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発明の名称 光学シートの製造方法、光学シート、バックライトユニット、表示装置、電子機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10707(P2007−10707A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−187730(P2005−187730)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 長谷井 宏宣 / 稲垣 顯 / 栗林 満
要約 課題
成形型を使用せずに焦点距離の短いマイクロレンズを形成できる光学シートの製造方法、光学シート、バックライトユニット、表示装置、電子機器を提供する。

解決手段
基材シート17の上にレンズ材料液の微小液滴19を液滴吐出装置で吐出して半球状のレンズ材料の液滴20を多数作る。基材シート17を反転し、レンズ材料の液滴20の塗布面を重力加速度方向に向けたままレンズ材料の液滴20を硬化し、マイクロレンズ21を形成する。レンズ材料の液滴20は重力により半球が凸方向に伸張した形状となり、焦点距離の短いレンズとなるので屈折効果が大きく、集光作用の大きな拡散板に応用できる。液滴吐出装置で塗布するので、型が不要で多品種の拡散板を生産性良く製造できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基材シートの表面に複数のマイクロレンズを備えた光学シートの製造方法であって、
前記基材シートの表面に前記マイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布する塗布工程と、
塗布された前記マイクロレンズの液状材料が、前記基材シートから離れる方向に重力加速度をかけることが可能な所定の向きに前記基材シートを向ける基板配置工程と、
前記マイクロレンズの材料を硬化させる硬化工程と、を備えたことを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光学シートの製造方法において、
前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、
前記硬化工程では、前記基材シートを傾けた状態で、前記マイクロレンズの液状材料を硬化させることを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項3】
基材シートの表面に複数のマイクロレンズを備えた光学シートの製造方法であって、
前記基材シートの表面に塗布する前記マイクロレンズの液状材料が前記基材シートから離れる方向に重力加速度をかけることが可能な所定の向きに配置された前記基材シートの前記表面に前記マイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布する塗布工程と、
前記マイクロレンズの材料を硬化させる硬化工程と、を備えたことを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の光学シートの製造方法において、
前記塗布工程と前記硬化工程の間に、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾ける基板配置工程を備えたことを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項5】
請求項2または4に記載の光学シートの製造方法において、
前記塗布工程では、前記基板シートの前記表面において塗布する予定の全領域に塗布し、
前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、
前記硬化工程では、一部の領域の前記マイクロレンズの材料を硬化し、
前記基板配置工程と、前記硬化工程を繰り返し、全領域の前記マイクロレンズの液状材料を領域毎に傾斜条件を設定して硬化することを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項6】
請求項2または4に記載の光学シートの製造方法において、
前記塗布工程では、塗布する予定の全領域のうち一部の領域に塗布し、
前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、
前記硬化工程では、前記マイクロレンズの液状材料を塗布した領域の前記マイクロレンズの液状材料を硬化し、
前記塗布工程と、前記基板配置工程と、前記硬化工程を繰り返し、全領域の前記マイクロレンズを形成することを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法において、前記マイクロレンズが凸レンズに形成されることを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法において、前記マイクロレンズの材料を塗布する工程では、前記マイクロレンズの材料を含む液滴を吐出して塗布することを特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法によって製造した光学シート。
【請求項10】
請求項2,4〜6のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法によって製造され、前記基材シートの表面に前記マイクロレンズの液状材料を塗布し、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾けて硬化した多焦点レンズを含む光学シート。
【請求項11】
基材シートの表面に複数の凸状のマイクロレンズを備えた光学シートであって、
