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発明の名称 電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33743(P2007−33743A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−215470(P2005−215470)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 寺尾 幸一
要約 課題
液晶分子等の配向異常が生じ難い電子デバイス用基板、信頼性の高い液晶パネルおよび電子機器を提供すること。

解決手段
液晶パネル1は、TFT基板17と液晶パネル用対向基板12と配向膜3と配向膜4と液晶層2とを有する。配向膜3および配向膜4は、斜方蒸着法により形成され、複数の細孔を有する無機酸化物膜に対して、該無機酸化物膜に存在する水酸基の数を低減させる水酸基低減処理を施してなるものであり、配向膜3、4を電解質水溶液に接触させた状態で和周波発生法により測定したとき、得られるスペクトルにおいて、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度が、pH=7の電解質水溶液を用いた場合に対して、pH=11の電解質水溶液を用いた場合0.8〜2倍である。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、該基板の一方の面に設けられた配向膜とを有する電子デバイス用基板であって、
前記配向膜は、斜方蒸着法により形成され、複数の細孔を有する無機酸化物膜に対して、該無機酸化物膜に存在する水酸基の数を低減させる水酸基低減処理を施してなるものであり、
当該配向膜を電解質水溶液に接触させた状態で和周波発生法により測定したとき、得られるスペクトルにおいて、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度が、pH=7の電解質水溶液を用いた場合に対して、pH=11の電解質水溶液を用いた場合、0.8〜2倍であることを特徴とする電子デバイス用基板。
[ただし、前記スペクトルは、前記電解質水溶液の接触を省略した状態で、前記配向膜を和周波発生法により測定して得られた値をオフセットして得られたものである。]
【請求項2】
前記基板は、その少なくとも一部に光透過性を有し、
前記和周波発生法では、前記配向膜に前記電解質水溶液を選択的に接触させた状態で、前記基板の光透過性を有する部分に、前記配向膜と反対側から光を入射させる請求項1に記載の電子デバイス用基板。
【請求項3】
前記和周波発生法では、前記基板に入射させる光として、可視レーザ光と赤外レーザ光とを用いる請求項1または2に記載の電子デバイス用基板。
【請求項4】
前記電解質水溶液の温度は、10〜40℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の電子デバイス用基板。
【請求項5】
前記水酸基低減処理は、前記水酸基に少なくとも1種のアルコールを化学結合させる処理である請求項1ないし4のいずれかに記載の電子デバイス用基板。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の電子デバイス用基板と、
前記配向膜の前記基板と反対側に設けられた液晶層とを備えることを特徴とする液晶パネル。
【請求項7】
第1の配向膜を備える第1の電子デバイス用基板と、
第2の配向膜を備える第2の電子デバイス用基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に介挿された液晶層とを有する液晶パネルであって、
前記第1の電子デバイス用基板および前記第2の電子デバイス用基板が、それぞれ、請求項5に記載の電子デバイス用基板で構成されていることを特徴とする液晶パネル。
【請求項8】
前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量と前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量とが異なっている請求項7に記載の液晶パネル。
【請求項9】
前記第1の電子デバイス用基板は、駆動用素子を備え、
前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量が、前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量より大きくなっている請求項8に記載の液晶パネル。
【請求項10】
前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量は、100〜400である請求項9に記載の液晶パネル。
【請求項11】
前記第1の配向膜のアルコールは、炭素数6〜30のものを主とする請求項10に記載の液晶パネル。
【請求項12】
前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量は、32〜70である請求項9ないし11のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項13】
前記第2の配向膜のアルコールは、炭素数1〜4のものを主とする請求項12に記載の液晶パネル。
【請求項14】
請求項6ないし13のいずれかに記載の液晶パネルを備えることを特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、垂直配向タイプの液晶表示素子(液晶パネル)が液晶テレビ(直視型表示装置)、液晶プロジェクタ(投射型表示装置)等で実用化されている。
これらの垂直配向タイプの液晶表示素子に用いられる垂直配向膜としては、例えば液晶テレビにはポリイミド等の有機配向膜が用いられている。また、液晶プロジェクタには、SiO等の斜方蒸着膜(無機配向膜)が多用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
無機酸化物の斜方蒸着膜は、複数の細孔を有し、その表面および細孔の内面には、分極した水酸基が多数存在している。この水酸基は、ブレンステッド酸点として活性があり、液晶分子や液晶表示素子に含まれる不純物、特に極性基を持つ化合物を吸着したり反応したりし易い。
ここで、不純物には、シール剤中の不純物および未反応成分、液晶層中の不純物および水分、製造過程で付着した汚れ等が含まれる。
斜方蒸着膜表面に不純物が吸着したり、反応したりすると、表面の形状や極性が変化して垂直アンカリング力が低下し、液晶分子が配向異常を起こすという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2003−186018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、液晶分子等の配向異常が生じ難い電子デバイス用基板、信頼性の高い液晶パネルおよび電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の電子デバイス用基板は、基板と、該基板の一方の面に設けられた配向膜とを有する電子デバイス用基板であって、
前記配向膜は、斜方蒸着法により形成され、複数の細孔を有する無機酸化物膜に対して、該無機酸化物膜に存在する水酸基の数を低減させる水酸基低減処理を施してなるものであり、
当該配向膜を電解質水溶液に接触させた状態で和周波発生法により測定したとき、得られるスペクトルにおいて、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度が、pH=7の電解質水溶液を用いた場合に対して、pH=11の電解質水溶液を用いた場合、0.8〜2倍であることを特徴とする。
[ただし、前記スペクトルは、前記電解質水溶液の接触を省略した状態で、前記配向膜を和周波発生法により測定して得られた値をオフセットして得られたものである。]
かかる関係を満足する配向膜は、無機酸化物膜に残存する水酸基の数が非常に少ないことを示し、このような配向膜を備える電子デバイス用基板は、液晶分子等の配向異常が極めて生じ難いものとなる。
【0007】
本発明の電子デバイス用基板では、前記基板は、その少なくとも一部に光透過性を有し、
前記和周波発生法では、前記配向膜に前記電解質水溶液を選択的に接触させた状態で、前記基板の光透過性を有する部分に、前記配向膜と反対側から光を入射させることが好ましい。
これにより、電解質水溶液中の水が、得られるスペクトル(ピークの強度)に与える影響を排除することができる。
【0008】
本発明の電子デバイス用基板では、前記和周波発生法では、前記基板に入射させる光として、可視レーザ光と赤外レーザ光とを用いることが好ましい。
これにより、ピークの強度をより正確に測定することができる。
本発明の電子デバイス用基板では、前記電解質水溶液の温度は、10〜40℃であることが好ましい。
これにより、ピーク強度やピーク位置のバラツキを低減することができるという効果が得られる。
本発明の電子デバイス用基板では、前記水酸基低減処理は、前記水酸基に少なくとも1種のアルコールを化学結合させる処理であることが好ましい。
これにより、水酸基低減処理を容易かつ安価に行うことができる。
【0009】
本発明の電子デバイス用基板では、前記無機酸化物膜は、BET法で測定される前記基板の一方の面の表面積をS[nm]とし、BET法で測定される前記無機酸化物膜の表面積をS[nm]とし、前記無機酸化物膜の平均厚さをt[nm]としたとき、0.55logt≦S/S≦0.55logt+4.4なる関係を満足することが好ましい。
【0010】
かかる無機酸化物膜を用いることにより、無機酸化物膜の表面のみならず、細孔の内面に存在する水酸基にもアルコールを容易かつ確実に化学結合させることができ、その結果、前述したような関係を満足する配向膜を容易に得ることができる。
また、前記関係を満足する無機酸化物膜は、細孔の占める割合が比較的多いこと、すなわち、規則的に配列した細孔が比較的高密度に存在することを示しており、液晶層が含有する液晶分子に対する配向性(無機酸化物膜の形状に依存した配向性)をより増大させることができる。したがって、より長期に亘って、液晶分子に対する優れた配向性が発揮される配向膜が得られる。
【0011】
本発明の電子デバイス用基板では、前記BET法は、BET多点法であることが好ましい。
BET多点法によれば、無機酸化物膜の表面積をより正確に測定することができる。
本発明の電子デバイス用基板では、前記BET法は、吸着ガスとしてクリプトンガスを用いるものであることが好ましい。
クリプトンガスを用いるBET法によれば、再現性よく表面積の測定が可能である。
【0012】
本発明の液晶パネルは、本発明の電子デバイス用基板と、
前記配向膜の前記基板と反対側に設けられた液晶層とを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い液晶パネルが得られる。
本発明の液晶パネルは、第1の配向膜を備える第1の電子デバイス用基板と、
第2の配向膜を備える第2の電子デバイス用基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に介挿された液晶層とを有する液晶パネルであって、
前記第1の電子デバイス用基板および前記第2の電子デバイス用基板が、それぞれ、本発明の電子デバイス用基板で構成されていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い液晶パネルが得られる。
【0013】
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量と前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量とが異なっていることが好ましい。
これにより、耐光性に優れ、焼き付きが生じ難いものとなる。
本発明の液晶パネルでは、前記第1の電子デバイス用基板は、駆動用素子を備え、
前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量が、前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量より大きくなっていることが好ましい。
これにより、耐光性に優れ、焼き付きが生じ難いものとなる。
【0014】
