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発明の名称 光学測定機の検証装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17174(P2007−17174A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−195913(P2005−195913)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 重松 薫
要約 課題
光学測定機の検証において、この光学測定機専用の検証装置が必要であった。

解決手段
光学測定機26の第1の制御部35にメモリ23を接続し、このメモリ23に光源37の第1発光特性係数を格納し、第1の制御部35と第2の制御器76とを接続する通信手段を設け、光源37の検証は、光源検査手段78の出力と、通信手段を介して得られる第1発光特性係数に基づいて検証されるものである。これにより、初期の目的を達成することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の光検出器の出力が接続された検査部と、この検査部の出力が接続された第1の制御部と、この第1の制御部の出力が接続された第1の光源とを有する光学測定機の動作を検証する検証装置であって、前記検証装置は、前記第1の光源から照射される光を受光する第2の光検出器と、この第2の光検出器の出力に接続された光源検査手段と、この光源検査手段の出力が接続された第2の制御器と、この第2の制御器に接続された光量調整器と、この光量調整器の出力が接続されるとともに前記第1の光検出器に向かって照射する第2の光源とを備え、前記第1の制御部に第1のメモリを接続し、この第1のメモリに前記第1の光源の第1発光特性係数を格納し、前記第1の制御部と前記第2の制御器とを接続する通信手段を設け、前記第1の光源の検証は、前記光源検査手段の出力と、前記通信手段を介して得られる前記第1発光特性係数に基づいて検証される光学測定機の検証装置。
【請求項2】
検証装置の第2の制御器に第2のメモリを接続するとともに、この第2のメモリに第2の光源の第2発光特性係数を格納し、第1の光検出器の検証は、通信手段を介して得られる第1の光検出器の出力と、前記第2発光特性係数に基づいて検証される請求項1に記載の光学測定機の検証装置。
【請求項3】
検証装置の第2の制御器に第2のメモリを接続するとともに、この第2のメモリに第2の光検出器の第2受光特性係数を格納し、第1の光源の検証は、光源検査手段の出力と、前記第2受光特性係数と、通信手段を介して得られる第1発光特性係数に基づいて検証される請求項1に記載の光学測定機の検証装置。
【請求項4】
第1のメモリに第1の光検出器の第1受光特性係数を格納し、第1の光検出器の検証は、通信手段を介して得られる第1の光検出器の出力及び前記第1受光特性係数と、第2発光特性係数に基づいて検証される請求項2に記載の光学測定機の検証装置。
【請求項5】
検証装置と検査片とは光学測定機へ選択的に装着可能とし、前記検証装置と前記光学測定機の装着面に電極を設け、この電極を介して通信をする請求項1に記載の光学測定機の検証装置。
【請求項6】
検証装置と光学測定機の通信において、通信エラーが発生した場合は自動的に再送信する請求項5に記載の光学測定機の検証装置。
【請求項7】
検証装置と光学測定機の通信は、第1の光源と第2の光検出器を用いて前記光学測定機から前記検証装置へ通信をし、第2の光源と第1の光検出器を用いて前記検証装置から前記光学測定機への通信を行う請求項1に記載の光学測定機の検証装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学測定機が正常に動作しているか否かを検証する光学測定機の検証装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の光学測定機とその検証装置について説明する。先ず、光学測定機の一例として医療現場で用いられる血液凝固測定機について述べる。血液凝固測定機は臨床現場において、患者の血液の凝固時間を測定し、患者に対して適切な量の抗凝固剤を処方するために用いられるものである。
【0003】
図10において、1は血液凝固測定機であり、この血液凝固測定機1の上面には検査片2が載置される。この検査片2には試料3が塗着されている。なお、この試料3は照射されることにより、照射エネルギーで励起された蛍光を発する性質を有するものである。また、この試料3は、試薬に点着された血液と混合されたものである。
【0004】
