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発明の名称 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−41547(P2007−41547A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2006−154687(P2006−154687)
出願日 平成18年6月2日(2006.6.2)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 村松 雄造 / 鈴木 貴登
要約 課題
防眩性に優れ、ディスプレイに適用したときの画面の黒しまりが良好な光学フィルム、反射防止フィルムを安定に提供すること。さらに、適切な手段により反射防止処理がされている偏光板、画像表示装置を提供すること。

解決手段
透明支持体上に電離放射線硬化性モノマーと平均粒径が異なる少なくとも二種の透光性樹脂粒子および少なくとも二種の有機溶媒を含む光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層を有する光学フィルムであって、該透光性樹脂粒子において、平均粒径が最大の粒子種と、該最大の粒子種に対して平均粒径が30%〜90%である第二の粒子種を有し、該最大の粒子種の平均粒径が光拡散層の硬化後の厚みに対して20%〜90%の範囲にあることを特徴とする光学フィルム、該光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置。
特許請求の範囲
【請求項1】
透明支持体上に電離放射線硬化性モノマー、平均粒径が異なる少なくとも二種の透光性樹脂粒子、および少なくとも二種の有機溶媒を含む光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層を有する光学フィルムであって、該透光性樹脂粒子において、平均粒径が最大の粒子種と、該最大の粒子種に対して平均粒径が30〜90%である第二の粒子種を有し、該最大の粒子種の平均粒径が光拡散層の硬化後の厚みに対して20〜90%の範囲にあることを特徴とする光学フィルム。
【請求項2】
前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子において、前記平均粒径が最大の粒子種の平均粒径が2〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子のうち、前記平均粒径が最大の粒子種の平均粒径が3〜7μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子の総粒子の分散度(V)を、下記数式Aで表したときの値が、V=0.6〜1.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
数式A
V=(90%体積積算粒径−10%体積積算粒径)/50%体積積算粒径
【請求項5】
前記電離放射線硬化性モノマーのI/O値の平均値と、前記透光性樹脂粒子のI/O値の平均値との差が0.3〜3.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記少なくとも二種の有機溶媒において、I/O値の差が0.25以上である組み合わせを少なくとも一組有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記少なくとも二種の有機溶媒のうちの少なくとも一種の沸点が160〜250℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記電離放射線硬化性モノマーが少なくとも2種類であって、そのうち少なくとも1種類がI/O値が1.2以上のモノマーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記I/O値が1.2以上である電離放射線硬化性モノマーが、エチレンオキシド基を付加したモノマーであることを特徴とする請求項8に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層が、多分岐ポリマー(HB)の分岐枝末端に光硬化性及び/又は熱硬化性反応基を有する硬化性多分岐ポリマー(RHB)を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記多分岐ポリマー(HB)が、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー及びスターバーストポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記硬化性多分岐ポリマー(RHB)が有する光硬化性及び/又は熱硬化性反応基が、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基、並びに加水分解性シリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10または11に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層中に固形分換算で、1分子中に6個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールデンドリマー化合物(a)とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物であるエチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の光学フィルムが有する光拡散層の上に低屈折率層を設けることを特徴とする反射防止フィルム。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれかに記載の光学フィルムまたは請求項14に記載の反射防止フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれかに記載の光学フィルム、請求項14に記載の反射防止フィルムまたは請求項15に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項17】
画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項16に記載の画像表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム、それを用いた偏光板および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置(LCD)は大画面化が進み、光学フィルム、例えば反射防止フィルムを配置した液晶表示装置が増大している。
光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。光学フィルムに反射防止能を付与するための1手段として光拡散層が設置されることがある。この層に透光性粒子を含有することで、効果の一つとして防眩性等が発現される。防眩性は光学フィルムの表面形状に大きく依存し、光拡散層に含有する透光性粒子が表面凹凸を大きくすることで、反射光を散乱させ、画像の映り込みを減らしている。さらに光拡散層にはディスプレイの広角での諧調反転を抑制して視野角を広げる機能を担持させることもあり、このような機能を発現しながら解像性や画面の黒しまり感等が減じないように光拡散層の素材や光学特性が調整される。
例えば、防眩層に微粒子と溶剤乾燥型樹脂と紫外線硬化型樹脂を併用したり、微粒子の標準偏差を制御する方法がある。(特許文献1)または、光拡散層に複数の粒子を含有させて層バインダーと粒子間の屈折率や粒径を規定する方法も知られている。(特許文献2)
しかしながら、特に画面の黒しまりの向上に注目した場合には、単に透光性粒子を複数用いてこれらの使用方法を組み合わせても十分ではなく、さらなる使用方法の改良が望まれていた。
【0003】
一方、液晶表示装置において偏光板は不可欠な光学材料であり、一般に、偏光膜が2枚の保護フィルムによって保護されている構造をしている。
これらの保護フィルムに反射防止機能を付与することができれば、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
よって、これらの保護フィルムにおいても、上記の問題を解決することが望まれている。
偏光板に用いる保護フィルムは、偏光膜と貼り合わせるうえで十分な密着性を有していることが必要である。偏光膜との密着性を改良する手法として、保護フィルムを鹸化処理して保護フィルムの表面を親水化処理することが通常行われている。
【特許文献1】特開平10−20105号公報
【特許文献2】特開2003−114304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、防眩性に優れ、ディスプレイに適用したときの画面の黒しまり感が良好な光学フィルム、反射防止フィルムを安定に提供すること、さらに、適切な手段により反射防止処理がされている偏光板、画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、下記構成の光学フィルム、偏光板、画像表示装置により達成された。
【0006】
(1)透明支持体上に電離放射線硬化性モノマー、平均粒径が異なる少なくとも二種の透光性樹脂粒子、および少なくとも二種の有機溶媒を含む光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層を有する光学フィルムであって、該透光性樹脂粒子において、平均粒径が最大の粒子種と、該最大の粒子種に対して平均粒径が30〜90%である第二の粒子種を有し、該最大の粒子種の平均粒径が光拡散層の硬化後の厚みに対して20〜90%の範囲にあることを特徴とする光学フィルム。
(2)前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子において、前記平均粒径が最大の粒子種の平均粒径が2〜20μmであることを特徴とする(1)に記載の光学フィルム。
(3)前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子のうち、前記平均粒径が最大の粒子種の平均粒径が3〜7μmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の光学フィルム。
(4)前記光拡散層が含有する前記透光性樹脂粒子の総粒子の分散度(V)を、下記数式Aで表したときの値が、V=0.6〜1.0であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
数式A
V=(90%体積積算粒径−10%体積積算粒径)/50%体積積算粒径
(5)前記電離放射線硬化性モノマーのI/O値の平均値と、前記透光性樹脂粒子のI/O値の平均値との差が0.3〜3.0であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
【0007】
(6)前記少なくとも二種の有機溶媒において、I/O値の差が0.25以上である組み合わせを少なくとも一組有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルム。
(7)前記少なくとも二種の有機溶媒のうちの少なくとも一種の沸点が160〜250℃であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の光学フィルム。
(8)前記電離放射線硬化性モノマーが少なくとも2種類であって、そのうち少なくとも1種類がI/O値が1.2以上のモノマーであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の光学フィルム。
(9)前記I/O値が1.2以上である電離放射線硬化性モノマーが、エチレンオキシド基を付加したモノマーであることを特徴とする(8)に記載の光学フィルム。
(10)前記光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層が、多分岐ポリマー(HB)の末端に光硬化性及び/又は熱硬化性反応基を有する硬化性多分岐ポリマー(RHB)を含むことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の光学フィルム。
(11)前記多分岐ポリマー(HB)が、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー及びスターバーストポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(10)に記載の光学フィルム。
(12)前記硬化性多分岐ポリマー(RHB)が有する光硬化性及び熱硬化性反応基が、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基、並びに加水分解性シリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(10)または(11)に記載の光学フィルム。
(13)前記光拡散層用塗布組成物を塗布した後硬化した光拡散層中に固形分換算で、1分子中に6個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールデンドリマー化合物(a)とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物であるエチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)を含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の光学フィルム。
【0008】
(14)前記透明支持体上のいずれかの層に、下記一般式[A]で表されるオルガノシラン化合物及びその誘導体の少なくともいずれかを含有することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の光学フィルム。
【0009】
一般式[A] (R10−Si(Z)4-a
【0010】
一般式[A]中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは水酸基または加水分解可能な基を表す。aは1〜3の整数を表す。
(15)下記一般式1で表される含フッ素化合物の架橋または重合反応により形成された低屈折率層を有することを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の光学フィルム。
【0011】
【化1】


