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発明の名称 光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−25149(P2007−25149A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205809(P2005−205809)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 宮澤 康永
要約 課題
複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることが可能な光走査装置等を提供すること。

解決手段
複数の色光を走査させることにより画像を表示するための光走査装置であって、複数のビーム光を供給する光源部121Rと、光源部121Rからのビーム光を被照射領域であるスクリーン110において第1の方向と第2の方向へ繰り返し走査させる走査部200と、を有し、走査部200は、第1の方向へビーム光を走査させる周波数が、第2の方向へビーム光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、スクリーン110において第2の方向へビーム光を走査させるごとに、画像の少なくとも一部の画素に対して、同じ色光の異なるビーム光を割り当てるように駆動される。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の色光を走査させることにより画像を表示するための光走査装置であって、
複数のビーム光を供給する光源部と、
前記光源部からの前記ビーム光を被照射領域において第1の方向と第2の方向へ繰り返し走査させる走査部と、を有し、
前記走査部は、
前記第1の方向へ前記ビーム光を走査させる周波数が、前記第2の方向へ前記ビーム光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、
前記被照射領域において前記第2の方向へ前記ビーム光を走査させるごとに、前記画像の少なくとも一部の画素に対して、同じ色光の異なる前記ビーム光を割り当てるように駆動されることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記画素に対して同じ色光の異なる前記ビーム光を割り当てるように変換された画像信号に応じて前記ビーム光を供給することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記被照射領域における前記ビーム光のスポットが前記第2の方向に並列されるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記第1の方向と前記第2の方向とは互いに略直交し、
前記走査部は、前記被照射領域において前記第2の方向へ前記ビーム光を走査させるごとに、前記第1の方向への前記ビーム光の走査を開始する前記第2の方向の位置をシフトさせるように駆動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記走査部は、前記画素のピッチと略同一の長さを単位として、前記第1の方向への前記ビーム光の走査を開始する前記第2の方向の位置をシフトさせることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記走査部は、前記画素のピッチよりも小さい長さを単位として、前記第1の方向への前記ビーム光の走査を開始する前記第2の方向の位置をシフトさせることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記走査部は、前記被照射領域において前記第2の方向へ前記ビーム光を走査させるごとに、前記第2の方向に対する前記第1の方向の角度を変化させるように駆動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記走査部は、前記被照射領域において前記第2の方向へ所定回数前記ビーム光を走査させる間に、前記第2の方向に対する前記第1の方向の角度を所定の角度範囲において変化させることを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記被照射領域における前記ビーム光の位置を検出する走査位置検出部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項10】
前記光源部は、複数の前記画素に跨る位置に前記ビーム光が入射する場合に、前記ビーム光により前記被照射領域に形成されるスポットのうち前記画素と重なる領域の割合を用いて重み付けされた階調を表現するように前記ビーム光を変調することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項11】
複数の色光を走査させることにより画像を表示するための光走査装置の制御方法であって、
複数のビーム光を供給するビーム光供給工程と、
前記ビーム光を被照射領域において第1の方向と第2の方向へ繰り返し走査させる走査工程と、を含み、
前記走査工程において、
前記ビーム光を前記第1の方向へ走査させる周波数が、前記第2の方向へ走査させる周波数に比べて高く、
前記被照射領域において前記第2の方向へ前記ビーム光を走査させるごとに、前記画像の少なくとも一部の画素に対して同じ色光の異なる前記ビーム光を走査させることを特徴とする光走査装置の制御方法。
【請求項12】
光走査装置からの光により画像を表示する画像表示装置であって、
前記光走査装置は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査装置であることを特徴とする画像表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置、特に、画像信号に応じて変調されたレーザ光を走査させることで画像を表示するための光走査装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を走査させることで画像を表示する画像表示装置には、レーザ光を走査させる光走査装置が用いられる。光走査装置は、画像信号に応じて変調されたレーザ光を二次元方向へ走査させる。画像表示装置は、光走査装置からのレーザ光をスクリーン等に入射させることにより画像を表示する。レーザ光の変調には、一般に、レーザ光を点灯させるパルス幅を画像信号に応じて変化させるパルス幅変調(Pulse Width Modulation、以下、「PWM」という。)が用いられる。画像の1フレームにおいて、全画素について画像信号に応じた階調を表現するためには、最小単位のパルス幅を非常に小さくする必要がある。画像の画素数を多くするほど、また、画像の階調数を多くするほど、パルス幅の最小単位はさらに小さくなる。高出力のレーザ光源は、小さいパルス幅に応じて正確かつ高速にスイッチングを行うことが非常に困難である。そこで、変調周波数を高めることが困難である場合に、複数のレーザ光を用いて走査を分担させることが考えられる。例えば、光走査装置が被照射領域の水平方向及び垂直方向へレーザ光を走査させる場合、レーザ光を走査させる周波数が垂直方向よりも水平方向のほうが高いとすると、複数のレーザ光を垂直方向へ並列させることにより、走査を分担させることができると考えられる。