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発明の名称 光学素子の製造方法、投射型表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10713(P2007−10713A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−187853(P2005−187853)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 熊井 啓友 / 澤木 大輔
要約 課題
偏光素子や回折格子として用いることができ、耐熱性ないし耐光性を備えた信頼性の高い光学素子の製造方法であって、安価で且つ量産性の高い製造方法を提供する。

解決手段
本発明の光学素子の製造方法は、誘電体からなる基板11A上に縞状のパターンを有したレジスト15を形成する工程と、前記レジスト15に対して耐めっき性を付与する工程と、前記縞状にパターニングされたレジスト15(16)の隙間に対し、無電解めっき処理により第1金属膜2aを形成する第1めっき処理工程と、前記第1金属膜2a上に、電解めっき若しくは無電解めっき処理により前記第1金属膜2aとは異なる金属からなる第2金属膜2cを形成する第2めっき処理工程と、前記レジスト15(16)を剥離する剥離工程と、を具備してなることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
誘電体からなる基板上に縞状のパターンを有したレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記レジストに対して耐めっき性を付与する耐めっき性付与工程と、
前記縞状にパターニングされたレジストの隙間に対し、無電解めっき処理により第1金属膜を形成する第1めっき処理工程と、
前記第1金属膜上に、電解めっき若しくは無電解めっき処理により前記第1金属膜とは異なる金属からなる第2金属膜を形成する第2めっき処理工程と、
前記レジストを剥離する剥離工程と、を具備してなることを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記レジスト形成工程において、基板面上で一方向に延びる線状レジストを所定間隔毎に平行に複数形成することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記レジスト形成工程において、ポジ型のレジストを形成する一方、
前記耐めっき性付与工程において、前記レジストに紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1めっき処理工程において、無電解めっき処理として銀鏡反応を用いて、銀からなる第1金属膜を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2めっき処理工程において、前記第1金属膜を電極とした電解めっき処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記剥離工程前に、前記第1めっき処理工程と前記第2めっき処理工程を繰り返して行い、前記第1金属膜と前記第2金属膜とが繰り返し積層された多層構造を形成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項7】
前記剥離工程後、加熱処理を行い、前記第1金属膜と前記第2金属膜とを合金化することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項8】
光源装置と、該光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射装置とを備える投射型表示装置であって、
前記光変調装置の光入射側と光射出側とに偏光素子が配設されてなり、該偏光素子が請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法により製造された光学素子により構成されてなることを特徴とする投射型表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子の製造方法、投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ等の投射型表示装置における光変調装置として、液晶装置が用いられている。このような液晶装置としては、対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された構成のものが知られており、この一対の基板の内側には、液晶層に電圧を印加するための電極が形成されている。また、この電極の内側には、電圧無印加時において液晶分子の配列を制御する配向膜が形成され、配向膜としてはポリイミド膜の表面にラビング処理を施したものが公知である。
【0003】