前記複数のマイクロレンズは、前記マイクロレンズと前記基材シートとが接する接触面の重心と、前記マイクロレンズの重心とを通る直線の方向が、前記基材シートの法線の方向に対して傾いた多焦点レンズを含んでいることを特徴とする光学シート。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の光学シートを拡散板として具備してなることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項13】
請求項10または11に記載の光学シートを拡散板として具備したバックライトユニットにおいて、
前記光学シートは前記マイクロレンズを複数含み、そのうち少なくとも一つは多焦点レンズであり、多焦点レンズである前記マイクロレンズは、長焦点と短焦点の部位を持ち、短焦点の部位より、長焦点の部位が光源に近くなるように配置されることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項14】
請求項12または13に記載のバックライトユニットを具備してなることを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
マイクロレンズを備えた光学シートの製造方法、光学シート、バックライトユニット、表示装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの電子機器の普及により、屋外など明るい環境にて使用される機会も増えており、外光が明るい所でも見易い表示装置が望まれている。又、室内においても、TV、モニターなどの大画面化に伴い、大画面であっても明るい表示装置が望まれている。その中において、液晶表示装置は、その背面に投光装置であるバックライトを備え、そのバックライトからの光により、液晶パネルの画像を認識できるようになっている。従って、明るいバックライトユニットが望まれている。
【0003】
バックライトユニットは、蛍光灯の光線の強度分布を一様に制御するため、導光板または拡散板に印刷または成形にて、光線を乱反射させるパターンが形成されている。そのパターンで乱反射した光を拡散する機能と、光線の方向を液晶パネル側に屈折させる機能を、マイクロレンズアレイにて実現した拡散板が特許文献1で公開されている。
【0004】
その拡散板の製造方法として次の方法が紹介されている。
(a)マイクロレンズアレイの表面の反転形状を有するシート型に合成樹脂を積層し、
そのシート型を剥がすことで当該光学シートを形成する方法。
(b)マイクロレンズアレイの表面の反転形状を有する金型に溶融樹脂を注入する射出
成型法。
(c)シート化された樹脂を再加熱して前記と同様の金型と金属板との間にはさんでプレスして形状を転写する方法。
【0005】
(d)マイクロレンズアレイの表面の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに溶融状態の樹脂を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法。
(e)基材層に紫外線硬化型樹脂を塗布し、上記と同様の反転形状を有するシート型、金型又はロール型に押さえ付けて未硬化の紫外線硬化型樹脂に形状を転写し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法。
(f)上記と同様の反転形状を有する金型又はロール型に未硬化の紫外線硬化性樹脂を充填塗布し、基材層で押さえ付けて均し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法。
(g)紫外線硬化型樹脂の代わりに電子線硬化型樹脂を使用する方法。
【0006】
【特許文献1】特開2004−191611号公報(5〜8頁、図1〜図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記拡散板を製造する場合であっては、製品に合わせて金型もしくは、ロール型を製作しなければならないので、多品種の製品の製造をする場合に生産性が悪いという問題があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、成形型を使用せずに焦点距離の短いマイクロレンズを形成した光学シートの製造方法、光学シート、バックライトユニット、表示装置、電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基材シートの表面に複数のマイクロレンズを備えた光学シートの製造方法であって、前記基材シートの表面に前記マイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布する塗布工程と、塗布された前記マイクロレンズの液状材料が、前記基材シートから離れる方向に重力加速度をかけることが可能な所定の向きに前記基材シートを向ける基板配置工程と、前記マイクロレンズの材料を硬化させる硬化工程と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、基材シート上にマイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布し、その塗布した液状材料が基材シートから離れる方向に重力加速度をかけることが可能な所定の向きに塗布した面を向けた状態で、マイクロレンズを硬化するので、マイクロレンズの材料が重力により基材シートから離れる方向に引かれた形状のまま硬化され、マイクロレンズは肉厚になる。従って、表面の曲率が大きく焦点距離の短いマイクロレンズを形成することができる。マイクロレンズの材料を半球状に塗布した後、重力を利用して、レンズ厚を厚くしていることから、レンズ成形用の型を用いる必要がなく、多種類の光学シートを製造するときでも、生産性よくレンズが形成できる。
【0009】
本発明の光学シートの製造方法は、前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、前記硬化工程では、前記基材シートを傾けた状態で、前記マイクロレンズの液状材料を硬化させてもよい。
