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発明の名称 圧電振動ジャイロセンサ及び圧電振動ジャイロセンサを備えた電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24741(P2007−24741A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−209547(P2005−209547)
出願日 平成17年7月20日(2005.7.20)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 佐藤 健二
要約 課題
安定した振動検出特性と耐衝撃性とを兼ね備え圧電振動ジャイロセンサ、及びそれを用いた電子機器を提供する。

解決手段
ジャイロ振動片10の各電極バンプの中心点C16a〜C16fを中心点として設けられる各電極バンプ16a〜16fは、ジャイロ振動片10の重心Gからそれぞれが同じ距離の位置に配置され、且つ、ジャイロ振動片10の中心点を中心とした円周上に、同じ間隔にて配置されて、それぞれが重心Gに対して点対称の位置関係になっている。また、各電極リード6a〜6fは、それぞれ対応する電極バンプ16a〜16fに一端部が接合され、他端部は、ジャイロ振動片10の重心Gと各電極バンプの中心点C16a〜C16fとをそれぞれ結んだ線の延長線であるリード引き出し方向線C16a,C16b,C16c,C16d,C16e,C16fの方向へそれぞれ引き出されて支持基板4に支持される構造となっている。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の電極端子を備える中央支持部と、
前記中央支持部の両側から、前記中央支持部の中心を通る対称軸線の線上に延出された検出アームと、
前記検出アームに直交する方向に前記中央支持部の両側から延出された一対の連結アームと、
前記一対の連結アームの先端から各連結アームに直交して両側に延出され、前記対称軸線に対して線対称に配置された一対の駆動アームと、を同一平面に有した圧電振動ジャイロ素子を、
複数の電極リードを有した支持基板によって、前記複数の電極リードの各一端部を、それぞれ対応する前記電極端子に接合することによって支持する構造の圧電振動ジャイロセンサであって、
前記複数の電極端子が、前記圧電振動ジャイロ素子の重心を中心とする仮想の円周上に、前記重心に対して点対称に配置され、前記複数の電極リードが、前記重心と前記複数の電極端子の各中心点との延長線上に引き出されていることを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動ジャイロセンサにおいて、
前記複数の電極リードが、前記対称軸線に直交して且つ前記重心を通る仮想線または前記対称軸線に対して平面視で線対称に引き出されていることを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧電振動ジャイロセンサにおいて、
前記複数の電極リードのそれぞれが、少なくとも前記圧電振動ジャイロ素子の支持に供する部分の共振周波数を全て等しく有していることを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電振動ジャイロセンサにおいて、
前記複数の電極リードが、前記重心と、隣接する前記複数の電極端子のそれぞれの中心点との延長線上に、前記重心から同じ角度を有して引き出されていることを特徴とする圧電振動ジャイロセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電振動ジャイロセンサを備えた電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、横配置型の圧電振動ジャイロ素子を有する圧電振動ジャイロセンサ、及び圧電振動ジャイロセンサを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両における車体制御やカーナビゲーションシステム、また、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの高機能化がますます進んできているのに伴って、それらの電子機器の位置制御機能や振動制御補正機能などの充実とともに、小型化への要求が高まっている。このなかにあって、いわゆる横配置型の圧電振動ジャイロ素子(以下、ジャイロ振動片と呼ぶ)を備えた圧電振動ジャイロセンサ(以下ジャイロセンサと呼ぶ)が注目されている。ジャイロセンサは、水晶などの圧電性単結晶物からなるジャイロ振動片により、ジャイロセンサ搭載物の揺れや回転などによってジャイロ振動片の一部に発生する電気信号を角速度として検出し、回転角を算出することによって該搭載物の振動補正量を求め導くのに供する装置であり、前記した電子機器の高機能化に有効なものであるとともに、横配置型のジャイロ振動片は平面構造を有しているので、ジャイロセンサを搭載する電子機器の小型化、薄型化に有利である。
【0003】
