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発明の名称 撮像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25509(P2007−25509A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−210804(P2005−210804)
出願日 平成17年7月21日(2005.7.21)
代理人 【識別番号】100098291
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 史朗
発明者 弓木 直人 / 林 謙一
要約 課題
集光によってレンズ鏡筒が高温化して熱損傷することを防止すると共に、撮影者にとって使いやすいシステムを有した撮像装置を提供する。

解決手段
撮像装置において、駆動制御部は撮像光学系を移動させ、第1のタイマー設定部は第1の設定時間の経過後に撮像光学系を第1の状態から第2の状態へ移動させ、第2のタイマー設定部は第1の設定時間より短い第2の設定時間の経過後に撮像光学系を第1の状態から第2の状態へ移動させ、姿勢検出部は撮像光学系の姿勢を検出し、
特許請求の範囲
【請求項1】
被写体の光学的な像を形成する撮像光学系を有する撮像装置であって、
前記撮像光学系を移動させる駆動制御手段と、
第1の設定時間の経過後、前記撮像光学系を第1の状態から第2の状態へ移動させる第1のタイマー設定手段と、
前記第1の設定時間より短い第2の設定時間の経過後、前記撮像光学系を前記第1の状態から前記第2の状態へ移動させる第2のタイマー設定手段と、
前記撮像光学系の姿勢を検出する姿勢検出手段とを備え、
前記姿勢検出手段により検出された姿勢に基づいて、前記撮像光学系の姿勢が上向き姿勢であると判別される時には、前記駆動制御手段は、前記第2の設定時間の経過後に、前記撮像光学系を第2の状態へ移動させることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像光学系の振動を検出する振動検出手段をさらに備え、
前記撮像光学系の姿勢が上向きであると判別され、かつ当該撮像光学系の振動が検出されない時には、前記駆動制御手段は前記第2の設定時間の経過後に当該撮像光学系を前記第2の状態へ移動させることを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の状態は撮影状態であり、前記第2の状態は非撮影状態であることを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像光学系に加わる振動を検知して、当該撮像光学系の補正レンズを光軸と直交する2方向に駆動する像ぶれ補正装置をさらに備え、
前記姿勢検出手段は、前記補正レンズを駆動させるための信号を検出して、前記撮像光学系の姿勢を判別することを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記像ぶれ補正手段は、前記補正レンズを光軸と直交する2方向に駆動させる第1および第2のアクチュエータを含み、
前記姿勢検出手段は、前記第1および第2のアクチュエータの少なくとも一方の駆動電流値を検出して、前記撮像光学系の姿勢を判別することを特徴とする、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
フォーカスレンズ群を駆動するリニアアクチュエータを更に備え、
前記姿勢検出手段は、前記フォーカスレンズ群を駆動させるための信号を検出して、前記撮像光学系の姿勢を判別することを特徴とする、請求項4に記載の撮像装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈胴式のレンズ鏡筒を搭載した撮像装置に関し、より特定的には、レンズ鏡筒に入射する不要な光線の影響を排除する撮像装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などの撮像センサおよび信号処理の集積度が向上すると共に、安価に提供できるようになったために、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置として、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」と総称する)が急速に普及している。
【0003】
昨今のデジタルカメラは、小型化を達成しつつ、高倍率化にも対応している。そのために、各レンズ群のパワーが強く、レンズ鏡筒の内部にて集光する場合がある。この場合、特に太陽光が入射してくる際には、集光部は極端な温度上昇が生じる。レンズ鏡筒は、一般的には、プラスチックで成型されているために、集光部の温度は太陽光により、ブラスチック材の融点を超えて、レンズ鏡筒の集光部およびその周辺の熱変形や発煙、さらに燃焼という熱損傷を招くことがある。
【0004】
このために、デジタルカメラの使用において、適切な対応が必要である。この問題を解決するため、その集光部の位置に、熱膨張率の低いセラミック部材を配置することが提案されている(特許文献1)。また、デジタルカメラの使用におけるモード判別を行い、撮影時以外では、沈胴式のレンズ鏡筒を自動的に収納位置に移動させる構成が提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平6−94959号公報
【特許文献2】特開2004−110065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来の撮像装置においては、次のような課題がある。特許文献1において提案されている構成を用いることにより、レンズ群を保持するプラスチック部材にセラミックなどの熱膨張率の低い板を貼り付けることは、高熱対策としては効果的である。しかしながら、部品点数が増えるため、コストアップにつながると共に、レンズ鏡筒の小型化が困難である。
【0006】
また、特許文献2において説明されている構成を用いれば、例えば、撮影者がデジタルカメラを操作しない状態が所定時間経過すると、自動的に収納位置に移動させることによって、太陽光線のレンズ鏡筒内部での集光を防止できる。しかしながら、太陽光線の強い場所では、デジタルカメラを上向き姿勢の状態で放置されて、レンズ前面より太陽光が直接入射する状況では、レンズ鏡筒を移動させる前に、例えば20秒程度で集光部の温度がプラスチック材の融点を容易に超えてしまい、上述の問題を招く。
【0007】
