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発明の名称 液位検知装置およびこれを使用した衣類乾燥機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17384(P2007−17384A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−201490(P2005−201490)
出願日 平成17年7月11日(2005.7.11)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 麻田 和彦 / 中本 重陽 / 野嶋 元 / 三原 誠
要約 課題
第1の直流電源の故障を検知し、誤った検知出力による二次的被害を防ぐ。

解決手段
第1の直流電源100からサーミスタ101への電流経路に設けた開閉手段104、第1の直流電源100より電圧が低い第2の直流電源114から電源供給を受けてサーミスタ101の電圧を検知する電圧検知回路111を有し、第1の直流電源100の電圧が所定範囲外となった場合、開閉手段104のオフ期間に所定範囲外の電圧を受けて異常を検知し、誤った検知を防ぐ。
特許請求の範囲
【請求項1】
液位を検知するサーミスタと、前記サーミスタに直列に接続された抵抗器と、前記サーミスタと前記抵抗器の直列回路に電流を供給する第1の直流電源と、前記第1の直流電源から前記サーミスタへの電流経路に設けた開閉手段と、前記第1の直流電源より電圧が低い第2の直流電源を有し、前記第2の直流電源から電源供給を受けて前記サーミスタの電圧を検知する電圧検知回路を有し、前記第1の直流電源の電圧が所定範囲外となった状態で、前記電圧検知回路は、前記開閉手段のオフ期間に所定範囲外の電圧を受け、異常を検知する液位検知装置。
【請求項2】
サーミスタと開閉回路の直列回路の端子間電圧を電圧変換して電圧検知回路に供給する電圧変換回路を有する請求項1記載の液位検知装置。
【請求項3】
第1の直流電源の電圧が所定値以下となった状態で、電圧検知回路は、開閉手段のオフ期間に所定値以下の電圧を受け、異常を検知する請求項1または2記載の液位検知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液位検知装置と、除湿手段を有し、前記液位検知手段は、前記除湿手段から発生する水の液位を検知する衣類乾燥機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機、食器洗い機、空調装置などに用いられる液位検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の水位などの液位を検知する液位検知装置は、自己発熱型サーミスタを用いて構成した液位センサと、動作点抵抗および動作点切り替え抵抗と、動作点切り替えトランジスタを設けて液位の検知を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は、上記特許文献1に記載された従来の液位検知装置の回路図を示すものである。図8に示すように、自己発熱型サーミスタで構成した液位センサ1と液位検知抵抗01の直列回路は定電圧電源2に接続され、動作点抵抗3の電圧との比較を行う比較器4が設けられていて、貯水タンク7の液位を検知して、制御手段(マイクロコンピュータ)10に検知信号を送るものとなっている。
【0004】
動作点切り替え抵抗11、12、13、14は、制御手段(マイクロコンピュータ)10からの信号によってオンオフする、動作点切り替えトランジスタ21、22、23、24によって、動作点抵抗3との分圧比が変化するため、比較器4に入力される動作点電圧が変化する回路構成となっており、制御手段(マイクロコンピュータ)10は、水温サーミスタ31と気温サーミスタ32による検出値に応じて、最適な動作点電圧となるように動作点切り替えトランジスタ21、22、23、24のオンオフを行うことにより、使用できる温度範囲の広い液位検知装置を実現するという構成のものであった。
【特許文献1】特開2001−159556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自己発熱サーミスタで構成した液位センサ1により、液位がそのサーミスタにまで達しているか否かを検知する従来のこの種の液位検知装置の場合、サーミスタが液中に没しているのか、空気中にあるのかを、直列に接続された抵抗との分圧によるサーミスタ電圧によって検知するものとなるが、定電圧電源2の電圧変動が何らかの原因で発生した場合には、液位センサ1であるサーミスタの自己発熱の大きさが正常な状態から大きく変化したものとなってしまい、誤った検知結果が得られてしまうことがある。
