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発明の名称 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25611(P2007−25611A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−225881(P2005−225881)
出願日 平成17年8月3日(2005.8.3)
代理人 【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
発明者 倉科 久樹
要約 課題
保持容量70が形成された後にTFT30の水素化処理を行うことによって、TFT30の素子特性の低下を抑制する。

解決手段
保持容量70は、TFT30に施す水素化処理を阻害しないようにTFT30を避けるように形成されている。より具体的には、上部容量電極300は、各画素部に設けられた複数の保持容量70間で共用されるように走査線3aに沿って延在された上部容量電極300がTFT30上で切り欠かれた切り欠き部301を有している。加えて、下部容量電極71もTFT30が備える半導体層上に重ならないように画素部で互いに分離されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に、
互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、
前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して設けられた複数の画素電極と、
前記複数の画素電極の夫々に電気的に接続された複数のトランジスタと、
前記トランジスタの上層側で平面的に見て前記トランジスタを避けるように設けられており、前記データ線及び前記トランジスタを介して前記画素電極に供給された画像信号を一時的に保持する複数の保持容量と
を備え、
前記複数の保持容量のうち隣接する保持容量の分離領域が前記トランジスタ上に存在すること
を特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記トランジスタの少なくともチャネル領域上に前記分離領域が存在すること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記トランジスタの少なくともチャネル領域及びLDD領域上に前記分離領域が存在すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記保持容量は、前記上層に夫々延在されるように形成された第1電極、該第1電極上に形成された誘電体膜、及び該誘電体膜上に形成された第2電極から構成されており、
前記第1電極、前記第2電極及び前記誘電体膜のうち少なくとも前記第1電極及び前記第2電極が、平面的にみて前記トランジスタを避けるように形成されていること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第2電極は、前記複数の保持容量で共用されるように前記走査線に沿って延在されていると共に、平面的に見て前記トランジスタに重ならないように前記第2電極が部分的に切り欠かれた切り欠き部を有すること
を特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記複数の保持容量で共用されるように前記走査線に沿って延在されていると共に、平面的に見て前記トランジスタに重なるように形成された第1開口部を有すること
を特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第2電極は画素電位側の容量電極であり、該容量電極の分離部分を前記トランジスタ上に配置することで前記トランジスタ上の保持容量を開口すること
を特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記基板上において前記保持容量より上層側に前記第2電極と電気的に接続された配線部を更に備えており、
前記配線部は、前記トランジスタが有する半導体層に前記保持容量の上側から水素化処理が施された後に、前記保持容量上に延在するように形成されていること
を特徴とする請求項4から7の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記誘電体膜は、平面的に見て前記トランジスタを避けるように形成されていること
を特徴とする請求項4から8の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記誘電体膜は、平面的に見て前記トランジスタに重ならないように前記保持容量間で互いに物理的に分離されていること
を特徴とする請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記誘電体膜は、前記複数の保持容量で共用されるように前記基板上において延在されていると共に、前記トランジスタに重なるように形成された第2開口部を有すること
を特徴とする請求項4から10の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項12】
基板上に、
互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線を形成する第1工程と、
前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して複数の画素電極を形成する第2工程と、
前記複数の画素電極の夫々に電気的に接続された複数のトランジスタを形成する第3工程と、
前記トランジスタの上層側で平面的に見て前記トランジスタを避けるように、前記データ線及び前記トランジスタを介して前記画素電極に供給された画像信号を一時的に保持する複数の保持容量を形成する第4工程と
を備え、
前記第4工程において、前記保持容量を構成するように前記上層に順次に積層された第1電極、誘電体膜、及び第2電極を形成すると共に、前記第1電極及び前記第2電極を平面的に見て前記トランジスタを避けるように形成すること
を特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項13】
前記第4工程は、前記第1電極、前記誘電体膜及び前記第2電極を350℃以上の温度でアニールする第5工程を含んでおり、
前記第5工程の後に、前記保持容量の上層側から前記トランジスタに含まれる半導体層に水素化処理を施すこと
を特徴とする請求項12に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1から11の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ポリシリコン膜等からなる半導体層に対して水素化処理が施されたトランジスタを備えた液晶装置等の電気光学装置、及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を具備した電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置では、画素部に設けられた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、TFTと称す。)が有する半導体層として、例えばポリシリコン等で構成された多結晶半導体層を用いる場合がある。このような多結晶半導体層は、結晶粒界或いは結晶粒内の結晶欠陥中にダングリングボンド等の反応性の高い結合手を含んでいる場合が多い。ダングリングボンドは、半導体層を化学的に不安定にさせ、トランジスタの素子特性を低下させる要因の一つとなる。
【0003】
一方、この種の電気光学装置では、TFTの光リーク電流を低減するために、TFTに照射される光を遮るように、例えば液晶装置の画素電極に供給された画像信号を一時的に保持する保持容量を故意にTFT上に形成し、表示画像における点欠陥等の表示不良を低減する。
【0004】
このような保持容量は、TFTに照射される光を遮ることによって光リーク電流を低減できる反面、ポリシリコン層に水素化処理を施し、ダングリングボンドを効果的に除去或いは終端させる際の阻害となる。保持容量以外に例えばトランジスタ上に形成された遮光膜等の遮光手段を用いれば、電気光学装置の製造プロセス及び構造を大きく変更することなく光リーク電流を低減できるが、トランジスタ上にこのトランジスタに重なるように保持容量を一旦形成してしまうと、この保持容量によってトランジスタが有する半導体層を水素化処理することが困難になる設計上及び製造プロセス上の問題点がある。