複数のレーザ光を垂直方向へ並列させる場合、単独のレーザ光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である一方、照射領域においてスポット群の軌跡同士の間に大きな隙間が生じてしまう。かかる隙間は、並列させるレーザ光の数が多くなるほど大きくなる。また、水平方向へのスキャンも、画面の水平方向からずれて斜めになってしまう。レーザ光の走査軌跡の隙間が目立ち易くなると、高品質な画像を得ることが困難となる。目立ち易い隙間を生じさせないようにレーザ光を走査させる手段としては、水平方向及び垂直方向のいずれか一方向についての走査線と同数の光源を配置し、一方向のみへ各レーザ光を走査させることが考えられる。走査線と同数の光源を用いる技術としては、例えば、特許文献1に提案されるものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−21804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、走査線と同数の光源を配置する場合、非常に多くの光源が必要であることから、光走査装置が非常に高価なものとなってしまう。また、垂直方向へ並列させたレーザ光の強度に差がある場合や、垂直方向へ並列させたレーザ光同士の間に隙間がある場合、画像に明るさムラが生じてしまう。レーザ光の強度に差がある場合、予め同等の強度のレーザ光を供給するように光源部を調節することが考えられる。この場合、強度が最も小さいレーザ光に他のレーザ光の出力を合わせることとなるため、本来供給できるレーザ光の明るさや階調を無駄にすることとなる。また、レーザ光同士の隙間がある場合、単に隙間を埋めるようにレーザ光の位置を移動させて走査させることや、隙間を埋めるように予めレーザ光を二次元方向に配列することが考えられる。この場合も、レーザ光の重複が生じる領域と生じない領域とで明るさムラが生じてしまう。このように、従来の技術では、複数のビーム光を用いて走査を分担させる場合に、高品質な画像を表示することが困難であるという問題を生じている。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることが可能な光走査装置、光走査装置の制御方法、及びその光走査装置を用いる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、複数の色光を走査させることにより画像を表示するための光走査装置であって、複数のビーム光を供給する光源部と、光源部からのビーム光を被照射領域において第1の方向と第2の方向へ繰り返し走査させる走査部と、を有し、走査部は、第1の方向へビーム光を走査させる周波数が、第2の方向へビーム光を走査させる周波数に比べて高くなるように駆動され、被照射領域において第2の方向へビーム光を走査させるごとに、画像の少なくとも一部の画素に対して同じ色光の異なるビーム光を割り当てるように駆動されることを特徴とする光走査装置を提供することができる。
【0006】
ビーム光の第2の方向への走査は、画像の1フレームに対して1回又は複数回行われる。第2の方向へビーム光を走査させるごとに、同じ色光の異なるビーム光を割り当てて画素を形成することにより、時間の経過とともにビーム光の強度の差を平均化させることが可能となる。また、レーザ光同士の間の隙間がある場合も、時間の経過とともにビーム光の照射領域が平均化されることにより、照射領域の隙間を埋めさせることも可能である。時間の経過とともにレーザ光の強度の差や照射領域を平均化させることが可能であるから、各画素に対して常に同じビーム光を割り当てる従来の場合と比較して、明るさムラを低減することができる。各色光について複数のビーム光を用いて走査を分担させることで、各色光について単独のビーム光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることが可能な光走査装置を得られる。ビーム光の照射領域を平均化することが可能である場合、画素同士の境目を目立たなくさせることにより、自然な画像を表示させることもできる。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、光源部は、画素に対して同じ色光の異なるビーム光を割り当てるように変換された画像信号に応じて変調されたビーム光を供給することが望ましい。これにより、画像信号に応じた正確な画像を表示させることが可能となる。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、光源部は、被照射領域におけるビーム光のスポットが第2の方向に並列されるように構成されることが望ましい。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させることができる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の方向と第2の方向とは互いに略直交し、走査部は、被照射領域において第2の方向へビーム光を走査させるごとに、第1の方向へのビーム光の走査を開始する第2の方向の位置をシフトさせるように駆動されることが望ましい。これにより、第2の方向へビーム光を走査させるごとに各画素に対して異なるビーム光を割り当てることができる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様としては、走査部は、画素のピッチと略同一の長さを単位として、第1の方向へのビーム光の走査を開始する第2の方向の位置をシフトさせることが望ましい。これにより、ビーム光の強度の差、及びビーム光の照射領域を平均化させることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様としては、走査部は、画素のピッチよりも小さい長さを単位として、第1の方向へのビーム光の走査を開始する第2の方向の位置をシフトさせることが望ましい。これにより、ビーム光の強度の差、及びビーム光の照射領域を平均化させることができる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様としては、走査部は、被照射領域において第2の方向へビーム光を走査させるごとに、第2の方向に対する第1の方向の角度を変化させるように駆動されることが望ましい。これにより、ビーム光の強度の差を平均化させ、また照射領域の隙間を埋めさせることができる。
【0013】
また、本発明の好ましい態様としては、走査部は、被照射領域において第2の方向へ所定回数ビーム光を走査させる間に、第2の方向に対する第1の方向の角度を所定の角度範囲において変化させることが望ましい。これにより、ビーム光の強度の差、及びビーム光の照射領域を、より平均化させることができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様としては、被照射領域におけるビーム光の位置を検出する走査位置検出部を有することが望ましい。走査位置検出部からの出力を用いることにより、走査部をフィードバック制御することが可能となる。これにより、走査部を正確に駆動させることができる。
【0015】
