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発明の名称 液晶装置用基板のラビング方法、液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11173(P2007−11173A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194637(P2005−194637)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 小林 重樹 / 矢崎 正幸
要約 課題
液晶装置用基板の配向膜の表面に対し、均一なラビング処理を実施することが可能な、液晶装置用基板のラビング方法を提供することを目的とする。

解決手段
液晶装置用の基板21上に形成された配向膜の表面に、ラビング処理を行う方法において、ラビングローラ3の回転軸3aの基板21の表面を含む平面への投影線と、前記平面上における基板21の相対的な移動の経路とがなす角度を異ならせて配向膜の表面に複数回のラビング処理を施す。該複数回のラビング処理において少なくとも1回のラビング処理は前記投影線と前記移動の経路とが直交しない関係において実施され、かつ複数回のラビング処理は、前記複数回のラビング処理において配向膜の表面のラビング方向が一致するように、前記投影線と、前記基板との前記平面上における相対的な角度を変更して実施されることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
液晶装置用の基板上に形成された配向膜の表面に、回転するラビングローラを当接させながら前記基板と前記ラビングローラとを相対的に移動させることによってラビング処理を行う方法であって、
前記ラビングローラの回転軸の前記基板の表面を含む平面への投影線と、前記平面上における前記相対的な移動の経路とがなす角度を異ならせて前記配向膜の表面に複数回のラビング処理を施し、
該複数回のラビング処理において少なくとも1回のラビング処理は前記投影線と前記移動の経路とが直交しない関係において実施され、かつ前記複数回のラビング処理は、前記複数回のラビング処理による前記配向膜の表面のラビング方向が一致するように、前記投影線と、前記基板との前記平面上における相対的な角度を変更して実施されることを特徴とした液晶装置用基板のラビング方法。
【請求項2】
前記投影線と前記基板との前記平面上における相対的な角度の変更は、前記基板を前記投影線に対して回動させること又は前記ラビングローラを前記平面と平行な平面上において前記基板に対して回動させることによって行われることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置用基板のラビング方法。
【請求項3】
前記複数回のラビング処理における前記相対的な移動の経路は、前記平面上において前記投影線と前記移動の経路とが直交する第1の経路と、
該第1の経路に対して前記平面上において所定の角度をなす第2の経路と、
該第2の経路と前記平面上において前記第1の経路について線対称をなす第3の経路とを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置用基板のラビング方法。
【請求項4】
前記複数回のラビング処理は、前記第1乃至第3の経路のそれぞれに対して往復移動をすることによって実施されることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置用基板のラビング方法。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の液晶装置用基板のラビング方法を用いたラビング工程を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項6】
液晶装置用の基板上に形成された配向膜の表面に、回転するラビングローラを当接させながら前記基板と前記ラビングローラとを相対的に移動させることによって、前記配向膜の表面にラビング処理を施す液晶装置の製造装置において、
前記ラビングローラの回転軸の前記基板の表面を含む平面への投影線と、前記平面上における前記相対的な移動の経路とがなす角度を変更する移動経路変更手段と、
前記投影線と前記基板との前記平面上における相対的な角度を変更する角度変更手段と、
