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発明の名称 バイオセンサ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3361(P2007−3361A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184306(P2005−184306)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 山西 永吏子 / 徳永 博之 / 東原 啓久
要約 課題
試料液の供給を正確且つ容易にできうる優れたバイオセンサを提供する。

解決手段
試料液を採取しうるキャピラリ7を具備し、試料液中の特定物質を測定するバイオセンサであって、空気孔9以外に少なくとも2つの供給口13,14を具備し、いずれの供給口からでも検体供給が行うことができることを特徴とする。一方の検体供給口13が指先などで塞がれ、試料液の供給が止まった場合でも、もう一方の補助検体供給口14から速やかに検体を供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との貼り合せにより、前記両基板の端面にて開口して試料液が点着される検体供給口と、前記検体供給口と連通し前記点着された試料液が毛細管現象によって導入されるキャピラリと、前記キャピラリの端部において前記キャピラリの外気と連通する空気孔とを形成してなるバイオセンサにおいて、
前記検体供給口の近傍に、前記キャピラリと連通して、前記点着された試料液が前記キャピラリへ導入される補助検体供給口を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項2】
前記補助検体供給口は、前記検体供給口との間に前記絶縁性基板の一部を残こすようにして貫通する貫通孔を、前記第1または第2の絶縁性基板に形成してなることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
【請求項3】
前記補助検体供給口を、第1および第2の絶縁性基板のいずれにも形成したことを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサ。
【請求項4】
前記第1と第2の絶縁性基板の間に、前記検体供給口、補助検体供給口、及びキャピラリとなる切り欠き溝を形成したスペーサを配置し、前記補助検体供給口を両基板の端面に形成したことを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
【請求項5】
前記1つ以上の補助検体供給口の開口面積の合計が少なくとも0.01mm2〜3mm2以下であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項6】
前記検体供給口と補助検体供給口との距離が0.05〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項7】
前記補助検体供給口のための貫通孔がレーザーを用いて作製されていることを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサ。
【請求項8】
前記キャピラリに面する、前記第1または第2の絶縁性基板の表面の少なくとも一部に、界面活性処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項9】
前記キャピラリに面する第1または第2の絶縁性基板の表面に、試料液中の特定物質を電気化学的に分析するための電極と試薬層とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項10】
前記検体供給口の形成されたバイオセンサの端部の位置で、前記第1と第2の絶縁性基板を異なる形状にしたことを特徴とする請求項9に記載のバイオセンサ。
【請求項11】
前記補助検体供給口に対向する絶縁性基板上には、電極または試薬層を形成していないことを特徴とする請求項10に記載のバイオセンサ。
【請求項12】
前記補助検体供給口の内壁に界面活性処理を施していることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料液中の特定の成分を分析するバイオセンサに関し、特に微小量の試料液を毛細管現象にて小型の試験片に採取して分析するバイオセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサとは、微生物、酵素、抗体、DNA、RNA等の生物材料の分子認識能を利用し、生物材料を分子識別素子として応用した、試料液中の基質含有量の定量をするセンサである。即ち、生物材料が目的の基質を認識したときに起こる反応、例えば微生物の呼吸による酸素の消費、酵素反応、発光等、を利用して試料液中に含まれる基質を定量するのである。そして各種バイオセンサの中でも酵素センサの実用化は進んでおり、例えば、グルコース、乳酸、コレステロール、アミノ酸用のバイオセンサである酵素センサは医療計測や食品工業に利用されている。この酵素センサは、例えば検体である試料液に含まれる基質と酵素などとの反応により生成する電子によって電子伝達体を還元し、測定装置がその電子伝達体の還元量を電気化学的に計測することにより、検体の定量分析を行うようになっている。