このようなジャイロ振動片を用いたジャイロセンサの構造としては、内側に開口部が形成された絶縁樹脂からなる支持基板に一方端部が支持され他方を前記開口部の中央方向に延出して空中配線された複数のリード線(以下、電極リードと呼ぶ)を、ジャイロ振動片と支持基板が接触しないよう成形して、その端部をジャイロ振動片の支持部(支持板)に接合する方法が紹介されている。すなわち、ジャイロ振動片の支持部に一端部を接合した電極リードは、ジャイロ振動片の振動方向に対して同一及び垂直な方向のそれぞれからジャイロ素子を浮かせるように且つ柔軟に支持することによって、ジャイロ素子が有する振動特性に対して支持構造の影響を最小限に抑えるものである。さらに、ジャイロ振動片の振動方向に対して同一または垂直な方向のうち少なくとも一方の電極リードの剛性を、他方から支えている電極リードの剛性よりも低くすることにより、剛性が高めの電極リードによって耐衝撃性等の信頼性を保持しながら、剛性を低くした電極リードによってジャイロ振動片の振動を規制または阻害を回避している(特許文献1)。なお、圧電振動ジャイロセンサは、通常は外力から保護するために、収納容器内に固定して蓋板で封止したパッケージ構造がとられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−354169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のジャイロセンサの支持構造では、ジャイロセンサに強い衝撃が加わった場合に、剛性の低い電極リードに応力が加わって撓みを生じ、その方向にジャイロ振動片が傾きやすい。ジャイロ振動片の支持部に接合する電極リードの接合位置のわずかなずれがある場合は、より傾き易くなる。このように、ジャイロ振動片が傾くと、ジャイロ振動片の振動の検出軸が変化してしまうため、ジャイロセンサの検出感度のばらつきや変化が生じるという問題があった。加わった衝撃がより強い場合には、ジャイロ振動片がパッケージ容器の内壁に衝突して破損する可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、圧電振動ジャイロ素子の振動特性が支持構造の影響を受けない柔軟な支持構造を保持しながら、落下などの衝撃、あるいはジャイロ振動片と支持基板との接合部の位置ずれ等によって生ずるジャイロ振動片の傾きや変位を抑える支持構造とを同時に実現して、安定した角速度検出特性と耐衝撃性とを兼ね備え圧電振動ジャイロ素子の支持構造とジャイロセンサ、及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、複数の電極端子を備える中央支持部と、中央支持部の両側から、中央支持部の中心を通る対称軸線の線上に延出された検出アームと、検出アームに直交する方向に中央支持部の両側から延出された一対の連結アームと、一対の連結アームの先端から各連結アームに直交して両側に延出され、対称軸に対して線対称に配置された一対の駆動アームと、を同一平面に有した圧電振動ジャイロ素子を、複数の電極リードを有した支持基板によって、複数の電極リードの各一端部を、それぞれ対応する電極端子に接合することによって支持する構造の圧電振動ジャイロセンサであって、複数の電極端子が、圧電振動ジャイロ素子の重心を中心とする仮想の円周上に、重心に対して点対称に配置され、複数の電極リードが、重心と複数の電極端子の各中心点との延長線上に引き出されていることを主旨とする。
【0007】
この構成によれば、ジャイロ振動片を支持する支点となる複数の電極端子は、ジャイロ振動片の重心を中心とした仮想の円周上に、重心に対して点対称に配置させている。つまり、ジャイロ振動片の重心を均等に支えあう位置関係に配置されている。その各電極端子にそれぞれ対応する電極端子は、それぞれの一端部が電極端子に接合され、他端部が重心と該電極端子との延長線方向に引き出されている。すなわち、一端部を電極端子に接合されて引き出されてジャイロ振動片を支持する複数の電極リードの位置関係は、重心に対して点対称になっているので、ジャイロ振動片を重心に対して均等に支持する構造が形成される。よって、ジャイロ振動片をバランスよく支持できるので、ジャイロ振動片の安定な振動特性が得られる。また、落下等の衝撃が加わった場合に、ジャイロ振動片の変位を複数の電極リードで略均等に緩和されるため、特定の電極リードが塑性変形してジャイロ振動片が傾くことにより、ジャイロ振動片の検出感度の劣化を招く等の不具合を防ぐことが可能となる。したがって、優れた振動検出特性を有し、耐衝撃性に優れたジャイロセンサを提供することができる。
【0008】
本発明では、複数の電極リードが、対称軸線または対称軸線に直交して且つ重心を通る仮想線に対して平面視で線対称に引き出されていることが望ましい。
【0009】
ジャイロ振動片の検出アームと、一対の駆動アームとは、ジャイロ振動片の対称軸と直交し且つ重心を通る仮想線を基点となる中央軸として、周方向の屈曲振動を行なうようになっている。この対称軸または中央軸の延長線上にて少なくとも一対の電極リードによってジャイロ振動片を支持し、他の電極リードを重心に対して点対称に配設してジャイロ振動片を支持することにより、ジャイロ振動片の各部の振動方向に対しても略均等に支持することができる。この構成によれば、ジャイロ振動片の振動検出に及ぼす影響を抑制できるので、検出感度の劣化をより抑えることが可能となる。
【0010】
本発明では、複数の電極リードのそれぞれが、少なくとも圧電振動ジャイロ素子の支持に供する部分の共振周波数を全て等しく有していることが望ましい。
【0011】
電極リードがジャイロ振動片の支持に供している部分は、電極端子との接続部分から、支持基板に支持される部分までの箇所である。この電極リードが支持に供している部分の共振周波数が揃っていれば、同じバネ性を有する複数の電極リードにより、ジャイロ振動片の重心に対して、より均等にジャイロ振動片を支持することが可能となる。また、接合された電極リードの例えばインピーダンス等の電気特性が概ね揃うため、ジャイロ振動片の各部との安定した電気の授受に供することができるので、ジャイロセンサの検出感度を高く保持することが可能となる。
【0012】