また、本発明の好ましい態様としては、光源部は、複数の画素に跨る位置にビーム光が入射する場合に、ビーム光により被照射領域に形成されるスポットのうち画素と重なる領域の割合を用いて重み付けされた階調を表現するようにビーム光を変調することが望ましい。これにより、画素同士の境目における階調を正確に表現し、正確な画像を表示することができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、複数の色光を走査させることにより画像を表示するための光走査装置の制御方法であって、複数のビーム光を供給するビーム光供給工程と、ビーム光を被照射領域において第1の方向と第2の方向へ繰り返し走査させる走査工程と、を含み、走査工程において、ビーム光を第1の方向へ走査させる周波数が、第2の方向へ走査させる周波数に比べて高く、被照射領域において第2の方向へビーム光を走査させるごとに、画像の少なくとも一部の画素に対して同じ色光の異なる前記ビーム光を走査させることを特徴とする光走査装置の制御方法を提供することができる。
【0017】
本発明の制御方法によれば、時間の経過とともにレーザ光の強度の差や照射領域を平均化させることが可能であるから、各画素に対して常に同じビーム光を割り当てる従来の場合と比較して、明るさムラを低減することができる。各色光について複数のビーム光を用いて走査を分担させることで、各色光について単独のビーム光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することも可能である。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることができる。ビーム光の照射領域を平均化することが可能である場合、画素同士の境目を目立たなくさせることにより、自然な画像を表示させることもできる。
【0018】
さらに、本発明によれば、光走査装置からの光により画像を表示する画像表示装置であって、光走査装置は、上記の光走査装置であることを特徴とする画像表示装置を提供することができる。上記の光走査装置を用いることにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることができる。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示可能な画像表示装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示装置100の概略構成を示す。画像表示装置100は、スクリーン110の一方の面にレーザ光を供給し、スクリーン110の他方の面から出射される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタである。画像表示装置100に設けられた光走査装置120は、走査部200を用いてレーザ光を走査させる。光走査装置120は、レーザ装置101、照明光学系102、及び走査部200を有する。画像表示装置100は、光走査装置120からの複数の色光を走査させることにより画像を表示する。
【0021】
図2は、レーザ装置101の概略構成を示す。レーザ装置101は、ビーム光である赤色レーザ光(以下、「R光」という。)を供給するR光用光源部121Rと、ビーム光である緑色レーザ光(以下、「G光」という。)を供給するG光用光源部121Gと、ビーム光である青色レーザ光(以下、「B光」)という。)を供給するB光用光源部121Bと、を有する。R光用光源部121R、G光用光源部121G、B光用光源部121Gは、いずれも、複数のビーム光であるレーザ光を供給する。
【0022】
各色光用光源部121R、121G、121Bは、それぞれ画像信号に応じて変調された複数のビーム光であるレーザ光を供給する。画像信号に応じた変調は、振幅変調、パルス幅変調のいずれを用いても良い。レーザ装置101には、2つのダイクロイックミラー124、125が設けられている。ダイクロイックミラー124は、R光を透過し、G光を反射する。ダイクロイックミラー125は、R光及びG光を透過し、B光を反射する。R光用光源部121RからのR光は、ダイクロイックミラー124、125を透過した後、レーザ装置101から出射する。
【0023】
G光用光源部121GからのG光は、ダイクロイックミラー124で反射することにより、光路が略90度折り曲げられる。ダイクロイックミラー124で反射したG光は、ダイクロイックミラー125を透過した後、レーザ装置101から出射する。B光用光源部121BからのB光は、ダイクロイックミラー125で反射することにより、光路が略90度折り曲げられる。ダイクロイックミラー125で反射したB光は、レーザ装置101から出射する。レーザ装置101は、このようにして、画像信号に応じて変調されたR光、G光、B光を供給する。図1に戻って、レーザ装置101からのレーザ光は、照明光学系102を経た後走査部200へ入射する。走査部200からの光は、投写光学系103を経た後、反射部105に入射する。照明光学系102及び投写光学系103は、レーザ装置101からのレーザ光をスクリーン110上に結像させる。
【0024】
反射部105は、走査部200からのレーザ光をスクリーン110の方向へ反射する。筐体107は、筐体107内部の空間を密閉する。スクリーン110は、筐体107の所定の一面に設けられている。スクリーン110は、画像信号に応じて変調されたレーザ光を透過させる透過型スクリーンである。反射部105からの光は、スクリーン110の、筐体107の内部側の面から入射した後、観察者側の面から出射する。観察者は、スクリーン110から出射する光を観察することで、画像を鑑賞する。
【0025】
図3は、走査部200の概略構成を示す。走査部200は、反射ミラー202と、反射ミラー202の周囲に設けられた外枠部204とを有する、いわゆる二重ジンバル構造をなしている。外枠部204は、回転軸であるトーションばね206によって、不図示の固定部に連結されている。外枠部204は、トーションばね206の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね206を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね206に略直交する回転軸であるトーションばね207によって、外枠部204に連結されている。反射ミラー202は、レーザ装置101からのレーザ光を反射する。反射ミラー202は、高反射性の部材、例えばアルミニウムや銀等の金属薄膜を形成することにより構成できる。
【0026】
反射ミラー202は、外枠部204がトーションばね206を中心として回動することにより、スクリーン110においてレーザ光をY方向(図1参照)へ走査するように変位する。また、反射ミラー202は、トーションばね207の捩れと、元の状態への復元とを利用して、トーションばね207を中心として回動する。反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動することにより、反射ミラー202で反射したレーザ光をX方向へ走査するように変位する。このように、走査部200は、レーザ装置101からのレーザ光をX方向とY方向へ繰り返し走査させる。
【0027】