これによれば、基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾けた状態で、マイクロレンズの液状材料を硬化していることから、レンズ材料が一方に偏った状態で硬化される。レンズはレンズ材料が多く偏った部位が短焦点である多焦点レンズとなり、レンズ材料が少なく偏った部位が長焦点レンズとなる。さらに、マイクロレンズの短焦点の部位と長焦点の部位ができるので、マイクロレンズの短焦点の部位を使用すれば、少ないレンズ材料で短焦点のマイクロレンズとして使用することもできる。
【0010】
本発明は、基材シートの表面に複数のマイクロレンズを備えた光学シートの製造方法であって、前記基材シートの表面に塗布する前記マイクロレンズの液状材料が前記基材シートから離れる方向に重力加速度をかけることが可能な所定の向きに配置された前記基材シートの前記表面に前記マイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布する塗布工程と、前記マイクロレンズの材料を硬化させる硬化工程と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、基材シートの表面に塗布するマイクロレンズの液状材料が重力加速度により基材シートから離れる方の基材シートの表面にマイクロレンズの液状材料を半球状に複数塗布するので、このまま硬化することで、レンズ厚が厚いマイクロレンズを形成することができる。従って、基材シートの表面が重力加速度方向と逆方向に向けて、マイクロレンズの液状材料を基材シートの表面に塗布したときは、塗布後、基材シートを反転する工程が必要だが、この方法では、塗布面を反転する工程が不要になるので、生産性よく光学シートが生産できる。
【0011】
本発明の光学シートの製造方法は、前記塗布工程と前記硬化工程の間に、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾ける基板配置工程を備えてもよい。
これによれば、基材シートを傾けた状態で、マイクロレンズの液状材料を硬化していることから、レンズ材料が一方に偏った状態で硬化される。レンズはレンズ材料が多く偏った部位が短焦点である多焦点レンズとなり、レンズ材料が少なく偏った部位が長焦点レンズとなる。焦点距離が連続的に変化するレンズが形成されるので、多焦点レンズの光学的効果を利用することができる。さらに、マイクロレンズの短焦点の部位と長焦点の部位ができるので、マイクロレンズの短焦点の部位を使用すれば、少ないレンズ材料で短焦点のマイクロレンズとして使用することもできる。
【0012】
本発明の光学シートの製造方法は、前記塗布工程では、前記基板シートの前記表面において塗布する予定の全領域に塗布し、前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、前記硬化工程では、一部の領域の前記マイクロレンズの材料を硬化し、前記基板配置工程と、前記硬化工程を繰り返し、全領域の前記マイクロレンズの液状材料を領域毎に傾斜条件を設定して硬化してもよい。
これによれば、基材シートにマイクロレンズ材料を全面に塗布した後、塗布した面を重力加速度方向と所定の角度を設けて傾け、領域毎に傾斜角を設定してマイクロレンズの材料を硬化することから、領域毎に焦点距離特性が設定された多焦点レンズを基材シート上に多数配置した光学シートを製造することができる。従って、一枚の光学シートに複数の光学特性をもつ光学シートを製造することができる。この光学シートによれば、例えば、光源から光学シートに入射する入射角が大きい光線に対して、短焦点の部位を通過するようにマイクロレンズの配置をすることで、入射光線を屈折させ、所望の光路にすることができるので、光源から光学シートに入射する光線の強度分布を所望の出射光線の強度分布に変換する光学シートとすることができる。
【0013】
本発明の光学シートの製造方法は、前記塗布工程では、塗布する予定の全領域のうち一部の領域に塗布し、前記基板配置工程では、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾け、前記硬化工程では、前記マイクロレンズの液状材料を塗布した領域の前記マイクロレンズの液状材料を硬化し、前記塗布工程と、前記基板配置工程と、前記硬化工程を繰り返し、全領域の前記マイクロレンズを形成してもよい。
これによれば、基材シートの所定の領域にマイクロレンズ液状材料を塗布した後、塗布した面を重力加速度方向と所定の角度を設けて傾けて硬化する。領域毎にマイクロレンズの材料を塗布し、傾斜角を変えて硬化することから、領域毎に焦点距離特性が設定された多焦点レンズを基材シート上に多数配置した光学シートを形成することができる。従って、一枚の光学シート内に複数の光学特性をもつマイクロレンズを形成することができる。また、硬化工程では、基材シートの複数の部分に同じ光学特性をもつマイクロレンズを形成するとき、複数の部分にマイクロレンズ液状材料を塗布し、その塗布されたマイクロレンズ液状材料を同時に硬化して良いので、特定領域を選択的に硬化する必要がない。したがって、生産性の良い硬化工程とすることができる。
【0014】
本発明の光学シートの製造方法は、前記マイクロレンズが凸レンズに形成されてもよい。
これによれば、レンズが凸状であるので、屈折効果により、集光することができる。
【0015】
本発明の光学シートの製造方法では、前記マイクロレンズの材料を塗布する工程は、前記マイクロレンズの材料を含む液滴を吐出して塗布してもよい。
これによれば、液滴を吐出してマイクロレンズを形成することから、レンズ成形用の型が不要である。基材シート上でマイクロレンズを形成する場所、マイクロレンズの大きさを所定の範囲内で自由に設定できるので、多種生産しても生産性が下がらない。
【0016】
本発明の光学シートは、前記の光学シートの製造方法によって製造したことを要旨とする。