本発明では、複数の電極リードが、重心と、隣接する複数の電極端子のそれぞれの中心点との延長線上に、重心から同じ角度を有して引き出されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ジャイロ振動片の重心に対してより均等に支持することが可能となる。
【0014】
本発明は、上記の圧電振動ジャイロセンサを備えた電子機器を提供することを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、優れた検出感度を有するジャイロセンサを搭載しているので、位置制御機能や振動制御補正機能等の充実した電子機器に寄与することができる。また、平面構造を有するジャイロ振動片を備えたジャイロセンサを搭載しているので、電子機器の薄型化及び小型化に寄与することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第一の実施形態)
以下、本発明に係るジャイロ振動片の支持機構及びジャイロセンサの第一の実施形態について図面に従って説明する。
【0017】
図1(a)は、ジャイロセンサ及びその支持構造を説明する正面図であり、同図(b)は、そのジャイロセンサの図1(a)中のA−A断面図である。なお、図1(a)では、ジャイロセンサの上部を覆っているパッケージ蓋体を一部切り欠いて図示している。
【0018】
(ジャイロセンサ)
まず、ジャイロセンサ1の全体構成を説明する。
ジャイロセンサ1は、水晶からなる圧電振動ジャイロ振動子としてのジャイロ振動片10と、ジャイロ振動片10を支持して且つ電気的に接続するのに供する複数(本例では6本)の電極リード6a〜6fと複数の電極リード6a〜6fの一方端部を支持する基材5とを有する支持基板4と、前記ジャイロ振動片10が支持された支持基板4を収納するパッケージ2の収納容器であるパッケージ本体2aと、このパッケージ本体2aの上面開口を天板として封鎖しているパッケージ蓋体2bとから構成されている。
【0019】
セラミック等で形成されたパッケージ本体2aの凹部底面2dの略中央には、支持基板4がパターン面5aを下側にして、銀ペーストなどの導電性接着剤60で固着されている。支持基板4は、ポリイミド樹脂などで形成された基材5を有しており、基材5の中央部には正十二角形の開口穴7が形成されている。また、支持基板4に備えられた複数の電極リード(インナーリード)6a〜6fは、開口穴7の対面する六対の辺のうち一辺おきの三対の辺のそれぞれの略中央に、各辺と垂直な方向にて基材5の裏側となるパターン面5aに基端部(他端部)が保持され、先端部(一端部)が後述するジャイロ振動片10の重心Gに向かって延出するようにして突出して形成されている。なお、パッケージ本体2aの凹部底面2dに支持基板4を固着している前記導電性接着剤60は、電極リード6a〜6fのそれぞれの一部と、パッケージ本体2aの凹部底面2dに備わる接続端子3との両方に接触させて塗布された後に固化され、支持基板4を固定している。また、この接続端子3は、パッケージ本体2aの底板部2cを介して外側に設置されている外部接続部(図示しない)と導通しているので、各電極リード6a〜6fは、それぞれに対応する前記外部接続部と導通している。
また、電極リード6a〜6fのそれぞれは、開口穴7の中心方向に向かって一旦斜め上方に折り曲げられてから、さらに先端側で再び水平に折り曲げられている。
【0020】
なお、本実施形態では、パッケージ本体2aの凹部底面2dに、支持基板4をパターン面5aを下向きにして固着される構成としたが、これに限定されない。例えば各電極リード6a〜6fのそれぞれの接続端子3との接続位置の基材5を切り欠いて凹部または開口部を設けるなどして、接続端子3と各電極リード6a〜6fの一部の双方に導電性接着剤60を接触させて塗布して導通させる手段等を用いれば、パターン面5aを上向きにして固着する構成としてもよい。
【0021】
電極リード6a〜6fの水平に折り曲げられた各先端部の上面は、ジャイロ振動片10の略中央部に形成された端子接続部としての金などからなる電極バンプ16a〜16fと接合されて、それぞれが電気的に接続されている。従って、ジャイロ振動片10の下面(裏面)は、電極バンプ16a〜16fの形成箇所以外の下面が電極リード6a〜6fと接触しない状態に支持され、しかも基材5から離間する側へ折り曲げられた電極リード6a〜6fの先端部に支持されることにより、基材5と接触しないように空隙Tを形成しながら、電極リード6a〜6fによって支持される構造となっている。
【0022】
(ジャイロ振動片)
次に、ジャイロ振動片10について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
まず、ジャイロ振動片10の構成について説明する。
図1(a)に示すように、ジャイロセンサ1に用いられるジャイロ振動片10は、従来知られた駆動モード、検出モード、及びスプリアスモードの3つのモードで動作すべく、駆動モードに供する第一の駆動アーム11及び第二の駆動アーム12と、検出モードに供する検出アーム13と、連結アーム14A,14Bと、支持板部15とを有している。
【0024】
一対の連結アーム14A,14Bは、四角板状を有する支持板部15の両側面(図1(a)においては上下の端面)中央箇所からそれぞれの連結アームの軸線が一致するようにそれぞれ反対方向に真っ直ぐ延出している。連結アーム14Aの一端は第一の駆動アーム11の延在方向中心位置に接続されており、一方、連結アーム14Bの一端は第二の駆動アーム12の延在方向中心位置に接続されている。検出アーム13は、支持板部15(つまりジャイロ振動片10)の重心Gをその軸線が通るように、支持板部15の両側面(図1(a)においては左右の端面)中央箇所から真っ直ぐ延出している。支持板部15は、連結アーム14A,14Bと検出アーム13との接続点を含む所定の面積を有する板状部であり、ジャイロ振動片10を支持基板4によって支持する支持部(基部)となっている。
