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発明の名称 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−34107(P2007−34107A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−220058(P2005−220058)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
発明者 齊藤 之人
要約 課題
液晶表示装置の黒表示時の視角特性の改善及び斜め方向からの色ずれの軽減に寄与する光学補償フィルムを提供する。

解決手段
透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有する光学補償フィルムであり、前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が63nm〜176nmであり、波長550nmにおけるRth1が125〜315nmであり、前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が6nm〜85nmであり、波長550nmにおけるRth2が−2〜−42nmであり、該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である光学補償フィルムである。
特許請求の範囲
【請求項1】
透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有する光学補償フィルムであり、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が53nm〜176nmであり、波長550nmにおけるRth1が100〜400nmであり、
前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が4nm〜85nmであり、波長550nmにおけるRth2が−2〜−42nmであり、該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である光学補償フィルム。
【請求項2】
前記光学異方性層が円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成され、該光学異方性層中前記液晶性化合物の分子が配向状態に固定された、請求項1に記載の光学補償フィルム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学補償フィルムおよび偏光膜を有する偏光板であり、前記光学補償フィルムが有する透明フィルムの面内の遅相軸と偏光膜の面内の透過軸との交差角が略0度である偏光板。
【請求項4】
少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向し、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5ミクロンである液晶層とを有する液晶セル、該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、及び前記液晶層と第一及び第二の偏光膜との間に、光学補償フィルムをそれぞれ有する液晶表示装置であって、
該光学補償フィルムが透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が53nm〜176nmであり、波長550nmにおけるRth1が100〜185nmであり、前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が6nm〜85nmであり、波長550nmにおけるRth2が−3〜−42nmであり、
該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である液晶表示装置。
【請求項5】
少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向し、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5ミクロンである液晶層とを有する液晶セル、該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、及び前記液晶層と第一及び第二の偏光膜の一方との間に、光学補償フィルムを有する液晶表示装置であって、
該光学補償フィルムが透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が66nm〜172nmであり、波長550nmにおけるRth1が185〜400nmであり、前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が4nm〜67nmであり、波長550nmにおけるRth2が−2〜−33nmであり、
該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶セルが垂直配向の液晶層を有する液晶セルである請求項4又は5に記載の液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学補償フィルム、偏光板及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。前記偏光板は、一般的には、保護フィルムおよび偏光膜を有し、例えば、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。透過型液晶表示装置では、偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償フィルムを配置することもある。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償フィルム及び偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶性分子、それを封入するための二枚の基板および液晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶性分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過および反射型いずれにも適用できる、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードが提案されている。
【0003】
この様なLCDの中でも、高い表示品位が必要な用途については、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、薄膜トタンジスタにより駆動する90度ねじれネマチック型液晶表示装置(以下、TNモードという)が主に用いられている。しかしながら、TNモードは正面から見た場合には優れた表示特性を有するものの、斜め方向から見た場合にコントラストが低下したり、階調表示で明るさが逆転する階調反転等が起こることにより表示特性が悪くなるという視野角特性を有しており、この改良が強く要望されている。
【0004】
近年、この視野角特性を改良するLCDの方式として、負の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子を用い、電圧を印加しない状態で液晶分子の長軸を基板に略垂直な方向に配向させ、これを薄膜トランジスタにより駆動する垂直配向ネマチック型液晶表示装置(以下、VAモードという)が提案されている(特許文献1参照)。このVAモードは、正面から見た場合の表示特性がTNモードと同様に優れているのみならず、視野角補償用位相差フィルムを適用することで広い視野角特性を発現する。VAモードでは、フィルム面に垂直な方向に光学軸を有する負の一軸性位相差フィルムを2枚、液晶セルの上下に用いることでより広い視野角特性を得ることができ、このLCDに更に面内のレターデーション値が50nmである正の屈折率異方性を有する一軸配向性位相差フィルムを用いることで、更により広い視野角特性を実現できることも知られている(非特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、2枚の位相差フィルムを用いること(非特許文献1参照)は生産コストの上昇を伴うだけでなく、多数のフィルムを貼り合わせるために歩留まりの低下を引き起こし、さらには複数のフィルムを用いるために厚さが増し、表示装置の薄形化に不利となるなどの問題がある。また、延伸フィルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフィルム間の剥離や反りといった不良が発生することがある。これらを改善する方法として、位相差フィルムの枚数を減らす方法(特許文献2参照)やコレステリック液晶層を用いる方法(特許文献3、4参照)が開示されている。しかしながら、これらの方法でも複数のフィルムを貼り合わせる必要があり、薄層化、生産コスト低減という点では不十分であった。さらに、黒表示時の偏光板の斜め方向からの光漏れが可視光領域で完全に抑えられてはおらず、視野角が十分に拡大していないという問題があった。さらに重要なことには、黒表示の偏光板の斜め方向の入射光に対しては、可視光のすべての波長において完全な光漏れの補償をすることが難しく、そのため色ずれの方位角方向依存性が発生するという問題があった。また、位相差フィルムのレターデーションの波長分散を制御することで光漏れを防ぐという方法も提案されているが(特許文献5参照)、面内のレターデーションの波長分散と厚さ方向のレターデーション波長分散の違いについては考慮されておらず、光りぬけを抑える効果は不十分であるという問題があった。さらに、液晶層の複屈折率が変化したときの影響が十分考慮されておらず、液晶層の複屈折の値によっては十分な効果が得られないままでいた。
【0006】
【特許文献1】特開平2−176625号公報
【特許文献2】特開平11−95208号公報
【特許文献3】特開2003−15134号公報
【特許文献4】特開平11−95208号公報
【特許文献5】特開平2002−221622号公報
【非特許文献1】SID 97 DIGEST 845頁〜848頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、液晶セルが正確に光学的に補償され、高いコントラストを有する液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置を提供することである。特に本発明は、黒表示時の斜め方向の光抜けが軽減され、視野角コントラストが改善された液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決する手段は以下の通りである。
(1)透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有する光学補償フィルムであり、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が53nm〜176nmであり、波長550nmにおけるRth1が100〜400nmであり、
前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が4nm〜85nmであり、波長550nmにおけるRth2が−2〜−42nmであり、該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である光学補償フィルム。
(2)前記光学異方性層が円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成され、該光学異方性層中前記液晶性化合物の分子が配向状態に固定された、(1)に記載の光学補償フィルム。
(3)上記(1)又は(2)に記載の光学補償フィルムおよび偏光膜を有する偏光板であり、該透明フィルムの面内の遅相軸と偏光膜の面内の透過軸との交差角が略0度である偏光板。
(4)少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向し、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5ミクロンである液晶層とを有する液晶セル、該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、及び前記液晶層と第一及び第二の偏光膜との間に、光学補償フィルムをそれぞれ有する液晶表示装置であって、
該光学補償フィルムは透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が53nm〜176nmであり、波長550nmにおけるRth1が100〜185nmであり、
前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が6nm〜85nmであり、波長550nmにおけるRth2が−3〜−42nmであり、該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である光学補償フィルムから構成される液晶表示装置。
(5)少なくとも一方に電極を有する対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、ネマチック液晶材料を含み、黒表示時に該ネマチック液晶材料の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して略垂直に配向し、厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.1〜1.5ミクロンである液晶層とを有する液晶セル、該液晶セルを挟持して配置された第一及び第二の偏光膜、及び前記液晶層と第一及び第二の偏光膜の一方との間に、光学補償フィルムを有する液晶表示装置であって、
該光学補償フィルムは透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有し、
前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が66nm〜172nmであり、波長550nmにおけるRth1が185〜400nmであり、
前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が4nm〜67nmであり、波長550nmにおけるRth2が−2〜−33nmであり、
該光学異方性層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略0度である光学補償フィルムから構成される液晶表示装置。
(6)前記液晶セルが垂直配向の液晶層を有する液晶セルである(5)〜(6)のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【0009】
なお、本明細書において、「0°」、「45゜」、「平行」あるいは「直交」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度について、「+」は時計周り方向を意味し、「−」は反時計周り方向を意味するものとする。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、「可視光領域」とは、380nm〜780nmのことをいう。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
