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発明の名称 液晶表示装置および電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25729(P2007−25729A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2006−295414(P2006−295414)
出願日 平成18年10月31日(2006.10.31)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 土屋 仁
要約 課題
液晶層厚調整層40の傾斜領域41における光漏れにより、コントラストを低下させることのない液晶表示装置を提供する。

解決手段
光源側基板10と観察者側基板20との間に液晶層50を挟持してなり、1つのドット領域内に透過表示領域Tと反射表示領域Rとが設けられた液晶表示装置であって、観察者側基板20と液晶層50との間には、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚さを透過表示領域Tにおける液晶層50の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層40が設けられ、透過表示領域Tおよび反射表示領域Rの間における液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように、ゲート線3aが配設されている構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなり、画像表示単位となるドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、前記第1基板および前記第2基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくする液晶層厚調整層が設けられ、該液晶層厚調整層は前記透過表示領域と前記反射表示領域との間に傾斜領域を有した液晶表示装置であって、
前記第2基板には複数の前記ドット領域を連通する複数の金属配線が延設されており、前記液晶層厚調整層はそれぞれの前記金属配線と平行に配設された複数の前記傾斜領域を有しており、前記傾斜領域と前記金属配線が平面視において重なるように配置されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記液晶層厚調整層は、前記第1基板に設けられ、
前記金属配線の幅は、前記液晶層厚調整層の傾斜領域の幅よりも広く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶層厚調整層は、前記第2基板に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記金属配線は、前記ドット領域のスイッチング素子に接続される走査線であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記金属配線は、前記ドット領域の蓄積容量を構成する容量線であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
観察者側基板(第1基板)と光源側基板(第2基板)との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の一種として、反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型の液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型の液晶表示装置として、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を光源側基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。反射モードでは、観察者側基板から入射した外光が、液晶層を通過した後に光源側基板の内側の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して観察者側基板から出射されて表示に寄与する。一方、透過モードでは、光源側基板から入射した光源光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、観察者側基板から観察者側に出射されて表示に寄与する。したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となっている。
【0003】
ところが、従来の半透過反射型の液晶表示装置には、透過表示での視角が狭いという課題があった。これは、視差が生じないよう液晶セルの内面に半透過反射板を設けている関係で、観察者側に備えた1枚の偏光板だけで反射表示を行わなければならないという制約があり、光学設計の自由度が小さいためである。そこで、この課題を解決するために、Jisakiらは、下記の非特許文献1において、垂直配向液晶を用いる新しい液晶表示装置を提案した。その特徴は、以下の3つである。
(1)誘電率異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域との液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形のサブドットに分割し、この領域内で液晶が放射状に倒れるように、観察者側基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
【0004】
半透過反射型の液晶表示装置において、特許文献1のようなマルチギャップ構造を具備させることは非常に有効である。なぜなら、透過表示領域では入射光が液晶層を1回しか透過しないが、反射表示領域では入射光が液晶層を2回透過するため、透過表示領域と反射表示領域とのリタデーション(位相差)に差異が生じるからである。そこで、マルチギャップ構造によってリタデーションを調節することにより、透過表示領域と反射表示領域との光透過率が均一化され、表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