【0012】
一般式1中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、bは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一重合単位であっても複数の重合単位で構成されていてもよい。x1、y、zはそれぞれの構成重合単位のモル%を表し、30≦x1≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。
(16)低屈折率層に中空シリカ微粒子を含有することを特徴とする前記(15)に記載の光学フィルム。
(17)前記(1)〜(16)のいずれかに記載の光学フィルムが有する光拡散層の上に低屈折率層を設けることを特徴とする反射防止フィルム。
【0013】
(18)前記(1)〜(16)のいずれかに記載の光学フィルムまたは前記(17)に記載の反射防止フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(19)前記(1)〜(16)のいずれかに記載の光学フィルム、前記(17)に記載の反射防止フィルムまたは前記(18)に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
(20)画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする前記(19)に記載の画像表示装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光学フィルムおよび反射防止フィルムは、防眩性に優れ、ディスプレイに適用したときに画面の黒しまり感が良好である。また、本発明の偏光板、画像表示装置は、前記効果により、視認性に優れた高品質の画像が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値I)〜(数値II)」という記載は「(数値I)以上(数値II)以下」の意味を表す。また、「(メタ)アクリロイル」との記載は、「アクリロイル及びメタクリロイルの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
【0016】
(層構成)
本発明の光学フィルムについては例えば以下のような公知の層構成を使用することができる。
たとえば、代表的な例としては
透明支持体/光拡散層
透明支持体/光拡散層/低屈折率層
透明支持体/ハードコート層/低屈折率層
透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
がある。
透明支持体と表面層の間に設けても良い層として、光拡散層、帯電防止層(ディスプレイ側からの表面抵抗値を下げる等の要求がある場合、表面等へのゴミつきが問題となる場合)、ハードコート層(光拡散層だけで硬度が不足する場合)、低屈折率層、防湿層、密着改良層、虹ムラ(干渉ムラ)防止層等が挙げられる。また、低屈折率層の上にスベリ剤等を含む防汚層を設置しても良い。透明支持体の上に光拡散層を用い光拡散層だけで硬度が不足する場合、透明支持体と光拡散層との間にハードコート層を儲けても良い。
帯電防止層は透明支持体に接することが好ましいが、それ以外の位置に儲けることもできる。
光拡散層の上に低屈折率層を光の波長の1/4前後の膜厚で形成することで、薄膜干渉の原理により表面反射を低減することができる。
また、光拡散層は防眩機能を兼ね備えることもでき、本発明では主として両機能を統合した層として光拡散層と称する。光拡散層は、防眩性、光拡散性以外に、ハードコート性と高屈折率性を有することが好ましい。光拡散層は、1層でもよいが、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。また、透明支持体上に直接設けてもよいが、帯電防止層や防湿層等の他の層を介して設けてもよい。
また、光拡散層は、例えば上記例のハードコート層であってもよい。
本発明では支持体より最も遠い層を最外層と称することがあり、低屈折率層が最外に位置する場合は低屈折率層が最外層であり、防汚層が最外に位置する場合は防汚層が最外層である。
本実施形態の光学フィルムは、主として例えば順に、透明支持体と、透明支持体上に形成された光拡散層と、そして光拡散層上に形成された低屈折率層とからなる。この他、表面への汚れの付着を防止するための防汚層を低屈折率層の外側に設ける場合などがある。光拡散層は、主として透光性樹脂と透光性樹脂中に分散された透光性微粒子とからなる。
上記例において光学フィルムを構成する各層の屈折率は以下の関係を満たすことが好ましい。
(高い)光拡散層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率(低い)
【0017】
《光拡散層》
光拡散層は、主にモノマー類が電離放射線等で硬化して形成する透光性ポリマーからなる主バインダー、硬化性多分岐ポリマー(RHB)、透光性樹脂粒子、および必要により高屈折率化または低屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための微細無機フィラー、後述の高分子化合物(B)などから形成される。
光拡散層の厚さは、通常0.5μm〜30μm程度で、好ましくは1μm〜15μm、さらに3μm〜10μmが好ましい。厚さが上記範囲であると、カール、ヘイズ値、高コスト等の欠点がなく、しかも防眩性や光拡散効果の調整も容易である。
【0018】
[バインダー]
バインダーの屈折率は、好ましくは1.40〜2.00であり、より好ましくは1.45〜1.90であり、更に好ましくは1.48〜1.85であり、特に好ましくは1.51〜1.80である。なお、バインダーの屈折率は、光拡散層の成分から透光性粒子を除いて測定した値である。
光拡散層のバインダーは、該層の塗布組成物の固形分量に対して20〜95質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0019】
[主バインダー]
光拡散層を形成する主バインダーとしては、電離放射線等硬化後に飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有する透光性ポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、硬化後の主バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
硬化後に飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマー(バインダー前駆体)の重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
【0020】
光拡散層を形成するための、電離放射線硬化性モノマーの例として二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが挙げられ、このようなモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。
さらに、二個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物などのオリゴマーまたはプレポリマー等もあげられる。これらのモノマー、は2種以上併用してもよく、また、二個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂はバインダー全量に対して10〜70%含有することが好ましい。
【0021】
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
【0022】
また、本発明に係る電離放射線硬化性モノマーは、防眩性を制御しやすくするために総モノマーの平均値として、透光性樹脂粒子の平均値とI/O値の差が0.3〜3.0、より好ましくは、0.5〜2.5離れていることがより好ましい。
透光性樹脂粒子のI/O値の平均値は、各粒子種の含有率にそれぞれのI/O値を乗じた値の和として求めた。
このようにI/O値を制御するためのモノマーとして、I/O値が1.2以上、好ましくは1.4〜3.0のモノマーを、粒子凝集性と硬化後膜強度の観点から、全モノマーに対して10質量%〜60質量%含有することが好ましく、20質量%〜55質量%含有することがより好ましく、30質量%〜50質量%含有することがさらに好ましい。使用量がこの範囲より多いと硬化後の膜強度が劣化する。このようなI/O値制御のモノマーの例としては上記多官能モノマーに、例えばエチレンオキシド基を付加したモノマー類が挙げられる。例えばI/O値が1以下のモノマーに対してはエチレンオキシド基の付加量を増やすことによってI/O値を大きくすることができる。
【0023】
本発明に係るI/O値とは、藤田 穆著「有機性:無機性値による有機概念」、甲田善生著「有機概念図」三共出版(1984年)等に記載の方法によって求めた、「無機性(I)/有機性(O)」値である。I/O値は、有機化合物の色々な物理化学的な性状を予測するための手段の一つとして用いられる。有機性は炭素数の大小の比較で、無機性は炭素同数の炭化水素の沸点の比較で大小が得られる。例えば、(−CH−)(実際はC)1個は有機性値20と決め、無機性は水酸基(−OH)が沸点へ及ぼす影響力から、その無機性値を100と決めたものである。この(−OH)の無機性値100を基準にして他の置換基(無機性基)の値を求めたものが「無機性基表」として示されている。
【0024】
〔硬化性多分岐ポリマー(RHB)〕
また、本発明ではバインダー成分として光拡散層が、多分岐ポリマー(HB)を核とし、且つ分岐枝末端に光硬化性及び/又は熱硬化性反応基を有する硬化性多分岐ポリマー(RHB)を含むことが好ましい。また、硬化剤、硬化促進剤及び重合開始剤のうちの少なくとも1種を前記主バインダーと併用して含有することが好ましい。
更には、該硬化性多分岐ポリマー(RHB)に含有される光硬化性及び/又は熱硬化性反応基は、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、加水分解性基置換のシリル基から選ばれる硬化性反応基(以下単に硬化性基ということがある)であることが、好ましい。これらの重合性基と共重合可能な重合性化合物及び重合開始剤を更に含有することが好ましい。
【0025】
(多分岐ポリマー(HB))
核となる多分岐ポリマー(HB)は、多価の基核を中心として2つ以上の規則性樹枝状分岐である分岐鎖延長単位に結合している化合物である。その多価の基核は、連結基を形成する反応性基(a)を少なくとも2つ以上有する化合物であり、この基核となる化合物の該反応性基(a)と化学結合して連結基を形成する反応性基(b)を1つと、反応性基(a)を少なくとも2つ以上有する化合物(分岐鎖延長化合物)との化学反応を繰り返すことによって延長された構造を有する高分岐ポリマーであることが好ましい。
【0026】
核(コア)となる多分岐ポリマー(HB)の多価の基核は、有機残基、窒素原子、ケイ素原子又はリン原子を核とする多官能性化合物であれば、特に限定はない。有機残基としては、炭素原子、芳香族炭化水素環、酸素、窒素、硫黄から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する単環式もしくは多環式の環構造を有する複素環構造等が挙げられる

【0027】
核となる多分岐ポリマー(HB)は、重縮合サイクルによって調製された分子であることが好ましい。各サイクルは、基核の反応性官能基の全てと、分岐鎖延長化合物の1当量とを反応させることを含む。サイクルの数(n)により「第n世代」の多分岐分子と称される。本発明では、第1世代〜第6世代のものが好ましい。特に好ましくは第2世代〜第4世代のものである。
多分岐ポリマー(HB)は、分岐鎖延長単位中に脂環式環構造及び芳香環構造から選ばれる環状構造を含有することが好ましい。更には環状構造(環構造ともいう。)と炭素数1〜22のアルキレン基からなるアルキレン鎖構造とを含有することがより好ましい。
【0028】
多分岐ポリマー(HB)の分岐枝は、分岐延長化合物と反応性を有する反応性基(a)が末端構造となる。分岐枝末端の反応性基(a)としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、チオール基等が挙げられる。本発明では、透光性樹脂微粒子の分散性の観点からヒドロキシル基が好ましい。また、本発明に用いられる核となる多分岐ポリマーは、分岐枝の末端の反応性基(a)の基数が6〜128個を有するものが好ましく、更には8〜64個を有するものが好ましい。
質量平均分子量は、一般に約1,000〜約50,000であり、好ましくは約1500〜約20,000を有するものが挙げられる。この範囲において、硬化反応が充分に進行し且つ得られた硬化膜の膜強度が保持できる。
【0029】
より具体的には、核となる多分岐ポリマー(HB)は、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー及びスターバーストポリマーからなる群から選択される少なくとも1種によって構成されることが好ましい。
【0030】
多分岐ポリマー(HB)として具体的には、多分岐ポリ尿素、多分岐ポリウレタン、多分岐ポリアミドアミン、多分岐ポリアミド、多分岐ポリエステル、多分岐ポリカーボネート、多分岐ポリカルボシラン、多分岐ポリカルボシロキサン、多分岐ポリカルボシラゼン、多分岐ポリエーテル、多分岐ポリ(エーテルケトン)、多分岐ポリ(プロピレンイミン)、多分岐ポリアルキルアミン、これらのコポリマー等が挙げられる。
【0031】
好ましくは、多分岐ポリアミドアミン、多分岐ポリアミド、多分岐ポリエステル、多分岐ポリカルボシラン、多分岐ポリカルボシロキサン、多分岐ポリエーテル、多分岐ポリ(エーテルケトン)、多分岐ポリアルキルアミンが挙げられる。
【0032】
このような多分岐ポリマーは、例えば、岡田鉦彦編集、「デンドリマーの科学と機能」pp29〜31、((株)アイピーシ、2000年刊)、同書、第2章、石津浩二編集、「分岐ポリマーのナノテクノロジー」第6章、((株)アイピーシ、2000年刊)、COMPREHENSIVE SUPERMOLECULAR、10、Chapter26(PeramonPress、NewYork、1995年刊)等に記載の内容のものを挙げることができる。
【0033】
更に、D.A.Tomalia、etal.,“Angew. Chem. Int. Ed. Engl.”,29巻138頁(1990年);Roovers,J.,“Advances in Polymer Science”,143巻1頁(Springer,New York刊)(1999年);J.C.Salamone,Ed.,“Polymeric Materials Encyclopedia,”5巻3049頁(CRC Press,New York刊(1996年);柿本雅明、「高分子」、47巻804頁(1998年)、及び前記の成書記載の引用文献等に記載の内容が挙げられる。
【0034】
核となる多分岐ポリマー(HB)としては、例えばポリアミノ系多分岐ポリマーの場合、例えばブチレンジアミンとアクリロニトリルを反応させ、末端のニトリル基をアミンに還元する反応を1ステップとし、この反応を繰り返すことにより得られるプロピレンイミン系多分岐ポリマー(WO093/14147号公報、US5,530,092号明細書、特公平7−330631号公報);アミンを求核成分にし、パラジウム触媒を用いた開環重合反応によるアミン系多分岐ポリマー{M.Suzuki, et al.,“Macromolecules”,31巻1716頁(1998年)};アンモニアやエチレンジアミンにメチルアクリレートをマイケル付加し、更にエステルアミド交換反応により末端に2級アミノ基を導入する反応を1ステップとし、必要に応じて、繰り返し反応させることにより得られるアミドアミン系多分岐ポリマー(WO084/02705号公報、特公平6−70132号公報);ポリアミド系多分岐ポリマー{S.C.E.Backson, et al.,“Macromol. Symp.”,77巻1頁(1994年)、特開2000−86758号公報、特開2000−256459号公報等};ポリフェニレンエステル系多分岐ポリマー{K.L.Wooley, et al.,“Polymer Journal”,26巻187頁(1994年)};ポリエーテルケトン系多分岐ポリマー{C.J.Hawker,“Macromolecules”,29巻4370頁(1996年)};ポリウレタン又はポリウレア系多分岐ポリマー{R.Spindler,“Macromolecules”,26巻4809頁(1993年)、A.Kumar,“Chem. Commun.”,1629頁(1998年)等};ポリエーテル系多分岐ポリマー{V.Percec et al.“Macromolecules”,27巻4441頁(1994年)、C.J.Hawker, et al.“J.Am. Chem. Soc.”,112巻7638頁(1990年)、特開2001−206886号公報、特開2002−37823号公報等};ヒドロキシル基で終結するポリエステル系多分岐ポリマー(US5,418,301号明細書、WO096/12754号公報、特表2003−522266号公報等);カルボキシル基で終結するポリエステル系多分岐ポリマー(S.R.Turner, et al.“Macromolecules”,27巻1611頁(1994年)、特開平11−60540号公報等);エポキシ基を含む基で終結するポリエステル系多分岐ポリマー(US5,663,247号明細書、WO096/13558号公報等)などを例示できる。
さらに、脂肪族ポリエステル系多分岐ポリマー類の“BOLTORN”(商品名、Perstorp社製)、ポリプロピルアミノ系多分岐ポリマー類(DSM社製)、ポリ(アミドアミン)多分岐ポリマー類の“STARBURST”(PAMAN社製)、“Dendrimer”(商品名、Aldrich社製)等の市販されているものを用いることができる。
【0035】
(硬化性多分岐ポリマー(RHB))
本発明に用いられる硬化性多分岐ポリマー(RHB)は、上記の多分岐ポリマー(HB)の分岐枝末端の少なくとも一部に、光及び/又は熱により架橋反応に関与しうる光硬化性及び熱硬化性反応基(以下、単に硬化性基ということがある)を含有するものであり、多分岐ポリマー(HB)を核(コア)とし、且つ分岐枝末端に存在するヒドロキシル基の10モル%〜90モル%に光硬化性及び/又は熱硬化性反応基を結合させた、高度に『枝分かれした(樹枝状)』巨大分子である。
【0036】
硬化性多分岐ポリマー(RHB)が有する硬化性基としては、例えば活性水素原子を有する基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、β−ケトエステル基、ヒドロシリル基、シラノール基等)、ラジカル重合可能な不飽和2重結合を有するラジカル重合性基(例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等)、カチオン重合可能なカチオン重合性基(例えばエポキシ基、オキセタニル基等)、酸無水物含有基、加水分解性シリル基(例えばアルコキシシリル基、アシルオキシシリル基等)、求核剤によって置換され得る基(活性ハロゲン原子、スルホン酸エステル等)、イソシアナート基(保護されており、加熱によりイソシアナート基を発生するブロックイソシアナート基でもよい)等が挙げられる。
特に、ラジカル重合性基、カチオン重合性基及び加水分解性シリル基から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、ラジカル重合性基から選ばれることが最も好ましい。
【0037】
核となる多分岐ポリマー(HB)(以下、単に「コア分子」と称することもある)の全分岐枝数中の10モル%〜90モル%の分岐枝が、硬化性基を含有することが好ましい。これにより十分なフィルムの膜の強度が発現され、かつ透光性樹脂微粒子の分散性が確保される。より好ましくは50モル%〜90モル%である。
【0038】
また、分子中の硬化性基は同一でも異なってもよく、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、加水分解性シリル基から選ばれる、少なくとも1種の重合性基を含有してもよい。
さらに、全分岐枝中の一部に非重合性の炭化水素基が結合した構造、すなわち、他の非重合性の結合基で化学修飾された構造であってもよい。
【0039】
本発明に用いられる硬化性多分岐ポリマー(RHB)は、従来公知の段階的合成法(Divergent法)、ABx型化合物の重縮合反応等の合成方法で、核となる多分岐ポリマーを合成し、これの分岐枝末端の極性基を、従来公知の合成方法に従って特定の置換基で修飾することにより得ることができる。また、特許第2574201号公報の記載に従った合成方法でも硬化性多分岐ポリマー(RHB)を得ることができる。
【0040】
画像表示用光学フィルムの反射防止膜としては、着色がなく透明性を保持する観点から、上記硬化性多分岐ポリマー(RHB)は、波長400nm〜650nmの範囲で吸収のないものであることが好ましい。フィルムとしての、波長400nm〜650nmの範囲の光透過率は85%以上100%であることが好ましく、より好ましくは90%以上100%である。
【0041】
本発明において光拡散層を構成する光拡散用塗布組成物中に用いる硬化性多分岐ポリマー[RHB]のより好ましい例として、エチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)を挙げることができる。
エチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)は、1分子中に6個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールデンドリマー化合物(a)とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)とを反応させることにより得られる。
【0042】
1分子中に6個以上の水酸基を有するポリエステルポリオールデンドリマー化合物とは、エステル結合により高度に枝分かれした分子構造を有し、末端基のほとんどが水酸基であるポリエステルポリオールであれば特に制限されないが、好ましくは下記一般式(1)で表される化合物であり、具体的には例えば、BOLTORN H20、BOLTORN H30、BOLTORN H40、BOLTORN H2003、BOLTORN H2004、BOLTORN P1000(いずれもペルストルプ アー・ペー社製)等があげられる。
【0043】
【化2】


