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発明の名称 端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−24620(P2007−24620A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205488(P2005−205488)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎
発明者 水落 俊一 / 倉田 智之
要約 課題
精度よく推定位置を算出することができる端末装置等を提供すること。

解決手段
衛星信号S1等に基づいて、端末装置20の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報160を生成する速度ベクトル情報生成手段と、受信環境情報162を生成する受信環境情報生成手段と、受信環境情報162に基づいて、速度ベクトル信頼性情報164を生成する速度ベクトル信頼性情報生成手段と、前回の位置演算処理を行ったときの速度ベクトルの信頼性を示す前回速度ベクトル信頼性情報154、前回の位置演算処理を行ったときの端末装置20の移動方向及び移動速度を示す前回速度ベクトル情報154、今回の位置演算処理における速度ベクトル信頼性情報164に基づいて、今回の位置演算処理における速度ベクトル情報160を補正して、補正後速度ベクトル情報170を生成する補正後速度ベクトル情報生成手段等を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置であって、
前記衛星信号を受信する衛星信号受信手段と、
前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成手段と、
前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成手段と、
前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成手段と、
前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成手段と、
前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成手段と、
前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成手段と、
前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成手段と、
前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成手段と、
前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記補正後速度ベクトル情報生成手段は、前記速度ベクトル信頼性情報、前回の前記位置演算処理を行ったときの前記速度ベクトルの信頼性を示す前回速度ベクトル信頼性情報及び前回の前記位置演算処理を行ったときの前記補正後速度ベクトル情報に基づいて、今回の前記位置演算処理における前記速度ベクトル情報を補正して、前記補正後速度ベクトル情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記速度ベクトル情報生成手段は、異なる前記測位衛星の組からの前記衛星信号に基づいて、複数の前記速度ベクトル情報を生成する構成となっており、
前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、いずれかの前記速度ベクトル情報を選択する速度ベクトル情報選択手段を有し、
前記補正後速度ベクトル情報生成手段は、前記速度ベクトル情報選択手段によって選択した前記速度ベクトル情報を使用して、前記補正後速度ベクトル情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信環境情報は、前記衛星信号受信手段が前記衛星信号を受信してから前記速度ベクトル情報を生成するまでの経過時間を示す経過時間情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の端末装置。
【請求項5】
前記受信環境情報は、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を受信したときの信号強度を示す信号強度情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の端末装置。
【請求項6】
前記受信環境情報は、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を発信した前記測位衛星の仰角を示す仰角情報、及び、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を発信した前記測位衛星の組のPDOP(Position Dilution Of Precision)を示すPDOP情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の端末装置。
【請求項7】
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置が、前記衛星信号を受信する衛星信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置が、前記衛星信号を受信する衛星信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位衛星からの信号を使用する端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
GPS受信機は、例えば、複数のGPS衛星から信号(以後、衛星信号と呼ぶ)を受信し、受信した信号の位相によって、各GPS衛星とGPS受信機との間の距離(以後、擬似距離と呼ぶ)を求める。そして、各GPS衛星から受信した衛星信号に乗せられている各GPS衛星の衛星軌道情報と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行うようになっている。
ところが、測位において使用するGPS衛星の組み合わせが同一とは限らない等の理由によって、測位結果にばらつきを生じ、GPS受信機が、真の位置と乖離した測位結果を出力する場合がある。
これに対して、前回の測位結果と速度ベクトル(前回の速度ベクトルと今回の速度ベクトルを平均したものを含む)及び経過時間から現在の推定位置を算出し、現在の測位結果と推定位置を平均化する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平8―68651号公報(図4等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の技術においては、衛星信号の受信状態によっては、速度ベクトルの精度が悪く、その結果として、推定位置が真の位置と乖離し、平均化した位置も真の位置と乖離する場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、精度よく推定位置を算出することができる端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置であって、前記衛星信号を受信する衛星信号受信手段と、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成手段と、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成手段と、前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成手段と、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成手段と、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成手段と、前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成手段と、前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成手段と、前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成手段と、前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力手段と、を有することを特徴とする端末装置により達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記受信環境情報生成手段を有するから、前記受信環境情報を生成することができる。そして、前記端末装置は、前記速度ベクトル信頼性情報生成手段を有するから、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル信頼性情報を生成することができる。前記端末装置は、例えば、前記受信環境情報に示される前記受信環境が一定の基準値よりも悪い場合には、前記速度ベクトル情報の信頼性が低いことを示す前記速度ベクトル信頼性情報を生成することができる。