【0025】
(ジャイロ振動片の動作)
次に、ジャイロ振動片10の動作原理について、図面に従って説明する。図2は、ジャイロ振動片10の駆動振動動作を模式的に示す説明図であり、図3は、ジャイロ振動片10の検出振動動作を模式的に示す説明図である。なお、図2、及び図3については、振動形態をわかりやすく表現するために、各アーム部は簡略化して線で表し、動作の基点などで二つに分け、それぞれの符号にA,Bを付している。また、図1と同じ構成部分は同じ符号で示し、説明を省略する。
【0026】
まず、駆動振動について説明する。図2において、駆動振動は、第一及び第二の駆動アーム11A,11B、及び12A,12Bが、それぞれ矢印A方向に振動する屈曲振動であって、実線で示す駆動姿態と、二点鎖線で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返している。このとき、第一の駆動アーム11A,11Bと第二の駆動アーム12A,12Bとが、重心Gを通るY軸で線対称の振動を行っているので、連結アーム14A,14B及び検出アーム13A,13Bは、ほとんど振動しない。
【0027】
次に、検出振動について説明する。図3において、検出振動は、実線で示す振動姿態と、二点鎖線で示す振動姿態を、前記駆動振動の周波数で繰り返している。検出振動は、ジャイロ振動片10が図2に示した駆動振動を行っている状態で、ジャイロ振動片10にZ軸回りの回転角速度ωが加わったとき、第一の駆動アーム11A,11B及び第二の駆動アーム12A,12Bに矢印Bで示す方向のコリオリ力が働くことによって発生する。
【0028】
このことにより、第一、及び第二の駆動アーム11A,11B、及び12A,12Bが、矢印Bで示す振動を行う。矢印Bで示した振動は、重心位置Gに対して周方向の振動である。また、同時に、検出アーム13A,13Bは、矢印Cに示すように、矢印Bの振動に呼応して矢印Bとは周方向反対向きの振動を行う。この検出アーム13A,13Bによる検出振動により発生する電気信号を検出することにより前記コリオリ力の大きさを知得し、これによりジャイロ振動片10を備えたジャイロセンサ1の搭載体に加えられた回転角速度ωの大きさを認識する。
【0029】
(ジャイロ振動片の電極配置、及び電極リードの引き出し方向)
ここで、ジャイロ振動片10の支持板部15における各電極バンプ16a〜16fの配置と、各電極バンプ16a〜16fにそれぞれ対応して一端部が接合される電極リード6a〜6fの引き出し方向について図面を用いて詳細に説明する。図4は、ジャイロ振動片10の電極バンプの配置及び電極リードの引き出し方向を模式的に説明するための平面図である。なお、図4では、ジャイロ振動片10の各電極バンプ16a〜16fの配置を説明しやすくするために、それぞれの電極バンプの中心点C16a〜C16fを図示している。また、電極リード6a〜6fの引き出し方向を説明しやすくするために、各電極リードの長手方向の中心線をリード引き出し方向線P1a〜P1fとして図示している。
【0030】
電極バンプの中心点C16aは、ジャイロ振動片10の重心Gから連結アーム14Aの延出方向と平行な方向に所定の距離を有して設けられている。また、電極バンプC16bは、重心Gから連結アーム14Bの延出方向と平行な方向に、重心Gから電極バンプC16aまでと同じ距離を有して設けられている。つまり、電極バンプC16aとC16bは、第一、及び第二の駆動アーム11,12と、検出アーム13それぞれの周方向の屈曲振動の基点を通る中央軸線上(リード引き出し方向線線P1a,P1b)に、重心Gに対して点対称に設けられている。一方、電極バンプの中心点C16cは、電極バンプの中心点C16aの位置から、重心Gを支点として時計回りに60°回転した位置に設けられている。また、電極バンプの中心点C16dは、電極バンプの中心点C16bの位置から、重心Gを支点として時計回りに60°回転した位置に設けられている。これにより、電極バンプの中心点C16cとC16dとは、重心Gを通る一直線上(リード引き出し方向線P1c,P1d)に配置され、また、重心Gに対して点対称の位置に設けられている。さらに、電極バンプの中心点C16eは、電極バンプの中心点C16aの位置から、重心Gを支点として反時計回りに60°回転した位置に設けられている。また、電極バンプの中心点C16fは、電極バンプの中心点C16bの位置から、重心Gを支点として反時計回りに60°回転した位置に設けられている。これにより、電極バンプの中心点C16eとC16fとは、重心Gを通る一直線上(リード引き出し方向線線P1e,P1f)に配置され、また、重心Gに対して点対称の位置に設けられている。
従って、各電極バンプの中心点C16a〜C16fを中心点として設けられた各電極バンプ16a〜16fは、ジャイロ振動片10の重心Gからそれぞれが同じ距離の位置に配置され、且つ、重心Gを中心とした円周上に、同じ間隔にて設けられている。つまり、電極バンプ16a,16b、16c,16d、16e,16fが、それぞれ重心Gを中心とした円周上(図中の点線で示す円)で且つ重心Gに対して点対称の位置関係にて配置されている。
【0031】