【0044】
[式中、Xはジメチロールプロピオン酸残基又は水素原子を示し、cは1〜10の整数を示す]
【0045】
エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)として例えば、アクリル酸類、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応生成物等が挙げられる。
【0046】
該アクリル酸類としては例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との等モル反応物である半エステル類、飽和又は不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との等モル反応生成物である半エステル類等が挙げられ、好ましくはアクリル酸が挙げられる。
【0047】
飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との等モル反応物である半エステル類とは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート又は1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等と、二塩基酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)との反応物である半エステル等が挙げられる。
飽和又は不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との等モル反応物である半エステル類には、例えば、メタクリル酸グリシジルと(メタ)アクリル酸との反応物に前記二塩基酸無水物を反応させて得られる生成物等も挙げられる。
飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応生成物には、例えば、フェニルジグリシジルエーテル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、脂環式ジグリシジルエーテル化合物、脂肪族ジグリシジルエーテル化合物、ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ビキシレノール型エポキシ化合物、ハロゲン化ビスフェノール骨格を有するエポキシ化合物又はハロゲン化ビフェノール骨格を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物に前記二塩基酸無水物を反応させて得られる生成物等も挙げられる。
これらは、単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0048】
本発明に用いられる光拡散層に好ましく含有されるエチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)は、上記ポリエステルポリオールデンドリマー化合物(a)と上記エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(b)とを反応させて得られるが、好ましくは(a)と(b)とを例えば、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下で脱水縮合させる方法により製造される。
【0049】
エチレン性不飽和基含有ポリエステルデンドリマー(A)の硬化後の光拡散層中の含有率は、カールが小さく、可撓性向上の観点から、該層固形分中の10質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましく、30質量%〜60質量%がさらに好ましい。
【0050】
(硬化剤、硬化促進剤及び重合開始剤)
本発明に用いられる硬化性多分岐ポリマーを含む光拡散層用塗布組成物には、硬化剤、硬化促進剤及び重合開始剤のうちの少なくとも一種が併用されることが好ましい。これらは、前記硬化性多分岐ポリマー(RHB)中の硬化性反応基(a)の硬化反応に応じて、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。
【0051】
このような硬化剤及び硬化促進剤としては、例えば、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)高分子学会編「高分子データハンドブック 基礎編」培風舘(1986年)等に記載されている化合物を用いることができる。また、例えば、有機シラン系化合物、ポリイソシアナート系化合物、ポリオール系化合物、ポリアミン系化合物、酸無水化合物類、ポリエポキシ基含有化合物、エポキシ樹脂{例えば、堀内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類}、メラミン樹脂{例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類}及びポリ(メタ)アクリレート系化合物{例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談社(1976年)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類}が挙げられる。
【0052】
例えば、硬化性多分岐ポリマー(RHB)の硬化性基がヒドロキシル基、アミノ基等の活性水素を有する基である場合に用いる硬化剤としては、例えばポリイソシアネート系、アミノプラスト、多塩基酸又はその無水物などを挙げることができる。
硬化性多分岐ポリマー(RHB)の硬化性基がエポキシ基、オキセタニル基の場合は、活性水素を有する反応性基(例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基等)又は環状酸無水物含有基を有する化合物との化学反応により硬化させることができる。
【0053】
これらの硬化剤は、硬化性多分岐高分子(RHB)100質量部当たり、0.5〜300質量部の添加量が好ましく、特に、硬化性多分岐高分子(RHB)100質量部当たり、5.0〜100質量部の添加量とすることが好ましい。
【0054】
硬化を促進する硬化促進剤としては、反応の触媒として公知の酸、塩基触媒又は金属キレート化合物を用いることができる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等のブレンステッド酸、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネート等のルイス酸が挙げられる。
硬化促進剤の使用量は化合物の種類、硬化反応性部位の違いによってまちまちであるが、一般的には硬化性組成物全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
重合開始剤としては、後述のものを用いることができる。
【0055】
[高分子化合物(B)]
また、本発明に係る光拡散層は、前記以外の高分子化合物(以後高分子化合物(B)とも呼ぶ)を含有することが好ましい。高分子化合物(B)は塗布組成物に添加する時点で既に重合体を形成しており、主として透光性粒子の分散安定性(凝集性、沈降速度)に関わる塗布組成物の粘度調整や、乾燥過程での残留分の極性を制御して透光性粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりする目的で含有される。
このための高分子化合物(B)として、例えば、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタアクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂。
セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が挙げられる。
【0056】
高分子化合物(B)の製品としては、例えばポリメタクリル酸エステル系として、ポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル)分子量10.1万、ポリ(メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル)分子量7.5万、ポリメタクリル酸メチル分子量12万、1.5万、35万、99.6万(いずれもシグマアルドリッチジャパン(株)製)、ポリメタクリル酸イソブチル(分子量30万、関東化学(株)製)、アクリペットMD、VH、MF、V(三菱レーヨン(株)製)、スミペックスLG21、LG、EX、MH(住友化学工業(株)製)、パラペットGF、G、GH−S、HR−L、GR((株)クラレ製)等が挙げられる。
【0057】
高分子化合物(B)は、塗布組成物の粘度増加効果の発現及び含有層の膜強度維持観点から、光拡散層に含まれる全バインダーに対して、好ましくは3質量%〜40質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%、さらに好ましくは8質量%〜25質量%の範囲で含有することが好ましい。塗布組成物の粘度増加効果の点で3質量%以上が好ましく、含有層の膜強度維持の点で40質量%以下が好ましい。
また、高分子化合物(B)の分子量は質量平均で0.3万〜40万が好ましく、0.5万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万がさらに好ましい。分子量がこの範囲であると、塗布組成物の粘度増加効果が十分発現し、溶解時間が短時間であり、しかも不溶解物も少ない。
また、高分子化合物(B)を含有する塗布組成物の粘度は、主として防眩性制御と塗布面状の観点から、4mPa・s〜30mPa・sの範囲が好ましく、6mPa・s〜20mPa・sがより好ましく、7mPa・s〜15mPa・sが最も好ましい。
【0058】
[重合開始剤]
エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子および無機フィラー、その他の添加剤を含有する硬化組成物を調製し、該硬化組成物を透明支持体上に塗布後、電離放射線あるいは熱よる重合反応により硬化して光学フィルムを形成する。電離放射線硬化と熱硬化を合わせて行うことも好ましい。
【0059】
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ-ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ-ジメチル-p-イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
【0060】
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
活性エステル類の例には1、2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
ボレート塩の例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
活性ハロゲン類の例にはS-トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロルメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロルメチル)-s-トリアジン、2-(p-スチリルフェニル)-4,6-ビス(トリクロルメチル)-s-トリアジン、2-(3-Br-4-ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)-4,6-ビス(トリクロルメチル)-s-トリアジン、2-トリハロメチル-5-(p-メトキシフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールが含まれる。
無機錯体の例にはビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6−ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウムが挙げられる。
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いても良い。
【0061】
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,819、907、1870(CGI-403/Irg184=7/3混合開始剤、500,369,1173,2959,4265,4263など)、OXE等、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX-S,BP-100,BDMK,CTX,BMS,2-EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等が好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。
更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
【0062】
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
熱ラジカル開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0063】
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーをバインダーとして使用する場合は、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、透光性粒子および無機フィラーを含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して光学フィルムを形成することができる。
【0064】
[有機溶媒]
本発明に用いられる光拡散層用塗布組成物は、少なくとも二種類の有機溶媒を含有する。
少なくとも二種の有機溶媒は、有機溶媒間のI/O値の差が0.25以上である組み合わせを少なくとも一組有することが好ましい。このI/O値の差がある少なくとも二種の有機溶媒は、それぞれ相対的に親水性、疎水性の性質を有し、一般に親水性有機溶媒は主として防眩性に影響する層の表面凹凸に関わる粒子の凝集性を強調する作用を持ち、疎水性有機溶媒はモノマー類の溶解や樹脂粒子の分散安定性を増す作用を持つ。
少なくとも二種の有機溶媒は、有機溶媒間のI/O値の差が0.25以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。この範囲のI/O値差を有する有機溶媒の組み合わせを少なくとも一組有することが好ましい。
例えば、相対的に親水的な有機溶媒はI/O値が1.0以上であることが好ましい。(本発明では区別上、このような有機溶媒を親水性有機溶媒と称する。)