そして、前記端末装置は、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。この前記補正後速度ベクトル情報は、前記速度ベクトル情報を補正して生成されているから、補正前の前記速度ベクトル情報に比べて、前記端末装置の真の移動状態をより正しく反映している。
そして、前記端末装置は、前記補正後速度ベクトル情報を使用して、前記平均速度ベクトル情報を生成し、さらに、前記推定位置情報を生成することができる。
これにより、前記端末装置によれば、精度よく推定位置を算出することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記補正後速度ベクトル情報生成手段は、前記速度ベクトル信頼性情報、前回の前記位置演算処理を行ったときの前記速度ベクトルの信頼性を示す前回速度ベクトル信頼性情報及び前回の前記位置演算処理を行ったときの前記補正後速度ベクトル情報に基づいて、今回の前記位置演算処理における前記速度ベクトル情報を補正して、前記補正後速度ベクトル情報を生成する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0008】
第2の発明の構成によれば、前記端末装置は、例えば、前記速度ベクトル信頼性情報に示される前記速度ベクトル情報の信頼性が低い場合には、今回の前記速度ベクトル情報の比重を小さくして前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。この前記補正後速度ベクトル情報は、信頼性の低い今回の前記速度ベクトル情報の比重を小さくしているから、補正前の前記速度ベクトル情報に比べて、前記端末装置の真の移動状態をより正しく反映している。
そして、前記端末装置は、前記補正後速度ベクトル情報を使用して、前記平均速度ベクトル情報を生成し、さらに、前記推定位置情報を生成することができる。
これにより、前記端末装置によれば、精度よく推定位置を算出することができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のいずれかの構成において、前記速度ベクトル情報生成手段は、異なる前記測位衛星の組からの前記衛星信号に基づいて、複数の前記速度ベクトル情報を生成する構成となっており、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、いずれかの前記速度ベクトル情報を選択する速度ベクトル情報選択手段を有し、前記補正後速度ベクトル情報生成手段は、前記速度ベクトル情報選択手段によって選択した前記速度ベクトル情報を使用して、前記補正後速度ベクトル情報を生成する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0010】
第3の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記速度ベクトル情報選択手段を有するから、相対的に信頼性の大きい前記速度ベクトル情報を選択することができる。
そして、前記補正後速度ベクトル情報生成手段は、前記速度ベクトル情報選択手段によって選択した前記速度ベクトル情報を使用して、前記補正後速度ベクトル情報を生成する構成となっているから、前記端末装置の真の移動状態を相対的に正確に反映した前記速度ベクトル情報に基づいて、前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。
このため、前記補正後速度ベクトル情報は、前記端末装置の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、前記端末装置によれば、一層精度よく推定位置を算出することができる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記受信環境情報は、前記衛星信号受信手段が前記衛星信号を受信してから前記速度ベクトル情報を生成するまでの経過時間を示す経過時間情報を含むことを特徴とする端末装置である。
【0012】
前記経過時間が長いほど、前記端末装置は、古い前記衛星信号に基づいて前記速度ベクトル情報を生成したことになる。そして、古い前記衛星信号に基づいて生成した前記速度ベクトル情報に示される前記端末装置の移動状態は、現在時刻における前記端末装置の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、第4の発明の構成によれば、前記受信環境情報は、前記経過時間情報を含むから、前記端末装置は、例えば、前記経過時間が基準時間よりも長い場合には、前記速度ベクトル情報の信頼性を低下させ、前記速度ベクトル情報の重みを軽くして前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。
このため、前記補正後速度ベクトル情報は、前記端末装置の真の移動状態をより正しく反映するものとなる。
これにより、前記経過時間が長い場合であっても、精度よく推定位置を算出することができる。
【0013】
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記受信環境情報は、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を受信したときの信号強度を示す信号強度情報を含むことを特徴とする端末装置である。
【0014】
前記信号強度が弱い前記衛星信号に基づいて生成した前記速度ベクトル情報に示される前記端末装置の移動状態は、前記端末装置の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、第5の発明の構成によれば、前記受信環境情報は、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を受信したときの受信強度を示す信号強度情報を含むから、前記端末装置は、例えば、前記信号強度が基準値よりも弱い場合には、前記速度ベクトル情報の信頼性が低いことを示す前記速度ベクトル信頼性情報を生成することができる。
そして、前記端末装置は、前記速度ベクトル情報の重みを軽くして前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。
このため、前記補正後速度ベクトル情報は、前記端末装置の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、前記信号強度が弱い場合であっても、精度よく推定位置を算出することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの構成において、前記受信環境情報は、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を発信した前記測位衛星の仰角を示す仰角情報、及び、前記速度ベクトル情報を生成するために使用した前記衛星信号を発信した前記測位衛星の組のPDOP(Position Dilution Of Precision)を示すPDOP情報を含むことを特徴とする端末装置である。
【0016】