【0005】
また、配向分割構造を採用しない場合には、電界印加により液晶分子はランダムな方向に傾倒し、異なる液晶配向領域の境界に不連続線(ディスクリネーション)が現れて残像等の原因になる。また、異なる液晶配向領域は異なる視角特性を有するため、斜め方向から見た場合にざらざらとしたシミ状のムラとして見えることになる。これに対して、配向分割構造を採用することにより、電界印加時に液晶分子を所定方向に配向させることが可能になる。したがって、視野角が広く表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−242226号公報
【非特許文献1】"Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment", M.Jisaki et al., Asia Display/ID W’01, p.133-136(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、マルチギャップ構造を実現する液晶層厚調整層では、透過表示領域と反射表示領域との境界部に傾斜領域が形成される。その傾斜領域では、表面の配向膜に対して垂直に液晶分子が配向するため、基板と垂直な方向に屈折率異方性を示すことになり、他の領域とリタデーションに差異が生じる。その結果、黒表示において傾斜領域に光漏れが発生し、コントラストを低下させることになる。
【0008】
このような問題に鑑みて、特許文献1では、液晶層厚調整層の傾斜領域をAl等の反射電極で覆うことにより、当該部分における光漏れを防止している。しかしながら、透過表示領域と反射表示領域との境界部にサブドットの連結部を配置した場合には、反射電極によって傾斜領域の全体を覆うことができないという問題がある。これにより、コントラストの低下を招いている。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、液晶層厚調整層の傾斜領域における光漏れにより、コントラストを低下させることのない液晶表示装置の提供を目的とする。また、表示品質に優れた電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持してなり、画像表示単位となるドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とが設けられ、前記第1基板および前記第2基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくする液晶層厚調整層が設けられ、該液晶層厚調整層は前記透過表示領域と前記反射表示領域との間に傾斜領域を有した液晶表示装置であって、前記第2基板には複数の前記ドット領域を連通する複数の金属配線が延設されており、前記液晶層厚調整層はそれぞれの前記金属配線と平行に配設された複数の前記傾斜領域を有しており、前記傾斜領域と前記金属配線が平面視において重なるように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2基板から液晶層厚調整層の傾斜領域に入射する光は、第2基板に配設された金属配線によって遮断される。一方、第1基板から液晶層厚調整層の傾斜領域に入射する光は、液晶層を透過し、金属配線の表面で正反射されることになる。しかしながら、液晶表示装置の観察者は、正反射した照明光が目に入らないように、視角を調整しつつ観察する。したがって、液晶層厚調整層の傾斜領域を画像表示から除外することが可能になり、光漏れによるコントラストの低下を防止することができる。
【0011】
また、前記液晶層厚調整層は、前記ドット領域の長辺方向の端部に設けられ、前記液晶層厚調整層の傾斜領域は、前記ドット領域の短辺と平行に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、金属配線を直線状に形成することができるので、金属配線の抵抗率の低減および信頼性の向上が可能になる。
【0012】
また、前記液晶層厚調整層は、前記第1基板に設けられ、前記金属配線の幅は、前記液晶層厚調整層の傾斜領域の幅よりも広く形成されていることが望ましい。
この構成によれば、第1基板と第2基板とを貼り合わせる際に両者の相対位置がずれた場合でも、液晶層厚調整層の傾斜領域と金属配線とを平面視において重ねることができる。したがって、光漏れによるコントラストの低下を確実に防止することができる。
【0013】
また、前記液晶層厚調整層は、前記第2基板に設けられていることが望ましい。
この構成によれば、第1基板と第2基板との貼り合わせに起因する液晶層厚調整層の傾斜領域と金属配線との位置ずれは発生しない。したがって、光漏れによるコントラストの低下を確実に防止することができる。
【0014】
また、前記金属配線は、前記ドット領域のスイッチング素子に接続される走査線であることが望ましい。また、前記金属配線は、前記ドット領域の蓄積容量を構成する容量線であってもよい。
ドット領域の短辺と平行に配設される走査線または容量線を、本発明の金属配線として採用することにより、本発明の構成を低コストで実現することができる。
【0015】
一方、本発明の電子機器は、上述した液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、表示品質に優れた電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶表示装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味しているものとする。
【0017】
