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発明の名称 生産管理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−18505(P2007−18505A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−157778(P2006−157778)
出願日 平成18年6月6日(2006.6.6)
代理人 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
発明者 前西 康宏
要約 課題
欠品や在庫の発生を極力抑えることのできる部品実装機の生産管理方法の提供し、さらに、生産に余裕がある場合は、省電力化を図ることができる生産管理方法の提供すること。

解決手段
生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得しS604〜S606、生産設備が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する生産設備のスループットを決定(S607)するスループット決定ステップとを含み、さらに、前記スループット決定ステップにおいて決定されたスループットが生産設備の現在のスループットより低い場合、決定されたスループットより低くならない範囲のスループットで前記生産設備の消費電力が減少するように生産条件を決定する生産条件決定ステップS608〜S615を含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板に部品を実装する部品実装機による基板の生産を管理する生産管理方法であって、
生産情報を取得する生産情報取得ステップと、
前記生産情報に基づきスループットを決定するスループット決定ステップ
とを含むことを特徴とする生産管理方法。
【請求項2】
前記生産情報取得ステップは、
生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得し、
前記スループット決定ステップは、
生産設備が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する生産設備のスループットを決定する
請求項1に記載の生産管理方法。
【請求項3】
前記生産情報取得ステップで取得する生産情報は、実装基板の生産数、または、当該生産数を生産すべき時間である生産時間を含む請求項2に記載の生産管理方法。
【請求項4】
前記生産情報取得ステップはさらに、
前記生産設備が生産する実装基板が組み込まれる製品の販売数を取得する販売数取得ステップを含み、
前記取得した販売数に基づき実装基板の生産数を取得する請求項2に記載の生産管理方法。
【請求項5】
前記生産情報取得ステップはさらに、
前記生産設備により生産される実装基板数を取得する実装基板数取得ステップと、
前記生産ラインにより生産される完成状態の実装基板数を取得する完成基板数取得ステップと、
前記実装基板数取得ステップで得られた実装基板数と前記完成基板数取得ステップで得られた実装基板数との差に基づき生産数を変更する生産数変更ステップと
を含む請求項2に記載の生産管理方法。
【請求項6】
前記生産情報取得ステップはさらに、
前記生産設備が生産を中断している時間に基づき所定の実装基板数を生産しなければならない時間である生産時間を変更する生産時間変更ステップを含む請求項2に記載の生産管理方法。
【請求項7】
さらに、前記スループット決定ステップにおいて決定されたスループットが生産設備の現在のスループットより低い場合、決定されたスループットより低くならない範囲のスループットで前記生産設備の消費電力が減少するように生産条件を決定する生産条件決定ステップを含む請求項2に記載の生産管理方法。
【請求項8】
前記生産条件決定ステップはさらに、
前記生産設備が稼働する際に発生する加速度を減少させることによりスループットを低下させる実装加速度減少ステップを含む請求項7に記載の生産管理方法。
【請求項9】
基板に部品を実装することにより実装基板を生産する生産ラインを構成する生産設備を対象とする生産管理プログラムであって、
生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得する生産情報取得ステップと、
生産設備が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する生産設備のスループットを決定するスループット決定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする生産管理プログラム。
【請求項10】