図4は、走査部200を駆動させるための構成を説明するものである。反射ミラー202がレーザ光を反射させる側を表側とすると、第1の電極301、302は、外枠部204の裏側の空間であって、トーションばね206に関して略対称な位置にそれぞれが設けられている。第1の電極301、302に電圧を印加すると、第1の電極301、302と、外枠部204との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。外枠部204は、第1の電極301、302に交互に電圧を印加することにより、トーションばね206を中心として回動する。
【0028】
トーションばね207は、詳細には、第1のトーションばね307と第2のトーションばね308とで構成されている。第1のトーションばね307と第2のトーションばね308との間には、ミラー側電極305が設けられている。ミラー側電極305の裏側の空間には、第2の電極306が設けられている。第2の電極306に電圧を印加すると、第2の電極306とミラー側電極305との間には、電位差に応じた所定の力、例えば静電力が発生する。第2の電極306のいずれにも同位相の電圧を印加すると、反射ミラー202は、トーションばね207を中心として回動する。走査部200は、このようにして反射ミラー202を回動させることで、レーザ光を二次元方向へ走査させる。走査部200は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により作成することができる。
【0029】
走査部200は、例えば画像の1フレーム期間において、垂直方向であるY方向へ1回レーザ光を走査させる間に、水平方向であるX方向について複数回レーザ光を往復させるように反射ミラー202を変位させる。X方向を第1の方向、Y方向を第1の方向に略直交する第2の方向とすると、走査部200は、第1の方向へレーザ光を走査する周波数が、第2の方向へレーザ光を走査する周波数に比べて高くなるように駆動される。なお、X方向へのレーザ光の走査を高速に行うために、走査部200は、トーションばね207を中心として反射ミラー202を共振させる構成とすることが望ましい。反射ミラー202を共振させることにより、反射ミラー202の変位量を増大させることができる。反射ミラー202の変位量を増大させることにより、走査部200は、少ないエネルギーで効率良くレーザ光を走査することができる。なお、反射ミラー202は、共振を用いず駆動することとしても良い。
【0030】
なお、走査部200は、電位差に応じた静電力によって駆動する構成に限られない。例えば、圧電素子の伸縮力や電磁力を用いて駆動する構成であっても良い。走査部200は、X方向にレーザ光を走査する反射ミラーと、Y方向にレーザ光を走査する反射ミラーとを設ける構成としても良い。さらに、走査部200は、ガルバノミラーを用いる構成に限らず、複数のミラー片を有する回転体を回転させるポリゴンミラーを用いても良い。
【0031】
図5は、R光用光源部121Rからのレーザ光の光路を説明するものである。本実施例及び以下の実施例では、各色光用光源部のうちR光用光源部121Rからのレーザ光を供給するための構成を代表例として説明することとし、また説明に不要な構成の図示を省略している。R光用光源部121Rは、4つの開口部501を有している。各開口部501は、それぞれ独立に変調されたレーザ光を供給する。
【0032】
R光用光源部121Rと走査部200との間に設けられた照明光学系102は、凸レンズ502と凹レンズ503とを組み合わせて構成することができる。照明光学系102は、凸レンズ502の収束作用、及び凹レンズ503の拡散作用により、R光用光源部121Rからのレーザ光を画素ピッチと略同一の間隔で出射させる。走査部200とスクリーン110との間の投写光学系103は、R光用光源部121Rからのレーザ光をスクリーン110上に結像させる。照明光学系102及び投写光学系103を用いることにより、スクリーン110に高精細な画像を表示することができる。
【0033】
図6は、R光用光源部121Rにおける開口部501の配置について説明するものである。R光用光源部121R上のa方向、及びa方向に略直交するb方向が、それぞれスクリーン110上のX方向及びY方向に対応しているとすると、4つの開口部501は、b方向に配列されている。各開口部501からのレーザ光により、スクリーン110上には、Y方向に4つのスポットSPが並列される。光源部は、被照射領域であるスクリーン110におけるレーザ光のスポットSPが第2の方向であるY方向に並列されるように構成されている。
【0034】
図5に戻って、走査部200の周辺には、検出用光源部511及び走査位置検出部512が設けられている。検出用光源部511及び走査位置検出部512は、走査部200がR光用光源部121Rからのレーザ光を反射させる側とは反対側の空間に設けられている。走査位置検出部512は、走査部200の反射ミラー202(図3参照)で反射した検出用光源部511からの検出光により、二次元方向における走査部200の変位を検出する。走査位置検出部512からの出力により、スクリーン110におけるレーザ光の位置を検知することができる。なお、反射ミラー202のうち少なくとも検出光が入射する部分に、表面と同様に高反射性の部材を形成しても良い。高反射性の部材で検出光を反射する構成とすることにより、走査位置検出部512にてS/N比が高い信号を得ることができる。検出用光源部511及び走査位置検出部512は、走査部200がR光用光源部121Rからのレーザ光を反射させる側の空間に設けることとしても良い。
【0035】
図7は、本実施例との比較として、従来の光走査装置によるレーザ光の走査について説明するものである。図7において上方向はプラスY方向、右方向はプラスX方向である。任意の第nフレームにおいて、R光用光源部121Rからの4つのレーザ光の走査は、スクリーン110の入射側から見てスクリーン110の左上部から開始する。4つのレーザ光を右方向へ1回走査させることにより、第nフレームの1行目から4行目までの画素が形成される。次に、走査位置を下方向へ移動させた後それまでとは逆の左方向へ4つのレーザ光を走査させることにより、第nフレームの5行目から8行目までの画素が形成される。これを繰り返すことにより、第nフレームの画像が形成される。
【0036】
第(n+1)フレーム及び第(n+2)フレームについても、4つのレーザ光を第nフレームと同様に走査させる。従来の光走査装置を用いる場合、各画素には、各フレームにおいて常に同じレーザ光が割り当てられる。各レーザ光の強度に差を生じる場合、時間の経過とともに、レーザ光を走査させるラインごとの明るさムラが顕著に表れてしまう。このような明るさムラを低減する手段としては、各レーザ光が同等の強度となるように光源部を調節することが考えられる。この場合、強度が最も小さいレーザ光に他のレーザ光の出力を合わせることとなるため、本来供給できるレーザ光の明るさや階調を無駄にすることとなる。なお、図中、レーザ光の走査軌跡を示す矢印の太さの違いは、レーザ光の強度の差を表すものとする。
【0037】
図8は、従来の光走査装置における他の不具合について説明するものである。図8に示すようにレーザ光を走査させる場合、4つのレーザ光をX方向へ1回走査させる時間は、単独のレーザ光であればX方向について2往復させる時間に相当する。このため4つのスポットSPをY方向へ並列させることにより、単独のレーザ光を用いる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能となる。その一方、X方向へのレーザ光の走査が遅くなることにより、X方向へ1回レーザ光が走査する間における、Y方向へのレーザ光の移動量が大きくなる。従来の光走査装置は、各フレームにおいて各レーザ光は常に同じ軌跡上を走査する。各レーザ光が常に同じ軌跡上を走査することにより、時間の経過とともに、図8においてハッチングを付して示すように、スポットSP群の軌跡同士の間に暗い部分が生じてしまう。