【0003】
このようなバイオセンサの構造について様々な形態のものが提案されている。例えば簡易に血糖値を測定できるようにしたものとして、一対の電極と試薬層を形成した第1の絶縁性基板上にスペーサを挟んで第2の絶縁性基板を貼りあわせ、この絶縁性基板の間に試料液を採取しうるキャピラリを構成したバイオセンサがある。そのキャピラリには、両基板の端面に開口する検体供給口から、人体を穿刺して得られる血液が毛細管現象にて導入されるよう構成されている。
【0004】
このようなバイオセンサにおいては、血液を検体供給口に点着させるときのバイオセンサの角度によっては、うまく血がキャピラリに導入されないことがあり、誤って絶縁性基板の外表面に血液が付着したりすることがある。このような場合、再度、血液を供給しようとしても外表面に付着した血液が邪魔をし、血液のキャピラリ内への供給がうまくできず、測定ミスや測定誤差を誘発するという問題があった。
【0005】
この問題を解決するために、本出願人は、検体供給口を構成する両基板の端部を、その平面視において、互いに異なる形状にし、血液を点着するときのバイオセンサの角度に左右されず、いつでもキャピラリ内に血液をうまく導入できるようにしたバイオセンサを提案した(特許文献1参照)。
【0006】
このバイオセンサの分解斜視図及び断面図を図8に示す。図8において、1は第1の絶縁性基板であり、この第1の絶縁性基板1上には、電気伝導性物質からなる測定電極2、対極3、ならびに検知電極4が形成されている。従来のバイオセンサは、第1の絶縁基板1、スペーサ6、第2の絶縁基板8を貼り合わせて形成されており、特にスペーサ6に切り欠きが存在することで、キャピラリ7が形成されている。このキャピラリ7は、貼り合わせによって形成された検体供給口13と、絶縁基板1に設けられた空気孔9によって内部に検体試料が導入される。また前記キャピラリ内部には、第1の絶縁基板1上に形成された測定電極2、対電極3、検知電極4が露出しており、これらの電極に重なる位置に、試薬層5が形成されている。このバイオセンサは、血液の導入前に、電極のリード10,11,12と接続する端子を持つ測定機(図示せず)に挿入し、血液導入後に測定電極2と対極3間で、血液と試薬間で反応することによる電気的特性の変化を検知することでグルコース濃度を測定するものである。
【特許文献1】特開2002−168821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年の血糖測定においては、糖尿病患者の痛みを少しでも軽減するために、血液の採取量をより微量にすることが望まれている。このため血液を採取するキャピラリの大きさや、検体供給口の大きさをより小さくしたバイオセンサの開発が進められている。
【0008】
しかしながら上記従来のバイオセンサにおいて、より小型化を進めると、指先のような変形可能な物体を押し付けると、容易に検体供給口が塞がってしまうという問題があった。
【0009】
図9は従来のバイオセンサにおいて血液が吸引される状態を示す。指先で検体供給口13が塞がると、血液の供給は遮断され、血液がキャピラリ7に完全に満たされず途中で止まる。そうなると、検体量不足となり測定不能となったり、誤った結果を表示したりしてしまう。また、一旦、指で検体供給口13を塞いでしまった後に、指を軽く離してキャピラリ内に血液を完全に満たしたとしても、最初に導入された血液による試薬層の溶解の差が生じ測定バラツキが生じるため、正確に測定することができないという問題があった。
【0010】
ここで、第1の絶縁性基板と、第2の絶縁性基板との形状の差をさらに大きくし、指先が検体供給口を塞がないようにすることも考えられるが、これは現実的ではない。なぜならば、形状の差を大きくし過ぎると、キャピラリの内部だけでなく、キャピラリの外に保持される血液も増え、逆に多くの血液が必要になってしまうからである。
この発明は以上のような問題点を解決する為になされたものであり、少ない試料液でも確実にキャピラリに採取できる構造のバイオセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決する為に本発明のバイオセンサは、第1の絶縁性基板と第2の絶縁性基板との貼り合せにより、前記両基板の端面にて開口して試料液が点着される検体供給口と、前記検体供給口と連通し前記点着された試料液が毛細管現象によって導入されるキャピラリと、前記キャピラリの端部において前記キャピラリの外気と連通する空気孔とを形成してなるバイオセンサにおいて、前記検体供給口の近傍に、前記キャピラリと連通して、前記点着された試料液が前記キャピラリへ導入される補助検体供給口を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とするものである。
【0012】
そして特に、補助検体供給口は、前記検体供給口との間に前記絶縁性基板の一部を残こすようにして貫通する貫通孔を、前記第1または第2の絶縁性基板に形成してなることを特徴とするものである。
【0013】