4は、血液凝固測定機1の内部に設けられるとともに、試料3を照射するように設けられた光源であり発光ダイオードで構成されている。5はこの光源4の前方に設けられた光フィルタである。この光フィルタ5は、蛍光の波長より短い波長の光を通過させるものである。6は、試料3で励起した蛍光を検出するフォトダイオードで構成された光検出器である。また、7は、この光検出器6の前方に設けられた光フィルタであり、この光フィルタ7は光フィルタ5とは異なる波長を有する波長を通過させるフィルタである。従って、光源4からの照射光が試料3を照射すると、この照射光により試料3が蛍光を発光する。この試料3で発光した蛍光のみが光検出器6で検知されることになる。
【0005】
図11は、試料3の蛍光特性曲線である。縦軸8は蛍光量であり、横軸9は時間である。そして、10bは、凝固し易い血液を有する患者の蛍光特性曲線であり、10cは、凝固し難い血液を有する患者の蛍光特性曲線である。また、10aは、正常の血液凝固時間を有する者の血液の蛍光特性曲線である。
【0006】
これ等の蛍光特性曲線10(10a、10b、10cの総称)が示すように、時間とともに血液が凝固し、この凝固の度合いに応じて試料3は蛍光を強める。即ち、血液の凝固に伴い蛍光量は増加する。これらの蛍光特性曲線10は、患者により夫々異なる蛍光特性曲線10を有する。従って医療現場では、夫々の患者に適合した抗凝固剤を調合するために、この血液凝固測定機1を用いている。
【0007】
抗凝固剤は、少なすぎたら血管が詰まり、多すぎたら出血が止まらないことになる。そのため、血液凝固測定機1は、常に正確な血液凝固時間を測定する必要がある。そのために、図12に示すような検証装置11を用いて、定期的に血液凝固測定機1が正常に動作するか否かを検証する必要がある。
【0008】
以下、血液凝固測定機1の検証装置11について説明する。図12において、検証装置11は、検査片2の代わりに血液凝固測定機1の上方に載置されるものである。12は、光の照射により蛍光を発する裏打ちである。13は裏打ち12の下方(血液凝固測定機1側)に設けられた液晶シャッターである。この液晶シャッター13は開口面積を自由に制御することができるようになっている。
【0009】
即ち、この液晶シャッター13によって光源4から放射された光線が、裏打ち12を照射する光量を制御することができる。このようにして、裏打ち12による蛍光の励起量が制御される。この蛍光の励起量は検証用としてシミュレートされた基準となる例えば蛍光特性曲線10aが得られるように制御される。この基準の蛍光特性曲線10aが得られるように液晶シャッター13を制御して、光源4と光検出器6を含む血液凝固測定機1が正常に動作しているか否かを検証するものである。ここで重要なことは、血液凝固測定機1の正確な動作の検証を行なうために、この裏打ち12には蛍光塗料がムラ無く均一に塗布されていることである。
【0010】
しかしながらこのような従来の検証装置11では、裏打ち12に蛍光塗料を均一に塗布することは困難であり塗布にムラができてしまう。このムラを修正して均一にする作業はそれ以上に困難であった。従って、この問題を電気回路で解決した検証装置15も提案されている。
【0011】
即ち、図13に示すように、この検証装置15は、フォトダイオードで構成された光検出器16と、この光検出器16の出力が接続された光源検査手段17と、この光源検査手段17の出力が接続された制御器18と、この制御器18に接続された光量調整器19と、この光量調整器19に接続されるとともに発光ダイオードで構成された光源20とで構成されていた。
【0012】
以上の構成において、光源4から放射された照射光は、検証装置15の光検出器16で受光され、この受光された光は電気信号に変換されて、光源検査手段17でその光量が適正か否かが検証されるものであった。
【0013】
また、光検出器6の検証においては、光量調整器19で、蛍光の励起量をシミュレートした電気信号が光源20で光量に変換され、この変換された光量を、光検出器6が受光してこの光検出器6の出力から光検出器6が適正に受光できるか否かを検証していた。なお、制御器18は、光源検査手段17による光源4の検証が終了した後に、光量調整器19を動作させて光検出器6の検証をするように制御するものである。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【特許文献1】特表平5−503151号公報
【特許文献2】特表2001−515203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながらこのような従来の検証装置11では、裏打ち12にムラ無く均一に蛍光塗料を塗布することが困難であった。また、検証装置15においても、光源4、20を構成する発光ダイオードや、光検出器6、16を構成するフォトダイオードにおいて、波長や光量や取付位置のバラツキにより発光量や受光量が一定とならなかった。従って、血液凝固測定機1aには、この血液凝固測定機1a専用の検証装置15aを用いなければならないという問題があった。