【0006】
誤った検知結果が出力されると、液位検知装置の出力を利用して各種の制御を行う機器においては、当然二次的な被害、例えば水漏れなどが発生する可能性が高くなるものとなる。
【0007】
このような不具合を対策する構成としては、定電圧電源2の電圧を分圧回路などを接続した上で制御手段(マイクロコンピュータ)10に読み込み、定電圧電源2の電圧が正常な範囲内にあることを確認した上で、水位(液位)の検知を行い、範囲外である場合には異常であることを検知して信号を発生するなどの構成が考えられるものとなるが、構成が複雑となるものであった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、サーミスタの自己発熱をさせる定電圧電源の電圧変動を、簡単な構成で検知し、正常範囲外である場合には、異常であることを検知し誤った液位検知結果を出すことを防ぐことを可能とした液位検知装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の液位検知装置は、液位を検知するサーミスタと、前記サーミスタに直列に接続された抵抗器と、前記サーミスタと前記抵抗器の直列回路に電流を供給する第1の直流電源と、前記第1の直流電源から前記サーミスタへの電流経路に設けた開閉手段と、前記第1の直流電源より電圧が低い第2の直流電源を有し、前記第2の直流電源から電源供給を受けて前記サーミスタの電圧を検知する電圧検知回路を有し、前記第1の直流電源の電圧が所定範囲外となった状態で、前記電圧検知回路は、前記開閉手段のオフ期間に所定範囲外の電圧を受け、異常を検知するようにしたもので、開閉手段のオフ期間の電圧検知回路の検出値から、簡単な構成で、第1の直流電源の電圧が正常範囲外となったことを検知し、誤った液位検知結果の出力を抑え、それによる二次的被害を防ぐことができるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液位検知装置は、第1の直流電源の電圧異常を検知し、誤判定による二次的な被害を防ぐことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、液位を検知するサーミスタと、前記サーミスタに直列に接続された抵抗器と、前記サーミスタと前記抵抗器の直列回路に電流を供給する第1の直流電源と、前記第1の直流電源から前記サーミスタへの電流経路に設けた開閉手段と、前記第1の直流電源より電圧が低い第2の直流電源を有し、前記第2の直流電源から電源供給を受けて前記サーミスタの電圧を検知する電圧検知回路を有し、前記第1の直流電源の電圧が所定範囲外となった状態で、前記電圧検知回路は、前記開閉手段のオフ期間に所定範囲外の電圧を受け、異常を検知するようにしたもので、開閉手段のオフ期間の電圧検知回路の検出値から、簡単な構成で、第1の直流電源の電圧が正常範囲外となったことを検知し、誤った液位検知結果の出力を抑え、それによる二次的被害を防ぐことができるものである。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明のサーミスタと開閉回路の直列回路の端子間電圧を電圧変換して電圧検知回路に供給する電圧変換回路を有する構成とすることにより、第1の直流電源の電圧値を、電圧検知回路の動作用として設けている第2の直流電源の電圧値に対して、十分に高い電圧とすることができることから、サーミスタに大きな自己発熱パワーを供給することができ、液位の検知において液の有/無で大きなサーミスタ抵抗値の変化を得ることができるので、鋭い検知性能が得られるものとなる。
【0013】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の第1の直流電源の電圧が所定値以下となった状態で、電圧検知回路は、開閉手段のオフ期間に所定値以下の電圧を受け、異常を検知する構成とすることにより、電圧検知回路に許される入力電圧範囲を有効に活用した、分解能の高い検知を行いながら、第1の直流電源の電圧が異常に低下した場合の検知が可能となる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明に記載の液位検知装置と、除湿手段を有し、前記液位検知手段は、前記除湿手段から発生する水の液位を検知する衣類乾燥機とすることにより、第1の直流電源の電圧が異常となった場合にも水あふれなどを防止することができるものとなる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における液位検知装置の回路を示したもので、12ボルトの電圧を出力する第1の直流電源100と、サーミスタ101と250オームの抵抗器102の直列回路を有しており、第1の直流電源100から電流を供給されてサーミスタ101が自己発熱するものとなっている。
