラミネーターのロール温度を上げる方法では、そのロール温度を130℃以上160℃以下とすることが好ましく、130℃以上150℃以下とすることがより好ましい。ロール温度が130℃未満であるとパターン形成後に画素の欠けを生じることがあるし、ロール温度が160℃を超えると感光性転写材料中の素材が分解し、感度変化、着色などを起こしたり、転写材料と基板間にシワを生じたりすることがある。
【0109】
前記ラミネート時のラミネーターを通過するときの基板の搬送速度を遅くする方法では、搬送速度を1.0m/分以上2.0m/分以下とすることが好ましく、1.2m/分以上1.8m/分以下とすることがより好ましい。搬送速度を1.0m/分未満にすると性能上の不具合はないものの、生産性の低下が問題となることがあるし、2.0m/分を超えるととパターン形成後に画素の欠けを生じることがある。
【0110】
また、本発明の液晶表示用基材の製造方法では、感光性転写材料を基板に転写する転写工程と所望のパターンで露光する露光工程との間に、前記感光性転写材料を転写した基板を加熱する基板加熱工程を含むことも好ましい。この際の感光性転写材料はナフトキノンジアジド誘導体を含んでいても、含んでいなくてもよい。感光性転写材料を転写した基板を加熱する工程はホットプレートなどの接触型の加熱器を基板に接触させて用いることもできるし、また非接触で用いることもできる。また温風加熱器、IRヒーターなどの非接触型の加熱器を非接触で用いることもできる。この感光性転写材料を転写した基板を加熱する工程は70℃から160℃の温度範囲で、20秒から120秒の時間範囲で行うことが好ましく、120℃から145℃の温度範囲で、20秒から50秒の時間範囲で行うことがより好ましい。120℃未満、または20秒未満であるとパターン形成後に画素の欠けを生じることがあるし、180℃を超えると感光性転写材料中の素材が分解し、感度変化、着色などを起こすことがあるし、また120秒を超えると生産性の低下が問題となることがある。
【0111】
前記感光性転写材料を基板に転写した後、所望のパターンで露光する前に、支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥がし取るが、感光性転写材料を転写した基板を加熱する工程は、支持体を剥がし取る前に行ってもよいし、支持体を剥がし取った後に行ってもよい。
【0112】
さらに、本発明の液晶表示用基材の製造方法では、少なくとも一層のナフトキノンジアジド誘導体を含む感光性転写材料を基板に転写する転写工程と所望のパターンで露光する露光工程との間に、前記感光層の熱可塑性樹脂層と中間層とを除去する工程を含むことが好ましい。前記感光層の熱可塑性樹脂層と中間層とを除去する工程は、公知の方法により行うことができ、熱可塑性樹脂層と中間層を溶解して感光層を溶解しないような溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液などを用いて、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬する、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等して、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しながら行うことができる。前記アルカリ水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。前記アルカリ性物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、燐酸三ナトリウムなどが挙げられる。
【0113】
前記感光性転写材料を基板に転写した後、所望のパターンで露光する前に、支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥がし取るが、感光性転写材料の熱可塑性樹脂層と中間層とを除去する工程は、支持体を剥がし取った後に行うのが好ましい。
【0114】
これらの、感光性転写材料をより高温状態でラミネートする方法、転写工程と露光工程との間に感光性転写材料を転写した基板を加熱する方法、転写工程と露光工程との間に感光層の熱可塑性樹脂層と中間層とを除去する方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、併せて行ってもよい。
【0115】
例えば、感光性転写材料をより高温状態でラミネートし、転写工程と露光工程との間に感光性転写材料を転写した基板を加熱し、更に、転写工程と露光工程との間に感光性転写材料の熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した後、熱可塑性樹脂層と中間層がある場合には、熱可塑性樹脂層の上方から熱可塑性樹脂層及び中間層を通して、また熱可塑性樹脂層と中間層がない場合には、感光層の上方から、感光層をポジ用のパターン状に、被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に風速0.2〜10.0m/秒で送風しつつ、露光(液晶表示用基材を形成)する工程などが挙げられる。前記光透過性部材は、ガラスあるいはプラスチック製の無色又は有色の透明部材を意味し、レンズに代表される集光しうる部材や集光せず透過のみ可能とする部材でもよい。
【0116】
前記液晶表示用基材の製造方法に用いられる液晶表示用基材としては、前記液晶配向制御用突起、前記スペーサ、前記カラーフィルタなどが挙げられる。
【0117】
<液晶配向制御用突起>
前記液晶配向制御用突起は、液晶分子の配向の向きを規制し得る形状及び形態を有し、上述のように液晶表示装置の導電層の内側(導電層と液晶層の間)に形成されていればよく、その形状、形態には特に制限はない。液晶配向制御用突起の形状としては、公知の形状の中から適宜選択することができ、例えば、基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする角錐型(三角錐、四角錐等)、半球型のものや、基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする円錐型、台形型、蒲鉾型のもの、又は、帯状に基板上(又はカラーフィルタ上)に形成されその長さ方向と直交する断面形状が三角形である三角柱状のもの、更に、その長さ方向と直交する断面形状が半円形、四角形、台形、蒲鉾形等の柱状体のものなどを用いることができる。液晶配向制御用突起は、例えば、特許第2947350号公報等に記載された形状等に形成することができる。
【0118】
また、液晶配向制御用突起の配置態様としては、公知の態様の中から適宜選択することができ、例えば、特許第2947350号公報等に記載の態様で形成できる。例えば、帯状に基板上に形成されその長さ方向と直交する断面形状が台形である複数の柱状体が等ピッチで1方向に平行に延びたパターンで配置され、且つ2枚の基板の各導電層と基板との両方の間に設けられてなる態様であってもよい(特許第2947350号公報の図14参照)。本発明の液晶配向制御用突起が両方の基板の導電層基板との間に設けられる場合には、必ずしも同形状の構造体を形成する必要はなく、異形状の構造体を組合せて形成してもよい。また、基板(又はカラーフィルタ)上に帯状に形成される液晶配向制御用突起は、直線状の形態に限られず、所定の角度をなして屈曲状の形態で設けられてもよい(特許第2947350号公報の図42及び図55等参照)。
【0119】
その他、前記液晶配向制御用突起の大きさ、配置間隔、配置形状等の詳細については、特許第2947350号公報等の記載を参照できる。
【0120】
前記構造体の形状の中でも、十分な視野角が得られる点で、基板と直交する断面が台形及び蒲鉾形のいずれかの形状を有する構造体が好ましく、前記した基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする台形型、蒲鉾型や、帯状に基板(カラーフィルタ)上に形成され、その長さ方向と直交する断面形状が半円形、台形、蒲鉾形の柱状体などが好ましい。
本発明の液晶表示用基材の製造方法により得た液晶配向制御用突起は、上述の感光性組成物を用いて形成され、前記2枚の基板にそれぞれ設けられた導電層の少なくとも一方の内側(特に基板と導電層の間)に、液晶層側に凸部となる透明な構造体として設けられる。本発明の液晶配向制御用突起を設けることで、液晶分子の配向の向きを規制し、液晶面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
【0121】
また、上述のように液晶配向制御用突起は、カラーフィルタのない液晶表示装置(白黒表示のための装置、あるいは、バックライトの色を短時間に変更しながら表示するフィールドシーケンシャル型の装置)に適用することもできる。
【0122】
<スペーサ>
前記スペーサは、液晶表示装置における液晶セルを一定の間隔に保持するための突起構造を有し、少なくとも2枚の基板と、該基板間に設けられた液晶と、該液晶に電界を印加する2枚の電極と、前記基板間のセル厚を規制するためのスペーサとして機能し、本発明の液晶表示用基材として好適であり、本発明に用いる感光性転写材料を用いてスペーサを形成することもできる。この場合、例えば、カラーフィルタ形成時に、カラーフィルタの画素材料などが2種以上重なった部分を形成しておき、透明電極などを形成後、この上に、本発明に用いる感光性転写材料の感光層を転写することによってスペーサを形成することができる。
前記スペーサの厚みは、一般にはセルギャップと等しくする必要があり、液晶配向制御用突起の厚みより厚いが、前述の構成では、カラーフィルタ材の厚みとスペーサの厚みの合計の厚みでセルギャップを規定できるので、前記感光層を厚く形成する必要はない。このため、液晶配向制御用突起とスペーサとを同時に形成することができる。
【0123】
<カラーフィルタ>
前記カラーフィルタは、液晶表示装置のディスプレイをカラー表示するため、液晶セル内に構成される部材の一つで顔料などが入った樹脂膜からなり、透明ガラス基板上に、例えば、赤、緑、青の三原色パターンが規則正しく配列するように形成され、本発明の液晶表示用基材として好適である。
前記カラーフィルタは、例えば、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、本発明の液晶表示用基材の製造方法と同様の方法、即ち、感光性組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、感光性組成物からなる感光層を形成する感光層形成工程と、光透過性部材から光を照射して、被露光面に対して、パターン状に露光を行う露光工程と、該露光工程により露光された前記感光層を現像する現像工程とを含み、前記露光の際に、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材の該被露光面側の表面との間隔が、少なくとも1.0mmであり、かつ最も前記被露光面に近い側の前記光透過性部材と前記被露光面との間に、風速0.2〜10.0m/秒で送風するカラーフィルタの製造方法により製造することができる。
【0124】
[露光工程]
前記露光工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトマスクを用いないダイレクトイメージング方法(以下「マスクレス露光」と称することがある。)を用いることができる。
前記ダイレクトイメージング方法の場合、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、図44に示すように、感光性材料231の被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材230の該被露光面側の表面との間隔Aを、少なくとも1.0mmとし、かつ前記光透過性部材230と前記被露光面との間に風速Bを0.2〜10.0m/秒で送風しつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する工程などが挙げられる。
前記被露光面は、一般的には、感光層の露出している側の表面をいい、前記感光層上に熱可塑性樹脂層、中間層、保護層などが積層されている場合は、それらが積層された最外層をいう。
【0125】
前記露光ヘッドに設けられている、レンズなどの光透過性部材の被露光面側の表面には、雰囲気中の微細なごみや、感光性材料から生ずる昇華成分などが付着することがあり、該付着物により、パターンの画素欠けなど表示特性が低下する弊害が生ずることがある。
前記微細ごみは、感光性材料を適宜カットして基材に転写する際に、カット部分から微細な破片や繊維などが生じ、微細ごみとして該感光性材料や前記レンズなどの表面に付着することがある。
前記昇華成分としては、前記感光性材料のクレゾール樹脂のオリゴマー成分やナフトキノンジアジドエステルの感光分解物成分などが考えられ、熱、光、温度などの影響を受け固体から気体又は微粒子などに昇華するものと思われる。特に該昇華成分は、前記被露面が露出した感光層の場合には、より発生しやすく、また、該昇華成分は付着し易く前記レンズなどの表面に付着し、除去し難いことがあり、清掃除去など不必要な工程が必要となり、生産性の低下を招くことがある。
本発明の露光工程では、このような弊害の発生を事前に防止し、品質、生産性をより向上させるため、前記間隔Aを設け、前記風速Bを供給する。
前記間隔Aとしては、例えば、少なくとも1.0mmあればよく、1.0〜150.0mmが好ましく、5.0〜100.0mmがより好ましく、5.0〜50.0mmが特に好ましい。前記間隔Aが、1mm未満であると、感光性材料から生ずるごみなどが露光装置の光学部材に付着しやすくなり、該ごみなどによる画素欠けの弊害が生ずることがあり、150mmを超えると、パターン形成時に解像度が低下し鮮明なパターンが形成できないことがある。
前記間隔Aの基準となる感光性材料側の測定位置としては、表面の凹凸や装着の姿勢などを考慮し、図44に示す光透過性部材230の開口部に対向する前記感光性材料の領域以外の領域から3箇所を測定ポイントとするというように、少なくとも3箇所を測定位置とし、該光透過性部材230の該被露光面側の表面と、前記3箇所の各測定位置との間隔を各々測定し、平均値を求める。測定箇所は多いほど好ましい。
【0126】