このような事態を防止するために、例えばタイマー設定により、非撮影状態が10秒続くと、レンズ鏡筒を自動的に収納位置に移動させるようなシステムを構築することが可能である。しかしながら、タイマー設定時間が10秒という短い時間であると、撮影者がデジタルカメラで10秒以上撮影しなければ、レンズ鏡筒が収納位置まで移動してしまう。結果、撮影者が撮影しようとしても、撮影できい状況が頻繁に発生するので、シャッターチャンスを逃してしまうことを含めて、非常に使い勝手が悪い。
本発明は、上述の問題を鑑みて、集光によってレンズ鏡筒が高温化して熱損傷することを防止すると共に、撮影者にとって使いやすいシステムを有した撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被写体の光学的な像を形成する撮像光学系を有する撮像装置であって、
前記撮像光学系を移動させる駆動制御手段と、
第1の設定時間の経過後、前記撮像光学系を第1の状態から第2の状態へ移動させる第1のタイマー設定手段と、
前記第1の設定時間より短い第2の設定時間の経過後、前記撮像光学系を前記第1の状態から前記第2の状態へ移動させる第2のタイマー設定手段と、
前記撮像光学系の姿勢を検出する姿勢検出手段とを備え、
前記姿勢検出手段により検出された姿勢に基づいて、前記撮像光学系の姿勢が上向き姿勢であると判別される時には、前記駆動制御手段は、前記第2の設定時間の経過後に、前記撮像光学系を第2の状態へ移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の撮像装置によれば、レンズ鏡筒内部のプラスチック部品が太陽光入射により燃焼することがない。さらには、通常の使用状態では、タイマー設定時間が長くなることにより、すぐに沈胴状態へと移行することがないので、撮影者の使い勝手が損なわれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る撮像装置について説明する。なお、本実施の形態においては、撮像装置の一例として構成されるデジタルカメラについて説明する。デジタルカメラ1は、撮像光学系L、マイクロコンピュータ3、信号処理部3A、撮像センサ4、CCD駆動制御部5、アナログ信号処理部6、A/D変換部7、デジタル信号処理部8、バッファメモリ9、画像圧縮部10、画像記録制御部11、画像記録部12、画像表示制御部13、動き補正部15A、動き検出部18A、第1のタイマー設定部20、第2のタイマー設定部21、電源スイッチ35、シャッター操作部36、撮影/再生切換操作部37、十字操作キー38、MENU設定操作部39、SET操作部40、シャッター制御部41、シャッター駆動モータ42、およびLCDなどの表示部45を含む。
【0011】
撮像光学系Lは、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、および第4のレンズ群L4の4つのレンズ群から成る。第1レンズ群L1、および第2レンズ群L2は、光軸ZA方向に移動することによりズーミングを行う。そして、第4レンズ群L4(フォーカスレンズ群)は、光軸方向に移動することによりフォーカシングを行う。また、第3レンズ群L3は、像ぶれ補正レンズ群であって、光軸AZに垂直な面内を移動することにより光軸を偏心させて画像の動きを補正する役割を果たしている。
【0012】
機械的な振動や撮影者による揺れ等がデジタルカメラ1に加わると、被写体からレンズに向かって照射された光の光軸は、レンズの光軸とずれる。したがって、得られる画像は不鮮明な画像となる。これを防ぐための防止機構を像ぶれ補正機構と呼ぶ。また、デジタルカメラ1の振動や揺れは、デジタルカメラ1に内蔵されている撮像光学系Lにも必然的に伝達される。よって、特に断らない限り、デジタルカメラ1の振動や揺れとは、撮像光学系Lの振動や揺れを意味する。
【0013】
マイクロコンピュータ3は、デジタルカメラ1の各種の制御部の動作を制御する。また、マイクロコンピュータ3は、電源スイッチ35、シャッター操作部36、撮影/再生切換操作部37、十字操作キー38、MENU設定操作部39およびSET操作部40のそれぞれから出力される信号を受信可能である。
【0014】
シャッター制御部41は、シャッター操作部36の操作により生成されるタイミング信号に応答して、マイクロコンピュータ3から出力される制御信号に基づいて、シャッター駆動モータ42を駆動させて、シャッターを動作させる。
【0015】
撮像センサ4は、CCDであり、撮影光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する。撮像センサ4は、CCD駆動制御部5によって駆動制御される。なお、撮像センサ4は、CMOSでもよい。
【0016】
撮像センサ4から出力された画像信号は、アナログ信号処理部6、A/D変換部7、デジタル信号処理部8、バッファメモリ9、および画像圧縮部10を経て順次処理される。アナログ信号処理部6は、撮像センサ4から出力される画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。A/D変換部7は、アナログ信号処理部6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部8は、A/D変換部7によってデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。バッファメモリ9は、RAM(Random Access Memory)であり、デジタル信号処理部8によって処理された画像信号を一時的に記憶する。
【0017】
バッファメモリ9に記憶された画像信号は、さらに画像圧縮部10および画像記録部12において順次処理される。バッファメモリ9に記憶されている画像信号は、画像記録制御部11から出力される指令により、画像圧縮部10に送信される。この際、画像信号は、所定の比率で圧縮されて、元のサイズよりも小さなサイズのデータになる。例えば、このような圧縮方法としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。また同時に、画像圧縮部10はサムネイル表示等に用いられる撮影画像に対応する縮小画像信号を生成する。その後、圧縮された画像信号は、画像記録部12に送信される。
【0018】
画像記録部12は、デジタルカメラ1の本体に設けられた内部メモリ48(図示せず)および/又は着脱可能なリムーバブルメモリ49(図示せず)により構成される。画像記録制御部11から出力される指令に基づいて、画像信号と、格納すべき所定の情報とが関連付けられて画像ファイルが生成される。生成された画像ファイルは画像記録部12に格納される。なお、画像信号と共に記録されるべき所定の情報には、画像を撮影した際の日時、焦点距離情報、シャッタースピード情報、絞り値情報、撮影モード情報、および後述するデジタルカメラ1の姿勢情報が含まれる。なお、デジタルカメラ1の姿勢と撮像光学系Lの姿勢は同一であるので、特に断らない限りデジタルカメラ1の姿勢は撮像光学系Lの姿勢を意味する。