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置につき、図1ないし図3を用いて説明する。図3に示すように、第1実施形態に係る液晶表示装置は、光源側基板(第2基板)10および観察者側基板(第1基板)20により液晶層50を挟持してなり、画像表示単位となるドット領域内に透過表示領域Tと反射表示領域Rとが設けられた半透過反射型の液晶表示装置であって、反射表示領域Rにおける観察者側基板20には液晶層厚調整層40が設けられ、透過表示領域Tおよび反射表示領域Rの間に形成された液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように、光源側基板10にゲート線3aが配設されているものである。なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」という)素子を用いた、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例にして説明する。また、誘電率異方性が負の液晶材料により液晶層50を構成した場合を例にして説明する。
【0018】
(等価回路)
図1は、液晶表示装置の等価回路図である。液晶表示装置の画像表示領域には、データ線6aおよびゲート線3aが格子状に配置され、両者の交点付近に画像表示単位であるドットが配置されている。そして、マトリクス状に配置された複数のドットには、それぞれ画素電極9が形成されている。その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
【0019】
また、TFT素子30のゲートには、ゲート線(走査線)3aが電気的に接続されている。ゲート線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gnが供給される。なお走査信号G1、G2、…、Gnは、各ゲート線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子30のドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。そして、ゲート線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gnにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
【0020】
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。そして、上記のように液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となっている。
【0021】
(平面構造)
図2は、画素の平面構造の説明図であり、図3のB−B線における平面断面図である。
上述したように、アクティブマトリクス型の液晶表示装置では、画素電極9の形成領域が画像表示単位となっている。したがって、画像表示単位となるドット領域は、画素電極9の形成領域に一致している。また液晶表示装置には、RGB三原色のカラーフィルタを伴ってRGB三原色の画像表示単位となるドット90R,90G,90Bが形成されている。そして、この3つのドット90R,90G,90Bにより1つの画素90が構成されている。
【0022】
画素電極9は、複数のサブドットで構成されている。図2の例では、第1サブドット91、第2サブドット92および第3サブドット93が、ドット領域の長辺方向に配列されて、画素電極9が構成されている。そのうち、第1サブドット91は、金属膜からなる反射電極9bで構成されている。また、第2サブドット92および第3サブドット93は、透明導電膜からなる透明電極9aで構成されている。なお、第1サブドット91を構成する反射電極9bの表面や、各サブドット間の連結部91a,93aにも透明導電膜が配設されて、各サブドットが団子状に導電接続されている。
【0023】
サブドットの平面形状は、円形状や多角形状(本実施形態では正8角形)等とされている。そして、この画素電極9に通電すると、画素電極9の表面に対して垂直に配向していた液晶分子が、画素電極9の表面に対して平行に再配向する。その際、液晶分子は、サブドットの周縁部から中央部に向かって放射状に傾倒することになる。これにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことができるので、視野角の広い液晶表示装置を提供することができるようになっている。
【0024】
一方、隣接するドット領域を連通するように、Al等の金属材料からなるデータ線6a、ゲート線3aおよび容量線3bが配設されている。また、上述した第1サブドット91と第2サブドット92との間の側方には、半導体層1aが形成されている。そして、その半導体層の表面にゲート線3aが配設され、またデータ線および画素電極9が接続されて、TFT素子30が形成されている。なおTFT素子30は、第1サブドット91を構成する反射電極の外側に配設してもよい。この場合、反射電極をTFT素子に対する遮光膜として機能させることが可能になり、また開口率を向上させることが可能になる。
【0025】
(断面構造)
図3は、図2のA−A線に沿う側面断面図である。図3に示すように、本実施形態の液晶表示装置は、相互に対向する光源側基板10と観察者側基板20とを主体として構成されており、両基板10,20の間には液晶層50が挟持されている。
【0026】
光源側基板10は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体10Aを備えている。また、基板本体10Aの内側(図示上側)には、素子部12が配置されている。その素子部12には、上述したTFT素子(不図示)のほか、ゲート線3aや容量線3b等の各種配線が形成されている。なお図3では、理解を容易にするため、ゲート線3aおよび容量線3b以外の各種配線や層間絶縁膜等の記載を省略している。
【0027】
素子部12の内側には、画素電極9が形成されている。画素電極9は、透明電極9aおよび反射電極9bで構成されている。まず、画素電極9の一方端部に配置された第1サブドット91は、反射電極9bで構成されている。この反射電極9bは、アクリル等の樹脂膜(不図示)の表面に、AlやAg等の反射率の高い金属膜を配置して形成されている。なお、樹脂膜の表面に形成された凹凸に倣って、金属膜の表面にも凹凸が形成されている。これにより、反射電極9bは入射光を拡散反射しうるようになっている。
【0028】