【0005】
このような問題点に関して、特許文献1乃至3は、水素化処理を施すことができるように保持容量の設計を検討し、水素化処理を施すための技術を開示している。例えば、特許文献1は、半導体層への水素化処理を阻害しないように保持容量が備える窒化膜の膜厚を薄くする技術を開示している。特許文献2及び3は、保持容量が備える窒化膜に穴部を形成し、この穴部を介してその下に形成された半導体層に水素化処理を施す技術を開示している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−103732号公報
【特許文献2】特開2004―140329号公報
【特許文献3】特開2004−140330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、容量絶縁膜の誘電体膜である窒化膜のみではなく、トランジスタ上に存在する容量電極によっても水素化は阻害される。特許文献1及至3は、容量絶縁膜による水素化の阻害の対策を提案しているが、容量電極による水素化の阻害については考慮しておらず、水素化の阻害の対策が十分とは言い難い。たとえば、容量電極として使用されるポリシリコンは、水素の透過率が低い、また、水素を吸着する性質が強いために、トランジスタの上方に配置された場合には、水素化が阻害される。水素化の阻害を防ぐためには、トランジスタの上方に配置された容量電極を開口する必要がある(特許文献2と3において、容量絶縁膜開口部の上下の容量電極がショートしないように、容量絶縁膜開口部に対応させて上部容量電極を開口した実施例は開示されているが、下部容量電極も開口する必要がある。)。
【0008】
トランジスタ上方の上下の容量電極を開口させようとした場合と、パターンが複雑になることによる歩留りの低下、および、容量を除去したことによる保持容量の低下に気を付けなくてはならない。
【0009】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、半導体層の上に保持容量が形成された後でも容易に半導体層に水素化処理を施すことができ、画素部に設けられたTFT等のトランジスタの素子性能の低下が抑制されるように設計された電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びにそのような電気光学装置を具備した電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して設けられた複数の画素電極と、前記複数の画素電極の夫々に電気的に接続された複数のトランジスタと、前記トランジスタの上層側で平面的に見て前記トランジスタを避けるように設けられており、前記データ線及び前記トランジスタを介して前記画素電極に供給された画像信号を一時的に保持する複数の保持容量とを備え、前記複数の保持容量のうち隣接する保持容量の分離領域が前記トランジスタ上に存在する。
【0011】
本発明に係る電気光学装置によれば、トランジスタの上層側に形成された保持容量がトランジスタを平面的に避けるように形成されているため、保持容量によってトランジスタに含まれる半導体層を確実に水素化処理できる。したがって、トランジスタの上層側に保持容量を形成した後に、トランジスタに水素化処理を施すことができ、ダングリングボンド等のトランジスタの素子特性を低下させる要因を取り除くことが可能である。これにより、複雑なプロセスを経て電気光学装置の構成を変更すること及び電気光学装置の製造プロセスを大きく変更することを行うことなく、トランジスタの素子特性を高めることが可能である。ここで、「平面的に見て」とは、例えば保持容量の上側から見てトランジスタに保持容量が重ならないようにという意味であり、より具体的には上側から供給される水素が保持容量によって阻害されることなくトランジスタに供給されることを意味する。よって、本発明の「トランジスタを避けるように」とは、保持容量が完全にトランジスタと重ならないように設けられている場合に限定されず、水素化処理を阻害しない程度に保持容量がトランジスタからずらして設けられている場合も含む。
【0012】
本発明に係る電気光学装置によれば、電気光学装置の構成及び製造プロセスを大きく変更することなく、保持容量を形成した後にトランジスタに水素化処理を施すことができる上、装置構成を大きく変更しない分保持容量の容量低下も極力低減できる。したがって、本発明に係る電気光学装置によれば、高画質を有する電気光学装置を良好な歩留まりで提供できる。
【0013】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記トランジスタの少なくともチャネル領域上に前記分離領域が存在してもよい。
【0014】
この態様によれば、分離領域を介してチャネル領域を水素化処理できる。
【0015】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記トランジスタの少なくともチャネル領域及びLDD領域上に前記分離領域が存在してもよい。
【0016】
この態様によれば、分離領域を介してチャネル領域及びLDD領域を水素化処理できる。
【0017】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記保持容量は、前記上層に夫々延在されるように形成された第1電極、該第1電極上に形成された誘電体膜、及び該誘電体膜上に形成された第2電極から構成されており、
前記第1電極、前記第2電極及び前記誘電体膜のうち少なくとも前記第1電極及び前記第2電極が、平面的にみて前記トランジスタを避けるように形成されていてもよい。
【0018】
この態様によれば、トランジスタを避けるように第1電極及び第2電極を形成しておくことにより、水素化処理を阻害する主たる要因を取り除くことができる。即ち、保持容量が実質的に容量素子として機能する部分は、トランジスタ上を避けるように設けられていることになる。より具体的には、第1電極及び第2電極は水素を透過させ難い、例えば導電性ポリシリコン膜、或いは金属膜等の導電膜であり、これら導電膜は通常水素を透過させ難い膜質及び膜厚を有するように形成されている。このような導電膜からなる第1電極及び第2電極をトランジスタを避けるように形成しておくことにより、保持容量の容量を極力減少させることなく、トランジスタ上に形成される保持容量のうち水素化処理を阻害する領域に延びる部分を減少させることが可能である。
【0019】
この態様では、前記第2電極は、前記複数の保持容量で共用されるように前記走査線に沿って延在されていると共に、平面的に見て前記トランジスタに重ならないように前記第2電極が部分的に切り欠かれた切り欠き部を有していてもよい。
【0020】
この態様によれば、第2電極に切り欠き部が設けられているため、トランジスタに対して施される水素化処理が第2電極よって阻害されることがない。加えて、第2電極の面積を極力減らすことなく、且つ第2電極の平面形状を大きく変更することなく第2電極を形成した後に水素化処理をトランジスタに行うことが可能である。
【0021】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記第2電極は、前記複数の保持容量で共用されるように前記走査線に沿って延在されていると共に、平面的に見て前記トランジスタに重なるように形成された第1開口部を有していてもよい。
【0022】
この態様によれば、第1開口部を介してこの第1開口部下に設けられたトランジスタに水素化処理を施すことが可能である。第1開口部は、トランジスタが備える半導体層に水素化処理を十分に行える程度の領域にのみ形成すればよく、第2電極のうち実質的に保持容量を構成する部分の面積を極力減らさないようにすることが可能であり、第2電極に第1開口部を形成することによって低下する保持容量の容量低下を低減できる。加えて、第2電極を複数の保持容量で共用できるため、例えば複数の画素領域に延在するように第2電極を一括で形成することもでき、保持容量毎に個別にパターニングされた第2電極を形成する場合に比べて製造プロセスを簡便にすることも可能である。
【0023】
この態様では、前記第2電極は画素電位側の容量電極であり、該容量電極の分離部分を前記トランジスタ上に配置することで前記トランジスタ上の保持容量を開口してもよい。
【0024】
この態様によれば、画素電位側容量電極の分離部分をトランジスタ上方に配置することで、分離部分とは別に開口部分を設けるより、パターンも単純になり歩留りが良くなり、保持容量の低下もない。