また、各電極リード6a〜6fは、それぞれ対応する電極バンプ16a〜16fに一端部が接合され、他端部は、ジャイロ振動片10の重心Gと各電極バンプの中心点C16a〜C16fとをそれぞれ結んだ線の延長線である図中のリード引き出しP1a,P1b,P1c,P1d,P1e,P1fそれぞれの方向へ引き出されて支持基板4の基材5に保持される構造となっている。このとき、隣接する電極リード6aと6c,6aと6e,6bと6f,6bと6d,6cと6f,6dと6eのそれぞれのリード引き出し線P1a〜P1fが重心Gにおいてつくる角の角度は、すべて60°で等しくなっている。
【0032】
(支持基板及び実装方法)
次に、支持基板4について、図面に従って詳細に説明する。
図5(a)は、本実施形態に係る支持基板の電極リード配置を説明する平面図であり、図5(b)は、その変形例を示す支持基板4の平面図である。
【0033】
支持基板4は、従来より知られるTAB(Tape Automated Bonding)実装用の基板である。支持基板4は、上面に図示しない接着剤層を有し、ポリイミドなどの可曉性樹脂からなる基材に、プレス加工によって正十二角形の開口穴7を形成してから、前記接着剤層により銅箔などの電極用金属箔を貼り合わせたのち、フォトリソグラフィーにより電極リード6a〜6f等の電極パターンを形成する。なお、開口穴7の中心点は、ジャイロ振動片10を実装した状態においての重心Gと一致するため、図中では開口穴7の中心点を重心Gとして図示している。これにより、電極リード6a〜6fは、基材5上に前記接着剤層によって保持されながら開口穴7の重心G側に向かって延出させた、いわゆるオーバーハング構造にて形成されている。また、複数の電極リード6a〜6fの表層には接合用金属層として金めっきが施され、接合用金属層を形成している。なお、電極リード6a〜6fを形成する電極用金属箔は、エッチングによりパターン形成可能な金属であれば銅箔以外のものを用いてもよい。また、開口穴7の形状は、図5(b)に図示するように、重心Gを中心とした円形としてもよい。
【0034】
開口穴7にオーバーハングされている複数の電極リード6a〜6fは、正十二角形の開口穴7の平行に対面する六対の辺のうち一辺おきの三対の辺のそれぞれの略中央から、各辺と垂直な方向且つ開口穴7の重心Gに向かってそれぞれ同じ幅と同じ長さにて形成されている。すなわち、図示する開口穴7の重心Gに対して点対称となる3つの対をなし、また、図示する一対の電極リード6a,6bを形成する二辺にて開口穴7を二等分する中心線P2に対して線対称にもなっている。本実施形態では、電極リード6aと6b、6cと6f、そして6dと6eがそれぞれ重心Gに対して点対称に三対の対をなして、開口穴7上で対面する先端部間に所定の間隙を設けて形成されている。なお、各電極リード6a〜6fのそれぞれの先端部分は、前記ジャイロ振動片10の電極バンプ16a〜16fのそれぞれと対応する位置に合わせて形成されている。
【0035】
電極バンプ16a〜16fと、それぞれに対応する支持基板4の各電極リード6a〜6fとの接合は、所定温度の熱圧着ツールを所定の圧力で圧しつけることで一括して接合する、いわゆるギャングボンディング(Gang Bonding)法によって行なう。このときの熱と圧力の作用によって、それぞれ対応する各電極バンプ16a〜16fと各電極リード6a〜6fの少なくとも表層をなしている金同士が、所定の機械的強度をもって金属接合される。
また、ギャングボンディングするときのジャイロ振動片10の高さと、支持基板4の高さとを調整することによって、電極リード6a〜6fの厚み方向の屈曲形状を制御して形成する。従って、ジャイロ振動片10の下面が支持基板4と接触しないように空隙Tを形成することができる。本実施形態では、支持基板4とジャイロ振動片10のクリアランスを50μm以上確保するように、空隙Tを形成している。(図1(b)参照)
【0036】
なお、本実施形態では、電極リード6a〜6fの表層に金めっきを施し、ジャイロ振動片10の金からなる電極バンプ16a〜16fとを、ギャングボンディング法によって金属接合させて接合する構成としたが、これに限定されない。例えば、金と錫の共晶現象をもって接合するなど、所定の接合強度を持って電気的に接続できれば、各電極リード6a〜6fに施すめっき金属及び電極バンプ16a〜16fの金属材料には、錫、ニッケル、半田合金など他の金属を接合金属として用いてもよい。また、ギャングボンディング法による金属接合以外にも、導電性接着剤などを用いた他の接合方法を用いてもよい。
また、本実施形態では、支持基板4単独でジャイロ振動片10を支持し、パッケージ本体2aの凹部底面2dに固定する構成としたが、これに限定されない。支持基板4のパターン面5aとは反対の面に金属板などの補強板を貼り合わせて、基材5を補強して用いてもよい。
【0037】
ジャイロ振動片10が支持基板4に実装された状態においては、支持基板4の開口穴7において、同じ太さを有する各電極リード6a〜6fが、上述したそれぞれのリード引き出し方向線P1a〜P1fから同じ長さで延出されて、ジャイロ振動片10の重心Gに対して点対称に配置された電極バンプ16a〜16fにそれぞれの一端部が接合されている。すなわち、各電極リード6a〜6fは、少なくともジャイロ振動片10を支持している部分(開口穴7にオーバーハングされている部分)において、すべて同じ共振周波数を有している。これにより、ジャイロ振動片10は、各電極リード6a〜6fによって重心Gに対して均等に支持され、バランスのよい安定姿勢を保持できるとともに、ジャイロ振動片10の振動特性に対しても局所的に規制することなく支持することが可能となっている。
【0038】
次に、前記の構成を有するジャイロセンサ1の支持基板4によるジャイロ振動片10の支持構造の作用を説明する。
【0039】
