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光学素子の製造方法 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 光学素子の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25636(P2007−25636A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2006−128794(P2006−128794)
出願日 平成18年5月8日(2006.5.8)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 岩本 卓也 / 鈴木 朝実良 / 榎原 晃
要約 課題
ニオブ酸リチウムはドライエッチング加工が困難であり、ニオブ酸リチウム基板上に簡便にリッジ型光導波路を作製する方法は確立されていなかった。本発明では上記問題点を鑑見て、ニオブ酸リチウムを薄膜化して作製したリッジ型導波路を有する光学素子を生産性良く作製する方法を提案する。

解決手段
基板5上に光導波路に対応する開口部7を有する第1の金属膜6を形成し、更にニオブ酸リチウム薄膜8・9をスパッタリング法で形成する。次に、第1の金属膜6上に形成された部分の薄膜9のみを溶液エッチングにより選択的に取り除き、前記電気光学効果を有する材料からなるリッジ構造4からなる光導波路を形成する。その後、光導波路上に緩衝膜と第2の金属膜を形成して光学素子6を製造する。エッチング溶液としてはフッ酸溶液を用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に、
光導波路に対応する開口部分を有する第1の金属膜を形成する工程と、
電気光学効果を有する材料による薄膜を形成する工程と、
前記薄膜の前記第1の金属膜上に形成された部分のみを取り除き、前記電気光学効果を有する材料からなるリッジ構造の光導波路を形成する工程と、
前記光導波路上に緩衝膜と第2の金属膜を形成する工程とからなる光学素子の製造方法において、
前記電気光学効果を有する材料がニオブ酸リチウムであり、
前記電気光学効果を有する材料による薄膜を形成する工程がスパッタリング法からなり、
前記金属膜上に形成された前記薄膜部分を取り除く工程がエッチング溶液によるエッチングからなり、
前記エッチング液がフッ酸溶液であることを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記基板がサファイア単結晶であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1の金属膜がクロム、ニッケル、白金の何れかからなることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は光学素子の製造方法、特に薄膜化したニオブ酸リチウムを用いてリッジ構造の光導波路を有する光学素子を製造する方法に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットに代表される高速・大容量の情報通信の需要の高まり対応して、光通信システムが注目されている。その中でも電気光学効果を有する基板材料を用い、その基板内に光導波路を形成した光学素子は広帯域周波数における光通信に適した光制御素子として広く知られている。
【0003】
特に高密度波長多重化や高速通信化に適応する光制御素子としては、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの電気光学効果を有する材料を用いた外部変調型の光変調素子が実用化されている。
【0004】
光学素子一般では、図6のように基板表面より内側に光導波路を構成した埋め込み型導波路や図7のように基板にリッジ構造による光導波路を構成したリッジ型導波路が利用されている。埋め込み型導波路はプロトン交換法や金属拡散などにより作製され、また、リッジ型導波路はドライエッチング等のエッチング加工により作製されている。
【0005】
特にニオブ酸リチウムに埋め込み型導波路を作製する方法としては、プロトン交換法やチタン拡散などの方法が確立されている。そのため、一般にはリッジ型導波路より埋め込み型の導波路が用いられることが多い。
【0006】
一般に光学素子の効率の観点からは、埋め込み型導波路よりも導波路内での光の閉じ込めが強いリッジ型光導波路を用いる方が好ましい。しかし、光学素子に用いることのできるような良好なリッジ構造を作製する簡便な製造方法はいまだ確立していない。