一方、画素電極9の第2サブドット92および第3サブドット93は、透明電極9aで構成されている。この透明電極9aは、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)や、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide;IZO(登録商標)、出光興産株式会社製)等からなる透明導電膜で形成されている。また、第1サブドット91を構成する反射電極9bの表面や、各サブドット間の連結部91a,93aにも透明導電膜が配設され、画素電極を構成するサブドット91,92,93が導通接続されている。
そして、反射電極9bの形成領域が反射表示領域Rとされ、透明電極9aの形成領域が透過表示領域Tとされている。
【0029】
一方、観察者側基板20は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体20Aを備えている。また、基板本体20Aの内側(図示下側)には、カラーフィルタ層24が形成されている。カラーフィルタ層24は、RGB三原色のうちいずれか1色を透過するカラーフィルタが、各ドット領域に対応して周期的に配列された構成となっている。
【0030】
また、カラーフィルタ層24の内側には、アクリル樹脂等の電気絶縁性材料からなる液晶層厚調整層40が設けられている。この液晶層厚調整層40は反射表示領域Rに形成され、その厚さは例えば0.5〜2.5μm程度とされている。これにより、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が、透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されて、マルチギャップ構造が実現されている。
なお、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層40の傾斜領域41が形成されている。これにより、反射表示領域Rから透過表示領域Tにかけて液晶層50の層厚が連続的に変化するようになっている。この傾斜領域41の傾斜角は、一般に10°〜30°程度とされている。
【0031】
さらに、カラーフィルタ層24の内側から液晶層厚調整層40の内側にかけて、観察者側基板の内側全面に、ITO等の透明導電性材料からなる共通電極21が形成されている。
なお、図示しないが、光源側基板10における画素電極9の表面と、観察者側基板20における共通電極21および突起18の表面とには、ポリイミド等からなる配向膜が形成されている。この配向膜は、その表面に対して液晶分子を垂直配向させるものであるが、ラビングなどのプレチルトを付与する処理は施されていない。
【0032】
加えて、共通電極21の内側には、樹脂等の誘電物質からなる突起18が形成されている。この突起18は、フォトリソグラフィ技術等により、錐形状や錘台形状、半球形状等に形成されている。突起18は、光源側基板10に形成された画素電極9のサブドット91,92,93の中央部に相当する位置に配置されている(図2参照)。
【0033】
そして、図3に示す画素電極9と共通電極21との間に電界を印加すると、突起18の表面に対して垂直に配向していた液晶分子が、共通電極21の表面に対して平行に再配向する。その際、液晶分子は突起18を中心として放射状に傾倒することになる。これにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。なお、突起18以外の配向規制手段として、共通電極21にスリットを形成してもよい。
【0034】
一方、光源側基板10と観察者側基板20との間には、誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50が挟持されている。この液晶材料は、液晶分子51により概念的に示すように、電界無印加時には配向膜の表面に対して垂直に配向し、電界印加時には配向膜の表面に対して平行に(すなわち、電界方向と垂直に)配向するものである。なお、光源側基板10および観察者側基板20の周縁部に塗布されたシール材(不図示)により、光源側基板10および観察者側基板20が相互に接着されるとともに、光源側基板10および観察者側基板20とシール材とによって形成される空間に液晶層50が封入されている。また液晶層50の厚さ(セルギャップ)は、一方の基板から立設したフォトスペーサ(不図示)を他方の基板に当接させることによって規制されている。
【0035】
また、光源側基板10の外側には位相差板26及び偏光板27が設けられ、観察者側基板20の外側にも位相差板36及び偏光板37が設けられている。この偏光板27,37は、特定方向に振動する直線偏光のみを透過させる機能を有する。また位相差板26,36として、可視光の波長に対して略1/4波長の位相差を持つλ/4板が採用されている。なお、偏光板27,37の透過軸と位相差板26,36の遅相軸とが約45°をなすように配置されて、偏光板27,37および位相差板26,36により円偏光板が構成されている。この円偏光板により、直線偏光は円偏光に変換され、円偏光は直線偏光に変換される。また、偏光板27の透過軸および偏光板37の透過軸は直交するように配置され、位相差板26の遅相軸および位相差板36の遅相軸も直交するように配置されている。さらに、光源側基板10の偏光板27の外側には、光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(照明手段)60が設置されている。
【0036】
図3に示す半透過反射型の液晶表示装置では、以下のようにして画像表示が行われる。まず、観察者側基板20の上方から反射表示領域Rに入射した光は、偏光板37および位相差板36を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。なお、電界無印加時において基板と垂直に配向している液晶分子には屈折率異方性がないので、入射光は円偏光を保持したまま液晶層50を進行する。さらに反射電極9bにより反射され、位相差板36を再透過した入射光は、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板37を透過しない。一方、バックライト60から透過表示領域Tに入射した光も同様に、偏光板27および位相差板26を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。さらに位相差板36を透過した入射光は、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板37を透過しないので、本実施形態の液晶表示装置では、電界無印加時において黒表示が行われる(ノーマリーブラックモード)。