ジャイロセンサ1を搭載した電子機器などの補正対象物に揺れや回転が加わると、ジャイロセンサ1に備わるジャイロ振動片10が、その揺れや回転などの回転角速度の大きさとして認識する。このとき、ジャイロ振動片10の重心Gに対して均等に支持している支持基板4の電極リード6a〜6fによって、ジャイロ振動片10はバランスよく且つ柔軟に支持される。例えば振動や落下時の衝撃がジャイロセンサ1に加わったとき、パッケージ2内のジャイロ振動片10にはパッケージ2が受けた振動や衝撃が電極リード6a〜6fを介して伝播してくる他、慣性によっても振動や衝撃が加わる。ジャイロ振動片10が受ける振動や衝撃は電極リード6a〜6fのバネ性により緩和され、一方、パッケージ2が受けた振動や衝撃も電極リード6a〜6fのバネ性により緩和されてジャイロ振動片10へ伝播しにくくなるので、ジャイロ振動片10の振動特性が支持構造の影響を受け難くなっている。
また、電極リード6a〜6fのそれぞれは、同じ共振周波数を有してジャイロ振動片10の重心Gに対して均等に支持しているので、例えばジャイロセンサ1に衝撃が加わったときのパッケージ2内でのジャイロ振動片10の変位の負荷をより均等に緩和することができる。
さらに電極リード6a〜6fは、ジャイロセンサ1の固有振動数がジャイロ振動片10を振動源とする共振が起きにくい値となるように、バネ定数の調整がなされている。このため、ジャイロセンサ1の使用時に共振が起きにくくなって共振に起因する検出精度の低下が抑制されるため、ジャイロセンサ1を用いて回転角速度を検出する際に高い検出精度が得られる。
【0040】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
【0041】
(1)上記実施形態では、ジャイロ振動片10の複数の電極バンプ16a〜16fは、ジャイロ振動片10の重心Gを中心とした円周上に同じ間隔で、重心Gに対して点対称となるように配置した。そして、各電極バンプ16a〜16fに、対応する電極リード6a〜6fの一端部を接続し、重心Gから各電極バンプの中心点C16a〜C16fを通る延長線方向に電極リード6a〜6fをそれぞれ同じ長さで引き出して、ジャイロ振動片10を支持する構成とした。
この結果、ジャイロ振動片10は、ジャイロ振動片10の重心Gに対して均等に支持している支持基板4の電極リード6a〜6fによってバランスよく且つ柔軟に支持されるので、例えば振動や落下時の衝撃がジャイロセンサ1に加わったときに、ジャイロ振動片10が受ける振動や衝撃は電極リード6a〜6fにより均等に緩和される。これにより、衝撃の応力により電極リード6a〜6fの一部が塑性変形してジャイロ振動片10が傾くことにより、振動検出軸がずれて検出出力が減少する等の振動検出感度の低下を防止することができる。さらに、衝撃が加わった際のジャイロ振動片10の変位の片寄りを小さくすることが可能なため、ジャイロ振動片10がパッケージ2の内壁に当たって破損する等の不具合を回避することができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、ジャイロ振動片10の重心Gに対して点対称となるように配置した電極バンプ16a〜16fのうち、一対の電極バンプ16a,16bは、第一、及び第二の駆動アーム11,12と、検出アーム13のそれぞれの周方向の屈曲振動の基点となる中央軸線上に配置した。そして、前記屈曲振動の基点となる中央軸線を基準として、重心Gを中心に時計回りに60°回転させた位置に電極バンプ16c,16dをそれぞれ配置し、重心Gを中心に反時計回りに60°回転させた位置に電極バンプ16e,16fを配置した。
この結果、ジャイロ振動片10は、第一、及び第二の駆動アーム11,12と、検出アーム13のそれぞれの振動方向に対しても均等にジャイロ振動片を支持することができ、支持構造がジャイロ振動片10の振動特性を妨げ難くなるので、ジャイロセンサ1の検出精度を高くすることが可能になる。
【0043】
(3)上記実施形態では、電極リード6a〜6fのそれぞれを、ジャイロ振動片10の支持部分において同じ共振周波数に揃える構成とした。この結果、ジャイロ振動片10の重心Gに対して均等に配置された電極バンプ16a〜16f、及び電極リード6a〜6fによる支持構造はより均等となり、よりバランスよくジャイロ振動片10を支持することができる。
【0044】
(4)上記実施形態では、複数の電極リード6a〜6fの表層にはAuめっきを施し、ジャイロ振動片10の接続部である電極バンプ16a〜16fには金バンプを用いて、それらを接合する構成とした。
この結果、電極リード6a〜6fは腐蝕等の表面劣化を起こし難く、また、接続部でのマイグレーション等も起こり難くすることが可能であるため、高信頼性を有するジャイロセンサ1を提供することが可能である。
【0045】
(5)本実施形態では、ジャイロ振動片10を支持する支持基板として支持基板4(TAB基板)を用いて、ジャイロ振動片10の略中央の支持板部15の下面に備えた電極バンプ16a〜16fと、支持基板4の各電極リード6a〜6fのそれぞれの開口穴7の重心G側の先端部分とを、ギャングボンディング(Gang Bonding)法により接合するTAB実装方式を用いた。