【0007】
これまでに試みられたリッジ型導波路の作製方法としては、基板上に光導波層を作製してそれをエッチングにより所望の部分だけ削りリッジ部分を残す形成する方法がある。このリッジ構造の形成工程の一例を図8(a)〜図8(d)に示す。
【0008】
まず、図8(a) に示すように基板1に導波層となるニオブ酸リチウム層2を成膜する。この時、基板1にはニオブ酸リチウムよりも屈折率の低い材料を用いる。ニオブ酸リチウムの成膜方法としては、化学蒸着法(CVD)、液層エピタキシャル成長法、ゾルーゲル法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、分子ビームエピタキシー法(MBE)などが報告されている。中でもサファイアc面基板に基板温度を約500℃として高周波スパッタリング法によりニオブ酸リチウム薄膜2を形成すると、c軸配向したニオブ酸リチウム単結晶が形成でき、材料中を伝搬する光の損失が小さいなど光学的性質に優れた膜が得られることが知られている(非特許文献1)。
【0009】
次に、図8(b)のようにフォトリソグラフィ法によりニオブ酸リチウム薄膜2上にレジストマスク3を形成する。ついで、ドライエッチングを行い上記レジストマスク3に覆われた部分を残してニオブ酸リチウム薄膜2をドライエッチングすると図8(c)のようになる。
【0010】
更に、レジスト除去液に浸漬することによりレジストマスク3を除去する。これらの工程により、図8(d)に示すようなリッジ構造4 が形成される。
【0011】
しかしながら、ニオブ酸リチウムはエッチング耐性の強い結晶であり、ドライエッチング法ではレジストマスクとニオブ酸リチウム薄膜のエッチング選択比がとれないため加工が困難であった。
【0012】
このエッチング加工が困難という課題に対して、特許文献1や特許文献2のような解決方法の提案があった。これについて説明する。
【0013】
特許文献1では、電気光学単結晶基板に鉛を過剰に有するアモルファス状の金属酸化物層を形成し、そのアモルファス状の金属酸化物層をドライエッチング法により加工しリッジ構造を形成する。その後、加熱により結晶化することでリッジ導波路を形成する。アモルファスの状態でドライエッチング加工を実施することにより、レジストマスクと被エッチング材料とのエッチング選択比を確保し、エッチング加工を容易にしている。
【0014】
特許文献2では、図9(a)のように電気光学結晶基板上に開口を持つ金属膜6を形成した後に、液相エピタキシャル成長法により図9(b)のように電気光学結晶薄膜を形成する。更に、図9(c)のように電極上に形成される膜を機械研磨するなどして取り去ることで、電気光学単結晶からなるリッジ構造を形成することができる。これにより、ドライエッチング加工を行うことなくニオブ酸リチウムのリッジ導波路を形成することができる。
【特許文献1】特開2001−116943号公報
【特許文献2】特開平10−10479号公報
【特許文献3】特開平4-317500号公報
【非特許文献1】Journal of Applied Physics 90 (10) 2001年 11月 p.5274
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、特許文献1の方法でニオブ酸リチウムを加工するためには鉛をドーピングする工程や加工後に過熱により結晶化する工程が必要であり、各工程の製造設備が増加し、工程の複雑化、高コスト化という問題がある。
【0016】
また、特許文献2の方法では一対の金属膜6の上に形成された電気光学結晶薄膜を選択的に取り去るため、機械研磨工程が必要であり、やはり工程が複雑化し、高コストになるという問題がある。
【0017】
本発明では上記問題点を鑑見て、スパッタリング法により形成したニオブ酸リチウム薄膜の結晶性の違いを利用し、ウェットエッチングの速度がその結晶性により大きく異なる点に着目してリッジ型導波路を作製し、リッジ型導波路構造の光学素子を簡単に低コストで作製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明では、基板上に光導波路に対応する開口部分を有する第1の金属膜を形成し、更に電気光学効果を有する材料の薄膜を形成する。次に、前記薄膜の前記第1の金属膜上に形成された部分のみをエッチング溶液によるエッチングで取り除き、前記電気光学効果を有する材料からなるリッジ構造の光導波路を形成する。その後、前記光導波路上に緩衝膜と第2の金属膜を形成して光学素子を製造する。前記電気光学効果を有する材料としてはニオブ酸リチウムを用い、前記電気光学効果を有する材料による薄膜を形成方法としてはスパッタリング法を用いる。前記エッチング液としてはフッ酸溶液を用いる。