【0017】
なお、サーミスタ101は、2ピンのコネクタ103からリード線(図示せず)で接続されており、サーミスタ101の低電位側の端子は、NPN形のトランジスタで構成した開閉手段104を有し、サーミスタ101と抵抗器102と開閉手段104は直列に接続され、サーミスタ101への電流経路となる位置に設けられており、開閉手段104がオンしている状態においては、第1の直流電源100から電流が供給され、サーミスタ101が自己発熱を起こすものとなっている。
【0018】
サーミスタ101の自己発熱の大きさが小さいと、サーミスタ101が液中にある場合と空気中にある場合との内部の素子温度の差が小さくなり、抵抗値の比率としても低い値となってしまう傾向があるが、本実施の形態においては、通常のマイクロコンピュータチップなどによく使用される5V電源よりも高い、12Vという高電圧を持つ第1の直流電源100を使用していることから、100mW程度の自己発熱パワーを得ることができるため、サーミスタ101が液中にある場合と、空気中にある場合との内部素子の温度差が多くとれるものとなり、抵抗値の比率としても大きいものが得られるため鋭い検知特性が実現できるものとなっている。
【0019】
ちなみに、マイコンと共通の5V電源からサーミスタを自己発熱させようとした場合には、数十オーム程度というかなり低い抵抗値のものを使用することになり、サーミスタ101がかなり特殊な仕様のものとなってコストが高くなる上に、5V電源からの流入電流も空気中の時に百数十mAとかなり大きくなり、また0から5Vの範囲内での変化を見ることになるため、本実施の形態と比較すると、液中と空気中での電圧差の絶対値もその分低く、水有/無の検知として鈍いものとなり、ノイズ面においても弱めのものとなる。
【0020】
なお、ダイオード105は、開閉手段104がオフした瞬間に、配線のインダクタンス成分などで発生する誘起電圧を逃がし、開閉手段104に過電圧が印加されることを防止する作用を行うものとして設けたものである。
【0021】
サーミスタ101と開閉手段104との直列回路の両端の電圧となる、GNDからのサーミスタ101の高電位側の端子の電圧V1は、抵抗器106、107によって構成された電圧変換回路108に入力される。
【0022】
本実施の形態では抵抗器106、107の直列抵抗値は、10キロオーム程度とし、抵抗器102と比較して高い値としたことから、サーミスタ101と抵抗器102による分圧出力V1に対する電圧変換回路108の影響は小さくほぼ無視できるものとなっており、V1を抵抗器106、107で分圧し37.5%に減衰した電圧、すなわち電圧変換された電圧が、出力されるものとなっている。
【0023】
電圧変換回路108から出力された電圧は、さらにノイズ成分を除去するため、抵抗器109、コンデンサ110を通した後、電圧検知回路111に入力される。
【0024】
なお、本実施の形態においては、電圧検知回路111は、ワンチップ形のマイクロコンピュータ112内に設けたAD変換(アナログ/デジタル変換)回路にて構成されており、8ビットのデジタル値をマイクロコンピュータ112の処理回路113に出力する構成となっている。
【0025】
なお、マイクロコンピュータ112は、第1の直流電源111の電圧より低い5Vの電圧を有する第2の直流電源114からの電源供給により動作するものとなっており、電圧検知回路111は、入力されたアナログ電圧V1aを第2の直流電源114から供給されている5Vで除した値を最大256として処理回路113に出力するものとなっている。
【0026】
また、ダイオード115については、電源投入時や電源切断時、またサージの発生時において、第1の電圧変換回路108の出力が第2の直流電源114の電圧よりも高くならないようにクランプし、マイクロコンピュータ112を保護するために設けられている。処理回路113の出力であるQ端子は、開閉手段104のベースに接続され、開閉手段104をオンオフするものである。
【0027】