【0016】
例えば、図14に示すように受光量22の数値が90以上、110以下は使用可能として判別する判別式を用いて、血液凝固測定機1aを検証する場合、この血液凝固測定機1a専用の検証装置15aを用いなければ、適正な検査を行なうことはできなかった。即ち、この場合において実際には使用できるものであったとしても他の検証装置15bを用いると使用できないものと判定されるという問題があった。
【0017】
これは光学系のバラツキを有する光源の光量21によるもので、このようなバラツキを有するものを同一の検証装置15で検証すると、誤った検証を行なうことになる。即ち、複数の血液凝固測定機1の光源4から照射される光を一つの検証装置15の光検出器16で受光した場合、受光量22が数値80になるものや数値110となる組み合わせが生じてしまい、使用できないことになってしまう。即ち、一つの検証装置15で全ての血液凝固測定機1を検証することはできなかった。
【0018】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、光学測定機と検証装置の組み合わせに関係無く検証することのできる光学測定機の検証装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的を達成するために本発明の光学測定機の検証装置は、光学測定機の第1の制御部に第1のメモリを接続し、この第1のメモリに第1の光源の第1発光特性係数を格納し、前記第1の制御部と第2の制御器とを接続する通信手段を設け、前記第1の光源の検証は、光源検査手段の出力と、前記通信手段を介して得られる前記第1発光特性係数に基づいて検証されるものである。これにより、初期の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明の光学測定機の検証装置によれば、光学測定機の第1の制御部に第1のメモリを接続し、この第1のメモリに第1の光源の第1発光特性係数を格納し、前記第1の制御部と第2の制御器とを接続する通信手段を設け、前記第1の光源の検証は、光源検査手段の出力と、前記通信手段を介して得られる前記第1発光特性係数に基づいて検証されるものである。
【0021】
従って、第1の光源の検証は、光源検査手段の出力と、通信手段を介して得られる第1発光特性係数に基づいて検証されるので、夫々の発光特性係数(光学特性)を加味して検証されることになり、光学測定機と検証装置の組み合わせに関係無く検証することができる。
【0022】
また、電気的な処理で光学測定機の性能を検証するので、蛍光塗料を均一にムラ無く塗布しなければならない従来の装置と比べて均一な性能を有する検証装置の製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図2は、血液検査システム(光学測定機を用いたシステムの一例として用いた)の斜視図である。この血液検査システムは、検査すべき血液が点着された検査片25と、この検査片25に点着された血液の凝固時間(PT)を測定する光学測定機26と、この光学測定機26が正常に動作するか否かを検証する検証装置27とから構成されている。
【0024】
光学測定機26には、検査片25を載置するための検査台28が設けられている。検査片25上には反応部30が設けられており、この反応部30に特定の化学反応の結果、光学的変化を起こす試料(図示せず)24が塗着されている。この試料24は、試薬に点着された血液29が混合されたものである。この検査片25を光学測定機26の検査台28に載置した際に、反応部30は検査台28に設けられた窓部31の真上に位置するような構造となっている。
【0025】
また、光学測定機26には測定中に外来光や埃等の侵入を防止する目的で、上面に開閉自在な蓋部32が設けられており、閉状態では検査台28を覆い、外来光や埃等の侵入を防止する。また、この蓋部32が設けられた側には表示部33と、ユーザが操作をするボタン34が設けられている。
【0026】
27は光学測定機26の動作を検証するための検証装置であり、検査片25に代えて検査台28上に設置される構成となっている。
【0027】
図3は、光学測定機26のブロック図である。図3において、35は第1の制御部であり、この第1の制御部35の出力はドライバ36を介して青色LED(青色の発光ダイオード)で構成された光源37に接続されている。この光源37の前方には光学フィルタ38が設けられている。光源37から放射された光は光学フィルタ38とレンズ46を介して検査台28上に載置された検査片25に導かれ、この検査片25に載置された試料24を照射するように設けられている。
