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発明の名称 蛍光検出方法および蛍光検出システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33170(P2007−33170A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−215448(P2005−215448)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
発明者 伊神 盛志
要約 課題
蛍光検出において、検出性能を向上させる。

解決手段
円盤状基板10を回転手段20により回転させつつ、円盤状基板10上に固定された蛍光標識された生体試料15に対して励起光照射手段30により励起光Lを照射させ、励起光Lの照射により生体試料15から発せられた蛍光Fを励起光Lの照射から所定時間経過後に蛍光検出手段40により検出するように回転手段20、励起光照射手段30および蛍光検出手段40を制御する制御手段50を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
円盤状基板上に固定された、蛍光標識された生体試料に対して励起光を照射し、
該励起光の照射により前記生体試料から発せられた蛍光を検出する蛍光検出方法において、
前記励起光の照射を、円盤状基板を回転させつつ行い、前記蛍光の検出を前記照射から所定時間経過後に行うことを特徴とする蛍光検出方法。
【請求項2】
蛍光標識された生体試料を固定する試料保持部を表面に備えた回転可能な円盤状基板と、
該円盤状基板を回転させる回転手段と、
前記円盤状基板の前記試料保持部に保持される生体試料に対して励起光を照射する励起光照射手段と、
該励起光が照射された生体試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出手段とを備えた蛍光検出システムにおいて、
前記円盤状基板を回転させつつ、前記生体試料に対して励起光を照射させ、該励起光により該生体試料から生じた蛍光を前記励起光の照射から所定時間経過後に検出するように、前記回転手段、前記励起光照射手段および前記蛍光検出手段を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする蛍光検出システム。
【請求項3】
前記円盤状基板、前記励起光照射手段および前記蛍光検出手段が、前記励起光を照射する励起光照射位置と前記蛍光を検出する蛍光検出位置とが、前記円盤状基板の径内の、前記回転の中心からの距離が互いに等しく、かつ前記回転の方向に所定距離離れた位置となるように配置構成されていることを特徴とする請求項2記載の蛍光検出システム。
【請求項4】
前記蛍光標識に用いられる蛍光物質の蛍光寿命がμs〜msのオーダーであることを特徴とする請求項2または3記載の蛍光検出システム。
【請求項5】
前記円盤状基板の表面に、前記試料保持部としての同心円状もしくは螺旋状のグルーブが設けられていることを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載の蛍光検出システム。
【請求項6】
前記グルーブの幅が前記励起光の照射径よりも広いことを特徴とする請求項5記載の蛍光検出システム。
【請求項7】
前記円盤状基板が前記励起光に対して不透明であることを特徴とする請求項2から6いずれか1項記載の蛍光検出システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光標識された生体試料に対して励起光を照射し、該励起光により生体試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出方法および蛍光検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、生化学の分野において、蛍光物質を標識物質として使用した蛍光検出システムが知られている。この蛍光検出システムによれば、蛍光画像を読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白質の分離、同定、あるいは分子量、特性の評価などを行うことができる。
【0003】
具体的には、例えば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液の中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させる。あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させる。そしてこの複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上のDNA分布を検出することができる。
【0004】
あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で電気泳動させた後に、DNAを変性し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNA分布を検出することができる。