本実施の形態では、第1の直流電源100の電圧12Vは、第2の直流電源114の電圧5Vよりも高い値としており、これによって、マイクロコンピュータ112としては、一般に良く用いられている5V電源のものを使用しながら、サーミスタ101に関しては精度の高い液位検知を行うという特性上、必要となる自己発熱を十分に行わせることができる12Vが第1の直流電源100として確保された状態となり、サーミスタ101の電圧V1の値として取りうる0から12Vという電圧範囲に関しては、電圧変換回路108を介して電圧検知回路111が受けることにより、0から5Vの範囲内でデジタル値に変換できるものとなっている。
【0028】
さらに、本実施の形態では、サーミスタ101の近傍の温度を検知するため、やはりサーミスタを用いた温度検知手段116がコネクタ117を介して接続されている。温度検知手段116は、低電位側の端子がグランド(GND)に接続されるとともに、高電位側の端子は、抵抗器118によって5Vの第2の直流電源114に接続され、温度検知手段116の高電位側端子に発生する分圧の電圧は、さらに抵抗器119とコンデンサ120によってノイズの影響が抑えられて、V2電圧として電圧検知回路121で受けられる。
【0029】
本実施の形態においては、電圧検知回路121は、電圧検知回路111と全く同様に、ワンチップ式のマイクロコンピュータ112内に設けられたものであって、0Vから5Vの範囲内にある電圧V2を入力し、256段階にデジタル変換して処理回路113へと出力するものとなっている。処理回路113では、内部のプログラムが働くことにより、温度検知手段116の温度のデータに変換されるものとなっている。
【0030】
図2は、本実施の形態におけるサーミスタ101と、温度検知手段116の配置図である。図2において、サーミスタ101の周囲には、外径が3mmの絶縁性および耐熱製に富んだフッ素樹脂製のチューブ130およびチューブ130の上下両端から注入した耐熱樹脂を用いた充填材131により構成された絶縁層132が設けられており、サーミスタ101の端子133、134は、絶縁被覆付のリード線135から引き出されているが、端子133、134は液位が上昇して液中に没した状態となった時でも、水との間の電気的な絶縁が保てる構成となっている。
【0031】
さらに、本実施の形態では、樹脂製の直径9mmパイプで構成した管形状をした防風体136の中に、絶縁層132で覆われたサーミスタ101を設けている。
【0032】
このような絶縁層132の外側に、管形状の防風体136を設けたことにより、液位が低く、サーミスタ101が空中にある場合には、防風体136がサーミスタ101への空気の流れを弱めるという作用があり、これによりサーミスタ101が自己発熱することによる熱の逃げが小さくなることから、よりサーミスタ101の温度が高く、セ140度程度にまで達するものとなり、また、サーミスタ101が水に没した場合には、防風体136の下側の開口部136aから水が侵入して、防風体136内の液位が上昇すると共に、上側の開口部136bから空気が自由に逃げていくことができるようになっている。
【0033】
よって液位がL1まで上昇した時点では、液位が低い場合と比較して、サーミスタ101からの熱の逃げ方の差をより大きくすることができ、ノイズなどによる誤検知に対してのマージンをより大きくとることが可能となる。
【0034】
防風体136の直径や、材質によっては、防風性能や液位が上がってきた場合のサーミスタ101からの熱の逃げ方が変化するが、本実施の形態では、直径9mmの管形状を用いたことにより、良好な特性が得られた。
【0035】
なお、パイプからなる防風体136の上端、下端が開放しているので、液位が上昇してきた場合には、下側の開口部136aを水が通過し、絶縁層132との間に水が存在する状態を許す構成となっている。
【0036】
よって、水がサーミスタ101の高さまで達すると、サーミスタ101の自己発熱による熱が絶縁層132越しに水に逃げ、サーミスタ101が冷却されることからサーミスタ101の温度が低下し、すなわち水の検知に至るものとなる。
【0037】
本実施の形態では、サーミスタ101とほぼ同じ高さL1に、別のサーミスタからなりサーミスタ101の近傍の温度を検知する温度検知手段116を設けており、温度検知手段116は、樹脂製の絶縁層140をその周囲に配しており、これにより絶縁被覆付リード線141から引き出した端子142、143と周囲の水との間の電気的な絶縁を確保するようにしている。
【0038】
なお、温度検知手段116は、自己発熱はほとんど無視できる程度の電流値で使用するようにしているので、周囲の絶縁層140については特別に耐熱性の高い樹脂材料を使用する必要はない。
【0039】