【0038】
図9は、本実施例の光走査装置120によるレーザ光の走査について説明するものである。第nフレームでは、図7に示す従来の光走査装置と同様に各レーザ光を走査させる。次に、第(n+1)フレームでは、第nフレームの画像を表示するときより4つのレーザ光を1画素分上にシフトさせた位置からレーザ光の走査を開始させる。第(n+1)フレームでは、第(n+1)フレームの画像を表示するときより4つのレーザ光をさらに1画素分上にシフトさせた位置からレーザ光の走査を開始させる。走査部200は、被照射領域であるスクリーン110において第2の方向であるY方向へレーザ光を走査させるごとに、第1の方向であるX方向へのレーザ光の走査を開始するY方向の位置をシフトさせるように駆動される。
【0039】
図10は、第2の方向であるY方向へのレーザ光のシフトについて説明するものである。ここでは、スクリーン110上に現れる4つのスポットSPにそれぞれ1〜4の数字を付して説明を行うものとする。第nフレームでは、1行目〜4行目の画素Pには、それぞれスポットSP1、2、3、4が割り当てられる。次の第(n+1)フレームでは、各スポットSPは1画素分上にシフトされ、1〜3行目の画素Pには、それぞれスポットSP2、3、4が割り当てられる。スポットSP2、3、4がそれぞれ1〜3行目の画素P上を移動する間、スポットSP1はスクリーン110の外を走査することとなるため、スポットSP1を形成するレーザ光の供給は停止される。4行目の画素Pには、左方向へ移動するスポットSP1が割り当てられる。
【0040】
さらに次の第(n+2)フレームでは、各スポットSPは1画素分さらに上にシフトされ、1、2行目の画素Pには、それぞれスポットSP3、4が割り当てられる。スポットSP3、4がそれぞれ1、2行目の画素P上を移動する間、スポットSP1、2はスクリーン110の外を走査することとなるため、スポットSP1、2を形成するレーザ光の供給は停止される。3、4行目の画素Pには、左方向へ移動するスポットSP1、2がそれぞれ割り当てられる。このように、本実施例では、被照射領域であるスクリーン110において第2の方向であるY方向へレーザ光を走査させるごとに、各画素Pに対して、同じ色光の異なるレーザ光が割り当てられる。また、X方向へのレーザ光の走査を開始するY方向の位置は、画素Pのピッチと略同一の長さを単位としてシフトさせる。
【0041】
G光用光源部121Gからのレーザ光、B光用光源部121Bからのレーザ光についても、R光用光源部121Rからのレーザ光と同様に走査される。なお、レーザ光の走査位置をシフトさせる態様は本実施例で説明するものに限られない。例えば、フレームごとに1画素分上にシフトさせる場合に限られず、1画素分下にシフトさせても良い。また、常に画素ピッチと略同一の長さごとシフトさせる場合に限られず、画素ピッチの長さを2倍以上させた分一度にシフトさせても良い。さらに、1フレームごとにレーザ光の走査位置をシフトさせる場合に限られない。1フレームにつきY方向への走査を複数回行う場合には、1フレームの中でY方向への走査ごとにレーザ光の走査位置をシフトさせることとしても良い。Y方向への毎回の走査ごとにレーザ光の走査位置をシフトさせるほか、Y方向への2回以上の走査ごとにレーザ光の走査位置をシフトさせても良い。
【0042】
本発明の光走査装置120は、各色光について複数のレーザ光を用いて走査を分担させることで、各色光について単独のレーザ光を走査させる場合よりも低い変調周波数で画像を表示することが可能である。また、Y方向へレーザ光を走査させるごとに同じ色光の異なるレーザ光を各画素に割り当てることにより、時間の経過とともにレーザ光の強度の差を平均化させることが可能となる。また、レーザ光の走査位置を移動させることにより、走査軌跡の間の隙間も埋め合わせることが可能である。時間の経過とともにレーザ光の強度の差を平均化させ、かつ走査軌跡の隙間を埋め合わせることが可能であるから、各画素に対して常に同じレーザ光を割り当てる従来の光走査装置を用いる場合と比較して、明るさムラを低減することができる。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることができるという効果を奏する。
【0043】
図11は、光走査装置120を制御するための構成を説明するものである。画像信号入力部711は、入力端子から入力された画像信号の特性補正や増幅等を行う。また、画像信号入力部711は、例えば、アナログ式の画像信号を、ディジタル式の光源変調用パルス信号に変換する。同期/画像分離部712は、画像信号入力部711からの信号を、R光、G光、B光のそれぞれについての画像情報信号、垂直同期信号、水平同期信号に分離し、制御部713へ出力する。制御部713は、画像情報をフレームごとの情報に分けて、フレームメモリ714へ出力する。
【0044】
制御部713は、ROM725及びRAM726の情報を参照して、各色光用光源部及び走査部200を制御する。ROM725には、レーザ光の走査位置をY方向へシフトさせるシフト量の最小値、最大値、及びシフト周期のデータが格納されている。シフト周期とは、最小値と最大値との間で一通りシフト量を変化させる時間である。本実施例においてレーザ光を走査させるパターンとしては、図9に示す3パターンのほか、スポットSP4を1行目の画素に割り当てる1パターンが考えられる。各色光について4つのレーザ光を走査させる場合、かかる4つのパターンによりレーザ光を走査させることにより、各画素に4つのレーザ光を1回ずつ割り当てることが可能である。このため、シフト周期としては、4フレーム分の時間を設定することができる。また、シフト量は、4つのレーザ光が1〜4行目の画素に割り当てられる場合(図9に示す第nフレームのパターン)を基準とし、0(ゼロ)を最小値、及び画素ピッチの3倍の長さを最大値と設定することができる。
【0045】
図12は、各画素に対して異なるレーザ光を割り当てるように各色光用光源部及び走査部200を制御する工程のフローチャートを示す。RAM726で参照されたカウンタ値が0である場合、制御部713は、ステップS11において、カウンタ値に対応するシフト量を演算し、RAM726に出力する。制御部713は、ROM725を参照し、カウンタ値(0〜3)に対するシフト量を、例えば、単位長さである画素ピッチごとの乱数として発生させる。RAM726には、フレームのカウンタ値、及びカウンタ値に対応するシフト量が記憶される。
【0046】
次に、制御部713は、ステップS12において、カウンタ値0に対応するシフト量(例えば、画素ピッチの長さ)を読み出す。画像処理部721は、ステップS13において、画素ピッチの長さだけレーザ光の走査位置をシフトさせる場合における反射ミラー202の振れ角、1フレーム中のX方向への走査回数等の走査情報を演算し、RAM726へ出力する。走査制御部723は、ステップS14において、垂直同期信号、水平同期信号、及びRAM726に記憶された情報に基づいて、走査部200を駆動する駆動信号を生成する。走査駆動部715は、制御部713からの駆動信号に応答して走査部200を駆動する。画像処理部721は、ステップS15において、走査情報の演算結果を用いて画像信号を変換し、RAM726へ出力する。光源制御部722は、ステップS16において、RAM726に記憶された情報に基づいて、1フレームごとの画像情報信号を出力する。