前記風速Bは、前記間隔Aの領域を通過する風の速度を言い、0.2〜10.0m/秒が好ましく、0.3〜5.0m/秒がより好ましく、0.5〜2.5m/秒が特に好ましい。前記風速Bが、0.2m/秒未満であると、前記昇華成分の前記光透過部材の表面への付着を防止できないことがあり、10.0m/秒を超えると、前記感光性材料に起因するごみ以外のごみが付着することがある。
前記風速Bの方向としては、前記間隔Aの領域に対して、前記風速で送風されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被露光面に平行方向であって、前記感光性材料の長辺方向であり、前記間隔Aの領域の外側から前記間隔Aに向かう方向であればよい。
【0127】
前記風速Bの供給方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ファンを用いた送風、ダクトからの送風、ボンベからのガスの送風などが挙げられる。
前記風速を供給する送風機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シロッコファン、軸流ファン、ターボファン、ブロワー、クロスフローファン、遠心ファンなどが挙げられる。前記送付機は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。具体例としては、安定した風速が得られるヤマト科学社製シロッコファンや、インバータシロッコファンなどが好ましい。
【0128】
前記風速Bの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図42及び図43に示すように、風速計のセンサ部220を感光性材料224の感光面上に載置し、露光装置222と該センサ部220の感知部分との距離を5mmとし、このとき、センサ部220の感知部分が、送風方向226に垂直、即ち、風に真正面に当たるようにセットし、測定する。また、前記間隔Aの領域内に微粒子を配置させ、送風時に該微粒子が移動する速度をマイクロスコープなどの測定器で観察することにより、測定することもできる。
前記風速計としては、例えば、東京硝子器械株式会社製、風速計CW−10、CW−30、CW−50、CW−60やSIBATA社製微風計ウインドボーイなどが挙げられる。これらの中でも、東京硝子器械株式会社製、風速計 CW−60やSIBATA社製微風計ウインドボーイなどが好ましい。
【0129】
前記マスクレス露光とは、パターン情報(「画像データ」ともいう)に基づいて、光照射手段からの光を変調しながら、露光ヘッドと前記感光層の被露光面とを相対走査することにより、前記感光層の被露光面上に二次元パターン(「画像」ともいう)を形成する露光方法である。これに対し、マスクを用いた従来の露光方法は、露光光を透過させない材質、又は露光光を弱めて透過させる材質でパターンを形成してなるマスクを、前記感光層の被露光面上の光路に配置して露光を行う方法である。
【0130】
前記光照射手段から照射される光の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、及びレーザ光(半導体レーザ、固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ)などが挙げられる。これらの中でも、超高圧水銀灯及びレーザ光が好ましく、光のオンオフ制御が短時間で行え、光の干渉制御が容易ある観点から、レーザ光がより好ましい。
【0131】
前記光源の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記超高圧水銀灯としては、i線(365nm)が好ましく、固体レーザとしては、YAG−SHG固体レーザ(532nm)、半導体励起固体レーザ(532nm、355nm、266nm)が好ましく、気体レーザとしては、KrFレーザ(249nm)、ArFレーザ(193nm)が好ましい。半導体レーザとしては、感光性組成物の露光時間の短縮を図る目的、及び入手のしやすさの観点から、300〜500nmが好ましく、340〜450nmがより好ましく、405nm又は410nmであることが特に好ましい。
【0132】
前記レーザ光のビーム径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層における解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e値で5〜30μnが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
また、前記レーザ光の光エネルギー量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、露光時間の短縮と解像度の観点から、1〜100mJ/cmが好ましく、5〜20mJ/cmがより好ましい。
【0133】
前記光源としては、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源が好ましく、前記光ファイバが、光源からの光を2以上合成した合波レーザ光を出射可能であることがより好ましい。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とにより合波レーザ光を合成し、照射する方法が挙げられる。
【0134】
前記露光工程において、前記光照射手段からの光を変調する光変調手段としては、前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、前記描素部をパターン情報に基づいて制御可能であるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間変調素子、及び光多面鏡(ポリゴンミラー)などが挙げられる。
【0135】
前記空間光変調素子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、ミラー階調型空間変調素子、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが好適に挙げられる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基板としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、及び制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。さらに、Grating Light Valve(GLV)を複数並べて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や、透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光源として、レーザのほかにランプ等を使用することができる。
これらの空間光変調素子の中でもDMD、及びミラー階調型空間変調素子がより好適に挙げられ、DMDが特に好適に挙げられる。
【0136】
前記光多面鏡(ポリゴンミラー)としては、複数面(例えば6面)の平面反射面を有する回転部材であって、回転によって光を走査させることが可能な限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記光多面体(ポリゴンミラー)を用いる露光においては、前記感光層の被露光面を、前記光多面体(ポリゴンミラー)の走査方向に対して直角に移動させることにより、前記被露光面前面を露光することができる。
【0137】
前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル露光、アナログ露光などが挙げられるが、デジタル露光が好適である。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
【0138】
前記露光工程において、不活性ガス雰囲気下行うことが好ましい。前記感光層形成工程により形成された感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガスを前記感光層表面に直接吹きかける方法、枠状フレームの一辺が開放され、不活性ガスの導入孔が少なくとも残りの1辺に形成された試料台中の露光空間に、露光対象である感光層が形成された試料を載置し、前記不活性ガスの導入孔から不活性ガスを導入して、感光層表面を不活性ガスで覆いつつ、露光を行う方法などが挙げられる。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
【0139】
以下、本発明の液晶表示用基材の製造方法の態様、及び該液晶表示用基材の製造方法に好適に用いられる露光装置を、図面を参照しながら説明する。
前記露光装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置の他、感光材料がドラムの外周面に巻きつけられるアウタードラムタイプの露光装置、及び感光材料がシリンダの内周面に装着されるインナードラムタイプの露光装置であってもよい。以下、一例として、フラットベットタイプの露光装置について説明する。
【0140】
<露光装置>
前記露光装置は、図1に示すように、前記感光層を前記基体上に積層してなる積層体12(以下、「感光層12」、又は「感光材料12」と表す)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
【0141】
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光層12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26(又はカメラ26)が設けられている。スキャナ24及びセンサ26(又はカメラ26)は、ゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26(又はカメラ26)は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0142】
スキャナ24には、図2及び図3Bに示すように、m行n列(例えば、2行5列)の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが備えられている。
図2に示すように、各露光ヘッド30が、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている場合には、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。
ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
【0143】
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
【0144】
スキャナ24による感光層12の副走査が終了し、センサ26(又はカメラ26)で感光層12の後端が検出されると、ステージ14は、ステージ駆動装置304により、ガイド20に沿ってゲート22の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド20に沿ってゲート22の上流側から下流側に一定速度で移動される。
【0145】
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
【0146】
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されていてもよい。
各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
【0147】
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
【0148】
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、N重露光を行う場合、理想のN重露光を実現するために描素部を選択する後述の使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれていてもよい。また、前記光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
【0149】
露光時における前記露光装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
【0150】
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
【0151】
<<露光ヘッド>>
露光ヘッド30の概略構成の一例を、図4、図5A及び図5Bに示す。図4、図5A及び図5Bでは、前記露光ヘッド30中を伝播する光の光路に沿って、各構成要素を示している。
本例では、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備え、光照射手段として、ファイバアレイ光源38を備えている。
【0152】
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させる集光レンズ系40、この集光レンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、集光レンズ系40を概略的に示してある。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の露光面上に結像する結像レンズ系50が配置されている。なお図4では、結像レンズ系50を概略的に示してある。
【0153】
前記集光レンズ系40は、例えば、図5A及び図5Bに示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成され、さらに後述する他の部材などからなる。
前記結像レンズ系50は、例えば、DMD36と感光層12の露光面とが共役な関係となるように配置された2枚のレンズ52及び54で構成され、さらに、マイクロレンズアレイ、及びアパーチャアレイ等の後述する他のレンズ群からなる。
【0154】
−光変調手段−
前記光変調手段としてのDMD36は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0155】