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールの平均分子量は、100〜400であることが好ましい。
これにより、配向異常の発生に要する時間をより確実に延長させること、すなわち、耐久性(耐光性)をより確実に向上させることができる。
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールは、炭素数6〜30のものを主とすることが好ましい。
これにより、耐久性向上の効果がより顕著となる。
【0015】
本発明の液晶パネルでは、前記第2の配向膜のアルコールの平均分子量は、32〜70であることが好ましい。
これにより、焼き付きをより確実に防止することができる。
本発明の液晶パネルでは、前記第2の配向膜のアルコールは、炭素数1〜4のものを主とすることが好ましい。
これにより、焼き付き防止効果がより顕著となる。
【0016】
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールおよび前記第2の配向膜のアルコールの少なくとも一方は、複数種のアルコールを含んでなるものであることが好ましい。
例えば、高分子量のアルコールと低分子量のアルコールとを組み合わせて用いると、高分子量のアルコール同士の間の水酸基や、細孔の奥に存在する水酸基にもアルコールを化学結合させることができ、無機酸化物膜に残存する水酸基をより確実に減少させることができるという利点がある。
【0017】
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールおよび前記第2の配向膜のアルコールのいずれか一方は、複数種のアルコールを含んでなるものであり、他方は、1種のアルコールからなるものであり、
前記一方の配向膜のアルコールは、前記他方の配向膜のアルコールと同種のアルコールを含んでいることが好ましい。
これにより、液晶分子に対する垂直アンカリング力を調整し易くなるという利点がある。
【0018】
本発明の液晶パネルでは、前記第1の配向膜のアルコールおよび前記第2の配向膜のアルコールの双方が、複数種のアルコールを含んでなるものであり、
前記第1の配向膜のアルコールおよび前記第2の配向膜のアルコールは、同種のアルコールを含んでいることが好ましい。
これにより、液晶分子に対する垂直アンカリング力を調整し易くなるという利点がある。
本発明の電子機器は、本発明の液晶パネルを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の電子デバイス用基板を適用した液晶パネルの実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1に示す液晶パネルが備える配向膜を拡大して示す縦断面図である。なお、図1では、シール材、配線等の記載は省略した。また、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0020】
図1に示す液晶パネル(TFT液晶パネル)1は、TFT基板(液晶駆動基板)17と、TFT基板17に接合された配向膜3と、液晶パネル用対向基板12と、液晶パネル用対向基板12に接合された配向膜4と、配向膜3と配向膜4との空隙に封入された液晶分子を含有する液晶層2と、TFT基板(液晶駆動基板)17の外表面(上面)側に接合された偏光膜7と、液晶パネル用対向基板12の外表面(下面)側に接合された偏光膜8とを有している。
【0021】
液晶パネル用対向基板12は、マイクロレンズ基板11と、かかるマイクロレンズ基板11の表層114上に設けられ、開口131が形成されたブラックマトリックス13と、表層114上にブラックマトリックス13を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)14とを有している。
マイクロレンズ基板11は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)112が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板111と、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板111の凹部112が設けられた面に樹脂層(接着剤層)115を介して接合された表層114とを有している。
【0022】
また、樹脂層115では、凹部112内に充填された樹脂によりマイクロレンズ113が形成されている。
マイクロレンズ用凹部付き基板111は、平板状の母材(透明基板)より製造され、その表面には、複数(多数)の凹部112が形成されている。
凹部112は、例えば、マスクを用いた、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等により形成することができる。
このマイクロレンズ用凹部付き基板111は、例えば、ガラス等で構成されている。
【0023】
前記母材の熱膨張係数は、ガラス基板171の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)であることが好ましい。これにより、得られる液晶パネル1では、温度が変化したときに二者の熱膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。
かかる観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板111と、ガラス基板171とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。
【0024】
特に、後述するTFT基板17には、製造時の環境により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いられる。このため、これに対応させて、マイクロレンズ用凹部付き基板111を石英ガラスで構成することが好ましい。これにより、そり、たわみ等の生じにくい、安定性に優れた液晶パネル1を得ることができる。
マイクロレンズ用凹部付き基板111の上面には、凹部112を覆う樹脂層(接着剤層)115が設けられている。
凹部112内には、樹脂層115の構成材料が充填されることにより、マイクロレンズ113が形成されている。
【0025】
樹脂層115は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板111の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができ、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に構成することができる。
樹脂層115の上面には、平板状の表層114が設けられている。
【0026】
表層(ガラス層)114は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板111の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
【0027】
表層114の平均厚さは、必要な光学特性を得る観点からは、通常、5〜1000μm程度とされ、より好ましくは10〜150μm程度とされる。
なお、表層(バリア層)114は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al、TiO等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。
【0028】
表層114をセラミックスで構成する場合、表層114の平均厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、このような表層114は、必要に応じて省略することができる。
ブラックマトリックス13は、遮光機能を有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂等で構成されている。
【0029】
透明導電膜14は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)等で構成されている。
TFT基板17は、液晶層2が含有する液晶分子を駆動(配向制御)する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極172と、各画素電極172に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)173とを有している。
【0030】
ガラス基板171は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
画素電極172は、透明導電膜(共通電極)14との間で充放電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電膜14と同様の材料で構成されている。
【0031】
薄膜トランジスタ173は、近傍の対応する画素電極172に接続されている。また、薄膜トランジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、画素電極172へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極172の充放電が制御される。
TFT基板17の外表面(図1中上面)側には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)7が配置されている。同様に、液晶パネル用対向基板12の外表面(図1中下面)側には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)8が配置されている。
【0032】
偏光膜7、8の構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
偏光膜としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
このような偏光膜7、8を配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
偏光膜7、8の偏光軸の方向は、通常、配向膜3、4の配向方向(本実施形態では、電圧印加時)に応じて決定される。
また、TFT基板17には、画素電極172に接合して配向膜3が設けられ、液晶パネル用対向基板12には、透明導電膜14に接合して配向膜4が設けられている。
【0033】
本実施形態では、TFT基板17と配向膜3とにより第1の電子デバイス用基板が構成され、液晶パネル用対向基板12と配向膜4とにより、第2の電子デバイス用基板が構成される。
そして、これらの配向膜3と配向膜4との間に液晶層2が介挿されている。液晶層2は、液晶分子(液晶材料)を含有しており、画素電極172の充放電に対応して、かかる液晶分子の配向が変化する。
【0034】
液晶分子としては、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体、ビフェニル誘導体、ビフェニルシクロヘキサン誘導体、ターフェニル誘導体、フェニルエーテル誘導体、フェニルエステル誘導体、ビシクロヘキサン誘導体、アゾメチン誘導体、アゾキシ誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、キュバン誘導体、さらに、これらの誘導体に、フルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入したもの等が挙げられる。
なお、後述するように、配向膜3、4を用いた場合、液晶分子は垂直配向し易くなるが、垂直配向に適する液晶分子としては、例えば、下記化1〜化3で表される化合物等が挙げられる。
【0035】
【化1】


【0036】
【化2】


【0037】
【化3】


[式中、環A〜Iは、それぞれ独立して、シクロヘキサン環またはベンゼン環を示し、R〜Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基またはフッ素原子のいずれかを示し、X〜X18は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子を示す。]
【0038】
配向膜(垂直配向膜)3、4は、液晶層2が含有する液晶分子の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有している。