親水性有機溶媒のI/O値は、1.0以上が好ましく1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましい。上限は特に限定できないが、約8が好ましい。
親水性有機溶媒は、凝集化に有効でかつ凝集化を加速しすぎない観点から、塗布組成物中の全有機溶媒に対して3質量%〜30質量%含有することが好ましく、5質量%〜20質量%含有することがより好ましく、7質量%〜15質量%含有することが最も好ましい。
【0065】
親水性有機溶媒の具体例としては、例えばケトン系では、アセトン、ジアセトンアルコール等、アセトニルアセトン等、
アルコール系ではメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール等、
エステル系では、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸nブチル、乳酸イソブチル、シュウ酸ジエチル等、
多価アルコールおよびその誘導体系では、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等、
脂肪酸系では、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、絡酸、イソ絡酸、吉草酸、イソ吉草酸、乳酸等、
窒素化合物系では、ホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル等、
イオウ化合物系では、ジメチルスルホキシド等、が挙げられる。
その他の溶媒としては、炭酸エチレン等が挙げられる。
【0066】
また、前記親水性有機溶媒の中でも、沸点が比較的高いほうが好ましく、沸点が160℃〜250℃が好ましく、170℃〜240℃がより好ましく、180℃〜230℃がさらに好ましい。
本発明ではこれら特に好ましい親水性溶媒を親水性高沸点溶媒と称する。
特に好ましい親水性溶媒を親水性高沸点溶媒としては、前記親水性有機溶媒具体例の中では、その分子構造の中に水酸基を有するもの(好ましくは2個以上の水酸基を有するもの)、イオウ原子または窒素原子を有するもの、又は、脂肪酸が好ましく、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、エチレングリコールモノアセテート、ジメチルスルホキシド、1,2,6−ヘキサントリオール、乳酸が好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、エチレングリコールモノアセテートがより好ましい。
親水性高沸点有機溶媒は、2種以上併用してもよい。
【0067】
なお、親水性高沸点有機溶媒は、光拡散層または光学フィルムのいずれかの層中に残留溶媒として微量含有していてもよい。微量の残留溶媒は添加物の析出によるフィルムの白化を遅らせる効果がある。残留溶媒はガスクロマトグラフィーによって定量できる。
【0068】
また、光拡散層を形成する塗布組成物は、前記の親水性有機溶媒の他に相対的に疎水的な有機溶媒を含有する。このような疎水性有機溶媒はI/O値が1.0未満であることが好ましい。(本発明では区別上、これら相対的に疎水的な有機溶媒を疎水性有機溶媒と称する。)
疎水性有機溶媒のI/O値は、1.0未満〜0が好ましく、0.9〜0がより好ましく、0.8〜0がさらに好ましい。
疎水性有機溶媒の沸点は160℃未満〜30℃が好ましく、150℃〜40℃がより好ましく、140℃〜50℃がさらに好ましい。
疎水性有機溶媒は、モノマー、前述の高分子化合物(B)、その他の添加剤等の溶解性が良好で、かつ樹脂粒子等の分散安定性を良好に保つことができる。このような有機溶媒は、乾燥工程の初期に気化することが好ましい。
【0069】
このような疎水性有機溶媒としては、溶剤として当業界で広範に用いられる有機溶媒を用いることができ、その具体例としては、例えばケトン系では、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等、
アルコール系では、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール等、
エーテル、アセタール系では、1,4ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルアセタール等、
エステル系では、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等、
炭化水素系では、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、リグロイン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ジビニルベンゼン等、
ハロゲン炭化水素系では、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1,2−テトラクロルエタン等が好ましい。
これらの中でメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等が特に好ましい。
疎水性有機溶媒は、2種以上使用してもよい。
【0070】
疎水性有機溶媒は、塗布組成物中の全有機溶媒に70質量%〜97質量%含有すること
が好ましく、80質量%〜95質量%含有することがより好ましく、85質量%〜93質量%含有することが最も好ましい。
本発明に係る塗布組成物の有機溶媒は、親水性有機溶媒と疎水性有機溶媒とを適宜混合して、2種以上用いることが好ましい。
【0071】
[透光性樹脂粒子]
光拡散層には、透光性樹脂粒子が少なくとも二種含有される。前記二種の透光性樹脂粒子は、いずれも後記の微細無機フィラー粒子より平均粒径が大きいことが好ましく、各々の種における平均粒径が0.5μm〜25μmであることが好ましく、1μm〜20μmであることがより好ましく、3μm〜7μmであることが特に好ましい。少なくとも二種の粒子のうち最も平均粒径の大きい第一の樹脂粒子種の平均粒径は2μm〜20μmであることが好ましく、3μm〜15μmであることがより好ましい。
また、少なくとも二種類の粒子のうち、最も平均粒径の大きい第一の樹脂粒子種に次いで平均粒径粒径の大きい第二の粒子種の平均粒径は、本発明においては、第一の粒子の平均粒径に対して30%〜90%であり、40%〜85%の間にあることが好ましく、40%〜80%の間にあることがさらに好ましい。
第三以降の粒子種を用いる場合、その平均粒径は、好ましくは前記第二の粒子種の好ましい平均粒径の範囲に入っていることが好ましい。
【0072】
透光性樹脂粒子の粒径と光拡散層の膜厚との関係は、本発明においては、最大の平均粒径を有する粒子種の平均粒径が、光拡散層の硬化後の厚みの20%〜90%であり、30%〜85%が好ましく、35%〜80%が最も好ましい。平均粒径がこの範囲であると画面の黒しまり感に優れ、かつ防眩性にも優れる。
本発明において、第二の粒子種の平均粒径を第一の粒子の平均粒径に対して40%〜85%の間に設定する場合は、最も平均粒径の大きい第一の樹脂粒子種の平均粒径が、光拡散層の硬化後の厚みの30%〜85%とすることが好ましく、35%〜80%が最も好ましい。更に第二の粒子種の平均粒径を第一の粒子の平均粒径に対して40%〜80%の間に設定する場合は、最も平均粒径の大きい第一の樹脂粒子種の平均粒径が、光拡散層の硬化後の厚みの35%〜80%とすることが好ましい。このように設定することにより、更に画面の黒しまり感に優れ、かつ防眩性にも優れる。
【0073】
これらの使用は、ディスプレイ表面で反射する外光を散らして弱めたり、液晶表示装置の視野角(特に下方向視野角)を拡大しながら、画面の黒しまり感を増すために有効である。平均粒径が上記範囲であれば、ザラツキ感が起こることもない。
透光性樹脂粒子とバインダー樹脂との間の屈折率差はフィルムの白濁が生じないこと及び十分な光拡散効果を得る観点から、各々の平均の屈折率において、0〜0.30が好ましく、0.03〜0.20であることが特に好ましい。
透光性樹脂粒子の光拡散層に対する添加量も同様な観点から、好ましい範囲が決められる。透光性樹脂粒子の好ましい層内の総含有率は、光拡散層全固形分中3質量%〜40質量%であり、5質量%〜25質量%であることが特に好ましい。
透光性粒子の塗布量は、形成された光拡散層中の粒子量において好ましくは10mg/m〜10000mg/m、より好ましくは50mg/m〜4000mg/m、最も好ましくは100mg/m〜1500mg/mとなるように光拡散層に含有される。
本発明に係る粒子の粒度分布は光回折法で測定される。平均粒径は体積積算カーブの丁度、50体積%に相当する粒径を用いた。
【0074】
本発明に係る透光性樹脂粒子の粒度分布は光拡散層に含有する複数種類の透光性樹脂粒子の総数において、表面凹凸形成に寄与する粒子を効率的に利用する観点などから、分散度(V)を下記数式Aで表したときの値が、V=0.6〜1.0であることが好ましく、0.7〜0.9であることがより好ましい。
【0075】
数式A
V=(90%体積積算粒径−10%体積積算粒径)/50%体積積算粒径
【0076】
粒度分布は、粉体粒子を粘着テープに固定して、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した粒子500個の直径から求めた。測定した粒子直径を小さいほうから0.2μm毎に分けて各クラスの頻度を求め、積算した体積から前記の体積積算粒径を求めた。
光回折法粒度分布測定装置
黒しまり改良効果の点で0.6以上が好ましく、ザラつきが小さく、黒しまり効果を発揮するための増量が必要ない点で1.0以下が好ましい。
【0077】
透光性樹脂粒子としては、異なる2種以上の平均粒径を有する透光性樹脂粒子を併用する。二種以上の樹脂粒子間の屈折率は異なっていても同じでも良い。
前記透光性樹脂粒子の具体例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート粒子、架橋ポリメチル(メタ)アクリレート粒子、架橋メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体粒子、架橋メチル(メタ)アクリレート−アクリル酸共重合体粒子、架橋メチルメタアクリレート−アクリレート共重合体粒子、架橋ポリスチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ポリカーボネート粒子、ポリ塩化ビニル粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋ポリメチル(メタ)アクリレート粒子、架橋メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体粒子が好ましい。
少なくとも二種用いる透光性樹脂粒子のうち、個別の粒度分布は、ヘイズ値と拡散性の制御性、塗布面状の均質性から単分散粒子が好ましい。例えばある一種の粒子において平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つ粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布の粒子を得ることができる。
【0078】
透光性樹脂粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁及び146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
【0079】
透光性樹脂粒子のI/O値の平均値は0〜1.5が好ましく、より好ましくは0.05〜1.3が好ましい。透光性樹脂粒子のI/O値の平均値の算出法は前記のとおりである。
また、前述のように、本発明に係る電離放射線硬化性モノマーは、防眩性を制御しやすくするために総モノマーの平均値として、透光性樹脂粒子の平均値とI/O値の差が0.3〜3.0、より好ましくは、0.5〜2.5離れていることがより好ましい。
【0080】
[フィラー添加材料]
光拡散層には、層の屈折率を高めるため、上記の透光性樹脂粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、一次粒子の平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である極く微細な無機フィラーが含有されることが好ましい。
また逆に、高屈折率の透光性樹脂粒子を用いた光拡散層では、粒子との屈折率差を大きくするためにバインダーの屈折率を低くしなければならない。このためにシリカ微粒子、中空シリカ微粒子を用いることも好ましい。好ましい粒径は前記の高屈折率化微細無機フィラーと同じである。
光拡散層に用いられる微細無機フィラーの具体例としては、TiO、ZrO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITOとSiO等が挙げられる。TiOおよびZrOが高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの微細無機フィラーの添加量は、光拡散層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、微細無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分短いために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質の性質を有する。
【0081】
[フッ素系面状改良剤]
本発明に用いられる光拡散層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れか、あるいはその両者の面状改良剤を光拡散層形成用の塗布組成物中に含有することが好ましい。特にフッ素系の面状改良剤は、より少ない添加量において、本発明の光学フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。
面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
【0082】
フッ素系の面状改良剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基含有共重合体(「フッ素系ポリマー」と略記することもある)が挙げられ、該フッ素系ポリマーは、下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とする、あるいは下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とするアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。
【0083】
(i)下記一般式イで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
【0084】
【化3】