【0010】
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体のことを意味するものとする。
【0011】
また、本明細書において「分子対称軸」とは、分子が回転対称軸を有する場合は該対称軸をいうが、厳密な意味で分子が回転対称性であることを要求するものではない。一般的には、分子対称軸は、円盤状液晶性化合物では、円盤面の中心を貫く円盤面に対して垂直な軸と一致し、また棒状液晶性化合物では分子の長軸と一致する。また、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。本発明では、Re(λ)は、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて測定される値とする。また、Rth(λ)は、前記Re(λ)、遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHによって算出された値とする。ここで平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値および膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
ここで、本明細書においては、R、G、Bの波長として、Rは波長650nm、Gは波長550nm、Bは波長450nmを用いた。R、G、Bの波長は必ずしもこの波長で代表されるものではないが、本発明の効果を奏する光学特性を規定するのに適当な波長であると考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、所定の光学特性を有する透明フィルムと光学異方性層とを有する光学補償フィルムを用いることで、液晶セル、特にVAモードの液晶セルの黒状態の視角補償をほぼ全ての波長において可能にするものである。その結果、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けが軽減され、視野角コントラストが著しく改善されている。また、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けをほぼ全ての可視光波長領域で抑えることができるため、従来問題であった視野角に依存した黒表示時の色ずれが大きく改善されている。
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の作用を説明する。
図1に、本発明の液晶表示装置の構成例の模式図を示す。図1に示すVAモードの液晶表示装置は、電圧印加時、即ち黒表示時に、液晶が基板面に対して垂直配向する液晶層7とそれを挟む基板6及び8からなる液晶セルを有する。基板6及び8は液晶面に垂直配向処理が施してある。液晶セルを挟持して偏光膜1及び101が配置されている。偏光膜1及び101それぞれの透過軸2及び102を、互いに直交に配置されている。偏光膜1及び101と液晶セルとの間には、透明フィルム13a及び113aと光学異方性層5及び9がそれぞれ配置されている。透明フィルム13a及び113aは、その遅相軸14a及び114aが、それぞれに隣接する偏光膜1及び101の透過軸2及び102の方向と平行に配置されている。また、光学異方性層5及び9は、液晶性化合物の配向によって発現された光学異方性を有する。
【0014】
図1中の液晶セルは、上側基板6及び下側基板8と、これらに挟持される液晶分子7から形成される液晶層からなる。基板6及び8の液晶分子7に接触する表面(以下、「内面」という場合がある)には、配向膜(不図示)が形成されていて、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子7の配向が略垂直方向に配向制御されている。また、基板6及び8の内面には、液晶分子7からなる液晶層に電圧を印加可能な透明電極(不図示)が形成されている。本発明では、液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは、0.1〜1.5ミクロンとするのが好ましく、さらに、0.2〜1.5ミクロンとするのがより好ましく、0.2〜1.2ミクロンとするのがさらに好ましく、0.2〜0.4ミクロンとするのがさらにより好ましい。これらの範囲では白電圧印加時における白表示輝度が高いことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。用いる液晶材料については特に制限されないが、上下基板6及び8間に電界が印加される態様では、電界方向に垂直に液晶分子7が応答するような、誘電率異方性が負の液晶材料を使用する。
【0015】
例えば、液晶セルをVAモードの液晶セルとする場合は、上下基板6及び8間に、誘電異方性が負で、Δn=0.08、Δε=−5程度のネマチック液晶材料などを用いることができる。液晶層の厚さdについては特に制限されないが、前記範囲の特性の液晶を用いる場合、4ミクロン程度に設定することができる。厚さdと、白電圧印加時の屈折率異方性Δnの積Δn・dの大きさにより白表示時の明るさが変化するので、白電圧印加時において十分な明るさを得るためには、無印加状態における液晶層のΔn・dは0.2〜1.2ミクロンの範囲になるように設定するのが好ましい。
【0016】
なお、VAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル材の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。また、マルチドメイン構造とする場合には、各ドメイン間の境界領域の液晶分子の配向を調整するのに有利である。マルチドメイン構造とは、液晶表示装置の一画素を複数の領域に分割した構造をいう。例えば、VAモードにおいて、マルチドメイン構造にすると、輝度や色調の視野角特性が改善されるので好ましい。具体的には、画素のそれぞれを液晶分子の初期配向状態が互いに異なる2以上(好ましくは4又は8)の領域で構成して平均化することで、視野角に依存した輝度や色調の偏りを低減することができる。また、それぞれの画素を、電圧印加状態において液晶分子の配向方向が連続的に変化する互いに異なる2以上の領域から構成しても同様の効果が得られる。
【0017】
偏光膜1及び101の透過軸2及び102、透明フィルム13a及び113aの遅相軸方向14a及び114a、ならびに液晶分子7の配向方向については、各部材に用いられる材料、表示モード、部材の積層構造等に応じて最適な範囲に調整する。すなわち、偏光膜1の透過軸2及び偏光膜101の透過軸102が、互いに実質的に直交しているように配置する。但し、本発明の液晶表示装置は、この構成に限定されるものではない。
【0018】
光学異方性層5及び9は、透明フィルム13a及び113aと、液晶セルとの間に配置される。光学異方性層5及び9は、液晶性化合物、例えば、棒状化合物又は円盤状化合物を含有する組成物から形成された層である。光学異方性層において、液晶性化合物の分子は、所定の配向状態に固定されている。例えば、光学異方性層5及び9中の液晶性分子の透明フィルム13a及び113aとの界面における平均配向方向5a及び9aは、透明フィルム13a及ぶ113a(もしくはその表面に形成された配向膜(不図示))の表面に施されたラビング処理等の方向によって決定される。
【0019】
次に、本発明の補償原理について詳しく説明する。
図2は従来技術におけるVAモードの構成図である。図3にこの従来技術における光学補償をポアンカレ球を用いて説明する。この従来技術は2枚の2軸性フィルムを偏光板と液晶層の間に1枚ずつ位置させた構成で光学補償をしている例である。ここで、光の伝播方向は方位角=45度、極角=34度である。図3中、S2軸は、紙面上から下に垂直に貫く軸であり、図3は、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た図である。また、図3は、平面的に示されているので、偏光状態の変化前と変化後の点の変位は、図中直線の矢印で示されているが、実際は、液晶層や光学補償フィルムを通過することによる偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、それぞれの光学特性に応じて決定される特定の軸の回りに、特定の角度回転させることで表される。
【0020】
図3中の偏光板1を通過した入射光の偏光状態は、図3では点1(図中、四角で示した)に相当し、図1中の偏光板2の吸収軸によって遮光される偏光状態は、図3では点2(図中、四角で示した)に相当する。従来、VAモードの液晶表示装置において、斜め方向におけるOFF AXISの光抜けは、斜め方向から見たときの偏光膜の軸が直交からずれることに起因し、それがこの点1と点2のずれを引き起こす。光学補償フィルムは、一般的に、液晶層における偏光状態の変化も含めて、入射光の偏光状態を点1から点2に変化させるために用いられる。図中では、入射光をR(赤)、G(緑)、B(青)の3つについてその遷移を表している。偏光板1を通過した直後の入射光はR,G,Bとも同じ状態(IR1=IG1=IB1)であるが、光学補償フィルムを通った後で各々IR2,IG2,IB2に遷移する。その後、液晶セル3の液晶層は正の屈折率異方性を示し垂直配向しているので、液晶層を通過することによる入射光の偏光状態の変化は図3中の上から下への矢印で示されるように、波長λにおける液晶層の斜め方向からの実効的なレターデーションΔn’d’を波長で割った値Δn’d’/λに比例する角度で回転し、IR3,IG3,IB3に遷移する。その後、光学補償フィルムで各々IR4,IG4,IB4に遷移する。その後偏光板2の吸収軸(点2)で吸収され、光学補償が完了する。しかしながら、この光学補償を完全に満たすのは、Gのみであり、RとBは点2に達することが出来ない。これが、斜め方向におけるコントラストを低下させる原因になっていた。これを解決するには、光学補償フィルムの波長分散を制御する方法が考えられるが、光学補償フィルムの波長分散は材料物性に起因することが多いため制御が難しく、R,G,Bの補償条件を全て満たすような光学補償フィルムを作製するのは難しい。
【0021】
本発明では、R,G,Bの全ての波長で、点2に達するような光学補償をするため鋭意検討した結果、2軸性のある透明フィルムの次にポアンカレ球上で反対方向の遷移をするような光学異方性層、具体的には2軸性透明フィルムの遅相軸とその遅相軸が直交する方向に光学異方性層を配置することにより、この問題を解決できることを見いだした。このようにすれば、フィルムの波長分散の制御が困難な場合でも理想的な光学補償を実現することが可能である。この原理を図4に示す。
図4中の偏光板1を通過した直後の入射光はR,G,Bとも同じ状態(IR1=IG1=IB1)であるが、透明フィルムを通った後は、各々IR2,IG2,IB2に遷移する。その後、光学異方性層により、透明フィルムと反対方向に遷移し、IB3,IG3,IR3に遷移する。このとき、IB3,IG3,IR3のS1値は0に近いことが望ましく、また、IB3のS3値はIG3のS3値よりも大きく、IG3のS3値はIR3のS3値よりも大きいことが望ましい。このようにすると、次に、液晶層を通過することによってR,G,Bが異なる大きさΔn’d’/λだけ遷移して達するIB4,IG4及びIR4が、いずれもS1値が0に近く、IB4のS3値がIG4のS3値よりも絶対値として大きく、IG4のS3値がIR3のS2値よりも絶対値として大きくなる。さらに、背面側に配置された光学異方性層及び透明フィルムを順次通過することによってR,G、Bが同様の原理で遷移すると、偏光板2の直前の偏光状態はIR6=IG6=IB6となり、即ち、波長によらず完全な補償をできることになる。
【0022】
このような遷移をさせるには、透明フィルムの遅相軸はそれに最も近い偏光膜の吸収軸と直交し、かつ光学異方性層の面内遅相軸がそれに最も近い偏光膜と平行であることが必要である。なぜなら、正面に於いてはコントラストに影響を与えないように透明フィルムと光学異方性層のそれぞれの面内遅相軸は偏光膜の吸収軸と直交または平行である必要があり、かつ、図4でポアンカレ球上で示したような遷移をさせるためには透明フィルムの遅相軸と光学異方性層の面内遅相軸は直交している、即ち、透明フィルの面内遅相軸と光学異方性層の進相軸は略0度である必要があるためである。
【0023】
光学異方性層は2軸性をもった透明フィルムの遷移の反対の方向に動く作用をもっていれば、1軸性でも2軸性でも厚さ方向に不均一なフィルムであってもかまわない。例えば、円盤状化合物の分子を配向させて形成された光学異方性層を、その面内の遅相軸を透明フィルムの面内の遅相軸と直交させて(即ち、その面内の進相軸を透明フィルムの面内の遅相軸と平行にして)配置する;棒状化合物の分子を配向させて形成された光学異方性層を、その面内の遅相軸が透明フィルムの面内の遅相軸と直交させ(即ち、その面内の進相軸を透明フィルムの面内の遅相軸と平行にして)配置する;及び1軸または2軸延伸フィルムを、その面内遅相軸を透明フィルムの面内の遅相軸と直交させて(即ち、その面内の進相軸を透明フィルムの面内の遅相軸と平行にして)配置する等で、本発明の効果を奏することができる。
【0024】
上の例では、透明フィルムと光学異方性層が両側の偏光層と液晶セルの間に1枚ずつ計4枚使われている例であるが、片側の偏光膜と液晶セルとの間に1枚ずつ計2枚の構成でも同様の効果を得ることが出来る。後者の態様では、もう一方の偏光膜と液晶セルとの間に保護膜を配置してもよい。保護膜は1軸性でも2軸性でも、厚さ方向に不均一なフィルムであってもかまわないが、リターデーションが0に近いほうが望ましい。0に近くない場合でもその大きさの影響を考慮して透明フィルムと光学異方性層のリターデーションを決めることによって、本発明の効果を得ることができる。
【0025】
以上説明した様に、本発明では、互いに異なる偏光状態の遷移をもたらす透明フィルムと光学異方性層とを用いることによって、VAモードの液晶セルを、波長分散を含めて補償できる方法を示している。その結果、VAモードを用いるパネルの視角コントラストを大幅に軽減できる。また、任意の波長範囲にわたって黒状態での光りぬけを抑えることが出来るため、特定の波長にかたよって光りが抜けることが原因で発生する視角色ずれも軽減できることになる。
【0026】
本発明は、入射光が法線方向とそれに対して傾いた斜め方向、例えば極角60度方向とで、レターデーションの波長分散が異なる光学特性を有する透明フィルムを用い、該透明フィルムのかかる光学特性を光学補償に積極的に用いることで、左右の黒の光ぬけ・左右の色ずれを同時に改善している。かかる原理を利用する限り、本発明の範囲は、液晶層の表示モードによって限定されず、VAモード、IPSモード、ECBモード、TNモード及びOCBモード等、いずれの表示モードの液晶層を有する液晶表示装置にも用いることができる。
【0027】
特に、OCBモードについては、本発明の光学補償フィルムを、上記したVAモードの液晶表示装置と同様に用いることが可能である。さらに、本発明の光学補償フィルムの光学異方性層と液晶層との間に、液晶層のベンド配向の複屈折をキャンセルする、ハイブリッド配向状態に固定されディスコティック分子を含有する光学異方性層(ディスコティックハイブリッド層)を上下一枚ずつ配置することによって、VA配向の場合と全く同様の効果を得ることが出来る。この場合、波長550nmにおけるディスコティックハイブリッド層の面内のレターデーションは4nm〜85nmであるのが好ましく、波長550nmにおけるディスコティックハイブリッド層の厚さ方向のレターデーションは−2〜−42nmであるのが好ましく、ディスコティックハイブリッド層の面内の進相軸と透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略45度であるのが望ましい。