【0005】
また、近年、生化学解析システムとしてマイクロアレイ解析システムが注目を集めている。例えば、蛍光物質を標識物質として利用したマイクロアレイ解析システムにおいては、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他の蛋白質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他の蛋白質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって生体から採取され、あるいは、化学的、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光色素などの蛍光標識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどによって特異的結合物質に特異的に結合させたマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などを光電的に検出して、生体由来の物質を解析することができる。
【0006】
マイクロアレイ解析システムとしては、従来2次元格子状に配列されているスポットからの蛍光を二次元画像化して読み取る装置が主として用いられている。例えば、特許文献1には、ラインスキャン方式により二次元状の蛍光を読取り画像化する装置が開示されている。ラインスキャン方式ではスキャン時に励起光照射系および蛍光受光系の反復運動が必要であるためメカユニットのイナーシャの処理が必要となること、装置として小型化が困難であるという問題があった。
【0007】
一方、円盤状の基板を用い、スポットを同心円状あるいはスパイラル状の1次元に配列させ、基板にスポット位置を特定できる指標を設けておき、同心円状あるいはスパイラル状の一次元方向に走査して蛍光を読取るシステムが特許文献2および3などにおいて提案されている。
【0008】
特許文献3には、円盤状の基板を回転させながら所定の位置に検出用物質含有溶液を滴下しこれを基板上で固相化させ、次に、ディスク基板を回転させながら固相化した検出用物質上に、蛍光標識した標的物質含有溶液を滴下し、検出用物質と標的物質を相互反応させ、相互反応に寄与しなかった標的部物質を洗浄し、続いて、ディスク基板を回転させながら相互反応を示した標的物質に励起光を照射し、蛍光標識より発せられる蛍光をディテクタで検出し、検出された蛍光強度を解析し検出用物質とターゲット物質の結合強度を分析する方法が開示されている。
【0009】
特許文献2および3などに提案されている円盤状の基板を用いた蛍光検出システムは、励起光を照射すると同時に蛍光検出を行うものであり、励起光を所定のスポットに集光するレンズが、該スポットからの蛍光を集光するためのレンズを兼ねる構成となっており、励起光の光軸と、該励起光により発生した蛍光の光軸とが同軸となっている。一般に、蛍光検出手段に励起光が入射するとノイズとなり、S/Nが低下するという問題があるため、励起光をカットする光学フィルタを蛍光検出手段の受光面前方に配置して励起光の受光手段への入射を防止するよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−72393号公報
【特許文献2】特開2004−333333号公報
【特許文献3】特開2004−12273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、光学フィルタでは、励起光の光検出器への入射を完全に防止することは困難であり、十分なS/Nが得られていないという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、円盤状の基板(マイクロアレイディスク)を用いた蛍光検出方法および蛍光検出システムにおいて、S/Nを向上させることができる方法およびシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の蛍光検出方法は、円盤状基板上に固定された、蛍光標識された生体試料に対して励起光を照射し、該励起光の照射により前記生体試料から発せられた蛍光を検出する蛍光検出方法において、前記励起光の照射を、円盤状基板を回転させつつ行い、前記蛍光の検出を前記照射から所定時間経過後に行うことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の蛍光検出システムは、蛍光標識された生体試料を固定する試料保持部を表面に備えた回転可能な円盤状基板と、該円盤状基板を回転させる回転手段と、前記円盤状基板の前記試料保持部に保持される生体試料に対して励起光を照射する励起光照射手段と、該励起光が照射された生体試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出手段とを備えた蛍光検出システムにおいて、前記円盤状基板を回転させつつ、前記生体試料に対して励起光を照射させ、該励起光により該生体試料から生じた蛍光を前記励起光の照射から所定時間経過後に検出するように、前記回転手段、前記励起光照射手段および前記蛍光検出手段を制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の蛍光検出システムにおいては、前記円盤状基板、前記励起光照射手段および前記蛍光検出手段が、前記励起光を照射する励起光照射位置と前記蛍光を検出する蛍光検出位置とが、前記円盤状基板の径内の、前記回転の中心からの距離が互いに等しく、かつ前記回転の方向に所定距離離れた位置となるように配置構成されていることが望ましい。