【0085】
一般式イにおいてR11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Xは酸素原子が好ましい。
【0086】
(ii)前記(i)と共重合可能な下記一般式ロで示されるモノマー
【0087】
【化4】


【0088】
一般式ロにおいて、R13は水素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子、イオウ原子または−N(R15)−を表し、R15は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Yは酸素原子、−N(H)−、および−N(CH3)−が好ましい。
14は置換基を有しても良い炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
【0089】
本発明で用いられるフッ素系ポリマー中に用いられるこれらの一般式イで示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該フッ素系ポリマーの各単量体に基づいて10モル%以上であり、好ましくは15〜70モル%であり、より好ましくは20〜60モル%の範囲である。
フッ素系ポリマーの好ましい質量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、5,000〜80,000がより好ましい。
更に、フッ素系ポリマーの好ましい添加量は、塗布液に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。フッ素系ポリマーの添加量が0.001質量%未満では効果が不十分であり、また5質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、塗膜としての性能(例えば反射率、耐擦傷性)に悪影響を及ぼす。
【0090】
以下、一般式イで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーからなるフッ素系ポリマーの具体的な構造の例を示すがこの限りではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
【0091】
【化5】


【0092】
【化6】


【0093】
光拡散層の表面エネルギーは、好ましくは20mN・m-1〜50mN・m-1、より好ましくは30mN・m-1〜40mN・m-1に制御することが効果的である。前記のような表面エネルギーを実現するためには、X線光電子分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比であるF/Cは通常0.1〜1.5である。
【0094】
光拡散層の上にさらに上層を塗布する時には上層を形成する溶媒に抽出されるようなフッ素系ポリマーを選択することが好ましく、このような素材の例は下記一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とするアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体である。
【0095】
(iii)下記一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
【0096】
【化7】


【0097】
一般式ハにおいてR21は水素原子またはハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。X2は酸素原子、イオウ原子または−N(R22)−を表し、酸素原子または−N(R22)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。mは1以上6以下の整数(1〜3がより好ましく、1であることが更に好ましい。)、nは1以上18以下の整数(4〜12がより好ましく、6〜8が更に好ましい。)を表す。R22は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。Xは酸素原子が好ましい。
またフッ素系ポリマー中に一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが2種類以上構成成分として含まれていても良い。
【0098】
(iv)前記(iii)と共重合可能な下記一般式ニで示されるモノマー
【0099】
【化8】


【0100】
一般式ニにおいて、R23は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Y2は酸素原子、イオウ原子または−N(R25)−を表し、酸素原子または−N(R25)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R25は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
24は置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基を含むアルキル基、置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。炭素数1〜12の直鎖、分岐、または環状のアルキル基、または総炭素数6〜18の芳香族が好ましい。
【0101】
以下、一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を含むフッ素系ポリマーの具体的な構造の例を示すがこの限りではない。なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
【0102】
【化9】


【0103】
【化10】


【0104】
【化11】


【0105】
【化12】


【0106】
【化13】


【0107】
また光拡散層上に低屈折率層をオーバーコートする時点で表面エネルギーの低下を防げば、反射防止性能の悪化が防げる。光拡散層塗布後にコロナ処理、UV処理、熱処理、鹸化処理、溶剤処理等を用いて表面自由エネルギーの低下を防ぐことにより、低屈折率層塗布前の光拡散層の表面エネルギーを前記範囲に制御することができる。
【0108】
また、光拡散層を形成する為の塗布組成物中に、チクソトロピー剤を添加しても良い。チクソトロピー剤としては、0.1μm以下のシリカ、マイカ等があげられる。これら添加剤の含有量は、通常、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜10質量部程度とするのが好適である。
【0109】
《低屈折率層》
[低屈折率層用材料]
低屈折率層には、通常、微粒子と、それを分散・固定するためのバインダーが含有される。バインダーとしては、前記光拡散層で述べたバインダーを用いることが出来るが、バインダー自身の屈折率の低い含フッ素ポリマー、あるいは含フッ素ゾルゲル素材などを用いることが好ましい。含フッ素ポリマーあるいは含フッ素ゾルゲルとしては、熱または電離放射線により架橋し、形成される低屈折率層表面の動摩擦係数0.03〜0.30であり、水に対する接触角85〜120°となる素材が好ましい。
【0110】
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、光学フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
【0111】
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
【0112】
数式(I)
(m/4)×0.7<n1×d1<(m/4)×1.3
【0113】
数式(I)中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、前記数式(I)を満たすとは、前記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
【0114】
[低屈折率層用含フッ素ポリマー]
以下に本発明に用いられる低屈性率層に好ましく用いられるポリマーについて説明する。
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やR−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明ではポリマーのフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
【0115】
架橋反応性付与のための構成単位の例としては主として以下の(A)、(B)、(C)で示される単位が挙げられる。
(A):グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、
(B):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、
(C):分子内に上記(A)、(B)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A)、(B)の構成単位と反応させて得られる構成単位、(例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
【0116】
上記(C)の構成単位は、特に本発明においては、該架橋性官能基が光重合性基であることが好ましい。ここに、光重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、シンナモイル基、シンナミリデンアセチル基、ベンザルアセトフェノン基、スチリルピリジン基、α−フェニルマレイミド基、フェニルアジド基、スルフォニルアジド基、カルボニルアジド基、ジアゾ基、o−キノンジアジド基、フリルアクリロイル基、クマリン基、ピロン基、アントラセン基、ベンゾフェノン基、スチルベン基、ジチオカルバメート基、キサンテート基、1,2,3−チアジアゾール基、シクロプロペン基、アザジオキサビシクロ基などを挙げることができ、これらは1種のみでなく2種以上であってもよい。これらのうち、(メタ)アクリロイル基およびシンナモイル基が好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
【0117】
光重合性基含有共重合体を調製するための具体的な方法としては、下記の方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法、
(2)水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法、
(3)エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法、
(4)カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法。
尚、上記光重合性基の導入量は任意に調節することができ、塗膜面状安定性・無機微粒子共存時の面状故障低下・膜強度向上などの点からカルボキシル基やヒドロキシル基等を一定量残すことも好ましい。
【0118】
本発明に有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位および側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位以外に、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ましい。
【0119】
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N、N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N、N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。
【0120】
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%の場合である。好ましいポリマーについては、特開2002−243907号、特開2002−372601号、特開2003−26732号、特開2003−222702号、特開2003−294911号、特開2003−329804号、特開2004−4444、特開2004−45462号に記載のものを挙げることができる。
【0121】
また本発明に用いられる含フッ素ポリマーには防汚性を付与する目的で、ポリシロキサン構造が導入されていることが好ましい。ポリシロキサン構造の導入方法に制限はないが例えば特開平6−93100号、特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号の各公報に記載のごとく、シリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入する方法、特開平2−251555号、同2−308806号の各公報に記載のごとくシリコーンマクロマーを用いてポリシロキサングラフト共重合成分を導入する方法が好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平11−189621号の実施例1、2、及び3のポリマー、又は特開平2−251555号の共重合体A−2及びA−3を挙げることができる。これらのポリシロキサン成分はポリマー中の0.5〜10質量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0122】
本発明に用いられる低屈折率層用含フッ素ポリマーの好ましい形態として一般式1で表される共重合体が挙げられる。
【0123】
【化14】


【0124】
一般式1中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N及びSから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH22−O−**, *−(CH22−NH−**, *−(CH24−O−**, *−(CH26−O−**, *−(CH22−O−(CH22−O−**,*−CONH−(CH23−O−**, *−CH2CH(OH)CH2−O−**, *−CH2CH2OCONH(CH23−O−**(* はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。bは0または1を表わす。
【0125】
一般式1中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式1中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
【0126】
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
【0127】
x1、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x1≦60、5≦y≦70、0≦z≦65が好ましく、更に好ましくは、35≦x1≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x1≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。ただし、x1+y+z=100である。
本発明に用いられる共重合体の特に好ましい形態として一般式2が挙げられる。
【0128】
【化15】