基板に部品を実装することにより実装基板を生産する生産ラインを構成する生産設備を対象とする生産管理装置であって、
生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得する生産情報取得手段と、
生産設備が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する生産設備のスループットを決定するスループット決定手段と
を備えることを特徴とする生産管理装置。
【請求項11】
部品を基板に実装する部品実装機であって、
生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得する生産情報取得手段と、
部品実装機が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する部品実装機のスループットを決定するスループット決定手段と
を備えることを特徴とする部品実装機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を実装することにより実装基板を生産する部品実装機、及び、前記部品実装機を複数備える生産ラインを構成する生産設備の生産管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品をプリント配線基板等の基板に実装し実装基板を生産する場合、生産ラインが使用されている。この生産ラインとは、基板に半田を印刷する装置、基板に接着剤を塗布する装置、基板に電子部品を装着する装置、基板と電子部品を半田付けする装置などそれぞれの役割を担った設備がライン状に並べられ、流れ作業で実装基板を生産する生産ラインである。
【0003】
生産ライン全体として高いスループットを得るためには、個々の生産設備、例えば基板に部品を装着する部品実装機においても高いスループットが要求されることとなる。そしてこれを実現するため部品実装機は、部品実装機に供給される部品を真空により吸着保持して持ち上げる工程である吸着工程や、前記持ち上げた部品を部品の供給部から基板上まで搬送する工程である搬送工程、搬送されてきた部品を基板面に降ろして載置する工程である装着工程の各工程において部品を高速で移動させるようなハードウエア的対策が施されたり、部品実装機に取り付けられる部品供給用の部品カセットや部品テープの配列順序を最適化したり、部品の実装順序を最適化するようなソフトウエア的対策が施されたりなどしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
そして、このような高スループットの生産ラインを保持することにより、営業などからの情報である販売見込みをベースとして立案された生産計画にも十分に対応して、実装基板を計画通りに生産することが行われている。
【特許文献1】特開2002−50900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、生産計画の元となる販売見込みなどの情報は、あくまでも予想値でしかなく、また、比較的長いスパン、例えば年単位や月単位などで生産計画が立案されるため、このような生産計画に基づいた日々の操業計画で生産される実装基板と、実際に出荷される(売れた)実装基板との間に差が生じる場合が多い。
【0006】
このように計画値と実績値に差が生じると、生産工場内に完成後の実装基板を保管しなければならない状態、いわゆる在庫を抱えたり、生産が追いつかずに出荷できない(売ることができない)、いわゆる欠品が発生したりすることとなる。
【0007】
一般に、欠品は下流の工程、例えば実装基板を取り付けて製品を完成させる工程にまで影響を及ぼすため、欠品よりも在庫の発生しやすい生産計画となりがちで、このような在庫の発生は、実装基板を保管しておくスペースが必要となり保管費用などが発生することとなる。
【0008】
また、納期的に余裕があるのに突発的な計画変更等の不安定要素に対処すべく、高いスループットを維持したまま実装基板の生産を続けて早期に規定数を生産し終えてしまおうとする傾向も強い。この場合、生産計画は達成できるものの、無駄に電力を消費して在庫を増やすことになり、電力費用を含むコストの増加につながっていた。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、欠品や在庫の発生を極力抑えることのできる部品実装機の生産管理方法の提供し、さらに、生産に余裕がある場合は、省電力化を図ることができる生産管理方法の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る生産管理方法は、基板に部品を実装する部品実装機による基板の生産を管理する生産管理方法であって、生産情報を取得する生産情報取得ステップと、前記生産情報に基づきスループットを決定するスループット決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