【0047】
制御部713は、ステップS16における画像情報信号の出力を行った後、ステップS17において、カウンタ値を1増加させる。ステップS18においてカウンタ値が4以外の数値である場合、ステップS12に戻る。ステップS18においてカウンタ値が4である場合、ステップS19にてカウンタ値を初期値0に戻し、ステップS11に戻る。なお、図10に示す第nフレームのパターンからレーザ光の走査位置をシフトさせると、1フレーム中のX方向への走査回数を増加させる必要が生じる。1フレーム中の走査回数が増加することに対しては、1フレームの時間を変更させず走査速度を増加させる措置、及び走査速度を変更させず1フレームの時間を長くする措置のいずれも採ることとしても良い。
【0048】
図11に戻って、走査位置検出部512は、スクリーン110におけるレーザ光の位置を検知し、走査位置情報を制御部713へ出力する。また、走査位置検出部512は、レーザ光をX方向へ走査させる反射ミラー202の振り角、及びレーザ光をY方向へ走査させる反射ミラー202の振り角を検出する。走査位置検出部512は、反射ミラー202をY方向へ走査させる振り角からフレーム開始信号F_Sync、反射ミラー202をX方向へ走査させる振り角からライン開始信号L_Syncをそれぞれ生成し、制御部713へ出力する。
【0049】
走査制御部723は、走査位置検出部512からの走査位置情報に基づいて、走査部200をフィードバック制御する。これにより、走査部200を正確に駆動させることができる。制御部713は、フレーム開始信号F_Sync、ライン開始信号L_Syncから演算された線速、及び垂直同期信号、水平同期信号に基づいて、画素タイミングクロックを生成する。画素タイミングクロックは、レーザ光が各画素上を通るタイミングを知るための信号であって、画像信号に応じて変調されたレーザ光を正確な位置に入射させるためのものである。
【0050】
R分担制御部731Rは、制御部713から入力された画像情報信号に基づいて、4つのレーザ光に対する駆動信号を生成する。R光源駆動部732Rは、R分担制御部731Rからの駆動信号に基づいて、R光用光源部121Rを駆動させる。G分担制御部731Gは、制御部713から入力された画像情報信号に基づいて、4つのレーザ光に対する駆動信号を生成する。G光源駆動部732Gは、G分担制御部731Gからの駆動信号に基づいて、G光用光源部121Gを駆動させる。B分担制御部731Bは、制御部713から入力された画像情報信号に基づいて、4つのレーザ光に対する駆動信号を生成する。B光源駆動部732Bは、B分担制御部731Bからの駆動信号に基づいて、B光用光源部121Bを駆動させる。各色光用光源部は、画素に対して同じ色光の異なるレーザ光を割り当てるように変換された画像信号に応じてレーザ光を供給する。本実施例の画像表示装置100は、このようにして、スクリーン110においてY方向へレーザ光を走査させるごとに、各画素に対して同じ色光の異なるレーザ光を割り当てて画像を表示することができる。
【0051】
なお、光走査装置120は、各色光について4つのレーザ光を供給する構成に限られず、各色光について複数のレーザ光を供給する構成であれば良い。また、1つの走査部200を用いて各色光を走査させる場合に限られず、例えば、色光ごと異なる走査部を用いることとしても良い。この場合、色光ごとにレーザ光の本数を異ならせることとしても良い。また、各色光用光源部は、複数の開口部を備える構成に限らず、単独のレーザ光を供給する複数のレーザ光源を配列させても良い。さらに、レーザ光を供給する開口部は、一方向に並列させる場合に限らず、2方向にアレイ状に設けることとしても良い。
【0052】
光走査装置120は、アナログ信号である画像信号をディジタル式の光源変調用パルス信号に変換する構成に限られない。例えば、画像信号入力部711は、ディジタル信号である画像信号をアナログ式の光源変調用強度信号に変換することとしても良い。また、画像信号入力部711は、ディジタル信号である画像信号を、ディジタル式の光源変調用パルス信号に変換することとしても良い。
【0053】
図13は、本実施例の変形例に係る光走査装置によるレーザ光の走査の態様を説明するものである。本変形例の光走査装置は、走査部により、画素のピッチよりも小さい長さを単位として、第1の方向への走査を開始する第2の方向の位置をシフトさせることを特徴とする。本変形例の各色光用光源部は、画素のピッチと略同一の間隔を有する2つのスポットSPがY方向に並列されるように構成されている。また、各色光用光源部は、スポットSP1、2がいずれも画素よりも小さい領域となるように調節されている。
【0054】
図13では、隣接する3つのフレーム中画素Pm及びその近傍を通過するタイミングにおけるレーザ光の走査位置を表している。任意の第nフレームにおいて、スポットSP1、2は、それぞれ画素Pmの上側部、P(m+1)の上側部を通過する。次の第(n+1)フレームでは、第nフレームの画像を表示するときより2つのレーザ光を約2分の1画素分上にシフトさせた位置からレーザ光の走査を開始させる。レーザ光の走査位置をシフトさせることで、第(n+1)フレームにおいて、スポットSP1、2は、それぞれ画素P(m+1)の下側部、Pmの下側部を通過する。
【0055】
さらに次の第(n+1)フレームでは、スポットSP1、2は2分の1画素分さらに上にシフトされる。第(n+1)フレームにおいて、スポットSP1、2は、それぞれ画素P(m+1)の中央部、Pmの中央部を通過する。レーザ光のシフト量やシフトの周期は、時間の経過とともにレーザ光の強度の差を平均化させることが可能な値を適宜設定することができる。
【0056】
図14は、従来の光走査装置における不具合について説明するものである。従来の光走査装置では、レーザ光同士の隙間がある場合に、単に隙間を埋めるようにレーザ光の位置を移動させることや、隙間を埋めるように予めレーザ光を二次元方向に並列する構成が考えられている。この場合、レーザ光の重複が生じるハッチングを付した領域と、重複が生じない白抜きの領域とで、明るさムラが生じてしまう。
【0057】
本変形例の場合、Y方向へレーザ光を走査させるごとにレーザ光をシフトさせることにより、上記の光走査装置120の場合と同様に、時間の経過とともにレーザ光の強度の差を平均化させることができる。また、画素のピッチよりも小さい長さを単位としてY方向の位置をシフトさせることにより、レーザ光同士の間の隙間がある場合も、時間の経過とともにレーザ光の照射領域が平均化される。レーザ光の照射領域を平均化させることにより、照射領域の隙間を埋めさせることが可能である。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることができる。さらに、レーザ光の照射領域を平均化することにより、画素同士の境目を目立たなくさせ、自然な画像を表示させることも可能となる。なお、レーザ光のスポットSPが画素よりも小さい場合に限られず、スポットSPが画素と略同じ大きさである場合も、レーザ光の照射領域を平均化させることにより高品質な画像を表示することができる。
【実施例2】
【0058】