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された図8のコントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0156】
また、DMD36は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図9AはDMD36を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図9BはDMD36を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0157】
DMD36には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図9Bに示すように、DMD36を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD36を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD36の傾斜角は微小であるので、DMD36を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD36を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
【0158】
異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光されることにより、アライメントマークに対する露光位置の微少量を制御することができ、高精細な露光を実現することができる、また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目(ヘッド間つなぎ領域)を微少量の制御により段差なくつなぐことができる。
DMDを傾斜させるかわりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらし、図10に示すように千鳥情に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0159】
なお、図10に示すように、スキャナ24によるX方向への1回の走査で感光層12の全面を露光してもよく、図11A及び図11Bに示すように、スキャナ24により感光層12をX方向へ走査した後、スキャナ24をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査で感光層12の全面を露光するようにしてもよい。
【0160】
−光照射手段−
前記光照射手段の好適な例として、合波レーザを照射可能な手段、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する手段(ファイバアレイ光源)について説明する。
【0161】
ファイバアレイ光源38は、図12に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図13に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
【0162】
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図13に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
【0163】
このような光ファイバは、例えば、図14に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
【0164】
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
【0165】
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
【0166】
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
【0167】
ただし、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
【0168】
レーザモジュール60は、図15に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
【0169】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350〜450nmの波長範囲で、前記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
【0170】
前記合波レーザ光源は、図16及び図17に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に前記合波レーザ光源が気密封止されている。
【0171】
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0172】
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
【0173】
なお、図17においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
【0174】
図18は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図18の左右方向)と直交するように、前記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0175】
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0176】
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0177】
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0178】
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、露光装置の低コスト化が図られる。
【0179】
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
【0180】
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
【0181】
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図19に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図20Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。ただし、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
【0182】
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図20Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
【0183】
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図21に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
【0184】
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
【0185】
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、前記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
【0186】
また、図22に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
【0187】
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
【0188】
前記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
【0189】
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図23A及び図23Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
【0190】
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
【0191】
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
【0192】
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
【0193】
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
【0194】
前記合波レーザ光源は、前記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明の露光装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
【0195】
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
【0196】
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
【0197】
−−輝度−−
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ64の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ64がアレイ状に配列されたレーザ出射部での出力は約1W(=180mW×6)である。
【0198】
ファイバアレイ光源のレーザ出射部には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
【0199】
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
【0200】
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
【0201】
−−焦点深度−−
ここで、図24A及び図24Bを参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図24Aに示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)38aの発光領域が大きいので、DMD36へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
【0202】
一方、図24Bに示すように、本発明の露光装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源38bの発光領域の副走査方向の径が小さいので、集光レンズ系40を通過してDMD36へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図24A及び図24Bは、光学的な関係を説明するために展開図とした。
【0203】
〔光量分布の補正方法〕
前記光変調手段を備えるデジタル露光装置では、各描画単位で微細なパターンを高精度に形成するために、露光ヘッド内の各描画単位の光量が均一であることが重要である。ただし実際には、露光ヘッドから照射される光ビームは、レンズ系の要因で光軸の中心部に比べて周辺部の光強度が低下してしまうという問題がある。
そこで、前記光照射手段から前記光変調手段に照射される光の光量分布を補正し、被露光面上での露光光の光量分布を均一に補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図25に示す。
【0204】
前記光量分布補正方法は、集光レンズ系により光照射手段から光変調手段に照射される光の照射領域内における光量に分布を持たせ、前記光変調手段により変調された光の感光層の被露光面における光量分布が均一になるように補正する方法であり、以下に説明する第1の形態、及び第2の形態が好適に挙げられる。
【0205】
−第1の実施形態−
DMDの光反射側には投影光学系が設けられ、この投影光学系は、DMDの光反射側の露光面にある感光層上に光源像を投影するため、DMD側から感光層へ向って順に、レンズ系、マイクロレンズアレイ、対物レンズ系の各露光用の光学部材が配置されて構成されている。
前記レンズ系及び前記対物レンズ系は、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズ等)を組み合せた拡大光学系として構成されており、DMDにより反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMDにより反射されたレーザビームによる感光層上の露光エリアの面積を所定の大きさに拡大している。なお、感光層は、対物レンズ系の後方焦点位置に配置される。
【0206】
通常は、この光ビームの光量(光強度)分布は、レンズ系の要因により光軸の中心部に比べて周辺部が低下してしまうが、本実施形態の露光ヘッドには、ファイバアレイ光源から出射されたレーザ光の光量分布を均一化してDMDに照射するために、DMDの光入射側の光路上に配置した集光レンズ系にロッドインテグレータを設けている。ただし、このロッドインテグレータによっても、本実施形態のように各描画単位をマイクロレンズアレイによって集光する系では、光軸中心部に対する周辺部の光強度低下が顕著となり、より高い精度で画像露光を行う場合に光量分布を要求精度まで補正することが難しい。また、この光量分布の補正精度を高めるために、ロッドインテグレータを長尺化することも考えられるが、その場合、ロッドインテグレータは非常に高価な光学部品であるため、装置コストが上昇し、また、露光ヘッドが大型化してしまう弊害がある。
【0207】