【0019】
これにより簡単な工程でリッジ型導波路を形成することができ、低コスト化できる。具体的にはドーピング装置や熱処理装置、機械研磨装置を用いることなくリッジ型導波路を形成することができる。
【0020】
前記基板としてサファイア単結晶を用いることが好ましい。
【0021】
これにより配向したニオブ酸リチウム単結晶を得ることができ、光の閉じ込め効果を強くすることができる。
【0022】
前記第1の金属膜としてクロム、ニッケル、白金の何れかを用いることが好ましい。
【0023】
これにより、基板との密着性が良く低抵抗な電極として第1の金属膜を利用することができ、コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光学素子作製方法によれば、金属膜上に形成される多結晶状のニオブ酸リチウムをフッ酸溶液により選択的にウェットエッチングすることでリッジ構造を形成するため、ニオブ酸リチウム単結晶のドライエッチング加工という困難な工程を回避することができ、容易にリッジ構造を形成することができる。また、加工前にニオブ酸リチウムをアモルファス化させる工程や、加工後に加熱処理を施すような工程、また機械研磨工程を増やす必要もない。導波路を作製する際に下地材として用いる金属膜は、電極としても利用できるため、この方法により形成したリッジ型光導波路に緩衝層及び金属膜を付加することで生産性良く光学素子を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1(a)〜図1(c)は本発明による光学素子の製造工程を示すものである。
【0027】
まず、図1(a)に示すように、サファイアc面基板5に第1の金属膜として金属膜6をスパッタリング法や蒸着などの方法で成膜する。続いて、フォトリソグラフィ法により導波路部分に相当する開口を持つレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い金属膜6にレジストパターンを転写して開口7を作製する。エッチング後に金属膜6上に残ったレジストをレジスト除去液に浸漬するなどして除去し、図1(a)のように導波路部分に相当する開口7を持った金属膜6を形成する。
【0028】
このとき開口7を持つ金属膜6を形成する方法としては、導波路部分(開口7の部分)にレジストパターンを形成した後に蒸着やスパッタリング法により金属膜6を成膜し、レジスト除去液などに浸漬して開口7の金属膜をリフトオフする方法なども考えられる。
【0029】
なお、金属膜6の代わりに他の物質を導波路部分に相当する開口を持たせて用いることも考えられるが、後にニオブ酸リチウムをスパッタリング法により成膜する際に基板を約500℃にするため、この温度に耐えられる物質であり、光学素子の他の部分へ不要な不純物を拡散させない物質でなければならない。具体的には、金属膜6としてはクロム、コバルト、ニッケル、白金、タンタル、チタンなどを用いることができる。
【0030】
また、金属膜6は膜厚が薄すぎると後に成膜を行った際に金属膜6上においてもサファイアc面基板5の結晶性が反映してしまい、単結晶のニオブ酸リチウムが形成されてしまう。逆に金属膜6の膜厚が厚すぎると金属膜6が配向していないため金属膜6の側壁において結晶性の悪いニオブ酸リチウムが形成されてしまい、光の閉じ込め効果が弱くなる。そのため、金属膜6の膜厚は10nm〜500nmの範囲としなければならない。
【0031】
なお、金属膜6に形成する開口7の幅によって後に形成されるリッジ導波路の幅が決まるが、波長1.5μm帯でシングルモードの導波路を得るためには、開口7の幅は0.3〜5.0μmの範囲内でなければならない。
【0032】
続いて、図1(b)のように開口7を持つ金属膜6の上からニオブ酸リチウム薄膜を基板温度約500℃として高周波スパッタリング法により形成する。
【0033】
この際、サファイアc面基板5が露出した開口7と金属膜6上ではそれぞれ結晶性の異なるニオブ酸リチウム薄膜が形成される。開口7に形成されるニオブ酸リチウム薄膜は、サファイアc面基板5の結晶の配向を反映するためc軸配向した単結晶となる。金属膜6は配向を持たないため金属膜6上では配向せず多結晶状のニオブ酸リチウム9が形成される。
【0034】
なお、波長1.5μm帯においてシングルモードの導波路を得るためにはニオブ酸リチウム薄膜の膜厚を0.5〜1.5μmとしなければならない。