これによれば、この光学シートは、焦点距離の短いマイクロレンズを備えているので、集光性がよい光学シートとすることができる。さらに、マイクロレンズを成形するための型が不要なため、多種類の光学シートを製造するときでも、生産性よく製造することができる。
【0017】
本発明の光学シートは、前記基材シートの表面に前記マイクロレンズの液状材料を塗布し、前記基材シートを重力加速度方向と所定の角度をなす向きに傾けて硬化した多焦点レンズを含むことを要旨とする。
これによれば、この光学シートは、焦点距離の短い部位をもつ多焦点レンズを含んだマイクロレンズを備えているので、光学シートに大きな入射角で光線が入射するとき、所望の方向に光線を屈折させるので、集光性がよい光学シートとすることができる。さらに、マイクロレンズを成形するための型が不要なため、多種類の光学シートを製造するときでも、生産性よく製造することができる。
【0018】
本発明の光学シートは、基材シートの表面に複数の凸状のマイクロレンズを備えた光学シートであって、前記複数のマイクロレンズは、前記マイクロレンズと前記基材シートとが接する接触面の重心と、前記マイクロレンズの重心とを通る直線の方向が、前記基材シートの法線の方向に対して傾いた多焦点レンズを含んでいることを要旨とする。
これによれば、この光学シートのマイクロレンズアレイは、マイクロレンズと基材シートとが接する接触面の重心と、マイクロレンズの重心とを通る直線の方向が、基材シートの法線の方向に対して傾いた多焦点なマイクロレンズを備えている。従って、このマイクロレンズは、短焦点の部位と長焦点の部位を含んでおり、光学シートに入射する光線の入射角に応じて、屈折効果が変わり、出射角が変わる特性をもつ光学シートとすることができる。例えば、マイクロレンズに入射する光線の多くが短焦点の部位を通過するようにマイクロレンズを配置し、光線の出射方向を制御することができる。その結果、光線を屈折させ、所望の方向に変えることができる。
【0019】
本発明のバックライトユニットは、前記の光学シートを拡散板として具備していることを要旨とする。
これによれば、このバックライトユニットは、集光性のよい光学シートを備えているので、高輝度な平面光を照射できるバックライトユニットとすることができる。さらに、マイクロレンズの成形に型が不要であることから、多品種でも生産性よく製造できるバックライトユニットとすることができる。
【0020】
本発明のバックライトユニットでは、前記の光学シートを拡散板として具備しており、前記光学シートは前記マイクロレンズを複数含み、そのうち少なくとも一つは多焦点レンズであり、多焦点レンズである前記マイクロレンズは、長焦点と短焦点の部位を持ち、短焦点の部位より、長焦点の部位が光源に近くなるように配置してもよい。
これによれば、このバックライトユニット上のマイクロレンズのうち少なくとも一つは、長焦点と短焦点の部位を持ち、短焦点の部位は、光源から離れた方に配置される。従って、光源から発せられた光線は、マイクロレンズの光源から遠い方の短焦点の部位を通過する割合が多いので、マイクロレンズの屈折効果が強く得られる。その結果、集光性のよいマイクロレンズ特性を有する光学シートとなるので、この光学シートを備えたバックライトユニットは、高輝度な平面光を照射できる。
【0021】
本発明の表示装置は、前記のバックライトユニットを具備していることを要旨とする。
これによれば、この表示装置は、集光性のよい光学シートを備えたバックライトユニットを具備しているので、明るく見易い表示装置とすることができる。さらに、光学シートのマイクロレンズに型が不要なので、多種類の表示装置を生産性良く製造できる。
【0022】
本発明の電子機器は、前記の表示装置を具備していることを要旨とする。
これによれば、この電子機器は、明るく見易い表示装置を備えている。さらに、内蔵している光学シートは、マイクロレンズに型が不要なので、多種類の電子機器を生産性よく製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した表示装置の一実施形態について図1〜図5に従って説明する。
図1は、本発明の表示装置の斜視断面図であり、図2は、表示装置の正断面図であり、図3は光線の動作説明をする模式断面図である。
図1に示すように、表示装置1は、液晶パネル2と、該液晶パネル2の下側部に配置されたバックライトユニット3と、液晶パネル2とバックライトユニット3を支持するフレーム4から構成されている。
【0024】
図2に示すようにバックライトユニット3は、ABS樹脂にて成形された箱状のフレーム4の内部に形成されている。フレーム4の内部の上面には、ポリカーボネイトを微細発泡し、円弧を2つ連結した形状に成形した反射シート5が配置されている。反射シート5の上には、光源である円柱状の蛍光灯6が、その両端をフレーム4に支持され、反射シート5と所定の間隔をあけて2本平行に配置されている。蛍光灯6は図示しない電源部より電力が供給され発光するようになっている。
【0025】
蛍光灯6の上側には、その蛍光灯6と所定の間隔をあけて、四角の透明な平板状の光学シートとしての拡散板7がフレーム4に支持されて配置されている。拡散板7は、蛍光灯6側の面(図中矢印Zの逆側)に白色塗料でドットパターン8が印刷されている。ドットパターン8は、蛍光灯6に近い領域の密度が濃く、蛍光灯6に遠い領域の密度を薄くすることで、拡散板7を通過する光線の光量分布が制御されるようになっている。
【0026】
また、拡散板7の上面(図中矢印Z側)には、半球を凸方向に伸張した形状で、その凸方向が図中上側(図中矢印Z方向)を向いた微細なマイクロレンズ9が全面に形成される。マイクロレンズ9の大きさは、ドットパターン8のドットに比べて小さく、細かく形成されており、操作者が液晶パネル2から見たとき、ドットパターン8形状がぼやけて見えにくくなっている。さらに、マイクロレンズ9の屈折効果により蛍光灯6および、反射シート5からの光線の進行方向を上側(図中矢印Z側)に曲げるようになっている。
【0027】