図15は、本発明の実施例2に係る光走査装置について説明するものであって、レーザ光の走査の態様を示すものである。本実施例の光走査装置は、上記実施例1に係る画像表示装置100に適用することができる。上記実施例1は、第2の方向へ1回レーザ光を走査させる間に、第2の方向に対して略直交する第1の方向へ複数回レーザ光を往復させる構成である。これに対して、本実施例の光走査装置は、第2の方向へ1回レーザ光を走査させる間に複数回レーザ光を往復させる第1の方向を変化させる。本実施例は、被照射領域において第2の方向へレーザ光を走査させるごとに、第2の方向に対する第1の方向の角度を変化させることを特徴とする。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施例において第2の方向とは、上記実施例1と同様に、Y方向である。
【0059】
任意の第nフレームでは、X方向に対して右下がりの方向を第1の方向としてレーザ光を走査させる。矢印のうち破線で示す部分は、レーザ光の供給を停止させることを示している。次の第(n+1)フレームでは、第1の方向を右上がりの方向に変化させる。さらに次の第(n+2)フレームでは、第1の方向を水平方向であるX方向に変化させる。このようにして、被照射領域であるスクリーン110において第2の方向であるY方向へレーザ光を走査させるごとに、第2の方向であるY方向に対する第1の方向の角度を変化させる。本実施例では、第2の方向であるY方向に対して直交するX方向を基準として、第1の方向の角度の変化を説明する。走査部は、図16に示すように、X方向を基準として反時計回りにθ1、時計回りにθ2の角度範囲内において、レーザ光を走査させる第1の方向を変化させる。
【0060】
光走査装置を制御するための構成は、図10に示す上記実施例の構成と同様である。ROM725には、X方向に対する第1の方向の角度の最小値、最大値、及び角度を変化させる周期のデータが格納されている。周期としては、時間の経過とともにレーザ光の強度の差を平均化させることが可能な値を適宜設定でき、例えば、30フレーム分の時間とすることができる。また、第1の方向の角度は、X方向である0度を基準とし、図16に示す+θ1を最大値、及び−θ2を最小値と設定することができる。+θ1、−θ2は、例えば、+15度、−14度とすることができる。
【0061】
図17は、Y方向へレーザ光を走査させるごとに第1の方向の角度を変化させるように各色光用光源部及び走査部を制御する工程のフローチャートを示す。RAM726で参照されたカウンタ値が0である場合、制御部713は、ステップS21において、カウンタ値に対応する角度を演算し、RAM726に出力する。制御部713は、ROM725を参照し、カウンタ値(0〜29)に対する角度を、例えば、1度ごとの乱数として発生させる。RAM726は、フレームのカウンタ値、及びカウンタ値に対応する角度が記憶される。
【0062】
次に、制御部713は、ステップS22において、カウンタ値0に対応する角度(例えば、+8度)を読み出す。画像処理部721は、ステップS23において、X方向に対する第1の方向の角度を+8度とする場合の走査情報を演算し、RAM726へ出力する。走査情報とは、例えば、反射ミラー202の振れ角、第1の方向へのレーザ光の走査を開始させる位置、1フレーム中の第1の方向への走査回数、第1の方向への走査速度、Y方向への走査速度等のデータである。第1の方向へのレーザ光の走査を開始させる位置は、例えば、画像の外縁部の画素に割り当てられるレーザ光、及び反射ミラー202の振れ角によって決定することが可能である。
【0063】
走査制御部723は、ステップS24において、垂直同期信号、水平同期信号、及びRAM726に記憶された情報に基づいて、走査部200を駆動する駆動信号を生成する。走査駆動部715は、制御部713からの駆動信号に応答して走査部200を駆動する。画像処理部721は、ステップS25において、走査情報の演算結果を用いて画像信号を変換し、RAM726へ出力する。光源制御部722は、ステップS26において、RAM726に記憶された情報に基づいて、1フレームごとの画像情報信号を出力する。
【0064】
図18は、レーザ光が2つの画素に跨る位置に入射する場合における階調の決定について説明するものである。画素Pm、及び画素P(m−1)上を走査するレーザ光により順次移動するスポットSPを、SPa、SPb、SPcと示している。画素P(m−1)は、画素PmのプラスY側に隣接する。スポットSPbの中心点は、画素P(m−1)の中心点、及び画素Pmの中心点を通過する中心線Nと一致している。スポットSPaの中心点は、画素PmのマイナスX側の境界線Laと一致している。スポットSPcの中心点は、画素PmのプラスX側の境界線Lbと一致している。
【0065】
図19は、スポットSPbを示す。スポットSPbのうち画素P(m−1)に重なる領域AR1の面積と、画素Pmに重なる領域AR2の面積との比率が3対7であるとする。画像信号に応じて画素P(m−1)、画素Pmで表現すべき階調がそれぞれM(m−1)、Mmである場合、スポットSPbにおける階調Mbは、以下の式により決定することができる。
Mb=0.3×M(m−1)+0.7×Mm
【0066】
このように、2つの画素に跨る位置にレーザ光が入射する場合の階調は、被照射領域であるスクリーン110において形成されるスポットのうち画素と重なる領域の割合で重み付けすることにより決定される。スポットがSPaからSPcへ移動する間、レーザ光は、上記の式により決定された階調Mbを表現するように変調される。レーザ光が2つの画素に跨る場合に限らず、3つの画素、4つの画素に跨る場合も、重なる領域の割合で重み付けすることにより階調が決定される。このように画像信号を変換することにより、画素に対してレーザ光を斜めに走査させる場合であっても画素同士の境目における階調を正確に表現し、正確な画像を表示することができる。なお、スポットSPa、SPcについてもスポットSPbと同様にして、画素と重なる領域の割合で重み付けされた階調を決定することとしても良い。さらに、図13に示す上記実施例1の場合も、本実施例の場合と同様に、画素と重なる領域の割合で重み付けされた階調を決定することとしても良い。
【0067】
図17に戻って、光源制御部722は、ステップS26において、RAM726に記憶された情報に基づいて、1フレームごとの画像情報信号を出力する。制御部713は、ステップS26における画像情報信号の出力を行った後、ステップS27において、カウンタ値を1増加させる。ステップS28においてカウンタ値が30以外の数値である場合、ステップS22に戻る。ステップS28においてカウンタ値が30である場合、ステップS29にてカウンタ値を初期値0に戻し、ステップS21に戻る。以上の工程により、被照射領域であるスクリーン110においてY方向へ所定回数レーザ光を走査させる間に、第1の方向の角度を所定の角度範囲において変化させることが可能となる。
【0068】
本実施例の場合、スクリーン110においてY方向へレーザ光を走査させるごとに、画像の少なくとも一部の画素に対して同じ色光の異なるレーザ光を割り当てて画像を表示することができる。なお、図15に示す第(n+2)フレームのパターンからレーザ光を走査させる第1の方向の角度を変化させる場合、1フレーム中の第1の方向への走査回数を増加させる必要が生じる。1フレーム中の走査回数が増加することに対しては、上記実施例1の場合と同様に、1フレームの時間を変更させず走査速度を増加させる措置、及び走査速度を変更させず1フレームの時間を長くする措置のいずれも採ることとしても良い。