【0025】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記基板上において前記保持容量より上層側に前記第2電極と電気的に接続された配線部を更に備えており、前記配線部は、前記トランジスタが有する半導体層に前記保持容量の上側から水素化処理が施された後に、前記保持容量上に延在するように形成されていてもよい。
【0026】
この態様では、例えば、トランジスタに施す水素化処理を阻害するように配線部が形成されても、配線部が形成される前に半導体層への水素化処理が完了しているため、配線部の形状がトランジスタの性能に影響を及ぼすことはない。
【0027】
この態様によれば、トランジスタが有する半導体層に水素化処理を施した後に配線部が形成されるため、特にトランジスタに照射される光を遮光するように配線部を形成することもできる。したがって、水素化処理によるトランジスタの素子特性の向上させることができ、且つ光リーク電流を低減することも可能である。
【0028】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記誘電体膜は、平面的に見て前記トランジスタを避けるように形成されていてもよい。
【0029】
この態様では、誘電体膜は第1電極及び第2電極に比べて相対的に水素化処理を阻害することが少ないためトランジスタ上に延在されていてもよいが、誘電体膜がトランジスタ上を避けるように形成されていてもよい。より具体的には、例えばシリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜等の高温処理された酸化膜である誘電体膜を介して水素化処理を行った場合には、誘電体膜下のトランジスタに十分に水素が供給されないことがあるため、より効果的にトランジスタに水素化処理を行うために、誘電体膜がトランジスタを避けるように形成されていることが好ましい。
【0030】
この態様では、前記誘電体膜は、平面的に見て前記トランジスタに重ならないように前記保持容量間で互いに物理的に分離されていてもよい。
【0031】
この態様によれば、誘電体膜に阻害されることなく、保持容量の下側に形成されたトランジスタに水素化処理を施すことが可能である。ここで、「物理的に」とは、複数の保持容量に個別に、或いは一括で形成した誘電体膜を所要の形状にパターンニングして保持容量毎に設ける場合の両方を意味し、保持容量間で誘電体膜が分離されていることを指す。このように互いに分離された誘電体膜間の領域がトランジスタ上に位置し、領域を介してトランジスタに水素化処理することが可能である。
【0032】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記誘電体膜は、前記複数の保持容量で共用されるように前記基板上において延在されていると共に、前記トランジスタに重なるように形成された第2開口部を有していてもよい。
【0033】
この態様によれば、誘電体膜を構成する膜材料及び膜形成方法による制約を受けることなく、トランジスタに水素化処理を施すことが可能である。より具体的には、例えばトランジスタが有する半導体層から水素が逃げてしまうほどの高温で第1電極、誘電体膜及び第2電極をアニール処理した場合でも、保持容量を形成した後に半導体層を水素化処理できるため、トランジスタの素子特性を低下させることを抑制できる。
【0034】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上に、互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線を形成する第1工程と、前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して複数の画素電極を形成する第2工程と、前記複数の画素電極の夫々に電気的に接続された複数のトランジスタを形成する第3工程と、前記トランジスタの上層側で平面的に見て前記トランジスタを避けるように、前記データ線及び前記トランジスタを介して前記画素電極に供給された画像信号を一時的に保持する複数の保持容量を形成する第4工程とを備え、前記第4工程において、前記保持容量を構成するように前記上層に順次に積層された第1電極、誘電体膜、及び第2電極を形成すると共に、前記第1電極及び前記第2電極を平面的に見て前記トランジスタを避けるように形成する。
【0035】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、上述の本発明の電気光学装置と同様に、電気光学装置の構成及び製造プロセスを大きく変更することなく、保持容量を形成した後にトランジスタに水素化処理を施すことができる上、装置構成を大きく変更しない分保持容量の容量低下も極力低減できる。したがって、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、高画質を有する電気光学装置を良好な歩留まりで製造できる。
【0036】
本発明に係る電気光学装置の製造方法の一の態様では、前記第4工程は、前記第1電極、前記誘電体膜及び前記第2電極を350℃以上の温度でアニールする第5工程を含んでおり、前記第5工程の後に、前記保持容量の上層側から前記トランジスタに含まれる半導体層に水素化処理を施してもよい。
【0037】
この態様によれば、第1電極、誘電体膜及び第2電極を構成する材料及び形成方法による制約を受けることなく、トランジスタに水素化処理を施すことが可能である。より具体的には、例えばトランジスタが有する半導体層から水素が逃げてしまうほどの高温で第1電極、誘電体膜及び第2電極をアニール処理した場合でも、保持容量を形成した後に半導体層を水素化処理できるため、トランジスタの素子特性を低下させることを抑制できる。
【0038】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述の本発明の電気光学装置を具備してなる。
【0039】
本発明に係る電子機器によれば、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、DLP(Digital Light Processing)等を実現することも可能である。また、反射型液晶装置の一例であるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式の表示装置を提供することも可能である。
【0040】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下図面を参照しながら本実施形態の電気光学装置、及びその製造方法、並びに電子機器を詳細に説明する。第1及び第2実施形態では、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法の一例として液晶装置を挙げる。
【0042】
<第1実施形態>
(電気光学装置の全体構成)
先ず、本実施形態の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。
【0043】
図1及び図2において、液晶装置1は、TFTアレイ基板10及びTFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20を備える。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、本実施形態においては、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐために複数の配線105が設けられている。対向基板20の4つのコーナー部に配置された上下導通材106は、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとる。
【0045】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。
【0046】
(画素部の具体的な構成)
次に、図3乃至図5を参照しながら、液晶装置1の画素部の構成を説明する。
【0047】
図3は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図5は、図4のA−A´断面図である。尚、図5においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0048】
図3において、画素電極9a及び画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30が、液晶装置1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部の夫々に形成されている。画像信号が供給されるデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給される。尚、画像信号S1、S2、・・・、Snは、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給されてもよい。