【0028】
また、本発明の液晶表示装置は、図1に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、偏光膜のより外側に、偏光膜を保護する保護膜を配置してもよいし、液晶セルと偏光層との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。
【0029】
また、本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子又は2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ばれるSTN型に代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
【0030】
次に、本発明の液晶表示装置に用いられる部材について、特に本発明の光学補償フィルムを中心に、学特性、原料、製造方法等について、より詳細に説明する。
[光学補償フィルム]
本発明の光学補償フィルムは、液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置の視野角コントラストの拡大、及び視野角に依存した色ずれの軽減に寄与する。本発明の光学補償フィルムは、観察者側の偏光板と液晶セルとの間に配置しても、背面側の偏光板と液晶セルとの間に配置してもよいし、双方に配置してもよい。例えば、独立の部材として液晶表示装置内部に組み込むこともできるし、また、偏光膜を保護する保護膜に、光学特性を付与して透明フィルムとしても機能させて、偏光板の一部材として、液晶表示装置内部に組み込むこともできる。本発明の光学補償フィルムは、透明フィルム及び面内に光学異方性を持つ光学異方性層の少なくとも2層を有する。透明フィルムと光学異方性層との間に、光学異方性層中の液晶性化合物の配向を制御する配向膜を有していてもよい。また、後述する光学特性を満たす限り、透明フィルム及び光学異方性層はそれぞれ、2以上の層からなっていてもよい。まず、本発明の光学補償フィルムの各構成部材について詳細に説明する。
【0031】
[透明フィルム]
本発明の光学補償フィルムを構成する透明フィルムは、前記透明フィルムの面内のレターデーションをRe1、厚さ方向のレターデーションをRth1とする場合、波長550nmにおけるRe1が53〜176nmであり、63nm〜176nmであるのが好ましく、波長550nmにおけるRth1が100〜400nmであり、125〜315nmであるのが望ましい。
より具体的には、本発明の光学補償フィルムを、一対の偏光膜とそれに挟持される液晶セルを有する液晶表示装置において、双方の偏光膜と液晶セルとの間にそれぞれ配置する場合は、透明フィルムの波長550nmにおけるRe1は53〜176nmであるのが好ましく、72〜126nmであるのがより好ましく、また波長550nmにおけるRth1は100〜185nmであるのが好ましく、105〜180nmであるのがより好ましい。
また、本発明の光学補償フィルムを、一対の偏光膜とそれに挟持される液晶セルを有する液晶表示装置において、一方の偏光膜と液晶セルとの間に配置する場合は、透明フィルムの波長550nmにおけるRe1は66〜172nmであるのが好ましく、74〜144nmであるのがより好ましく、また波長550nmにおけるRth1は185〜400nmであるのが好ましく、205〜370nmであるのがより好ましい。
【0032】
透明フィルムは、原料、その配合量、製造条件などを選択し、これらの値を所望の範囲に調整することで、Re及びRthの光学特性を満足する透明フィルムを作製することができる。
【0033】
本発明において、透明フィルムの素材については特に制限はない。例えば、延伸複屈折ポリマーフィルムであっても、液晶性化合物を特定の配向に固定することによって形成された光学異方性層であってもよい。また、透明フィルムは単層構造に限定されるものではなく、複数の層を積層した積層構造を有していてもよい。積層構造の態様では、各層の素材は同種でなくてもよく、例えば、ポリマーフィルムと液晶性化合物からなる光学異方性層との積層体であってもよい。積層構造の態様では、厚さを考慮すると、高分子の延伸フィルムの積層体よりも、塗布によって形成された層を含む塗布型の積層体が好ましい。
【0034】
前記透明フィルムの作製に液晶性化合物を用いた場合は、液晶性化合物には多様な配向形態があるので、液晶性化合物を特定の配向状態に固定して作製した光学異方性層は、単層で又は複数層の積層体により、所望の光学的性質を発現する。即ち、前記透明フィルムは、支持体と該支持体上に形成された1以上の光学異方性層とからなる態様であってもよい。かかる態様の透明フィルム全体のレターデーションは、光学異方性層の光学異方性によって調整することができる。液晶性化合物は、その分子の形状から、棒状液晶性化合物と円盤状(ディスコティック)液晶性化合物に分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがあり、いずれも使用することができる。前記透明フィルムの作製に液晶性化合物を使用する場合は、棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物を用いることが好ましく、重合性基を有する棒状液晶性化合物又は重合性基を有する円盤状液晶性化合物を用いるのがより好ましい。
【0035】
また、透明フィルムは高分子フィルムからなっていてもよい。前記高分子フィルムは、延伸された高分子フィルムであっても、また塗布型の高分子層と高分子フィルムとの併用でもよい。高分子フィルムの材料は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂、トリアセチルセルロース)が用いられる。また、セルロースアシレートに、芳香環を有する棒状化合物(具体的には、二つの芳香族環を有する芳香族化合物)を添加した組成物をフィルムとした、セルロースアシレート系フィルムも好ましい。前記芳香族化合物の種類、添加量、フィルムの延伸条件を調整することによって、所望の光学特性を有する高分子フィルムを作製することができる。
【0036】
《セルロースアシレートフィルム》
本発明に透明フィルムとして利用可能な、セルロースアシレートフィルムについてより詳細に説明する。
添加する芳香環を有する棒状化合物(具体的には、二つの芳香族環を有する芳香族化合物)の種類及びその量、又は製造条件(例えば、フィルムの延伸条件)を調節することによって、本発明の透明フィルムの光学特性を満足するセルロースアシレートセテートフィルムを作製することができる。なお、偏光板の保護膜は、一般にセルロースアシレートフィルムからなる。上記のセルロースアシレートフィルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、偏光板の構成要素の数を増加させることなく、偏光板に光学補償機能を追加することができる。
【0037】
また、紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を二種類以上併用すると、波長によって異なったRe/Rth比が得られる。
【0038】
セルロースアシレートの原料綿は、公知の原料を用いることができる(例えば、発明協会公開技法2001−1745参照)。また、セルロースアシレートの合成も公知の方法で行なうことができる(例えば、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)参照)。セルロースアシレートの粘度平均重合度は200〜700が好ましく250〜500が更に好ましく250〜350が最も好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.5〜5.0であることが好ましく、2.0〜4.5であることがさらに好ましく、3.0〜4.0であることが最も好ましい。
【0039】
該セルロースアシレートフィルムのアシル基は、特に制限はないが、アセチル基、プロピオニル基を用いることが好ましく、特にアセチル基が好ましい。全アシル基の置換度は2.7〜3.0が好ましく、2.8〜2.95がさらに好ましい。本明細書において、アシル基の置換度とは、ASTM D817に従って算出した値である。アシル基は、アセチル基であることが最も好ましく、アシル基がアセチル基であるセルロースアセテートを用いる場合には、酢化度が59.0〜62.5%が好ましく、59.0〜61.5%がさらに好ましい。酢化度がこの範囲にあると、流延時の搬送テンションによってReが所望の値より大きくなることもなく、面内ばらつきも少なく、温湿度によってレターデーション値の変化も少ない。また、6位のアシル基の置換度は、Re、Rthのばらつきを抑制する観点から、0.9以上が好ましい。
【0040】
また、酢化度が一定の範囲で異なる2種類のセルロースアセテートを混合すると、レターデーションの波長分散特性の調整ができることを利用し、波長分散特性を調整できる。この方法については、特開2001−253971に詳しく記載があるように、最大の酢化度(Ac1)を有するセルロースアセテートと最小の酢化度(Ac2)を有するセルロースアセテートとの酢化度の差(Ac1−Ac2)は、2.0乃至6.0%(2.0%≦Ac1−Ac2≦6.0%)が好ましい。セルロースアセテートの混合物全体の平均酢化度は、55.0〜61.5%であることが好ましい。また、最大の粘度平均重合度(P1)を有するセルロースアセテートと最小の粘度平均重合度(P2)を有するセルロースアセテートとの粘度平均重合度の非(P1/P2)は、1以上2未満(1≦P1/P2<2)であることが好ましい。セルロースアセテートの混合物全体の粘度平均重合度は、250乃至500であることが好ましく、250〜400であることがさらに好ましい。
【0041】
《レターデーション制御剤》
セルロースアシレートフィルムには、少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物をレターデーション制御剤として含有させるのが好ましい。該棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析又は分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造で主鎖の構成する角度が140度以上であることを意味する。
【0042】
少なくとも二つの芳香族環を有する棒状化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1):Ar1−L1−Ar2
上記一般式(1)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L1は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる基から選ばれる二価の連結基である。
【0043】
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基及び置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基及び置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、及び1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環及びピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0044】
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N’−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)及び非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
【0045】
置換アリール基及び置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基及びアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分及びアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分及びアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシ基が好ましい。
【0046】
1は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる基から選ばれる二価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜15であり、さらに好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜8であり、最も好ましくは1〜6である。
【0047】
アルケニレン基及びアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルケニレン基及びアルキニレン基の炭素原子数は、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜6であり、さらに好ましくは2〜4であり、最も好ましくは2(ビニレン又はエチニレン)である。アリーレン基は、炭素原子数は6〜20であることが好ましく、より好ましくは6〜16であり、さらに好ましくは6〜12である。
【0048】
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
L−7:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−8:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
L−9:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−10:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
【0049】
一般式(1)の分子構造において、L1を挟んで、Ar1とAr2とが形成する角度は、140度以上であることが好ましい。棒状化合物としては、下記式一般式(2)で表される化合物がさらに好ましい。
一般式(2):Ar1−L2−X−L3−Ar2
上記一般式(2)において、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義及び例は、一般式(1)のAr1及びAr2と同様である。
【0050】
一般式(2)において、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−及びそれらの組み合わせからなる基より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは1〜4であり、1又は2(メチレン又はエチレン)であることが最も好ましい。L2及びL3は、−O−CO−又はCO−O−であることが特に好ましい。
【0051】
一般式(2)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレン又はエチニレンである。
【0052】
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。
【0053】
【化1】