前記投影線と前記移動の経路とがなす角度を異ならせながら前記配向膜の表面に複数回のラビング処理を施す時に、該複数回のラビング処理において少なくとも1回のラビング処理が前記投影線と前記移動の経路とが直交しない関係において実施され、かつ前記配向膜におけるラビング方向が一致するように、前記移動経路変更手段と前記角度変更手段とを制御する制御手段とを具備することを特徴とする液晶装置の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置用基板のラビング方法、液晶装置の製造方法及び液晶装置の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話等の電子機器における画像表示部には、液晶装置等の電気光学装置が使用されている。
例えば、液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶装置の構造としては、画素毎にTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)やTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等の非線形素子を設け、この非線形素子を介して信号電極と画素電極とを接続したアクティブ方式のもの等がある。
【0003】
アクティブ方式の液晶装置は、一方の基板に、能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向する電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることによって、画像表示を可能にする。
【0004】
TFTを配置したTFT基板と、TFT基板に対向して配置される対向基板とは、別々に製造される。両基板は、パネル組立工程において高精度に張り合わされた後、この両基板間の隙間に液晶が封入される。
【0005】
パネル組立工程においては、先ず、各基板工程においてそれぞれ製造されたTFT基板と対向基板とが対向するそれぞれの対向面、即ち、対向基板及びTFT基板の液晶層と接するそれぞれの面上に配向膜が形成され、次いで配向膜表面にラビング処理が施される。次に、一方の基板上において、外周部に沿って接着剤となるシール部が形成される。TFT基板と対向基板とをシール部を用いて張り合わせ、アライメントを施しながら圧着硬化させる。シール部には一部に開口部が設けられており、この開口部を介して液晶が封入される。液晶を封入した後に、シール部の開口部は封止材によって封止される。
【0006】
両基板間に封止された液晶層における、電圧無印加時の液晶分子の配列は、両基板の液晶層に接する面に形成された配向膜により決定される。配向膜は、例えばポリイミドを約数十ナノメートルの厚さだけ塗布することにより形成される。配向膜表面に細かい溝を形成することにより、液晶層における液晶分子の配向が規定される。配向膜表面に細かい溝を形成するために、ラビング処理が行われる。ラビング処理とは、ラビング布等のクロス材で表面が形成されたラビングローラを、配向膜表面上に当接させ、さらに回転させながら直線的に移動させることによって、配向膜表面に細かい溝を形成するものである。
【0007】
従来、このラビング処理は、図9に示すようなラビング装置100により行われていた。ラビング装置100は、基板150を固定する図示しない固定台と、固定台に固定された基板150の表面に回転するラビングローラ101を当接させながら直線的に移動させる移動テーブル105を有して構成されている。配向膜が形成された基板150上には、液晶層の間隔を保持するためのスペーサや、ドライバー回路を接続するための端子部分等の段差152が形成されている。このため、この段差152上をラビングローラ101が通過すると、ラビングローラ101の表面にはクロス材の繊維の偏り等の生じたダメージ部102が形成されてしまう。このため、配向膜の段差152のラビングローラ101の進行方向側においては、ダメージ部102によってラビング処理がなされるため、スジ状の配向異常部151が形成されてしまう。この配向異常部151が形成された基板150によって構成された液晶装置においては、配向異常部151において表示ムラ等が発生してしまうと言う問題があった。
【0008】
この問題に対し、特開2000−275643号公報に開示されている液晶表示素子の製造方法においては、1回のラビング処理が終了する度に、ラビングローラのロール角度及び基板の投入角度を切り替えることで、基板の柱スペーサによるラビング布の偏りがラビングローラ上の一定領域に集中することを防止している。これにより、ラビング布の部分的な偏在による配向処理の不均一が生じない。
【0009】
また、特開2001−264766号公報に開示されている液晶表示素子の製造方法においては、1枚の基板にラビング方向を複数設定してラビング処理をすることで、一方向のラビング処理において、スペーサの存在によって生じた不均一なラビング領域を、他の方向のラビング処理により均一にラビング処理を施すことで液晶分子の方位角のずれを低減している。
【特許文献1】特開2000−275643号公報