詳述すると、図3(a)に示すようにマイクロレンズがない場合、図中左下(図中矢印X逆、Z逆側)から右上(図中矢印X、Z側)に向かう光線が、基材シート10に入射したとき、基材シート10が平板であるため、入射角と出射角は同角となり、屈折効果は得られない。
図3(b)に示すように、凸量の小さいマイクロレンズ12が形成されている拡散板11の場合は、図中左下から入射した光線は拡散板11から出射するとき、マイクロレンズ12の屈折効果により、上方向(図中矢印Z方向)に曲げられる。光線の曲げられる角度は、出射するマイクロレンズ12の上側表面の法線の角度により影響を受け、その法線の方向が横向き(図中矢印X方向)になる程、屈折効果が得られる。
従って、図3(c)に示すように、凸量が大きく、焦点距離の短いマイクロレンズ14が形成された拡散板13の場合は、図中左下から入射した光線は大きく屈折し、図中上側(図中矢印Z側)に進むことになる。
【0028】
拡散板7の上側には、所定の間隔をおいて液晶パネル2がフレーム4に支持され、配置される。液晶パネル2は、内側に透明電極のパターンが配置された2枚のガラス板の内部に液晶が封入されており、そのガラス板の一方は内側にカラーフィルタが形成されている。図示しない駆動回路により電気信号が液晶パネル2の透明電極に印加され、液晶と図示しない偏光板により部分的に光線が遮断され、画像が形成される。また、カラーフィルタが配置されているので、表示装置1はカラー画像を表示する。
【0029】
蛍光灯6から発せられた光線は、直接または、反射シート5に反射した後、拡散板7に到達する。拡散板7の下面には、白色のドットパターン8が形成されており、そのドットパターン8に到達した光線は反射シート5側に反射する。一方、拡散板7に進入した光線は、マイクロレンズ9に到達し図中上側に屈折することで、液晶パネル2を図中下側から照射する。操作者は、液晶パネル2を通過した光線を見ることで、液晶パネル2に表示された画像を認知する。
【0030】
次に、前記のような構成を有する拡散板7の製造方法の一例について図4及び図5のフローチャートに従って説明する。
表示装置1において、拡散板7以外のユニットの形成方法は、公知の方法によって、形成されるものである。拡散板7は、本実施形態においては、液滴吐出法(インクジェット法)によって形成される。まず、図4(a)に示すように、基材シート17に液滴吐出装置のヘッド18のノズルよりマイクロレンズ材料液(以下、「レンズ材料液」という)の微小液滴19を吐出して塗布する(ステップS1)。このとき、図4(b)に示すように、レンズ材料液の液滴20は半球状で隣の液滴と重ならない距離で等間隔に塗布する。尚、図では、一列のみの表示となっているが、基材シート17は平面的に広がっており、複数列に渡って塗布する。
次に基材シート17を反転して、レンズ材料液の液滴20が塗布された面(塗布面)を図中下側(重力加速度方向)に向ける(ステップS2)。その結果、図4(c)に示すように、レンズ材料液の液滴20が重力の影響を受けて、半球状の凸部を伸張した形となる。
【0031】
続いて、そのままの状態でレンズ材料液の液滴20を硬化して(ステップS3)、基材シート17の下面にマイクロレンズ21が形成される。基材シート17を反転して(ステップS4)図4(d)に示すように、拡散板7が完成する。
【0032】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、基材シート17上面にレンズ材料液の液滴20を塗布後、反転し、レンズ材料液の液滴20が重力加速度の影響を受け、半球の凸部を伸張した形となった後、乾燥して、マイクロレンズ21を形成している。従って、基材シート17の上面(重力加速度方向と逆側の面)に塗布して乾燥したときに形成されるレンズの厚みより、厚いレンズを形成することができる。従って、焦点距離の短いマイクロレンズ21を形成することができる。
(2)本実施形態によれば、基材シート17上にレンズ材料液の液滴20を半球状に吐出して塗布後、硬化して形成している。従って、マイクロレンズ21は凸レンズであり、蛍光灯6から照射された光を屈折させ、液晶パネル2へ集めることができる。その結果明るい表示装置1とすることができる。
【0033】
(3)本実施形態によれば、マイクロレンズ21は、焦点距離の短い凸レンズであることから、屈折効果が高く、さらに、明るい表示装置1とすることができる。
(4)本実施形態によれば、拡散板7の集光能力が高いことから、拡散板7の上に別途プリズムシートなど集光のための光学シートを配置する必要がないので、バックライトユニット3は薄くする事ができる。さらに、集光のためのプリズムシートを省く事で生産性を上げることができる。
(5)本実施形態によれば、マイクロレンズ21は、液滴吐出装置にて塗布し形成している。従って、マイクロレンズ21のレンズ厚み、レンズ径、レンズの間隔は、液滴吐出装置の設定で変更できる。従って、レンズ形成用の型を用いる必要がなく、多種類の拡散板7を容易に生産性よく製造することができる。さらに、短納期で製造することができる。
【0034】
(6)本実施形態によれば、マイクロレンズ21は、液滴吐出装置にて塗布し形成している。従って、マイクロレンズ21の形成範囲は自由に設定できるので、自由度の高い設計ができる。
(7)本実施形態によれば、マイクロレンズ21は、液滴吐出装置にて塗布し形成しているので、マイクロレンズ21は微細なサイズで、密に形成できる。拡散板7で光を散乱させるための印刷パターンより微細なパターンにて形成しているので、液晶パネル2から観察時、拡散板7の印刷パターンをぼかすことができる。したがって、液晶パネル2を観察し易くすることができる。
(8)本実施形態によれば、マイクロレンズ21は、液滴吐出装置にて塗布し形成しているので、マイクロレンズ21はレンズ径と隣り合うレンズとの距離のばらつきを少なく形成できる。拡散板7で散乱した光をばらつき少なく、液晶パネル2に投光しているので、液晶パネル2から観察時、背景となる光の面の輝度のばらつきを少なくすることができる。したがって、液晶パネル2を観察し易くすることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した表示装置の一実施形態について図6〜図7に従って説明する。