これにより、取得した生産情報に基づきスループットを決定して欠品や在庫を極力抑えるように調整し、省電力を図ることが可能となる。
【0012】
また、生産情報取得ステップは、生産計画を構成する生産情報を前記生産設備が実装基板を生産している間に取得し、スループット決定ステップは、生産設備が前記一連の実装基板を生産している間に前記生産情報に基づき前記実装基板に関する生産設備のスループットを決定することが望ましい。
【0013】
また、前記生産情報取得ステップで取得する生産情報は、実装基板の生産数、または、当該生産数を生産すべき時間である生産時間を含むことが望ましい。 前記生産情報取得ステップはさらに、前記生産設備が生産する実装基板が組み込まれる製品の販売数を取得する販売数取得ステップを含み、前記取得した販売数に基づき実装基板の生産数を取得しても良い。
【0014】
前記生産情報取得ステップはさらに、前記生産設備により生産される実装基板数を取得する実装基板数取得ステップと、前記生産ラインにより生産される完成状態の実装基板数を取得する完成基板数取得ステップと、前記実装基板数取得ステップで得られた実装基板数と前記完成基板数取得ステップで得られた実装基板数との差に基づき生産数を変更する生産数変更ステップとを含むとしても良い。
【0015】
前記生産情報取得ステップはさらに、前記生産設備が生産を中断している時間に基づき生産時間を変更する生産時間変更ステップを含むとしても良い。
【0016】
これにより、生産情報が基板の生産中にリアルタイムで取得され、取得された生産情報に基づき生産装置のスループットがリアルタイムで決定される。
【0017】
従って、最新の情報に基づき生産設備を新たなスループットで管理し、最新の生産情報に適合した生産数、生産時間の実装基板を得ることができるため、在庫や欠品を抑制することが可能となる。
【0018】
さらに、前記スループット決定ステップにおいて決定されたスループットが生産設備の現在のスループットより低い場合、決定されたスループットより低くならない範囲のスループットで前記生産設備の消費電力が減少するように生産条件を決定する生産条件決定ステップを含むことが望ましい。
【0019】
前記生産条件決定ステップはさらに、前記生産設備が稼働する際に発生する加速度を減少させることによりスループットを低下させる実装加速度減少ステップを含むことが望ましい。
【0020】
これにより、現在生産設備が実現しているスループットよりも決定されるスループットが低い場合、すなわち、生産設備に時間的余裕が発生した場合、この時間的余裕を用いて省電力で生産設備を稼働させることができる。
【0021】
なお、本願の目的は、前記ステップをコンピュータに実行させる生産管理プログラムとして達成することもできる。また、前記ステップを実現する手段を備えた生産管理装置としても達成することができる。
【0022】
さらにまた、生産設備の一つである部品実装機が前記生産管理装置を備えても前記目的を達成することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本願発明により、在庫(中間在庫)や欠品を抑制するいわゆるジャストインタイムの生産を、基板に部品を実装する生産ラインで実現することができる。さらに、生産に余力のある場合は消費電力を押さえた生産管理をすることで省エネと生産コストの低下をも実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る生産管理装置を説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る生産管理装置に管理される生産ラインの構成を示す外観図である。
【0026】
生産ライン10は、上流側の生産設備から下流側の生産設備に基板を順に搬送し、部品が実装された実装基板を流れ作業により生産する生産ラインであって、それぞれの役割を担うストッカ14および30と、半田印刷機16と、コンベア18および26と、接着剤塗布機20と、部品実装機22および24と、リフロー炉28とを生産設備として備えている。
【0027】
また、コンピュータ12は生産管理装置100(図4参照)を備えている。
【0028】
ストッカ14および30は、基板をストックする装置であり、ストッカ14が生産ラインの最上流に位置し、ストッカ30が生産ラインの最下流に位置する。すなわち、ストッカ14には、部品が未実装の基板がストックされ、ストッカ30には部品が実装済みの完成された実装基板がストックされる。
【0029】