前記仰角が低い前記測位衛星からの前記衛星信号や、前記PDOPが大きい前記測位衛星の組からの前記衛星信号に基づいて生成した前記速度ベクトル情報に示される前記端末装置の移動状態は、前記端末装置の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、第6の発明の構成によれば、前記受信環境情報は、前記仰角情報及び前記PDOP情報を含むから、前記端末装置は、例えば、前記仰角が基準値よりも低い場合や、前記PDOPが基準値よりも大きい場合には、前記速度ベクトル情報の信頼性が低いことを示す前記速度ベクトル信頼性情報を生成することができる。
そして、前記端末装置は、前記速度ベクトル情報の重みを軽くして前記補正後速度ベクトル情報を生成することができる。
このため、前記補正後速度ベクトル情報は、前記端末装置の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、前記仰角が小さい場合や、前記PDOPが大きい場合であっても、精度よく推定位置を算出することができる。
【0017】
前記目的は、第7の発明によれば、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置が、前記衛星信号を受信する衛星信号受信ステップと、前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成ステップと、前記端末装置が、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成ステップと、前記端末装置が、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0018】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、測位衛星からの信号である衛星信号に基づいて生成した測位位置情報と、推定位置を示す推定位置情報とを加重平均処理することによって、出力用の現在位置を示す現在位置情報を生成する位置演算処理を行う端末装置が、前記衛星信号を受信する衛星信号受信ステップと、前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の現在位置を示す前記測位位置情報を生成する測位位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記衛星信号に基づいて、前記端末装置の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトル情報を生成する速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記速度ベクトル情報を生成したときの前記衛星信号の受信環境を示す受信環境情報を生成する受信環境情報生成ステップと、前記端末装置が、前記受信環境情報に基づいて、前記速度ベクトル情報の信頼性を示す速度ベクトル信頼性情報を生成する速度ベクトル信頼性情報生成ステップと、前記端末装置が、前記速度ベクトル信頼性情報に基づいて、前記速度ベクトル情報を補正して、補正後速度ベクトル情報を生成する補正後速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記補正後速度ベクトル情報と、前回の前記位置演算処理における前記補正後速度ベクトル情報を平均化処理して平均速度ベクトル情報を生成する平均速度ベクトル情報生成ステップと、前記端末装置が、前記平均速度ベクトル情報及び前回の前記位置演算処理において出力した前記現在位置情報に基づいて、前記端末装置の推定位置を示す前記推定位置情報を生成する推定位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記推定位置情報と前記測位位置情報を加重平均処理して前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成ステップと、前記端末装置が、前記現在位置情報を出力する現在位置情報出力ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る端末20等を示す概略図である。端末20は、端末装置の一例である。
端末20は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g及び12hからの信号である信号S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7及びS8を受信することができる。この信号S1等は、衛星信号の一例である。
端末20は、自動車15に搭載されて、移動している。
【0021】
端末20は、信号S1等に基づいて生成した現在時刻における測位位置Pg(n)を示す情報と、現在時刻における推定位置Pe(n)を示す情報とを、加重平均処理することによって、現在位置を示す今回出力位置Pf(n)を示す情報を生成する位置演算処理をすることができる。具体的には、端末20は、推定位置Pe(n)からの距離と、測位位置Pg(n)からの距離が、m1対m2である位置を今回出力位置Pf(n)として決定する。測位位置Pg(n)を示す情報は、測位位置情報の一例である。そして、推定位置Pe(n)を示す情報は、推定位置情報の一例である。
端末20は、前回出力位置Pf(n−1)と、端末20の移動速度及び移動方向を示す平均速度ベクトルVav及び経過時間tに基づいて、推定位置Pe(n)を算出する。上述の経過時間tは、前回出力位置Pf(n−1)を算出した時刻から今回出力位置Pf(n)を算出する時刻との間の時間である。平均速度ベクトルVavは、前回の位置演算処理時における速度ベクトルと、今回の位置演算処理における速度ベクトルとを移動方向及び移動速度において平均して算出する。前回の位置演算処理と今回の位置演算処理との間においては、端末20の移動方向及び移動速度を知ることができないため、前回と今回の位置演算処理において、端末20の移動方向及び移動速度は、前回と今回の位置演算処理において算出した速度ベクトルの平均の移動方向及び移動速度であると仮定して、推定位置Pe(n)を算出するのである。
【0022】
ここで、平均速度ベクトルVavが、端末20の真の移動状態と乖離している場合には、推定位置Pe(n)は現在時刻における端末20の真の位置と乖離する。この結果、今回出力位置Pf(n)もまた、端末20の真の位置と乖離する。
端末20は、以下に説明する構成によって、平均速度ベクトルVavの精度を向上させ、推定位置Pe(n)の精度を向上させることができる。この結果として、端末20は、今回出力位置Pf(n)の精度を向上させることができる。
なお、本明細書においては、「精度が高い」というときは、端末20の真の位置又は移動状態との乖離が小さいことを意味する。
【0023】
端末20は例えば、カーナビゲーション装置であるが、その他に、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であってもよく、また、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は8個に限らず例えば、3個以上7個以下でもよいし、9個以上でもよい。
【0024】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0025】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28、GPS衛星12a等から信号S1等を受信するためのGPS装置30が接続されている。このGPS装置30は、衛星信号受信手段の一例である。
また、このバス22には、各種情報を表示するための表示装置32、時刻及び時間を計測するための時計34が接続されている。
【0026】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図3は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末20は、各部を制御する制御部100、図2のGPS装置30に対応するGPS部102、表示装置32に対応する表示部104、時計34に対応する計時部106等を有する。
端末20は、また、各種プログラムを格納する第1記憶部110、各種情報を格納する第2記憶部150を有する。
【0027】