なお、これらの配向膜3、4の構成については、後に詳述する。
このような液晶パネル1では、通常、1個のマイクロレンズ113と、かかるマイクロレンズ113の光軸Qに対応したブラックマトリックス13の1個の開口131と、1個の画素電極172と、かかる画素電極172に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素に対応している。
【0039】
液晶パネル用対向基板12側から入射した入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板111を通り、マイクロレンズ113を通過する際に集光されつつ、樹脂層115、表層114、ブラックマトリックス13の開口131、透明導電膜14、液晶層2、画素電極172、ガラス基板171を透過する。
このとき、マイクロレンズ基板11の入射側に偏光膜8が設けられているため、入射光Lが液晶層2を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。
【0040】
その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層2の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル1を透過した入射光Lを偏光膜7に透過させることにより、出射光の輝度を制御することができる。
このように、液晶パネル1は、マイクロレンズ113を有しており、しかも、マイクロレンズ113を通過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス13の開口131を通過する。
【0041】
一方、ブラックマトリックス13の開口131が形成されていない部分では、入射光Lは遮光される。したがって、液晶パネル1では、画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。このため、液晶パネル1は、画素部で高い光の透過率を有する。
さて、配向膜3(4)は、それぞれ、図2に示すように、斜方蒸着法により形成された無機酸化物膜31(41)と、この無機酸化物膜31(41)に、後述するような方法により処理(水酸基低減処理)を施すことにより形成された被膜32(42)とで構成されている。
【0042】
以下、配向膜3、4は、同様の構成であるため、配向膜3を代表に説明する。
無機酸化物膜31は、斜方蒸着法により形成されるため、図2に示すように、複数の細孔30を有する構造をなし、各細孔30の軸は、TFT基板17の上面(配向膜3が形成される面)に対して、傾斜した状態で一軸配向している。
ここで、各細孔30の軸が一軸配向しているとは、大多数の細孔30の軸がほぼ等しい方向を向いていること(細孔30の軸の平均的な方向が制御されていること)をいい、複数の細孔30の中には、軸の方向が大多数のものと異なる方向を向いた細孔30が含まれていてもよい。
【0043】
このように、各細孔30が規則的に配列していることにより、無機酸化物膜31は、高い構造規則性を有している。
このような構成により、液晶層2が含有する液晶分子は、垂直配向(ホメオトロピック配向)し易くなる。したがって、このような構成の配向膜3は、VA(Vertical Alignment)型の液晶パネルの構築に有用である。
【0044】
また、配向膜3が高い構造規則性を有することから、液晶分子の配向方向もより正確に一定方向(垂直方向)に揃うようになる。その結果、液晶パネル1の性能(特性)の向上を図ることができる。
なお、細孔30とTFT基板17の上面とのなす角度(図2中角度θ)は、特に限定されないが、45〜85°程度であるのが好ましく、55〜75°程度であるのがより好ましい。これにより、液晶分子をより確実に垂直配向させることができる。
【0045】
無機酸化物膜31は、無機酸化物を主材料として構成された膜である。一般に、無機材料は、有機材料に比べて、優れた化学的安定性(光安定性)を有している。このため、無機酸化物膜31は、有機材料で構成された配向膜に比べ、特に優れた耐光性を有するものとなる。
また、無機酸化物膜31を構成する無機酸化物は、その誘電率が比較的低いものが好ましい。これにより、液晶パネル1において焼き付き等をより効果的に防止することができる。
【0046】
このような無機酸化物としては、例えば、SiO、SiOのようなシリコン酸化物、Al、MgO、TiOTiO、In,Sb,Ta、Y、CeO、WO、CrO、GaO、HfO、Ti、NiO、ZnO、Nb、ZrO、Ta等の金属酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、SiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。SiOやAlは、誘電率が特に低く、かつ、高い光安定性を有する。
このような無機酸化物膜31の少なくとも表面(本実施形態では、表面および細孔30の内面)に沿って、被膜32が形成されている。
【0047】
本実施形態の被膜32は、後述する処理液を用いて無機酸化物膜31に対して処理(水酸基低減処理)を施すことにより形成された膜、すなわち、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に存在する活性な水酸基と、アルコールが有する水酸基とが化学反応(脱水縮合反応)して形成された膜であり、アルコールの主骨格部分を主としてなる膜である。
【0048】
被膜32を形成することにより、無機酸化物膜31に存在する活性な水酸基の数を減少させることができ、無機酸化物膜31に対して各種不純物が付着することや、無機酸化物膜31が液晶分子と反応すること等を防止することができる。このため、例えば、配向膜3の液晶分子に対する垂直アンカリング力の低下等を防止することができ、結果として、液晶分子に配向異常が生じるのをより確実に防止することができる。
【0049】
特に、本実施形態では、細孔30の内面に存在する水酸基にもアルコールが化学結合しているため、前記効果がより顕著となる。
換言すれば、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数がより少ないほど、前記効果がより顕著となる。
そして、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、配向膜3を電解質水溶液に接触させた状態で和周波発生法により測定したとき、得られるスペクトルにおいて、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度が、pH=7の電解質水溶液を用いた場合に対して、pH=11の電解質水溶液を用いた場合0.8〜2倍であると、液晶分子の配向異常が極めて生じ難くなることを見い出した。
【0050】
ここで、和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)法とは、二つの光をサンプルの同じ場所に同時に照射し、この二つの光の周波数の和の周波数を持つ光(和周波光)を測定する手法のことを言う。
この和周波発生法によれば、反転中心を持たないサンプル表面や、異種の界面(固体と固体、固体と液体、液体と液体)の分子振動のみを高感度で検出可能である。
【0051】
本発明では、配向膜3に電解質水溶液を接触させた状態で、この配向膜3を和周波発生法により測定し、pHの異なる電解質水溶液を用いた場合において、配向膜3と電解質水溶液との界面における電解質水溶液中の水分子(HO)の状態を検出・比較することにした。これは、次のような理由からである。
すなわち、無機酸化物膜31に水酸基(シラノール基)が残存する場合、この水酸基は、アルカリ性の電解質水溶液に接触すると、脱プロトン化され、負電荷を持つことになる。そして、その負電荷により生じた表面電場が、多くの水分子の永久双極子を配向させ、水分子が水素原子を無機酸化物膜31側に向けて、規則的に配列するようになる。
【0052】
一方、水酸基は、中性(pH=7)の電解質水溶液に接触すると、一部が脱プロトン化するため、水分子が水素原子を無機酸化物膜31側に向けて配向するようになり、残りは脱プロトン化せず、水素結合により、水分子が酸素原子を無機酸化物膜31側に向けて配向するようになる。これにより、配向膜3と電解質水溶液との界面における水分子の配列に乱れが生じることになる。
【0053】
この水分子の分子振動を和周波発生法により検出すれば、電解質水溶液のpHの違いにより、配向膜3と電解質水溶液との界面における水分子の配列が異なることが要因となり、異なる強度(大きさ)の水分子に由来するピークが観測されることとなる。そして、この水分子に由来するピーク(以下、単に、「ピーク」と言う。)の強度の差の程度は、無機酸化物膜31に残存する水酸基(シラノール基)の数に依存して変化する。すなわち、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数が少ない場合には、ピークの強度の差の程度は小さく、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数が多い場合には、ピークの強度の差の程度は大きくなる。
このように、異なるpHの電解質水溶液を用いて測定されたピークの強度を比較することにより、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数の多少を知ることができる。
【0054】
ところで、この水分子に由来するピークは、異なる波数の範囲(領域)に複数存在するが、電解質水溶液のpHに関わらず、波数3100〜3300cm−1の範囲には必ず現れること、また、この範囲に現れるピークは、その強度(大きさ)が電解質水溶液のpHに依存して大きく変動することから、本発明では、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在するピークを比較することとした。
【0055】
また、アルカリ性の電解質水溶液には、pH=11の電解質水溶液を用いることとした。これは、pH=11の電解質水溶液を用いることにより、無機酸化物膜31に残存する水酸基を確実に脱プロトン化させ得ること、pH=11を上回る高アルカリ性の電解質水溶液を用いると、無機酸化物膜31自体に変質・劣化(溶解)が生じること等からである。
また、スペクトルには、電解質水溶液の接触を省略した状態で、配向膜3を和周波発生法により測定して得られた値をオフセットして得られたものを用いることとした。これにより、測定機器や測定条件等によらず、一定の適正なピークの強度を得ることができる。
【0056】
そして、本発明者は、さらに検討を重ねた結果、前述のようにして検出されたピークの強度が、pH=7の電解質水溶液を用いた場合に対して、pH=11の電解質水溶液を用いた場合0.8〜2倍、好ましくは0.9〜1.8倍、より好ましくは1〜1.6倍であればよいとの結論に達した。かかる関係を満足するということは、ピークの強度の差の程度が極めて小さいことを意味し、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数が非常に少ないことを示す。そして、このような配向膜3は、液晶分子の配向異常が極めて生じ難いものとなる。
配向膜3の和周波発生法による測定は、例えば、図3に示すような測定装置を用いて行われる。
【0057】
図3に示す測定装置700は、電解質水溶液を貯留する空間790を有する容器710と、容器710の開口部を塞ぐ蓋720と、蓋720上に配置されるプリズム730と、基本波753を出射する光源754と、基本波753を分割した分割波742により可視光740を出射する可視光作成手段741と、基本波753を分割した分割波752により赤外光750を出射する赤外光作成手段751と、和周波光760を検出する検出器761とを備えている。
【0058】
容器710には、電解質水溶液を空間790内に供給する供給口711と、空間790内から排出する排出口712とが設けられている。
また、蓋720の中央部には、配向膜が形成された基板を設置、固定する開口部721が形成されている。
また、プリズム730は、例えば、石英ガラス等で構成されている。
【0059】
まず、蓋720の開口部721に、配向膜3が形成されたTFT基板17を、配向膜が蓋720の内側(図3中、下側)を向くようにして設置、固定する。