これに対し、本実施形態の露光ヘッドでは、前述したように、ファイバアレイ光源38から集光レンズ系へ入射されたレーザ光が、主光線の角度に分布を持ち光軸中心に比べて周辺部の光輝度が高められたレーザ光とされて集光レンズ系から出射され、DMDに照射されるため、DMDのレーザ光照射領域における光量分布は、光軸中心に比べて周辺部の光量が高められる。そのため、DMDにより画素毎に変調された光ビームが、光軸中心から周辺部に行くに従って光の透過量を低下させる特性を持つマイクロレンズアレイを透過して感光層の露光面に照射されると、露光面での光ビームの光量分布は均一になるよう補正される。
【0208】
−第2の実施形態−
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る露光装置の露光ヘッドにおいて、集光レンズ系に、非球面レンズを有するテレセントリック光学系を設けることで、第1の実施形態と同様に露光面での光ビームの光量分布を均一化する技術である。
【0209】
第2の実施形態に係る露光ヘッドでは、例えば集光レンズ系に、2枚で一組の平凸レンズにより構成されたテレセントリック光学系が設けられており、このテレセントリック光学系は、例えばロッドインテグレータと集光レンズの間に配置されている。
【0210】
平凸レンズは、凸面側が非球面状に形成された非球面レンズとされている。レーザ光の入射側(ファイバアレイ光源側)に配置された平凸レンズは、入射面の面形状が、曲率半径が光軸(光軸中心)から離れるに従い大きくなる非球面、換言すれば、曲率が光軸Xから離れるに従い小さくなる非球面とされ、出射面が平面状とされている。また、レーザ光の出射側(DMD側)に配置された平凸レンズは、入射面が平面状とされ、出射面の面形状が、曲率半径が光軸Xから離れるに従い小さくなる非球面、換言すれば、曲率が光軸Xから離れるに従い大きくなる非球面とされている。
【0211】
〔焦点位置精度の補正方法〕
前記結像レンズ系を構成する投影レンズの像面湾曲、非点隔差、歪曲等は、テレセントリック性を低下させ、露光光の焦点位置精度を悪化させるという問題がある。この影響を排除するために多重露光を行うと、露光スピードの低下、画質の低下などが生じるという問題がある。
そこで、結像レンズ系において、被露光面上での露光光の焦点位置精度を補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図29、図35A及び図35Bに示す。
【0212】
前記焦点位置精度の補正方法としては、例えば、光変調手段により変調された光の光路長を変更し、感光層の被露光面に結像する露光光の焦点を調節する焦点調節手段を用いる方法、及び、前記結像レンズ系の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、光変調手段により変調された光を結像する方法が好適に挙げられる。また、前記感光層(感光材料)の相対移動の方向を、該感光材料のうねり方向に向けて移動させる方法も好適に挙げられる。
【0213】
〔露光パターン像歪みの補正方法〕
前記空間光変調素子の各描素部の面の歪みは、集光位置における光ビームに歪みをもたらすという問題があり、特に、前記DMDを空間光変調素子として用いた場合には顕著であり、高精細な露光パターンが形成されないという問題がある。
そこで、前記DMDからの光を収束するマイクロレンズアレイにおいて該DMDの出射面の歪みを補正することにより、前記感光層の被露光面上に結像される像の歪みを補正する方法を以下に説明する。
【0214】
前記露光パターン像歪みの補正方法としては、例えば、前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズを、前記描素部の面の歪みによる収差を補正する特性を有するものとすることが挙げられ、そのようなマイクロレンズとしては、具体的には、非球面を有するマイクロレンズ、屈折率分布を有するマイクロレンズ、及び周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズなどが挙げられる。
【0215】
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、前記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
【0216】
さらに、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイのマイクロレンズが、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
【0217】
なお、先に述べたマイクロレンズのように、面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
【0218】
次に、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイについて説明する。
先に説明した通り、DMDのマイクロミラーの反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラーの中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラーの1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、前記の傾向もより顕著となっている。この問題に対処するために、アレイ状に配設されたマイクロレンズが、円形のレンズ開口を有することが好ましい。
そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラーの反射面の周辺部、特に、四隅部で反射したレーザ光はマイクロレンズによって集光されなくなり、集光されたレーザ光の集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。したがって、歪みのない、より高精細な画像を感光層に露光可能となる。
【0219】
〔多重露光による補正〕
上述のとおり、前記露光ヘッドを構成する各種レンズ系に起因する露光光の歪みの影響は、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。さらに、前記露光ヘッドの取付け位置や取付け角度のズレに起因する解像度のばらつきや濃度ムラも、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。
【0220】
具体的には、走査方向に対し描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置されてなる露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う方法が好適に挙げられる。
【0221】
前記N重露光とは、前記感光層上の被露光面の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、該被露光面上に照射されたN本の光線列と交わる露光をいう。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
【0222】
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
【0223】
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
【0224】
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、前記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、前記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、前記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
【0225】
図25は、前記のように初期調整された露光装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
【0226】
図25の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図25では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
【0227】
図25の例では、設定傾斜角度θを前記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と前記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
【0228】
さらに、図25の例では、露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差などが挙げられる。
図25の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
【0229】
前記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図26及び70を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
【0230】
−実傾斜角度θ´の特定−
図26は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、前記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
【0231】
図27は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す前記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
【0232】
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図27における右方に相対移動させる。そして、図27において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
【0233】
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図27における左方に相対移動させる。そして、図27において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
【0234】
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X、Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
【0235】
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
【0236】
ここで、前記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
【0237】
図28は、前記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図25に示した露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、前記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記使用描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図28に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
【0238】
一方、図28の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
【0239】
また、図28の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
【0240】
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
【0241】
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
【0242】
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
【0243】
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
【0244】
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、前記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、露光装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
【0245】
図29は、前記のように初期調整された露光装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
【0246】
図29の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図29の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図29では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
【0247】
図29の例では、前記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
【0248】
前記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
【0249】
−位置(座標)の検出−
図30は、図29と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
【0250】
図31は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す前記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
【0251】