図3に示すように、端末20は、第2記憶部150に、前回位置情報152を格納している。前回位置情報152は、前回の出力位置Pf(n−1)(図1参照)を示す情報である。
端末20は、また、第2記憶部150に、前回速度ベクトル情報154を格納している。前回速度ベクトル情報154は、前回の位置演算処理において使用した補正後速度ベクトルVf(n−1)を示す情報である。
端末20は、また、第2記憶部150に、前回速度信頼性情報156を格納している。
前回速度信頼性情報156は、前回の位置演算処理において生成した後述の速度ベクトル情報160の信頼度を示す情報であり、前回速度ベクトル信頼性情報の一例である。
【0028】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位プログラム112を格納している。測位プログラム112は、制御部100が、GPS部102によって受信した信号S1等に基づいて、測位を行って、端末20の現在位置を示す測位位置Pg(n)を算出し、測位位置Pg(n)を示す測位位置情報158を生成するためのプログラムである。測位位置情報158は、測位位置情報の一例である。そして、測位プログラム112と制御部100は、測位位置情報生成手段の一例である。
具体的には、端末20は、例えば、4個のGPS衛星12a等から信号S1等を受信し、信号S1等の位相に基づいて、各GPS衛星12a等と端末20との間の距離である擬似距離を求める。そして、各GPS衛星12a等の衛星軌道を示す情報(エフェメリス)と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行う。
制御部100は、生成した測位位置情報158を第2記憶部150に格納する。
この測位位置情報158には、信号S1等の受信環境等に基づく測位誤差が含まれている。端末20は、測位位置情報158をそのまま外部に出力することはない。
【0029】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、速度ベクトル情報生成プログラム114を格納している。速度ベクトル情報生成プログラム114は、制御部100が、信号S1等に基づいて、端末20の移動方向及び移動速度を示す速度ベクトルV(n)を算出し、速度ベクトルV(n)を示す速度ベクトル情報160を生成するためのプログラムである。速度ベクトル情報160は、速度ベクトル情報の一例である。そして、速度ベクトル情報生成プログラム114と制御部100は、速度ベクトル情報生成手段の一例である。
具体的には、制御部100は、GPS部102によって受信した複数の信号S1等のドップラー偏移等に基づいて、速度ベクトル情報160を生成する(例えば、特開平8−68651の段落〔0016〕乃至〔0018〕参照)。
制御部100は、生成した速度ベクトルV(n)を示す速度ベクトル情報160を第2記憶部150に格納する。
【0030】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、受信環境情報生成プログラム116を格納している。受信環境情報生成プログラム116は、制御部100が、速度ベクトル情報160を生成したときの信号S1等の受信環境を示す受信環境情報162を生成するためのプログラムである。受信環境情報162は、受信環境情報の一例である。そして、受信環境情報生成プログラム116と制御部100は、受信環境情報生成手段の一例である。
受信環境情報162は、例えば、経過時間dtを示す経過時間情報162a、信号強度を示す信号強度情報162b、仰角を示す仰角情報162c、PDOPを示すPDOP情報162d及び加速度を示す加速度情報162eを含む。
【0031】
経過時間情報162aに示される経過時間dtは、GPS部102が信号S1等を受信してから、その信号S1等に基づいて速度ベクトル情報160を生成するまでの経過時間である。この経過時間情報162aは、経過時間情報の一例である。
【0032】
信号強度情報162bに示される信号強度は、速度ベクトル情報160を生成するために使用した信号S1等を受信したときの信号強度である。信号強度情報162bは、信号強度情報の一例である。
【0033】
仰角情報162cに示される仰角は、速度ベクトル情報160を生成するために使用した信号S1等を発信した各GPS衛星12a等の仰角である。この仰角情報162cは、仰角情報の一例である。
PDOP情報162dに示されるPDOPは、速度ベクトル情報160を生成するために使用した信号S1等を発信したGPS衛星12a等の組(以後、衛星組と呼ぶ)のPDOPである。このPDOP情報162dは、PDOP情報の一例である。
【0034】
加速度情報162eに示される加速度は、端末20の加速度である。この加速度は、具体的には、上述の前回速度ベクトル情報154に示される速度ベクトルVf(n−1)に示される速度と、今回算出した速度ベクトルV(n)に示される速度との差分である。
なお、本実施の形態とは異なり、受信環境情報162は、経過時間情報162a、信号強度情報162b、仰角情報162c、PDOP情報162d及び加速度情報162eのすべてではなくて、いずれか1つ又は複数の情報を欠いていてもよい。
【0035】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、速度信頼性情報生成プログラム118を格納している。速度信頼性情報生成プログラム118は、制御部100が、受信環境情報162に基づいて、速度ベクトル情報160の信頼性を示す信頼度R(n)を算出し、信頼度R(n)を示す速度信頼性情報164を生成するためのプログラムである。この速度信頼性情報164は、速度ベクトル信頼性情報の一例である。そして、速度信頼性情報生成プログラム118と制御部100は、速度ベクトル信頼性情報生成手段の一例である。
【0036】
図4は、速度信頼性情報生成プログラム118の説明図である。
図4(a)に示すように、制御部100は、経過時間dtについては、速度計算(速度ベクトルV(n)の算出)に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号受信からの経過時間が1秒(s)未満という条件fa1を満たす場合には、「A」という評価をする。
制御部100は、速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号受信からの経過時間が1秒(s)以上3秒(s)未満という条件fa2を満たす場合には、「B」という評価をする。
そして、制御部100は、速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号受信からの経過時間が、条件fa1及び条件fa2のいずれも満たさない場合には、「C」という評価をする。
なお、端末20の制御部100は、「A」、「B」、「C」の順で誤差が少ないと判断している。すなわち、「A」が最も誤差が少なく、「C」が最も誤差が大きい。
経過時間dtが長いほど、現在の速度計算の誤差が大きいため、制御部100は、上述のような判断をするようになっている。
【0037】
また、制御部100は、信号強度については、速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号強度がマイナス(−)140dBm以上であるという条件fb1を満たす場合には、「A」という評価をする。
制御部100は、速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号強度がマイナス(−)150dBm以上マイナス(−)140dBm未満であるという条件fb2を満たす場合には、「B」という評価をする。
そして、制御部100は、速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の信号S1等について、信号強度が、条件fb1及び条件fb2のいずれも満たさない場合には、「C」という評価をする。
信号強度が強いほど、信号S1等の周波数(ドップラー効果を含む)を正しく測定することができ、その結果、端末20の移動速度も正しく測定することができるため、制御部100は、上述のような判断をするようになっている。
【0038】
また、制御部100は、仰角については、各速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星が60度以上であるという条件fc1を満たす場合には、「A」という評価をする。