【0035】
サファイアc面基板5上と金属膜6上に形成されたニオブ酸リチウム薄膜の結晶性をXRDにより比較した。結果を図3に示す。分析を行った薄膜は基板温度を500℃としてスパッタリング法により成膜したものであり、金属膜としてはタンタルを用いた。図3ではサファイアc面基板上のニオブ酸リチウム薄膜において、(0006)面で鋭いピークが得られている。このことから、サファイアc面基板上ではc軸配向したニオブ酸リチウム単結晶が形成されていると考えられる。これに対し、金属膜上のニオブ酸リチウム薄膜では(0006)面でのピークで線幅が広くなっており、またピーク位置もずれている。これより、金属膜上ではニオブ酸リチウムは多結晶状の膜となっていると考えられる。
【0036】
次に、図1(c)のように形成される膜のうち金属膜6上にできる多結晶状のニオブ酸リチウム9をエッチング溶液につけることで除去する。
【0037】
この際、エッチング溶液は多結晶状のニオブ酸リチウム9のみを選択的に溶解するようなものを用いる必要がある。そのため、ニオブ酸リチウム単結晶8と多結晶状のニオブ酸リチウム9の各種エッチング溶液に対するエッチングレートを実験的に調査探索し、エッチングに用いるのに適した溶液を発見した。試みたエッチング溶液としてはフッ酸(46%)、硫酸(96%)、過酸化水素水(40%)、塩酸(36%)、水酸化ナトリウム水溶液(0.01mol/l)を用いた。温度は室温とし、フッ酸溶液以外のエッチングレートはエッチング時間を30分とし、フッ酸溶液に対する多結晶化ニオブ酸リチウム、単結晶ニオブ酸リチウム、タンタルのエッチングレートはエッチング時間をそれぞれ5分、30分、1分として測定した。膜厚測定は触針式段差測定器を用いた。実験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】


表1より、フッ酸溶液でのみ多結晶状のニオブ酸リチウム9のエッチングが確認できた。また、ニオブ酸リチウム単結晶8はエッチングが確認できず、エッチングレートは測定限界を下回った。これより、フッ酸溶液を用いれば多結晶状のニオブ酸リチウム9のみを選択的にエッチングできることがわかった。
【0039】
フッ酸溶液以外の溶液においてはニオブ酸リチウム単結晶8および多結晶状のニオブ酸リチウム9のエッチングは確認されず、エッチングレートは測定限界を下回った。そのため、これらの溶液は本願の製造方法に適用不可能であった。
【0040】
なお、金属膜6は導波路作製時に下地材として用いるだけでなく下部電極としても用いることができる。そのため、金属膜6にはフッ酸溶液を用いて金属膜6上に形成される多結晶状のニオブ酸リチウム9をエッチングする際に、フッ酸溶液に対して溶解しない金属を選ぶ方が好ましい。金属膜6にクロム、ニッケル、白金などの金属を用いると金属膜6は溶解せずに残る。
【0041】
最後に、図2のようにリッジ構造4上に緩衝層10を形成し、更に第2の金属膜として上部電極用金属膜11を形成する。作製方法としては緩衝層10、上部電極用金属膜11を成膜した後、フォトリソグラフィ法によりレジストパターンを形成しエッチングする方法や、フォトリソグラフィ法により作製したレジストマスクの上から緩衝層10、上部電極用金属膜11を成膜しリフトオフする方法などが考えられる。
【0042】
緩衝層10の材料としてはSiO2などのニオブ酸リチウムよりも十分に屈折率の小さい材料を用いる。リッジ導波路上に緩衝層10を介さずに直接上部電極用金属膜11を形成すると、上部電極用金属膜11により屈折率差による光の閉じ込め構造が阻害され導波路の伝搬損失が大きくなる。緩衝層10を介することで光の閉じ込めを阻害することなく電極を作製することができる。緩衝層10は薄すぎると緩衝層としての役割を果たさず、厚すぎると電極から印加される電界と導波路を伝搬する光との相互作用が小さくなってしまう。そのため0.1nm〜1μm程度の範囲で作製するのが適当である。
【0043】
上部電極用金属膜11には必ずしも下部電極用の金属膜6と同じ材料を用いる必要はない。
【0044】
なお、電圧印加時に電極間に発生する電界とリッジ導波路を導波する光とを効率的に作用させるためには、上部電極の幅はリッジ構造4の幅の30〜95%程度とすればよい。
【0045】
以上の工程によりリッジ型導波路を有する光学素子を簡便に作製できる。
【0046】
なお、ニオブ酸リチウムの成膜方法としてはスパッタリング法以外に、液相エピタキシャル成長法、ゾルーゲル法、レーザーアブレーション法、CVD法、MBE法等による方法も基板温度等の条件は異なるが適用可能である。