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図31における右方に相対移動させる。そして、図31において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
【0252】
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図31における左方に相対移動させる。そして、図31において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
【0253】
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
【0254】
−不使用描素部の特定−
図29の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、前記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図29において、露光エリア3221の光点P(25,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア32の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図32において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
【0255】
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、前記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1、1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
【0256】
その結果、たとえば、図32において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
【0257】
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図32の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
【0258】
なお、前記の例においては、図32において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
【0259】
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
【0260】
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
【0261】
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて前記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、前記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
【0262】
図33は、前記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整された露光装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
【0263】
図33の例では、図29の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と30の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図33の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が前記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
【0264】
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
【0265】
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
【0266】
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
【0267】
ここで、前記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
【0268】
その後、図34において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図29から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図34において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
【0269】
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
【0270】
以上、露光装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、前記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
【0271】
また、前記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
【0272】
さらに、前記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
【0273】
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、前記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図35Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図35Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図5A及び図5Bのレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
【0274】
前記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、前記の角度歪みの残留要素と同様、2重露光による埋め合わせの効果で均すことができる。
【0275】
<<参照露光>>
前記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
【0276】
図36A及び図36Bは、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図36Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図36Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
【0277】
図37は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図37に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図37に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
【0278】
図38A及び図38Bは、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図38Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図38Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
【0279】
図39は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図39に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図39に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
【0280】
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
【0281】
また、前記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを露光面上に形成することができる。
【0282】
〔ジャギー低減方法〕
解像度を高めるために、前記露光ヘッドを傾斜させて露光を行うと、形成する露光パターンによっては、無視できないジャギーが発生してしまうという問題がある。例えば、走査方向又はそれと直交する方向に延在する直線状のパターンを形成する場合、前記光変調手段によって形成される各描素部の位置と、パターンの所望の描画位置との間のずれがジャギーとして視認されてしまうことがある。
この問題に対し、単位面積当たりの描画画素数を増加させる等の手段を講じることなく、最適な描画条件を設定することにより、ジャギーの発生を抑制する方法を説明する。
【0283】
露光ヘッドは、シートフイルム(感光材料)の走査方向と直交する方向に2列で千鳥状に配列される。各露光ヘッドに組み込まれるDMDは、高い解像度を実現すべく、走査方向に対して所定角度傾斜した状態に設定される。すなわち、DMDをシートフイルムの走査方向に対して傾斜させることにより、DMDを構成するマイクロミラーの走査方向と直交する方向に対する間隔が狭くなり、これによって、走査方向と直交する方向に対する解像度を高くすることができる。なお、露光ヘッド間の継ぎ目が生じることのないよう、各露光ヘッドによる露光エリアが走査方向と直交する方向に重畳するように設定される。
【0284】
露光装置を制御する制御ユニット(制御手段)は、エンコーダにより検出した移動ステージの位置データに基づいて同期信号を生成する同期信号生成部と、生成された同期信号に基づいて移動ステージを走査方向に移動させる露光ステージ駆動部と、シートフイルムに描画される画像の描画データを記憶する描画データ記憶部と、同期信号及び描画データに基づいてDMDのSRAMセルを変調制御し、マイクロミラーを駆動するDMD変調部とを備える。
【0285】
また、制御ユニットは、同期信号生成部により生成される同期信号を調整する周波数変更部(描画タイミング変更手段)、位相差変更部(位相差変更手段)及び移動速度変更部(移動速度変更手段)を備える。
【0286】
周波数変更部は、DMDを構成するマイクロミラーの走査方向に対するオンオフ制御のタイミングを決定する周波数を変更して同期信号生成部に供給し、シートフイルムに描画される画素の走査方向の間隔を調整する。位相差変更部は、走査方向と略直交する方向に隣接して配列されたマイクロミラーのオンオフ制御のタイミングの位相差を変更して同期信号生成部に供給し、シートフイルムに描画される画素の走査方向に対する位相差を調整する。移動速度変更部は、移動ステージの移動速度を変更して同期信号生成部に供給することで移動ステージの移動速度を調整する。
【0287】
さらに、制御ユニットには、必要に応じて、露光ヘッド回転駆動部(描画画素群回転手段)及び光学倍率変更部(描画倍率変更手段)を配設することができる。露光ヘッド回転駆動部は、露光ヘッドをレーザビームLの光軸の回りに所定角度回転させ、シートフイルム上に形成される画素配列の走査方向に対する傾斜角度を調整する。なお、露光ヘッドの一部の光学部材を回転させることによって、画素配列の傾斜角度を調整するようにしてもよい。光学倍率変更部は、露光ヘッドの第2結像光学レンズにより構成されるズーム光学系を制御して光学倍率を変更し、隣接するマイクロミラーによりシートフイルム上に形成される画素の配列ピッチ又は同一のマイクロミラーによる描画ピッチを調整する。
【0288】
[現像工程]
前記現像工程は、前記露光の後、現像処理して、熱可塑性樹脂層と中間層がある場合には熱可塑性樹脂層と中間層と感光層の不要部を、熱可塑性樹脂層と中間層がない場合には感光層の不要部を除去する工程である。
【0289】
前記現像は、公知の方法により行え、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液等を用いて、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬する、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等して、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しながら行うことができる。
【0290】
前記アルカリ水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。前記アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類、燐酸三ナトリウムなどが挙げられる。
【0291】
アルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度としては、0.01〜30質量%が好ましく、更にpHとしては、8〜14が好ましい。
【0292】
前記水混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。この有機溶剤の添加量としては、0.1〜30質量%が好ましい。
【0293】
また、アルカリ水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の濃度としては、0.01〜10質量%が好ましい。現像時の温度としては、通常、室温付近〜40℃が好ましい。更に、現像処理した後に、水洗処理する工程を入れることもできる。
【0294】
[その他の工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知の液晶表示用基材の製造方法における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0295】
−硬化処理工程−