半田印刷機16は、スクリーン印刷の技術によりペースト状の半田を用いて基板上に半田パターンを印刷する装置である。半田印刷機16は半田パターンが形成されたマスクを基板に接触させ、当該マスクの上からペースト状の半田を供給しつつスキージを平行移動させて半田パターンを印刷する。
【0030】
コンベア18および26は、基板を搬送する装置である。
【0031】
接着剤塗布機20は、比較的大型の電子部品が搬送などの際に基板からずれないように基板上に電子部品を仮接着するための接着剤を必要な部分にのみ塗布する装置である。接着剤塗布機20は、例えば、タンクから押し出された粘性のある接着剤を、タンクと基板とを相互に移動させ、線状や点状となるように接着剤を基板上に塗布する動作が行われる。
【0032】
部品実装機22および24は、基板上に部品を実装する装置である。詳細は後述する。
【0033】
リフロー炉28は、部品が実装された基板を熱することにより、前記半田印刷機16で印刷した半田を溶かして、部品を基板上に半田付けする装置である。 コンピュータ12は生産ライン全体を統括的に制御するコンピュータであり、生産管理装置100を備え、生産ラインを構成する上述したすべての生産設備と接続して各生産設備の生産の管理も行っている。また、コンピュータ12は販売実績管理サーバ(図示せず)等の他のコンピュータと通信するためにインターネットなどのネットワーク101にも接続されている。
【0034】
なお、本明細書および特許請求の範囲において記載のある「生産」という言葉は、当該ストッカ14が基板を搬出する動作やストッカ30が基板を搬入してストックする動作、半田印刷機16が半田を印刷する動作、コンベア18、26が基板を搬送する動作、接着剤塗布機16が接着剤を塗布する動作、部品実装機22、24が電子部品を基板に実装する動作、リフロー炉28が行う半田付けのための加熱動作など実装基板の生産のために各生産設備が行う動作すべてを含むものとして使用している。
【0035】
ここで、以下の記述は、前記生産ライン10の部品実装機22を代表例とし、生産管理装置100および生産管理方法について説明するが、他の生産設備とも同様に生産管理装置100に基づいて生産管理がなされている。
【0036】
図2は、本発明の実施の形態に係る部品実装機22の一部を切り欠いて示す外観斜視図である。
【0037】
同図に示す部品実装機22は、生産ラインの上流から受け取った基板に電子部品を装着し、下流に電子部品装着済みの実装基板を送り出す装置であり、電子部品を吸着、搬送し基板に電子部品を装着することができる装着ヘッドを複数備えたマルチヘッド部110と、そのマルチヘッド部110を水平面方向に移動させるXYロボット113と、装着ヘッドに部品を供給する部品供給部115とを備えている。
【0038】
この部品実装機22は、具体的には、微少部品からコネクタまでの多様な電子部品を基板に装着することができる実装機であり、□10mm以上の大型電子部品やスイッチ・コネクタ等の異形部品、QFP(Quad Flat Package)・BGA(Ball Grid Array)等のIC部品を装着することができる多機能な実装機であり、複数の電子部品を一度にマルチヘッド部110が保持し、部品供給部115から基板上部まで搬送することができる装置であり、部品供給部115と基板上部との間のマルチヘッド部110の往復回数を減少させて高速に電子部品を実装できる高速な実装機である。
【0039】
図3は、部品実装機22の主要な内部構成を示す平面図である。
【0040】
部品実装機22はさらに、各種形状の部品種に対応するために装着ヘッドに交換自在に取り付けられる交換用ノズルが置かれるノズルステーション119と、基板120搬送用の軌道を構成するレール121と、搬送された基板120が載置され電子部品が装着される装着テーブル122と、吸着保持した電子部品が不良の場合、当該部品を回収する部品回収装置123とを備えている。
【0041】
また、部品供給部115は、部品実装機22の前後に設けられており、テープ上に収納された電子部品を供給する部品供給部115aと、部品の大きさに合わせて間仕切りをつけたプレートに収納される電子部品を供給する部品供給部115bとを有している。
【0042】
上記部品実装機22に備えられるマルチヘッド部110は、スループット向上のためXYロボット113により部品供給部115と装着テーブル122に載置される基板120との間や、基板120上の電子部品を装着する実装点間を高速で移動しており、また、部品供給部115上では電子部品を吸着するために静止し、実装点上では電子部品を基板120に装着するため静止している。従って、電子部品を実装している間、マルチヘッド部110は移動と停止を頻繁に繰り返し、移動と停止が発生する毎に非常に大きな加減速で移動している。そして、当該マルチヘッド部110をこのような加減速で駆動するには多くの電力を必要とする。
【0043】