一方、一対の基板の外側(液晶層に対向する面とは異なる面側)には偏光板が配設されており、液晶層に対して所定の偏光が入射される構成となっている。偏光板としては、有機化合物の樹脂フィルムを一方向に延伸することによってヨウ素や二色性染料を一定方向に配向させて製造される偏光フィルムの他、特許文献1に開示されたようなワイヤーグリッド型の偏光素子が知られている。
【特許文献1】特開2002−328234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、基板上のグリッドを金属層と誘電層とが交互に積層される構造を有し、この構造から生じる現象により偏光子の性能を高めている。このような多層構造のグリッドを採用した偏光素子では、グリッドを構成する各層の厚さに対する許容制度は10nm程度と小さいが、具体的にそのような構成のグリッドを形成することは容易ではなく、上記特許文献1にも開示されていない。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、偏光素子や回折格子として用いることができ、耐熱性ないし耐光性を備えた信頼性の高い光学素子の製造方法であって、安価で且つ量産性の高い製造方法を提供することを目的としている。また、本発明は、そのような方法により製造された光学素子を用いた投射型表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の光学素子の製造方法は、誘電体からなる基板上に縞状のパターンを有したレジストを形成するレジスト形成工程と、前記レジストに対して耐めっき性を付与する耐めっき性付与工程と、前記縞状にパターニングされたレジストの隙間に対し、無電解めっき処理により第1金属膜を形成する第1めっき処理工程と、前記第1金属膜上に、電解めっき若しくは無電解めっき処理により前記第1金属膜とは異なる金属からなる第2金属膜を形成する第2めっき処理工程と、前記レジストを剥離する剥離工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0007】
このような製造方法によると、基板上に第1金属膜と第2金属膜とが積層されてなる微細構造(グリッド)を有した光学素子を製造することができ、有機材料を用いていないため、該製造される光学素子は耐光性及び耐熱性に非常に優れたものとなる。
また、第1金属膜と第2金属膜とが交互に積層された微細構造体が縞状に形成されるため、光子トンネル効果及びグリッド内共鳴効果が生じ、光学素子としての特性が非常に高いものとなる。具体的には、当該光学素子を偏光素子として用いた場合には、偏光選択性が非常に高いものとなる。
また、めっきにより各金属膜を形成するため、該各金属膜の厚さを制御しやすく、所望の膜厚の積層を得ることができる。しかも、めっきによる金属膜の形成は材料選択の幅が広く、様々な金属材料で微細構造体を形成することが可能となる。さらに、本発明ではドライエッチング等の過酷な工程が不要で、非常に生産性が高く、安価な光学素子を提供することが可能となる。
【0008】
本発明の光学素子の製造方法では、前記レジスト形成工程において、基板面上で一方向に延びる線状レジストを所定間隔毎に平行に複数形成することができる。このようなレジストを形成し、その隙間に金属膜を形成することで、所定間隔を隔てて形成された金属膜からなる縞状の微細構造体を得ることが可能となる。
なお、レジスト形成方法としては、スピンコート法によりレジスト樹脂を均一塗布した後、干渉露光法やナノインプリントリソグラフィ法等により縞状のパターンを形成する手法を採用することができる。
【0009】
また、レジスト形成工程においてポジ型のレジストを形成する一方、前記耐めっき性付与工程において前記レジストに紫外線を照射することができる。このような波長の紫外線でポジ型レジストを照射すると、レジスト表面に耐化層が形成され、レジストに対して簡便に耐めっき性を付与することが可能となり、例えばめっき浴に浸したときもレジストが浸食される等の不具合発生を効果的に防止することが可能となる。
【0010】
本発明の光学素子の製造方法では、前記第1めっき処理工程において、無電解めっき処理として銀鏡反応を用いて、銀からなる第1金属膜を形成することができる。銀鏡反応によると、誘電体からなる基板上に簡便に銀薄膜を形成することが可能となり、その膜厚制御も非常に容易となる。
【0011】
また、本発明の光学素子の製造方法では、前記第2めっき処理工程において、前記第1金属膜を電極とした電解めっき処理を行うことができる。このような第1金属膜を電極として利用した電解めっき処理により、該第1金属膜上に簡便に第2電極膜を積層することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の光学素子の製造方法では、前記剥離工程前に、前記第1めっき処理工程と前記第2めっき処理工程を繰り返して行い、前記第1金属膜と前記第2金属膜とが繰り返し積層された多層構造を形成することができる。このようなめっき処理の繰り返しにより第1金属膜と第2金属膜が3層以上に積層された多層の微細構造体(グリッド)を形成することが可能となる。