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。硬化処理工程を行うことにより、構造体の収縮、適度な流動によって構造体の形状を適度になだらかにすることができる。
【0296】
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
【0297】
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記液晶配向制御用突起やスペーサが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、形成された液晶配向制御用突起やスペーサの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
【0298】
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記液晶配向制御用突起やスペーサが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、200〜300℃が好ましく、220℃〜260℃がより好ましく、230℃〜250℃が特に好ましい。該加熱温度が200℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、300℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、20〜70分がより好ましく、30〜60分が特に好ましい。このように温度及び時間を設定して前記ベークを行うことで、感光性樹脂成分中の架橋反応が進行しやすく、カラーフィルタなどの変色を防止し生産性を高めることができる。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
【0299】
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示用基材の製造方法により得た液晶表示用基材を用いて形成された本発明の液晶表示装置は、互いに対向し合う側の表面に導電層が設けられた2枚の基板間に液晶層が挟持され、既述の液晶配向制御用突起を基板上の導電層の外側(導電層と液晶層との間)から液晶層側に凸部となるように備えて構成することができる。また、導電層上にはこれらを覆って配向膜を形成することもできる。
【0300】
本発明の液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という場合がある。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるものなどが挙げられる。
【0301】
前記導電層としては、例えば、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO等の金属酸化膜などが挙げられ、中でも透明性のものが好ましく、ITO膜が特に好ましい。前記駆動側基板、カラーフィルタ側基板、対向基板は、その基材として、例えば、ソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィルム等を用いて構成される。
【0302】
TFT等の駆動素子と画素電極とが配列形成された駆動側基板としては、例えば、互いに垂直に交わってマトリックス状に配設されたデータバスライン及びゲートバスラインと接続されたTFT、及びTFTを介してデータバスラインと接続する導電層が設けられたものなどが挙げられる。
【0303】
前記態様のいずれにおいても、液晶表示素子を構成する基板の両方に導電層が形成され、該両導電層間に電圧が印加されその間に挟持される液晶材料がその電圧に応じて配向状態を変化させ表示を行う。従って、既述の構造体は、いずれの導電層の内側(導電層と基板の間)にも所望の形状、形態で形成することができる。
【0304】
前記構成態様(1)について上述の図40及び図41を用いて説明する。前記構成態様(1)の一例としては、上述の図41で示される液晶表示装置が挙げられる。図41を例に説明すると、一方のガラス基板212、カラーフィルタ214及び導電層216からなる基板は、カラーフィルタ側基板である。ガラス基板212の液晶層219に対向する側の表面には、カラーフィルタ214、共通電極をなす導電層(ITO膜)216、及び、等ピッチで形成された断面台形の液晶配向制御用突起213が形成されている。更に、導電層216及び液晶配向制御用突起213と液晶層219との間には、図示を省略する配向膜を設けることができる。他方のガラス基板211及び導電層217からなる基板は、TFTを備える駆動側基板である。該駆動側基板の液晶層219に対向する側の表面には、TFT(図示せず)、該TFTのドレイン電極と接合する導電層(ITO膜)217、及び、等ピッチで形成された断面台形の液晶配向制御用突起213(図41では1個のみ示す)が形成されている。前記駆動側基板には、図示を省略するゲート電極をなすゲートバスラインが複数本形成されており、該ゲートバスラインに直交して図示を省略する複数本のデータバスラインが平行に形成され、これらゲートバスラインとデータバスラインの交点に対応して複数個のTFTが配列されている。更に、TFT、導電層217及び液晶配向制御用突起213と液晶層219との間には、図示を省略する配向膜を設けることができる。前記カラーフィルタ側基板及び前記駆動側基板の間には、液晶材料を封入してなる液晶層219が挟持され、液晶配向制御用突起213は導電層216又は217の外側から液晶層219側に凸部に突起し、該凸部面に沿って液晶分子218が配向している。
【0305】
以上の通り、本発明の液晶表示装置は、基板の導電層の内側(導電層と液晶層の間)に、透明な液晶配向制御用突起が設けられるので、液晶表示面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができると共に、3原色(B(青色)、G(緑色)、R(赤色))の色純度をも損なわれず、色相ズレのない鮮明なフルカラー画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。
【0306】
なお、上述の図40に示す液晶表示装置は、カラーフィルタを備えていない以外には、前記図41と同様である。即ち、前記カラーフィルタ側基板及び前記駆動側基板の間には、液晶材料を封入してなる液晶層219が挟持され、液晶配向制御用突起213は導電層217の外側から液晶層219側に凸部に突起し、該凸部面に沿って液晶分子218が配向している。この構成態様によっても、基板の導電層と液晶層との間に、着色のない透明な液晶配向制御用突起が設けられるので、液晶表示面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
【実施例】
【0307】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0308】
(実施例1)
−感光性転写材料(1)の作製−
支持体として、厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を準備し、該支持体上に、下記組成からなる熱可塑性樹脂層用塗布液H1を塗布、乾燥して、乾燥厚み14.6μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
【0309】
<熱可塑性樹脂層用塗布液H1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタク
リレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7
/4.5/28.8、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃)のメチルエチル
ケトン、1−メトキシプロピル−2−アセテート溶液(三井化学株式会社製、
商品名:アロマテックスFM−601) 55.5質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均
分子量=1万、Tg≒100℃)のメチルエチルケトン、1−メトキシプロピル−2
−アセテート溶液(日本触媒株式会社製アロセット7055) 64.8質量部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水
縮合した化合物の1−メトキシプロピル−2−アセテート溶液(新中村化学株式会社製
2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン)
18.1質量部
・C13CHCHOCOCH=CH
H(O(CH)CHCHOCOCH=CH
H(OCHCHOCOCH=CHの共重合体(共重合組成比(質量比)=
40/55/5、重量平均分子量=3万)の30%メチルエチルケトン溶液(大日本
インキ化学工業株式会社製メガファックF−780F) 1.08質量部
・メチルエチルケトン 60.5質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0310】
続いて、前記熱可塑性樹脂層上に、下記組成よりなる中間層用塗布液B1を塗布、乾燥して、乾燥厚み1.6μmの中間層を形成した。
【0311】
<中間層塗布液B1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度500)(株式会社クラレ製PVA
−205) 3.22質量部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン株式会社製:PVP K−30)
1.49質量部
・メタノール 42.9質量部
・蒸留水 52.4質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0312】
続いて、下記組成よりなる感光層用塗布液T1を調製し、前記中間層上に更に塗布し、乾燥して乾燥厚み1.8μmの感光層を積層した。
【0313】
<感光層用塗布液T1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製
FH−2413F) 53.3質量部
・メチルエチルケトン 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.04質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0314】
更に、前記感光層上に、保護フィルムとしてOSM−Nフィルム(Tredegar Film Products製、23μm)を圧着貼付して設け、支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光層、保護フィルムがこの順に積層された感光性転写材料(1)を作製した。
【0315】
−液晶パネルの作製−
まず、所定サイズのガラス基板に、以下に示すブラックマトリクス用樹脂組成物K1を用いて所定サイズ、形状からなるストライプ状のブラックマトリックスと額縁状の遮光部を形成した。その後、特開2000−98599号公報などに記載のカラーフィルタの製造方法により、所定の位置にR1(赤色)、G1(緑色)、B1(青色)からなる着色膜を形成した。R1、G1、B1の組成比と顔料の塗布量を以下に示す。更にこの上に透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
【0316】
<ブラックマトリクス用樹脂組成物K1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・黒顔料分散物1(カーボンブラックを13.1質量部、下記化学式1で表される
化合物を0.65質量部、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=
72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)を6.72質量部、1−
メトキシプロピル−2−アセテートを79.53質量部) 25質量部
・1−メトキシプロピル−2−アセテート 8.0質量部
・メチルエチルケトン 53質量部
・バインダー1(共重合組成がモル比でベンジルメタクリレート/メタクリル酸=
78/22のランダム共重合物分子量3.8万を27質量部、1−メトキシプロ
ピル−2−アセテート 73質量部) 9.1質量部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002質量部
・DPHA液 (ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを主成分とする日本
化薬株式会社商品名 KAYARAD DPHA(重合禁止剤MEHQ500ppm
含有)を76重量% 1−メトキシプロピル−2−アセテートを24重量%)
4.2質量部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカル
ボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.16質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.044質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0317】
【化1】


【0318】
<赤色着色膜用樹脂組成物R1の組成と顔料塗布量>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・R顔料分散物1(C.I.P.R.254を8質量部、前記化学式1で表される
化合物を0.8質量部、ポリマー(ランダム共重合の比率 ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸=72/28 モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)を
8質量部、1−メトキシプロピル−2−アセテートを83質量部) 44質量部
・R顔料分散物2(C.I.P.R.177を18質量部、ポリマー(ランダム
共重合の比率 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28 モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万)を12質量部、1−メトキシプロピル