【0049】
液晶装置1が備える画素部は、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0050】
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。保持容量70は、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9a及び対向電極間に形成される液晶容量と電気的に並列に接続されている。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
【0051】
次に、図4及び図5を参照して、画素部の具体的な構成について説明する。図4において、TFTアレイ基板10上には、X方向及びY方向に対してマトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0052】
半導体層1aのうち図4中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極を含む。走査線3a及びデータ線6aが交差する個所には夫々、チャネル領域1a´に走査線3aの一部がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0053】
図4及び図5において、データ線6aは、その上面が平坦化された、第2層間絶縁膜42を下地として形成されており、コンタクトホール81を介してTFT30の高濃度ソース領域に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30に対する遮光膜としても機能するようになっている。データ線6aの下地は、第2層間絶縁層42の形成時、第2層間絶縁膜42上に残る硬化層42aaにより形成される。
【0054】
保持容量70は、本発明の「第1電極」の一例である下部容量電極71、誘電体膜75及び本発明の「第2電極」の一例である上部容量電極300を備えており、データ線6aを介して画素電極9aに供給された画像信号を一時的に保持する。TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300の一部とは、誘電体膜75を介して対向配置されている。
【0055】
図4及び図5に示すように、保持容量70は、後に説明する液晶装置の製造方法においてTFT30に施す水素化処理を阻害しないように、TFT30を避けるように形成されている。より具体的には、上部容量電極300は、各画素部に設けられた複数の保持容量70間で共用されるように走査線3aに沿って延在された上部容量電極300がTFT30上で切り欠かれた切り欠き部301を有している。
加えて、下部容量電極71もTFT30が備える半導体層上に重ならないように画素部間で互いに分離されている。したがって、保持容量70がTFT30の上層側に形成されていても、TFT30に対して施される水素化処理を保持容量70が阻害することがない。加えて、下部容量電極71の分離部分をトランジスタ上方に配置することによって、下部容量電極71の面積を極力減らすことなく、且つ下部容量電極71の平面形状等を含むレイアウトを大きく変更する必要がない。したがって、保持容量70の容量を大きく低下させることなく、TFT30に確実に水素化処理を施すことが可能である。
【0056】
特に、上部容量電極300及び下部容量電極71は、水素を透過させ難い、例えば導電性ポリシリコン膜、或いは金属膜等の導電膜で形成されるため、水素化処理を阻害する主たる要因の一つとなる。本実施形態では、このような水素化処理を阻害する主要な要因の一つである上部容量電極300及び下部容量電極71をTFT30上を避けるように形成することにより、実質的に容量素子として機能する保持容量70の部分をTFT30上を避けるように形成できる。
【0057】
したがって、本実施形態の液晶装置1によれば、液晶装置1の構成及び製造プロセスを大きく変更することなく、保持容量70を形成した後にTFT30に水素化処理を施すことができる上、装置構成を大きく変更しない分保持容量70の容量低下も極力低減できる。これにより、液晶装置1は素子特性の低下が抑制されたTFT30によって高画質の画像を表示できると共に、良好な歩留まりで製造される。尚、TFT30の光リーク電流を低減するための遮光機能は、TFT30の上層側に形成された、例えば配線層等の液晶装置1の他の構成部分に担わせればよい。このような構成部分がTFT30の上層側に形成されたとしても、保持容量70までが形成された段階でTFT30に水素化処理を施しておけば、TFT30のダングリングボンド等の素子特性を低下させる要因を水素化処理によって取り除きつつ、TFT30に光が照射されることを低減することが可能である。
【0058】
図4及び図5に示すように、上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含む導電性の遮光膜からなり、固定電位側容量電極としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、上部容量電極300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の他の金属を含んでもよい。但し、上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持ってもよい。
【0059】
下部容量電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。加えて、下部容量電極71は、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。但し、下部容量電極71も、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成してもよい。
【0060】
下部容量電極71及び上部容量電極300間に配置される誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。保持容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。加えて、誘電体膜75を薄くするほど水素の透過率を高めることができるため、TFT30に対する水素化処理を効率良く行う観点からも、誘電体膜75は薄いほうが好ましい。
【0061】
上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。係る定電位源としては、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
【0062】
TFT30の下側には、下地絶縁膜12を介して下側遮光膜11aが格子状に設けられている。下側遮光膜11aは、TFT30の下側に形成されているため、TFT30の上側から行われる水素化処理を阻害しない。下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光するために設けられている。下側遮光膜11aは、上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。加えて、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、上部容量電極300と同様に、画像表示領域10aからその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
【0063】
下地絶縁層12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
【0064】
画素電極9aは、下部容量電極71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。即ち、本実施形態では、下部容量電極71は、保持容量70の画素電位側容量電極としての機能に加えて、画素電極9aをTFT30へ中継接続する機能を果たす。このように下部容量電極71を利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつコンタクトホール及び溝で両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0065】
図4及び図5に示すように、液晶装置1は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0066】