【特許文献2】特開2001−264766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特開2000−275643号公報に開示されている液晶表示素子の製造方法においては、同一形状を有する複数の基板に対してラビング処理を繰り返すことによるラビング布の部分的な偏在を抑えることは可能であるが、一枚一枚の基板については、スペーサのラビングローラの進行方向側に配向異常部が生じてしまうと言う問題があった。
【0011】
また、特開2001−264766号公報に開示されている液晶表示素子の製造方法においては、スペーサの近傍において2方向のラビング処理領域が存在してしまうため、やはり液晶分子の方位角にムラが生じてしまうと言う問題があった。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶装置用基板の配向膜の表面に対し、ムラのない均一なラビング処理を実施することが可能な、液晶装置用基板のラビング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る液晶装置用基板のラビング方法は、液晶装置用の基板上に形成された配向膜の表面に、回転するラビングローラを当接させながら前記基板と前記ラビングローラとを相対的に移動させることによってラビング処理を行う方法であって、前記ラビングローラの回転軸の前記基板の表面を含む平面への投影線と、前記平面上における前記相対的な移動の経路とがなす角度を異ならせて前記配向膜の表面に複数回のラビング処理を施し、該複数回のラビング処理において少なくとも1回のラビング処理は前記投影線と前記移動の経路とが直交しない関係において実施され、かつ前記複数回のラビング処理は、前記複数回のラビング処理による前記配向膜の表面のラビング方向が一致するように、前記投影線と、前記基板との前記平面上における相対的な角度を変更して実施されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る液晶装置用基板のラビング方法は、前記投影線と前記基板との前記平面上における相対的な角度の変更は、前記基板を前記投影線に対して回動させること又は前記ラビングローラを前記平面と平行な平面上において前記基板に対して回動させることによって行われることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る液晶装置用基板のラビング方法は、前記複数回のラビング処理における前記相対的な移動の経路は、前記平面上において前記投影線と前記移動の経路とが直交する第1の経路と、該第1の経路に対して前記平面上において所定の角度をなす第2の経路と、該第2の経路と前記平面上において前記第1の経路について線対称をなす第3の経路とを含むことが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る液晶装置用基板のラビング方法は、前記複数回のラビング処理は、前記第1乃至第3の経路のそれぞれに対して往復移動をすることによって実施されることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る液晶装置の製造装置は、液晶装置用の基板上に形成された配向膜の表面に、回転するラビングローラを当接させながら前記基板と前記ラビングローラとを相対的に移動させることによって、前記配向膜の表面にラビング処理を施す液晶装置の製造装置において、前記ラビングローラの回転軸の前記基板の表面を含む平面への投影線と、前記平面上における前記相対的な移動の経路とがなす角度を変更する移動経路変更手段と、前記投影線と前記基板との前記平面上における相対的な角度を変更する角度変更手段と、前記投影線と前記移動経路とがなす角度を異ならせながら前記配向膜の表面に複数回のラビング処理を施す時に、該複数回のラビング処理において少なくとも1回のラビング処理が前記投影線と前記移動経路とが直交しない関係において実施され、かつ前記配向膜におけるラビング方向が一致するように、前記移動経路変更手段と前記角度変更手段とを制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る液晶装置用基板のラビング方法及び液晶装置の製造装置によれば、表面に段差部分が形成された前記基板の配向膜の表面上においても、一度目のラビング処理に対し、前記投影線と前記基板の相対的な移動の経路とがなす角度を異ならせて二度目以降のラビング処理を施すことで、一度のラビング処理において段差部分の影響により生じた配向異常部について、他のラビング処理によって正常なラビング処理を行うことが可能となる。またこのとき、全てのラビング処理においてラビング方向を一致させているため、基板の配向膜の表面の全域において均一なラビング処理を施すことが可能となるという効果を有する。