−2−アセテートを70質量部) 4.9質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.6質量部
・メチルエチルケトン 37質量部
・バインダー2(共重合組成がモル比でベンジルメタクリレート/メタクリル酸
/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物分子量3.8万
を27質量部、1−メトキシプロピル−2−アセテート 73質量部) 0.8質量部
・前記DPHA液 4.4質量部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール 0.14質量部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシ
カルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.06質量部
・フェノチアジン 0.010質量部
・燐酸エステル系特殊活性剤(楠本化成株式会社商品名:HIPLAAD
ED−152) 0.52質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.03質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○顔料の塗布量 PR−254 0.88g/m、PR−177 0.22g/m
【0319】
<緑色着色膜用樹脂組成物G1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・G顔料分散物1(C.I.P.G.36を18質量部、ポリマー(ベンジルメタ
クリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)
を12質量部、シクロヘキサノンを35質量部、1−メトキシプロピル−2−アセテ
ートを35質量部) 25.4質量部
・Y顔料分散物1:商品名CFエローEX3393 御国色素株式会社製
13.4質量部
・1−メトキシプロピル−2−アセテート 23.4質量部
・メチルエチルケトン 29.7質量部
・バインダー1(共重合組成がモル比でベンジルメタクリレート/メタクリル酸=
78/22のランダム共重合物分子量3.8万を27重量%、1−メトキシプロピ
ル−2−アセテート 73重量%) 3.2質量部
・前記DPHA液 4.6質量部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール 0.16質量部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシ
カルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.06質量部
・フェノチアジン 0.005質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.07質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○顔料の塗布量 PG−36 1.12g/m、PY−150 0.48g/m
【0320】
<青色着色膜用樹脂組成物B1の組成>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・B顔料分散物1
商品名CFブルーEX3357 御国色素株式会社製 7.6質量部
・B顔料分散物2
商品名CFブルーEX3383 御国色素株式会社製 13.8質量部
・1−メトキシプロピル−2−アセテート 24.5質量部
・メチルエチルケトン 31.5質量部
・バインダー3(共重合組成がモル比でベンジルメタクリレート/メタクリル酸/
メチルメタクリレート=36/22/42のランダム共重合物分子量3.8万を
27重量%、1−メトキシプロピル−2−アセテート 73重量%)18.4質量部
・前記DPHA液 4.0質量部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール 0.16質量部
・フェノチアジン 0.02質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.05質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
○顔料の塗布量 PB−15:6 0.63g/m、PV−23 0.07g/m
【0321】
続いて、前記より得た感光性転写材料(1)から保護フィルムを剥がし、その感光層の表面と前記カラーフィルタ側基板のITO膜が設けられた側の表面とを重ね合わせ、ラミネータ(商品名:LamicII型、株式会社日立インダストリイズ製)を用いて、基板加熱温度(T1)100℃、ロール温度(T2)130℃、基板搬送速度(V)2.2m/分、線圧100N/cm、の条件下で貼り合わせた。その後、感光性転写材料(1)の支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、除去した。この状態では、カラーフィルタ側基板上に、感光層、中間層、熱可塑性樹脂層がこの順に積層されている。
【0322】
−露光工程−
カラーフィルタ側基板上の前記感光層に対し、図1に示す露光装置を用い、前記感光層と露光ヘッドとを相対移動させながら、図44に示すように、感光性材料231の被露光面と、光路に配置される光透過性部材のうち最も前記被露光面に近い側の光透過性部材230の該被露光面側の表面との間隔Aを、10mmとし、かつ前記光透過性部材230と前記被露光面との間に風速Bを0.8m/秒で送風しつつ、80mJ/cm相当のカラーフィルタパターンの露光を行った。露光は、波長405nmのレーザ光で多重露光により行った。
前記多重露光における前記光照射手段として合波レーザ光源と、前記光変調手段として主走査方向にマイクロミラー58が1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1,024個×256列のみを駆動するように制御したDMDと、図5A及び図5Bに概略図を示した集光レンズ系及び結像レンズ系とを有する露光ヘッドを備えた露光装置を用いた。
【0323】
前記DMDの設定傾斜角度としては、使用可能な1,024列×256行のマイクロミラーを使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。
この角度θidealを、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラーの列方向の個数s、使用可能なマイクロミラーの列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1〜式3を用いて求めた。
spsinθideal≧Nδ(式1)
pcosθideal=δ(式2)
stanθideal=N(式3)
s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとして、0.50度を採用した。
【0324】
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図33に示した。ただし、図33では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
【0325】
図33に示したとおり、露光ヘッド3212と3221の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
【0326】
前記光点位置検出手段として図1に示すスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3212ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3221については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
【0327】
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3212と3221のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3212についてはT=254、露光ヘッド3221についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
【0328】
その後、図34において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図34において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
【0329】
<風速の測定方法>
前記風速は、東京硝子器械株式会社製、風速計 CW−60を用いて測定した。
前記測定の条件は、図40及び図41に示すように、風速センサ220を感光性材料224の感光面上に載置し、露光装置222と該風速センサの中心部との距離を5mmとした。このとき、風速センサ220は、送風方向226に垂直となるようにセットした。送風機から送られる風は、前記感光性材料の長手方向と平行になるように供給される。
送風機は、安定した風速が得られるヤマト科学株式会社製シロッコファンYCD101Dを用いた。
【0330】
−現像工程−
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像し、前記感光層の不要部(露光部)を現像除去した。すると、カラーフィルタ側基板上には、所望の形状に液晶表示用基材が形成された感光層よりなる構造体が形成された。
次いで、該構造体が形成されたカラーフィルタ側基板を230℃下で30分ベークすることにより、カラーフィルタ側基板上に液晶配向制御用突起(a)を形成することができた。該液晶配向制御用突起(a)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。
【0331】
前記液晶配向制御用突起(a)が形成された基板とは別に、対向基板としてTFT(Thin Film Transistor)基板を用意した。このTFT基板の一方の表面は、スパッタリングによりITO(Indium Tin Oxide)膜が形成されている。続いて、TFT基板のITO膜上及びカラーフィルタ基板のフォトスペーサが設けられた側のITO膜上に、ポリイミドからなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられているブラックマトリクスの外枠に相当する位置に、エポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、カラーフィルタ基板をTFT基板と貼り合わせた。次いで、貼り合わされた2枚の基板を熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚の基板の積層体を得た。この積層体を真空下で脱気した後、大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入した。該液晶を注入終了後、注入口部分を紫外線(UV)硬化型接着剤を付与し、紫外線を照射して封止することにより液晶セルを得た。
【0332】
このようにして得た液晶セルの両面に、偏光板(HLC2−2518、株式会社サンリツ製)25,23を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H、緑色(G)LEDとしてDG1112H、及び青色(B)LEDとしてDB1112H(いずれもスタンレー株式会社製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置して、本発明のMVAモード液晶表示装置を作製した。
【0333】
〔評価〕
得られた500枚の液晶配向制御用突起が形成された基板について、各々下記の評価を行った。結果を表1に示す。
<画素欠けの割合>
前記画素の欠けの割合は、得られた液晶配向制御用突起付き基板の1cmあたりにおいて、変形、欠け、抜けなどが認められる画素の数と、全画素の数との比により求めた。本実施例の場合、液晶配向制御用突起付き基板の1cmあたりにおいて、前記画素数は、80〜200個であり、抜けとは、一画素が欠落したことをいい、変形、欠けとは、一画素において、少なくとも1個以上変形し、1個以上欠けていることをいう。
【0334】
<パネル表示性能>
得られた基板を用いて公知の方法(特開平11−248921号公報)により液晶パネルを作製し、表示性能を下記の方法により評価したところ十分な性能を示した。
液晶表示装置の各々について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視及びルーペにて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
○:表示ムラは全く認められなかった。
△:表示ムラが僅かに認められた。
×:表示ムラが顕著に認められた。
【0335】
<生産性>
前記生産性は、生産現場における人、物、設備の有効活用を図ることができ、より少ない設備投資で仕掛りの少なく(生産リードタイムが短い)、作業効率100%を目指した生産ラインに効果的であるか否か、歩留まりの程度、品質の均一性などを総合評価し、下記の基準により段階評価した。
◎ 生産性に極めて効果的である。
○:生産性に効果的である。
△:生産性に効果が乏しい。
×:生産性の向上に障害となる。
【0336】
(実施例2)
実施例1の間隔Aが10mmを、間隔Aが20mmに代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(b)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0337】
(実施例3)
実施例1の風速Bが0.8m/秒を、風速Bが2m/秒に代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(c)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0338】
(実施例4)