【0013】
また、前記剥離工程後、加熱処理を行い、前記第1金属膜と前記第2金属膜とを合金化する工程をさらに行うことができる。このような合金化工程により、第1金属膜と第2金属膜とからなる安定した微細構造体を形成することが可能となる。
【0014】
なお、本発明の第2金属膜に適用可能な金属材料としては、例えばアルミニウムが好適で、その他にも、金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、又はこれらの合金などを用いることができる。
【0015】
次に、上記課題を解決するために、本発明の投射型表示装置は、光源装置と、該光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射装置とを備える投射型表示装置であって、前記光変調装置の光入射側と光射出側とに偏光素子が配設されてなり、該偏光素子が上述した方法により製造された光学素子により構成されてなることを特徴とする。
【0016】
このような投射型表示装置は信頼性が非常に高いものとなる。つまり、上述した方法により製造された光学素子は、有機材料を含まない構成であるため耐光性や耐熱性に優れ、しかも、第1金属膜と第2金属膜とが積層された微細構造体により構成されてなるため、透過率及びコントラスト等の光学特性が優れたものとなるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0018】
[プロジェクタ]
図1は、本発明の投射型表示装置の一実施形態として、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。本実施形態のプロジェクタは、光変調装置として液晶装置を用いた液晶プロジェクタである。
【0019】
図1において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は液晶装置からなる光変調装置、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズ、831、832、833は入射側の偏光板(光学素子)、834、835、836は出射側の偏光板である。
【0020】
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。なお、光源810としては、メタルハライド以外にも超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等を用いることも可能である。
【0021】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、偏光板831を介して赤色光用液晶光変調装置822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、偏光板832を介して緑色光用液晶光変調装置823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が偏光板833を介して青色光用液晶光変調装置824に入射される。
【0022】
各光変調装置822〜824により変調された3つの色光は、各色偏光板834〜836を介してクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
【0023】
ここで、本実施形態のプロジェクタにおいては、偏光板831〜836として、無機材料からなるものを採用している。メタルハライドランプ811からなる光源810は高エネルギーの発光が行われるものであるため、有機材料では当該高エネルギーの光により分解ないし変形が生じる惧れがある。そこで、耐光性及び耐熱性の高い無機材料(金属材料を含む)で偏光板831〜836を構成している。
【0024】
図2は偏光板831〜836(以下、これらを総称して偏光板1とも言う)の概略構成を示す斜視図、図3は偏光板1の平面模式図、図4は偏光板1の断面模式図、図5は偏光板1を光が透過する際の作用を示す説明図である。
【0025】
偏光板1は、本発明の製造方法により得られる光学素子で、光源810から射出された各色光を、偏光選択して直線偏光のみを透過させるものである。具体的には図2に示すように、ガラス基板等の誘電材料からなる透光性の基材11A上に、ストライプ状に配置された複数の非有機材料(無機材料及び/又は金属材料)からなる格子(微細構造体)12を備えて構成されている。
【0026】
図3に示すように、格子12のピッチPは入射光の波長よりも小さい値であり、例えば140nm以下に設定されている。また、格子12の幅は、例えば70nm以下に設定されており、製造上の都合もあるが、入射光の波長の1/10程度にするとより好ましい。なお、格子12の隙間に形成される線状の溝パターン13は空間とされているが、例えば当該格子12と異なる透光性の材料を挿入するものとしても良い。
【0027】