【0019】
画像表示制御部13は、マイクロコンピュータ3から出力される制御信号により制御される。画像表示制御部13の指令により、表示部45は、画像記録部12あるいはバッファメモリ9に格納された画像信号に基づいて撮影画像を可視画像として表示する。表示部45の表示形態には、画像信号に基づく撮影画像のみの表示形態と、画像信号の撮影時の情報を表示する形態とがある。画像信号の撮影時の情報には、焦点距離情報、シャッタースピード情報、絞り値情報、撮影モード情報、合焦状態情報、および残留ぶれ量が含まれる。これらの情報は、MENU設定操作部39が操作されることにより表示される。
【0020】
第1のタイマー設定部20は、撮影時の状態から沈胴状態まで、レンズ鏡筒2を自動的に繰り込む第1の時間T1を設定するタイマー設定部である。第1の時間T1を設定することにより、例えば、5分などの時間T1が経過すると、レンズ鏡筒は、図5に例示するワイド(広角)状態あるいは図6に例示するテレ(望遠)状態から、図4に例示する沈胴状態まで、自動的に繰り込まれる。なお、第1の時間T1については、デフォルトで設定されていても、撮影者が任意に設定できるようにしても、どちらでもよい。
【0021】
第2のタイマー設定部21は、撮影時の状態から沈胴状態まで、レンズ鏡筒2を自動的に繰り込ませる第2の時間T2を設定するタイマー設定部である。第2の時間T1を設定することにより、例えば、時間T1より短い10秒などの時間T2が経過すると、図5に示すワイド状態、あるいは図6に示すテレ状態から図4に示す沈胴状態まで、レンズ鏡筒2は自動的に繰り込まれる。
【0022】
次に、図2を参照して、デジタルカメラ1の外部構成について説明する。図2(a)はデジタルカメラ1の上面を示し、図2(b)はデジタルカメラ1の背面を示している。筐体1aは、前面にレンズ鏡筒2を含む撮像光学系Lを備え、背面に電源スイッチ35と、撮影/再生切換操作部37と、十字操作キー38と、MENU設定操作部39と、SET操作部40と、液晶モニタからなる表示部45とを備える。さらに、筐体1aの上面には、シャッター操作部36と、ズーム操作部47とが備えられている。
【0023】
ズーム操作部47は、シャッター操作部36と同軸に回動可能となるように、シャッター操作部36の周囲に設けられている。電源スイッチ35は、デジタルカメラ1の電源のON/OFFを行う操作部材である。撮影/再生切換操作部37は、撮影モードと再生モードの切換を行う操作部材であり、レバーが回動されることにより切換が行われる。撮影モードに切換えられた状態で、ズーム操作部47が右方向へ回動されると撮像光学系Lは望縁側へ、左方向へ回動させると広角側へと、それぞれマイクロコンピュータ3によって制御される。
【0024】
MENU設定操作部39は、表示部45に各種メニューを表示させるための操作部材である。十字操作キー38は、ユーザが上下左右の部位を押圧して、MENU設定操作部39を操作することにより表示部45に表示された各種操作メニューを選択することにより、マイクロコンピュータ3が実行指令を出力するための操作部材である。十字操作キー38によって各種操作メニューが選択されると、マイクロコンピュータ3は実行指令を出力する。SET操作部40は、各種操作メニューの表示を、表示前の状態に戻すためにユーザが使用する操作部材である。
【0025】
次に、図3を用いて像ぶれ補正機構16の制御システムについて説明する。図3において、像ぶれ補正機構16は、動き補正部15A、撮影姿勢検出部32A、動き検出部18A、および信号処理部3Aを含む。撮像光の光軸AZを制御する動き補正部15Aは、第2レンズ群L2、ヨーイング制御部14x、ピッチング制御部14y、および位置検出部15を含む。第2レンズ群L2は、光軸AZに垂直な面内を移動することにより、光軸を偏心させ、画像の動きを補正する役割を果たす補正レンズ群である。第2レンズ群L2は、ヨーイング駆動制御部14xおよびピッチング駆動制御部14yによって、光軸AZに直交する2方向XおよびY方向に駆動制御される。以降、X方向をヨーイング方向と呼び、Y方向をピッチング方向と呼ぶ。位置検出部15は、第2レンズ群L2の位置を検出する検出部であり、ヨーイング駆動制御部14xおよびピッチング駆動制御部14yと共に、第2レンズ群L2を制御するための帰還制御ループを形成する。
【0026】
撮影姿勢検出部32Aは、ヨーイング電流値検出部32x、およびピッチング電流値検出部32yを含む。ヨーイング電流値検出部32xは、後述するヨーイングアクチュエータ29xが動作した際にコイルを流れる電流値を検出する。同様に、ピッチング電流値検出部32yは、後述するピッチングアクチュエータ29yが動作した際にコイルを流れる電流値を検出する。
【0027】
動き検出部18Aは、ヨーイング角速度センサ18xと、ピッチング角速度センサ18yとを含む。なお、冗長を避けるために、ヨーイング角速度センサ18xおよびピッチング角速度センサ18yを角度センサ18xおよび18yと適宜略称する。角速度センサ18xおよび18yは、手ぶれおよびその他の振動による撮像光学系Lを含む撮像装置自体の動きを検出するためのセンサであり、それぞれヨーイングおよびピッチングの2方向の動きを検出する。角速度センサ18xおよび18yは、デジタルカメラ1が静止している状態での出力を基準とし、デジタルカメラ1の動く方向に応じて正負何れかの値を有する角速度信号を出力する。出力された信号は、信号処理部3Aによって処理される。
【0028】
信号処理部3Aは、マイクロコンピュータ3、A/D変換部19xおよび19y、D/A変換部19xおよび19yを含む。角速度センサ18xおよび18yより出力された信号は、フィルタ処理、およびアンプ処理等が施された後に、A/D変換部19xおよび19yによってデジタル信号に変換されて、マイクロコンピュータ3に与えられる。
【0029】
マイクロコンピュータ3は、A/D変換部19xおよび19yを介して取り込んだ角速度センサ18xおよび18yからの出力信号に対して、フィルタリング、積分処理、位相補償、ゲイン調整、およびクリップ処理等の各処理を施す。これらの処理を施すことにより、マイクロコンピュータ3は、動き補正に必要な第2レンズ群L2の駆動制御量を演算して、制御信号を生成する。
【0030】
生成された制御信号は、D/A変換部17xおよび17yを介して、ヨーイング駆動制御部14xおよびピッチング駆動制御部14yに出力される。これにより、ヨーイング駆動制御部14xおよびピッチング駆動制御部14yは、制御信号に基づき、第3レンズ群L3を駆動して、画像の動きを補正する。