図6は、本発明の表示装置の斜視断面図であり、図7は、表示装置の正面断面図である。
図6に示すように、表示装置22は、液晶パネル23と、該液晶パネル23の下側部に配置されたサイドライト方式のバックライトユニット24と、液晶パネル23とバックライトユニット24を支持するフレーム25から構成されている。
【0036】
図7に示すようにバックライトユニット24は、ABS樹脂にて箱状に成形されたフレーム25の内部に形成される。フレーム25の底の上面には、ポリカーボネイトを微細発泡して成形した反射シート26が配置される。反射シート26の上方には、下面(図中Z矢印逆側)に白色塗料でドットパターン27が印刷された透明なアクリル板からなる導光板28が配置される。導光板28の側面(図中X矢印逆側)には、光源である円柱状の蛍光灯29が、導光板28と所定の間隔をあけて配置される。蛍光灯29に隙間をあけて取り囲むように、片面にアルミニウムを蒸着して形成されたシート状の反射鏡30が配置されている。反射鏡30の両端は、導光板28に接続され、蛍光灯29が発光した光線は、直接もしくは反射鏡30を反射した後、導光板28の内部へ進入するようになっている。
【0037】
導光板28の上には、透明なポリカーボネイトの基材シート17の上面に、凸状のマイクロレンズが第1の実施形態と同じ製造方法で形成された拡散板31が配置され、導光板28を通過した光は屈折し、上側(図中Z矢印側)に向かうようになっている。
つまり、蛍光灯29にて発光した光は、直接または、反射鏡30で反射して導光板28に入り、導光板28の表面で反射し右側(図中X矢印側)へ移動する。導光板28の下面に印刷されたパターンを照射した光は乱反射し、導光板28の上面(図中Z矢印側)に到達し、入射角が臨界角以下の光は、導光板28を通過し、拡散板31に到る。拡散板31の上面は、透明な合成樹脂の凸状マイクロレンズが形成されており屈折作用により、上側方向(図中Z矢印方向)に光線が曲げられる。尚、蛍光灯29、導光板28、拡散板31は、Y方向に幅を有しており、拡散板31を通過した光は、平面光となっている。
【0038】
拡散板31の上側には、液晶パネル23が配置される。液晶パネル23は、マトリックス表示の液晶表示体であり、フレーム25内にその駆動回路が格納されている。駆動回路は、コントロール装置(図示しない)と配線にて接続され、コントロール装置の信号により液晶表示体を駆動する。バックライトユニット24により照射される平面光は、液晶パネル23の画素毎に透過光量が制御されるので、観察者は液晶パネル23の画像を認識できるようになっている。
【0039】
上記したように、第2の実施形態によれば、前記第1の実施形態の作用及び効果に加えて以下の効果を有する。
(1)第2の実施形態によれば、拡散板31は、サイドライト方式のバックライトユニット24においても、導光板28の印刷ドットパターンを拡散することで、液晶パネル23を見やすくしている。さらに、拡散板31は、光線の進行方向を液晶パネル23に屈折させるので、高輝度な表示装置22とすることができる。
(2)サイドライト方式にして、蛍光灯29を導光板28の端側に配置し、導光板28のドットパターン27で光線を均一に分布させるので、表示装置22を薄くすることができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した表示装置の一実施形態について図8〜図11に従って説明する。
図8は、本発明の表示装置の正断面図であり、図9は、マイクロレンズの動作説明する模式断面図である。
図8に示すように、表示装置32は、拡散板33以外が、第1の実施形態と同じ構成となっている。拡散板33は、マイクロレンズ9の形成されている面が6個の領域R1〜R6に分割され、各領域において同一の領域内のマイクロレンズ9の形状は同形となっている。蛍光灯6の真上に位置する領域R1,R2のマイクロレンズ9は、単焦点レンズの形状に形成されている。
【0041】
領域R1,R2の図中右側(図中X矢印側)は、別の領域R3,R4に区切られている。領域R3,R4のマイクロレンズ9は、蛍光灯6の配列方向に非対称に形成され、図中右側(図中X矢印側)の焦点距離が、図中左側より短い多焦点レンズとなっている。
蛍光灯6から発した光線は、直接または反射シート5を反射した後、拡散板33に入射する。図9に示すように、図中左下から右上に進行する光線は、マイクロレンズ9の図中右側の焦点距離が短く形成された部位を通過するので、高い屈折効果が得られる。よって、液晶パネル2方向(図中Z矢印側)へ光線が曲げられ、高輝度な表示装置32となる。逆に、図中右下から左上に進行する光線は、マイクロレンズ9の図中左側で焦点距離が長く形成された部位を通過するので、屈折効果が得られない。
この領域R3,R4は、図8に示すように、近い方の蛍光灯6の図中右上に位置するので、拡散板33に入射する光線の多くは図中左下から右上に進行するように分布している。従って、拡散板33に入射した光線の多くは、マイクロレンズ9の焦点距離の短い部位を通過するので、屈折して液晶パネル2の方向へ進行する。
【0042】
同様に、領域R1,R2の図中左側(図中X矢印逆側)は、別の領域R5,R6に区切られている。領域R5,R6のマイクロレンズ9は、図中左側(図中X矢印逆側)の部位の焦点距離が、図中右側より短い多焦点レンズとなっている。また、この領域R5,R6は、図8に示すように、近い方の蛍光灯6の図中左上に位置するので、拡散板33に入射する光線の多くは図中右下から左上に進行するように分布している。従って、拡散板33に入射した光線の多くは、マイクロレンズ9の焦点距離の短い部位を通過するので、屈折して液晶パネル2の方向へ進行する。
【0043】
次に、前記のような構成を有する拡散板33の製造方法の一例について図10〜図11に従って説明する。図10は、拡散板33の形成方法の説明図であり、図11は形成方法を示すフローチャートである。