【0047】
なお、金属膜6を成膜する際に基板を加熱せずに低温で成膜することで金属膜の結晶性を故意に悪くすると、金属膜6上でニオブ酸リチウムがより配向しにくくなり、後に多結晶状のニオブ酸リチウム9が除去しやすくなることも考えられる。
【実施例1】
【0048】
本発明のより具体的な実施の形態について以下で説明する。
【0049】
まず、サファイアc面基板5を洗浄後、サファイアc面基板5上にフォトレジストをスピンコート法により1μm塗布し、フォトリソグラフィ法により導波路に対応する部分のフォトレジストを除去し、レジストパターンを形成した。その後、前記レジストパターンの上からクロムをスパッタリング法により0.1μm成膜した。この基板をレジスト除去剤に浸けて、導波路に対応するラインパターン上のクロムをリフトオフした。これにより導波路部分に対応するライン開口部7を持つ金属膜6を形成した。開口7の幅は3μmとした。
【0050】
続いて、クロムによる金属膜6を形成したサファイアc面基板5上にニオブ酸リチウムを高周波スパッタリング法により0.5μm成膜した。成膜時の基板温度は500℃とし、Ar/O2雰囲気下(Ar:O2=1:1)で、圧力は2.0×10-2Torr、パワーは200W、ターゲットサイズは3インチのものを用いた。成膜レートは30nm/hであった。この時、サファイアc面基板5上にはニオブ酸リチウム単結晶8が形成され、金属膜6上には多結晶状のニオブ酸リチウム9が形成された。
【0051】
続いて、この基板を室温のフッ酸溶液(46%)に30分浸漬して多結晶状のニオブ酸リチウム9を除去した。これにより、ニオブ酸リチウム単結晶8および金属膜6はエッチングされずに、多結晶状のニオブ酸リチウム9のみを除去できた。
【0052】
多結晶状のニオブ酸リチウム9の除去を確認するためにXRD分析を行った。図5および図6にフッ酸溶液浸漬前と浸漬後のサンプルにおける金属膜上のニオブ酸リチウムのXRD分析した結果を示す。フッ酸溶液浸漬前のものは、ニオブ酸リチウムのピーク強度のサファイアのピーク強度に対する比が0.77であった。対して、エッチング後のものでは0.09であった。この結果から金属膜6上の多結晶状のニオブ酸リチウム9が除去できているのが確認できた。
【0053】
次に、リッジ構造4上に上部電極11を形成した。まずスピンコート法によりフォトレジストを1μm塗布した。そして、リッジ構造上に電極に対応する部分の開口が得られるようにフォトリソグラフィ法で電極パターンを転写しレジストマスクを形成した。その後、緩衝層10としてSiO2を高周波スパッタリング法で0.1μm成膜し、更に上部電極11用金属としてクロムを高周波スパッタリング法で0.1μm成膜した。最後にこれをレジスト除去液を用いてリフトオフすることで上部電極11を形成した。
【0054】
この際、上部電極11の幅はリッジ構造4の幅の2μmとした。
【0055】
以上の工程により、ニオブ酸リチウムリッジ型光導波路を有する光学素子を作製した。ドーピング装置や熱処理装置、機械研磨装置は不要であり、リソグラフィ装置、スパッタリング装置、溶液エッチング装置のみで光学素子を作製することができた。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による光学素子の作製工程は、光変調素子、光スイッチング素子などの光素子の作製に有用であり、中でもニオブ酸リチウムのリッジ型導波路を有する光導波路素子の作製に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による光学素子のリッジ型導波路の製造工程を示す図
【図2】本発明による光学素子を示す図
【図3】サファイアc面基板上および金属膜上のニオブ酸リチウム薄膜のXRD分析結果を示すグラフ
【図4】多結晶状の膜除去前の金属膜上でのXRD分析結果を示すグラフ
【図5】多結晶状の膜除去後の金属膜上でのXRD分析結果を示すグラフ
【図6】埋め込み型導波路を示す図
【図7】リッジ型導波路を示す図
【図8】従来技術によるリッジ型導波路の作製工程の一例を示す図
【図9】特許文献2によるリッジ導波路の作製工程を示す図
【符号の説明】
【0058】
1:基板
2:ニオブ酸リチウム薄膜
3:レジストマスク
4:リッジ構造
5:サファイアc面基板
6:金属膜
7:開口部
8:ニオブ酸リチウム単結晶
9:多結晶状のニオブ酸リチウム
10:緩衝層
11:上部電極用金属膜
21:埋め込み導波路





 

 


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