次に、この状態で、蓋720を容器710に装着し、さらに、プリズム730を蓋720上に載置する。
次に、可視光740および赤外光750を、配向膜3の同一箇所に照射し、発生した和周波光760を検出する。このときの測定値をオフセット値として使用する。
【0060】
次に、pH=7の電解質水溶液を空間790内にほぼ満量となるように充填する。これにより、配向膜3が電解質水溶液と選択的に接触させる。
次に、この状態で、前記と同様にして、和周波光760を検出する。そして、前記測定値をオフセットして得られたスペクトルから、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度(pH=7)を求める。
【0061】
次に、pH=7の電解質水溶液を空間790内から排出し、pH=11の電解質水溶液を空間790内にほぼ満量となるように充填する。
次に、この状態で、前記と同様にして、和周波光760を検出する。そして、前記測定値をオフセットして得られたスペクトルから、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度(pH=11)を求める。
そして、ピークの強度(pH=7)に対するピークの強度(pH=11)の比を算出する。
【0062】
本実施形態では、TFT基板17は、TFT173が形成された箇所を除く部分に光透過性を有するため、当該部分に配向膜3と反対側から光740、750を入射させる。これにより、電解質水溶液に接触させた状態で配向膜3を測定する場合(以下、「本測定」と言う。)において、電解質水溶液中の水が、得られるスペクトル(ピークの強度)に与える影響を排除することができる。
【0063】
また、2つの光740、750の組み合わせとしては、種々あるが、特に、可視レーザ光と赤外レーザ光とを組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、ピークの強度をより正確に測定することができる。
また、本測定に際して、電解質水溶液の温度は、10〜40℃程度であるのが好ましく、15〜30℃程度であるのがより好ましい。これにより、ピーク強度やピーク位置のバラツキを低減することができるという効果が得られる。
【0064】
また、無機酸化物膜31は、BET法で測定されるTFT基板17の上面(無機酸化物膜31を形成する面)の表面積をS[nm]とし、BET法で測定される無機酸化物膜31の表面積をS[nm]とし、無機酸化物膜31の平均厚さをt[nm]としたとき、0.55logt≦S/S≦0.55logt+4.4なる関係を満足することが好ましく、0.55logt≦S/S≦0.55logt+3.5なる関係を満足するのがより好ましく、0.55logt+0.5≦S/S≦0.55logt+2なる関係を満足するのがさらに好ましい。なお、無機酸化物膜31の表面積の値とは、無機酸化物膜31の表面の面積と、細孔30の内面の面積とを合計した値である。
【0065】
かかる無機酸化物膜31を用いることにより、無機酸化物膜31の表面のみならず、細孔30の内面に存在する水酸基にもアルコールを容易かつ確実に化学結合させることができ、その結果、前述したような関係を満足する配向膜3を容易に得ることができる。
また、前記関係を満足する無機酸化物膜31は、細孔30の占める割合が比較的多いこと、すなわち、規則的に配列した細孔30が比較的高密度に存在することを示しており、液晶層2が含有する液晶分子に対する配向性(無機酸化物膜の形状に依存した配向性)をより増大させることができる。したがって、より長期に亘って、液晶分子に対する優れた配向性が発揮される配向膜3が得られる。
【0066】
各表面積の測定方法には、それぞれ、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法が用いられる。表面積の測定法としては、気体吸着法(BET法、Harkins−Juraの相対法)、液相吸着法、浸漬熱法、透過法などがあるが、このBET法によれば、複雑な形状の無機酸化物膜31の表面積、すなわち、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面の全面積を正確に測定することができる。
【0067】
また、BET法としては、BET多点法、BET一点法のいずれでもよいが、BET多点法を用いるのが好ましい。BET多点法によれば、無機酸化物膜31の表面積をより正確に測定することがでる。
さらに、BET法に用いる吸着ガスとしては、例えば、クリプトンガス、ネオンガスのような希ガス、窒素ガス等が挙げられるが、希ガス、特に、クリプトンガスを用いるのが好ましい。クリプトンガスを用いるBET法によれば、特に、再現性よくかつ正確に表面積の測定が可能である。
【0068】
なお、無機酸化物膜31の表面積は、例えば、後述するような斜方蒸着に際する蒸着装置内の真空度、蒸着レート等の各種条件を適宜設定することにより調整することができる。
平均厚さtの具体的な値は、20〜300nm程度であるのが好ましく、20〜150nm程度であるのがより好ましく、40〜80nm程度であるのがさらに好ましい。無機酸化物膜31の厚さが薄過ぎると、液晶分子が直接、画素電極172に接触し、ショートするのを十分に防止することができないおそれがある。一方、無機酸化物膜31の厚さが厚過ぎると、液晶パネル1の駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
【0069】
また、面積比S/Sの具体的な値は、2〜5程度であるのが好ましく、2.5〜4程度であるのがより好ましい。これにより、液晶分子の配向性をより向上させることができる。
さて、図1に示す液晶パネル1では、無機酸化物膜31、41が同組成(同種)のアルコールで処理され、配向膜3と配向膜4とにおいて、無機酸化物膜31、41に化学結合したアルコールの平均分子量が等しくなっていてもよいが、各膜31、41に化学結合したアルコールの平均分子量は、異なっているのが好ましい。
【0070】
本実施形態では、TFT基板17側に設けられた配向膜(第1の配向膜)3のアルコールの平均分子量が、液晶パネル対向基板12側に設けられた配向膜(第2の配向膜)4のアルコールの平均分子量より大きくなっている。すなわち、無機酸化物膜41より無機酸化物膜31に、分子量の大きい(炭素数の多い)アルコールがより多く化学結合している。これにより、液晶パネル1の特性の向上を図ることができる。
【0071】
一般に、液晶パネル1の焼き付きを防止する観点からは、液晶分子を配向させる力が必要以上に強すぎると、焼き付きが生じる傾向が高くなるため、液晶分子と配向膜との分子間力をある程度弱くすべく、無機酸化物膜31(41)に化学結合させるアルコールとしては、比較的分子量の小さい(比較的炭素数の少ない)ものを選択するのが好ましい。
一方、無機酸化物膜31(41)に存在する水酸基と液晶分子との反応に伴う液晶パネル1の配向異常の発生を防止(耐光性、耐久性を向上)する観点からは、無機酸化物膜31(41)の表面に残存する水酸基から液晶分子をできる限り遠ざけるべく、無機酸化物膜31(41)に化学結合させるアルコールとしては、比較的分子量の大きい(比較的炭素数の多い)ものを選択するのが好ましい。
【0072】
ところで、TFT基板17は、TFT173を備えることから、液晶パネル用対向基板12に対して高温となり易く、無機酸化物膜31に残存する水酸基は、加熱により、その活性がより高まっている。このため、配向膜3と液晶層2との界面において、液晶分子が活性な水酸基と反応して変質・劣化し易い状態となっている。したがって、TFT基板17側の配向膜3において、より分子量の大きいアルコールを化学結合させ、液晶分子が無機酸化物膜31に接触するのを確実に防止するのことは、特に有効である。
一方、液晶パネル用対向基板12側の配向膜4では、焼き付きを防止することに主眼に置けばよいため、分子量の小さいアルコールが積極的に選択するのが好ましい。
【0073】
なお、この場合、各配向膜3、4のアルコールにおいて、それらの平均分子量に差が存在すればよく、アルコールとしては、高分子量のアルコールと低分子量のアルコールとを適宜組み合わせるようにしてもよい。
特に、高分子量のアルコールを用いるべき配向膜3において、低分子量のアルコールを組み合わせて用いると、高分子量のアルコール同士の間の水酸基や、細孔30の奥に存在する水酸基にもアルコールを化学結合させることができ、無機酸化物膜31に残存する水酸基の数をより確実に減少させることができるという利点もある。
このようなことから、本実施形態では、TFT基板17側に設けられた配向膜3のアルコールの平均分子量が、液晶パネル対向基板12側に設けられた配向膜4のアルコールの平均分子量より大きくなるように、無機酸化物膜31、41の処理に用いるアルコールが選択される。
【0074】
ここで、分子量がアルコールX>アルコールY>アルコールZである場合、配向膜3のアルコールの平均分子量が、配向膜4のアルコールの平均分子量より大きくなる組み合わせとしては、例えば、次のような組み合わせが挙げられる。
I :配向膜3:X、 配向膜4:YまたはZ
II :配向膜3:X+Y、配向膜4:X+Y(ただし、X/Y:配向膜3>配向膜4)
III:配向膜3:X+Y、配向膜4:Y+Z
IV :配向膜3:X、 配向膜4:X+Z
【0075】
また、配向膜3のアルコールおよび配向膜4のアルコールのうちのいずれか一方が複数種のアルコールを含んでなるものであり、他方が1種のアルコールからなるものである場合、一方の配向膜のアルコールは、他方の配向膜のアルコールと同種のアルコールを含んでいるのが好ましい(前記IV参照)。
また、配向膜3のアルコールおよび配向膜4のアルコールの双方が、複数種のアルコールを含んでなるものである場合、配向膜3のアルコールおよび配向膜4のアルコールは、同種のアルコールを含んでいるのが好ましい(前記III参照)。
【0076】
このように、配向膜3のアルコールと配向膜4のアルコールとが同種のアルコールを含むことにより、液晶分子に対する垂直アンカリング力を調整する場合、配向膜3、4における垂直アンカリング力に大きな差が生じるのを防止すること、換言すれば、微小な力の差の制御を容易に行うことができる。すなわち、液晶分子に対する垂直アンカリング力を調整し易くなるという利点がある。
【0077】
配向膜3のアルコールの平均分子量は、100〜400程度であるのが好ましく、120〜400程度であるのがより好ましい。これにより、液晶パネル1において、配向異常の発生に要する時間をより確実に延長させること、すなわち、耐久性(耐光性)をより確実に向上させることができる。
また、配向膜3のアルコールは、炭素数6〜30のもの(特に、炭素数8〜30のもの)を主成分とするものが好ましい。これにより、前記効果がより顕著となる。
【0078】
また、このような炭素数のアルコールは、常温で液状であるか、または半固形状(固形状)であっても比較的低温で液状とすることができる。このため、後述する処理液により無機酸化物膜31(41)を処理する際の取り扱いが容易である。また、液晶分子に対する親和性がより高いため、液晶分子に対する垂直アンカリング力を確実に増大させることができる。
このようなアルコールとしては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環アルコール、複素環アルコール、多価アルコールまたはこれらのハロゲン置換体(特に、フッ素置換体)が挙げられるが、これらの中でも、脂肪族アルコール、脂環アルコールまたはそのフッ素置換体(フルオロアルコール)が好ましい。脂肪族アルコール、脂環アルコールまたはそのフッ素置換体を用いることにより、液晶分子に対する垂直アンカリング力がさらに増大し、液晶分子をより確実に垂直配向させることができる。
また、脂環アルコールまたはそのフッ素置換体は、ステロイド骨格を有するものがより好ましい。ステロイド骨格を有する脂環アルコールまたはそのフッ素置換体は、平面性の高い構造を有するため、液晶分子を配向制御する機能に特に優れるものである。
【0079】
これらのことから、配向膜3のアルコールとしては、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール等の脂肪族アルコール、コレステロール、エピコレステロール、コレスタノール、エピコレスタノール、エルゴスタノール、エピエルゴスタノール、コプレスタノール、エピコプレスタノール、α−エルゴステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール等の脂環アルコールまたはこれらのフッ素置換体を主とするものが好適である。