【0028】
試料24を照射することにより、照射エネルギーで励起された蛍光は、レンズ46と光学フィルタ39を介してフォトダイオードで構成された光検出器40に入力される。光検出器40の出力は増幅器41に接続されており、その出力はシリアル・アナログ・デジタル変換器(以後、SADCという)42を介して検査部43の一方の入力に供給される。また、この検査部43の他方の入力には血液凝固特性が格納されたメモリ44が接続されている。また、検査部43の出力は第1の制御部35の入力に接続されており、第1の制御部35の出力は表示ドライバ45を介して表示部33に接続されている。また、第1の制御部35はユーザが操作するボタン34とメモリ23にも接続されている。
【0029】
このメモリ23には、光学特性として、光源37の第1発光特性係数と光検出器40の第1受光特性係数が格納されている。第1発光特性係数は、工場での製造時に、この光学測定機26を基準となる検証装置27sに接続して、このとき検証装置27sで得られた値に基づいて決定され、その値がメモリ23に格納されている。同様に、第1受光特性係数は、この光学測定機26を基準となる検証装置27sに接続して、このとき検証装置27sで得られた値に基づいて決定され、その値がメモリ23に格納されている。これらの光学特性は、検証装置27との組み合わせに依存することなく、検証可能にするために用いるものである。
【0030】
46はレンズであり、光源37から放射された光を効率良く窓部31を介して反応部30に導くとともに、この反応部30の試料24で励起された蛍光を効率良く光検出器40に導くものである。また、47はヒータであり、このヒータ47は反応部30の試料24の温度を37度℃(人体の温度)に暖めるものであり、検査台28に設けられている。
【0031】
また、48a、48b、48cは夫々検査台28に設けられた電極であり、第1の制御部35に夫々接続されている。一方、検査片25には、これらの電極48a、48b、48cに対向して電極48d、48e、48fが設けられており、電極48dと電極48eとは検査片25上で接続されている。また、電極48eと電極48fとは反応部30を介して接続されている。
【0032】
従って、検査片25が検査台28に装着されると、電極48aと電極48b間が短絡されることになり、第1の制御部35では検査片25の装着を検知することができる。また、血液29が反応部30に点着されると電極48bと電極48cとの間の抵抗が変化するので、血液29の点着を第1の制御部35で検知することができる。
【0033】
以上のように構成された光学測定機26について、以下にその動作を説明する。第1の制御部35から出力される点灯指示の電気信号は光源37で光信号に変換される。この光信号は試料24を照射する。そうするとこの試料24は照射エネルギーで励起されて蛍光を発する。この蛍光は患者の血液29の凝固反応に従った凝固特性を示す。そして、この凝固特性に従った蛍光はレンズ46を介して、光検出器40で検出されて電気信号に変換される。
【0034】
電気信号に変換された信号は、SADC42でデジタル量に変換されて検査部43に入力される。検査部43では、メモリ44に格納された標準の血液凝固時間データと比較して、検査片25に点着された血液29が固まり易い性質のものであるか、標準のものであるか、それとも固まり難いものであるかを検査する。そして、その検査結果を表示部33に表示する。このようにして、医療現場では患者の血液の凝固時間を測定し、その患者に合った適切な抗凝固剤を調合するものである。
【0035】
図4は、血液の凝固特性曲線である。図4において、横軸50は時間(秒)であり、縦軸51は試料24により蛍光反応した蛍光量である。52は凝固時間の特性曲線であり、患者の血液29の凝固特性である。図4に示すように、時間50aで血液29を点着し、それから予め定められた時間50b後から一定間隔で、その時の蛍光量51b、51cと順次測定する。そして、蛍光量51kになるまでの時間50kを血液凝固時間とする。
【0036】
この血液凝固時間50kが短い血液29は固まり易いことを示し、この血液凝固時間50kが長い血液29は固まり難いことを示す。この特性曲線52は、患者によって異なるものである。
【0037】
図5は、光学測定機26の要部断面図である。図5において、55は光学測定機26の筐体であり、この筐体55の下方には、窓部31方向に向かって光源37が設けられている。この光源37の直前には光学フィルタ38が設けられている。
【0038】