【0031】
次に、図4、図5、および図6を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ1において用いられる沈胴式のレンズ鏡筒2の構成について説明する。図4は非撮影時の沈胴状態のレンズ鏡筒2の断面を示し、図5は撮影時のワイド状態のレンズ鏡筒2の断面を示し、図6は撮影時のテレ状態のレンズ鏡筒2の断面を示す。
【0032】
図4に見て取れるように、1群保持枠52は第1レンズ群L1を保持しており、第1レンズ群L1の中心軸が光軸AZと平行となるように、筒状の外枠53に対してネジ等で固定されている。1群保持枠52には、光軸AZと平行な2本のガイドポール(ガイド部材)54aおよび54bの一端が固定されている。
【0033】
2群保持枠55は第2レンズ群L2を保持し、先述の2本のガイドポール54aおよび54bによって支持されることにより、光軸AZ方向に摺動可能に構成されている。また2群保持枠55は、ステッピングモータなどの2群レンズ駆動アクチュエータ56の送りネジ56aと、2群保持枠55に所定の軸中心に回動自在に設けたラック57のネジ部とが噛合することにより、2群レンズ駆動アクチュエータ56の駆動力にて、光軸AZ方向に移動して変倍を行う。
【0034】
3群保持枠58は、第3レンズ群L3(像ぶれ補正用レンズ群)を保持し、後述する像ぶれ補正機構81を構成している。
【0035】
4群保持枠59は、3群保持枠58とマスターフランジ60との間に挟まれた、光軸AZと平行な2本のガイドポール61aおよび61bにて支持されて、光軸AZ方向に摺動可能に構成されている。また、4群保持枠59は、ステッピングモータなどの4群レンズ駆動アクチュエータ62の送りネジ62aと、4群保持枠59に設けたラック63(図示せず)のネジ部とが噛合することにより、4群レンズ駆動アクチュエータ62の駆動力にて、光軸AZ方向に移動して、変倍に伴う像面変動の補正と合焦とを行う。
【0036】
撮像センサ(CCD)4は、マスターフランジ60に取り付けられている。3群保持枠58には、支持部58a(主軸側)および58b(廻り止め側)が設けられている。ガイドポール54aおよび54bが支持部58aおよび58bを貫入することにより、ガイドポール54aおよび54bは光軸AZと平行に保持される。
【0037】
次に、第1レンズ群L1を光軸AZ方向に移動させる構成について説明する。略中空円筒状の駆動枠65の像面側(Z軸の負の方向)の内周面の一部に、ギア65aが形成されている。また、その被写体側(Z軸の正の方向)の内周面には、略120度間隔に3つの突起部65bが形成されている。突起部65bが1群保持枠52の像面側の外周面に設けられた周方向の3つの溝部53aと係合することにより、駆動枠65は1群保持枠52に対して光軸AZを中心として相対的に回転可能である。そして、駆動枠65は、光軸AZ方向には駆動枠65と1群保持枠52とは一体で移動する。さらに駆動枠65の内周面には、3本のカムピン66aおよび66bおよび66cが略120度間隔に圧入固定されている。
【0038】
筒状のカム枠67の外表面には、略120度間隔にて3本のカム溝68a、68bおよび68cが形成されている。カム溝68a、68bおよび68cに、駆動枠65のカムピン66a、66bおよび66cがそれぞれ係合する。カム枠67の外周面の所定位置には、駆動ギア69(図示せず)が回転自在に保持されている。駆動ギア69は、マスターフランジ60に取り付けられた駆動ユニット71の駆動力を駆動枠65に設けられたギア部65aに伝達する。
【0039】
したがって、駆動ギア69が回転することにより、駆動枠65が光軸AZ中心に回転する。そして、駆動枠65に設けられたカムピン66a、66bおよび66cが、カム枠67のカム溝68a、68bおよび68cの内部を移動することにより、駆動枠65は光軸AZ方向にも移動する。このとき、1群保持枠52は、これに固定された2本のガイドポール54aおよび54bが3群保持枠58の支持部58aおよび58bに貫入されていることにより、光軸AZ回りの回転が制限されるから、駆動枠65が光軸AZ方向に移動するに従って、1群保持枠52は光軸AZ方向に直進移動する。
【0040】
2群保持枠5の駆動アクチュエータ56は、カム枠67の所定の取り付け部67b(図示せず)に固定される。また、4群保持枠59の4群レンズ駆動アクチュエータ62は、マスターフランジ60の所定の取り付け部60a(図示せず)に固定される。駆動ギア69に駆動力を伝達する駆動ユニット71は、1群レンズ駆動アクチュエータ72と複数のギアからなる減速ギアユニット73(図示せず)とから成り、マスターフランジ60の所定の取り付け部60bに固定される。
【0041】
次に、図6に示されるテレ位置の状態における、レンズ鏡筒2のプラスチック部品の入射した太陽光による燃焼について説明する。太陽光50は、第1レンズ群L1から入射し、2群保持枠55の前面にて集光されるため、条件によっては、2群保持枠55が燃焼し、発煙する。この現象は、図9(a)に示すように、デジタルカメラ1を上向き姿勢で放置し、太陽光50が直接入射する場合に発生する可能性が高い。
【0042】
さらに、テレ位置の状態においては、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が大きくなり、第1レンズ群L1から入射した太陽光50が集光する位置に、2群保持枠55が配置されるために、その傾向は顕著になる。よって、特に晴天時などでは、撮影者がテレ位置の状態にて上向き姿勢にてデジタルカメラ1を使用しないで放置すると、20秒程度で燃焼し、発煙するため、適切な対応が必要である。
【0043】
一方、図4に示す沈胴状態においては、第1レンズ群L1から入射した太陽光50は、レンズ鏡筒1の内部にて、集光する場所がないためにレンズ鏡筒2が燃焼することはない。したがって、デジタルカメラ1が図9(a)に示すような上向き姿勢にある場合は、プラスチック部品が燃焼し始める時間が経過する前に、レンズ鏡筒2を図9(b)に示すような沈胴状態へ繰り込むことにより、この問題を回避することが可能となる。
【0044】
次に、図7を参照して、第3レンズ群L3を用いる像ぶれ補正について説明する。撮影時に生じる像ぶれの補正に用いられる第3レンズ群L3は、第1の方向(Y方向)であるピッチング方向と、第2の方向(X方向)であるヨーイング方向とに移動可能であるピッチング保持枠82に固定されている。ピッチング保持枠82は、−X方向側に軸受82aを有し、+X方向側に廻り止め82bを有している。軸受82aにY軸方向と平行なピッチングシャフト83aを挿入し、廻り止め82bに後述するY軸方向と平行なピッチングシャフト83bが係合されて、ピッチング保持枠82は第1の方向(Y)方向に摺動可能に構成される。