【0080】
また、脂肪族アルコールまたはそのフッ素置換体は、その炭化水素部分またはフッ化炭素部分(主骨格部分)が、直鎖状をなすもの、分枝状をなすもののいずれであってもよい。
一方、配向膜4のアルコールの平均分子量は、32〜70程度であるのが好ましく、32〜60程度であるのがより好ましい。これにより、液晶パネル1の焼き付きをより確実に防止することができる。
【0081】
また、配向膜4のアルコールは、炭素数1〜4のもの(特に、炭素数1〜3のもの)を主成分とするものが好ましい。これにより、前記効果がより顕著となる。
また、このような炭素数の第1のアルコールは、分子サイズが小さいため、細孔40の奥深くにまで確実に浸透させることもできる。また、常温で液状であるため、後述する処理液により無機酸化物膜31(41)を処理する際の取り扱いが容易である。
【0082】
このようなアルコールとしては、脂肪族アルコール、多価アルコールまたはこれらのハロゲン置換体(特に、フッ素置換体)が挙げられるが、これらの中でも、脂肪族アルコールまたはそのフッ素置換体(フルオロアルコール)が好ましい。
このようなことから、配向膜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノールまたはこれらのフッ素置換体を主とするものが好適である。
なお、液晶分子には、フッ素化されたものが多いことから、フッ素置換体を用いることにより、液晶分子との親和性が向上し、液晶分子を垂直配向させる効果がより高まる。
【0083】
本実施形態では、高温となるTFT基板17側の配向膜3のアルコールの平均分子量を、液晶パネル用対向基板12側の配向膜4のアルコールの平均分子量より大きくする場合について説明したが、第2の電子デバイス用基板が第1の電子デバイス用基板側より高温となる構成の液晶パネルの場合には、好ましくは、第2の電子デバイス用基板側の配向膜のアルコールの平均分子量が、第1の電子デバイス用基板側の配向膜のアルコールの平均分子量より大きくなるように設定される。
【0084】
また、配向膜3、4において、アルコールの平均分子量を変える目的としては、配向異常の発生や焼き付きの発生を防止すること以外に、例えば、一対の配向膜における電気的なバラツキを解消すること等が挙げられる。
また、水酸基低減処理には、アルコールを化学結合させる処理の他、例えば、前述したようなアルコールの炭化水素部分を有するシランカップリング剤等の各種カップリング剤を化学結合させる処理が挙げられる。かかるカップリング剤を化学結合させる処理を用いた場合でも、前記と同様の効果が得られる。
なお、アルコールの入手を容易かつ安価であること、アルコールは取り扱いが特に容易であること等から、水酸基低減処理には、アルコール処理を用いるのが好ましい。
このような液晶パネル1は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0085】
[1] まず、公知の方法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向基板12とを用意する。
[2] 次に、TFT基板17上に画素電極172およびTFT173を覆うように配向膜3を、一方、液晶パネル用対向基板12の透明導電膜14上に配向膜4をそれぞれ形成する。
【0086】
配向膜3、4の形成方法(形成工程)は、同様であるので、以下、配向膜3の形成方法を代表に説明する。
なお、工程[22]〜[24]では、例えば、図4に示すような処理装置900が用いられる。
図4に示す処理装置900は、チャンバ910と、チャンバ910内に設けられたステージ950と、ステージ950上に配置された容器920と、容器920内に処理液Sを供給する給液手段960と、容器920内の処理液Sを排液する排液手段940と、チャンバ910内の排気を行う排気手段930とを有している。
【0087】
また、ステージ950には、例えば、ヒータ等の加熱手段(図示せず)が設けられている。
排気手段930は、ポンプ932と、ポンプ932とチャンバ910とを連通する排気ライン931と、排気ライン931の途中に設けられたバルブ933とで構成されている。
【0088】
また、排液手段940は、処理液Sを回収する回収タンク944と、回収タンク944と容器920とを連通する排液ライン941と、排液ライン941の途中に設けられたポンプ942およびバルブ943とで構成されている。
また、給液手段960は、処理液Sを貯留する貯留タンク964と、貯留タンク964から処理液Sを容器920に導く給液ライン961と、給液ライン961の途中に設けられたポンプ962およびバルブ963とで構成されている。
また、排液手段940および給液手段960には、それぞれ、図示しない加熱手段(例えば、ヒーター等)が設けられ、処理液Sを加熱し得るよう構成されている。
【0089】
[21] まず、TFT基板17上に、斜方蒸着法により無機酸化物膜31を形成する。
具体的には、斜方蒸着法では、図5に示すように、チャンバ(図示せず)内に、無機酸化物(原料)800を収納した蒸着源810と、TFT基板17とを設置し、これらの間にスリット821が形成されたスリット板820を配置する。
【0090】
なお、TFT基板17は、駆動装置830に固定され、後述する蒸着角度(図4中、蒸着角度θ)を維持した状態で、平行移動可能になっている。また、TFT基板17は、図示しない加熱手段により加熱可能となっている。
この状態で、蒸着源810に設けられた加熱手段(図示せず)により無機酸化物800を加熱して蒸発(気化)させる。そして、無機酸化物800の蒸発粒子を、スリット板820のスリット821を介してTFT基板17の上面(無機酸化物膜31を形成する面)に到達させる。
【0091】
なお、このとき、TFT基板17を、前述の加熱手段により所定の温度に加熱するとともに、駆動装置830により所定の速度で平行移動させる。
これにより、TFT基板17上に、複数の細孔30を有する無機酸化物膜31が得られる。
ここで、蒸発源から気化した無機酸化物(蒸発粒子)800が、TFT基板17の上面に到達する蒸着角度(図5中、角度θ)を適宜設定することにより、細孔30のTFT基板17の上面に対する角度を調整することができる。
【0092】
また、無機酸化物膜31の表面積Sは、気化した無機酸化物800が基板に到着した際に形成される構造(カラム構造)の状態に大きく依存しており、蒸着時のチャンバ内の真空度、蒸着レート、TFT基板17の温度(基板温度)、蒸着角度θ等の各種条件を適宜設定することにより調整することができる。
チャンバ(蒸着装置)内の真空度は、1×10−5〜1×10−2Pa程度であるのが好ましく、5×10−5〜5×10−3Pa程度であるのがより好ましい。
【0093】
また、蒸着時の基板温度は、20〜150℃程度であるのが好ましく、50〜120℃程度であるのがより好ましい。
また、蒸着レートは、2.5〜25Å/秒程度であるのが好ましく、4〜20Å/秒程度であるのがより好ましい。
また、蒸着角度θは、45〜85°程度であるのが好ましく、50〜75°程度であるのがより好ましい。
【0094】
各種条件を、それぞれ前記範囲に設定することにより、目的とする面積比S/Sの無機酸化物膜31を精度よく形成することができる。
例えば、真空度を高く設定すると、表面積Sが小さくなる傾向を示し、基板温度を高く設定すると、表面積Sが小さくなる傾向を示し、蒸着角度θを大きく設定すると、セルフシャドーイング(自己影づけ)効果により表面積Sが大きくなる傾向を示す。
また、蒸着源810とTFT基板17との方位角度(図5中、角度θ)や、TFT基板17と蒸着源810との離間距離(図5中L)、スリット板820の厚さ(図5中T)やスリット821の幅(図5中W)等を適宜設定することにより、カラム構造の方向均一性を制御すること、すなわち、無機酸化物膜31の配向性を制御することができる。
【0095】
[22] 次に、無機酸化物膜31が形成されたTFT基板17を、前述したようなアルコールを含有する処理液Sに浸漬する。
具体的には、チャンバ910を開放し、無機酸化物膜31が形成されたTFT基板17を搬入して、容器920内に設置する。
次に、チャンバ910を密閉した状態とし、ポンプ962を作動し、この状態で、バルブ963を開くことにより、給液ライン961を介して、処理液Sを貯留タンク964から容器920内に供給する。
【0096】
そして、容器920内に所定量の処理液S、すなわち、TFT基板17が完全に漬かる量の処理液Sを供給すると、ポンプ962を停止するとともに、バルブ963を閉じる。
ここで、アルコールとしては、常温で液状のものであっても、常温で固形状または半固形状のものであってもよい。
常温で液状のアルコールを用いる場合、処理液Sには、このアルコールそのもの(アルコールの含有量がほぼ100%のもの)を用いることができる他、適当な溶媒にアルコールを混合して用いることができる。
【0097】
また、常温で固形状または半固形状のアルコールを用いる場合、処理液Sには、このアルコールを加熱により液状としたものを用いることができる他、適当な溶媒にアルコールを溶解して用いることができる。
アルコールを溶媒に混合または溶解する場合、溶媒には、アルコールを混合または溶解可能であり、かつ、アルコールより極性の低いものが選択される。これにより、溶媒が、後工程[24]における無機酸化物膜31の水酸基とアルコールとの反応を妨げることを防止することができ、化学反応を確実に生じさせることができる。
【0098】
[23] 次に、チャンバ910内(処理液Sが設置された空間)を減圧することにより、無機酸化物膜31の細孔30内に処理液Sを浸透させる。
具体的には、チャンバ910を密閉した状態とし、ポンプ932を作動し、この状態で、バルブ933を開くことにより、排気ライン931を介して、チャンバ910内の気体を処理装置900外に排出する。
チャンバ910内の圧力が徐々に低下することにより、処理液S中および無機酸化物膜31の細孔30内の気体(例えば空気等)が取り除かれ、細孔30内に処理液Sが浸透していく。
【0099】
そして、チャンバ910内が所定の圧力になると、ポンプ932を停止するとともに、バルブ933を閉じる。
このチャンバ910内(空間)の所定の圧力、すなわち、チャンバ910内の真空度は、1×10−4〜1×10Pa程度であるのが好ましく、1×10−2〜1×10Pa程度であるのがより好ましい。これにより、無機酸化物膜31の細孔30内から十分に空気が取り除かれ、細孔30内に処理液Sを十分に浸透させることができる。
次に、ポンプ942を作動し、この状態で、バルブ943を開くことにより、容器920内の余剰の処理液Sを排液ライン941を介して回収タンク944に回収する。
そして、容器920内から処理液Sのほぼ全てが回収されると、ポンプ942を停止するとともに、バルブ943を閉じる。
【0100】
[24] 次に、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に、アルコールを化学結合させる。
具体的には、ステージ950に設けられた加熱手段を作動させることにより、無機酸化物膜31が形成されたTFT基板17を加熱する。
これにより、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に存在する水酸基と、アルコールが有する水酸基との間に脱水縮合反応が生じ、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に、アルコールが化学結合する。
【0101】
その結果、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に沿って、アルコールの主骨格部分を主としてなる被膜32が形成され、配向膜3が得られる。
なお、この加熱を行うのに先立って、必要に応じて、再度、チャンバ910内を減圧するようにしてもよい。
TFT基板17の加熱温度は、特に限定されないが、80〜250℃程度であるのが好ましく、100〜200℃程度であるのがより好ましい。加熱温度が低過ぎると、アルコールの種類や、無機酸化物の種類等によっては、無機酸化物膜31にアルコールを十分に化学結合させることができないおそれがあり、一方、加熱温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が見込めない。
【0102】