また、前記第1と第2の絶縁性基板の間に、前記検体供給口、補助検体供給口、及びキャピラリとなる切り欠き溝を形成したスペーサを配置し、前記補助検体供給口を両基板の端面に形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバイオセンサによれば、特にキャピラリ構造を持ち、微少検体量にて測定を行うバイオセンサにおいて、被験者の指先や、上腕部、あるいは腹部などの弾力のある皮膚によって検体供給口が塞がれたとしても、補助検体供給口からキャピラリ内への試料液の確実な吸引を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明のバイオセンサの実施の形態を、血糖値センサを例にあげ図面と共に詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態におけるバイオセンサの分解斜視図及び断面図である。図1において、1は第1の絶縁性基板であり、この第1の絶縁性基板1上には、電気伝導性物質からなる測定電極2、対極3、ならびに検知電極4が形成されている。本実施の形態1に記載されるバイオセンサは、上記の各電極のリード10,11,12と接続する端子を持つ測定機(図示せず)に挿入した状態で使用し、測定は測定電極2と対極3間の電気的特性の変化を検知することで検体試料の特性を分析するものである。なお、ここでいう検知電極4は、検体量の不足を検知する為の電極として機能するものであるが、参照電極あるいは対電極の一部として用いることも可能である。
【0017】
図1には第1の絶縁性基板上に前記各電極が配置されたものを示すが、これらの電極は第1の絶縁性基板上だけではなく、対向する第2の絶縁性基板8上に分割して配置されても良い。
【0018】
ここで好適な上記第1の絶縁性基板1、及び後述のスペーサ6並びに第2の絶縁性基板8の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミドなどがある。基板の厚みは第1の絶縁性基板、第2の絶縁性基板ともに例えば0.1〜5.0mmのものを用いることができる。
【0019】
また、各電極を構成する電気伝導性物質としては、金、白金、パラジウムなどの貴金属やカーボンなどの単体材料、あるいはカーボンペーストや貴金属ペーストなどの複合材料があげられる。前者の場合はスパッタリング法などで、また後者の場合はスクリーン印刷法などを用いて容易に電気伝導性層を第1の絶縁性基板1あるいは第2の絶縁性基板8に形成することができる。
【0020】
また、各電極の形成においては、上述したスパッタリング法やスクリーン印刷法などにより第1の絶縁性基板1あるいは第2の絶縁性基板8の全面、もしくは一部に前記電気伝導性層を形成した後、レーザーなどを用いてスリットを設けることにより電極を分割形成することができる。また、あらかじめ電極パターンの形成された印刷版やマスク版を用いたスクリーン印刷法やスパッタリング法などでも同様に電極を形成することが可能である。
【0021】
このようにして形成された電極上には酵素、電子伝達体及び親水性高分子などを含む試薬層5が形成されている。ここで酵素としてはグルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールエステラーゼ、ウリカーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼなどを、電子伝達体としてはフェリシアン化カリウム以外にもp-ベンゾキノン及びその誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン及びその誘導体などを用いることができる。
【0022】
また、親水性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチン及びその誘導体、アクリル酸及びその塩、アガロースゲルおよびその誘導体などを用いることができる。
【0023】
次に、第1の絶縁性基板1と第2の絶縁性基板8を、スペーサ6を挟んで貼り合わせすることにより、血液が供給されるキャピラリ7を形成する。キャピラリ7の血液が供給される検体供給口13は、第1の絶縁性基板1と第2の絶縁性基板8の端面に開口する。
【0024】
本実施の形態1では、スペーサ6の厚みは0.025〜0.5mm、キャピラリ7の幅は、0.1〜10mmとすることができ、キャピラリ7の体積は0.1〜5μL、とすることができる。
【0025】
ここで本実施の形態1での特徴的な構成は、キャピラリ7上の第2の絶縁性基板8を貫通する補助検体供給口14を設けたことである。この補助検体供給口14を第2の絶縁性基板8に形成した後に、上述の第1の絶縁性基板1およびスペーサ6との貼り合わせを行い、バイオセンサを完成する。
【0026】
この補助検体供給口を設けることで、血液の点着時に指先で検体供給口13が塞がり、検体供給口13からの血液の供給が遮断された場合でも、図10に示すように第2の絶縁性基板8上に設けた補助検体供給口14から血液をキャピラリ7に導入する事が可能になり、キャピラリ7内を血液で完全に満たすことができる。
【0027】
この補助検体供給口14は、試料液供給の際に、試料液がいつも付着する位置に設けることが望ましい。以下、補助検体供給口14を設ける位置、大きさ、形状、個数などについて以下説明する。
【0028】
検体供給口13と補助検体供給口14の距離、すなわち、図1の断面図で示すAの大きさは少なくとも0.05〜5.0mmが望ましい。0.05mm以下の場合、二つの供給口が繋がり補助検体供給口としての効果が薄れる可能性がある為、好ましくない。また、血液量をより微量化することを望まれている近年のバイオセンサにおいては、5.0mm以上の場合、検体供給時に検体が検体供給口13と補助検体供給口14に同時に付着することが困難になる為、好ましくない。