【0019】
また、本発明に係る液晶装置の製造方法は、前記液晶装置用基板のラビング方法を用いたラビング工程を具備することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、表面に段差部分が形成された前記基板の配向膜の表面上においても、一度目のラビング処理に対し、前記投影線と前記基板の移動経路とがなす角度を異ならせて二度目以降のラビング処理を施すことで、一度のラビング処理において段差部分の影響により生じた配向異常部について、他のラビング処理によって正常なラビング処理を行うことが可能となる。またこのとき、全てのラビング処理においてラビング方向を一致させているため、基板の配向膜の表面の全域において均一なラビング処理を施すことが可能となる。このため、本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、表示ムラのない高品位な液晶装置を製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に、本実施の形態に係る液晶装置のラビング装置である製造装置1の概略構成を説明する平面構成図を示す。本実施の形態において、X軸方向とは、後述する回転軸3aを水平にして配設されたラビングローラ3の回転軸3aの軸線方向と平行な方向であり、Y軸方向とは、後述するラビングローラ3の回転軸3aの軸線方向と直交し、かつ水平な方向である。また、R方向とは、鉛直軸の軸線周りにおいて回動可能な後述する回動テーブル10の回動方向である。
【0022】
本実施の形態に係る液晶装置のラビング装置である製造装置1は、図1に示すように、装置内部の図示しない基台上において、基板21の配向膜が形成されている表面を水平上向きとして、基板21の表面を含む平面(以下、基準平面と称す)上において、基板21を並進移動及び回動せしめる機構を有して構成されている。ここで基板21の並進移動とは、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と基板21とが、R方向についての相対的な位置関係を保持したまま、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と基板21とのX方向及びY方向についての相対的な位置関係が変化することを指す。製造装置1の図示しない基台上には、基板21を水平な基準平面上において自在に並進移動させることが可能な移動経路変更手段が配設されている。移動経路変更手段は、移動テーブル9とガイド5とガイド6を有して構成されている。移動テーブル9は、X軸方向と平行な方向に移動可能な支持機構を有するガイド5と、ガイド5に支持されたY軸方向と平行な方向に移動可能な支持機構を有するガイド6とによって支持されている。ガイド5とガイド6には、それぞれモータ7とモータ8が配設されており、モータ7及びモータ8によって、ガイド5及びガイド6によって支持された移動テーブル9は、水平面上において移動可能に駆動される。また、モータ7及びモータ8は、制御手段である制御部2に接続されている。制御部2によってモータ7及びモータ8が駆動され、移動テーブル9のX軸方向及びY軸方向、すなわち水平面上の位置が制御される。
【0023】
移動テーブル9の上面には、液晶装置用の基板21を水平にかつ基準平面上において回動可能に支持する角度変更手段である回動テーブル10が配設されている。回動テーブル10は、鉛直方向を向いた回動軸周りに回動可能な機構を有する。回動テーブル10は、図示しない回動駆動手段を有し、該回動駆動手段は制御部2に接続されている。制御部2は、回動テーブル10の回動駆動手段を制御することによって、回動テーブル10の回動角度を制御する。従って、回動テーブル10上に支持された基板21の基準平面上における回動軸周りの回動方向(R方向)及び回動角度は、制御部2によって制御される。
【0024】
図2に、本実施の形態に係る製造装置1の概略構成を説明する側面図を示す。図1及び図2に示すように、ラビング布等のクロス材により表面が形成された、円筒形状のラビングローラ3が、回転軸3aを水平にして回動テーブル10の上方に配設されている。ラビングローラ3はその回転軸3a周りに回転可能に、ローラ駆動部4によって軸支されており、ラビングローラ3は図示しない駆動機構により回転駆動される。ローラ駆動部4は制御部2に接続されており、制御部2によって、ラビングローラ3の回転駆動が制御される。
【0025】
上記の構成を有する本実施の形態に係る製造装置1における動作を説明する。