また、TFT基板17の加熱時間も、特に限定されないが、20〜180分程度であるのが好ましく、40〜100分程度であるのがより好ましい。加熱時間が短過ぎると、加熱温度等の他の条件によっては、無機酸化物膜31にアルコールを十分に化学結合させることができないおそれがあり、一方、加熱温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が見込めない。
【0103】
以上のように、無機酸化物膜31の表面および細孔30の内面に存在する水酸基と、アルコールとを反応させる方法として、加熱による方法を用いることにより、前記反応を比較的容易かつ確実に行うことができる。
なお、前記反応は、加熱による方法に限定されず、例えば、紫外線の照射、赤外線の照射等により行うこともできる。これらの場合、各処理を行うのに必要な機構(手段)が処理装置900に設けられる。
【0104】
なお、アルコールとして、複数種のものを用いる場合には、前記処理液S中に複数のアルコールを同時に混合するようにしてもよい。この場合、無機酸化物膜31に化学結合する複数種のアルコールの比率は、例えば、処理液中における複数種のアルコールの配合比、種類や分子量、処理条件等を適宜設定することにより調整することができる。
また、各アルコールをそれぞれ含有する複数の処理液を用意し、各処理液を順次用いて、前述したようにしてTFT基板17を処理するようにしてもよい。この場合、最も分子量の小さいアルコールを含有する処理液から、より分子量の大きいアルコールを含有する処理液へと順に変更して、TFT基板17を処理するのが好ましい。これにより、低分子量のアルコールを細孔30の奥にまでより確実に化学結合させることができる。
【0105】
さらに、無機酸化物膜31の表面付近に選択的にアルコールが化学結合していればよい場合には、無機酸化物膜31の表面に処理液Sを単に接触させるようにすればよい。これにより、前述したような処理装置900の使用を省略することができ、液晶パネル1の製造工程の簡略化や、製造コストの低減を図ることができる。
無機酸化物膜31に処理液Sを接触させる方法としては、例えば、無機酸化物膜31に処理液Sを塗布する方法(塗布法)、無機酸化物膜31が形成されたTFT基板17を処理液Sに浸漬する方法(浸漬法)、無機酸化物膜31を処理液Sの蒸気に曝す方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0106】
なお、塗布法には、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
なお、減圧する方法を用いることにより、前述したような関係を満足する配向膜3、4をより確実に得ることができる。
また、以上のような水酸基低減処理は、配向膜3、4が、前述したような関係を満足するまで、1回または複数回繰り返し行う。
【0107】
[3] 次に、配向膜3、4を対向させ、TFT基板17と液晶パネル用対向基板12とをシール材(図示せず)を介して接合し、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)から液晶(液晶組成物)を空隙部内に注入した後、かかる封入孔を塞ぐ。
なお、上記液晶パネル1では、液晶駆動基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。
【0108】
次に、本発明の電子機器の一例として、上記液晶パネル1を用いた電子機器(液晶プロジェクタ)について説明する。
図6は、本発明の電子機器(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。
【0109】
また、照明光学系は、インテグレータレンズ302および303を有している。色分離光学系は、ミラー304、306、309、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ310、311、312、313および314とを有している。
【0110】
液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パネル1を備えている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライトバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ24、25および26が備えている液晶パネル1は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。
【0111】
以下、投射型表示装置300の作用を説明する。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。また、投射型表示装置300では、耐光性に優れた液晶パネル1を用いているため、光源301から出射される光の強度が大きい場合であっても、優れた長期安定性が得られる。
【0112】
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図6中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図6中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図6中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。
【0113】
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図6中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。
【0114】
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図6中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図6中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。
このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル1の各画素(薄膜トランジスタ173とこれに接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
【0115】
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞれの液晶パネル1で変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ25が有する液晶パネル1の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パネル1の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
【0116】
前記液晶ライトバルブ24により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211で図6中左側に反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出射面216から出射する。
また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
【0117】
また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図6中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
このように、前記液晶ライトバルブ24、25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ24、25および26により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ22により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。
【0118】
本実施形態の投射型表示装置300は、3個の液晶パネルを有するものであり、これらの全てに液晶パネル1を適用したものについて説明したが、これらのうちの少なくとも1つが、液晶パネル1であればよい。この場合、少なくとも、青色用の液晶ライトバルブに液晶パネル1を適用するのが好ましい。
なお、本発明の電子機器は、図6の投射型表示装置の他にも、例えば、パーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話機(PHSを含む)、ディジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータなどが挙げられる。そして、これらの各種電子機器が表示部、モニタ部に備える液晶パネルに、本発明を適用可能なことは言うまでもない。
【0119】
以上、本発明の電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0120】
また、本発明の電子デバイス用基板は、前記実施形態で説明した構成の液晶パネルへの適用に限定されず、例えば、同一基板上に、液晶層に電圧を印加する一対の電極を設けた構成の液晶パネルに適用することができる。
さらに、本発明の電子デバイス用基板は、液晶パネルへの適用に限定されず、例えば、有機トランジスタ等に適用することもできる。この場合、かかる電子デバイス用基板を用いることにより、有機半導体層の配向方向を規制して、キャリア移動度の向上を図ることができる。
なお、電子デバイス用基板を一対で用いることを要さない場合、すなわち、一つの電子デバイス用基板を用いる場合、無機酸化物膜の水酸基低減処理には、前述したアルコールやカップリング剤のような各種処理剤のうち、適当なものを1種または2種以上組み合わせて用いるようにすればよい。
【実施例】
【0121】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.配向膜付きTFT基板の作製
以下において、各サンプルNo.の配向膜付きTFT基板を、それぞれ、複数個ずつ作製した。
【0122】
(サンプルNo.A1)
<1A> まず、図1に示すTFT基板を用意し、真空蒸着装置のチャンバ内に基板面が蒸着源に対して、角度θ1が50°となるようにセットした。また、スリット板の厚さは1.5cm、スリットの幅は2.0cmとし、蒸着角度θは60°、蒸着距離は1.5m、基板の稼動速度(移動速度)は2.5cm/分とした。
そして、チャンバ内を減圧(1×10−4Pa)し、基板温度110℃、蒸着レート10Å/秒で、SiOを斜方蒸着して、斜方蒸着膜(無機酸化物膜)付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0123】
<2A> 次に、斜方蒸着膜付きTFT基板を、クリーンオーブン中、200℃×90分間で加熱し、加熱終了直後、乾燥窒素雰囲気中に移動し、そのまま放置した。
<3A> 次に、2−プロパノール(分子量:60)を用意し、ろ過フィルターを用いてイオン性不純物を除去した後、窒素バブリングにより微量含有水分を除去して、処理液を調整した。
【0124】
<4A> 次に、図4に示す処理装置内に、斜方蒸着膜付きTFT基板を搬入し、容器(ポリテトラフルオロエチレン製)内に、斜方蒸着膜を上にして設置した。
そして、チャンバを密閉した後、準備した処理液を容器内に供給して、斜方蒸着膜付きTFT基板を処理液に浸漬させた。
<5A> 次に、前記工程<4A>の状態で、チャンバ内を100Paに減圧した。
これにより、斜方蒸着膜の細孔内の気体を処理液に置換した。すなわち、細孔内に処理液を浸透させた。
【0125】
<6A> 次に、過剰な処理液を容器から排出した後、再度、チャンバ内を133Pa(1Torr)に減圧し、基板を150℃×1時間で加熱した。
これにより、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、2−プロパノールを化学結合させた。
<7A> 加熱終了後、減圧状態を維持しつつ、放冷した。
以上のようにして、配向膜付きTFT基板を得た。
【0126】
(サンプルNo.A2)
前記工程<6A>において、基板を100℃×1時間で加熱した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0127】