また、この筐体55の下方には光源37から遮蔽部55aを介して光検出器40が設けられており、この光検出器40はフォトダイオードで構成されている。この光検出器40の直前には光学フィルタ39が設けられている。また、光学フィルタ38,39と検査台28との間にはレンズ46が設けられている。このレンズ46は光源37から放射された光が検査片25の反応部30で焦点を結ぶとともに、窓部31を通過する蛍光(励起光)が光検出器40で焦点を結ぶように設けられている。
【0039】
次に、光学フィルタ38,39の光通過特性について図6を用いて説明する。図6において、横軸56は光の波長(nm)であり、縦軸57は透過率(%)である。58は光学フィルタ38の光通過特性である。その透過率は約90%で、520nm以下の波長の光のみ通過させるものである。
【0040】
また、59は光学フィルタ39の光通過特性である。その透過率は約80%で、540nmから575nmの波長の光のみ通過させるものである。ここで重要なことは、光学フィルタ38と39とでは、光の通過特性帯域が異なるということである。即ち、光学フィルタ38を通過した光は、光学フィルタ39によって略完全に遮断される。このことにより、光源37から放射された光は、光検出器40に直接入射されることは無く、試料24で励起された蛍光のみが光検出器40に入力するようになっている。
通常の血液凝固時間などの測定は、検査片25を検査台28上に載置し、温度等の条件が適切であることを確認した後に血液29を反応部30に点着する。反応部30に含まれる試薬の作用により蛍光強度は時間経過とともに増大する。即ち、光源37の発光から光学フィルタ38により選択された波長帯域の光のみがレンズ46、窓部31を介して検査片25の反応部30を照射する。
【0041】
照射された光によって反応部30内の試料24は、照射エネルギーで励起して蛍光を発する。この蛍光は、窓部31を介して、レンズ46の作用で集光され、さらに光学フィルタ39により選択された波長帯域の光(蛍光)のみが光検出器40に到達する。前述のように光学フィルタ38および39の波長通過特性は異なっており、光源37から光学フィルタ38を通過した光は、光学フィルタ39により遮断されるため直接には光検出器40に到達することは無い。
【0042】
即ち、純粋に試料24において発光した蛍光のみを観測することができる。この蛍光の強度変化を観測することにより試料24固有の血液凝固時間を測定することができる。このとき、反応部30、或いは窓部31から外来光が光検出器40に向かって入射しないことが重要である。そのために蓋部32を閉じて測定する。
【0043】
次に、光学測定機26を用いた血液凝固時間測定について説明する。図7において、ステップ61は、メニュー操作待ち状態であり、表示部33(図2)にメニューが表示される。そして、61aでユーザからの要求を待っている。ユーザがボタン34を用いて血液凝固時間測定を選ぶと、ステップ62に移り表示部33に検査片25の挿入を指示し、ステップ63へ移る。そしてこのステップ63では、63aで検査片25の挿入を待つ。検査片25が挿入されるとステップ64に移り表示部33に「ウオームアップ中」を表示して、ステップ65へ移る。そして、65aでウオームアップの完了を待つ。
【0044】
ウオームアップが完了するとステップ66へ移り、サンプル血液29の点着要求の旨を表示する。その後ステップ67に移り、67aで血液29の点着を待つ。血液29が点着されると、ステップ68に移り、表示部33に蓋部32を「閉じる」よう指示する。そして、68aで蓋部32が閉じられることを待つ。蓋部32が閉じられたことを検知すると、ステップ69に移り、表示部33に測定中である旨を表示し、69aの間、血液29の凝固時間を測定する。
【0045】
血液29の凝固時間の測定が完了するとステップ70に移り、測定結果を表示部33に表示する。その結果、再測定が必要と判断された場合にはステップ62へ戻る。また、測定が正常に終了した場合には、ステップ61に戻る。
【0046】
図1は、光学測定機26と、この光学測定機26が正常に働いているか否かを検証する検証装置27のブロック図である。この検証装置27は、検査片25の代わりに光学測定機26の検査台28に装着して使用するものである。
【0047】
図1において、71a、71bはフォトダイオードで構成された光検出器であり、その出力は、夫々増幅器72a、72bに接続されている。そして、この増幅器72a、72bの出力は夫々SADC73a、73bを介して比較器74に接続されている。この比較器74の出力は判定器75に接続され、その出力は第2の制御器76に接続されている。そして、この第2の制御器76には、光学特性が格納されるメモリ49が接続されている。
【0048】