基板21を支持した回動テーブル10は、ラビング処理時において、制御手段である制御部2によって、X軸方向、Y軸方向及びR方向の位置が制御される。すなわち、製造装置1においては、制御部2によって、基準平面上における、基板21の移動経路と回動角度が制御される。また、ラビングローラ3は、制御部2によって所定の回転速度により回転駆動される。製造装置1は、回転するラビングローラ3の外周面である摺動面を、基板21の表面に当接させながら、基板21を直線的に並進移動させることで、基板21の表面に形成された配向膜の表面にラビング処理を行う。
【0026】
上記に説明した構成及び動作を有する製造装置1を用いた、基板21のラビング方法について、以下に説明する。
本実施の形態に係る製造装置1によるラビング方法における製造装置1の動作の模式図を図3に示す。図3に示すように、本実施の形態に係る基板21のラビング方法においては、基板21は、ラビングローラ3の下方において、配向膜の表面をラビングローラ3の摺動面に当接させながら、経路L1、L2、L3、L4、L5及びL6で示した6つの直線状の移動経路上を並進移動する。経路L1とL2、L3とL4並びにL5とL6はそれぞれ平行であり、それぞれの組み合わせにおける2つの移動経路は基板21の並進移動する方向が互いに逆となる経路である。したがって、回転軸3aの基準平面への投影線と、6つの経路L1、L2、L3、L4、L5及びL6とのなす角度はそれぞれ異なる。具体的には、図3において、投影線と経路L3との成す角度は、90度であり、投影線と経路L4との成す角度は、270度であるように、投影線と6つの経路のなす角度はそれぞれ異なる。その中で、例えば、基板21の移動経路であるそれぞれの経路L1、L3及びL5は、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線に対して、それぞれ所定の角度θ1、θ3及びθ5をなしている。ここで経路L3(及び経路L4)は、回転軸3aの基準平面への投影線と直交する関係にある。即ち、θ3は90度である。経路L1は、図3を紙面に向かって見た時に、経路L3に対して時計方向に傾いており、経路L1は回転軸3aの基準平面への投影線と90度ではない角度θ1でもって交差している。また、経路L5は、図3を紙面に向かって見た時に、経路L3に対して反時計方向に傾いており、経路L5は回転軸3aの基準平面への投影線と90度ではない角度θ5でもって交差している。なお、本実施の形態においては、経路L1とL5、及び経路L2とL6は、経路L3とL4に対して線対称である。すなわち、製造装置1において、基板21の配向膜の表面は、回転軸3aの基準平面への投影線と基板21の移動経路とがなす3つの角度について、それぞれ往復移動するため、都合6回のラビング処理がなされる。
【0027】
ここで、図3における経路L3及び経路L4で示した基板21の移動経路のように、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と、基板21の移動経路が直交する場合、ラビングローラ3の摺動により基板21の配向膜の表面に施されるラビング方向は、ラビングローラ3の摺動面の基準平面上における回転速度ベクトルの方向と平行となる。すなわち、ラビング方向は回転軸3aの基準平面への投影線に対して直交する方向となる。ここでラビング方向とは、基板21の配向膜の表面に形成される溝の長手方向を指す。しかし、図3における経路L1及び経路L2で示したような、回転軸3aの基準平面への投影線と基板21の移動経路とが直交しない場合においてラビング処理を行うと、ラビング方向は、ラビングローラ3の摺動面の基準平面上における回転速度ベクトルの方向とは一致しなくなる。
【0028】
この回転軸3aの基準平面への投影線と、基板21の移動経路が直交しない場合のラビング方向について、以下により詳しく説明する。基板21の配向膜の表面に形成される溝の長手方向は、配向膜表面に対するラビングローラ3の摺動面の摺動方向によって決定される。基板21が、経路L1上を並進移動してラビング処理を施される場合の、ラビング方向についての説明図を図4に示す。図4に示すように、この摺動方向は、基板21の配向膜表面上の任意の点Oにおけるラビングローラ3の摺動面の相対速度ベクトルVA1の方向で表される。以降、点Oは回動テーブル10上に支持された基板21の回動中心とする。この相対速度ベクトルVA1はラビングローラ3の摺動面の回転速度ベクトルVRと、基板21の移動速度ベクトルVP1の合成から決定される。すなわち、図3における経路L3で示した、回転軸3aの基準平面への投影線と基板21の移動経路とを直交させてラビング処理が行われる場合に対して、経路L1上を基板21が並進移動してラビング処理が行われる場合には、図4を紙面に向かって見た時に時計回り方向に相対速度ベクトルVA1のずれ角度RE1だけラビング方向がずれる。