【0015】
前記蛍光標識に用いられる蛍光物質の蛍光寿命がμs〜msのオーダーであることが望ましい。具体的な蛍光物質としては、μsオーダーの蛍光寿命を持つものとしてMolecular Probe社のSYPRO Ruby(登録商標)が挙げられ、msオーダーの蛍光寿命を持つものとしてWallac社のDELFIA(登録商標)などが挙げられる。
【0016】
前記円盤状基板の表面に、前記試料保持部としての同心円状もしくは螺旋状のグルーブが設けられていることが望ましい。また、その場合、グルーブの幅が励起光の照射径よりも広いことが望ましい。
【0017】
また、前記円盤状基板は励起光に対して不透明であることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の蛍光検出方法およびシステムは、励起光の照射を円盤状基板を回転させつつ行い、蛍光の検出を励起光の照射から所定時間経過後に行う、遅延蛍光を検出するものであり、励起光が照射されていない状態で蛍光を検出するので、励起光が励起光検出手段に入射することがなく、励起光の入射によるノイズの発生がないため、S/Nのよい信号を得ることができる。
【0019】
円盤状基板の表面に、試料保持部としての同心円状もしくは螺旋状のグルーブが設けられていれば、複数のスポットが設けられている場合において、隣接するスポットへの励起光の照射を防止することができる。
【0020】
また、円盤状基板が励起光に対して不透明であれば、励起光の伝播を防止できるので、基板内を励起光が伝播することにより照射位置のみならずその近傍のスポットを励起してしまうという自体を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の蛍光検出方法およびシステムに係る第1の実施の形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システムの概略構成を示す模式図である。
【0022】
本実施形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システム1は、蛍光標識された生体試料を固定する試料保持部を表面に備えた回転可能な円盤状基板であるマイクロアレイディスク10と、マイクロアレイディスク10を回転させる回転手段20と、マイクロアレイディスク10上に固定された生体試料に対して励起光を照射する励起光照射手段30と、該励起光が照射された生体試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出手段40と、回転手段20、励起光照射手段30および蛍光検出手段40を制御する制御手段50を備えている。
【0023】
図2(a)はマイクロアレイディスクの上方視平面図であり、同図(b)はその一部を拡大して示した図である。マイクロアレイディスク10は、励起光に対して不透明な材料から構成されており、その中心に中心孔12が設けられている。表面13には同心円状に複数のグルーブgが形成されており、このグルーブgに被検体として蛍光標識された生体試料15が複数固定されている。グルーブの幅Wは、励起光の照射径ERよりも大きい。言い換えると、励起光は、グルーブの幅Wよりも小さい照射径ERに絞られてディスク状に照射される。グルーブは、例えば、深さ60μm、幅100μmとし、そのグルーブの中央に、蛍光標識されたスポットをそのグルーブに沿って300μmごとに配する。このとき、例えば、励起光として照射径Egとして、グルーブの幅より小さい30μm径のガウシアンビームのレーザ光を照射する。表面に試料保持用のグルーブgを設け、このグルーブg内に励起光を照射することにより、隣接する試料への余計な励起光の照射を行うことなく、目的とする試料のみを励起することができるため、他の試料からの蛍光をノイズとして集光してしまうことを抑制することができる。また、マイクロアレイディスク10は、具体的には、グルーブが表面に刻まれた単層構造で構成することができ、励起光に対して不透明な基板材料としては、カーボンを混ぜ合わせたアクリル板や、グルーブを刻んだのち黒アルマイト処理されたアルミ板を用いることができる。さらに標識処理の完了したマイクロアレイディスクのグルーブ側に、標識物の飛散防止や標識物へのコンタミを防ぐための処理、例えば、励起光や蛍光に対して透明なメタクリル樹脂等を均一厚みにコーティングする処理を施してもよい。ディスク10は励起光に対して不透明であるからディスク上に照射された励起光がディスク内を伝播するのを防止し、照射位置でない箇所に配置されている試料が励起されるのを防止することができる。なお、標識に用いられる蛍光体としては、μs(マイクロ秒)〜ms(ミリ秒)のオーダーの蛍光寿命を有するものが好適である。
【0024】