【0045】
ピッチング保持枠82に対して像面側には、像ぶれ補正用の第3レンズ群L3を第2の方向(X方向)に移動させるヨーイング保持枠84が取り付けられている。ヨーイング保持枠84には、先ほど述べたピッチング保持枠82をピッチング方向(Y方向)に摺動させるための2本のピッチングシャフト83aおよび83bのそれぞれの両端を固定する固定部84aおよび84bが設けられている。
【0046】
ヨーイング保持枠84は、+Y方向側に軸受84cを有し、−Y方向側にヨーイングシャフト85bおよびその両端が圧入固定される固定部84dを有している。軸受84cにX方向と平行なヨーイングシャフト85aを挿入し、X方向と平行なヨーイングシャフト85bを3群保持枠58の廻り止め部58dに係合することにより、ヨーイング保持枠84は第2の方向(X方向)に摺動可能に構成される。
【0047】
ヨーイング保持枠84に対して像面側に設けられた3群保持枠58には、上述のヨーイング保持枠84をヨーイング方向(X方向)に摺動させるためのヨーイングシャフト85aの両端を固定する固定部58cとヨーイングシャフト85bを係合する廻り止め部8dとが設けられている。
【0048】
略L字型形状の電気基板86は、ピッチング保持枠82の像面側の面に取り付けられている。電気基板86には、第3レンズ群L3をピッチング方向に駆動する第1のコイル87yおよびヨーイング方向に駆動する第2のコイル87xが設けられている。電気基板86には、さらに、第3レンズ群L3のピッチング方向の位置を検出するホール素子88yおよびヨーイング方向の位置を検出するホール素子88xが設けられている。なお、コイル87yおよび87xは、積層コイルとして電気基板86に一体に構成されている。
【0049】
マグネット89yおよび89xは片側に2極着磁されている。マグネット89yおよび89xは、それぞれ断面形状がコの字型のヨーク90yおよび90xに固定されている。ヨーク90yは、Y方向より、3群保持枠58の嵌合部58yに圧入固定される。同様に、ヨーク90xは、X方向より、3群保持枠58の嵌合部58xに圧入固定される。
【0050】
第1の電磁アクチュエータ91yは、第1のコイル87yと、マグネット89yと、第1のヨーク90yとにより構成される。同様に、第2の電磁アクチュエータ91xは、第2のコイル87xと、マグネット89xと、第2のヨーク90xとにより構成される。第1の電磁アクチュエータ91yはピッチング保持枠82を第1の方向であるピッチング方向(Y方向)に駆動する第1の駆動手段を構成し、第2の電磁アクチュエータ91xはピッチング保持枠82を第2の方向であるヨーイング方向(X方向)に駆動する第2の駆動手段を構成している。
【0051】
上述の如く構成された像ぶれ補正機構81において、電気基板86の第1のコイル87yに電流が流されると、第1のマグネット89yとヨーク90yとによって第1の方向であるピッチング方向(Y方向)に沿って電磁力が発生する。同様に、電気基板86の第2のコイル87xに電流が流されると、第2のマグネット89xとヨーク90xとによって第2の方向であるヨーイング方向(X方向)に沿って電磁力が発生する。このように、2つの電磁アクチュエータ91yおよび91xにより、第3レンズ群L3は光軸AZにほぼ垂直なXおよびYの2方向に駆動される。
【0052】
次に、第3レンズ群L3の位置を検出する位置検出部92yおよび92xについて述べる。磁束を電気信号に変換するホール素子88yおよび88xは、電気基板86に位置決め固定されている。検出用マグネットとしては、上述の電磁アクチュエータ91yおよび91xのマグネット89yおよび89xが兼用される。したがって、ホール素子88yおよび88xとマグネット89yおよび89xとによって位置検出部92yおよび92xは構成される。
【0053】
フレキシブルプリントケーブル93は、電気基板86に取り付けられコイル87xおよび87y、ホール素子88xおよび88yとデジタルカメラ本体の回路(図示せず)との間で信号の伝達を行う。以上の構成要素82〜93により、像ぶれ補正機構81が構成される。
【0054】
上述の如く構成された沈胴式のレンズ鏡筒2の動作について、以下に述べる。図4に示す非撮影時の状態において、電源スイッチ35がオンとなると、デジタルカメラ1は撮影準備状態になる。最初に第1レンズ群L1を駆動する1群レンズ駆動アクチュエータ72が回転し、減速ギアユニット73を介して駆動ギア69を回転させる。駆動ギア69が回転することにより、駆動ギア69と噛合している駆動枠65が、カム溝68aおよび68bおよび68cに沿って光軸AZを中心として回転する。そして原点検出センサが初期化された後に、駆動枠65が被写体側に移動することにより、1群保持枠52も被写体側に移動する。そして、1群レンズ駆動アクチュエータ72が所定の回転量だけ回転したことを回転量検出センサ(図示せず)が検出すると、1群保持枠52が所定の位置まで移動した後に、1群レンズ駆動アクチュエータ72は回転を停止する。
【0055】
次に、2群レンズ駆動アクチュエータ56が回転し、送りネジ56aを介してラック57を駆動することにより、2群保持枠55がZ軸に沿って動き出す。そして原点検出センサを初期化された後に、2群保持枠55は被写体側に移動し、図5に示すワイドの位置にて停止して、デジタルカメラ1は撮影可能状態となる。
【0056】
実際の撮影時には、2群レンズ駆動アクチュエータ56と4群レンズ駆動アクチュエータ62によって、それぞれ変倍動作と変倍に伴う像面変動の補正および合焦の動作とが行われる。変倍を行う際、ワイド位置の状態では、図5に示す状態にて撮影を行い、テレ位置の状態では、第2レンズ群L2を像面側に移動させて図6に示す状態にて撮影を行う。よって、ワイド位置からテレ位置まで、任意の位置にて撮影できる。
【0057】
次に、図5に示す撮影時の状態から、図4に示す非撮影時の状態に移行する際のレンズ鏡筒2の内部メカニズムの動作について説明する。図5に示す撮影時の状態(ワイド位置)より、デジタルカメラ1の電源スイッチ35がオフされると撮影が終了する。そして、最初に2群保持枠55が2群レンズ駆動アクチュエータ56によって像面側に移動される。次に、1群レンズ駆動アクチュエータ72が回転して、減速ギアユニット73を介して駆動ギア69を上述の方向とは逆の方向に回転させる。
【0058】