このメモリ49には、光学特性として、光源84の第2発光特性係数と光検出器71a、71bの第2受光特性係数が格納されている。第2発光特性係数は、工場での製造時に、この検証装置27を基準となる光学測定機26sに接続して、このとき光学測定機26sで得られた値に基づいて決定され、その値がメモリ49に格納されている。同様に、第2受光特性係数は、この検証装置27を基準となる光学測定機26sに接続して、このとき光学測定機26sで得られた値に基づいて決定され、その値がメモリ49に格納される。これらの光学特性は、光学測定機26との組み合わせに依存することなく、検証可能にするために用いるものである。
【0049】
また、光検出器71bの前面(検査台28側)には、光学フィルタ77が設けられている。この光学フィルタ77は、光学測定機26に用いた光学フィルタ39と同様の光学特性を有したものである。なお、SADC73a、73bと比較器74と、判定器75とで光源検査手段78を形成している。
【0050】
81は、第2の制御器76に接続された光量調整器である。この光量調整器81は、メモリ82にも接続されている。また、この光量調整器81の出力は、シリアル・デジタル・アナログ変換器(以下SDACという)85に入力される。そしてこのSDAC85の出力はドライバ83を介してLED(発光ダイオード)で構成された光源84に接続されている。ここで、メモリ82には、図4で説明した時間とともに蛍光量が変化するデータに基づいて得られる基準データが格納されている。この基準データは、基準として使用する特性曲線52である。そして、光量調整器81では、このメモリ82内に格納された基準データに基づいて、時間ととともに増大する特性電圧を生成する。この特性電圧が光検出器40を含む受光系の良否を判定する基準となる。
【0051】
48g、48h、48iは検証装置27側に設けられた電極であり、夫々第2の制御器76に接続されている。また、この電極48g、48h、48iに対向する光学測定機26の検査台28上には電極48j、48k、48mが設けられており、夫々第1の制御部35に接続されている。
【0052】
そして、検証装置27の第2の制御器76と光学測定機26の第1の制御部35との通信は、電極48g、48jを介して行なわれる。このように電極48g、48jを介して通信を行なっているので、検証動作を行ないながら通信を行なうことができる。また、この通信には、第2の制御器76及び第1の制御部35を構成する夫々のマイクロコンピュータのPWM(パルス幅変調)入出力端子を用いてパルス幅変調を用いた通信を行なっている。送信側は3種類のパルス幅の信号を出力し、夫々のパルス幅を0データ、1データ、開始コードと定義し、開始コードの後、10ビットのデータと1ビットの偶数パリティを送信する。
【0053】
受信側は、パルス幅で送信されてきたデータのパルス幅を認識し、受信データとする。パリティビットの受信後、受信データのパリティを計算し、この計算結果と一致した場合、前記0データ、1データ、開始コードと幅の異なるACKコードを送信側に送信する。
【0054】
送信側は、ACKコードを認識すれば送信を終了する。一定時間内にACKコードを認識することができなかったら、データの再送信を行なう。なお、この再送信は3回までとし、それ以上はエラーとして処理する。このようにして、通信を行っているので、データの信頼性が高い。
【0055】
なお、検証装置27と光学測定機26の通信において、光源37と光検出器71aを用いて光学測定機26から検証装置27への送信を行うことができる。同様に光源84と光検出器40を用いて検証装置27から光学測定機26への送信を行うこともできる。この場合、電極48g、48jを使用する必要は無く接点を使わないので、接触による信頼性を害うことはない。
【0056】
以上のように構成された検証装置27について、以下にその動作を説明する。光学測定機26の光源37から放射された光は、光学フィルタ38により520nm以下の波長の光のみが選択されて放射され、その光は検証装置27の光検出器71aに入力されて電気信号に変換される。この電気信号は増幅器72aで増幅される。そして、この増幅器72a増幅された信号はSADC73aでデジタル量に変換されて比較器74を介して判定器75に入力される。従って、この判定器75からの判定出力により、光源37の光量が正常であるか否かを知ることができる。この判定結果は第2の制御器76から電極48g、48jを介して光学測定機26の第1の制御部35に入力される。そして、表示部33に表示される。
【0057】