図3は、本実施の形態における液位検知装置の動作特性を示すグラフであり、縦軸にはアナログ電圧V1、横軸には温度を取っているが、温度検知手段116による温度検出値に相当するものとして扱われている。なお、電圧検知回路111には、V1の電圧値に対して、電圧変換回路108による分圧により、一定の係数がかかった電圧値V1aが入力され、デジタル値に変換されるものとなる。
【0040】
一点鎖線Tは、V1に対しての閾値であり、閾値よりも高いと液中、すなわち液位がL1を超えていると判断し、閾値よりも低い場合には空気中、すなわち液位はL1よりも低いと処理回路113において判定される。
【0041】
本実施の形態においては、温度検知手段116で検知した温度値により、1℃刻みで各温度における閾値が設定されているものとなっているため、いずれの温度においても、ほぼ滑らかなカーブが実現されているので、従来の階段状の閾値を切り替えて、液位検知を行う構成と比較し、ノイズなどに対しての余裕度も全温度範囲で十分大きいものとして、より安定性の高いものとすることが可能となっている。
【0042】
図4は、本実施の形態における液位検知装置の各部動作波形を示したものであり、(ア)はマイクロコンピュータ112の処理回路113のQ出力端子の信号波形、(イ)はサーミスタ101の高電位側の端子の電圧V1、(ウ)は電圧検知回路111の入力電圧V1aの波形である。
【0043】
本実施の形態においては、Q信号がHighで開閉手段104がオンしている期間Tonを2分間としており、Q信号がLowで開閉手段104がオフしている期間Toffを100msとしている。Ton期間中には、第1の直流電源100から抵抗器102、サーミスタ101の直列回路に12Vの電圧が印加されるため、サーミスタ101が自己発熱し、サーミスタ101の高電位側の端子の電圧V1は、図3に示した周囲温度条件(サーミスタ101の近傍の温度の条件)、およびサーミスタ101が液中にあるか空中にあるかにより電圧が生ずるものとなり、Toff期間に入ると、サーミスタ101は低電位側の端子がグランドから切り離されてオープンとなった状態となるため、250オームの抵抗器102によりV1は、12Vの第1の直流電源100によって引き上げられた状態となる。
【0044】
ここで、前述したように本実施の形態では、電圧変換回路108の抵抗器106、107の和となる抵抗値は抵抗器102よりもかなり大きい値に設定されていることから、結果としてV1は、Toff期間中においては、第1の直流電源100の出力電圧である12Vに近い値となる。
【0045】
なお、Toff期間中においては、サーミスタ101への電流供給はなされない状態となることから、サーミスタ101の素子の温度は低下していくが、本実施の形態においては、Toffの時間は100msと短いものとしていることから、Toff期間中におけるサーミスタ101の素子温度低下は僅かなものとなり、次にTonに入った時点では、心持ちサーミスタ101温度の低下によるV1電圧値の上昇はあるものの、短時間の間に元の温度に復帰するものとなり、2分間のTonで十分に定常の状態になり、V1も安定した値となる。
【0046】
このように、Toffを100msというような短い時間とすることにより、サーミスタ101の温度の変化が少ない条件で使用する場合は、サーミスタ101の温度サイクル寿命という点で有利なものとなり、長年の使用に対してもサーミスタ101の素子およびカシメ部分(図示せず)などの熱ストレスが少なく、高い信頼性で安定感に富んだ使用が可能となるという効果がある。(ウ)に示したV1aについては、電圧変換回路108により、V1に0.375倍を乗じた値の電圧となる。
【0047】
これにより、5Vの第2の直流電源114出力に接続されたマイクロコンピュータ112は、内蔵された電圧検知回路111の電圧検知範囲である0Vから5Vの間で、有効かつ合理的な動作が行われるものとなり、サーミスタ101による液位検知において必要な自己発熱の程度を確保するためには必要となる第1の直流電源100の電圧出力値である12Vという値を、一般的なこの種のマイクロコンピュータが動作する5V電圧を出力する第2の直流電源114よりも十分高い値としながらも、電圧変換回路108の作用による電圧の変換(減衰)動作が、比較的簡単な回路構成で実現され、優れた液位検知の特性確保と一般的なマイクロコンピュータデバイスの採用が両立でき、コスト的に有利でかつ、信頼性、安定性にも優れた液位検知装置を提供することができる。
【0048】