また、基板21が、経路L2上を並進移動してラビング処理を施される場合の、ラビング方向についての説明図を図5に示す。図5に示すように、基板21が経路L1と逆の方向に並進移動する経路L2上を移動してラビング処理が行われる場合も同様に、ラビングローラ3の摺動面の回転速度ベクトルVRと、基板21の移動速度ベクトルVP2の合成によって求められる相対速度ベクトルVA2の方向と、ラビング方向が一致する。すなわち、図3における経路L4で示した、回転軸3aの基準平面への投影線と基板21の移動経路とを直交させてラビング処理が行われる場合に対して、経路L2上を基板21が並進移動してラビング処理が行われる場合には、図5を紙面に向かって見た時に反時計回り方向に相対速度ベクトルVA2のずれ角度RE2だけラビング方向がずれる。
【0029】
本実施の形態に係る製造装置1は、基板21の配向膜の表面に対してラビング処理を施す際に、回転軸3aの基準平面への投影線に対して基板21の移動経路がどの様な角度をなす場合においても、上記のずれ角度を補正することにより、配向膜の表面のラビング方向を一致させる。図6に、ずれ角度の補正の方法について説明する説明図を示す。例えば基板21を図3の経路L1上を並進移動させてラビング処理を行う場合は、図6に示すように、回動テーブル10を、図6を紙面に向かって見た時に時計回りにずれ角度RE1だけ回動させる。すなわち、回転軸3aの基準平面への投影線と基板21との基準平面上における回動角度を、点O周りにずれ角度RE1だけ図6を紙面に向かって見た時に時計回り方向に変更することにより、相対速度ベクトルVA1の方向と、基板21の配向膜の表面に施したい所望のラビング方向とを一致させる。このように、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と、基板21の移動経路とが直交しない場合である、経路L1、L2、L5及びL6上を基板21を移動させてラビング処理を行う場合には、同様に回動テーブル10すなわち基板21の回動角度をずれ角度分だけ変更させることで、基板21の配向膜の表面に施されるラビング方向を全てのラビング処理において一致させる。なお、ずれ角度は、制御部2に予め入力された所望のラビング方向やラビングローラ3の外径や回転数と言った諸条件より、制御部2において算出されるものであるが、各ラビング処理におけるずれ角度を予め製造装置1の外部において算出し、その数値を制御部2へ直接入力することも可能である。
【0030】
本実施の形態に係る製造装置1による、ラビング工程の動作ブロック図を図7に示す。本実施の形態に係る製造装置1においては、図7に示すように、上記のラビング方法を用いて、基板21の配向膜の表面へラビング処理が実施されるものである。図7を用いて、製造装置1による、基板21の配向膜の表面へのラビング工程について以下に説明する。
【0031】
まず、製造装置1は、回動テーブル10上に図示しない供給装置によって基板21を載置し、支持する。図7の(a)に示すように、製造装置1は、基板21を経路L3上において並進移動させ、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。このとき、回動テーブル10は、基板21の配向膜の表面に所定のラビング方向のラビング処理が施されるように、予め所定の回動角度において位置決めされている。
【0032】
次に、製造装置1は、図7の(b)に示すように、基板21を経路L4上において並進移動させ、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。このとき、基板21の並進移動方向が図7の(a)に対して逆になるだけで、回動テーブル10の回動角度は図7の(a)と同じままである。
【0033】
次に、製造装置1は、図7の(c)に示すように、基板21を、経路L3に対して図7を紙面に向かって見た時に時計方向に傾いている経路L1上において並進移動させ、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。このとき、回動テーブル10は、基板21の配向膜の表面に施されるラビング処理によるラビング方向が、図7の(a)によって施されたラビング処理のラビング方向と一致するように、図7を紙面に向かって見た時に時計回り方向にずれ角度RE1だけ回動されて位置決めされている。
【0034】
次に、製造装置1は、図7の(d)に示すように、基板21を、経路L2上において並進移動させ、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。このとき、基板21の並進移動方向は図7の(c)に対して逆となるだけであるが、回動テーブル10の回動角度は図7の(c)とは異なる角度となる。回動テーブル10は、基板21の配向膜の表面に施されるラビング処理によるラビング方向が、図7の(a)によって施されたラビング処理のラビング方向と一致するように、図7を紙面に向かって見た時に反時計回り方向にずれ角度RE2だけ回動されて位置決めされている。