【0054】
【化2】


【0055】
【化3】


【0056】
【化4】


【0057】
【化5】


【0058】
【化6】


【0059】
【化7】


【0060】
【化8】


【0061】
【化9】


【0062】
具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1−trans)とシス型(1−cis)とを、以下に示す。
【0063】
【化10】


【0064】
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)及び(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
【0065】
その他、レターデーション制御剤として使用可能な、好ましい化合物を以下に示す。
【0066】
【化11】


【0067】
【化12】


【0068】
レターデーション制御剤として、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用するのが好ましい。棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
レターデーション制御剤の添加量は、ポリマーの量の0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましい。
【0069】
芳香族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の化合物を併用してもよい。
【0070】
[波長分散調整剤]
セルロースアシレートフィルムの波長分散を調整する化合物について説明する。セルロースアシレートフィルムの波長分散性は種々の方法で調整することができる。例えば、200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物をフィルム中に含有させることで調整することができる。該化合物の好ましい添加量は用いる化合物の種類や調整の程度によって、0.01〜30質量%で本発明の透明フィルムに要求される光学特性を有するセルロースアシレートフィルムを作製することができる。
【0071】
セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの値は一般に短波長側よりも長波長側が大きい波長分散特性となる。したがって相対的に小さい短波長側のRe、Rthを大きくすることによって波長分散を平滑にすることができる。一方200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物は短波長側よりも長波長側の吸光度が大きい波長分散特性をもつ。この化合物自身がセルロースアシレートフィルム内部で等方的に存在していれば、化合物自身の複屈折性、ひいてはRe、Rthの波長分散は吸光度の波長分散と同様に短波長側が大きいと想定される。
【0072】
従って、上述したような、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、化合物自身のRe、Rthの波長分散が短波長側が大きいと想定されるものを用いることによって、セルロースアシレートフィルムのRe、Rthの波長分散を調製することができる。このためには波長分散を調整する化合物はセルロースアシレートに十分均一に相溶することが要求される。このような化合物の紫外領域の吸収帯範囲は200〜400nmが好ましいが、220〜395nmがより好ましく、240〜390nmがさらに好ましい。
【0073】
また、近年テレビやノートパソコン、モバイル型携帯端末などの液晶表示装置ではより少ない電力で輝度を高めるに、液晶表示装置に用いられる光学部材の透過率が優れたものが要求されている。その点においては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物をセルロースアシレートフィルムに添加する場合、分光透過率が優れている要求される。本発明のセルロースアシレートフィルムにおいては、波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることがのぞましい。
【0074】
上述のような、本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤は揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマ構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
【0075】
波長分散調整剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
【0076】
(化合物添加量)
上述した様に、本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤の添加量は、セルロースアシレートの0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜10質量%であることが特に好ましい。
【0077】
(化合物添加の方法)
またこれら波長分散調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
またこれら波長分散調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
【0078】
本発明に好ましく用いられる波長分散調整剤の具体例としては、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノ基を含む化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、本発明はこれら化合物だけに限定されるものではない。
【0079】
ベンゾトリアゾール系化合物としては一般式(3)で示されるものが波長分散調整剤として好ましく用いられる。
一般式(3)
1−Q2−OH
(式中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環、Q2は芳香族環を表す。)
【0080】
1は含窒素方向芳香族へテロ環をあらわし、好ましくは5〜7員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは5ないし6員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等があげられ、更に好ましくは、5員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、具体的にはイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾールが好ましく、特に好ましくは、ベンゾトリアゾールである。Q1で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
【0081】
2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環又は二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。Q2であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましい。置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0082】
一般式(3)で表される化合物の中でも、下記一般式(3−A)で表される化合物が好ましい。
【0083】
【化13】