しかし、ここで第1の直流電源100と第2の直流電源114とは全く別系統のもので構成していることから、相互の初期バラツキは、それぞれ独立して発生するものとなり、例えば第1の直流電源100に関しては、高めの12.5Vとなる一方で、第2の直流電源114については、逆に低めにばらついて4.7Vになってしまうというような可能性もあり、その場合には、電圧V1およびV1aは高めとなり、電圧検知回路111においては、自己の電源として4.7Vが供給されていることから、デジタル値に変換する場合のフルスケール電圧が0.3Vだけ低下した分、高めのデジタル値を処理回路113に対して出力するという傾向もあることから、トータルかなり高めのデジタル値としてサーミスタ101の電圧を読み込んでしまうことになる。
【0049】
また、上記と逆のバラツキ傾向が生じた場合には、サーミスタ101が置かれている状態としては変わりのないものであっても、かなりの低めのデジタル値として処理回路113への入力がなされるものとなってしまうものとなる。
【0050】
その対応として、本実施の形態における液位検知装置では、V1aを開閉手段104のオン期間中とオフ期間中に少なくとも1回ずつ以上読み込み、(ウ)に示すようにオン期間中の値Vxを、オフ期間中の値Vyで除した値Vx/Vyを計算するものとしている。
【0051】
VxとVyを検知するタイミングは、それぞれ開閉手段104のオン期間中とオフ期間中であることから、VxとVyの値を確定させるため、少なくともオン期間とオフ期間、それぞれ1回以上が経た時点、例えば装置の電源が投入された時点で開閉手段104がオフのオフ期間が存在するものであれば、その後の最初のオン期間が始まった時点では、Vy、Vxの順に値を定めることができることから、最初のオン期間中には既に条件が満足されたものとなる。
【0052】
VxとVyは定期的に更新されるように、所定の時間間隔で開閉手段104のオンオフ動作を行っても、もちろんかまわない。
【0053】
ここで、Vyは第1の直流電源100の出力電圧(標準で12V)を、電圧変換回路108で変換して検知した値にほぼ近いものとなることから、Vx/Vyの値は抵抗器105とサーミスタ101が直列に接続されている状態における分圧比とほぼ等しい値となり、ほぼこの分圧比の値を求め出していることになる。
【0054】
図5は、第1の直流電源100の電圧、第2の直流電源114の電圧、電圧変換回路108の定数(抵抗器106、107の抵抗値)、抵抗器102の抵抗値、サーミスタ101の特性(B定数および所定温度での抵抗値)、さらに絶縁層132の厚さの各要素がばらついた場合における、分圧比Vx/Vyの値を空気中と、液中(液は水としている)とについて横軸をサーミスタ101の周囲の温度として示したものであり、a、b、cはそれぞれ空気中での最大値、標準値、最小値を、またd、e、fに関しては、水中において同様に最大値、標準値、最小値を表しているものとなっている。
【0055】
図5に見られるように、分圧比Vx/Vyで求められた値は、バラツキの影響がかなり抑えられたものとなって、cとd間には明らかに差がある。
【0056】
よって、その間に閾値Zを引くことができ、Zより大きい場合には液中(本実施の形態の場合には水中)、Zより小さい場合には空中として判定できるものとなる。
【0057】
以上のように、本実施の形態では分圧比Vx/Vyに対して閾値との比較を作用させることにより、第1の直流電源100の電圧に電圧バラツキや電圧変動がかなり生ずる条件であっても、正しい液位(水位)の検知結果が得られるものとなるが、例えば第1の直流電源100が故障を起こした場合などに対しては、サーミスタ101への自己発熱パワーの大きさが大きく異なった条件となるため、図5に示したカーブから逸した特性となることになり、その場合に閾値Zで比較すると誤った検知結果が出力されてしまうことになる。
【0058】
そこで、本実施の形態においては、Vyの値が4.1V以下、または4.9V以上となった場合においては、所定の範囲外となったとして、第1の直流電源の電圧が正常範囲から外れている故障状態として検知し、出力するものとしている。
【0059】
よって本実施の形態に示した液位検知装置の出力を得て各種の制御を行う回路等に関しては、液位検知装置が故障していることを受け、システムとして適切な処理、例えばシステム全体の動作を停止させるなどすることにより、例えば水あふれなど二次的な被害を防止することができるものとなる。
【0060】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における衣類乾燥機の断面図を示すものである。なお、本実施の形態の衣類乾燥機は、衣類を洗濯から乾燥まで自動的に行うことができる洗濯乾燥機とも呼ばれる構成のものである。
【0061】