【0129】
一般式2においてXは一般式1と同じ意味を表わし、好ましい範囲も同じである。
eは2≦e≦10の整数を表わし、2≦e≦6であることが好ましく、2≦e≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが当てはまる。
x1、y、z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表わし、x1及びyは、それぞれ30≦x1≦60、5≦y≦70を満たすのが好ましく、更に好ましくは、35≦x1≦55、30≦y≦60の場合であり、特に好ましくは40≦x1≦55、40≦y≦55の場合である。z1及びz2については、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たすのが好ましく、更に好ましくは0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。ただし、x1+y+z1+z2=100である。
一般式1又は2で表わされる共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。この際用いられる再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
一般式1又は2で表わされる共重合体の好ましい具体例としては、特開2004−45462号公報の[0035]〜[0047]に記載されたものを挙げることができ、該公報に記載の方法により合成することができる。
【0130】
本発明に好ましく用いることのできるポリマーの好ましい分子量は、質量平均分子量が5000以上、好ましくは10000〜500000、最も好ましくは15000〜200000である。平均分子量の異なるポリマーを併用することで塗膜面状の改良や耐傷性の改良を行うこともできる。
【0131】
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号公報および特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。また、特開2002−145952号に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、前記ハードコート層で述べた多官能モノマーを挙げることができる。これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
【0132】
ポリマー自身が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。例えばポリマー本体に水酸基含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
【0133】
メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基及びアルコキシ化メチル基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上有するものが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、又はそれらの誘導体が好ましく、特に硬化性樹脂組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び良好な反応性が得られる点で、アルコキシ化メチルメラミンが好ましい。架橋性化合物として用いられるメチロール化メラミン及びアルコシ化メチルメラミンには特に制約はなく、例えば、文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。
【0134】
また、尿素系化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、ウロン環を有するメチロール化ウロン及びアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。そして、尿素誘導体等の化合物についても、上記の文献に記載されている各種樹脂状物の使用が可能である。
【0135】
本発明に用いられる低屈折率層には、電離放射線または熱の照射によりラジカルや酸を発生する化合物を使用することができる。
光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤については、前述の光拡散層の頁で述べた化合物を用いることができる。
【0136】
[熱酸発生剤]
熱酸発生剤の具体例としては、例えば、各種脂肪族スルホン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、アルキルベンゼンスルホン酸とそのアンモニウム塩、アミン塩、各種金属塩、リン酸や有機酸のリン酸エステル等を挙げることができる。
市販されている材料としては、キャタリスト4040、キャタリスト4050、キャタリスト600、キャタリスト602、キャタリスト500、キャタリスト296−9、以上日本サイテックインダストリーズ(株)製、やNACUREシリーズ155、1051、5076、4054JやそのブロックタイプのNACUREシリーズ2500、5225、X49−110、3525、4167以上キング社製などが挙げられる。
この熱酸発生剤の使用割合は、バインダー100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。添加量がこの範囲であると、バインダーの保存安定性が良好で塗膜の耐擦傷性も良好なものとなる。
【0137】
[感光性酸発生剤]
感光性酸発生剤としては、例えば、(1)ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の各種オニウム塩;(2)β−ケトエステル、β−スルホニルスルホンとこれらのα−ジアゾ化合物等のスルホン化合物;(3)アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等のスルホン酸エステル類;(4)スルホンイミド化合物類;(5)ジアゾメタン化合物類;を挙げることができる。この感光性酸発生剤の使用割合は、バインダー100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
【0138】
低屈折率層用硬化組成物には、(A)前記含フッ素ポリマー、(B)無機微粒子、(C)後述するオルガノシラン化合物を含有してなるのが好ましい。
【0139】
[低屈折率層用無機微粒子]
低屈折率層として、無機もしくは有機の微粒子を用い、微粒子間または微粒子内のミクロボイドと して形成した層を用いることも好ましい。微粒子の平均粒径は、0.5〜200mmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、3〜70nmであることがさらに好ましく、5〜40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
【0140】
無機微粒子としては、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
【0141】
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。
また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。
【0142】
低屈折率層は、5〜50重量%の量のバインダーを含むことが好ましい。バインダーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。バインダーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持できるように調整する。
【0143】
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、バインダーとの親和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組合せで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物 に、カップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸、有機酸、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
【0144】
表面処理を行なった微粒子の表面にさらにポリマーでシェルを形成することも好ましい。
シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。
【0145】
無機微粒子の配合量は、1mg/m2〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5mg/m2〜80mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜60mg/m2である。少なすぎると、耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどが悪化する場合がある。
無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上100%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。
無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
無機微粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
【0146】
低屈折率層の屈折率上昇をより一層少なくするために、前記無機微粒子は、中空構造であるのが好ましく、また、無機微粒子の屈折率は好ましくは1.17〜1.40、より好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率はシェルのみではなく中空を有する粒子全体としての屈折率を表す。この時、数式(II)中、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記数式(II)で表される空隙率xは
【0147】
(数式II)
x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
【0148】
好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。
無機微粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定を行い測定した。
【0149】
また、平均粒径が低屈折率層の厚みの25%未満である無機微粒子(以下「小サイズ無機微粒子」と称す)の少なくとも1種を前記の好ましい範囲内の粒径の無機微粒子(以下「大サイズ無機微粒子」と称す)と併用してもよい。
小サイズ無機微粒子は、大サイズ無機微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ無機微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このような無機微粒子を用いると、原料コストおよび保持剤効果の点で好ましい。
上述のように前記無機微粒子としては、平均粒径が上述のように低屈折率層の厚みの30〜100%であり、中空構造からなり、屈折率が上述のように1.17〜1.40であるものが特に好ましく用いられる。
【0150】
無機微粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。中でもカップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、シランカップリング処理が特に有効である。
前記カップリング剤は、低屈折率層の無機微粒子の表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
無機微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
【0151】
本発明に係る低屈折率層には、非晶質の有機微粒子が含有されていてもよい。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35〜80重量%であることが好ましく、45〜75重量%であることがさらに好ましい。また、有機微粒子内に、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させ、体積を縮小させることによりミクロボイドを形成させることも好ましい。
有機微粒子の合成に用いられるモノマーとしては、含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含む。モノマーの例として、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビニルエーテル類が挙げられる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。
フッ素原子を含まないモノマーの例としては、オレフィン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類およびアクリルニトリル類が挙げられる。多官能モノマーの例としては、ジエン類、多価アルコールとアクリル酸とのエステル、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル、ジビニル化合物、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類、およびビスメタクリルアミド類が挙げられる。
【0152】
[低屈折率層用硬化性組成物に含有するその他の物質]
前記硬化性組成物は、好ましくは、前述の(A)含フッ素ポリマー、(B)無機微粒子及び後述の(C)オルガノシラン化合物に、必要に応じて各種添加剤および前述のラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤を添加し、更にこれらを適当な溶剤に溶解して作製される。この際固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
【0153】
低屈折率層と直接接する下層との界面密着性等の観点からは、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物等の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して30質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以下の範囲とすることがより好ましく、10質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
【0154】
また、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系化合物あるいはフッ素系化合物の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することもできる。これらの添加剤を添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
【0155】
シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM−4421、FM−5521、FM6621、FM−1121やGelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0156】
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CF2CF3,−CH2(CF24H,−CH2(CF28CF3,−CH2CH2(CF24H等)であっても、分岐構造(例えば−CH(CF32,−CH2CF(CF32,−CH(CH3)CF2CF3,−CH(CH3)(CF25CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えば−CH2OCH2CF2CF3,−CH2CH2OCH248H,−CH2CH2OCH2CH2817,−CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0157】
防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物やフッ素系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては大日本インキ(株)製、メガファックF−150(商品名)、東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0158】
[低屈折率層用の溶剤]
本発明に用いられる低屈折率層を形成するための塗布組成物に用いられる溶剤としては、各成分を溶解または分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶剤が使用できる。乾燥負荷の観点からは、常圧、室温における沸点が100℃以下の溶剤を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶剤を少量含有することが好ましい。
沸点が100℃以下の溶剤としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃)、ヘプタン(98.4℃)、シクロヘキサン(80.7℃)、ベンゼン(80.1℃)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8℃)、クロロホルム(61.2℃)、四塩化炭素(76.8℃)、1,2−ジクロロエタン(83.5℃)、トリクロロエチレン(87.2℃)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6℃)、ジイソプロピルエーテル(68.5℃)、ジプロピルエーテル (90.5℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2℃)、酢酸メチル(57.8℃)、酢酸エチル(77.1℃)、酢酸イソプロピル(89℃)などのエステル類、アセトン(56.1℃)、2−ブタノン(メチルエチルケトンと同じ、79.6℃)などのケトン類、メタノール(64.5℃)、エタノール(78.3℃)、2−プロパノール(82.4℃)、1−プロパノール(97.2℃)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6℃)、プロピオニトリル(97.4℃)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2℃)などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃を以上の溶剤としては、例えば、オクタン(125.7℃)、トルエン(110.6℃)、キシレン(138℃)、テトラクロロエチレン(121.2℃)、クロロベンゼン(131.7℃)、ジオキサン(101.3℃)、ジブチルエーテル(142.4℃)、酢酸イソブチル(118℃)、シクロヘキサノン(155.7℃)、2−メチル−4−ペンタノン(MIBKと同じ、115.9℃)、1−ブタノール(117.7℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(166℃)、ジメチルスルホキシド(189℃)などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノンである。
【0159】
[ゾルゲル法を利用した低屈折率層]
低屈折率層用の素材として、各種ゾルゲル素材を用いることもできる。このようなゾルゲル素材としては、金属アルコレート(シラン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等のアルコレート)、オルガノアルコキシ金属化合物、およびその加水分解物を用いることができる。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシランおよびその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。また、各種の官能基を有するオルガノアルコキシシラン(ビニルトリアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン等)、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等)を用いることも好ましい。特にフッ素含有のシラン化合物を用いることは、層の低屈折率化および撥水・撥油性付与の点で好ましい。
【0160】
《帯電防止層》
本発明の光学フィルムは表面に塵埃(埃など)が付着するのを防止するために帯電防止層を用いることも好ましい。防塵性は、表面の表面抵抗値を下げることで発現される。表面抵抗値は、1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、1×1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
帯電防止層は、光拡散層と低屈折率層の間、または透明支持体と光拡散層の間に設けることが好ましい。
【0161】
帯電防止層を塗布で形成する場合、導電材(電子伝導型の導電性粒子、イオン伝導型の有機化合物など)を結着剤(バインダーなど)に含有させて、帯電防止層を形成することが好ましい。特に、電子伝導型の導電材が、環境の変化を受け難く導電性能が安定するので低湿環境下でも良好な導電性能を発現する点で好ましい。
【0162】
帯電防止層に用いられる好ましい導電材としては、酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、などが挙げられる。
【0163】
(その他の塗布層について)
本発明の光学フィルムには、物理強度を付与するために透明支持体と最外層の間にハードコート層を設けることも好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗料を透明支持体上に塗布し、架橋又は重合反応させることにより形成することができる。
【0164】
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、光拡散層で例示したものが挙げられ、光重合開始剤、光増感剤を用いて重合することが好ましい。光重合反応は、ハードコート層の塗布および乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
【0165】
ハードコート層の膜厚は、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは2〜7μm、特に好ましくは3〜5μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
【0166】
ハードコート層には樹脂、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。また、ハードコート層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御するなどの目的で、後述する一次粒子の平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を添加することができる。
さらには、防眩機能、液晶表示装置の視野角拡大機能を付与する目的で前記平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有して、防眩性または散乱性ハードコート層にすることもできる。
【0167】
《透明支持体》
透明支持体としては、プラスチックフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムとしてはセルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましく、特に、液晶表示装置に用いる場合、トリアセチルセルロースであることが好ましい。
【0168】
透明支持体がトリアセチルセルロースフィルムの場合、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで調整したトリアセチルセルロースドープを単層流延、複数層共流延の何れかの流延方法により作製したトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。
【0169】
特に、環境保全の観点から、トリアセチルセルロースを低温溶解法あるいは高温溶解法によってジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶解することで調整したトリアセチルセルロースドープを用いて作製したトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。
本発明に好ましく用いられるトリアセチルセルロースフィルムについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745)に例示されている。
【0170】
上記の透明支持体の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚は1〜300μmがよく、好ましくは30〜150μm、特に好ましくは40〜120μm、最も好ましくは40〜100μmである。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
透明支持体のヘイズは低い方が好ましい。2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
透明支持体の屈折率は、1.40〜1.70であることが好ましい。
【0171】
透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、透明支持体には、滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。
【0172】
透明支持体に、表面処理を実施してもよい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理とコロナ放電処理が特に好ましい。
【0173】
《オルガノシラン化合物》
本発明に係る光学フィルムの各層に特に好ましく用いることができるオルガノシラン化合物について記載する。
皮膜の物理強度(耐擦傷性など)、皮膜と皮膜に隣接する層の密着性を改良する点でオルガノシラン化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物、例えばオルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物等(以下、得られた反応溶液
を「ゾル成分」とも称する)を含有させることが、耐擦傷性の点で、特に反射防止能と耐擦傷性とを両立させる点で、好ましい。
このゾル成分は塗布組成物中へ加え、該塗布組成物を塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成することにより低屈折率層のバインダーとして機能する。また、本発明においては、前記含フッ素ポリマーを有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
前記オルガノシラン化合物は、下記一般式[A]で表されるものが好ましい。
【0174】
一般式[A]
(R10−Si(Z)4-a
【0175】
前記一般式[A]において、R10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Zは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
aは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
【0176】
10あるいはZが複数存在するとき、複数のR10あるいはZはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
【0177】
10が複数ある場合は、少なくとも一つが置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
前記一般式[A]で表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式[B]で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
【0178】
【化16】


【0179】
前記一般式[B]において、R1は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカル
ボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
は単結合もしくは *−COO−**, *−CONH−**又は *−O−**を表し、単結合、 *−COO−**および *−CONH−**が好ましく、単結合および *−COO−**が更に好ましく、 *−COO−**が特に好ましい。* は=C(R1)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
【0180】
は2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
【0181】
dは0または1を表す。Zが複数存在するとき、複数のZはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。dとして好ましくは0である。
10は一般式[A]と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Zは一般式[A]と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0182】
一般式[A]、一般式[B]の化合物は2種類以上を併用しても良い。以下に一般式[A]、一般式[B]で表される化合物の具体例を示すが、限定されるものではない。
【0183】
【化17】