【0037】
一方、液晶層50に電界を印加すると、液晶分子が基板と平行に再配向して、屈折率異方性を具備する。そのため、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて液晶層50に入射した円偏光は、液晶層50を透過する過程で楕円偏光に変換される。この入射光が位相差板36を透過しても、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光には変換されず、その全部または一部が偏光板37を透過する。したがって、本実施形態の液晶表示装置では、電界印加時において白表示が行われる。なお、液晶層50に印加する電圧を調整することにより、階調表示を行うことも可能である。
【0038】
このように、反射表示領域Rでは入射光が液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tでは入射光が液晶層50を1回しか透過しない。この場合、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーション(位相差値)が異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。しかしながら、本実施形態の液晶表示装置には液晶層厚調整層40が設けられているので、反射表示領域Rにおいてリタデーションを調整することが可能になる。したがって、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができる。
【0039】
(ゲート線配置)
上述したように、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層40の傾斜領域41が形成されている。そして、その表面にも配向膜が形成されているため、電界無印加時の液晶分子は、傾斜領域41の表面に対して垂直に配向している。この場合の液晶分子は、基板から垂直に入射する光に対して屈折率異方性を示すことになる。そのため、傾斜領域41に入射した円偏光は、液晶層50を透過する過程で楕円偏光に変換され、全部または一部が偏光板37を透過する。したがって、電界無印加時の黒表示において傾斜領域41に光漏れが発生し、コントラストを低下させることになる。
【0040】
そこで本実施形態では、液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように、ゲート線3aを配置している。従来の液晶表示装置におけるゲート線は、開口率を確保するためドット領域の周辺部に配置されていたが、本実施形態では傾斜領域41の光漏れを防止するためドット領域の内部に配置する。本実施形態では、ドット領域の一方端部に反射表示領域Rが設定されているので、ドット領域の短辺と平行に液晶層厚調整層40の傾斜領域41が配設されている。また、隣接するドット領域も同様に配置されている。そのため、ドット領域の周辺部に配置されていた従来のゲート線を平行移動することにより、本実施形態のゲート線3aの配置を実現することができる。
【0041】
ゲート線3aは、Al等の金属材料で構成されている。そのため、光源側基板10から液晶層厚調整層40の傾斜領域41に入射する光は、光源側基板10に配設されたゲート線3aによって遮断される。一方、観察者側基板20から傾斜領域41に入射する光は、液晶層を透過し、ゲート線3aの表面で正反射されることになる。しかしながら、液晶表示装置の観察者は、正反射した照明光が目に入らないように、視角を調整しつつ観察するのが一般的である。したがって、傾斜領域41を画像表示から除外することが可能になり、光漏れによるコントラストの低下を防止することができる。
【0042】
なお、ゲート線3aの幅は、液晶層厚調整層40の傾斜領域41の幅より広く形成されている。これにより、光源側基板10と観察者側基板20とを貼り合わせる際に両者の相対位置がずれた場合でも、傾斜領域41とゲート線3aとを平面視において重ねることが可能になる。したがって、光漏れによるコントラストの低下を確実に防止することができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置につき、図4を用いて説明する。
図4は、第2実施形態に係る液晶表示装置の側面断面図である。第2施形態に係る液晶表示装置は、光源側基板10に液晶層厚調整層40が設けられている点で、観察者側基板20に設けられている第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0044】
第2実施形態でも、ドット領域の長辺方向一方端部が反射表示領域Rに設定されている。ただし、反射表示領域Rにおける光源側基板10に液晶層厚調整層40が設けられ、観察者側基板20には設けられていない。そして、液晶層厚調整層40の表面に第1サブドット91が配設され、第1サブドット91および第2サブドット92の連結部91aは液晶層厚調整層40の傾斜領域41の表面に配設されている。
【0045】
そして、液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように、ゲート線3aが配設されている。これにより、第1実施形態と同様に、傾斜領域41を画像表示から除外することが可能になり、光漏れによるコントラストの低下を防止することができる。
これに加えて、第2実施形態では、液晶層厚調整層40の傾斜領域41とゲート線3aとがいずれも光源側基板10に配設されているので、観察者側基板20と光源側基板10との貼り合わせに起因する傾斜領域41とゲート線3aとの位置ずれは発生せず、常に両者を平面視において重ねることが可能になる。したがって、光漏れによるコントラストの低下を確実に防止することができる。