図4は、生産管理装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
【0044】
同図に示す生産管理装置100は、部品実装機22の他、生産ラインの各設備の生産を管理する装置であり、生産情報取得部401と、スループット決定部402と、生産条件決定部403と、加速度増減部404と、制御部405と、表示部406と、入力部407と、記憶部408と、通信I/F409とを備えている。
【0045】
生産情報取得部401は、ネットワーク101や通信I/F409を介して販売実績管理サーバ(図示せず)や生産ラインの各設備などから生産に関する情報を取得する処理部である。この生産情報取得部401が取得する生産情報としては、例えば、販売実績管理サーバから実装基板が組み込まれた製品の一日あたりの最新の販売台数や、部品実装機22の生産中断時間、各設備が生産を開始する時刻、生産を終了しなければならない時刻、部品実装機22の実装基板生産枚数である実装基板数と、ストッカ30にストックされる実装基板数である完成基板数等がある。また、入力部407と表示部406により画面上の必要な箇所にマニュアルで数値を入力すると、この数値を生産情報として取得することも可能である(図8参照)。
【0046】
スループット決定部402は、生産情報取得部401により取得した情報に基づき部品実装機のスループットを決定する処理部である。また、スループット決定部402は部品実装機22の最高のスループット、すなわち、モータの定格、部品吸着ずれ、もしくは、部品装着ずれなどを考慮した限界まで向上させたスループットの値を保持している。
【0047】
生産条件決定部403は、スループット決定部402が決定したスループットに適合するように部品実装機22の実装条件を決定する処理部である。特に、スループット決定部402がスループットの低下を図ることを決定した場合、決定されたスループット内で消費電力が低下するような実装条件を決定する。
【0048】
なお、本実施形態では部品実装機22を対象としているため生産条件決定部403は実装条件を決定するが、他の生産設備を対象とする場合は、他の生産設備固有の生産条件を決定することとなる。
【0049】
消費電力が低下する実装条件としては例えば、マルチヘッド部110の加速度を低下させる条件の他、実装順序を変更することが該当する。
【0050】
具体的に、トレイ方式の部品供給部115bが備える異なる種類のトレイで供給される電子部品Aと電子部品Bとを連続して実装する場合について説明する。このトレイ方式の部品供給部とは、部品供給部本体に複数段に重ねられたトレイが収納されており、この部品供給部本体の別々の段のトレイにそれぞれ電子部品Aと電子部品Bが載置されている。そして、電子部品Aを供給する場合は、電子部品Aが載置されたトレイを本体から引き出しておき、次に電子部品Bを供給する場合は前記トレイを本体に収納し、電子部品Bが載置されたトレイを引き出して電子部品Bを供給するものである。
【0051】
例えば、高スループットの実装条件、すなわちトレイを収納したり引き出したりするトレイ交換時間にマルチヘッド部110を移動させて電子部品Aを基板120に装着し再びマルチヘッド部110を部品供給部115bに戻して電子部品Bを吸着しさらにマルチヘッド部110を移動させて基板120に装着する実装条件が設定されていたとする。この条件をマルチヘッド部110の移動回数を減少させる実装条件に変更すれば低消費電力化が図れる。この変更後の実装条件とはすなわち、トレイを交換する時間はマルチヘッド部110を移動させずに待機させ、マルチヘッド部110に電子部品Aと電子部品Bとの両者を吸着させてから、基板120に移動させて電子部品Aと電子部品Bとを装着するという実装条件である。
【0052】
このように、できる限りマルチヘッド部110の移動回数(静止状態から移動し再び静止するまでが1移動)を減少させる実装条件(部品の実装順)を決定すれば消費電力を低下させることができる。
【0053】
さらに、部品実装機が独立して移動可能な複数のマルチヘッド部を有している場合、いずれかのマルチヘッド部を駆動するためのモータに供給される電源を遮断し、スループットを低下させ、かつ、省電力化を図るという実装条件を決定することもでき、さらに部品実装機24ですべての実装処理がまかなえる場合、搬送のみを残し部品実装機22の他の部分、例えば、マルチヘッド部110、ビームの駆動部などに供給されている電源をすべて遮断するという実装条件を決定することもできる。
【0054】
加速度増減部404は、生産条件決定部403に備えられる処理部であり、実装条件の中でも特に、マルチヘッド部110などの移動加速度を調整する処理部である。
【0055】