また、格子12は、図2及び図4に示すように積層構造を有している。ここでは、基材11A上に、銀からなる第1金属膜2aと、アルミニウムからなる第2金属膜2cとが積層された構成とされている。
【0028】
なお、積層体である格子(微細構造体)12の高さは10nm〜50nm程度となっている。また、第2金属膜2cを構成する金属材料としては、アルミニウム以外にも、金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、又はこれらの合金などを用いることができる。
【0029】
このような偏光板1は、図5に示すように、格子12の屈折率nと、格子12間に介在する空間11Bの屈折率nとが異なるため、偏光板1に入射した光の偏光方向により、偏光選択が行なわれる。具体的には、格子12の延在方向と垂直な方向に偏光軸を有する直線偏光Xを透過させ、格子12の延在方向と平行な方向に偏光軸を有する直線偏光Yを反射する。したがって、本実施形態の偏光板1は、光反射型偏光子と同じ作用、すなわち光軸(透過軸)と平行な偏光を透過させ、垂直な偏光に対しては反射させる作用を有している。また、格子12が第1金属膜2aと第2金属膜2cとの積層体からなるため、光子トンネル効果及びグリッド内共鳴効果が生じ、偏光選択性が非常に高いものとなっている。
【0030】
偏光板1を透過して生成された直線偏光は、光変調手段としての液晶装置822〜824に入射する。液晶装置822〜824は、例えば図6に示したような構成を備えている。図6は、液晶装置822〜824の断面模式図である。
【0031】
液晶装置822〜824は、ガラスやプラスチック等の透明基板で構成される2枚の基板(素子基板10,対向基板20)を含んで構成され、該一対の基板10,20間に液晶層50が挟持されている。素子基板10の液晶層50側にはITO等で構成された透明電極9がマトリクス状に形成されており、透明電極9のさらに液晶層50側には、液晶分子の配向規制を行う配向膜11が基板全面に形成されている。
【0032】
一方、対向基板20の液晶層50側には、基板全面にベタ状の透明電極23が形成されており、透明電極23のさらに液晶層50側には、液晶分子の配向規制を行う配向膜21が基板全面にベタ状に形成されている。
【0033】
図6の構成においては、一対の基板10,20が、シール材(図示略)を介して貼り合わせられ、その内部に液晶が封入されている。この場合、液晶層50の液晶モードとしてTN(Twisted Nematic)モードが採用されているが、その他にもSTN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード等を採用することができる。
【0034】
素子基板10は、ガラスや石英等の透光性の基板であって、画素電極9に対する電圧印加をスイッチング駆動するTFT素子(図示略)を備えている。画素電極9はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性且つ導電性の材料にて構成されており、膜厚が50nm〜100nm程度(例えば85nm)とされている。また、配向膜11はSiOの斜方蒸着材料から構成されており、液晶分子の配向を規制している。なお、配向膜11の膜厚は1nm〜10nm程度(例えば5nm)とされている。
【0035】
一方、対向基板20は、素子基板10と同様、ガラスや石英等の透光性の基板から構成されており、その液晶層側にITO(インジウム錫酸化物)等の透光性且つ導電性の材料にて構成された共通電極23が、膜厚50nm〜150nm程度(例えば140nm)に形成されている。また、共通電極23のさらに液晶層側には、SiOの斜方蒸着材料から構成される配向膜21が形成されており、その膜厚は1nm〜10nm程度(例えば5nm)とされている。
【0036】
このような液晶装置822〜824では、図1に示した偏光板831,832,833を介して入射する直線偏光の位相制御が行われる。つまり、電極9,23に対する印加電圧により液晶層50の駆動制御を行い、当該入射光の位相を制御するものとしている。位相制御された光は、光射出側に配設された偏光板834,835,836に入射して変調される。
【0037】
液晶装置822〜824及び偏光板831〜836で変調された各色光は、上述した通り、クロスダイクロイックプリズム825に入射して形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
【0038】
本実施の形態では、偏光板1(831〜836)に関して有機材料を用いないものとしている。つまり、メタルハライドランプから供給される高エネルギー光により劣化する惧れのある有機材料を排除して、無機材料及び/又は金属材料から偏光板1(831〜836)を構成している。また、当該偏光板1(831〜836)は、以下に示すような方法により製造しているため、製造コストも安価で、非常に信頼性の高いものとなっている。
【0039】
[偏光板の製造方法]
以下、図2〜図4に示した偏光板1の製造方法の一例について説明する。図7は、偏光板1の製造工程を示す断面模式図である。
【0040】