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0067】
対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0068】
対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a´及びその周辺への侵入を阻止するのをより確実に行うことができる。尚、対向基板20上の遮光膜は、少なくとも外光が照射される面において反射率が高くなるように形成することにより、液晶装置1の温度上昇を防ぐ働きをする。
【0069】
画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。
【0070】
図5において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3a及び半導体層1aを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0071】
走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0072】
第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及び85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。第2層間絶縁膜42は、例えばBPSG膜からなり、加熱による流動化状態を経ることによって上面が平坦化されている。その成膜時の上面には、下層側の保持容量70やTFT30、走査線3a、更には下地遮光膜11aの存在によって段差が生じているが、一旦流動化されることで、上面は段差による凹凸が均された状態となっている。この上面に設けられたデータ線6a及び画素電極9aは、形成時にエッチ残りが発生しにくく、良好な状態でパターン形成されており、配向膜16も概ね良好に配向処理を施すことができる。特に、近年ではTFTの光リーク電流の防止等の目的で装置の構造が複雑化しており、基板上に積層される層数が多くなっている。そのような場合、従来では上層になるほど層面における段差が大きくなり、段差が上記パターン形成に及ぼす影響が顕著であったが、このようにして第2層間絶縁膜42を平坦化すれば、基板上におけるエッチ残りを全般的に軽減することができる。
【0073】
ここでは、第2層間絶縁膜42の上面は完全な平坦面ではなく、走査線3a等に起因する段差部17aが残されている。段差部17aは、横電界防止用として意図的に残存され、配向膜16上にまで伝播し、画素同士の境界にあたる遮光領域に所定高さの段差部17となって現れることで、駆動時に発生する画素間の横電界を低減するように機能する。
【0074】
データ線6aの上から第2層間絶縁膜42の全面を覆うように、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が、例えばBPSG膜により形成されている。第3層間絶縁膜43は、その下にAlを含有するデータ線6aが存在するため、加熱による平坦化処理は施されていない。画素電極9a及び配向膜16は、第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
【0075】
次に、図6及び図7を参照しながら、保持容量70の変形例を説明する。尚、以下で参照する図では、説明を簡便にするために図1乃至図5と共通する部分に共通の参照符号を付している。
【0076】
(変形例1)
上部容量電極300は開口部300aを有し、下部容量電極71はトランジスタ30上方において隣接する画素との間に分離部71aを有する。
【0077】
図6は、液晶装置1におけるTFT30近傍の平面構造を示した平面図である。図6において、開口部300aは、上部容量電極300のうちTFT30上に延びる部分を除去、或いはパターニングすることによって形成されている。したがって、複数の画素部に亘って延びるように一括で上部容量電極300が形成された状態で、上部容量電極300によってTFT30の水素化処理、より具体的にはチャネル領域1a´への水素化処理が阻害されることを防止できる。また、下部容量電極71がTFT30上で分離されていることによって各画素部に個別に設けられているので、下部容量電極71の分離部71aを介してその下に位置するTFT30を水素化処理することができる。
【0078】
このような上部容量電極300及び下部容量電極71を有する保持容量70によれば、保持容量70の容量を大きく低下させることなく、且つ製造プロセスを大きく変更することなくTFT30の素子特性の低下を抑制でき、液晶装置1の表示特性を高めることが可能である。
【0079】
(変形例2)
図7は、図5に対応する断面におけるTFT30近傍の構造を示した要部断面図である。図7において、本例では、TFT30上に隣り合う画素部に設けられた保持容量と分離されるように、保持容量70を構成する上部容量電極300、誘電体膜75及び下部容量電極71が画素部間で分離された分離部300bが形成されている。
【0080】
本例の液晶装置1が有する保持容量70によれば、保持容量70の上側から行われるTFT30への水素化処理が保持容量70によって阻害されることがない。より具体的には、誘電体膜75がTFT30のゲート電極3a、即ちチャネル領域1a´を避けるように形成されているため、上部容量電極300及び下部容量電極71のみがTFT30を避けるように形成されている場合に比べてより効率良くTFT30に水素化処理を施すことが可能である。特に、窒化シリコン膜のような緻密な誘電体膜75は水素を透過させ難いため、上部容量電極300、誘電体膜75及び下部容量電極71を物理的に画素部間で分離しておくことにより、効果的にTFT30に水素化処理を施すことが可能である。尚、誘電体膜75をTFT上で分離しておく代わりに、誘電体膜75のうちTFT30上に延びる部分に開口部を設けておいてもよい。このような開口部は、TFT30への水素化処理を効果的に行うことができる点において誘電体膜75をTFT30上で分離しておくことと同等の効果を奏する。
【0081】
(電気光学装置の製造方法)
次に、図8及び図9を参照しながら、上述した本実施形態の液晶装置の製造方法を説明する。図8から図9は、製造方法の各工程における図5に示す断面の構成を、順を追って示す工程断面図である。尚、以下では、画素部において、TFTアレイ基板10上に形成される、データ線6a、走査線3a、TFT30や保持容量70等の製造工程について特に詳しく説明することとし、対向基板20上に形成される配向膜22や対向電極21等の製造工程に関しては省略する。
【0082】
図8(a)において、例えばシリコン基板、石英基板、ガラス基板等の基板10を用意する。ここで、好ましくはN2(窒素)等の不活性ガス雰囲気下、約850〜1300℃、より好ましくは1000℃の高温で熱処理し、後に実施される高温プロセスにおいて基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。
【0083】
続いて、このように処理された基板10の全面に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリング法などにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光層を形成した後、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング処理により、図4に示したようなパターンの下側遮光膜11aを形成する。
【0084】
続いて、下側遮光膜11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG(ノンシリケートガラス)や、燐(P)又は硼素(B)がドープされてなる、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる下地絶縁層12を形成する。
【0085】
続いて、下地絶縁層12の上に、減圧CVD等によりアモルファスシリコン膜を形成し熱処理を施すことにより、ポリシリコン膜を固相成長させる。或いは、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を直接形成する。次に、このポリシリコン膜に対し、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング処理を施すことにより、図4に示した所定パターンを有する半導体層1aを形成する。更に、熱酸化すること等により、ゲート絶縁膜となる絶縁膜2を形成する。この結果、半導体層1aの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