駆動ギア69が回転することにより、駆動ギア69と噛合している駆動枠65が光軸AZを中心として回転する。それと同時に、駆動枠65はカム溝68a、68bおよび68cによって像面側に移動することにより、1群保持枠52も移動する。そして、原点検出センサにより駆動枠65の回転が検出されると、1群保持枠52が所定の位置まで移動した後に、1群レンズ駆動アクチュエータ72は回転を停止する。
【0059】
このようにして、レンズ鏡筒2の内部メカニズムは図4に示す非撮影時状態に移行し、撮影時の状態に比べて光学全長が短くなった沈胴状態となる。なお、図6に示すテレ位置の状態において、電源オフする場合には、2群保持枠55が像面側に移動される動作が省略されて、1群保持枠52が像面側に移動する。
【0060】
次に、図8、図9、および図10を参照して、ヨーイング電流値検出部32xおよびピッチング電流検出部32yによる電流値検出方法について説明する。図8、および図9は、デジタルカメラ1の姿勢を示している。具体的には、図8(a)は横撮り姿勢を示し、図8(b)は縦撮り姿勢を示し、図9(a)は上向き姿勢(非沈胴状態)を示し図9(b)は上向き姿勢(沈胴状態)を示している。
【0061】
図10は、デジタルカメラ1の各撮影姿勢における像ぶれ補正機構81の姿勢を示している。具体的には、図10(a)は、デジタルカメラ1の横取り姿勢(図8(a))の撮影における像ぶれ補正機構81の姿勢を示し、図10(b)は、デジタルカメラ1の縦撮り姿勢(図8(b))の撮影における像ぶれ補正機構81の姿勢を示し、図10(c)は撮影光学系Lの光軸AZとデジタルカメラ1の自重方向とが一致する上向き姿勢(図9(a))を示す。
【0062】
図10(a)に示すデジタルカメラ1の横撮り姿勢においては、第3レンズ群L3と、ピッチング保持枠82と、コイル87xおよび87yと、ヨーイング保持枠84とを含む重さは、重力方向であるY方向に作用する。このとき、第3レンズ群L3は、適切な像を得るために光軸中心に保持される必要がある。そのために、第3レンズ群L3の自重分を支持するための電磁力の発生が必要である。したがって、必要とする電磁力を発生させるために電流Iy1がコイル87yに供給される。一方、X方向については、第3レンズ群L3を光軸AZ中心に保持するための自重分を考慮する必要がないため、コイル87xへ供給される電流Ix2の値は、コイル87yへ供給される電流Iy1の値と比較して小さくなる。
【0063】
図10(b)に示す、デジタルカメラ1の光軸AZを中心として、上述の横撮り姿勢から90度回転させた縦撮り姿勢においては、第3レンズ群L3と、ピッチング保持枠82と、コイル87xおよび87yと、ヨーイング保持枠84とを含む重さは、重力方向であるX方向に作用する。このとき、第3レンズ群L3は、光軸AZ中心に保持される必要がある。そのために、X方向に関しては、第3レンズ群L3の自重分に加えて、ヨーイング保持枠84の自重分を支持するための電磁力の発生が必要となる。したがって、必要とする電磁力を発生させるために、電流Ix1がコイル87xに供給される。
【0064】
電流Ix1の値は、ヨーイング保持枠84の自重分を考慮すると、横撮り姿勢においてコイル87yに供給される電流値Iy1の値と比較して大きくなる。一方、Y方向に関しては、第3レンズ群L3を光軸AZ中心に保持するための自重分を考慮する必要がないため、コイル87yへ供給される電流値Iy2は、コイル87xへ供給される電流Ix1の値と比較して小さい値となる。
【0065】
図10(c)に示すデジタルカメラ1の上向き姿勢においては、撮影光学系Lの光軸AZとデジタルカメラ1の自重方向とが一致する。よって、ピッチング保持枠82とヨーイング保持枠84とも自重分を考慮する必要がないため、コイル87yおよび87xへ供給される電流の値は、それぞれ電流Iy2およびIx2の値と略同一となる。
【0066】
上述のように、コイル87xおよび87yに流れる電流値は、デジタルカメラ1の撮影姿勢により定まる。すなわち、像ぶれ補正機構81およびデジタルカメラ1の撮影姿勢は、コイル87xおよび87yに流れる電流の値を検出することにより判断される。したがって、像ぶれ補正機構81は、像ぶれを防止する役割と共に、デジタルカメラ1の姿勢検出手段として併用できる。なお、図11に、上述の電流Ix1、Ix2、Iy1、およびIy2の関係を例示している。
【0067】
次に、図12に示すフローチャートを参照して、上述のデジタルカメラ1において、撮影姿勢に応じてレンズ鏡筒2を自動的に沈胴状態に収納する動作について説明する。撮影者が、デジタルカメラ1の電源を入れた状態にて、デジタルカメラ1を任意の姿勢にて放置した時点で当該動作が開始する。
【0068】
ステップS1において、マイクロコンピュータ3は、角速度センサ18xおよび18yから出力される信号を検出し、デジタルカメラ1が静止状態かどうかを判別する。すわなち、角速度センサ18xおよび18yの出力変動が検出された場合にはデジタルカメラ1は使用状態であり、出力変動がない場合にはデジタルカメラ1は非使用の状態である。角速度センサ18xおよび18yの出力変動が検出されなかった、つまりデジタルカメラ1は静止状態である場合には、制御は次のステップ2に進む。
【0069】
ステップS2において、撮影姿勢検出部32Aは、ヨーイング電流値検出部32x、およびピッチング電流値検出部32yによって、デジタルカメラ1の姿勢を検出する。先ず、図10(c)に示すような、撮像光学系Lの光軸AZとデジタルカメラ1の自重方向が一致する場合、すなわちデジタルカメラ1が上向き姿勢であるか、それ以外の姿勢であるかどうかを判別する。デジタルカメラ1の姿勢が上向き姿勢である場合は、制御はステップS4に進む。
【0070】
ステップS4において、マイクロコンピュータ3はタイマーにより時間をカウントし、第2のタイマー設定部21により設定された時間T2が経過したか否かの判別を行う時間T2は、デジタルカメラ1の姿勢が上向き姿勢の状態において、太陽光50が直接入射しても、レンズ鏡筒2の内部のプラスチック部品が燃焼しない時間であり、例えば10秒とする。したがって、10秒が経過すると、制御は次のステップS5に進む。
【0071】
ステップS5において、レンズ鏡筒2は、撮影状態から沈胴状態へと繰り込まれる。つまり、第2のタイマー設定部21により設定された時間T2が経過すると沈胴状態へと移行して、レンズ鏡筒2の内部のプラスチック部品の燃焼が防止される。なお、マイクロコンピュータ3にて作動しているタイマー機能は、デジタルカメラ1が使用状態、すなわち角速度センサ18xおよび18yの出力変動が検出されると、一旦停止するように構成されている。
【0072】
一方、上述のステップS3において、デジタルカメラ1が上向き姿勢でないと判別された場合には、制御はステップS6に進む。そして、ステップS6において、マイクロコンピュータ3はタイマーにより時間をカウントし、第1のタイマー設定部20により設定された時間T1が経過したか否かの判別を行う。時間T1は、デジタルカメラ1の姿勢が上向き姿勢以外の状態に対して設定されるものであり、例えば5分程度とする。したがって、5分が経過すると、制御は次のステップS7に進む。