まず、上面にドットパターンが印刷され、下面に撥液処理された基材シート17を液滴吐出装置にセットし、図10(a)に示すように、基材シート17において塗布予定の全領域に図中下側から液滴吐出装置のヘッド34のノズルよりレンズ材料液の微小液滴19を吐出して塗布する(ステップS11)。レンズ材料液は、紫外線硬化性樹脂を使用し、基材シート17に塗布する予定の全ての領域に塗布する。
【0044】
その結果、図10(b)に示すように、レンズ材料液の液滴20が重ならない距離で等間隔に塗布される。尚、図では、一列のみの表示となっているが、基材シート17は平面的に広がっており、複数列に渡って塗布する。
【0045】
次に基材シート17を重力加速度方向に向ける(ステップS12)。その状態で領域R1,R2に紫外線を照射して、レンズ材料液の液滴20を硬化する(ステップS13)。詳細には、紫外線ランプと基材シート17の間にマスクを配置し、紫外線ランプから発光した紫外線が特定の領域にのみ照射して、一部の領域のレンズ材料液の液滴20を硬化させ、マイクロレンズ21を形成する。
【0046】
全ての領域のレンズ材料液の液滴20を硬化したか確認し、他に有るとき(ステップS14でNO)、次に領域R3,R4の硬化工程にかかる。図10(c)に示すように、基材シート17を重力加速度方向に対して所定の角度に傾斜させる(ステップS12)。その状態で、領域R3,R4のレンズ材料液の液滴20を硬化しマイクロレンズ21を形成する(ステップS13)。全ての領域のレンズ材料液の液滴20を硬化したか確認し、他に有るとき(ステップS14でNO)、次に領域R5,R6の硬化工程にかかる。
【0047】
図10(d)に示すように、領域R5,R6についても同様に傾斜(ステップS12)と硬化(ステップS13)を行ない、基材シート17の下面にマイクロレンズ21を形成する。全ての領域のレンズ材料液の液滴20を硬化したか確認し、他に無いので(ステップS14でYES)、基材シート17を反転し(ステップS15)、図10(e)に示す拡散板33が完成する。
【0048】
領域R1,R2では、基材シート17を重力方向に向けてレンズ材料液の液滴20を硬化したので、単焦点レンズとなる。領域R3,R4,R5,R6では、基材シート17を傾斜した状態で、レンズ材料液の液滴20を硬化したので、マイクロレンズ21の一方にレンズ材料液の液滴20が片寄った形状となり、多焦点レンズとして機能する。
【0049】
上記したように、第3の実施形態によれば、前記第1及び第2の実施形態の作用及び効果に加えて以下の効果を有する。
(1)拡散板33に入射する光線の方向の分布にあわせて、拡散板33上を複数の領域に分け、単焦点のマイクロレンズ9と、多焦点のマイクロレンズ9を配置した。拡散板33に入る光線の入射角が大きい光線が多く分布する領域R3,R4,R5,R6には、多焦点なマイクロレンズ9の焦点距離の短い側を通過するように、マイクロレンズ9を配置することにより、光線が屈折する角度が大きくなる。従って、液晶パネル2方向に光線が集まり、高輝度な表示装置32とすることができる。
(2)領域R3,R4,R5,R6の拡散板33の製造方法では、液滴吐出装置を用いて、レンズ材料液の液滴20を塗布した後、基材シート17を傾斜した状態で、レンズ材料液の液滴20を硬化したので、マイクロレンズ21の一方にレンズの液状材料が片寄った形状となる。従って、短焦点距離の部位と長焦点距離の部位を含んだレンズとなる。
【0050】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した表示装置の一実施形態について図12に従って説明する。図12は、本発明の表示装置の正断面図である。
図12に示すように、表示装置35は、サイドライト方式のバックライトユニット24を配置し、拡散板36以外が第2の実施形態と同じ構成となっている。拡散板36は、マイクロレンズ9の形成されている面を3つの領域R11〜R13に分割され、各領域内のマイクロレンズ9の形状は同形となっている。
【0051】
蛍光灯29に近い場所に位置する領域R11のマイクロレンズ9は、単焦点レンズの形状に形成されている。蛍光灯29を発した光線は、導光板28に入射し、その導光板28に印刷されたドットパターン27で乱反射し、拡散板36のマイクロレンズ9に到達する。領域R11は、蛍光灯29に近いので、領域R11に到達する光線は蛍光灯29に近い側の導光板28のドットパターン27にて乱反射した光が占める割合が高い。蛍光灯29に近い側の導光板28のドットパターン27から拡散板36の領域R11に到る光線の入射角は鋭角であり、その場所における拡散光は、図中上方向(図中矢印Z方向)に分布した光となる。領域R11には、単焦点のマイクロレンズ9が配置されているので、図中上方向に対して若干左右(導光板28における光伝播方向)(図中矢印X方向、逆X方向)に角度を持って進行している光線は屈折し、さらに図中上方向に進行するようになる。
【0052】
拡散板36の中央部に位置する領域R12のマイクロレンズ9は図中右側が短焦点の多焦点レンズに形成されている。領域R12に到達する光線は、蛍光灯29から離れた位置のドットパターン27で乱反射した光線である。蛍光灯29から直接ドットパターン27に到達した光線と、導光板28内を反射してドットパターン27に到達した光線の、ドットパターン27への入射角は鈍角になるので、ドットパターン27で乱反射する光線の分布は、図中左下から右上に進行し反射角が鈍角な光線が占める割合が高い。拡散板36へ入射する光線は、入射角が鈍角な光線が占める割合が高い分布となり、マイクロレンズ9を通過するときは、図中右側の部位を通過することとなる。
この領域R12において、マイクロレンズ9は、図中右側の部位が短焦点である多焦点レンズに形成されていることから、このマイクロレンズ9の図中右側の部位を通過した光線は、屈折効果が強く働き、図中上方向に進行するようになる。
【0053】