また、光学測定機26の光源37から放射された光(この光は、光学フィルタ38により520nm以下の波長のみが選択されている)は、検証装置27の光学フィルタ77を介して光検出器71bにも入力されて電気信号に変換される。この電気信号は増幅器72bで増幅される。そして、この増幅された信号はSADC73bでデジタル量に変換される。そして比較器74により、SADC73aの出力と比較される。
【0058】
本来、SADC73bの出力は540nmから575nmの波長の光のみ通過させる光学フィルタ77を通過しているので、光源37から放射される光は遮断されている筈である。従って、光源37が良品の場合は、SADC73aの出力との比較において、その差が極めて顕著になる。しかし、光源37の経時変化による劣化や、光学フィルタ38の亀裂が生じた場合等においては、本来阻止される筈の光が通過することになり、比較器74の比較出力の差が小さくなることが考えられる。このような場合は、この判定器75により光源37又は光フィルタ38等の発光系の不良と判定することができる。この判定出力は第2の制御器76から電極48g、48jを介して光学測定機26の第1の制御部35に入力され表示部33に表示される。
【0059】
また、この判定器75からの判定出力の処理が終了すると、第2の制御器76は光量調整器81を働かせる。即ち、メモリ82から基準データを取得し、この基準データに基づいて、光量調整器81では時間とともに増加する血液凝固特性をシミュレートした基準データをSDAC85に出力する。このSDAC85でデジタル信号からアナログ信号に変換されたデータはドライバ83を介して光源84に伝達される。この光源84から光学測定機26の光検出器40に向けて、基準データから形成された調整光を放射する。そして、この調整光は検査部43でメモリ44に格納されたデータと比較して光学測定機26の受光系の受光量が正常であるか否かを検査する。そして、この検査結果は第1の制御部35を介して表示部33に表示される。
【0060】
また、本実施の形態の検証装置27を用いれば、光源検査手段78を設けているので、光学測定機26の光源37や光学フィルタ38を含む発光系の検証を容易に行なうことができる。また、光量調整器81とこれに接続されたメモリ82を有しているので、光学測定機26の光学フィルタ39や光検出器40を含む受光系の検証を容易に行なうことができる。
【0061】
更に、光学測定機26のメモリ23に、この光学測定機26特有の光学特性として、光源37の第1発光特性係数と光検出器40の第1受光特性係数が格納されており、検証装置27のメモリ49に、この検証装置27特有の光学特性として、光源84の第2発光特性係数と光検出器71a、71bの第2受光特性係数が格納されている。従って、これらの光学特性を用いて、光学測定機26と検証装置27のバラツキに依存しない(組み合わせに依存しない)検証が可能となっている。
【0062】
以下図9を用いて、本実施の形態におけるこうしたバラツキの補正について述べる。91は、バラツキを有する光源37或いは光源84の光量である。この光量91が光検出器40或いは光検出器71a、71bで受光した場合の受光量92が、第1の製品93aの数値は80、第2の製品93bの数値は100、第3の製品93cの数値は120であったとする。なお、受光量の数値が90以上であって、数値が110以下のものを使用可能とする。
【0063】
このような場合、従来のものなら使用不可と判別されるものでも、使用可能として扱うことができる。即ち、第1の製品93aの光学特性係数が1.2であったならば、結果として受光量92は、光検出器40、71a、71bで得た受光量92の数値80に、光学特性係数1.2を乗算すると受光量92の数値は96となり使用可能となる。
【0064】
また、第3の製品93cにおいても光学特性係数が0.8であったならば、結果として受光量92は、光検出器40、71a、71bで得た受光量92の数値120に光学特性係数0.8を乗算して受光量92の数値は96となり使用可能となる。
【0065】
なお、本実施の形態において、光源37の検証には、光源検査手段78の出力と、メモリ49に格納された光検出器71a、71bの第2受光特性係数と、通信手段を用いて供給されるとともに、メモリ23に格納された光源37の第1発光特性係数を乗算して求めており、その値が予め定められた受光量92の数値を100とし、そのプラス・マイナス10%以内である場合を使用可能領域とし、それ以外は、使用不可能領域としている。なお、簡易な検証方法として、光検出器71a、71bの第2受光特性係数を用いない場合もある。
【0066】
また、光検出器40の検証には、メモリ49に格納された光源84の第2発光特性係数と、通信手段を用いて供給されるとともに、メモリ23に格納された光検出器40の第1受光特性係数及び光検出器40の出力を乗算して求めており、その値が予め定められた受光量92の数値100のプラス・マイナス10%以内である場合を使用可能領域とし、それ以外は、使用不可能領域としている。なお、簡易な検証方法として、光検出器40の第1受光特性係数を用いない場合もある。