実施例1の間隔Aが10mmを、間隔Aが150mmに代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(d)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0339】
(実施例5)
実施例1の間隔Aが10mmを、間隔Aが2mmに代え、更に、多重露光に代え、以下のトーリックによる露光に代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(e)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
前記トーリックによる露光は、前記光照射手段として合波レーザ光源と、前記光変調手段として、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された前記光変調手段の内、1024個×256列のみを駆動するように制御されたDMDと、一方の面がトーリック面であるマイクロレンズをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系とを有するパターン形成装置を用いた。
【0340】
(実施例6)
実施例5の間隔Aが2mmを、間隔Aが10mmに代え、更に、風速Bが0.8m/秒を、風速Bが0.2m/秒に代えた以外は、実施例5と同様に、実施例5の液晶配向制御用突起(e)と同じ液晶配向制御用突起(f)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0341】
(実施例7)
実施例5の間隔Aが2mmを、間隔Aが10mmに代え、更に、風速Bが0.8m/秒を、風速Bが10m/秒に代えた以外は、実施例5と同様に、実施例5の液晶配向制御用突起(e)と同じ液晶配向制御用突起(g)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0342】
(比較例1)
実施例1の風速Bが0.8m/秒を、風速Bが0.1m/秒に代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(h)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0343】
(比較例2)
実施例1の間隔Aが2mmを、間隔Aが0.5mmに代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(i)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0344】
(比較例3)
実施例1の風速Bが0.8m/秒を、風速Bが12m/秒に代えた以外は、実施例1と同様に、実施例1の液晶配向制御用突起(a)と同じ液晶配向制御用突起(j)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0345】
(比較例4)
実施例1におけるフォトマスクを用いない多重露光に代え、該フォトマスクを用い、最外層である熱可塑性樹脂層の上方に、所定のフォトマスクが、感光層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。その後、1%トリエタノールアミン水溶液を、シャワー式現像装置にて30℃で60秒間基板に噴霧して、熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この段階では、感光層は実質的に現像されていなかった。
【0346】
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光層の不要部(露光部)を現像除去した。すると、カラーフィルタ側基板上には、所望の形状に液晶表示用基材形成された感光層よりなる構造体が形成された。
次いで、該構造体が形成されたカラーフィルタ側基板を230℃下で30分ベークすることにより、カラーフィルタ側基板上に液晶配向制御用突起(k)を形成することができた。該液晶配向制御用突起(k)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0347】
(比較例5)
実施例5の風速Bが0.8m/秒を、風速Bが0.1m/秒に代えた以外は、実施例5と同様に、実施例5の液晶配向制御用突起(e)と同じ液晶配向制御用突起(l)が形成された基板を500枚、同様の工程により作製した。各基板について、実施例1と同様に、評価した。結果を表1に示す。
【0348】
【表1】


表1の結果より、比較例1〜5と比べ、実施例1〜7の液晶表示用基材は画素欠陥の割合を小さくできることが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0349】
本発明の液晶表示用基材の製造方法により製造される液晶表示用基材を備えた液晶表示装置は、良好な表示特性を備え、特に、携帯端末、携帯ゲーム機、テレビ等の液晶表示装置(LCD)用に好適であり、また、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイ用としても好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0350】
【図1】図1は、露光装置の一例の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、露光装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。
【図3A】図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。
【図3B】図3Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。
【図4】図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。
【図5A】図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図及び側面図である。
【図5B】図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図及び側面図である。
【図6】図6は、図1の露光装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。
【図7A】図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。
【図7B】図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。
【図8】図8は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。
【図9A】図9Aは、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。
【図9B】図9Bは、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。
【図10】図10は、スキャナによる1回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。
【図11A】図11Aは、スキャナによる複数回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。
【図11B】図11Bは、スキャナによる複数回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。
【図12】図12は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。
【図13】図13は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。
【図14】図14は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。
【図15】図15は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。
【図16】図16は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。
【図17】図17は、図16に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。
【図18】図18は、図16に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。
【図19】図19は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。
【図20A】図20Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。
【図20B】図20Bは、図20Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。
【図21】図21は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。
【図22】図22は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。
【図23A】図23Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。
【図23B】図23Bは、図23Aの光軸に沿った断面図の一例である。
【図24A】図24Aは、従来の露光装置における焦点深度と本発明の液晶表示用基材の製造方法(露光装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
【図24B】図24Bは、従来の露光装置における焦点深度と本発明の液晶表示用基材の製造方法(露光装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
【図25】図25は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
【図26】図26は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。
【図27】図27は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。
【図28】図28は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。
【図29】図29は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
【図30】図30は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。
【図31】図31は、露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。
【図32】図32は、図29の例において選択された使用画素のみが実動され、露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。
【図33】図33は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
【図34】図34は、図33の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。
【図35A】図35Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。
【図35B】図35Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。
【図36A】図36Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。
【図36B】図36Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。
【図37】図37は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。
【図38A】図38Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。
【図38B】図38Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。
【図39】図39は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。
【図40】図40は、液晶配向制御用突起を用いた液晶表示装置を示す概略断面図である。
【図41】図41は、カラーフィルタを備え液晶配向制御用突起を用いた液晶表示装置を示す概略断面図である。
【図42】図42は、露光装置へ送風する、風速の測定方法を示す側面概念図である。
【図43】図43は、露光装置へ送風する、風速の測定方法を示す平面概念図である。
【図44】図44は、露光装置と感光面との間隔を示す側面図である。
【符号の説明】
【0351】
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 露光装置
12 感光層
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ(カメラ)
28 スリット
30 露光ヘッド
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
40 集光レンズ系
50 結像レンズ系
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
210 液晶表示装置
211、212 ガラス基板
213 液晶配向制御用突起
214 カラーフィルタ
216、217 導電層
218 液晶分子
219 液晶層
220 風速センサ
222 露光部
224 感光性材料
226 送風
230 光透過性部材
231 感光性材料




 

 


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