まず、図7(a)に示すように、透光性の誘電体材料であるSiOからなる基板11Aに対して、縞状のパターンを有したレジスト15を膜厚150nm〜250nm程度で形成する。具体的には、基板11Aの面上で一方向に延びる線状のレジスト15を所定間隔毎に平行に複数形成するものとしている。レジスト15の形成方法としては、まず、スピンコート法によりレジスト樹脂(ポジ型のレジスト樹脂)を基板11A上に均一塗布した後、これをレーザ光による二光束干渉露光や、ナノインプリントリソグラフィにより処理することで、縞状に構成された所定間隔の溝パターン13をレジスト樹脂に形成する方法を採用している。
【0041】
なお、レーザ光による二光束干渉露光法は、レジスト樹脂の露光部分が削られて溝パターン13が形成されるもので、ナノインプリントリソグラフィ法は、レジスト樹脂に対して縞状の突起物を有した型を押し当てて、当該突起物に対応した縞状の溝パターン13を形成する手法である。
【0042】
次に、図7(b)に示すように、レジスト15に対して紫外線を照射することで、該レジスト15の表面に耐化層を形成させ、後に行われるめっき処理に対する耐性を備えた耐化レジスト16(図7(c))を形成する。ここでは、紫外線として波長300nm〜350nmのものを30秒〜5分程度照射するものとしている。また、この紫外線照射と同時に加熱処理を行い、耐化層形成を促進させることも可能である。
【0043】
次に、図7(c)に示すように、耐化レジスト16の隙間に第1金属膜2aを形成する。ここでは、銀鏡反応(無電解めっき)により銀薄膜を形成するものとしている。つまり、還元剤(R)の存在下、水溶液中で銀イオンを還元して、銀を耐化レジスト16の隙間に析出させる方法を採用している。なお、耐化レジスト16上に銀が析出しても、後に耐化レジスト16は除去されるため問題はない。
【0044】
続いて、図7(d)に示すように、耐化レジスト16の隙間に形成された第1金属膜2a上に第2金属膜2cを積層させる。ここでは、第1金属膜2aを電極としたアルミニウムの電解めっきにより、該第1金属膜2a上にアルミニウム薄膜を形成するものとしている。なお、第2金属膜2cに適用できる金属材料としては、例えば金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、又はこれらの合金などがあり、場合によっては、第2金属膜2cの形成方法として無電解めっきを採用することもできる。
【0045】
続いて、図7(e)に示すように、耐化レジスト16をエッチングにより剥離し、基板11A上に、第1金属膜2cと第2金属膜2aとからなる多層構造の微細構造体12を縞状に形成することができ、図2〜4に示した偏光板1が得られる。
【0046】
なお、本実施の形態では、微細構造体12が2層構造となっているが、これを多層構造とするためには、第2金属膜2cを形成した後、銀鏡反応により第2金属膜2c上に第3金属膜を形成し、その後、電解めっきにより第4金属膜を形成するものとしても良く、これを繰り返すことで、所望の積層構造からなる所望高さの微細構造体12を得ることができる。ここで、積層により多層構造体が耐化レジスト16の高さを超えたとしても、レジスト剥離時に不要な金属を除去できるため問題はない。
【0047】
このように銀とアルミニウムの積層からなる微細構造体の偏光素子(偏光板)は、銀単体の微細構造体からなる偏光素子に比してコントラストが高く、アルミニウム単体の微細構造体からなる偏光素子に比して透過率が高いものである。つまり、本実施形態の構成により、両者の特性を兼備した偏光素子、言い換えると透過率及びコントラストが好適な範囲の偏光素子を提供することが可能となるのである。
【0048】
また、耐化レジスト16の剥離後、第1金属膜2aと第2金属膜2cとを合金化するために、加熱処理を行っても良い。このような合金化処理により、当該微細構造体12の強度が増すこととなる。
【0049】
さらに、本実施の形態では、微細構造を有する光学素子を偏光素子(偏光板)として用いる例を示したが、その他にも回折素子やPBS(Polarized Beam Splitter)、位相差板として用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態のプロジェクタの概略構成を示す模式図。
【図2】偏光板の一実施形態を模式的に示す斜視図。
【図3】偏光板の一実施形態を模式的に示す平面図。
【図4】偏光板の一実施形態を模式的に示す断面図。
【図5】偏光板の作用を示す説明図。
【図6】光変調装置として用いた液晶装置の一実施形態を模式的に示す断面図。
【図7】偏光板の製造方法の一例を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0051】
1,831〜836…偏光板、2a…第1金属膜、2c…第2金属膜、11A…基板、12…格子(微細構造体)、13…溝パターン




 

 


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