【0073】
ステップS7において、レンズ鏡筒2は、撮影状態から沈胴状態へと繰り込まれる。なお、マイクロコンピュータ3にて作動しているタイマー機能は、デジタルカメラ1が使用状態、すなわち角速度センサ18xおよび18yの出力変動が検出されると、一旦停止するように構成されている。なお、沈胴状態へ移行した後には、撮影者が再度電源ボタン35をONとするか、いずれかのボタンを押すと自動的に撮影状態へ戻るようにしてもよい。
【0074】
上述のように本実施の形態においては、デジタルカメラが上向き姿勢と判別された場合には、第1の設定時間より短い第2の設定時間が経過するとレンズ鏡筒を自動的に繰り込む第2のタイマー設定部とを設けることにより、レンズ鏡筒内部のプラスチック部品が入射した太陽光によって燃焼することがない。さらには、通常の使用状態では、タイマー設定時間が長くなることにより、すぐに沈胴状態へと移行することがないので、撮影者の使い勝手が損なわれることない。
【0075】
また、本実施の形態においては、ピッチングおよびヨーイング電流検出部の両方の電流値を検出することにより撮影姿勢を判断しているが、少なくとも一方の電流値を検出することにより、撮影姿勢の特定が可能である。この場合において、ピッチング若しくはヨーイング電流検出部の何れか一方の電流検出部に異常が生じた場合にも、撮影姿勢は、両方の電流値を検出することにより正確に判断される。
【0076】
なお、第1のタイマー設定部、および第2のタイマー設定部にて設定した時間T1およびT2については、それぞれ10秒および5分に限定されるものではない。また、第2のタイマー設定部により設定した時間T2が経過後、自動的に沈胴状態へ移行するような構成について説明したが、時間T2が経過後には、電力削減を図るために、デジタルカメラの電源をスリープ状態とし、撮影者がいずれかのボタンを押すと、自動的に電源が入るシステムとしてもよい。
【0077】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2に係る撮像装置について説明する。なお、本実施の形態においても、上述の実施の形態1におけるのと同様に、撮像装置との一例としてデジタルカメラについて説明する。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ1’は、姿勢判別部(撮影姿勢検出部32A)を除いて、上述の第1の実施の形態に係るデジタルカメラ1と同様に構成されている。よって、本実施の形態に係るデジタルカメラ1’(図示せず)に固有の特徴についてのみ説明する。
【0078】
図13、図14、および図15を参照して、デジタルカメラ1’における姿勢判別部である撮影姿勢検出部32A’について説明する。具体的には、図13(a)は、撮像センサ4を駆動するリニアアクチュエータ103を第4のレンズ群L4に対して、光が入射する側から見た様子をしている。図13(b)は、第4のレンズ群L4に対して、図13(a)とは反対側、つまり光が出射する側からみた様子を示している。図14(a)はマスターフランジ60に取り付けられるメインヨーク106をX方向から見た様子を示している。図14(b)はマスターフランジ60に取り付けられるメインヨーク106をZ方向から見た様子を示している。
【0079】
図13に示すように、4群保持枠59は4群レンズ群L4を保持すると共に、第4のレンズ群L4の光軸AZと平行に配設されたガイドポール62bおよび62cにそって光軸AZ方向に摺動自在に構成されている。なお、ガイドポール62bおよび62cの両端は固定されている。4群保持枠59を光軸AZ方向に駆動させるリニアアクチュエータ103の固定子104は、駆動方向(Z方向)と垂直に磁化されたメインマグネット105と、断面形状がコの字型のメインヨーク106および板状のサイドヨーク107とによって構成されている。
【0080】
メインヨーク106の被写体側には、上下に2つの嵌合用突起106aが設けられて、図14に示すように、レンズ鏡筒1のマスターフランジ60に設けられた被嵌合部60cに嵌合可能に構成されている。固定子104からなる磁気回路108は、駆動方向から見て左右対称(X方向)で、かつ駆動方向(Z方向)にも略左右対称になるよう構成されている。
【0081】
図13に戻って、一方、リニアアクチュエータ103の可動子109を構成するコイル110は、メインマグネット105に対して所定の空隙を有するように4群保持枠59に固定されている。そして、メインマグネット105の発生する磁束と直交するように、コイル110に電流を流すことにより、4群保持枠59が光軸AZ方向に駆動するように構成されている。位置検出手段は、4群保持枠59に一体に構成された磁気スケール112と、磁気スケール112から出力される信号を検出する磁気センサ111とにより構成されている。
【0082】
次に、図15を参照して、リニアアクチュエータ103を用いたフォーカス装置の制御システムについて説明する。4群レンズ群L4は、フォーカス駆動制御部120によって、光軸AZに平行なZ方向に駆動制御される。位置検出部121は、4群レンズ群L4の位置を検出する検出部であり、フォーカス駆動制御部120と共に、第4レンズ群L4を制御するための帰還制御ループを形成する。
【0083】
撮影姿勢検出部32A’は、フォーカス電流値検出部112を含む。フォーカス電流値検出部112は、リニアアクチュエータ103が動作した際にコイルに流れる電流の値を検出する。
【0084】
図16および図17を参照して、フォーカス電流値検出部112による電流値検出方法について説明する。図16はリニアアクチュエータ103の姿勢を示しており、具体的には図16(a)は上向き姿勢の撮影におけるリニアアクチュエータ103の姿勢を示し、図16(b)は下向き姿勢の撮影におけるリニアアクチュエータ103の姿勢を示す。
【0085】
図16(a)に示す上向き姿勢においては、4群レンズ群L4、4群保持枠59、およびコイル110を含む重さは、重力方向である−Z方向に作用する。この時、第4レンズ群L4は、所定のフォーカス位置へ移動させるために保持される必要がある。そのために、第4レンズ群L4の自重分を支持するための電磁力の発生が必要である。したがって、必要とする電磁力を発生させるために電流If1がコイル110に供給される。
【0086】