(サンプルNo.A3)
前記工程<2A>において、斜方蒸着膜付きTFT基板を200℃×180分間で加熱した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0128】
(サンプルNo.A4)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0129】
(サンプルNo.A5)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.A2と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0130】
(サンプルNo.A6)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.A3と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0131】
(サンプルNo.A7)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えてオクタドデシルアルコール(分子量:298)のトルエン溶液を用いた以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0132】
(サンプルNo.A8)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えてコレスタノール(分子量:389)のトルエン溶液を用いた以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0133】
(サンプルNo.A9)
前記工程<6A>において、基板の加熱を省略した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0134】
(サンプルNo.A10)
前記工程<2A>において、斜方蒸着膜付きTFT基板の加熱を省略した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0135】
(サンプルNo.A11)
前記工程<6A>において、基板を100℃×30分で加熱した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0136】
(サンプルNo.A12)
前記工程<2A>において、斜方蒸着膜付きTFT基板を250℃×180分間で加熱した以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0137】
(サンプルNo.A13)
前記工程<3A>において、2−プロパノールに代えてn−ヘキサンを用いた以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0138】
(サンプルNo.A14)
前記工程<3B>を省略し、前記工程<4A>〜前記工程<6A>に代えて、以下に示すような工程<4A’>〜工程<6A’>とした以外は、前記サンプルNo.A1と同様にして、配向膜付きTFT基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔のTFT基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0139】
<4A’> 次に、真空蒸着装置のチャンバ内に、斜方蒸着膜付きTFT基板の斜方蒸着膜が形成されている側の面を鉛直下方となるようにセットするとともに、オクタドデシルアルコールを材料供給部にセットした。
<5A’> 次に、前記工程<4A’>の状態で、斜方蒸着膜付きTFT基板を110℃に加熱するとともに、チャンバ内を100Paに減圧した。その後、材料供給部を加熱することにより、オクタドデシルアルコールを蒸発させた。
これにより、斜方蒸着膜の細孔内の気体を気化したオクタドデシルアルコールに置換するとともに、細孔内の表面に固形物状のオクタドデシルアルコールを付着させた。
【0140】
<6A’> 次に、チャンバ内の減圧状態を維持しつつ、基板を150℃×1時間で加熱した。
これにより、過剰に付着しているオクタドデシルアルコールを除去するとともに、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、オクタドデシルアルコールを化学結合させた。
【0141】
2.配向膜付き液晶パネル用対向基板の作製
以下において、各サンプルNo.の配向膜付き液晶パネル用対向基板を、それぞれ、複数個ずつ作製した。
(サンプルNo.B1)
<1B> まず、図1に示す液晶パネル用対向基板を用意し、真空蒸着装置のチャンバ内に基板面が蒸着源に対して、角度θ1が50°となるようにセットした。また、スリット板の厚さは1.5cm、スリットの幅は2.0cmとし、蒸着角度θは60°、蒸着距離は1.5m、基板の稼動速度(移動速度)は2.5cm/分とした。
【0142】
そして、チャンバ内を減圧(1×10−4Pa)し、基板温度110℃、蒸着レート10Å/秒で、SiOを斜方蒸着して、斜方蒸着膜(無機酸化物膜)付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0143】
<2B> 次に、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を、クリーンオーブン中、200℃×90分間で加熱し、加熱終了直後、乾燥窒素雰囲気中に移動し、そのまま放置した。
<3B> 次に、2−プロパノール(分子量:60)を用意し、ろ過フィルターを用いてイオン性不純物を除去した後、窒素バブリングにより微量含有水分を除去して、処理液を調整した。
【0144】
<4B> 次に、図4に示す処理装置内に、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を搬入し、容器(ポリテトラフルオロエチレン製)内に、斜方蒸着膜を上にして設置した。
そして、チャンバを密閉した後、準備した処理液を容器内に供給して、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を処理液に浸漬させた。
<5B> 次に、前記工程<4B>の状態で、チャンバ内を100Paに減圧した。
これにより、斜方蒸着膜の細孔内の気体を処理液に置換した。すなわち、細孔内に処理液を浸透させた。
【0145】
<6B> 次に、過剰な処理液を容器から排出した後、再度、チャンバ内を133Pa(1Torr)に減圧し、基板を150℃×1時間で加熱した。
これにより、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、2−プロパノールを化学結合させた。
<7B> 加熱終了後、減圧状態を維持しつつ、放冷した。
以上のようにして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を得た。
【0146】
(サンプルNo.B2)
前記工程<6B>において、基板を100℃×1時間で加熱した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0147】
(サンプルNo.B3)
前記工程<2B>において、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を200℃×180分間で加熱した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0148】
(サンプルNo.B4)
前記工程<3B>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0149】
(サンプルNo.B5)
前記工程<3B>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.B2と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0150】
(サンプルNo.B6)
前記工程<3B>において、2−プロパノールに代えて1−ヘキサノール(分子量:130)を用いた以外は、前記サンプルNo.B3と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0151】
(サンプルNo.B7)
前記工程<6B>において、基板の加熱を省略した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0152】
(サンプルNo.B8)
前記工程<2B>において、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板の加熱を省略した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0153】
(サンプルNo.B9)
前記工程<6B>において、基板を100℃×30分で加熱した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが50nmであった。
【0154】
(サンプルNo.B10)
前記工程<2B>において、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を250℃×180分間で加熱した以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが40nmであった。
【0155】
(サンプルNo.B11)
前記工程<3B>において、2−プロパノールに代えてn−ヘキサンを用いた以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0156】
(サンプルNo.B12)
前記工程<3B>を省略し、前記工程<4B>〜前記工程<6B>に代えて、以下に示すような工程<4B’>〜工程<6B’>とした以外は、前記サンプルNo.B1と同様にして、配向膜付き液晶パネル用対向基板を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜は、その細孔の液晶パネル用対向基板の上面に対する角度が約70°であり、平均厚さが45nmであった。
【0157】
<4B’> 次に、真空蒸着装置のチャンバ内に、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板の斜方蒸着膜が形成されている側の面を鉛直下方となるようにセットするとともに、オクタドデシルアルコールを材料供給部にセットした。
<5B’> 次に、前記工程<4B’>の状態で、斜方蒸着膜付き液晶パネル用対向基板を110℃に加熱するとともに、チャンバ内を100Paに減圧した。その後、材料供給部を加熱することにより、オクタドデシルアルコールを蒸発させた。
これにより、斜方蒸着膜の細孔内の気体を気化したオクタドデシルアルコールに置換するとともに、細孔内の表面に固形物状のオクタドデシルアルコールを付着させた。
<6B’> 次に、チャンバ内の減圧状態を維持しつつ、基板を150℃×1時間で加熱した。
これにより、過剰に付着しているオクタドデシルアルコールを除去するとともに、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、オクタドデシルアルコールを化学結合させた。
【0158】
3.SFG強度比(pH11/pH7)の算出
各サンプルNo.の基板を所定のサイズ(2.5cm×2.5cm)に切断して、この切片をそれぞれ、図3に示す測定装置700に設置し、和周波発生(SFG)法により、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークを、pH11の電解質水溶液を接触させた場合と、pH7.0の電解質水溶液を接触させた場合とで測定し、それぞれのピークの比すなわち、SFG強度比(pH11/pH7)を算出した。
【0159】
<1C> 具体的には、まず、図3に示す測定装置700に設けられた開口部721に、各切片に形成された配向膜3(4)が蓋720の内側を向くように設置、固定した。
<2C> 次に、可視光作成手段741から出射した可視光740と、赤外光作成手段751から出射した赤外光750とを、電解質水溶液を接触させていない状態で、配向膜の同一箇所に照射し、発生した和周波光760を分光器(図示せず)を備える検出器761により測定(検出)した。そして、この測定値をオフセット値として使用した。