【0086】
続いて、例えば、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を約100〜500nmの厚さに堆積し、更に燐(P)を熱拡散して、このポリシリコン膜を導電化した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング処理により、図4に示した所定パターンを有する走査線3aを形成する。次に、低濃度及び高濃度の2段階で不純物イオンをドープすることにより、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを含む、LDD構造の画素スイッチング用TFT30の半導体層1aを形成する。
【0087】
次に図8(b)の工程では、例えば下地絶縁層12と同様にして、第1層間絶縁膜41を形成する。得られた第1層間絶縁膜41の上面には、図示したように、その下のTFT30や走査線3aの形状に応じた凹凸が生じている。
【0088】
次に図8(c)の工程では、層間絶縁膜42を形成した後に、層間絶縁膜42下に位置するトランジスタ30に水素化処理を施す。
【0089】
先ず、例えばドライエッチング法又はウエットエッチング法若しくはこれらの組み合わせにより、第1層間絶縁膜41にコンタクトホール83を開孔する。
【0090】
次いで、例えば、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更に燐(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化して下部容量電極71を形成する。更に、例えば、減圧CVD法、プラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる誘電体膜75を膜厚50nm程度の比較的薄い厚さに堆積した後、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより上部容量電極300を形成する。こうして、保持容量70を形成する。
【0091】
尚、保持容量70を形成する際には、少なくとも350℃以上の温度で下部容量電極71、誘電体膜75及び上部容量電極300がアニールされる。例えば、本実施形態では、下部容量電極71は850℃でアニールされ、上部容量電極300及び誘電体膜75は500℃乃至850℃でアニールされる。このような温度でアニール処理が行われた場合、TFT30の半導体層中に含まれる水素が半導体層から抜けてしまい、ダングリングボンド等の素子特性を低下させる欠陥が増大してしまう。半導体層からの水素抜けは、350℃以上の温度で顕著になる傾向にあるため、TFTアレイ基板10上の各部のレイアウト、構成及び製造プロセスを大きく変更することなく、TFT30上のダングリングボンドを低減するためには、保持容量70を形成した後にTFT30を水素化処理する技術が重要になる。本例では、図8(c)に示すように、TFT30に設けられた開口部302を介して、すでに形成された保持容量上に層間絶縁膜42を形成してから、水素化処理を施す。開口部302は、すでに説明した上部容量電極300及び下部容量電極71の夫々に設けられた切り欠き部300a及び下部容量電極の分離部分71a、或いは開口部301を利用すればよい。また、開口部302と共に誘電体膜75がTFT30上で分離されるよう形成された状態で水素化処理を行ってもよい。
【0092】
次に、図9に示すように、TFT30への水素化処理がなされたTFTアレイ基板10上に順次、コンタクトホール81を介してTFT30と電気的に接続されるデータ線6a、第3層間絶縁膜43、画素電極9a、及び配向膜16を形成し、主要な部分が形成されたTFTアレイ基板10を形成する。TFTアレイ基板10及び対向基板20で液晶層50を挟持することによって、液晶装置1が形成される。
【0093】
<第2実施形態>
(電気光学装置における画素部の具体的な構成)
次に、図10乃至図12を参照しながら本実施形態の液晶装置1における画素部の具体的な構成を説明する。本実施形態の液晶装置1が備えるTFT30も、保持容量70が形成された後に水素化処理が施されているため、TFT30の素子特性の低下が抑制されており、高品質の液晶装置とされる。
【0094】
図10及び図11は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。尚、図10及び図11は、それぞれ、後述する積層構造のうち下層部分(図10)と上層部分(図11)とを分けて図示している。また、図12は、図10及び図11を重ね合わせた場合のA−A´断面図である。尚、図12においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層・各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、本例の液晶装置1の画像表示領域における電気的構成及び共通する部分の具体的な構成については説明を簡便にするために詳細な説明を省略する。
【0095】
図12に示すように、本例の液晶措置が備えるTFTアレイ基板10は、画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。より具体的には、TFTアレイ基板10は、下から順に、走査線11aを含む第1層、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、保持容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、容量配線400等を含む第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。なお、前述のうち第1層から第3層までが、下層部分として図10に図示されており、第4層から第6層までが上層部分として図11に図示されている。
【0096】
(積層構造・第1層の構成―走査線等―)
まず、第1層には、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。この走査線11aは、平面的にみて、図10のX方向に沿うように、ストライプ状にパターニングされている。より詳しく見ると、ストライプ状の走査線11aは、図10のX方向に沿うように延びる本線部と、データ線6a或いは本発明の「配線部」の一例である容量配線400が延在する図10のY方向に延びる突出部とを備えている。尚、隣接する走査線11aから延びる突出部は相互に接続されることはなく、したがって、走査線11aは1本1本分断された形となっている。
【0097】
ここで、図11にも、図10に示す走査線11aの構成を示してある。本例では、走査線11aは、図11に示すように、TFTアレイ基板10の基板面上で平面的に見て、容量配線400に重畳的に形成されている。走査線11aの詳細な構成については後述する。
【0098】
(積層構造・第2層の構成―TFT等―)
次に、第2層として、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、図12に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0099】
本例では、第2層に、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。この中継電極719は、平面的に見て、図10に示すように、各画素電極9aのX方向に延びる一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
【0100】
なお、上述のTFT30は、好ましくは図12に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0101】
(積層構造・第1層及び第2層間の構成―下地絶縁膜―)
以上説明した走査線11aの上、且つTFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、走査線11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0102】