図6において、衣類151を収納する洗濯槽152、洗濯槽152の回転軸153に直軸に接続され洗濯槽を回転する洗濯槽モータ154、圧縮機155と吸熱する第1の熱交換器156および発熱する第2の熱交換器157とキャピラリチューブ158を有するヒートポンプサイクル159を持ち乾燥時に洗濯槽からの湿った空気を導いて湿気を取り除く作用を行う除湿手段160が設けられている。
【0062】
さらに、熱交換器156、157と洗濯槽152の間の空気を風路161内に循環して移動させる送風手段162を有している。
【0063】
なお、第1の熱交換器156は冷媒を蒸発させることにより、空気から冷媒に熱を吸い込ませる作用から蒸発器などとも呼ばれ、一方第2の熱交換器157は逆に冷媒から空気に熱を与える作用をするもので、凝縮器と言われることもあるが、特に使用する冷媒は各種のフロンなどに限定されるものではなく、例えば二酸化炭素(CO2)を超臨界状態として使用するものなどでも良く、その場合にはガスクーラーなどであってもかまわない。
【0064】
そして、洗濯槽モータ154を駆動する第1の駆動回路165と、圧縮機155を駆動する第2の駆動回路166が接続されている。
【0065】
さらに、本実施の形態においては、電源プラグ170が設けられており、電源高調波と端子雑音を抑えつつ、第1の駆動回路165と第2の駆動回路166に交流電源を供給する構成となっている。
【0066】
また、給水手段173が、水道管174および開閉により水道管174からの水を入れたり止めたりする給水弁175によって構成され、給水手段173から水が洗濯槽152に供給され、洗濯槽152内で衣類151の洗濯および脱水も行うものとなっている。
【0067】
排水弁178は、洗濯槽152の下部に設けられていて、閉状態では洗濯槽152内に水を蓄えて洗濯や濯ぎが行われ、開状態になった場合には、洗濯槽152の内部から水を排水管179に捨て去るものとなっている。
【0068】
排水ポンプ180は、衣類乾燥により洗濯槽152内が除湿され、その水分がヒートポンプサイクル159の第1の熱交換器156が低温となっているため、湿った空気が冷やされて結露水を発生するものとなるが、排水ポンプ180はその結露水を排水するもので、直流12ボルトで動作する永久磁石およびブラシ、整流子を有する小型の電動機181、電動機181により回転される第1の歯車182、第1の歯車182と勘合し、第1の歯車182とは逆向きに回転する第2の歯車183、第1の歯車182と第2の歯車183を取り囲むケース184、およびその入り口側に設けたフィルタ185を設けたものとなっており、ヒートポンプサイクル159の底部から結露水を吸い上げて、一旦はさらに上側に押し上げ、オーバーフロー皿187に流し出した後に、改めてオーバーフロー管188を経て排水管179に合流するものとなっている。
【0069】
液位検知装置191は、実施の形態1で説明したものであり、自己発熱を持つサーミスタ101および温度検知手段116を有しており、サーミスタ101が液中(すなわち結露水の水中)にあると検知された場合には、圧縮機155を停止することにより除湿手段160の動作を停止するものとなっている。
【0070】
本実施の形態では、温度検知手段116は、第1の熱交換器156と第2の熱交換器157の間の空気温度を検知する位置に設けたものとなっている。
【0071】
かつ、結露水の水位が上昇してきた場合には、温度検知手段84はサーミスタ82と共に水に接し、水の温度を拾うことができる高さに設けている。
【0072】
以上の構成により、本実施の形態の衣類乾燥機は、排水ポンプ180の故障などにより、結露水の水位(液位)が上昇してきた場合、サーミスタ101の高さにまで水面が達した時点で水ありと検知し、ヒートポンプサイクル159を用いた除湿手段160の運転を停止することにより、それ以上の結露水位の上昇をさけるものとなっている。
【0073】
その上、サーミスタ101が断線している場合や、サーミスタ101が接続されているコネクタ103が接続されていない状態にある場合には、第1の実施の形態で説明したように、断線の検知が行われ、やはり除湿手段160の運転は停止され、同時に断線故障が起こったことがマイクロコンピュータ112に記憶され、サーミスタ101の断線故障に対応したエラー番号表示もなされるものとなる。
【0074】
図7は、本実施の形態の衣類乾燥機の液位検知装置191の部分の動作シーケンスをフローチャートに示したものである。図7において、衣類乾燥機として電源が供給されると、液位検知装置191においても第1の直流電源100、第2の直流電源114が動作を開始して、スタート201となる。
【0075】
次に、開閉手段104オフ202、Vy検知203と進み、Vyの検知が行われるが、この値は第1の直流電源100の電圧に対応した値である。