【0029】
この補助検体供給口14の面積は0.01〜3.0mm2であることが望ましい。0.01mm2以下の面積の場合、補助検体供給口として試料液を吸引する為の能力が不足し、供給スピードが遅くなったり、途中で止まったりする恐れがある為好ましくない。3.0mm2以上の場合、キャピラリを大きく設定する必要があり検体量の増加に繋がり現実的ではない。
【0030】
また、補助検体供給口14の加工はレーザーで加工することが好ましい。供給口を加工する為には、プレスカット、ダイカット、トムソンカット等も考えられるが、中でも微細加工が可能である為、レーザー加工の方法が好ましい。
【0031】
この補助検体供給口14は、第2の絶縁性基板8上に設けているが、複数個設けても良好な効果を得ることができる。形状も円、楕円、線、長方形、三角形など、上記条件を満足できれば、形は限定しない。
【0032】
図1に限らず、図2、図3のような形状でも同様な効果を得ることができる。図2は補助検体供給口14を複数個有する場合を示し、図3は補助検体供給口14が長方形の場合を示す。
【0033】
さらに、図4のように、キャピラリ7を形成する第1の絶縁性基板1と第2の絶縁性基板8とが、その平面視で見た端部が、互いに異なる位置に位置するよう、ずらして貼り合わされた場合でも本発明の効果は発揮される。図4では、第2の絶縁性基板8とスペーサ6とを、第1の絶縁性基板1に対して、入口方向に0.1〜1.0mm突出させている。
【0034】
またキャピラリ内部に試料液中の特定物質を電気化学的に分析する為の電極と試薬層が設けられている場合、図4に示すように、これら電極と試薬層が補助検体供給口14と対面する第1の絶縁性基板1の、補助検体供給口14の真下にあたる位置に設けられていないことが望ましい。電極上に供給口があった場合、電極上の試料液がばらつきやすく、それは応答値のばらつきにつながる為好ましくない。
【0035】
また、キャピラリ内壁の全体または一部に界面活性処理が施されていることが望ましい。界面活性処理が施されていることで、検体供給口の面積が小さい場合でも速やかに吸引することができる。 また、補助検体供給口14の内側、キャピラリ内壁全体もしくはキャピラリ内壁における補助検体供給口周辺に界面活性処理を施していることが望ましい。補助検体供給口14の内側もしくはキャピラリ内壁に界面活性処理を施すことで、試料液が補助検体供給口14に触れるやいなや速やかに吸引が開始されるので、指先などで供給口が塞がれる前にキャピラリ内に試料液が満たされやすくなる。界面活性処理は、非イオン系、カチオン系、アニオン系、両イオン系の界面活性剤の塗工、コロナ放電処理、物理的に表面に微細な凹凸を設けること等で効果を得ることができる。
以上のように本実施の形態1によれば、試料液を供給中に検体供給口13が塞がった場合でも、補助検体供給口14から試料液が速やかに供給され、正確且つ容易にキャピラリ7内に試料液を吸引させることができる。
【0036】
(実施の形態2)
図5は、本発明の一実施の形態におけるバイオセンサの分解斜視図及び断面図である。図5において、補助検体供給口14は第1の絶縁性基板1と第2の絶縁性基板8の両方に設けられている。二つの絶縁性基板それぞれに補助検体供給口14を設けることで、検体が偏った角度から点着された場合でも、確実に検体をスペーサ内部に吸引することが可能である。補助検体供給口は実施の形態1と同様、それぞれ複数個設けても良好な効果を得ることができる。形状も円、楕円、線、長方形、三角形など、限定しない。
【0037】
(実施の形態3)
図6は、本発明の一実施の形態におけるバイオセンサの分解斜視図及び断面図である。図6において、キャピラリ7が先端付近で分岐し検体供給口13と補助検体供給口14が設けられている。スペーサ6に検体供給口を2つ設けることで、実施の形態1と実施の形態2と同様の効果が得られ、さらに、検体供給口、補助検体供給口を一度にスペーサ6に加工できることから、センサ作製の際の加工数を減少させることが可能である。
【実施例1】
【0038】
本発明のより具体的な実施例について詳細に説明する。以下の構成からなるバイオセンサを一例として用いた。ポリエチレンテレフタレートからなる第1の絶縁性基板上にスパッタリング法により、絶縁性基板の表面全面に約8nmの厚みのパラジウム薄膜を形成した後、YAGレーザーにより、前記薄膜の一部にスリットを設けることにより、測定電極、対電極、及び検知電極に電極を分割形成した。
【0039】
その上に酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼ、電子伝達体としてフェリシアン化カリウムなどを含んだ水溶液を、前記測定電極を中心にして対電極ならびに検知電極の一部を覆うように円状に滴下し、乾燥させることで試薬層を形成した。
【0040】
さらにその上からポリエチレンテレフタレートからなるスペーサと、同じくポリエチレンテレフタレートからなる第2の絶縁性基板を貼りあわせる。第2の絶縁性基板には、予め検体供給口側の面に界面活性処理を施し、空気孔を形成するとともに、検体供給口との距離が0.2mmの位置に補助検体供給口を設けてある。以上を貼り合わせることで、血液が導かれる毛細管となるキャピラリを有する図1に示すものと同様の構成のバイオセンサを形成した。