下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長の方向に沿った溝状のコンタクトホール12cvが掘られており、コンタクトホール12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。コンタクトホール12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aが形成されていることにより、ゲート電極3aには、これと一体的に形成された側壁部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図10に示されているように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
【0103】
側壁部3bは、コンタクトホール12cvを埋めるように形成されているとともに、その下端が走査線11aと接するようにされている。走査線11aは、上述のようにストライプ状に形成されていることから、ある行に存在するゲート電極3a及び走査線11aは、当該行に着目する限り、常に同電位となる。
【0104】
(積層構造・第3層の構成―保持容量等―)
第2層に続けて第3層には、保持容量70が設けられている。保持容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。保持容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。本例の保持容量70は、図10の平面図を見るとわかるように、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成されているため(換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されているため)、液晶装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能となる。
【0105】
より詳細には、下部電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただし、下部電極71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。また、この下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。ちなみに、ここにいう中継接続は、前記の中継電極719を介して行われている。
【0106】
上部容量電極300は、容量電極300を固定電位とするために、固定電位とされた容量配線400(後述する。)と電気的に接続されている。
【0107】
尚、本例のTFTアレイ基板10における各部のレイアウトに若干の変更を加えることにより、上部容量電極300を画素電位側容量電極とし、下部容量電極71を固定電位側容量電極とすることも可能である。
【0108】
誘電体膜75は、図12に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。
【0109】
本例において、誘電体膜75は、図12に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bというように二層構造を有するものとなっている。上層の窒化シリコン膜75bは画素電位側容量電極の下部容量電極71より少し大きなサイズにパターニングされ、遮光領域(非開口領域)内で収まるように形成されている。
【0110】
尚、本例では、誘電体膜75は二層構造を有するものとなっているが、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような三層構造や、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。むろん単層構造としてもよい。
【0111】
保持容量70が備える上部容量電極300及び下部容量電極71は、TFT30上で開口部303を有するように形成されている。開口部303は、上部容量電極300、下部容量電極71、さらに容量絶縁膜全ての分離部分をトランジスタ30上方に配置する。上部容量電極300については、切欠いて構成してもよいし、開口部を設けてもよい。容量絶縁膜は、開口部を設けて構成してもよい。容量絶縁膜に、窒化膜のような水素透過率の低い膜が含まれていなければ、開口またはトランジスタ上に分離部分を設けなくてよい。このような開口部303によれば、保持容量70下に形成されたTFT30に対して、保持容量70を形成した後に水素化処理を施すことが可能である。尚、開口部303は、誘電体膜75に形成された開口部或いは分離部を含んでいてもよい。
【0112】
また、図13に示すように、図12に示した液晶装置1の平面状のレイアウトを変形し、分離部分をトランジスタ30上ではない位置(図中コンタクトホール882の左右)で分離されるように配置し、トランジスタ30上には上部容量電極300、下部容量電極71及び容量絶縁膜75a、75bの切り欠き部分303を形成してもよい。
【0113】
(積層構造、第2層及び第3層間の構成―第1層間絶縁膜―)
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、且つ保持容量70の下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0114】
第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後記第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと保持容量70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。第1層間絶縁膜41には、保持容量70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が開孔されている。加えて、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が、第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。
【0115】
(積層構造・第4層の構成―データ線等―)
第3層に続けて第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、図12に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層(図12における符号41A参照)、窒化チタンからなる層(図12における符号41TN参照)、窒化シリコン膜からなる層(図12における符号401参照)の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターニングされている。
【0116】
第4層には、データ線6aと同一膜として、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。これらは、図11に示すように、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、パターニング上分断されるように形成されている。
【0117】
ちなみに、これら容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2は、データ線6aと同一膜として形成されていることから、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、プラズマ窒化膜からなる層の三層構造を有する。
【0118】
(積層構造・第3層及び第4層間の構成―第2層間絶縁膜―)
以上説明した保持容量70の上、且つ、データ線6aの下には、例えばNSG、PSG,BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続する、前記のコンタクトホール81が開孔されているとともに、容量配線用中継層6a1と保持容量70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。さらに、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するための、コンタクトホール882が形成されている。
【0119】
(積層構造・第5層の構成―容量配線等―)
第4層に続けて第5層には、容量配線400が形成されている。容量配線400は、平面的にみると、図11に示すように、図中X方向及びY方向それぞれに延在するように、格子状に形成されている。このような容量配線400によって、画素毎に開口領域が規定される。尚、容量配線400は、TFT30に水素化処理を施した後に形成されるため、TFT30上に延在するように形成されていても、TFT30の水素化処理を阻害することがない。
【0120】