【0035】
次に、製造装置1は、図7の(e)に示すように、基板21を、経路L5上において並進移動させ、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。経路L5は、経路L3に対して図7を紙面に向かって見た時に反時計方向に傾いている。このとき、回動テーブル10は、基板21の配向膜の表面に施されるラビング処理によるラビング方向が、図7の(a)によって施されたラビング処理のラビング方向と一致するように、図7を紙面に向かって見た時に反時計回り方向にずれ角度RE5だけ回動されて位置決めされている。
【0036】
次に、製造装置1は、図7の(f)に示すように、基板21を、経路L6上において並進移動させ、基板21位の配向膜の表面にラビング処理を施す。このとき、基板21の並進移動方向は図7の(e)に対して逆となるだけであるが、回動テーブル10の回動角度は図7の(e)とは異なる。回動テーブル10は、基板21の配向膜の表面に施されるラビング処理によるラビング方向が、図7の(a)によって施されたラビング処理のラビング方向と一致するように、図7を紙面に向かって見た時に時計回り方向にずれ角度RE6だけ回動されて位置決めされている。この後、製造装置1は、図示しない搬出装置によって、基板21を回転台10上から搬出する。
以上により、製造装置1による基板21の配向膜の表面へのラビング工程が終了する。
【0037】
上述した、本実施の形態に係る製造装置1においては、ラビングローラ3の下方を、基板21が6つの経路において通過し、基板21の配向膜の表面にラビング処理が施される。基板21の表面上に、例えば基板のエッジ部分や、液晶層の間隔を保持するためのスペーサやドライバー回路を接続するための端子部分といった段差部分が形成されている部位において、図7の(a)に示すように、経路L3上を基板21を並進移動させてラビング処理を施すと、段差部分の基板21の並進移動の進行方向の反対側においてスジ状の配向異常部が形成される。しかしながら、この図7の(a)によって生じた、スジ状の配向異常部においては、基板21の並進移動の進行方向が異なる他の5つの経路上を基板21が並進移動してラビング処理が施される際に、正常なラビング処理が施される。またこのとき、製造装置1は、異なる移動経路によるラビング処理においても、基板21の配向膜表面におけるラビング方向は全て所定の方向に一致するように、その都度回動テーブル10の回動角度を変更する。よって、製造装置1によって基板21の配向膜の表面に施されるラビング処理のラビング方向は、段差部分の近傍においても全て同一となる。
【0038】
また、本実施の形態に係る製造装置1は、ラビングローラ3に対する基板21の移動経路を6通りに変更して、基板21の配向膜の表面にラビング処理を施す。このため、ラビングローラ3の摺動面における、基板21の段差部分にあたる部位は、基板21の移動経路を変更するたびに異なる部位となる。このため、ラビングローラ3が段差部分を通過することによって生じる、ラビングローラ3の摺動面におけるダメージ部は、ラビングローラ3の特定の箇所に集中することがない。よって、ラビングローラ3の摺動面上にダメージ部が偏在してしまうことがなく、製造装置1は、基板21の配向膜の表面に対して均一に摺動面を当接させることが可能となる。また、これにより、ラビングローラ3の使用可能回数を従来よりも増やすことが可能となる。
【0039】
以上により、本実施の形態に係る液晶装置のラビング装置である製造装置1によれば、段差部分が表面に形成されている基板21においても、段差部分の影響を受けることなく、基板21の配向膜の表面の全域において均一なラビング処理を施すことが可能となる。
【0040】
なお、上述した本実施の形態に係る製造装置1においては、ラビングローラ3に対する基板21の移動経路を6通りに変更して、基板21の配向膜の表面に6回のラビング処理を施しているが、ラビング処理は異なる移動経路において2回以上実施されればよい。
【0041】