【0084】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
【0085】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1及びR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
【0086】
2及びR4として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0087】
5及びR8として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0088】
6及びR7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
【0089】
一般式(3)としてより好ましくは下記一般式(3−B)で表される化合物である。
【0090】
【化14】


【0091】
式中、R1、R3、R6及びR7は一般式(3−A)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0092】
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0093】
【化15】


【0094】
【化16】


【0095】
以上例にあげたベンゾトリアゾール系化合物の中でも、分子量が320以下のものを含まずに本発明のセルロースアシレートフィルムを作製した場合、保留性の点で有利であることが確認された。
【0096】
また本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるベンゾフェノン系化合物としては一般式(4)で示されるものが好ましく用いられる。
【0097】
【化17】


【0098】
式中、Q1a及びQ2aはそれぞれ独立に芳香族環を表す。XはNR(Rは水素子又は置換基を表す。)、酸素原子又は硫黄原子を表す。
【0099】
1a及びQ2aで表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。Q1a及びQ2aで表される芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環又は二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。Q1a及びQ2aで表される芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。Q1a及びQ2aであらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは置換又は無置換のベンゼン環である。Q1a及びQ2aは更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
【0100】
XはNR(Rは水素原子又は置換基を表す。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。)、酸素原子又は硫黄原子を表し、Xとして好ましくは、NR(Rとして好ましくはアシル基、スルホニル基であり、これらの置換基は更に置換してもよい。)、又はOであり、特に好ましくはOである。
【0101】
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0102】
一般式(4)として好ましくは下記一般式(4−A)で表される化合物である。
【0103】
【化18】


【0104】
式中、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8b、及びR9bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
【0105】
1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8b、及びR9bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
【0106】
1b、R3b、R4b、R5b、R6b、R8b及びR9bとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0107】
2bとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基である。
【0108】
7bとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくはメチル基)であり、特に好ましくはメチル基、水素原子である。
【0109】
一般式(4)としてより好ましくは下記一般式(4−B)で表される化合物である。
【0110】
【化19】


【0111】
式中、R10bは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアルキニル基、置換又は無置換のアリール基を表す。
【0112】
10bは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアルキニル基、置換又は無置換のアリール基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
10bとして好ましくは置換又は無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換又は無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換又は無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換又は無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
【0113】
一般式(4)で表される化合物は、特開平11−12219号公報記載の公知の方法により合成できる。
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0114】
【化20】


【0115】
【化21】


【0116】
【化22】


【0117】
また本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるシアノ基を含む化合物としては一般式(5)で示されるものが好ましく用いられる。
【0118】
【化23】


【0119】
式中、Q1c及びQ2cはそれぞれ独立に芳香族環を表す。X1c及びX2cは水素原子又は置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環を表す。Q1c及びQ2cで表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
【0120】
芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環又は二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
【0121】
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
【0122】
1c及びQ2cで表される芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはベンゼン環である。Q1c及びQ2cは更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましい。置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0123】
1c及びX2cは水素原子又は置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環を表す。X1c及びX2cで表される置換基は前述の置換基Tを適用することができる。また、X1c及びX2cで表される置換基は更に他の置換基によって置換されてもよく、X1c及びX2cはそれぞれが縮環して環構造を形成してもよい。
【0124】
1c及びX2cとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、更に好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(−C(=O)OR(Rは:炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基及びこれらを組み合せたもの)である。
【0125】
一般式(5)として好ましくは下記一般式(5−A)で表される化合物である。
【0126】
【化24】


【0127】
式中、R1c、R2c、R3c、R4c、R5c、R6c、R7c、R8c、R9c及びR10cはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。X1c及びX2cは一般式(5)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0128】
1c、R2c、R3c、R4c、R5c、R6c、R7c、R8c、R9c及びR10cはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
【0129】
1c、R2c、R3c、R4c、R5c、R6c、R7c、R8c、R9c及びR10cとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0130】
3c及びR8cとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12アルコキシ基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0131】
一般式(5)としてより好ましくは下記一般式(5−B)で表される化合物である。
【0132】
【化25】


【0133】
式中、R3c及びR8cは一般式(5−A)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。X3cは水素原子、又は置換基を表す。
【0134】
3cは水素原子、又は置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用でき、また、可能な場合は更に他の置換基で置換されてもよい。X3cとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、更に好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(−C(=O)OR(Rは:炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基及びこれらを組み合せたもの)である。
【0135】
一般式(5)として更に好ましくは一般式(5−C)で表される化合物である。
【0136】
【化26】


【0137】
式中、R3c及びR8cは、一般式(5−A)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。R21cは炭素数1〜20のアルキル基を表す。
【0138】
21cとして好ましくはR3c及びR8cが両方水素の場合には、炭素数2〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素数6〜12のアルキル基であり、特に好ましくは、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルへキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基であり、最も好ましくは2−エチルへキシル基である。
【0139】
21cとして好ましくはR3c及びR8cが水素以外の場合には、一般式(5−C)で表される化合物の分子量が300以上になり、かつ炭素数20以下の炭素数のアルキル基が好ましい。
【0140】
本発明一般式(5)で表される化合物はJournal of American Chemical Society 63巻 3452頁(1941)記載の方法によって合成できる。
【0141】
以下に一般式(5)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0142】
【化27】