制御部100は、各速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星が30度以上60度未満であるという条件fc2を満たす場合には、「B」という評価をする。
そして、制御部100は、各速度計算に用いる衛星組のすべてのGPS衛星の仰角が、条件fb1及び条件fb2のいずれも満たさない場合には、「C」という評価をする。
仰角が低いGPS衛星12a等ほど、マルチパスの影響を受けやすいため、信号S1等の周波数(ドップラー効果を含む)の測定誤差が大きくなり、その結果、端末20の移動速度の誤差も大きくなる可能性が高いため、制御部100は、上述のような判断をするようになっている。
【0039】
また、制御部100は、PDOPについては、各速度計算に用いる衛星組のPDOPが1.5未満であるという条件fd1を満たす場合には、「A」という評価をする。
制御部100は、各速度計算に用いる衛星組のPDOPが1.5以上3.0未満であるという条件fc2を満たす場合には、「B」という評価をする。
そして、制御部100は、各速度計算に用いる衛星組のPDOPが、条件fd1及び条件fd2のいずれも満たさない場合には、「C」という評価をする。
衛星配置の悪いGPS衛星12a等の組では、端末20の移動速度の誤差が大きくなる可能性が高いため、制御部100は、上述のような判断をするようになっている。
【0040】
また、制御部100は、加速度については、1m/s未満であるという条件fe1を満たす場合には、「A」という評価をする。
制御部100は、1m/s以上15m/s未満であるという条件fe2を満たす場合には、「B」という評価をする。
そして、制御部100は、条件fe1及び条件fe2のいずれも満たさない場合には、「C」という評価をする。
加速度(前回からの速度差)が大きいほど、端末20の移動速度の誤差が大きくなる可能性が高いため、制御部100は、上述のような判断をするようになっている。
【0041】
制御部100は、上述のように、経過時間dt等について、それぞれA,B又はCのいずれかの評価をした上で、図4(b)に示すように、経過時間dt等の各要素を総合評価して速度ベクトル情報160の信頼度R(n)を決定する。
具体的には、図4(b)に示すように、Aという評価が、5個であるという条件j1を満たせば、速度ベクトル情報160の信頼度R(n)を、High(以後、Hと表記する)に決定する。
また、Cという評価が、3個以上あるという条件j2を満たせば、速度ベクトル情報160の信頼度を、Low(以後、Lと表記する)に決定する。
そして、条件j1及びj2のいずれも満たさない場合には、信頼度を、Middle(以後、Mと表記する)に決定する。
なお、信頼度R(n)については、Hが最も信頼度が大きく、次にMの信頼度が大きく、Lの信頼度が最も小さい。
【0042】
上述のように、制御部100は、経過時間dt等の各要素を総合判断する。これにより、例えば、経過時間dtがAという評価であっても、信号強度が弱くCという評価であれば、Hという総合評価をすることを防止することができる。すなわち、上述の経過時間dt等についての各評価は、相互に妥当性を確認する機能を有している。
なお、本実施の形態とは異なり、経過時間情報162aの評価がCであれば、信号強度情報162b等を参照することなく、信頼度をLに決定するようにしてもよい。これにより、迅速に速度信頼性情報164を生成することができる。
【0043】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122を格納している。速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122は、制御部100が、前回速度信頼性情報156に示される信頼度R(n−1)及び速度ベクトル情報160の信頼度R(n)に基づいて、速度ベクトル補正用ゲイン情報168を生成するためのプログラムである。
【0044】
図5は、速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122の説明図である。
ゲインαは2のn乗で規定されており、例えば、最小値が1(2の0乗)であり、最大値が64(2の6乗)である。端末20は、αの値が小さいほど、後述の速度ベクトル補正プログラム124によって、前回速度ベクトルVf(n−1)よりも今回の速度ベクトルV(n)の比重を大きくして、後述の補正後速度ベクトル情報170を生成する。
図5に示すように、制御部100は、前回の速度ベクトルV(n−1)の信頼度R(n−1)と、今回の速度ベクトルV(n)の信頼度R(n)に基づいて、ゲインαを決定する。例えば、前回の信頼度R(n−1)がHで、今回の信頼度R(n)がHであれば、ゲインαを1に決定する。これにより、前回も今回も信頼性が高い場合には、端末20は、現在の移動状態を反映した新しい情報である速度ベクトル情報160の比重を大きくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0045】
また、制御部100は、前回の信頼度R(n−1)がHで、今回の信頼度R(n)がMであれば、ゲインαを16に決定する。これにより前回の速度ベクトルV(n−1)の信頼度R(n−1)がHで、速度ベクトル情報160の信頼度R(n)がMである場合には、新しい情報である速度ベクトル情報160の比重をやや大きくして、補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0046】
また、制御部100は、前回の信頼度R(n−1)がHで、今回の信頼度R(n)がLであれば、ゲインαを32に決定する。これにより、前回の信頼度R(n−1)がHであって、今回の信頼度R(n)がLである場合には、端末20は、速度ベクトル情報160の比重を小さくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0047】
また、制御部100は、前回の信頼度R(n−1)がLで、今回の信頼度R(n)がHであれば、ゲインαを1に決定する。これにより、前回の信頼度R(n−1)がLであって、今回の信頼度R(n)がHである場合には、端末20は、速度ベクトル情報160の比重を大きくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0048】
また、制御部100は、前回の信頼度R(n−1)がLで、今回の信頼度R(n)がMであれば、ゲインαを2に決定する。これにより、前回の信頼度R(n−1)がLであって、今回の信頼度R(n)がMである場合には、端末20は、速度ベクトル情報160の比重をやや大きくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0049】
また、制御部100は、前回の信頼度R(n−1)がLで、今回の信頼度R(n)がLであれば、ゲインαを64に決定する。これにより、前回の信頼度R(n−1)がLであって、今回の信頼度R(n)がLである場合には、端末20は、後述の速度ベクトル補正プログラム124による補正が繰り返された結果生成されている前回速度ベクトル情報154の比重を大きくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
【0050】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、速度ベクトル補正プログラム124を格納している。速度ベクトル補正プログラム124は、制御部100が、前回速度ベクトル情報154、速度ベクトル情報160及び速度ベクトル補正用ゲイン情報168に基づいて、補正後速度ベクトル情報170を生成するためのプログラムである。
具体的には、制御部100は、図3に示す、Vf(n)=Vf(n−1)+{V(n)−Vf(n−1)}÷αという式1によって、補正後速度ベクトルVf(n)を算出する。
【0051】
図6は、速度ベクトル補正プログラム124の説明図である。
図6においては、例えば、前回の速度ベクトルV(n−1)をV(1)、今回の速度ベクトルV(n)をV(2)として説明している。後述の図7も同様である。