この結果、ジャイロ振動片10用の支持基板4が等間隔で形成されたフープ状の支持基板リールにより、リールトゥリール(Reel to reel)で連続して支持基板へのジャイロ振動片10の接合する、いわゆるTAB実装方式を適用することができるため、生産性に優れた効率的なジャイロセンサ1の生産が可能となる。しかも、ギャングボンディングするときのジャイロ振動片10と支持基板4の高さとを調整することによって、電極リード6a〜6fをジャイロ振動片10側に曲げた形状を制御して形成することが可能となる。従って、ジャイロセンサ1に振動や落下などの衝撃が加わったときに、ジャイロ振動片10の下面が支持基板4と接触しないで、且つ、ジャイロ振動片10がパッケージ蓋体2bに接触しない、最適な支持基板4とジャイロ振動片10とのクリアランスを確保することが可能となり、耐衝撃性の優れたジャイロセンサ1の支持構造を提供することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、ジャイロ振動片10の支持構造、及びそれによって得られるジャイロセンサ1について説明した。これに限らず、ジャイロセンサ1を搭載することにより、図7に示すディジタルスチルカメラ200や、図8に示すカメラ付き携帯電話300等の電子機器を提供することができる。
【0047】
図7は、ディジタルスチルカメラの概略構成を示す斜視図であり、図8は、カメラ付き携帯電話の概略構成を示す斜視図である。
図7において、ディジタルスチルカメラ200は、本体ケース201の背面に液晶ディスプレイ等の表示パネル204を備えている。また、ディジタルスチルカメラ200の本体ケース201の観察側(図においては裏面側)には光学レンズやCCD(charge coupled device)等を含んだ受光ユニット202が備えられ、本体ケース201の上面にはシャッタボタン203が備えられている。通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ200は、被写体の光像をCCD等の撮像素子により光電変換して撮像信号を生成するものである。また、表示パネル204は、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成となっており、被写体を表示するファインダとして機能する。
【0048】
撮影者が、被写体像を表示パネル204にて確認してシャッタボタン203を押下すると、図示しないシャッタが開いて、そのときのCCDの撮像信号が、本体ケース201内部に備えた回路基板205に搭載されているメモリ(図示せず)に転送されて画像データとして格納される。このとき、シャッタが開いている期間の手ぶれ等の姿勢の変化や傾きを、回路基板205に搭載されたジャイロセンサ1が角速度として検出し、その検出結果に基づいて、被写体の結像位置のずれを補正する手ぶれ補正を行うようになっている。
【0049】
図8において、カメラ付き携帯電話300は、本体ケース301を備え、本体ケース301には、複数の操作ボタン302、受話口303、送話口304、液晶ディスプレイ等による表示パネル305とともに、図において本体ケース301の裏側に、カメラユニット306を備えている。カメラ付き携帯電話300は、本来の電話機能の他に、複数の操作ボタンのうちのひとつを操作することにより、カメラ機能モードに切り換えられるようになっている。また、カメラ機能モードを選択した場合に、複数の操作ボタンのうちの一つがシャッタボタン機能を有し、表示パネル305は被写体を表示するファインダとして機能するようになっている。そして、上記したディジタルスチルカメラ200と同様の撮影者の操作によって、カメラユニット306から入力された被写体像の映像信号は、本体ケース301の内部に備えた回路基板307に搭載されているジャイロセンサ1によって前記手ぶれ補正がなされ、回路基板307のメモリ(図示せず)に画像データとして格納される。
【0050】
この構成によれば、ディジタルスチルカメラ200及びカメラ付き携帯電話300によって撮影される被写体の画像は、それぞれに備わるジャイロセンサ1によって、撮影時のシャッタ開放期間における手ぶれ等による画像のぼやけを抑制でき、撮影品質を向上させることが可能となる。また、平面構造を有するジャイロ振動片10を備えた前記第1の実施形態の支持構造によるジャイロセンサ1は、特にカメラ付き携帯電話300のような小型及び薄型の電子機器への搭載に比較的有利である。従って、ジャイロセンサ1により、優れた電子機器を提供することが可能であるとともに、電子機器の薄型化及び小型化に寄与することができる。
【0051】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下の変形例を実施することもできる。
【0052】
(変形例1) 上記第1の実施形態では、ジャイロ振動片10の重心Gを中心とした円周上に、重心Gからそれぞれが同じ距離の位置に配置された電極バンプ16a〜16fは、重心Gを中心とした円周上に同じ間隔にて設けられている構成としたが、これに限定されない。電極バンプ16a〜16fを、重心Gを中心とした円周上に、重心Gに対して点対称に配置すれば、円周上において等間隔に配置しなくても概ね同様な効果を奏する支持構造とすることが可能である。
【0053】
図6に図示するように、ジャイロ振動片20の電極バンプの中心点C26bは、重心Gから連結アーム24Bの延出方向と平行な方向に、重心Gから電極バンプの中心点C26aまでと同じ距離を有して設けられている。また、電極バンプの中心点C26cは、電極バンプの中心点C26aの位置から、重心Gを支点として時計回りに任意の角度θ(60°未満)回転した位置に設けられ、電極バンプの中心点C26dは、電極バンプの中心点C26bの位置から、重心Gを支点として時計回りに角度θ回転した位置に設けられている。さらに、電極バンプの中心点C26eは、電極バンプの中心点C26aの位置から、重心Gを支点として反時計回りに角度θ回転した位置に設けられて、電極バンプの中心点C26fは、電極バンプの中心点C26bの位置から、重心Gを支点として反時計回りに角度θ回転した位置に設けられている。これにより、電極バンプの中心点C26a〜C26fを中心点として設けられた各電極バンプは、それぞれ重心Gに対して点対称の位置関係にて配置されている。