【0143】
【化28】


【0144】
【化29】


【0145】
《セルロースアシレートフィルムの製造》
ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及びCOO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0146】
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0147】
一般的な方法でセルロースアシレート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温又は高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温(0〜40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
【0148】
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0149】
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアシレートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロースアシレートの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0150】
次に、混合物を−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
【0151】
さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアシレートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0152】
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアシレート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアシレートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
【0153】
調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレテートフィルムを製造する。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
【0154】
セルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが最も好ましい。
【0155】
セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、劣化防止剤添加による効果が発現し、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)を抑制する観点から、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
【0156】
《セルロースアシレートフィルムの延伸処理》
セルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。
延伸方法については特に制限はなく、公知の方法を利用することができる。面内の均一性の観点から特にテンター延伸が好ましく用いられる。本発明に使用するセルロースアシレートフィルムは少なくとも100cm以上の幅であることが好ましく、全幅のRe値のばらつきが±5nmであることが好ましく、±3nmであることが更に好ましい。また、Rth値のバラツキは±10nmが好ましく、±5nmであることが更に好ましい。また、長さ方向のRe値、及びRth値のバラツキも幅方向のバラツキの範囲内であることが好ましい。
また延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理しても良い。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量が2〜30%で好ましく延伸することができる。この際、フィルムを長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸して該フィルムの遅相軸が該フィルムの長尺方向に対して直交するようにすることが好ましい。
延伸温度は延伸時の残留溶剤量と膜厚によって適当な条件を選ぶことができる。残留溶剤を含む状態で延伸した場合には、延伸後に乾燥させることが好ましい。乾燥方法は前記フィルムの製膜に記載の方法に準じて行うことができる。
延伸後のセルロースアシレートフィルムの厚さは、110ミクロン以下、好ましくは40〜110ミクロンであり、より好ましくは60〜110ミクロンであり、80〜110ミクロンであることが好ましい。
【0157】
《セルロースアシレートフィルムの表面処理》
セルロースアシレートフィルムからなる透明フィルムを、偏光板の透明保護膜として使用する場合、セルロースアシレートフィルムを表面処理することが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理を実施する。酸処理又はアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
【0158】
以上説明した少なくとも二つの芳香族環を有する直線的な構造を有する棒状化合物を含んで延伸され、所望のレターデーション値Re、Rth、及びRe/Rth比を満たし、膜厚が40ミクロン〜110ミクロンのセルロースアシレートフィルムは、本発明の透明フィルムとしての光学特性を満足し、透明フィルムとして種々の液晶表示装置に用いることができる。
【0159】
[光学異方性層]
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する。前記光学異方性層の面内のレターデーションをRe2、厚さ方向のレターデーションをRth2とする場合、波長550nmにおけるRe2が4nm〜85nmであり、好ましくは14〜48nmであり、より好ましくは18〜42nmである。また、波長550nmにおけるRth2が−2〜−42nmであり、好ましくは−7〜−24nmであり、より好ましくは−9〜−21nmである。
より具体的には、本発明の光学補償フィルムを、一対の偏光膜とそれに挟持される液晶セルを有する液晶表示装置において、双方の偏光膜と液晶セルとの間にそれぞれ配置する場合は、光学異方性層の波長550nmにおけるRe2は6nm〜85nmであるのが好ましく、18〜48nmであるのがより好ましく、また光学異方性層の波長550nmにおけるRth2は−3〜−42nmであるのが好ましく、−9〜−24nmであるのがより好ましい。
また、本発明の光学補償フィルムを、一対の偏光膜とそれに挟持される液晶セルを有する液晶表示装置において、一方の偏光膜と液晶セルとの間に配置する場合は、光学異方性層の波長550nmにおけるRe2は4nm〜67nmであるのが好ましく、14〜42nmであるのがより好ましく、また波長550nmにおけるRth2が−2〜−33nmであるのが好ましく、−7〜−21nmであるのがより好ましい。
【0160】
前記光学異方性層は、その面内の進相軸と前記透明フィルムの面内の遅相軸との交差角を略0度にして形成される。前記光学異方性層は、透明フィルムの表面に直接形成してもよいし、透明フィルム上に配向膜を形成し、該配向膜上に形成してもよい。また、別の基材に形成した光学異方性層を、粘着剤、接着剤等を用いて、透明フィルム上に転写することで、本発明の光学補償フィルムを作製することも可能である。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物及び円盤状液晶性化合物(以下、円盤状液晶性化合物を「ディスコティック液晶性化合物」という場合もある)が挙げられる。棒状液晶性化合物及びディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよい。また、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はなく、例えば、光学異方性層の作製に低分子液晶性化合物を用いた場合、光学異方性層が形成される過程で、該化合物が架橋され液晶性を示さなくなった態様であってもよい。
【0161】
光学異方性層をディスコティック液晶性分子から形成する場合は、光学異方性層のReの調整は塗布形成するディスコティック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコティック液晶性化合物の分子を、その円盤面がフィルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)にして配向させるのが好ましい。ディスコティック液晶性化合物は斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させても良い。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。
【0162】
また、光学異方性層を二軸延伸フィルムで形成する場合は、例えば、フィルムを延伸処理する際に、その樹脂フィルムの片面又は両面に収縮性フィルムを接着して積層体を形成し、その積層体を加熱延伸処理して前記樹脂フィルムの延伸方向と直交する方向の収縮力を付与することにより行うことができる。延伸処理に用いる樹脂フィルムは、例えばキャスティング法や、押出法等の適宜な方式で形成したものであってよい。また、正又は負のいずれの複屈折特性を示す樹脂からなっていてもよく、透明性に優れるフィルムを形成するものが好ましい。正の複屈折特性を示す樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィンの如き汎用樹脂があげられる。特に、非晶質で透明性の熱可塑性樹脂や芳香族系ポリカーボネートが好ましく用いられる。負の複屈折特性を示す樹脂としては、例えば、ポリスチレンやスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレートやメチルメタクリレート系共重合体などがあげられる。特に、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・メタクリル酸共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体の如きスチレン系共重合体が好ましく用いられる。フィルムの延伸時における延伸方向と直交する方向の収縮力の付与は、例えば、加熱延伸時に延伸方向と直交ないし交差する方向に収縮する収縮性フィルムを延伸対象の樹脂フィルムの片面又は両面に接着して、その積層体を加熱延伸処理する方法などにより行うことができる。これにより、収縮性フィルムによる当該直交ないし交差方向の収縮力に基づいて、樹脂フィルムの厚さ方向に延伸応力を発生させ、所望のRe値及びRth値を満足する光学異方性層を得ることができる。これについては特開平5−157911号公報に詳しく記載がある。
【0163】
光学異方性層は、液晶性分子の配向によって発現された光学異方性を示す層であっても、延伸されたポリマーフィルムであってもよい。前記光学異方性層としては、ディスコティック分子の配向によって発現された光学異方性を示す態様、又は2軸延伸ポリマーフィルムからなる態様が好ましい。
【0164】
(棒状液晶性化合物)
本発明に使用可能な棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
【0165】
本発明に用いる棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、不飽和重合性基又はエポキシ基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
【0166】
(ディスコティック液晶性化合物)
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
【0167】
前記ディスコティック液晶性化合物には、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造の、液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。
【0168】
上記した様に、液晶性化合物から光学異方性層を形成した場合、最終的に光学異方性層に含まれる化合物は、もはや液晶性を示す必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が熱又は光で反応する基を有しており、熱又は光によって該基が反応して、重合又は架橋し、高分子量化することによって光学異方性層が形成される場合などは、光学異方性層中に含まれる化合物は、もはや液晶性を失っていてもよい。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
【0169】
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
【0170】
式(III)
D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
【0171】
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(又はQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
【0172】
【化30】


【0173】
【化31】


【0174】
【化32】


【0175】
【化33】


【0176】
式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリ−レン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリ−レン基、−CO−、−NH−、−O−及びS−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリ−レン基、−CO−及びO−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。前記アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。前記アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。前記アリ−レン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
【0177】
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基又はアルケニレン基、ARはアリ−レン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリ−レン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
【0178】
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
【0179】
式(III)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)は、不飽和重合性基又はエポキシ基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0180】
本発明において、前記光学異方性層中、前記棒状化合物又は前記円盤状化合物の分子は、配向状態に固定されている。液晶性化合物の分子対称軸の、前記透明フィルム側の界面における配向平均方向は、該透明フィルムの面内の遅相軸との交差角が略45度である。なお、本明細書において、「略45°」とは、45°±5°の範囲の角度をいい、好ましくは42〜48°であり、より好ましくは43〜47°である。前記光学異方性層中の液晶性化合物の分子対称軸の平均方向は、支持体の長手方向(すなわち、支持体の進相軸方向)に対して43°〜47°であることが好ましい。
【0181】
液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、一般に液晶性化合物もしくは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。本発明では、例えば、光学異方性層形成用配向膜に垂直配向膜を用い、透明フィルムの遅相軸に対して90°の方向にラビング処理することで、液晶性化合物の分子対称軸の、少なくとも透明フィルム界面における配向平均方向が、透明フィルムの遅相軸に対して0°である光学異方性層を形成することができる。本例の場合には光学異方性層の進相軸が液晶性化合物の分子対称軸に対応している。例えば、本発明の光学補償フィルムは、遅相軸が長手方向と垂直な長尺状の透明フィルムを用いて、配向膜を塗布後に長手方向にラビング処理すると連続的に作製できる。具体的には、長尺状の透明フィルムの表面に連続的に配向膜形成用塗布液を塗布して膜を作製し、次に該膜の表面を連続的に長手方向に0°の方向にラビング処理して配向膜を作製し、次に作製した配向膜上に連続的に液晶性化合物を含有する光学異方性層形成用塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させて、その状態に固定することで光学異方性層を作製して、長尺状の光学補償フィルムを連続的に作製することができる。長尺状に作製された光学補償フィルムは、液晶表示装置内に組み込まれる前に、所望の形状に裁断される。ここで用いた垂直配向膜の具体例に関しては、特開2001−272536号公報の47項〜57項に詳しく記載がある。
【0182】
空気界面側の液晶性化合物の分子対称軸の配向平均方向は、一般に、液晶性化合物又は液晶性化合物と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマ−及びポリマーなどを挙げることができる。分子対称軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性化合物と添加剤との選択により調整できる。特に界面活性剤に関しては、上述の塗布液の表面張力制御と両立することが好ましい。
【0183】
液晶性化合物と共に使用する可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマ−は、ディスコティック液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。重合性モノマ−(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。なお、重合性の反応性官能基数が4以上のモノマ−を混合して用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高めることが出来る。
【0184】
液晶性化合物としてディスコティック液晶性化合物を用いる場合には、ディスコティック液晶性化合物とある程度の相溶性を有し、ディスコティック液晶性化合物に傾斜角の変化を与えられるポリマーを用いるのが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロ−ス及びセルロースアセテートブチレ−トを挙げることができる。ディスコティック液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、ディスコティック液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
【0185】
本発明において、前記光学異方性層は、少なくとも面内光学異方性を有する。前記光学異方性層の、面内レターデーションReは3〜300nmであるのが好ましく、5〜200nmであるのがより好ましく、10〜100nmであるのがさらに好ましい。前記光学異方性層の厚さ方向のレターデーションRthについては、20〜400nmであるのが好ましく、50〜200nmであるのがより好ましい。また、前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20ミクロンであることが好ましく、0.5〜15ミクロンであることがさらに好ましく、1〜10ミクロンであることが最も好ましい。
【0186】
[配向膜]
本発明の光学補償フィルムは、透明フィルムと光学異方性層との間に配向膜を有していてもよい。また、光学異方性層を作製する際にのみ配向膜を使用し、配向膜上に光学異方性層を作製した後に、該光学異方性層のみを透明フィルム上に転写してもよい。
本発明において、前記配向膜は、架橋されたポリマーからなる層であるのが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーであっても、架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱又はPH変化等により、ポリマー間で反応させて形成する;又は、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成する;ことができる。
【0187】
架橋されたポリマーからなる配向膜は、通常、上記ポリマー又はポリマーと架橋剤との混合物を含む塗布液を、支持体上に塗布した後、加熱等を行なうことにより形成することができる。
後述のラビング工程において、配向膜の発塵を抑制するために、架橋度を上げておくことが好ましい。前記塗布液中に添加する架橋剤の量(Mb)に対して、架橋後に残存している架橋剤の量(Ma)の比率(Ma/Mb)を1から引いた値(1−(Ma/Mb))を架橋度と定義した場合、架橋度は50%〜100%が好ましく、65%〜100%が更に好ましく、75%〜100%が最も好ましい。
【0188】
本発明において、前記配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論双方の機能を有するポリマーを使用することもできる。上記ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレ−ト、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコ−ル及び変性ポリビニルアルコ−ル、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
【0189】
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、例えば鹸化度70〜100%のものがあり、一般には鹸化度80〜100%のものが好ましく、鹸化度82〜98%のものがより好ましい。重合度としては、100〜3000のも範囲が好ましい。
変性ポリビニルアルコールとしては、共重合変性したもの(変性基として、例えば、COONa、Si(OX)3、N(CH33・Cl、C919COO、SO3Na、C1225等が導入される)、連鎖移動により変性したもの(変性基として、例えば、COONa、SH、SC1225等が導入されている)、ブロック重合による変性をしたもの(変性基として、例えば、COOH、CONH2、COOR、C65等が導入される)等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。重合度としては、100〜3000の範囲が好ましい。これらの中で、鹸化度80〜100%の未変性もしくは変性ポリビニルアルコールが好ましく、より好ましくは鹸化度85〜95%の未変性ないしアルキルチオ変性ポリビニルアルコールである。
【0190】
配向膜に用いる変性ポリビニルアルコールとして、下記一般式(6)で表わされる化合物とポリビニルアルコールとの反応物が好ましい。
【0191】
【化34】