容量配線400のうち図11中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図12中X方向に延在する部分については、第3中継電極402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に、開口領域とは分離されて形成された開口部である窓400aが設けられている。
【0121】
図11中、XY方向それぞれに延在する容量配線400の交差部分の隅部においては、この隅部を埋めるようにして、略三角形状の部分が設けられている。容量配線400に、この略三角形状の部分が設けられていることにより、TFT30の半導体層1aに対する光の遮蔽を効果的に行うことができる。すなわち、半導体層1aに対して、斜め上から進入しようとする光は、この三角形状の部分で反射又は吸収されることになり半導体層1aには至らないことになる。したがって、光リーク電流の発生を抑制し、フリッカ等のない高品質な画像を表示することが可能となる。容量配線400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。
【0122】
第5層には、容量配線400と同一膜として形成された第3中継電極402が、容量配線400の窓400a内に島状に形成されている。より具体的には、容量配線400及び第3中継電極402間は、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。これにより、第3中継電極402は、容量配線400と電気的に分離される。また、第3中継電極402は、コンタクトホール804及び89を介して、第2中継電極6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。また、容量配線400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。
【0123】
(積層構造・第4層及び第5層間の構成―第3層間絶縁膜―)
データ線6aの上、且つ容量配線400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。第3層間絶縁膜43には、容量配線400と容量配線用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ開孔されている。
【0124】
(積層構造・第6層並びに第5層及び第6層間の構成―画素電極等―)
最後に、第6層には画素電極9aがマトリクス状に形成され、画素電極9a上に配向膜16が形成されている。画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第4層間絶縁膜44が形成されている。第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。画素電極9aとTFT30との間は、このコンタクトホール89及び第3中継層402並びにコンタクトホール804、第2中継層6a2、コンタクトホール882、中継電極719、コンタクトホール881、下部電極71及びコンタクトホール83を介して、電気的に接続されることとなる。
【0125】
以上説明したような構成を有するTFTアレイ基板10、対向基板20及びこれら基板間に挟持される液晶層により本例の液晶装置が構成される。本例の液晶装置によれば、製造プロセス及び装置構成を大きく変更することなく、水素が抜けることによるTTF30の素子特性の低下を抑制でき、高品質の液晶装置を提供することが可能である。加えて、仮に、対向基板20側に遮光膜23を形成しなくても、容量配線400及び第3中継電極402、並びに走査線11aによって、対向基板20側から入射される光、及び素子基板10側から入射される光を、より確実に遮光することが可能となる。従って、本例の液晶装置によれば、表示画像のコントラストを向上させると共に、高精細化させることができる。
【0126】
<電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
【0127】
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図14は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。図14に示すように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0128】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0129】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0130】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0131】
次に、上述した液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図15は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図15において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0132】
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図16は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図16において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0133】
尚、図14から図16を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、本実施形態の液晶装置は、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0134】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器、並びに半導体基板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。より具体的には、本発明の電気光学装置、又は電子機器を、例えばLCOS(Liquid Crystal on Silicon)、DMD(Digital Micro mirror Device)、有機EL装置など、各種の透過型、反射型、自発光型のデバイスに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本実施形態における電気光学装置の全体構成を表す平面図である。
【図2】図1のH−H´断面図である。
【図3】複数の画素部における各種素子、配線等の等価回路図である。
【図4】TFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図5】図4のA−A´断面図である。
【図6】本実施形態におけるTFT30上の構成(変形例1)を示す平面図である。
【図7】本実施形態におけるTFT30上の構成(変形例2)を示す要部断面図である。
【図8】製造プロセスの各工程における断面の構成を、順を追って示す工程図(その1)である。
【図9】製造プロセスの各工程における断面の構成を、順を追って示す工程図(その2)である。
【図10】データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、下層部分(図12における符号70(保持容量)までの下層の部分)に係る構成のみを示すものである。
【図11】データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、上層部分(図12における符号70(保持容量)を超えて上層の部分)に係る構成のみを示すものである。
【図12】図10及び図11を重ね合わせた場合のA−A´断面図である。
【図13】図10に対応する変形例の平面図である。
【図14】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。
【図15】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図16】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0136】
1・・・液晶装置、70・・・保持容量、71・・・下部容量電極、75・・・誘電体、膜300・・・上部容量電極




 

 


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