例えば、加速度を調整する場合、図5に示すような加速度データ500が用いられる。同図に示す加速度データ500は、記憶部408に記憶されており、マルチヘッド部110が移動する移動区間とその移動区間で発生する加速度を示す情報で構成されている。なお、移動区間は基板の実装点と対応しているため実装点No.で区別され、加速度は段階的(例えば段階1〜9)に定められた加速度に数字を対応させて定義されており、少ない数ほど高加速度である。そして、加速度を調整する場合は、加速度パターンの数を移動区間毎に、或いは全移動区間で一度に増減させ、目的のスループットとなるように実装条件を決定する。
【0056】
なお、この加速度データ500は、一般的には実装品質に問題のない範囲で可能となる最大の加速度を上限として作成されている。また、この実装品質に問題のない範囲とは、部品実装機22の可動部材を駆動するモータの定格トルクに基づいて定められる範囲であり、かつ、マルチ装着ヘッド110が移動する際に発生する加減速に伴う慣性力により前記マルチ装着ヘッド112が保持する電子部品がずれたり落ちたりすることのない範囲である。従って、加速度増減部404で加速度を増加する方向に調整されたとしても、加速度データ500以上(数字を小さく)の加速度を設定することはできないものとなされている。
【0057】
なお、当業者などにおいては、「加速度」について、加速度の意味で「速度」と称し、また、記載することがあり、上記「加速度」を「速度」として、速度を調整するものでもかまわない。
【0058】
実装条件の中でも特に加速度を調整するのは、加速度がスループットに大きく影響するためであり、特に、加速度を低下させる場合は省電力にも大きく寄与するからである。
【0059】
ここで、「加速度」とは、マルチヘッド部110の移動時に発生する水平方向の加速度の他、マルチヘッド部110が備える装着ヘッドが電子部品を吸着や装着する際に発生する垂直方向の加速度など、部品実装機22内で発生するすべての加速度を含む広い概念の加速度を意味する。
【0060】
なお、本実施形態では生産条件決定部403が生産管理装置100内に備えられているため、スループット決定部402で決定されたスループットは、生産管理装置200内で当該スループットに適合する生産条件が決定されるが、本発明はこれに限定される訳ではなく、生産条件決定部は部品実装機22等各生産設備が備えていても良い。この場合、スループット決定部402が決定したスループットを各生産設備に送信することで、各生産設備が自立的に生産条件を決定し、その決定された条件で生産が実行される。なお、後述する各処理部の動作は、いずれの処理部がどこに備えられていても同様である。
【0061】
制御部405は、生産管理装置100が備える各処理部の制御を行う処理部である。
【0062】
表示部406は、CRTやLCD等であり、入力部407はキーボードやマウス、タッチパネル等である。これらは、部品実装機22の稼働状態を表示したり、マニュアルで生産情報を入力する等のために用いられる。
【0063】
記憶部408は、データを蓄積、保持することのできるハードディスクドライブなどの記憶装置であって、前記加速度データ500などが記憶される。
【0064】
通信I/F409は、部品実装機22(その他生産ラインを構成する設備も含む)との情報の授受を行うインターフェースである。
【0065】
次に、前記生産管理装置100の部品実装機22に対する処理動作を説明する。
【0066】
図6は、生産管理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、生産管理装置100は、初期データを取得し初期値として設定する(S601)。初期データとは、生産ライン全体として生産する実装基板の枚数や生産開始時刻、生産終了時刻などである。これら初期データは生産計画や、生産ラインの操業計画などから取得される。なお、このステップは必ずしも必要ではない。
【0068】
次に、生産条件決定部403は、部品実装機22を対象として、加速度データ500や、部品ライブラリ700(図7参照)に基づき、部品供給部115における各種電子部品の配置や電子部品の装着順序等の実装条件を最高のスループットとなるように最適化し、この最適化された条件を取得する(S602)。なお、このステップは、前述したように、生産条件決定部403が生産管理装置100以外(例えば部品実装機22)に備わっている場合は、生産管理装置100以外に備わっている生産条件決定部により実行され、その最適化された条件を生産管理装置100が取得する。
【0069】
次に、部品実装機22は、生産ラインの上流工程から初めての基板の搬入を受け生産を開始すると共にこの生産を開始したことを知らせる生産開始情報を発信する。そして、生産管理装置100は、部品実装機22の生産開始情報を取得し、生産時間を算出する(S603)。当該生産開始情報は、部品実装機22が実際に生産を開始した情報であり、部品実装機22の生産を管理する場合は、前記生産開始情報を受け取った時刻を基準として生産時間が算出されることになる。具体的には、生産ライン10として許容されている最終時刻から前記生産開始情報を受け取った時刻を減算し、さらに、部品実装機22の生産が終了してから生産ライン10全体の生産が終了するまでのタイムラグを減算した値が部品実装機22の生産時間となる。