【0184】
【化18】


【0185】
これらのうち、(M−1)、(M−2)、および(M−5)が特に好ましい。
【0186】
そして、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物は、一般に前記オルガノシラン化合物を触媒の存在下で処理して製造されるものである。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等が挙げられる。本発明においては、金属キレート化合物、無機酸類及び有機酸類の酸触媒を用いるのが好ましい。無機酸では塩酸、硫酸が好ましく、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、更には、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸が好ましく、特に、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が好ましく、具体的には、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
【0187】
金属キレート化合物としては、一般式ROH(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールとR4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。本発明に用いられる 金属キレート化合物は、一般式Zr(ORp1(R4COCHCOR5p2、Ti(ORq1(R4COCHCOR5q2、およびAl(ORr1(R4COCHCOR5r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のRおよびR4は、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R5は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、およびr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
【0188】
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどが挙げられる。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
【0189】
また、本発明においては、前記硬化性組成物に、更にβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物が添加されることが好ましい。以下にさらに説明する。
【0190】
本発明で好適に使用されるのは、一般式R4COCH2COR5で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物であり、本発明に用いられる硬化性組成物の安定性向上剤として作用するものである。ここで、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。β−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を構成するR4およびR5は、前記金属キレート化合物を構成するR4およびR5と同様である。
【0191】
このβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。
【0192】
前記オルガノシラン化合物の配合量は、含有率層の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。
前記オルガノシラン化合物は硬化性組成物(防眩層用、低屈折率層用等の塗布液)に直接添加してもよいが、あらかじめ前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物および金属キレート化合物を含有する組成物を調製しておいて、これにβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を添加した液を防眩層もしくは低屈折率層の少なくとも1層の塗布液に含有せしめて塗設することが好ましい。
【0193】
含有層における、バインダーに対するオルガノシランのゾル成分の使用量は、5〜100質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、8〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。使用量が少ないと本発明の効果が得にくく、多すぎると屈折率が増加したり、膜の形状・面状が悪化するので好ましくない。
【0194】
オルガノシラン化合物を添加するのに好ましい層は、帯電防止層、ハードコート層、防眩層、光拡散層、高屈折率層、低屈折率層、及び最外層であり、より好ましくはハードコート層、防眩層、光拡散層、低屈折率層、及び最外層であり、特に好ましくは最外層及び該最外層の隣接層である。
【0195】
《光学フィルムの形成法等》
本発明において光学フィルムを構成する各層は、塗布法により作製したものが好ましい。塗布で形成する場合、各層はディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2,681,294号明細書記載)またはダイコート法(特開2003−20097号、同2003−211052号、2003−236434号、同2003−260400号、同2003−260402号公報等に記載)により作製することができる。2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3,508,947号、同3,526,528号の各明細書および原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコートが好ましい。特に、マイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
【0196】
マイクログラビアコート法とは、通常直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を支持体に転写させて塗工することを特徴とする塗布法である。
マイクログラビアコート法では、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、より好ましくは100〜300本/インチである。グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、より好ましくは5〜200μmである。グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、より好ましくは5〜200rpmである。支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜50m/分である。
【0197】
また、ダイコート法はバックアップローラに支持されて連続走行するウェブに対して、内部にポケットが形成されているスロットダイから塗布液をビードにして塗布することにより、ウェブ上に塗膜を形成する。スロットダイの先端とウェブとの距離を、ウェブ進行方向に対するスロット部材の上流側と下流側で適度に調節することによって湿潤膜厚が数十μm以下の塗布を精度よく行うことができる。
【0198】
《光学フィルムの物理性能》
本発明に係る光学フィルムは、物理強度(耐擦傷性など)を改良するために、塗布した最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で最外層を有する側の表面を移動させたときの、最外層を有する側の表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
さらに光学フィルムは、防汚性能を改良するために、最外層を有する側の表面の水に対する接触角が80゜以上であることが好ましい。更に好ましくは90゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
さらにフィルムのヘイズは、0.5〜60%であることが好ましく、1〜50%であることがさらに好ましく、1〜40%であることが最も好ましい。
さらにフィルムの反射率は、低いほど好ましく、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
【0199】
《偏光板用保護フィルム》
本発明の光学フィルムを偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)として用いることができる。この場合、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。さらに好ましくは30°以下であり、特に好ましくは25°以下である。接触角を40°以下にすることは、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。この接触角は下記の鹸化処理の処理条件により調整することができる。
【0200】
偏光板用保護フィルムとして用いる反射防止フィルムの透明支持体としては、トリアセチルセルロースフィルムを用いることが特に好ましい。
【0201】
本発明における偏光板用保護フィルムを作製する手法としては、例えば下記2つの手法が挙げられる。
(1)鹸化処理した透明支持体の一方の面に上記の各層(例、帯電防止層、ハードコート層、防眩層、低屈折率層、高屈折率層、最外層など)を塗設する手法。
(2)透明支持体の一方の面に上記の各層(例、帯電防止層、ハードコート層、防眩層、低屈折率層、最外層など)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理する手法。
【0202】
上記(1)の手法において、透明支持体の一方の面のみが鹸化処理されている場合、各層は鹸化処理されていない側に塗設する。透明支持体の両方の面が鹸化処理されている場合、各層を塗設する側の鹸化処理した透明支持体の表面をコロナ放電処理、グロー放電処理、火焔処理などの手法により表面処理し、その後、各層を塗設することが好ましい。
上記(2)において、光学フィルム全体を鹸化液に浸漬することが好ましい。この場合、光学フィルムは各層を有する側の表面を保護フィルムで保護して鹸化液に浸せきし、偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面を鹸化処理することもできる。
さらにまた、光学フィルムの偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面に鹸化処理液を塗布して、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理することもできる。
鹸化処理は、保護フィルムの上に反射防止性能を付与した後に実施することで、よりコストを削減でき、特に(2)の手法が、偏光板用保護フィルムを安価に製造できる点で好ましい。
【0203】
偏光板用保護フィルムは、光学性能(低反射性能、防眩性能など)、物理性能(耐擦傷性など)、耐薬品性、防汚性能(耐汚染性など)、耐候性(耐湿熱性、耐光性)、防塵性能において、本発明の光学フィルムとして記載した性能を満足することが好ましい。
従って、最外層を有する側の表面の表面抵抗値が1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、1×1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
また、最外層を有する側の表面の水に対する接触角は90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
【0204】
(鹸化処理)
上記の鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に透明支持体、又は、光学フィルムを適切な時間浸漬して実施するのが好ましい。
アルカリ液は、水酸化カリウム水溶液、及び/又は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/lであり、特に好ましくは1〜2mol/lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜70℃、特に好ましくは40〜60℃である。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
【0205】
鹸化処理することにより、透明支持体の表面が親水化される。偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、防眩層や低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは25゜以下である。
【0206】
《偏光板》
本発明の偏光板は、偏向膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方に、本発明の光学フィルムを有する。偏光板用保護フィルムは、上記のように、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。
【0207】
本発明の光学フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることにより、反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の光学フィルムを2枚の保護フィルムの一方に用い、後述する光学異方性のある光学補償フィルムをもう一方に用いた偏光板は、さらに、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角を非常に広げることができるので、好ましい。
【0208】
《光学補償フィルム》
上記光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性層を有し、該ディスコティック化合物とフィルム面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向で変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。すなわち、ディスコティック構造単位を有する化合物の配向状態としては、例えば、ハイブリッド配向、ベント配向、ツイスト配向、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向等であることが好ましく、ハイブリッド配向であることが特に好ましい。該角度は、光学異方性層中で光学補償フィルムの支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
【0209】
また、光学異方性層が更にセルロースエステルを含んでいる態様、光学異方性層と光学補償フィルムの透明支持体との間に配向層が形成されている態様、該光学異方性層を有する光学補償フィルムの透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有する態様、更に下記の数式(III)を満足する態様も好ましい。
【0210】
数式(III)
20≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400
【0211】
数式(III)中、nxは面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり、ny
は面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率、nzは面に垂直方向の屈折率である。また、dは
光学異方性層の厚さ(nm)である。
【0212】
《画像表示装置》
光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。光学フィルムは、光学フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着することが好ましい。
本発明に用いる光学フィルム及び偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、上記の光学補償フィルムと光学フィルムを保護フィルムとして有する偏光板を用いることで、視野角特性と反射防止特性を大幅に改良できる。
また、さらに市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、透過型または半透過型の液晶表示装置において、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
【実施例】
【0213】
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の合成)
【0214】
【化19】


【0215】
ステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40質量部、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7質量部、及び過酸化ジラウロイル0.55質量部を仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25質量部をオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cm2(529kPa)であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2kg/cm2(314kPa)に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー生成物28質量部を得た。
次に該ポリマー生成物の20質量部をN,N−ジメチルアセトアミド100質量部に溶解、氷冷下で、アクリル酸クロライド11.4質量部を滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて水洗し、有機層を抽出後、濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1を19質量部得た。得られたパーフルオロオレフィン共重合体の屈折率は1.421であった。
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度30%の溶液を得た。
【0216】
(オルガノシラン化合物A溶液の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120質量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加えて混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させた。室温まで冷却し、オルガノシラン化合物Aの溶液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィーによって分析したところ、原料の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは殆ど残存していなかった。
【0217】
(硬化性多分岐ポリマー[RHB−1])の調製
1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸0.1モルを攪拌、窒素置換しながら120℃に加温した。これに5−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン−1,3−ジカルボン酸0.9モルと、メタンスルホン酸1.2ミリモルを投入し、発生する水を取り除きながら140℃で2時間反応させた。この後、減圧度2.5kPaで減圧しながら30分間反応させて、多分岐ポリマー[HB−1]を調製した。
次いで、得られた多分岐ポリマー[HB−1]に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.2モル、t−ブチルヒドロキノン1.0質量部を加えて60℃で3時間反応させた。この反応生成物を冷却し、クロロホルム溶解、アルカリ水洗浄、1%塩酸洗浄、水洗浄した後乾燥して、硬化性多分岐ポリマー[RHB−1]を得た。
【0218】
(硬化性多分岐ポリマー[RHB−2])の調製
ポリエステル型デンドリマー“BOLTORN(RTG)2G”(16個の表面ヒドロキシル基を有する;perstorp社製)10質量部、テトラヒドロフラン23質量部の混合液に、室温で攪拌しながら水素化ナトリウム3.5質量部を加えた。次いでエピブロモヒドリン19質量部及びテトラヒドロフラン45質量部の混合液を1時間で滴下し、50℃に加温して6時間攪拌した。攪拌後、室温に冷却し、反応物を水1リットルに空けて、トルエン600mlで抽出し、洗浄した後、乾燥した。抽出液のトルエンを減圧除去して、硬化性多分岐ポリマー[RHB−2]を得た。
【0219】
(光拡散層塗布組成物A−1の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(KAYARAD PET-30、日本化薬(株)製)47.0質量部に、トルエン22.5質量部を加えて撹拌した。これに重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.0質量部、フッ素系面状改良剤(FP−149)0.05質量部、オルガノシラン化合物(KBM−5103、信越化学工業(株)製)10.0質量部、ポリメタクリル酸メチル(分子量12万)の30%トルエン溶液16.0質量部を添加して撹拌、溶解した。この溶液を塗布したのち、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(屈折率1.536)の30%トルエン分散液20.0質量部、及び、同条件で分散した平均粒径2.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(屈折率1.536)の30%トルエン分散液13.3質量部を添加した後に、さらにプロピレングリコール3.8質量部加え、エアーディスパーにて10分撹拌した。
前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層塗布組成物A−1を調製した。
【0220】
(光拡散層用塗布組成物A−2の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部をメチルイソブチルケトン46.3質量部で希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.3質量部添加し、混合攪拌した。続いてフッ素系面状改良剤(FP−149)を0.04質量部、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を5.2質量部、分子量40,000のセルロースアセテートブチレート(CAB−531−1、イーストマンケミカル(株)製)0.50質量部を加えてエアーディスパーにて120分間攪拌して溶質を完全に溶解した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.52であった。
さらに、この溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(屈折率1.536)の30%メチルイソブチルケトン分散液を12.6質量部と同条件で分散した平均粒径2.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(屈折率1.536)の30%メチルイソブチルケトン分散液を8.4質量部加えた後に、さらにプロピレングリコール4.8質量部を加え、エアーディスパーにて10分間攪拌した。
前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布組成物A−2を調製した。
【0221】
(光拡散層用塗布組成物A−3〜A−20の調製)
前記の光拡散層用塗布組成物A−2に対して、透光性樹脂粒子の組成、平均粒径、親水性高沸点溶媒種、およびモノマー種を表1に記載のように変更した以外は塗布液A−2と全く同じにして、光拡散層用塗布組成物A−3〜A−20を調製した。
【0222】
(比較用光拡散層用塗布組成物イ〜ニの調製)
前記の光拡散層用塗布組成物A−2に対して、透光性樹脂粒子の組成、粒子の組み合わせ、および親水性高沸点溶媒量を表1に記載のように変更した以外は塗布組成物A−2と全く同じにして、比較用光拡散層用塗布組成物イ〜ニを調製した。
なお、透光性樹脂粒子量を減量した場合は、透光性樹脂粒子の総含有量をA−2と同じにするために、減量した分と等量のもう一方の透光性粒子量を増量した。また、親水性高沸点溶媒量を減量した場合は、溶媒の総含有量をA−2と同じにするために、減量した分と等量の残りの低沸点溶媒量を増量した。
【0223】
(比較用光拡散層用塗布組成物ホの調製)
前記の光拡散層用塗布組成物A−1に対して、親水性高沸点溶媒量を表1に記載のように変更した以外は塗布液A−1と全く同じにして、比較用光拡散層用塗布組成物ホを調製した。
【0224】
(比較用光拡散層用塗布組成物ヘの調製)
前記の光拡散層用塗布組成物A−2に対して、プロピレングリコールをゼロにして、総有機溶媒量を変えずに、溶媒の構成をメチルエチルケトンに変更した以外は塗布液A−2と全く同じにして、比較用光拡散層用塗布組成物ヘを調製した。
【0225】
【表1】