【0160】
なお、可視光740の出射、赤外光750の出射および和周波光760の検出は、それぞれ、以下のようにして行った。
すなわち、光源754としては、チタンサファイヤ再生増幅器(波長:800nm程度、パルス幅:120フェムト秒程度、パルスエネルギー3mJ程度、繰返周波数:1kHz程度)を用いた。
【0161】
そして、この光源754から出射される基本波753を分光器(図示せず)により可視光740および赤外光750を得るための2mJの分割波742および1mJの分割波752に分割した。
そして、分割波742を、回折格子を備える可視光作成手段741に入射させた。これにより、分割波742を二分し、逆方向にチャープさせた後、これらを再び合成して狭帯域の可視光740(波長:530nm、波数半値全幅:10cm−1)を可視光作成手段741から出射させた。
【0162】
また、1つの波の周波数が2つの波の周波数の和と等しくなるように、1つの波を二分する光パラメトリック発生増幅器(OPG/OPA)と、波の周波数に差を発生させる差周波発生器(DFG)とを備える赤外光作成手段751に分割波752を入射させることにより、広帯域の赤外光750(波長:2.3〜8.5μm、波数半値全幅:250cm−1)を赤外光作成手段751から出射させた。
【0163】
さらに、可視光740と赤外光750とにより発生した和周波光760は、分光器(焦点距離f:35cm)により分散した後、検出器(CCD検出器)761により検出した。
なお、和周波光760、可視光740および赤外光750の偏光状態は、それぞれ、s−SFG、s−Visおよびp−IRとした。
【0164】
<3C> 次に、pH=7の電解質水溶液(炭酸水素ナトリウム水溶液、溶液温度:25℃)を、空間790内をほぼ満量となるように充填した状態で、すなわち、pH=7の電解質水溶液に配向膜3(4)を接触させた状態で、可視光740と赤外光750とを配向膜3(4)の同一箇所に照射して、発生した和周波光760を検出した。そして、前記工程<2C>で測定された測定値をオフセット値として用いて、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度(pH=7)を求めた。
【0165】
<4C> 次に、pH=7の電解質水溶液を空間790内から排出した後、pH=11の電解質水溶液(リン酸ナトリウム水溶液、溶液温度:25℃)を、空間790内をほぼ満量となるように充填した状態で、可視光740と赤外光750とを配向膜3(4)の同一箇所に照射して、発生した和周波光760を検出した。そして、前記工程<3C>で説明したのと同様にして、波数3100〜3300cm−1の範囲に存在する水分子に由来するピークの強度(pH=11)を求めた。
【0166】
<5C> 次に、これらのピーク強度(pH=7)およびピーク強度(pH=7)から、ピーク強度(pH=7)に対するピーク強度(pH=11)の比、すなわち、SFG強度比(pH11/pH7)を算出した。
そして、各サンプルNo.の基板から得られた切片について、前記工程<1C>〜前記工程<5C>で説明した測定を行い、それぞれの切片のSFG強度比(pH11/pH7)を算出した。
【0167】
4.液晶パネルの製造
以下において、各実施例および各比較例の液晶パネルを、それぞれ製造した。
(実施例1)
まず、サンプルNo.A1の配向膜付きTFT基板に対し、配向膜を形成した面の外周部に沿って、液晶注入口となる部分を残して、熱硬化型接着剤(日本化薬社製、「ML3804P」)を印刷し、80℃×10分間加熱して溶媒を除去した。
なお、熱硬化型接着剤は、直径約3μmのシリカ球を混合したエポキシ樹脂である。
【0168】
次に、サンプルNo.B1の配向膜付き液晶パネル用対向基板の配向膜を形成した面を内側にして、2枚の基板を圧着しつつ、140℃×1時間で加熱することにより貼り合わせた。
なお、2枚の基板は、配向膜の配向が互いに180°となるように配置した。
次に、2枚の基板を貼り合わせて形成された内側の空間に、液晶注入口から、フッ素系の負の誘電異方性液晶(メルク社製、「MLC−6610」)を真空注入法により注入した。
次に、液晶注入口をアクリル系のUV接着剤(ヘンケルジャパン社製、「LPD−204」)を用いて、波長365nmのUVを3000mJ/cm照射して硬化し、液晶注入口を封止した。
以上のようにして、液晶パネルを製造した。
【0169】
(実施例2)
サンプルNo.A2の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B2の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(実施例3)
サンプルNo.A3の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B3の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0170】
(実施例4)
サンプルNo.A4の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B4の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(実施例5)
サンプルNo.A5の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B5の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0171】
(実施例6)
サンプルNo.A6の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B6の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(実施例7)
サンプルNo.A7の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B1の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0172】
(実施例8)
サンプルNo.A8の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B1の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(実施例9)
サンプルNo.A14の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B12の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0173】
(比較例1)
サンプルNo.A9の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B7の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(比較例2)
サンプルNo.A10の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B8の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0174】
(比較例3)
サンプルNo.A11の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B9の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(比較例4)
サンプルNo.A12の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B10の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
(比較例5)
サンプルNo.A13の配向膜付きTFT基板と、サンプルNo.B11の配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルを製造した。
【0175】
5.液晶パネルの耐光性試験
耐光性試験は、各実施例および各比較例で製造した液晶パネルを、それぞれ、図5に示す投射型表示装置の青色用の液晶ライトバルブとしてセットして、液晶パネルの表面温度を55℃に保ちつつ、光源を連続点灯し、表示異常が発生するまでの時間を測定した。
なお、光源には、130WUHPランプ(フィリップス社製)を用いた。
この結果を、下記表1に示す。
【0176】
【表1】


【0177】
なお、表1には、各実施例および各比較例で製造した液晶パネルの配向膜についての要約とSFG強度比(pH11/pH7)とを示した。
また、表1には、比較例1の液晶パネルにおいて表示異常が発生するまでの時間を「1.0」とし、実施例1〜9および比較例2〜5の液晶パネルにおいて表示異常が発生するまでの時間を、それぞれ、相対値で示した。
【0178】
表1に示すように、各実施例の液晶パネルは、いずれも、各比較例の液晶パネルに対して、表示異常が発生するまでの時間が長くなることが明らかとなった。
なお、比較例5の液晶パネルでは、液晶が配向しなかった。
また、SiOに代えて、前記と同様にして、Alで無機酸化物膜を形成した配向膜付きTFT基板および配向膜付き液晶パネル用対向基板を用いて、液晶パネルを製造し、前記と同様にして評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の電子デバイス用基板を適用した液晶パネルの実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1に示す液晶パネルが備える配向膜の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】和周波発生法による測定に用いる測定装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の電子デバイス用基板の製造方法に用いる処理装置の構成を示す模式図である。
【図5】真空蒸着装置の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の電子機器を適用した投射型表示装置の光学系を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0180】
1……液晶パネル 2……液晶層 3、4……配向膜 30、40……細孔 31、41……無機酸化物膜 32、42……被膜 11……マイクロレンズ基板 111……マイクロレンズ用凹部付き基板 112……凹部 113……マイクロレンズ 114……表層 115……樹脂層 12……液晶パネル用対向基板 13……ブラックマトリックス 131……開口 14……透明導電膜 17……TFT基板 171……ガラス基板 172……画素電極 173……薄膜トランジスタ 700……測定装置 710……容器 711……供給口 712……排出口 720……蓋 721……開口部 730……プリズム 740……可視光 741……可視光作成手段 742、752……分割波 750……赤外光 751……赤外光作成手段 753……基本波 754……光源 760……和周波光 761……検出器 790……空間 800……無機酸化物(原料) 810……蒸着源 820……スリット板 821……スリット 830……駆動装置 900……処理装置 910……チャンバ 920……容器 930……排気手段 931……排気ライン 932……ポンプ 933……バルブ 940……排液手段 941……排液ライン 942……ポンプ 943……バルブ 944……回収タンク 950……ステージ 960……給液手段 961……給液ライン 962……ポンプ 963……バルブ 964……貯留タンク S……処理液 300……投射型表示装置 301……光源 302、303……インテグレータレンズ 304、306、309……ミラー 305、307、308……ダイクロイックミラー 310〜314……集光レンズ 320……スクリーン 20……光学ブロック 21……ダイクロイックプリズム 211、212……ダイクロイックミラー面 213〜215……面 216……出射面 22……投射レンズ 23……表示ユニット 24〜26……液晶ライトバルブ




 

 


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