一方、図16(b)に示す下向き姿勢においては、第4レンズ群L4、4群保持枠59、およびコイル110を含む重さは、重力方向であるZ方向へ作用する。この時、第4レンズ群L4は、所定のフォーカス位置へ移動させるために保持される必要がある。そのために、第4レンズ群L4の自重分を支持するための電磁力の発生が必要である。したがって、必要とする電磁力を発生させるために電流If2がコイル110に供給される。
【0087】
上述のように、コイル110に流れる電流の値は、デジタルカメラ1の撮影姿勢により定まる。すなわち、リニアアクチュエータ103およびデジタルカメラ1の撮影姿勢は、コイル110に流れる電流の値を検出することにより判断できる。したがって、リニアアクチュエータ103は、4群レンズ群L4を駆動する役割と共に、デジタルカメラ1の上向き姿勢と下向き姿勢の姿勢検出手段として併用できる。なお、図17に、上述の電流If1、およびIf2の関係を例示している。
【0088】
本実施の形態においては、上述の実施の形態1において判別できなかった下向き姿勢と上向き姿勢の差を判別することができるので、撮影者の使い勝手がさらに改善できる。また、本発明においては、像ぶれ補正装置、あるいはフォーカス用リニアアクチュエータを用いてデジタルカメラの姿勢検出を行うので、従来必要とされている姿勢検出センサ等を設ける必要がない。その結果、部品点数の削減、およびコストダウンを図ることができる。
【0089】
さらに、像ぶれ補正装置を搭載することにより、ぶれのない画像を撮影することができる。また、フォーカス用リニアアクチュエータを用いることにより、追従性を速くしつつ、低消費電力化を図ったフォーカスシステムを実現できる。
【0090】
本発明は、上述の実施の形態1、あるいは実施の形態2にて説明した沈胴式のレンズ鏡筒の構成に限定されるものではなく、デジタルカメラの使用状態から沈胴(非使用)状態へ移行させることにより、レンズ鏡筒内における太陽光による燃焼が防げるような構成に適用できる。なお、沈胴状態となる代わりに、例えばレンズ鏡筒の前面に配置されたレンズバリアが自動的に閉じるような構成であってもよい。さらに、撮影姿勢の判断は、アクチュエータの電流値を検出することに限定されない。例えば、電流値の代わりに電圧値を測定しても同様の効果を得ることができる。
【0091】
なお、姿勢検出に用いる像ぶれ補正装置のアクチュエータと、フォーカス用リニアアクチュエータとの組み合わせについては、上述の構成に限定されるものではなく、例えば、像ぶれ補正装置のいずれか1つのアクチュエータと、フォーカス用リニアアクチュエータとを用いることにより、姿勢検出ができるようなレンズ鏡筒の構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、撮影時の快適な操作性が要望されている、特に高倍率対応のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付きの携帯電話端末などに代表される撮像装置に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置であるデジタルカメラの制御システムを示すブロック図
【図2】図1のデジタルカメラの上面および背面図を示す図
【図3】図1のデジタルカメラにおける像ぶれ補正機構の制御システムを示すブロック図
【図4】図1のデジタルカメラの非撮影時における沈胴状態のレンズ鏡筒の断面図
【図5】図1のデジタルカメラの撮影時におけるワイド状態のレンズ鏡筒の断面図
【図6】図1のデジタルカメラの撮影時におけるテレ状態のレンズ鏡筒の断面図
【図7】図1のデジタルカメラにおける、第3レンズ群を用いる像ぶれ補正の説明図
【図8】図1のデジタルカメラの横撮り姿勢および縦撮り姿勢の説明図
【図9】図1のデジタルカメラの上向き姿勢におけるレンズ鏡筒の非沈胴状態および沈胴状態の説明図
【図10】図1のデジタルカメラの各姿勢における像ぶれ補正機構の姿勢の説明図
【図11】図10に示した第1のコイルおよび第2のコイルへの供給電流量を示す図
【図12】図1のデジタルカメラにおいて、撮影姿勢に応じて自動的にレンズ鏡筒を沈胴状態に収納する動作を表すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態2に係る撮像装置であるデジタルカメラにおけるリニアアクチュエータを示す斜視図
【図14】図13のリニアアクチュエータのヨークの取り付け部を示す斜視図
【図15】図13のリニアアクチュエータの制御システムを示すブロック図
【図16】図13のリニアアクチュエータの姿勢の説明図
【図17】本発明の実施の形態2に係る撮影姿勢別のリニアアクチュエータのコイル供給電流量を示す図
【符号の説明】
【0094】
1、1’ デジタルカメラ
1a 筐体
2 レンズ鏡筒
3 マイクロコンピュータ
3A 信号処理部
4 撮像センサ
5 CCD駆動制御部
6 アナログ信号処理部
7 A/D変換部
8 デジタル信号処理部
9 バッファメモリ
10 画像圧縮部
11 画像記録制御部
12 画像記録部
13 画像表示制御部
14x ヨーイング駆動制御部
14y ピッチング駆動制御部
15 位置検出部
15A 動き補正部
17x、17y D/A変換部
18A 動き検出部
18x ヨーイング角速度センサ
18y ピッチング角速度センサ
19x、19y A/D変換部
20 第1のタイマー設定部
21 第2のタイマー設定部
32A、32A’ 撮影姿勢検出部
32x ヨーイング電流値検出部
32y ピッチング電流値検出部
35 電源スイッチ
36 シャッター操作部
37 撮影/再生切換操作部
38 十字操作キー
39 MENU設定操作部
40 SET操作部
41 シャッター制御部
45 表示部
47 ズーム操作部
52 1群保持枠
53 外枠
55 2群保持枠
56 2群レンズ駆動アクチュエータ
58 3群保持枠
59 4群保持枠
60 マスターフランジ
62 4群レンズ駆動アクチュエータ
62a 送りネジ
62b ガイドポール
62c ガイドポール
65 駆動枠
67 カム枠
69 駆動ギア
71 駆動ユニット
72 駆動アクチュエータ
73 減速ギアユニット
81 像ぶれ補正機構
82 ピッチング保持枠
84 ヨーイング保持枠
86 電気基板
87x 第1のコイル
87y 第2のコイル
89x、89y マグネット
91y 第1の電磁アクチュエータ
91x 第2の電磁アクチュエータ
103 リニアアクチュエータ
106 メインヨーク
109 可動子
110 コイル
112 フォーカス電流検出部
L 撮像光学系
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4のレンズ群





 

 


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