図6(a)に示すように、前回の補正後速度ベクトルVf(1)に示される速度及び方向が南北方向に毎時20キロメートル(km/h)、東西方向に毎時40キロメートル(km/h)であって、前回の速度ベクトルV(1)の信頼度R(1)がHであるとする。そして、今回の速度ベクトルV(2)に示される速度及び方向が、南北方向に毎時30キロメートル(km/h)、東西方向に毎時20キロメートル(km/h)であって、信頼度R(2)がMであるとする。
この場合、制御部100は、速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122に従って、ゲインαを16に決定する(図5参照)。
【0052】
そして、制御部100は、図6(b)に示すように、南北方向、東西方向のそれぞれについて、図3の式1による計算を行い、Vf(2)南北及びVf(2)東西を算出する。そして、Vf(2)南北及びVf(2)東西を合成してVf(2)を生成する。
制御部100は、生成した補正後速度ベクトル情報170を第2記憶部150に格納する。
上述の速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122、速度ベクトル補正プログラム124及び制御部100は、補正後速度ベクトル情報生成手段の一例である。
【0053】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、平均速度ベクトル情報生成プログラム126を格納している。平均速度ベクトル情報生成プログラム126は、前回速度ベクトル情報154と補正後速度ベクトル情報170を平均化処理して、平均速度ベクトルVavを示す平均速度ベクトル情報172を生成するためのプログラムである。この平均速度ベクトル情報172は、平均速度ベクトル情報の一例である。
具体的には、制御部100は、図3に示すように、Vav={Vf(n−1)+Vf(n)}÷2という式2によって、平均速度ベクトルVavを算出する。
制御部100は、生成した平均速度ベクトル情報172を第2記憶部150に格納する。
【0054】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、推定位置情報生成プログラム128を格納している。推定位置情報生成プログラム128は、制御部100が、前回位置情報152及び平均速度ベクトル情報172に基づいて、端末20の推定位置Pe(n)を示す推定位置情報174を生成するためのプログラムである。前回位置情報152は、前回出力した現在位置情報の一例である。そして、推定位置情報生成プログラム128と制御部100は、推定位置情報生成手段の一例である。
制御部100は、Pe(n)=Pf(n−1)+Vav×tという式3(図3参照)によって、推定位置Pe(n)を算出する。
【0055】
図7は、推定位置等を示す図である。
例えば、制御部100は、図7に示すように、前回の出力位置Pf(1)を基点として、平均速度ベクトルVavを、前回の出力位置Pf(1)を算出した時刻から現在時刻までの経過時間tに対応させて延長し、推定位置Pe(2)を算出する。
制御部100は、生成した推定位置情報174を第2記憶部150に格納する。
【0056】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位位置情報補正用ゲイン決定プログラム130を格納している。測位位置情報補正用ゲイン決定プログラム130は、制御部100が、推定位置情報174及び測位位置情報158を加重平均処理するためのゲインβを示す測位位置情報補正用ゲイン情報176を生成するためのプログラムである。
制御部100は、ゲインβを、測位位置情報158の信頼性によって決定する。例えば、測位位置情報158と速度ベクトル情報160は、ほぼ同時に生成されるから、速度ベクトル情報160を生成した際の信号S1等の受信環境を、測位位置情報158を生成した際の受信環境として代用する。そして、前回の位置演算処理における受信環境情報162と、今回の位置演算処理における受信環境情報162を比較して、今回の位置演算処理における受信環境情報162が総合的に良好な数値を示していれば、今回の測位位置情報158の比重を大きくするために、ゲインβを小さくする。
制御部100は、生成した測位位置情報補正用ゲイン情報176を第2記憶部150に格納する。
なお、本実施の形態とは異なり、制御部100は、上述の速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム122と同様の方法(図4(c)参照)によって、ゲインβを決定するようにしてもよい。
【0057】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、測位位置情報補正プログラム132を格納している。測位位置情報補正プログラム132は、制御部100が、推定位置情報174及び測位位置情報158を加重平均処理して補正後測位位置Pf(n)を示す補正後測位位置情報178を生成するためのプログラムである。
具体的には、制御部100は、上述のゲインβを使用して、例えば、図3に示すように、Pf(n)=Pe(n)+{Pg(n)−Pe(n)}÷βという式4によって、補正後測位位置Pf(n)を算出する。
このようにして例えば、図7に示すように、制御部100は、ゲインβによって、推定位置Pe(2)と測位位置Pg(2)との間のいずれかの位置に、補正後測位位置Pf(2)を決定する。
制御部100は、生成した補正後測位位置情報178を第2記憶部150に格納する。
【0058】
図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、補正後測位位置情報出力プログラム134を格納している。補正後測位位置情報出力プログラム134は、制御部100が、補正後測位位置情報178を、表示装置32(図2参照)に出力するためのプログラムである。
また、図3に示すように、端末20は、第1記憶部110に、基礎情報更新プログラム136を格納している。基礎情報更新プログラム136は、制御部100が、補正後測位位置情報178を新たな前回位置情報152として更新し、補正後速度ベクトル情報170を新たな前回速度ベクトル情報154として更新し、速度信頼性情報164を新たな前回速度信頼性情報156として更新するためのプログラムである。
【0059】
端末20は、上述のように構成されている。
上述のように、端末20は、受信環境情報162(図3参照)を生成することができる。そして、端末20は、受信環境情報162に基づいて、速度信頼性情報164を生成することができる。端末20は、例えば、受信環境情報162に示される受信環境が一定の基準値よりも悪い場合には、速度ベクトル情報160の信頼性が低いことを示す速度信頼性情報164を生成することができる。
そして、端末20は、速度信頼性情報164等に基づいて、今回の位置演算処理における速度ベクトル情報160を補正して、補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。端末20は、例えば、速度信頼性情報164に示される信頼度R(n)が低い場合には、今回の速度ベクトル情報160の比重を小さくして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。この補正後速度ベクトル情報170は、信頼性の低い今回の速度ベクトル情報164の比重を小さくしているから、補正前の速度ベクトル情報160に比べて、端末20の真の移動状態をより正しく反映している。
そして、端末20は、補正後速度ベクトル情報170を使用して、平均速度ベクトル情報172を生成することができる。このため、端末20は、平均速度ベクトルVavの精度を向上させることができる。
端末20は、この精度が高い平均速度ベクトル情報172に基づいて、推定位置情報174を生成することができる。
これにより、端末20によれば、精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
この結果、端末20によれば、補正後測位位置Pf(n)の精度を向上させることができる。
【0060】
また、上述のように、受信環境情報162(図3参照)は、経過時間情報162aを含む。