【0041】
なお、本発明の効果を確認するため、従来センサ、補助検体供給口の開口面積がそれぞれ異なる0.005mm2、0.01mm2、0.03mm2、0.10mm2のセンサ、補助検体供給口の個数がそれぞれ2個、4個、9個設けられたセンサ、検体供給口と補助検体供給口が繋がり第2の絶縁性基板の先端に溝状のスリットを形成したもの(図7に示す)、補助検体吸引口の形が長方形のもの(図3に示す)、絶縁基板1、絶縁基板2両方に補助検体供給口を設けたもの(図5に示す)、絶縁基板1上に補助検体供給口を設けたもの、キャピラリがY字型のもの(図6に示す)の計14種類のセンサを作製した。
【0042】
そして、指先上に本実施例のバイオセンサの検体供給口を完全に満たすのに充分な量2μLの血液を出し、検体供給口に指を押し付け、検体供給口が塞がった場合の血液の吸引状態を確認した。(表1)はその試験結果を示すものである。
【0043】
【表1】


(表1)から明らかなように、補助検体供給口を持たない従来のバイオセンサは、検体供給口に指を押し付けると全ての結果で、吸引が止まった。これは、指先のような柔らかいものを押し付けることで検体供給口が塞がり、試料液を供給できなくなった為である。
【0044】
また、補助検体口の面積が0.005mm2の場合は、検体供給口に指を押し付けると吸引が遅くなった。これは、補助検体供給口の面積が小さく、血液をキャピラリに導入する為には不十分であると推測される。
【0045】
補助検体供給口の面積が0.01mm2以上の場合は、指を供給口に押し付けても速やかに吸引された。これは、検体供給口が塞がり、試料液の供給が律速になっても、補助検体供給口から試料液が速やかに供給された為と推測される。
【0046】
また、補助検体供給口を複数設けた場合でも、供給口の面積の合計が0.01mm2以上あれば、同様の効果を得ることができた。
【0047】
また、図7のように主検体供給口と補助検体供給口を繋げ、第2の絶縁性基板の先端に溝状のスリットを形成した場合は、主検体供給口に指を押し付けると、溝が0.01mm2の面積であっても吸引が止まったり、遅くなった。これは、検体供給口と補助検体供給口が繋がった場合、検体供給口に指を押し付けようとすると補助検体供給口の中まで指先が密着してしまう為、補助検体供給口の役目を果たさなくなったと推測される。
また、補助検体吸引口の形が長方形のもの(図3に示す)、絶縁基板1、絶縁基板2両方の上に補助検体供給口を設けたもの(図5に示す)、絶縁基板1上に補助検体供給口を設けたもの、キャピラリがY字型のもの(図6に示す)については、良好な結果を得ることができた。
【0048】
尚、本実施例のように微量検体で測定する場合、検体供給口と補助検体供給口が5mm以上離れていると、同時に検体を触れさせることは困難であり、効果を得ることができなかった。また、補助検体供給口の面積が3mm2以上の場合も、同理由から補助検体供給口全体に検体を触れさせることが困難であり、補助検体供給口の役割を果たさなかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明にかかるバイオセンサは、微小量の試料液をキャピラリ内に採取して分析を行う、血糖センサのほか、コレステロールセンサ、乳酸センサ、アルコールセンサ、アミノ酸センサ、フルクトースセンサ、スクロースセンサなどのバイオセンサに有用である。また分析に用いる試料としては、血液以外にも、尿、汗、唾液などのほか、飲料水、汚水など液体試料を用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態1に係るバイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図2】同バイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図3】同バイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図4】同バイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図5】本発明の実施の形態2に係るバイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図6】本発明の実施の形態3に係るバイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図7】本発明の比較例を示すバイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図8】従来のバイオセンサの分解斜視図及び断面図
【図9】従来のバイオセンサにおいて血液が吸引される状態を示す断面図
【図10】本発明のバイオセンサにおいて血液が吸引される状態を示す断面図
【符号の説明】
【0051】
1 第1の絶縁性基板
2 測定電極
3 対電極
4 検知電極
5 試薬層
6 スペーサ
7 キャピラリ
8 第2の絶縁性基板
9 空気孔
10 リード部
11 リード部
12 リード部
13 検体供給口
14 補助検体供給口
15 切欠き
16 血液
17 指先






 

 


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