【0067】
また、この検証装置27は、主な構成が電気回路で構成されているので、製品のバラツキが無く、容易に製造することができる。
【0068】
図8は、光学測定機26に検証装置27を装着した断面図である。図8において、検証装置27は、光学測定機26の検査台28上に装着されている。そして、光検出器71a、71b及び光フィルタ77は、光学測定機26に設けられた光源37の光軸88aに対して垂直に設けられている。 また、光源84と光フィルタ39及び光検出器40とは向かい合っており、お互い光軸88bに対して垂直に設けられている。
【0069】
以上説明した、本実施の形態における光学測定機システムは、以下の機能を有している。先ず、光学測定機26は、検証装置27との組み合わせに依存せず、光学測定機26の光源37の光量を検証することができる。即ち、光学測定機26の光源37を構成するLEDが正常な光量で点灯しているか否かを確認するために、光源37の光量を光検出器71aで検出して、光源検査手段78で光源37の光量を検証する。もし、光量が適正でない場合には検証装置27は、その旨を光学測定機26に通知し、表示部33に表示する。
【0070】
また、擬似的な蛍光反応を電気回路を用いて出力することができる。即ち、光学測定機26において血液凝固時間の測定が正常に動作するか否かを確認するために、検証装置27は検査片25による測定と同様の蛍光反応を光量調整器81を用いて擬似的に出力し、光学測定機26はその擬似的な蛍光反応を検出して血液凝固時間の算出が正しくできるか否かの検証を行なうことができる。
【0071】
また、光学測定機26の温度制御を検証することができる。即ち、光学測定機26のヒータ47の制御が正常に動作しているか否かを確認するために、検証装置27は光学測定機26に搭載しているサーミスタから出力される温度情報を電極48経由で取得し、光学測定機26の温度制御をチェックしている。もし、光学測定機26の温度制御が正常に働いていない場合は、検証装置27は電極48を介して光学測定機26にその旨を知らせ表示部33に表示する。
【0072】
更に、光学測定機26に装着される検査片25の装着検出をチェックすることができる。即ち、光学測定機26の検査片25の装着検出が正常に動作するか否かを確認するために、検証装置27は、電極48間の抵抗の抵抗値を切替えることにより、擬似的に検査片25が装着された状態を生成し、光学測定機26にその擬似的な検査片25の装着を検出させる。
【0073】
更にまた、検査片25の試料24(血液29)の点着検出をチェックすることができる。即ち、光学測定機26の試料24検出が正常に動作するか否かを確認するために、検証装置27は電極48間の抵抗の抵抗値を切替えることにより、光学測定機26に擬似的な試料24の点着を検出させる。
【0074】
また、制御プログラムを更新することができる。即ち、第2の制御器76を形成するマイクロコンピュータのシリアル通信入力を用いて、検証装置27の光源検査手段78や光量調整器81の制御プログラムを外部から更新することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明にかかる光学測定機の検証装置は、光学測定機と検証装置の組み合わせに依存すること無く検証することができるので、複数の光学測定機と検証装置を有する医療現場等で検証装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1における光学測定機と検証装置のブロック図
【図2】同、血液検査システムの斜視図
【図3】同、光学測定機のブロック図
【図4】同、血液の凝固特性図
【図5】同、光学測定機の断面図
【図6】同、光学フィルタの波長特性図
【図7】同、血液の凝固時間測定のフローチャート
【図8】同、光学測定機と検証装置の断面図
【図9】同、光源系のバラツキを補正する説明図
【図10】従来の光学測定機の断面図
【図11】同、血液の凝固特性図
【図12】同、光学測定機と検証装置の断面図
【図13】同、他の例における光学測定機と検証装置の断面図
【図14】同、光源系のバラツキの説明図
【符号の説明】
【0077】
23 メモリ
26 光学測定機
27 検証装置
35 第1の制御部
37 光源
40 光検出器
43 検査部
49 メモリ
71a 光検出器
71b 光検出器
76 第2の制御器
78 光源検査手段
81 光量調整器
84 光源






 

 


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