経過時間dtが長いほど、端末20は、古い信号S1等に基づいて速度ベクトル情報160を生成したことになる。そして、古い信号S1等に基づいて生成した速度ベクトル情報160に示される端末20の移動状態は、端末20の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、受信環境情報162は、経過時間情報162aを含むから、端末20は、例えば、経過時間dtが基準時間よりも長い場合には、速度ベクトル情報160の信頼性を低下させ、速度ベクトル情報160の重みを軽くして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
このため、補正後速度ベクトル情報170は、端末20の真の移動状態をより正しく反映するものとなる。
これにより、経過時間dtが長い場合であっても、精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
【0061】
また、受信環境情報162は、信号強度情報162bを含む。
信号強度が弱い信号S1等に基づいて生成した速度ベクトル情報160に示される端末20の移動状態は、端末20の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、受信環境情報162は、速度ベクトル情報160を生成するために使用した信号S1等の受信強度を示す信号強度情報162bを含むから、端末20は、例えば、信号強度が基準値よりも弱い場合には、速度ベクトル情報160の信頼性が低いことを示す速度信頼性情報164を生成することができる。
そして、端末20は、速度ベクトル情報160の重みを軽くして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
このため、補正後速度ベクトル情報170は、端末20の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、信号強度が弱い場合であっても、精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
【0062】
また、受信環境情報162は、仰角情報162c及びPDOP情報162dを含む。
仰角が小さいGPS衛星12a等からの信号S1等や、PDOPが大きいGPS衛星12a等の組からの信号S1等に基づいて生成した速度ベクトル情報160に示される端末20の移動状態は、端末20の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、受信環境情報162は、仰角情報162c及びPDOP情報162dを含むから、端末20は、例えば、仰角が基準値よりも低い場合や、PDOPが基準値よりも大きい場合には、速度ベクトル情報160の信頼性が低いことを示す速度信頼性情報164を生成することができる。
そして、端末20は、速度ベクトル情報160の重みを軽くして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
このため、補正後速度ベクトル情報170は、端末20の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、仰角が小さい場合や、PDOPが大きい場合であっても、精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
【0063】
また、受信環境情報162は、加速度情報162eを含む。
加速度が大きいほど、今回算出した速度が誤っている可能性がある。このため、加速度が大きいほど、速度ベクトル情報160に示される端末20の移動状態は、端末20の真の移動状態と乖離していると考えられる。
この点、受信環境情報162は、加速度情報162eを含むから、端末20は、例えば、加速度が基準値よりも大きい場合には、速度ベクトル情報160の信頼性が低いことを示す速度信頼性情報164を生成することができる。
そして、端末20は、速度ベクトル情報160の重みを軽くして補正後速度ベクトル情報170を生成することができる。
このため、補正後速度ベクトル情報170は、端末20の真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、加速度が大きい場合であっても、精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
【0064】
以上が本実施の形態に係る端末20の構成であるが、以下、その動作例を主に図8及び図9を使用して説明する。
図8及び図9は本実施の形態に係る端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
【0065】
まず、端末20は、GPS衛星12a等から信号S1等を受信する(図8のステップST1)。このステップST1は、衛星信号受信ステップの一例である。
続いて、端末20は、測位位置情報158(図3参照)を生成する(ステップST2)。このステップST2は、測位位置情報生成ステップの一例である。
【0066】
続いて、端末20は、速度ベクトル情報160(図3参照)を生成する(ステップST
3)。このステップST3は、速度ベクトル情報生成ステップの一例である。
続いて、端末20は、受信環境情報162(図3参照)を生成する(ステップST4)。このステップST4は、受信環境情報生成ステップの一例である。
【0067】
続いて、端末20は、速度信頼性情報164(図3参照)を生成する(ステップST5)。このステップST5は、速度ベクトル信頼性情報生成ステップの一例である。
【0068】
続いて、端末20は、前回速度信頼性情報156と速度信頼性情報164に基づいて、速度ベクトル補正用ゲインαを決定する(ステップST6)。
続いて、端末20は、速度ベクトル情報160を補正して、補正後速度ベクトル情報170を生成する(図9のステップST7)。
上述の、ステップST6及びST7は、補正後速度ベクトル情報生成ステップの一例である。
【0069】
続いて、端末20は、前回速度ベクトル情報154と補正後速度ベクトル情報170を平均化処理して、平均速度ベクトル情報172(図3参照)を生成する(ステップST8)。このステップST8は、平均速度ベクトル情報生成ステップの一例である。
続いて、端末20は、推定位置情報174(図3参照)を生成する(ステップST9)。このステップST9は、推定位置情報生成ステップの一例である。
【0070】
続いて、端末20は、測位位置情報補正用ゲインβを決定し、測位位置情報補正用ゲイン情報176を生成する(ステップST10)。
続いて、端末20は、測位位置情報158(図3参照)を補正して、補正後測位位置情報178(図3参照)を生成する(ステップST11)。
上述のステップST10及びステップST11は、現在位置情報生成ステップの一例である。
【0071】
続いて、端末20が、補正後測位位置情報178を表示装置32(図2参照)に出力する(ステップST12)。
続いて、端末20が、前回位置情報152、前回速度ベクトル情報154及び前回速度信頼性情報156を更新する(ステップST13)。具体的には、端末20は、補正後測位位置情報178を前回位置情報152とし、補正後速度ベクトル情報170を前回速度ベクトル情報154とし、速度信頼性情報164を前回速度信頼性情報156とする。
【0072】
図10は、従来例と、上述のステップを経て補正後測位位置情報178を生成する場合との比較例を示す図である。
図10(a)に示すように、従来例においては、例えば、前回の速度ベクトルVr(n−1)と今回の速度ベクトルVr(n)を平均した平均速度ベクトルVravと、前回測位からの経過時間tに基づいて、推定位置Pre(n)を算出する。
これに対して、図10(b)に示すように、端末20は、今回の速度ベクトルV(n)(図3参照)をそのまま用いるのではなくて、これを補正して補正後速度ベクトルVf(n)を生成する。そして、前回の補正後速度ベクトルVf(n−1)と今回の補正後速度ベクトルVf(n)とを平均した平均速度ベクトルVavと、前回測位からの経過時間tに基づいて、推定位置Pe(n)を算出する。
このため、端末20が算出する推定位置Pe(n)は、従来例によって算出する推定位置Pre(n)よりも、精度が高い。
この結果、端末20が出力する補正後測位位置Pf(n)は、従来例によって出力する出力位置Vr(n)よりも精度が高い。
【0073】