【0226】
1)粒子組成 :P1=架橋ポリ(スチレン/メタアクリル酸メチル)=50/50(I/O値=0.49)
P2=架橋ポリスチレン(I/O値=0.09)
2)親水性有機溶媒 :PG=プロピレングリコール(I/O値=3.3)
EG=エチレングリコール(I/O値=5.0)
DMF=N,N-ジメチルホルイムアミド(I/O値=2.3)
3)疎水性有機溶媒 :トルエン(I/O=0.11)
MIBK=メチルイソブチルケトン(I/O値=0.59)
MEK=メチルエチルケトン(I/O値=0.81)
MIBK/MEK=マチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン(7/3)(I/O値=0.59/0.81)
4)モノマー種類 :PETA=KAYARAD PET-30(日本化薬製)(I/O値=1.16)
DPHA=KAYARAD DPHA(日本化薬製)(I/O値=1.04)
EO-TMP(1)=エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアクリレート(EO平均3.5基/1分子)(I/O値=1.22)
EO-TMP(2)=エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアクリレート(EO平均6基/1分子)(I/O値=1.73)
【0227】
(低屈折率層用塗布組成物L−1の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)13.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)1.3質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、メチルエチルケトン5.0質量部およびシクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−1を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であった。
【0228】
(低屈折率層用塗布組成物L−2の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)15.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST、平均粒径15nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.6質量部、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.8質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.4質量部、およびメチルエチルケトン3.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−2を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であった。
【0229】
(中空のシリカ微粒子のMEK分散液の調製)
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製 、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)30部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート(商品名:ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)1.5部加え混合した後に、イオン交換水を9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加した。この分散液500gにほぼシリカの含量一定となるようにメチルエチルケトンを添加しながら、圧力20kPaで減圧蒸留による溶媒置換を行った。分散液に異物の発生はなく、固形分濃度をメチルエチルケトンで調整し20質量%にしたときの粘度は25℃で5mPa・sであった。得られた分散液A−1のイソプロピルアルコールの残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1.5%であった。
【0230】
(低屈折率層用塗布組成物L−3の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)13.0質量部に、上記中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20%)1.95質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、およびメチルエチルケトン4.35質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−3を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.40であった。
【0231】
(低屈折率層用塗布組成物L−4の調製)
イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の混合溶媒に、テトラメトキシシラン1モル、0.1Nの塩酸2モルを添加した。室温で2時間撹拌して加水分解反応を行い、テトラメトキシシランの加水分解物の溶液を調製した。
イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)に、テトラメトキシシランの加水分解物9.0質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.0質量部、重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.5質量部、固形分濃度が4.5質量%になるように添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−4を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.45であった。
【0232】
(低屈折率層用塗布組成物L−5の調製)
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の溶液(固形分濃度30%)15.0質量部に、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C、信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、メチルエチルケトン81.8質量部及びシクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−6を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.43であった。
【0233】
(低屈折率層用塗布組成物L−6の調製)
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の溶液(固形分濃度30%)10.5質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)4.5質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、メチルエチルケトン81.2質量部及び、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−6を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
【0234】
(低屈折率層用塗布組成物L−7の調製)
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の溶液(固形分濃度30%)10.5質量部に、中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20%)6.75質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、メチルエチルケトン81.2質量部及び、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−7を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.41であった。
【0235】
(低屈折率層用塗布組成物L−8の調製)
上記パーフルオロオレフィン共重合体PF−1の溶液(固形分濃度30%)13.5質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.45質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C、信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、メチルエチルケトン81.2質量部及び、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して、撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布組成物L−8を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
【0236】
[実施例1]
膜厚80μm、幅1340mmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)上に、光拡散層用塗布組成物(A−1〜A−20、イ〜ホ)をスロットダイ塗布方式で、搬送速度25m/分の条件で塗布した。
100℃で25秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量110mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて、光拡散層つきフィルムを作製した。
【0237】
上記光拡散層の上に、低屈折率層用塗布組成物(L−1〜L−8)をスロットダイ塗布方式で、搬送速度25m/分の条件で塗布した。
その後、L−1〜L−3についての乾燥、硬化条件は、以下で行った。
120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率層(最外層)を形成した。
L−4についての乾燥、硬化条件は、以下で行った。
120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で20分熱処理して塗布層を硬化させ低屈折率層(最外層)を形成した。
また、L−5〜L−8についての乾燥、硬化条件は、以下のように行った。
90℃で30秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ低屈折率層(最外層)を形成した。
【0238】
本発明に掛かる光学フィルム試料の前記光拡散層および前記低屈折率層の塗設組み合わせを、表2に記載したとおりに行った。
【0239】
【表2】


【0240】
(光学フィルムの評価)
得られた光学フィルム試料について、以下の項目の評価を行った。結果を表3に示す。
【0241】
(1)防眩性の評価
作製した光学フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/cm2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
防眩性は光源輪郭がぼんやりわかる程度から、画面全体が白っぽくならない範囲で輪郭がわからない程度までボケることが好ましい。
◎ :蛍光灯の輪郭がほとんどわからない。
○ :蛍光灯の輪郭がボケて、ぼんやりわかる。
△ :蛍光灯の輪郭がややボケているが、わかる(許容範囲内)
×(1):蛍光灯の輪郭がクッキリわかる。
×(2):蛍光灯の輪郭が全く分からず、かつ全体がかなり白っぽく見える。
(2)平均反射率の評価
分光光度計(日本分光(株)製;V−550)を用いて、380〜780nmの波長領域において、積分球を用いて、入射角5°における分光反射率を測定した。分光反射率の評価において、450〜650nmの平均反射率を用いた。
【0242】
(3)黒味の評価
作製した光学フィルムについて、自動変角光度計GP−5((株)村上色彩技術研究所製)を用いて、入射角度60°、反射角度が10°〜80°の反射光を測定し、基準板に対する反射率として求めた。得られた反射率値を濃度値に変換し、反射角度45°の値を採用して黒味値とした。値の大きいほうが黒味が強く黒しまり感があって好ましいことを示す。
【0243】
【表3】


【0244】
表3の結果より、光拡散層の透光性樹脂粒子を本発明の粒径規定内で2種類含有する本発明の塗布試料(試料No.101〜127)は、透光性粒子を1種類かまたは2種類含有しても粒径範囲が本発明からはずれるか、もしくは有機溶媒を1種類しか使用していない比較用塗布試料(試料No.128〜133)に比べて黒味が増加していることがわかる。この効果が本発明によるものであることは明らかである。
【0245】
[実施例2]
(画像表示装置の評価)
実施例1の試料No.101〜127の光学フィルムを、画像表示装置(TN、STN、IPS、VA、又はOCBのモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置、及び、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT))のディスプレイ面に装着した。本発明の光学フィルムを用いた画像表示装置は、反射防止性と黒しまり性に優れていた。
さらにまた、切断面の面積が100μm2以上の凹は存在せず、画素サイズが100p
pi(100ピクセル/インチ:長さ1インチ当たりに100画素がある)における画像表示装置におけるギラツキ故障の発生が無かった。
【0246】
[実施例3]
(偏光板用保護フィルムの作製)
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を50℃に保温した鹸化液を調整した。さらに、0.01Nの希硫酸水溶液を調製した。
実施例1の試料No.101〜127の光学フィルムにおいて、低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の透明支持体の表面を、上記鹸化液を用いて鹸化処理した。
鹸化処理した透明支持体表面の水酸化ナトリウム水溶液を、水で十分に洗浄した後、上記の希硫酸水溶液で洗浄し、さらに希硫酸水溶液を水で十分に洗浄して、100℃で十分に乾燥させた。
光学フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の、鹸化処理した透明支持体の表面の水に対する接触角を評価したところ、40°以下であった。このようにして、偏光板用保護フィルムを作製した。
【0247】
(偏光板の作製)
特開2002−86554号公報に記載の偏向膜の一方の面に、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として用いて、本発明の光学フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には上記と同様にして鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製フジタック、レターデーション値3.0nm)を同じ接着剤を用いて貼り合わせた。このようにして、本発明の偏光板を作製した。
【0248】
(画像表示装置の評価)
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN、STN、IPS、VA、OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、反射防止性と、特に黒しまり感に優れていた。
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
【0249】
[実施例4]
(偏光板の作製)
光学補償フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)の、光学異方性層を有する側とは反対側の表面を実施例3と同様の条件で鹸化処理した。
実施例3で作製した試料No.101〜127の光学フィルムを用いた偏光板の、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムの代わりに、前記で作製した光学補償フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)を、前記と同じ接着剤で貼り合わせた。
この偏光板を透過型TN液晶セルの視認側の偏光板に用い(視野角拡大フィルムが液晶セル側)、バックライト側の偏光板として、視野角拡大フィルムとトリアセチルセルロースフィルムを保護フィルムとした偏光板を用いた(視野角拡大フィルムが液晶セル側)液晶表示装置を作製して、目視評価したところ、背景の照明の映りこみが少なくてクッキリした画像が得られ、かつ、上下左右の視野角が非常に広くて表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
【0250】
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
【0251】
[実施例5]
(画像表示装置の評価)
実施例1の試料No.101〜127の光学フィルムを、有機EL表示装置に装着したところ、反射防止性、黒しまり感に優れていた。
また、偏光膜の一方の面に実施例3で作製した偏光板用保護フィルム、もう一方の面にλ/4板を有する偏光板を実施例3と同様にして作製した。上記の偏光板を有機EL表示装置に装着したところ、偏光板を貼ったガラス表面からの光の反射もカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
【0252】
[実施例6]
前記実施例1における試料102の光拡散層用塗布組成物A−2に加えるジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタアクリレートヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)の50wt%を、特開2005−76005号、合成例1記載のポリエステルアクリレートデンドリマー(A)に置換えた以外は試料102と同じにして試料201を作製した。評価の結果、低カールでクラックが発生しない樹脂組成物を有する光学フィルムが得られた。
この試料201の防眩性は○、反射率は2.7%、黒味は4.3であった。
【0253】
[実施例7]
前記実施例1における試料102の光拡散層用塗布組成物A−2に加えるジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタアクリレートヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)の40wt%を、本実施例で調製した硬化性多分岐ポリマー[RHB−1]に置き換えた以外は試料102と同じにして試料202を作製した。評価の結果、低カールでクラックが発生しない樹脂組成物を有する光学フィルムが得られた。
この試料202の防眩性は○、反射率は2.7%、黒味は4.4であった。
【0254】
[実施例8]
前記実施例1における試料102の光拡散層用塗布組成物A−2に加えるジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタアクリレートヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)の50wt%を、本実施例で調製した硬化性多分岐ポリマー[RHB−1]に置き換えた。さらに重合開始剤(イルガキュア184)を0.65質量部に減量し、代わりにカチオン重合開始剤としてロードシル フォトイニシエーター2074(RHODIA社製)を、0.65質量部加えた以外は試料102と同じにして試料203を作製した。
評価の結果、この試料も、低カールでクラックが発生しない樹脂組成物を有する光学フィルムであった。
この試料203の防眩性は○、反射率は2.6%、黒味は4.3であった。
【0255】
[実施例9]
前記実施例1における試料102の低屈折率層用塗布組成物L−1の代わりに、以下の塗布組成物L−11を調製して用いた以外は試料102と同じにして試料301を作製した。
(低屈折率層用塗布組成物L−11)
特開平11−189621の実施例1に記載の含フッ素熱硬化性ポリマー80質量部、サイメル303(日本サイテックインダストリーズ(株)製)20質量部、およびキャタリスト4050(日本サイテックインダストリーズ(株)製)2.0質量部を、メチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度を6質量%にした。
前記実施例1と同じ評価を行なった結果、防眩性が○、反射率2.7%、黒味4.4で、良好な光学フィルムが得られた。




 

 


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