【0076】
Vy>3.9V?204において、第1の直流電源100の電圧が正常かどうかの判定が行われ、偽である場合には、電圧値が正常範囲外であるとして、第1の直流電源”異常”判定205へと進む。
【0077】
その先は、異常による衣類乾燥機としてのシステム面の対応として、圧縮機155が停止され、それ以上結露水が発生しない状況となり、たとえ水位の検知ができなくとも水あふれなどの問題が発生する心配はない。
【0078】
Vy>3.9V?が真である場合には、第1の直流電源100の電圧が正常であるものと判断され、さらに運転が継続し、開閉手段104オン208、Vx検知209が行われる。
【0079】
なお、図7には記していないが、装置が起動して初回においては、サーミスタ101の温度はたとえ空気中にある場合においても、温度上昇がまだ小さい状態であることから、Vx値として安定したものを得るには10秒から30秒程度の時間待ちも必要となる。
【0080】
Vth決定210では、本実施の形態では温度検知手段116からの検知温度により、図5に述べたようにZの線のごとく温度に応じて閾値Vthを決定している。
【0081】
Vx/Vy>Vth?211において、その閾値との比較を行い、閾値より大きい場合には、水位がサーミスタ101以上にまできているものとして、水あり出力212へ進み、閾値より小さい場合には、水位はサーミスタ101よりも下にあるものとして、水なし出力213へと進み、いずれの場合にも、開閉手段104オフ202にまで戻り、再び処理が繰り返されるものとなる。
【0082】
なお、本実施の形態においては、第1の直流電源100が異常であるかどうかの判定は、電圧の低下側のみで行っているものとなっている。
【0083】
これは、第1の直流電源100の故障の状態として、出力電圧が正常値よりも高くなる場合よりも、電圧が低下してしまうという場合の方が圧倒的に多く、電圧の低下の方だけを異常として検知しておけば十分であることと、電圧検知回路111のV1a入力範囲、すなわち第2の直流電源114の範囲内で、なるべく大きな電圧が得られるように電圧変換回路108の設計を行い、分解能を有効に活用するものとしたものとしているため、第1の直流電源100が正常な電圧範囲よりも高いことを判断させようとすると、各構成要素のばらつきを考慮した場合に、閾値が第2の直流電源114の範囲を超えてしまうことになり、設定が不可能となるためである。
【0084】
もっとも、電圧変換回路108の抵抗器106、107の定数の設計によって、第1の直流電源100の高い側の異常電圧の検知の閾値を、第2の直流電源114の範囲内に設定することもできるが、その場合には本実施の形態と比較すると、若干ではあるが電圧検知回路111の分解能を低くしたものとなり、液位検知の面では若干ではあるが不利となる方向にはなってくる傾向がある。
【0085】
以上のように、本実施の形態の衣類乾燥機は、液位検知装置191の第1の直流電源100が異常であるという判断がなされた時点で運転が停止され、水あふれなどの二次的な被害を未然に防ぐとともに、故障箇所も明確となり、サービス面においても非常に合理的なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明にかかる液位検知装置は、第1の直流電源の電圧が正常ではなくなった場合に、簡単な構成で、それを検知することができるもので、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、食器洗い器、空調機など、水や液体を扱う各種機器、装置に幅広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態1における液位検知装置の回路図
【図2】(a)同液位検知装置のサーミスタ取り付け部の断面図(b)同液位検知装置の温度検知手段の断面図
【図3】同液位検知装置の周囲温度とサーミスタ電圧V1の特性グラフ
【図4】(ア)〜(ウ)同液位検知装置の各部の動作波形図
【図5】同液位検知装置の周囲温度と分圧比Vx/Vyの特性グラフ
【図6】本発明の実施の形態2における衣類乾燥機の断面図
【図7】同液位検知装置のフローチャート
【図8】従来の液位検知装置の回路図
【符号の説明】
【0088】
100 第1の直流電源
101 サーミスタ
102 抵抗器
104 開閉手段
108 電圧変換回路
111 電圧検知回路
114 第2の直流電源
160 除湿手段
191 液位検知装置




 

 


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