【0070】
次に、生産情報取得部401は、昨日に販売された対象製品の台数である販売数を販売実績管理サーバから取得し、取得した販売数に基づき本日生産すべき基板数である生産数を算出する(S604)。
【0071】
さらに生産情報取得部401は、部品実装機22が生産した枚数とストッカ30が受け取った枚数の差に基づき生産数の変更を行う(S605)。これは、部品実装機22が生産した実装基板が、生産ラインの下流工程で不具合が発生したために抜き取られた場合、完成された実装基板と部品実装機22が生産した実装基板との差を補填するためである。従って、部品実装機22が生産する実装基板は、ステップS604で算出された生産数よりも抜き取られた枚数分だけ多くなる。
【0072】
なお、前記下流工程とは、生産された実装基板を検査し、実装基板の良、不良を検査する工程を含めてもかまわない。この場合、検査により不良となった実装基板は抜き取られるため、部品実装機22が生産する実装基板は、ステップS604で算出された生産数よりも抜き取られた枚数分だけ多くなる。
【0073】
さらに、実装基板生産の歩留まりを事前に入手しておき、部品実装機22が生産する実装基板の数を前記歩留まりに基づき増加させてもよい。
【0074】
また、部品実装機22が生産した生産基板が生産ラインの下流工程を通過してストッカ30にストックされるまではタイムラグが発生するため、生産数の変更はこのタイムラグを考慮して行われる。
【0075】
さらに生産情報取得部401は、部品実装機22が生産を中断した時間を取得し、この値を生産時間から減算する。(S606)なお、操業の中断とは、部品実装機22の不具合や部品の追加・交換などで中断した場合の他、生産ラインの上下流工程で遅延が発生したり上流工程の生産設備のスループットが限界に達しているために、基板が搬入されない場合や搬出できないために操業が中断した場合も含まれる。
【0076】
次に、生産情報取得部401によって取得された前記生産情報に基づき、スループット決定部402は、部品実装機22が実現すべき目標スループットを算出し決定する(S607)。具体的には、事前に設定されている生産時間(当初設定生産時間)からすでに生産に費やした時間(生産経過時間)を減算して生産時間(残生産時間)を更新し、生産情報取得部401が取得した生産数(取得生産数)から現在生産が終了した枚数(生産終了数)を減算して生産数(残生産数)を更新し、更新後の生産時間と生産数に基づいて目標スループットを算出する。原則として生産数÷生産時間でおおよそのスループットは算出できるが、生産開始、および、終了時点の誤差や、割り切れない場合の丸めなど細かな補正が実施される。
【0077】
上記を数式で現すと、
生産時間(残生産時間)=当初設定生産時間−生産経過時間
生産数(残生産数)=取得生産数−生産終了数
目標スループット=生産数÷生産時間
となる。
【0078】
次に、現在部品実装機22が実現しているスループットと前記目標スループットとを比較し(S608)、現在のスループットが目標スループットよりも早い場合は(S608:現SP>目標SP)加速度を減少させ(S609)、減少させた加速度に基づきスループットを再計算する。そして、スループットが目標スループットに最も近くかつ目標スループットよりも遅くならないスループットが算出されるまでS608とS609のステップを繰り返す。
【0079】
スループットの具体的な計算方法としては、加速度から各移動区間ごとのタクトを算出し、全移動区間のタクトの合計値からスループットを算出する。
【0080】
なお、加速度の減少手順は、すべての移動区間について加速度を1段階ずつ落とし、さらに微調整として移動区間個々に加速度を落として行く手順などが例示できる。
【0081】
一方、現在のスループットが目標スループットよりも遅い場合は(S608:現SP<目標SP)、加速度を増加させ(S611)、増加させた加速度に基づきスループットを再計算する。そして、再計算されたスループットが限界を超えている場合は(S613:Y)、表示部406に警告が表示される(S614)。
【0082】
再計算されたスループットが限界値を超えていない場合は(S613:Y)、目標スループットに最も近くかつ目標スループットよりも遅くならないスループットが算出されるまでS611〜S613のステップを繰り返す。
【0083】
なお、加速度の増加手順は前記減少手順と同様、すべての移動区間について加速度を1段階ずつ上げ、さらに微調整として移動区間個々に加速度を上げて行く手順などが例示できる。