【0192】
式中、R1dは無置換のアルキル基、又はアクリロリル基、メタクリロイル基もしくはエポキシ基で置換されたアルキル基を表わし、Wはハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わし、X1dは活性エステル、酸無水物又は酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、lは0又は1を表わし、nは0〜4の整数を表わす。
【0193】
また、配向膜に用いる変性ポリビニルアルコールとして、下記一般式(7)で表わされる化合物とポリビニルアルコールとの反応物も好ましい。
【0194】
【化35】


【0195】
式中、X2dは活性エステル、酸無水物又は酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、mは2〜24の整数を表わす。
【0196】
前記一般式(6)及び一般式(7)により表される化合物と反応させるために用いられるポリビニルアルコ−ルとしては、上記変性されていないポリビニルアルコール及び上記共重合変性したもの、即ち連鎖移動により変性したもの、ブロック重合による変性をしたもの等のポリビニルアルコールの変性物を挙げることができる。上記特定の変性ポリビニルアルコールの好ましい例としては、特開平8−338913号公報に詳しく記載されている。
配向膜にポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する場合、硬膜度の観点から、含水率を制御することが好ましく、0.4%〜2.5%であることが好ましく、0.6%〜1.6%であることが更に好ましい。含水率は、市販のカールフィッシャー法の水分率測定器で測定することができる。
なお、配向膜は、10ミクロン以下の膜厚であるのが好ましい。
また、垂直配向膜の具体例に関しては、特開2001−272536号公報の47項〜57項に詳しく記載がある。
【0197】
[偏光板]
本発明では、偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる偏光板を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護膜にて積層して得られる偏光板を用いることができる。該偏光板は液晶セルの外側に配置される。偏光膜と該偏光膜を挟持する一対の保護膜とからなる一対の偏光板を、液晶セルを挟持して配置させるのが好ましい。なお、上記した様に、液晶セル側に配置される保護膜は、本発明の光学補償フィルムであってもよく、かかる場合は、透明フィルムを偏光膜側にして、偏光膜の表面に貼り合わせるのが好ましい。
【0198】
(保護膜)
本発明に使用可能な偏光板は、偏光膜の両面に一対の保護膜(保護フィルムともいう)を積層したものであってもよい。保護膜の種類は特に限定されず、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができる。上記した様に、本発明の透明フィルムとしての光学特性を満足するセルロースアシレートフィルムを保護膜として用いることもできる。
【0199】
保護膜は、通常、ロール形態で供給され、長尺の偏光膜に対して、長手方向が一致するようにして連続して貼り合わされることが好ましい。ここで、保護膜の配向軸(遅相軸)は何れの方向であってもよく、操作上の簡便性から、保護膜の配向軸は、長手方向に平行であることが好ましい。
【0200】
保護膜に光学補償能を付与する場合は、可視光領域の波長450nmにおけるReとRthの比であるRe/Rth(450nm)が、波長550nmにおけるRe/Rth(550nm)の0.4〜0.95倍であり、且つ波長650nmにおけるRe/Rth(650nm)が、波長550nmにおけるRe/Rth(550nm)の1.05〜1.93倍であり、透明フィルムの可視光領域の波長550nmにおける厚さ方向のレターデーションRthが、70nm〜400nmであることが好ましい。
【0201】
一方、保護膜を透明フィルムとして機能させない態様では、透明保護膜のレターデーションは低いことが好ましく、偏光膜の透過軸と透明保護膜の配向軸が平行でない態様では、特に透明保護膜のレターデーション値が一定値以上であると、偏光軸と透明保護膜の配向軸(遅相軸)が斜めにずれているため、直線偏光が楕円偏光に変化し、好ましくないとされている。レターデーションの低い高分子フィルムとしては、セルローストリアセテート、ゼオネックス、ゼオノア(共に日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)のようなポリオレフィン類が好ましく用いられる。その他、例えば特開平8−110402号公報又は特開平11−293116号公報に記載されているような非複屈折性光学樹脂材料が挙げられる。本態様において、支持体と、該支持体上に液晶性化合物からなる光学異方性層とからなる積層体を、光補償層として利用する場合は、保護膜が光学異方性層の支持体を兼ねていてもよい。
【0202】
保護膜と偏光膜とを貼り合す際には、少なくとも一方の保護膜(液晶表示装置に組み込まれる際に液晶セルに近い側に配置される保護膜)の遅相軸(配向軸)と、前記偏光膜の吸収軸(延伸軸)とが交差する様に、保護膜と偏光膜とを積層するのが好ましい。他方の保護膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸の角度については、特に限定されず、偏光板の目的に応じて適宜設定できるが、一対の保護膜の遅相軸が一致しているのが好ましい。
【0203】
なお、保護膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸が互いに平行であると、偏光板の寸法変化やカール防止といった偏光板の機械的安定性を向上させることができる。偏光膜及び一対の保護膜の合計3つのフィルムの少なくとも2つの軸、一方の保護膜の遅相軸と偏光膜吸収軸、あるいは2枚の保護フィルムの遅相軸などが実質的に平行であれば同じ効果が得られる。
【0204】
《接着剤》
偏光膜と保護膜との接着剤は特に限定されないが、PVA系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等の変性PVAを含む)やホウ素化合物水溶液等が挙げられ、中でもPVA系樹脂が好ましい。接着剤層厚みは乾燥後に0.01〜10ミクロンが好ましく、0.05〜5ミクロンが特に好ましい。
【0205】
《偏光膜と透明保護膜の一貫製造工程》
本発明に使用可能な偏光板は、偏光膜用フィルムを延伸後、収縮させ揮発分率を低下させる乾燥工程を有するが、乾燥後もしくは乾燥中に少なくとも片面に透明保護膜を貼り合わせた後、後加熱工程を有することが好ましい。前記透明保護膜が、透明フィルムとして機能する光学異方性層の支持体を兼ねている態様では、片面に透明保護膜、反対側に光学異方性層を有する透明支持体を貼り合わせた後、後加熱するのが好ましい。具体的な貼り付け方法として、フィルムの乾燥工程中、両端を保持した状態で接着剤を用いて偏光膜に透明保護膜を貼り付け、その後両端を耳きりする、もしくは乾燥後、両端保持部から偏光膜用フィルムを解除し、フィルム両端を耳きりした後、透明保護膜を貼り付けるなどの方法がある。耳きりの方法としては、刃物などのカッターで切る方法、レーザーを用いる方法など、一般的な技術を用いることができる。貼り合わせた後に、接着剤を乾燥させるため、及び偏光性能を良化させるために、加熱することが好ましい。加熱の条件としては、接着剤により異なるが、水系の場合は、30℃以上が好ましく、さらに好ましくは40℃〜100℃、さらに好ましくは50℃〜90℃である。これらの工程は一貫のラインで製造されることが、性能上及び生産効率上更に好ましい。
【0206】
《偏光板の性能》
本発明に関連する透明保護膜、偏光子、透明支持体からなる偏光板の光学的性質及び耐久性(短期、長期での保存性)は、市販のスーパーハイコントラスト品(例えば、株式会社サンリッツ社製HLC2−5618等)同等以上の性能を有することが好ましい。具体的には、可視光透過率が42.5%以上で、偏光度{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2≧0.9995(但し、Tpは平行透過率、Tcは直交透過率)であり、60℃、湿度90%RH雰囲気下に500時間及び80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率の変化率が絶対値に基づいて3%以下、更には1%以下、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
【実施例】
【0207】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。これらの実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0208】
[実施例1〜7]
[例1] 図1に示した構成と同様の構成の液晶表示装置を作製した。即ち、観察方向(上)から上側偏光板(保護膜(不図示)、偏光膜1、保護膜13a(透明フィルムでもある))、光学異方性層5、液晶セル(上基板6、液晶層7、下基板8)、光学異方性層9、下側偏光板(保護膜113a(透明フィルムでもある)、偏光膜101、保護膜(不図示))を積層し、さらにバックライト光源(不図示)を配置した構成の液晶表示装置について、光学シミュレーションを実施し、効果の確認を行った。光学計算には、シンテック社製のLCD Master Ver6.08を用いた。液晶セルや電極、基板、偏光板等は、液晶ディスプレイ用に従来から用いられている材料の値をそのまま使用した。液晶材料には負の誘電率異方性を有する液晶材料でΔε=−4.2を用いた。液晶セルの配向はプレチルト角89.9度でほぼ垂直配向とし、基板のセルギャップを3.6ミクロンとし、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで318nm、波長550nmで300nm、波長650nmで295nmとした。透明フィルム(図1中、13aと113a)及び光学異方性層(図1中、5と9)のそれぞれの550nmにおけるRe1及びRth1とRe2及びRth2の値を、表1にそれぞれ示した値に設定して光学計算を実施した。また、透明フィルム(図1中、13aと113a)の遅相軸(図1中14aと114a)と光学異方性層(図1中、5と9)の進相軸との交差角は0度とした。光源にはLCD Masterに付属のC光源を用いた。
なお、図1の構成の液晶表示装置では、バックライトと観測者との関係が上下入れ替わっても全く同様の結果が得られる。
また、比較例1として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを50nmRthを125nmとした)を用いた例も計算した。
【0209】
<液晶表示装置の漏れ光の測定>
上記値を用いて光学シミュレーションし、漏れ光を算出した結果を表1に示す
【0210】
【表1】