【0069】
レーザ光を往復させる第1の方向を変化させることで、画像の少なくとも一部の画素に対して、同じ色光の異なるレーザ光を割り当てることが可能となる。本実施例の場合も、上記実施例1の場合と同様に、ビーム光の強度の差を平均化させ、また照射領域の隙間を埋めさせることができる。これにより、複数のビーム光を用いて走査を分担させ、高品質な画像を表示させることができる。また、レーザ光の照射領域を平均化することにより、画素同士の境目を目立たなくさせ、自然な画像を表示させることも可能となる。本実施例の場合も1フレームにつきY方向への走査を複数回行う場合には、1フレームの中でY方向への走査ごとに第1の方向の角度を変化させることとしても良い。
【0070】
図20は、本実施例の変形例に係る光走査装置について説明するものである。本変形例では、第1の方向へのレーザ光の走査を開始させる位置を決定する方法について説明する。本変形例の各色光用光源部は、Y方向における画素の長さと略同一の直径を有する2つのスポットSPがY方向に並列されるように構成されている。図20には、X方向に対して右下がりの方向を第1の方向として2つのレーザ光を走査させる状態を示している。第1の方向への1回目の走査は、スクリーン110外の位置から開始し、スクリーン110上の位置で終了する。本変形例においても、スクリーン110外ではレーザ光の供給を停止させる。
【0071】
図21は、第1の方向への1回目の走査を終了させる位置、及びその周辺位置におけるスポットSPを表す。2つのスポットのうち上側のスポットSP1は、画像中の右上角の画素Pr1上を移動する。第1の方向への1回目のレーザ光の走査を開始させる位置は、スポットSP1が画素Pr1上を通過するような位置に決定される。第1の方向への2回目の走査は、画素Pr1から2つ下の画素Pr3上をスポットSP1が移動するような位置に決定される。
【0072】
図20に戻って、Y方向へレーザ光が1回走査する間における第1の方向への最後の走査軌跡SCnは、2つのスポットのうち下側のスポットSP2が画像中の左下角の画素上を通過する位置となる。第1の方向への最後にレーザ光の走査を開始させる位置は、スポットSP2が画像の左下角の画素上を通過するような位置に決定される。このようにして、第1の方向へのレーザ光の走査を開始させる位置を決定することができる。なお、スポットSPは、画素の長さと略同一の直径を有する場合に限らず、画素の長さより小さい直径を有する場合も、本変形例と同様にレーザ光の走査開始位置を決定することとしても良い。また、図22に示すように、2つのレーザ光がスクリーン110の外を走査する間は、水平方向へ走査部200を振ることとしても良い。
【実施例3】
【0073】
図23は、本発明の実施例3に係る画像表示装置1700の概略構成を示す。画像表示装置1700は、観察者側に設けられたスクリーン1705にレーザ光を供給し、スクリーン1705で反射する光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるフロント投写型のプロジェクタである。画像表示装置1700は、上記実施例1と同様に、光走査装置120を有する。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。光走査装置120からのレーザ光は、投写光学系103を透過した後、スクリーン1705に入射する。本実施例の場合も、複数のレーザ光を用いて走査を分担し、高品質な画像を表示することができる。
【0074】
なお、上記各実施例において、各色光用光源部にはレーザ光を供給する面発光レーザを用いる構成としているが、ビーム光を供給可能な構成であれば、これに限られない。例えば、各色光用光源部には、半導体レーザや固体レーザ、発光ダイオード素子(LED)等の固体発光素子のほか、液体レーザやガスレーザを用いる構成としても良い。また、本発明の光走査装置は、画像表示装置に用いる以外に、例えば、レーザプリンタ等の、レーザ光を走査させる電子機器に用いることとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明に係る光走査装置は、画像信号に応じて光を走査させる画像表示装置に用いる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施例1に係る画像表示装置の概略構成を示す図。
【図2】レーザ装置の概略構成を示す図。
【図3】走査部の概略構成を示す図。
【図4】走査部を駆動させるための構成を説明する図。
【図5】レーザ光の光路を説明する図。
【図6】R光用光源部における開口部の配置について説明する図。
【図7】従来の光走査装置によるレーザ光の走査について説明する図。
【図8】従来の光走査装置によるレーザ光の走査について説明する図。
【図9】光走査装置によるレーザ光の走査について説明する図。
【図10】Y方向へのレーザ光のシフトについて説明する図。
【図11】光走査装置を制御するための構成を説明する図。
【図12】各色光用光源部及び走査部を制御する工程のフローチャートを示す図。
【図13】実施例1の変形例に係る光走査装置について説明する図。
【図14】従来の光走査装置における不具合について説明する図。
【図15】本発明の実施例2に係る光走査装置について説明する図。
【図16】X方向に対する第1の方向の角度範囲を説明する図。
【図17】各色光用光源部及び走査部を制御する工程のフローチャートを示す図。
【図18】2つの画素に跨るレーザ光の階調の決定について説明する図。
【図19】スポットを示す図。
【図20】実施例2の変形例に係る光走査装置について説明する図。
【図21】スポットを示す図。
【図22】走査部を駆動させる他の態様を説明する図。
【図23】本発明の実施例3に係る画像表示装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0077】
100 画像表示装置、101 レーザ装置、102 照明光学系、103 投写光学系、105 反射部、107 筐体、110 スクリーン、120 光走査装置、200 走査部、121R R光用光源部、121G G光用光源部、121B B光用光源部、124、125 ダイクロイックミラー、202 反射ミラー、204 外枠部、206 トーションばね、207 トーションばね、301、302 第1の電極、305 ミラー側電極、306 第2の電極、307 第1のトーションばね、308 第2のトーションばね、501 開口部、502 凸レンズ、503 凹レンズ、511 検出用光源部、512 走査位置検出部、SP スポット、P 画素、711 画像信号入力部、712 同期/画像分離部、713 制御部、714 フレームメモリ、715 走査駆動部、721 画像処理部、722 光源制御部、723 走査制御部、725 ROM、726 RAM、731R R分担制御部、731G G分担制御部、731B B分担制御部、732R R光源駆動部、732G G光源駆動部、732B B光源駆動部、N 中心線、La、Lb 境界線、1700 画像表示装置、1705 スクリーン




 

 


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