【0084】
そして、目標スループットに算出されたスループットが最も近づけば(S608:現SP≒目標SP)、設定された加速度に基づき実装条件が決定される(S615)。
【0085】
当該実装条件が決定されると、図8に示す画面表示の数字部分、例えば基板Aの稼働率などの数値や、取得した情報が表示される。
【0086】
なお、図中の「計画」、及び、「予定」は、最初に設定された数値であり、「取得」とは、リアルタイムに得られた値、すなわち、最初に設定された値から、後に変更された値である。
【0087】
上記S604からS615までのステップを一枚の実装基板を部品実装機22が生産する毎に行い、それを必要生産数に達するまで繰り返す。
【0088】
上記説明した生産管理装置100および生産管理方法を部品実装機22に適用すれば、同一種類の実装基板を部品実装機22が一連に生産している間、リアルタイムでスループットの調整がなされるため、最新の情報に基づいて的確な数の実装基板を生産することができる。しかも、部品実装機22の生産に余裕がある場合、当該余裕分を省エネルギーに役立てることができる。
【0089】
また、生産能力を超えるような生産情報を取得した場合は、警告が表示されるため、欠品を事前に把握することができ、他の生産ライン等の関係各方面に応援を要請したりすることができる。
【0090】
なお、前記説明では、スループットの比較等を基板一枚毎としたが、これに限定される訳ではなく、複数枚毎など任意のタイミングで行うこととしても構わない。
【0091】
また、前記処理動作の説明において、スループットの調整を加速度の増減を例にとり説明したが、本発明はこれに限定される訳ではなく、その他の実装条件、例えば実装順序を変えることなどによってもスループットの調整は可能である。
【0092】
また、本明細書および特許請求の範囲において、すべて「スループット」で記載、説明したが、これを「タクトタイム」(基板搬入から処理済の基板が搬出される迄の時間)としても作用効果は同じであることは勿論である。
【0093】
また、上記説明は部品実装機22に限定して進めたが、前述した通り本発明は、生産ラインを構成するあらゆる生産設備に適用することが可能である。
【0094】
また、生産管理装置と生産設備を別体とする必要はなく、各生産設備がそれぞれ生産管理装置を備えていても良い。さらに、生産管理装置を構成する各処理部がそれぞれ別体となっても良い。すなわち、本発明は、各処理部が備えられる物理的な位置によって作用効果が変わるものではない。
【0095】
また、生産情報は上記情報ばかりでなく、出庫在庫、もしくは、工程在庫でもかまわない、また、生産情報を工程在庫などとした場合に、自律的にスループットを決定するものでもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、部品が基板に実装された実装基板を製造する生産ラインに適用でき、特に電子部品が実装された回路基板を製造する生産ライン等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態に係る生産管理装置に管理される生産ラインの構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に適用される部品実装機の一部を切り欠いて示す外観斜視図である。
【図3】前記部品実装機の主要な内部構成を示す平面図である。
【図4】生産管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】加速度データを例示する図である。
【図6】生産管理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】部品ライブラリを例示する図である。
【図8】本実施形態の処理内容が反映された画面を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
10 実装基板生産ライン
14、30 ストッカ
16 半田印刷機
18、26 コンベア
20 接着剤塗布機
22、24 部品実装機
28 リフロー炉
23 実装制御部
100 生産管理装置
101 ネットワーク
110 マルチヘッド部
113 XYロボット
115 部品供給部
120 基板
121 レール
122 装着テーブル
401 生産情報取得部
402 スループット決定部
403 実装条件決定部
404 加速度増減部
405 制御部
406 表示部
407 入力部
408 記憶部
409 通信I/F
500 加速度データ
700 部品ライブラリ




 

 


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