【0211】
表1に示した結果から、透明フィルムのRe1が63〜176nmであり、透明フィルムのRthが125〜160nmであり、光学異方性層のRe2が12〜85nmであり、光学異方性層のRth2が−6〜−42nmであるとき、比較例1と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0212】
[実施例8〜10]
図1に示す構成の液晶表示装置の光学特性をLCD Masterにより計算して求めた。ただし、光学異方性層5は使用せず、また、上側偏光板の保護膜13aのRthは38nm、Reは0nmに固定した。すなわち、観察方向(上)から上側偏光板(保護膜(不図示)、偏光膜11、保護膜13a)、液晶セル(上基板6、液晶層7、下基板8)、光学異方性層9、下側偏光板(保護膜113a(透明フィルムでもある)、偏光膜101、保護膜(不図示))を積層し、さらにバックライト光源(不図示)を配置した。透明フィルム113a及び光学異方性層9のそれぞれの550nmにおけるRe1及びRth1とRe2及びRth2の値を、表1にそれぞれ示した値に設定して光学計算を実施した。なお、本例では、光学補償フィルム(光学異方性層9と透明フィルム113a)がバックライト側にあると仮定して計算したが、バックライトと観測者との関係を入れ替えても全く同様の結果が得られる。その他は例1と同様の条件である。
また、比較例2として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを69nmRthを230nmとした)を用いた例も計算した。
<液晶表示装置の漏れ光の測定>
上記値を用いて光学シミュレーションし、漏れ光を算出した結果を表1に示す
【0213】
【表2】


【0214】
表2に示した結果から、透明フィルムのRe1が96〜125nm、Rth1が240〜250nmであり、光学異方性層のRe2が18〜36nm、Rth2が−9〜−18nmであるとき、比較例2と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0215】
[実施例11〜14]
図1に示す構成の液晶表示装置の光学特性をLCD Masterにより計算して求めた。ただし、光学異方性層5は使用せず、上側偏光板の保護膜13aはレターデーションが非常に小さいフィルムを使用したと仮定し、そのRth及びReはほぼ0nmとした。すなわち、観察方向(上)から上側偏光板(保護膜(不図示)、偏光膜11、保護膜13a)、液晶セル(上基板6、液晶層7、下基板8)、光学異方性層9、下側偏光板(保護膜113a(透明フィルムでもある)、偏光膜101、保護膜(不図示))を積層し、さらにバックライト光源(不図示)を配置した。なお、透明フィルム113a及び光学異方性層9の550nmにおけるRe1及びRth1とRe2及びRth2の値を、表3にそれぞれ示した値に設定して光学計算を実施した。なお、本例では、光学補償フィルム(光学異方性層9と透明フィルム113a)がバックライト側にあると仮定して計算したが、バックライトと観測者との関係を入れ替えても全く同様の結果が得られる。その他は例1と同様の条件である。
また、比較例3として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを54nmRthを270nmとした)を用いた例も計算した。
<液晶表示装置の漏れ光の測定>
上記値を用いて光学シミュレーションし、漏れ光を算出した結果を表1に示す
【0216】
【表3】


【0217】
表3に示した結果から、透明フィルムのRe1が68〜158nm、Rth1が270〜315nmであり、光学異方性層のRe2が4〜67nm、光学異方性層のRth2が−2〜−33nmであるとき、比較例3と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0218】
[実施例15〜18]
実施例1と同じ構成で、基板のセルギャップのみを3.005ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで265nm、波長550nmで250nm、波長650nmで246nmとした。表4に示す条件で同様に計算した。従来技術として、光学異方性層5及び9を配置しない構成(液晶セル側保護膜のReは66.5nm、Rthは95nm)の比較例4についても光学計算した。
【0219】
【表4】


【0220】
表4に示した結果から、透明フィルムのRe1が80〜116nm、Rth1が100〜105nmであり、光学異方性層のRe2が12〜33nm、Rth2が−6〜−17nmであるとき、比較例3と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0221】
[実施例19〜22]
実施例8と同じ構成で、基板のセルギャップのみを3.005ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで265nm、波長550nmで250nm、波長650nmで246nmとした。表5に示す条件で同様に計算した。
また、比較例5として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを74nmRthを185nmとした)を用いた例も計算した。
【0222】
【表5】


【0223】
表5に示した結果から、透明フィルムのRe1が93〜172nm、Rth1が185〜215nmであり、光学異方性層のRe2が9〜48nm、Rth2が−5〜−24nmであるとき、比較例5と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0224】
[実施例23〜25]
実施例11と同じ構成で、基板のセルギャップのみを3.005ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで265nm、波長550nmで250nm、波長650nmで246nmとした。表6に示す条件で同様に計算した。
また、比較例6として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを67.5nmRthを225nmとした)を用いた例も計算した。
【0225】
【表6】


【0226】
表6に示した結果から、透明フィルムのRe1が90〜125nm、Rth1が225〜250nmであり、光学異方性層のRe2が12〜54nm、Rth2が−6〜−27nmであるとき、比較例6と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0227】
[実施例26〜30]
実施例1と同じ構成で、基板のセルギャップのみを4.808ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで424nm、波長550nmで400nm、波長650nmで393nmとした。表7に示す条件で同様に計算した。従来技術として、光学異方性層5及び9を配置しない構成(液晶セル側保護膜のReは36nm、Rthは180nm)の比較例7についても光学計算した。
【0228】
【表7】


【0229】
表7に示した結果から、透明フィルムのRe1が53〜111nm、Rth1が175〜185nmであり、光学異方性層のRe2が6〜42nm、Rth2が−3〜−21nmであるとき、比較例7と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0230】
[実施例31〜33]
実施例8と同じ構成で、基板のセルギャップのみを4.808ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで424nm、波長550nmで400nm、波長650nmで393nmとした。表8に示す条件で同様に計算した。
また、比較例8として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを50nmRthを330nmとした)を用いた例も計算した。
【0231】
【表8】


【0232】
表8に示した結果から、透明フィルムのRe1が66〜124nm、Rth1が330〜355nmであり、光学異方性層のRe2が9〜48nm、Rth2が−5〜−24nmであるとき、比較例8と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【0233】
[実施例31〜33]
実施例11と同じ構成で、基板のセルギャップのみを4.808ミクロンに変更し、液晶のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(ミクロン)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)は、波長450nmで424nm、波長550nmで400nm、波長650nmで393nmとした。表9に示す条件で同様に計算した。
また、比較例9として、図2にて構成される従来技術(保護膜13a及び113aのReを44nmRthを370nmとした)を用いた例も計算した。
【0234】
【表9】


【0235】
表9に示した結果から、透明フィルムのRe1が67〜120nm、Rth1が370〜400nmであり、光学異方性層のRe2が9〜51nm、Rth2が−5〜−26nmであるとき、比較例9と比較していずれも、極角60°における黒表示時の透過率が小さいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0236】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図2】従来技術の液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図3】従来技術の液晶表示装置における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【図4】本発明の液晶表示装置における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【符号の説明】
【0237】
1 偏光膜
2 透過軸
13a 透明フィルム(保護膜でもある)
14a 面内遅相軸
5 光学異方性層
5a 液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側(透明フィルム界面側)の配向平均方向
6 基板
7 液晶性分子
8 基板
9 光学異方性層
9a 液晶性化合物の分子対称軸の偏光膜側(透明フィルム界面側)の配向平均方向
113a 透明フィルム(保護膜でもある)
114a 面内遅相軸
101 偏光膜
102 透過軸




 

 


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