【0054】
また、各電極リード6a〜6fは、それぞれ対応する電極バンプ26a〜26fに一端部が接合され、他端部は、ジャイロ振動片20の重心Gと各電極バンプの中心点C26a〜C26fとをそれぞれ結んだ線の延長線である図中のリード引き出し方向線P2a〜P2fの方向へそれぞれ引き出されて支持基板4の基材5に保持される構造となっている。すなわち、各電極バンプに対応する各電極リードは、リード引き出し線P2a〜P2fのそれぞれの方向に、重心Gに対して点対称の位置関係で且つ検出アーム23の長手方向の仮想の中心線に対して線対称の位置関係にて引き出され、ジャイロ振動片20を支持する構造となっている。
なお、本変形例では、電極バンプ配置の基点とした電極バンプの中心点C26a及びC26bのそれぞれから、重心Gを支点として時計回りまたは反時計回りに60°未満の任意の角度θ回転した位置に電極バンプの中心点C26c,C26e,C26d,C26fをそれぞれ配置する例を示したが、これに限らない。各電極バンプの位置が重心Gに対して点対称となり、且つ検出アーム23の長手方向の仮想の中心線に対して線対称の位置関係となれば、角度θは60°より大きくてもよい。
【0055】
この構成によれば、第1の実施形態の構成には及ばないもののジャイロ振動片20を重心Gに対して均等に支持することが可能である。このような電極バンプ配置を設計ルールとしておけば、例えば、支持板部25に機能部を形成した場合等により電極バンプ配置にスペース的な制約が生じた場合等に、安定してバランスのよいジャイロセンサの支持構造をえることが可能となる。
【0056】
(変形例2) 上記第1の実施形態では、三対(6個)の電極リードを有するジャイロ振動片について、電極バンプの配列と、電極リードの引き出し方向(さらにはリード形状)の決め方について触れたが、二対あるいは四対以上の電極リードを有するジャイロ振動片の支持構造に対しても本発明を適用することができる。また、ジャイロ振動片の有効電極数が奇数個である場合や、電極リードによるジャイロ振動片の支持構造の支持強度を向上させたい場合に、上記第1の実施形態のバンプ配列の規則によってダミーの電極バンプを増設し、対応するダミー電極リードを接合して支持する構造としてもよい。
【0057】
(変形例3) 上記第1の実施形態では、支持基板として開口穴7を有する絶縁性の基材5と電極リード6a〜6fからなるTAB基板(支持基板4)を用いたが、これに限らない。支持部分に、ジャイロ振動片10を浮かせて支持する電極リードを形成可能であれば、TAB基板以外の配線板等を用いてもよい。
【0058】
(変形例4) 上記第1の実施形態では、電極リード6a〜6fは同じ幅を有し、同じ長さにてジャイロ振動片10を重心Gに対して点対称に支持する構成としたが、これに限らない。電極リード6a〜6fは、上記の支持構造において同じ共振周波数となっていれば、リード幅がそれぞれ異なっても構わない。また、上記支持構造において同じ共振周波数を有していれば、電極リードの平面視のリード形状については同一に揃えなくてもよい。
【0059】
(変形例5) 上記第1の実施形態では、電極リード6a〜6fを成形することにより、ジャイロ振動片10を上方に浮かせるように支持された支持基板4を、パッケージ本体2aの凹部底面2dに固着する構成としたが、これに限らない。パッケージ2の凹部底面2dをザグリ加工して凹部を設けたり、またはパッケージ2の内部の中間部分に支持板を設ける等して、支持基板4のジャイロ振動片10を支持している側を下向きにして固定する構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】(a)は、本発明のジャイロセンサ及びその支持構造を説明する正面図。(b)は、図1(a)のA−A線断面図。
【図2】ジャイロ振動片の駆動振動を模式的に示した説明図。
【図3】ジャイロ振動片の検出振動を模式的に示した説明図。
【図4】本発明のジヤイロ振動片のパンプ電極の配置及び電極リードの引き出し方向を模式的に示す斜視図。
【図5】(a)は、本発明の一実施形態に係る支持基板の電極リードの配置を説明する平面図。(b)は、支持基板の変形例を示す平面図。
【図6】図4の変形例を示す平面図。
【図7】本発明の電子機器の一例としてのディジタルスチルカメラの概略構成を説明する斜視図。
【図8】同じくカメラ付き携帯電話の概略構成を説明する斜視図。
【符号の説明】
【0061】
1…圧電振動ジャイロセンサとしてのジャイロセンサ、4…支持基板、6a〜6f…電極リード、10…圧電振動ジャイロ素子としてのジャイロ振動片、11…第一の駆動アーム、G…ジャイロ振動片の重心、12…第二の駆動アーム、13…検出アーム、14…連結アーム、15…中央支持部としての支持板部、16a〜16f…電極端子としての電極バンプ、C26a〜C26f…電極端子としての電極バンプの位置を示す電極バンプの中心点、20…第二の実施形態の圧電振動ジャイロ素子としてのジャイロ振動片、21…ジャイロ振動片20の第一の駆動アーム、22…ジャイロ振動片20の第二の駆動アーム、23…ジャイロ振動片20の検出アーム、24A,24B…ジャイロ振動片20の連結アーム、25…ジャイロ振動片20の中央支持部としての支持板部、C26a〜C26f…電極端子としての電極バンプの位置を示す電極バンプの中心点、200…電子機器としてのディジタルスチルカメラ、300…電子機器としてのカメラ付き携帯電話。




 

 


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