なお、本実施の形態とは異なり端末20は、上述の受信環境情報162の各構成要素である経過時間情報162a等の評価を、「A」,「B」又は「C」ではなくて、例えば、0乃至100の数値による点数によって行うようにしてもよい。そして、速度信頼性情報164も数値を示す情報としてもよい。これにより、前回速度信頼性情報156と速度信頼性情報164との比較を、詳細に行うことができ、より適切に速度ベクトル補正用ゲイン情報168を生成することができる。
【0074】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の端末20Aの構成は、上記第1の実施の形態の端末20と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0075】
図11は、端末20Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図12は、測位位置情報158A等の一例を示す図である。
端末20Aは、今回の測位において、複数の測位を行い、例えば、測位位置Pg(na),Pg(nb)及びPg(nc)の3つの測位位置を算出する。そして、図12(a)に示すように、測位位置Pg(na)等をそれぞれ示す、測位位置情報158a,158b及び158cを生成する。
このため、図12に示すように、測位位置情報158Aは、測位位置情報158a等を含む。
【0076】
また、端末20Aは、上述の各測位位置Pg(nc)に対応して、複数の速度ベクトルを算出し、例えば、速度ベクトルV(na),V(nb)及びV(nc)の3つの速度ベクトルを算出する。
そして、図12(b)に示すように、速度ベクトルV(na)等をそれぞれ示す、速度ベクトル情報160a,160b及び160cを生成する。
このため、図12(b)に示すように、速度ベクトル情報160Aは、速度ベクトル情報160a等を含む。
例えば、速度ベクトル情報160aは測位位置情報158aを生成したときの信号S1等に基づいて生成されるというように対応している。同様に、速度ベクトル情報160bは測位位置情報158bに対応し、速度ベクトル情報160cは測位位置情報158cに対応している。
例えば、速度ベクトルV(na)は、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの信号S1,S2,S3及びS4に基づいて算出した速度ベクトルである。速度ベクトルV(nb)は、GPS衛星12c,12d,12e及び12fからの信号S3,S4,S5及びS6に基づいて算出した速度ベクトルである。そして、速度ベクトルV(nc)は、GPS衛星12e,12f,12g及び12hからの信号S5,S6,S7及びS8に基づいて算出した速度ベクトルである。
このように、演算に使用するGPS衛星12a等の組み合わせが異なると、演算結果としての速度ベクトルも異なる場合がある。
【0077】
端末20Aの制御部100は、受信環境情報生成プログラム116によって、上述の各速度ベクトル情報160a等にそれぞれ対応する受信環境情報162A(図11参照)を生成するようになっている。
【0078】
また、端末20Aは、図12(c)に示すように、上述の複数の速度ベクトルにそれぞれ対応する速度信頼性情報164a等を生成する。
このため、速度信頼性情報164Aは、速度信頼性情報164a等を含む。
例えば、速度ベクトルV(na)の信頼度R(na)はL、速度ベクトルV(nb)の信頼度R(nb)はL、速度ベクトルV(nc)の信頼度R(nc)はMである。
【0079】
図11に示すように、端末20は、第1記憶部110に、速度ベクトル選択プログラム138を格納している。速度ベクトル選択プログラム138は、制御部100が、速度信頼性情報164Aに基づいて、速度ベクトルV(na)等のいずれかを選択するためのプログラムである。すなわち、速度ベクトル選択プログラム138と制御部100は、速度ベクトル情報選択手段の一例である。
具体的には、制御部100は、速度信頼性情報164Aに示される信頼度Rが最も大きい速度ベクトルを選択する。
例えば、図12(c)に示すように、速度ベクトルV(na),V(nb),V(nc)の中では、速度ベクトルV(nc)の信頼度R(nc)がMであって、最も信頼度Rが大きい。この場合、制御部100は速度ベクトルV(nc)を選択し、これを選択速度ベクトルVs(n)とし、この選択速度ベクトルVs(n)を示す選択速度ベクトル情報180を生成する。この選択速度ベクトル情報180もまた、速度ベクトル情報の一例である。
制御部100は、生成した選択速度ベクトル情報180を第2記憶部150に格納する。
【0080】
端末20Aの制御部100は、速度ベクトル補正プログラム124Aによって、上述の選択速度ベクトル情報180に示される選択速度ベクトルVs(n)を補正して、補正後速度ベクトル情報170Aを生成するようになっている。
【0081】
上述のように、端末20Aは、複数の速度ベクトル情報160a等から、相対的に信頼度Rの大きい速度ベクトル情報160a等のいずれかを選択することができる。
そして、端末20Aは、複数の速度ベクトル情報160a等から選択した選択速度ベクトル情報180を使用して、補正後速度ベクトル情報170Aを生成する構成となっている。
このため、端末20Aは、端末20Aの真の移動状態を相対的に正確に反映した選択速度ベクトル情報180に基づいて、補正後速度ベクトル情報170Aを生成することができる。
このため、補正後速度ベクトル情報170Aは、端末20Aの真の移動状態をより一層正しく反映するものとなる。
これにより、端末20Aによれば、平均速度ベクトル情報172の精度が向上し、一層精度よく推定位置Pe(n)を算出することができる。
そして、推定位置Pe(n)の精度が向上するから、補正後測位位置Pf(n)の精度も一層向上する。
【0082】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星信号受信ステップと、測位位置情報生成ステップと、速度ベクトル情報生成ステップと、受信環境情報生成ステップと、速度ベクトル信頼性情報生成ステップと、補正後速度ベクトル情報生成ステップと、平均速度ベクトル情報生成ステップと、推定位置情報生成ステップと、現在位置情報生成ステップと、現在位置情報出力ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0083】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0084】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態に係る端末等を示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図4】速度信頼性情報生成プログラムの説明図である。
【図5】速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラムの説明図である。
【図6】速度ベクトル補正プログラムの説明図である。
【図7】平均速度ベクトル等の一例を示す図である。
【図8】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【図9】端末の動作例を示す概略フローチャートである。
【図10】従来例と本実施の形態の比較例を示す図である。
【図11】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図12】測位位置情報等の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h・・・GPS衛星、20,20A・・・端末、112・・測位プログラム、114・・・速度ベクトル情報生成プログラム、116・・・受信環境情報生成プログラム、118・・・速度信頼性情報生成プログラム、122・・・速度ベクトル補正用ゲイン決定プログラム、124,124A・・・速度ベクトル補正プログラム、126・・・平均速度ベクトル情報生成プログラム、128・・・推定位置情報生成プログラム、130・・・測位位置情報補正用ゲイン決定プログラム、132・・・測位位置情報補正プログラム、134・・・補正後測位位置情報出力プログラム、136・・・基礎情報更新プログラム、138・・・速度ベクトル選択プログラム




 

 


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