回転手段20は、マイクロアレイディスク10の中心孔12に貫入しディスク10を保持するスピンドル21と、スピンドルモータ22と、図示しないロータリーエンコーダを備えている。
【0025】
励起光照射手段30および蛍光検出手段40は、マイクロアレイディスク10の表面13上方に、励起光を照射する励起光照射位置aと蛍光を検出する蛍光検出位置bとが、マイクロアレイディスク10の回転中心からの距離が互いに等しく、かつ回転の方向に所定距離離れた位置となるように配置されている。なお、励起光照射手段30および蛍光検出手段40は、図示しない移動手段により、それぞれ半径方向に移動可能とされており、測定時にはおいては常に励起光照射位置aと蛍光検出位置bとが、同一の円周上(同一のグルーブ上)となるように配置されている。
【0026】
図3は、励起光照射手段30と蛍光検出手段40の概略構成を示す模式図である。励起光照射手段30は、励起光Lを射出するレーザダイオード31と、該レーザダイオード31から射出された励起光Lをコリメートするコリメータレンズ32と、励起光Lをマイクロアレイディスク10上の生体試料に収束させる集光レンズ33を備えている。
【0027】
一方、蛍光検出手段40は、生体試料から発せられた蛍光Fを集光する集光レンズ41と、該蛍光Fを検出する光検出器43と、該光検出器43に蛍光Fを収束させるレンズ42とを備えている。光検出器43としては、フォトダイオード、フォトマルチプライヤ(光電管)やアバランシェフォトダイオードなどを用いることができる。
【0028】
制御手段50は、回転手段20、励起光照射手段30および蛍光検出手段40を、マイクロアレイディスク10を回転させつつ、生体試料に対して励起光を照射させ、該励起光により該生体試料から生じた蛍光を前記励起光の照射から所定時間経過後に検出するように制御するものである。具体的には、蛍光標識として用いられている蛍光の蛍光寿命、励起光照射位置aと蛍光検出位置bとの距離などに基づいて、マイクロアレイディスク10の回転速度を変化させる、ロータリーエンコーダからの位置情報に基づいて、励起光照射、蛍光検出の動作を実行させる制御などを行う。
【0029】
ここでは、マイクロアレイディスク10は、試料保持部として表面に複数の同心円状のグルーブが設けられてなるものとしたが、グルーブが螺旋状に設けられたマイクロアレイディスクを用いてもよい。螺旋状のグルーブを有するマイクロアレイディスクを備えたシステムにおいては、励起光照射時における励起光照射位置aと、該励起光により生じる蛍光を検出する蛍光検出時における蛍光検出位置bとの、マイクロアレイディスク10の回転中心からの距離が互いに等しくなるように位置制御すればよい。
【0030】
次に、上記マイクロアレイディスク蛍光検出システム1における蛍光検出方法について説明する。励起光Lがレーザダイオード31から出射され、コリメータレンズ32にて平行光とされた後集光レンズ5により収束されて生体試料上に照射される。このとき、励起光Lは、集光レンズ5によって基板表面でその照射径LRがグルーブの幅wより小さくなる程度まで絞り込まれる。
【0031】
励起光Lが照射された、蛍光標識された試料からは蛍光Fが発生する。ディスク10は回転されており所定時間後に試料は蛍光検出位置bに移動され、この蛍光検出位置bで蛍光Fが検出される。この蛍光Fは、ディスク10の表面13上方に配置された集光レンズ41で集光され平行光化された後、レンズ42で光検出器43に導かれる。このとき、ディスク10の回転速度から、励起光照射位置aで励起光を照射した試料が蛍光検出位置bまで移動する時間Tが定まるので、励起光照射時刻から時間T経過後に蛍光Fを検出するよう制御手段50が励起光照射手段30および蛍光検出手段40を制御している。
【0032】
このように、励起光照射後、所定時間経過後に蛍光を検出するので、励起光が検出器に入射する虞がなく、蛍光受光時における励起光によるノイズを生じないため、S/Nのよい信号を得ることができる。
【0033】
本実施形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システム1を用いたより具体的な蛍光検出方法について説明する。
【0034】
蛍光標識としては、数msの蛍光寿命を持つWallac社のDELFIA(登録商標)を用い、1ms遅延のタイミングで蛍光を検出するものとする。マイクロアレイディスクのサイズは一般的なコンパクトディスク(CD)と同様の直径12cmとする。
【0035】
この場合、励起光照射位置aと蛍光検出位置bは、CDの回転速度に応じて同心円状の角度θ異なる位置に配置される。例えば、回転速度が7500rpmの時、θ=45°m、15000rpmの時θ=90°、30000rpmの時θ=180°となる。励起光がディスク表面を伝播して検出器に入射しないようにするためには、θ=180°の時、両者の間にディスクのスピンドルが位置し、励起光照射時に検出器がスピンドルの影に入るので好ましい。
【0036】
励起光として用いるレーザ発光はCW(連続発振)でもパルス発振でもよいが、蛍光色素の劣化を少なくするためには、トリガーを与えたパルスレーザが好ましい。
【0037】