【0046】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置につき、図5を用いて説明する。
図5は、第3実施形態に係る液晶表示装置の側面断面図である。第3実施形態に係る液晶表示装置は、液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように容量線3bが配設されている点で、ゲート線が配設されている第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0047】
容量線3bは、画素電極9との間で蓄積容量を形成するものである。この容量線3bは、一般に第1サブドット91を構成する反射電極9bの外側(図5の下側)に配設されて、開口率の低下が防止されている。第3実施形態では、この容量線3bが、第1サブドット91の外側から連結部91aの外側にかけて延設され、液晶層厚調整層40の傾斜領域41と平面視において重なるように配置されている。なおゲート線は、従来と同様にドット領域の周縁部に配置されているので、図5には図示されていない。
【0048】
上記のように容量線3bを配置すれば、従来と同様に容量線として機能させることができるだけでなく、第1実施形態と同様に、光源側基板10から液晶層厚調整層40の傾斜領域41に入射した光を遮断することができる。また、観察者側基板20から傾斜領域41の形成領域に入射した光を正反射して、画像表示から除外することも可能になり、光漏れによるコントラストの低下を防止することができる。
【0049】
また容量線3bは、第1サブドット91の外側から、連結部91aの外側を越えて、第2サブドット92の端部の外側まで延設することが望ましい。これにより、光源側基板10と観察者側基板20とを貼り合わせる際に両者の相対位置がずれた場合でも、傾斜領域41と容量線3bとを平面視において重ねることが可能になる。したがって、光漏れによるコントラストの低下を確実に防止することができる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置につき、図6を用いて説明する。
図6は、第4実施形態に係る液晶表示装置の側面断面図である。第4実施形態に係る液晶表示装置は、ドット領域の長辺方向両端部に反射表示領域Ra,Rbが設定され、液晶層厚調整層40の第1傾斜領域41aと平面視において重なるようにゲート線3aが配設されるとともに、第2傾斜領域41bと平面視において重なるように容量線3bが配設されている点で、ドット領域の一方端部に反射表示領域が設定されている第1実施形態とは異なっている。なお、第1実施形態および第3実施形態と同様の構成となる部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
第4実施形態では、ドット領域の長辺方向両端部に反射表示領域Ra,Rbが設定され、長辺方向中央部に透過表示領域Tが設定されている。そのため、観察者側基板20におけるドット領域の長辺方向両端部に、液晶層厚調整層40が形成されている。また、一方の反射表示領域Raと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層40の第1傾斜領域41aが形成され、他方の反射表示領域Rbと透過表示領域Tとの境界部には、液晶層厚調整層40の第2傾斜領域41bが形成されている。本実施形態では、ドット領域の両端部に反射表示領域Ra,Rbが設定されているので、ドット領域の短辺と平行に第1傾斜領域41aおよび第2傾斜領域41bが配設されている。また、画素電極9のうち、第1サブドット91および第3サブドット93が反射電極9bで構成され、第2サブドット92が透明電極9aで構成されている。
【0052】
そして、液晶層厚調整層40の第1傾斜領域41aと平面視において重なるように、ゲート線3aが配設されている。また、液晶層厚調整層40の第2傾斜領域41bと平面視において重なるように、容量線3bが延設されている。これにより、ドット領域内に第1傾斜領域41aおよび第2傾斜領域41bが形成された場合でも、両者を画像表示から除外することが可能になり、コントラストの低下を防止することができる。
【0053】
[電子機器]
図7は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図7に示す携帯電話1300は、本発明の表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の表示が可能になっている。
【0054】
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態ではスイッチング素子としてTFT素子を用いた場合を例にして説明したが、TFD素子等の他のスイッチング素子を用いた場合に本発明を適用することも可能である。また、上記実施形態では誘電率異方性が負の液晶材料を用いてVANモード(Vertical Alignment Nematic)で動作する液晶表示装置を例にして説明したが、誘電率異方性が正の液晶材料を用いてTN(Twisted Nematic)モードで動作する液晶表示装置や、STN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード等で動作する液晶表示装置に対して、本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】液晶表示装置の等価回路図である。
【図2】画素の平面構造の説明図である。
【図3】第1実施形態の液晶表示装置の側面断面図である。
【図4】第2実施形態の液晶表示装置の側面断面図である。
【図5】第3実施形態の液晶表示装置の側面断面図である。
【図6】第4実施形態の液晶表示装置の側面断面図である。
【図7】携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
R…反射表示領域、T…透過表示領域、3a…ゲート線、10…光源側基板、20…観察者側基板、40…液晶層厚調整層、41…傾斜領域、50…液晶層。




 

 


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