ところで、基板21の移動経路がラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と直交しない条件におけるラビング処理は、一般的にバイアスラビング処理と呼ばれている。このバイアスラビング処理によれば、基板21上に形成された段差部分の影響によってラビングローラ3の摺動面にダメージ部が発生した場合においても、配向膜上に現れる配向異常部は明確なスジ状とはならず、ある幅を有した、ぼやけた配向異常部となるため、液晶装置における表示ムラを軽減できると言う効果を有する。このため、上述した本実施の形態に係る製造装置1においては、基板21の配向膜の表面へのラビング処理は、基板21の移動経路がラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と直交しない移動経路を少なくとも一つ含む、複数の移動経路によって実施される。これにより、製造装置1は、より均一に基板21の配向膜の表面にラビング処理を施すことが可能となる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、製造装置1は、ラビングローラ3に対する基板21の2つの移動経路を、例えば図3のL3及びL4のように製造装置1内において往復するようにしてラビング処理を実施しているが、ラビングローラ3に対して片側からのみの移動経路を用いてラビング処理を実施するようにしてもよい。また、複数回のラビング処理において、ラビングローラ3又は基板21を元の位置に戻して、再び同じ移動経路を用いて基板21の配向膜の表面にラビング処理を施してもよい。
【0043】
また、本実施の形態においては、回動テーブル10を回動させることでラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と基板21との基準平面上における角度を変更し、ラビング方向のずれ角度を補正しているが、ラビングローラ3を回動又は移動させることでラビング方向のずれ角度を補正してもよい。
【0044】
なお、上述した本実施の形態においては、基板21の移動経路は、装置の基台に固定されたラビングローラ3に対する基板21の移動による経路であるが、ラビングローラ3も装置の基台に対して移動可能に構成する場合においては、基板21の移動経路は、ラビングローラ3に対する相対的な移動の経路となる。さらになお、本実施の形態においては、基板21の回動角度についても、基板21の角度は、装置の基台に固定されたラビングローラ3に対する基板21の回動軸周りの回動角度あるいは回動量であるが、ラビングローラ3を装置の基台に対して所定の回動軸周りに回動あるいは移動可能に構成する場合においては、基板21の角度は、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と基板21との相対的な角度となる。
【0045】
例えば、本実施の形態に係る液晶装置のラビング装置である製造装置1は、2軸の直動機構を組み合わせることで基板21の移動経路変更手段を構成し、基板21を回動可能に支持した角度変更手段である回動テーブル10を、水平面上において移動させる装置構成としているが、ラビングローラ3の回転軸3aの基準平面への投影線と基板21の移動経路とがなす角度を変更でき、かつ回転軸3aの基準平面への投影線と基板21との相対的な角度が変更可能な装置構成であればよい。例えば、図8に示すように、基板21を基準平面上において回動可能に支持する回動テーブル10を、ガイド6によりY軸方向にのみ並進移動可能に支持し、ラビングローラ3とローラ駆動部4とを水平面上において回動可能に配設する構成とすることができる。図8に示した装置構成を有する液晶装置のラビング装置である製造装置においても、ラビングローラ3と基板21との相対的な位置関係のみに着目すれば、図7に示すラビング工程と同様のラビング工程を基板21に対して実施できることは明らかである。
【0046】
なお、本発明は、上記に説明した実施の形態に限るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施の形態に係る液晶装置のラビング装置である製造装置1の概略構成を説明する平面構成図である。
【図2】製造装置1の概略構成を説明する側面図である。
【図3】製造装置1によるラビング方法における製造装置1の動作の模式図である。
【図4】基板21が経路L1上を並進移動してラビング処理を施される場合のラビング方向についての説明図である。
【図5】基板21が経路L2上を並進移動してラビング処理を施される場合のラビング方向についての説明図である。
【図6】ずれ角度の補正の方法について説明する説明図である。
【図7】本実施の形態に係る製造装置1による、ラビング工程の動作ブロック図である。
【図8】本実施の形態に係る製造装置の変形例を示す平面概略構成図である。
【図9】従来のラビング装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1 製造装置、 2 制御部、 3 ラビングローラ、 3a 回転軸、 4 ローラ駆動部、 5 ガイド、 6 ガイド、 7 モータ、 8 モータ、 9 移動テーブル、 10 回動テーブル、 21 基板




 

 


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