ディスクの内周ないしは外周にインデックスがふってあり、ディスクアレイのIDやサンプル条件などがデジタル的に記録されている。また、ディスクの回転や励起光照射、蛍光検出のタイミングなどの制御のため、ディスクにはトリガーポイント(回転の起点となるポイント)が記録されている。トリガーポイントはディスク中心から法線方向に全てのグルーブを横断する反射マーカーとして用意されており、ディスク中心とトリガーポイントを結ぶ法線に対して、各アレイスポットはある取り決め(例えばその法線から45°毎、など)にしたがって整然と並べられているので、スポットのアドレスはディスク中心からのそのスポットが置かれているグルーブの距離と、トリガーからの回転角で一意に決めることができる。位置検出用のレーザ光の照射軸と同軸で受光も可能に構成された位置検出用の光学系を備えておき、レーザ光をディスクに照射しながらそのディスクを回転させ、ディスク1周ごとに返ってくる反射光をフォトダイオードで電気信号に変換されてトリガー信号として検知することにより励起光照射および蛍光検出のタイミングなどを制御する。
【0038】
例えば、7500rpmで回転するアレイディスク上に法線状に設けられたトリガーラインに対してθ=45°ごとにアレイスポットが配されている場合を考える。1周で7つのドット状のスポットが配されている。45°離れた受光系の信号をこのトリガータイミング信号を受けてから、2ms遅延させて検出することにより、トリガーラインから最初のアレイスポットの1ms経過した遅延蛍光を得たことになる。さらに1ms遅れて得た信号は次のスポットの遅延蛍光、またさらに1ms遅れたものは次の次のスポットの遅延蛍光というように一つのトリガー信号を得たあと、1周で7つの1ms遅延蛍光の信号を得ることができる。これを複数回繰り返し、信号を加算することによりS/Nを向上させることもできる。このように1周分のデータを得た後、隣のグルーブに励起光照射手段と蛍光検出手段を移動させ、同じ操作を行ってデータを得ていくことを繰り返す。
【0039】
図4は、第2の実施形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システム2の概略構成を示す模式図である。第1の実施形態と同一の要素には同一符号を付し詳細な説明を省略する。マイクロアレイディスク蛍光検出システム2は、励起光照射手段35と蛍光検出手段45が光学ユニット60内に一体的に構成されている点で第1の実施形態のシステムとは異なる。光学ユニット60は、集光レンズ61が励起光を試料に収束させると共に、蛍光を集光するものであり、その上方に配置されているハーフミラー62は蛍光を透過し、励起光を反射するものである。レーザダイオード31から射出された励起光Lはコリメータレンズ32で平行光化され、ハーフミラー62で下方に反射されて集光レンズ61に入射し、該集光レンズ61により収束されて試料に照射される。試料から発光した蛍光Fは、集光レンズ61で集光され、ハーフミラー62を透過してレンズ42により光検出器43に導かれる。すなわち、励起光照射位置と蛍光検出位置が同一位置となっている。なお、光学ユニット60は図示しない移動手段によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0040】
制御手段55は、回転手段20、励起光照射手段35および蛍光検出手段45を、マイクロアレイディスク10を回転させつつ、生体試料に対して励起光を照射させ、該励起光により該生体試料から生じた蛍光を励起光の照射から所定時間経過後に検出するように制御するものであり、ここでは、励起光照射後、ディスク10を1回転させて、励起光が照射された試料が励起光照射位置に戻ってきたときに、励起光をオフした状態で蛍光検出を行うよう制御する。励起光照射から蛍光検出を行うまでにディスク10を2回転以上させてもよいが、回転回数は回転速度と標識に持ちいれられている蛍光体の蛍光寿命とによって適宜定める必要がある。励起光照射後の蛍光検出のタイミングは、ディスク回転速度に基づいてディスクが1回転するのに要する時間で制御してもよいし、ロータリーエンコーダからの位置情報に基づいて制御してもよい。
【0041】
さらに、上記のような蛍光検出システムにおいては、集光効率の向上のためマイクロアレイディスク上にアレイレンズを設ける、選択性の向上のため多光子吸収を応用する、あるいは、トラッキングの向上のためサーボを併用するなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システムの概略構成を示す模式図
【図2】(a)マイクロアレイディスクの上方視平面図、(b)マイクロアレイディスクの一部を拡大して示した図
【図3】励起光照射手段と蛍光検出手段の概略構成を示す模式図
【図4】第2の実施形態のマイクロアレイディスク蛍光検出システムの概略構成を示す模式図
【符号の説明】
【0043】
1、2 マイクロアレイディスク蛍光検出システム
10 マイクロアレイディスク
13 ディスク表面
15 生体試料
20 回転手段
30 励起光照射手段
40 蛍光検出手段
50 制御手段
g 試料保持部(グルーブ)




 

 


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