拡散板36の図中右端に位置する領域R13のマイクロレンズ9は、単焦点レンズの形状に形成されている。領域R13に到達する光線は、図中左側から導光板28にて反射を繰り返して、ドットパターン27で乱反射して到達した光線と、導光板28の右端面、もしくはその右端面に隣接するフレーム25で反射してドットパターン27に到達し、乱反射した光線である。したがって、領域R13のマイクロレンズ9は、図中左下側からの入射光と図中右下側からの入射光が入射する。この領域R13では、単焦点のマイクロレンズ9が配置されているので、図中左下側および図中右下側からの光線は共に、屈折効果により図中上方向に進行するようになる。
【0054】
次に、前記のような構成を有する拡散板36の製造方法の一例について、図13〜図14に従って説明する。図13は拡散板36の製造方法の説明図であり、図14は形成方法を示すフローチャートである。まず、上面にドットパターンが印刷され、下面に撥液処理された基材シート17を液滴吐出装置にセットする。図13(a)に示すように、基材シート17の領域R11,R13に図中下側から液滴吐出装置のヘッド34よりレンズ材料液の微小液滴19を吐出して塗布する(ステップS21)。レンズ材料液は、紫外線硬化性樹脂を使用する。
【0055】
その結果、図13(b)に示すように、レンズ材料液の液滴20が重ならない距離で等間隔に塗布される。次に基材シート17を重力加速度方向に向ける(ステップS22)。その状態で領域R11,R13に紫外線を照射して、レンズ材料液の液滴20を硬化する(ステップS23)。
【0056】
全ての領域のレンズ材料液の液滴20を硬化したか確認し、他に有るので(ステップS24でNO)、次に領域R12の塗布工程にかかる。図13(a)に示すように、基材シート17の領域R12に図中下側から液滴吐出装置のヘッド34よりレンズ材料液の微小液滴19を吐出して塗布する(ステップS21)。次に図13(c)に示すように、基材シート17を重力方向に対して所定の角度に傾斜させる(ステップS22)。その状態で領域R12に紫外線を照射して、レンズ材料液の液滴20を硬化する(ステップS23)。
全ての領域のレンズ材料液の液滴20を硬化したか確認し、他に無いので(ステップS24でYES)、基材シート17を反転し(ステップS25)、図13(d)に示す拡散板36が完成する。
【0057】
上記したように、第4の実施形態によれば、前記実施形態の作用及び効果に加えて以下の効果を有する。
(1)サイドライト方式のバックライトユニット24を備えた表示装置35において、拡散板36に入射する光線の方向の分布にあわせて、拡散板36上を3つの領域に分け、単焦点のマイクロレンズ9と、多焦点のマイクロレンズ9を配置した。拡散板36に入る光線の入射角が大きい光線が多く分布する領域R12には、多焦点なマイクロレンズ9の短焦点距離の部位を光線が通過するように、マイクロレンズ9を配置したことにより、光線が屈折する角度が大きくなった。その結果、液晶パネル2方向に光線が集まり、高輝度な表示装置35とすることができる。
【0058】
(2)サイドライト方式のバックライトユニット24を備えた表示装置35において、蛍光灯29に近い領域R11のマイクロレンズ9と、蛍光灯29と離れている側の拡散板36の端面に近い領域R13のマイクロレンズ9は、単焦点レンズにした。従って、図中左側からの入射光線、図中右側からの入射光線共に、図中上方向に屈折させ、進行するので、液晶パネル23の両端部でも明るい表示装置35とすることができる。
次に前記実施形態により製造された表示装置のいずれかを備えた電子機器について説明する。
【0059】
図15は、携帯電話などの電子機器37の一例を示した斜視図である。電子機器37の本体は情報を表示する表示装置38を備え、この表示装置38に、前記第1〜4の実施形態により製造された表示装置のいずれかが配置されている。電子機器37に配置されている表示装置38は、前記第1〜4の実施形態により製造されている。従って、表示部が明るく、生産性の高い電子機器となる。
【0060】
尚、発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
・前記第2及び第4の実施形態では、拡散板31,36の下側の面(マイクロレンズ形成面と反対側の面)(図2中Z矢印逆方向)は、平坦のままであったが、凹凸を付けても良い。導光板28とのスティッキングが防止される。
・前記実施形態では、拡散板7,31,33,36の基材シート17にポリカーボネイトを使用したが、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等の合成樹脂であってもよい。透明で光透過率の高いシートが望ましい。
・前記実施形態では、マイクロレンズは合成樹脂で形成されたが、これに加えて、フィラー、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤等が配合されてもよい。安定した液滴の吐出ができる。さらに、品質劣化が防止できる。
【0061】
・前記実施形態では、マイクロレンズは合成樹脂で形成されたが、これに加えて、光拡散剤としてシリカ系材料の微粒子が配合されてもよい。光の拡散効果を高めることができる。
・前記実施形態では、反射シート5,26はポリカーボネイトを微細発泡して成形したプラスチックシートを使用したが、特に限定されるものではない。白色の染料、顔料を添加したプラスチックシートでもよい。例えば、白色塗料材として酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム。樹脂材料としてポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂。銀箔、アルミ箔等反射率のよい材質を使用してもよい。
【0062】
・前記実施形態では、光源に蛍光灯6,29を使用したが、白色灯、LED、冷陰極管を使用してもよい。
・前記第1及び第3の実施形態では蛍光灯6を2本使用したが、表示装置1,32の大きさ、明るさに応じて蛍光灯6の本数は適宜設定してもよい。
・前記第2及び第4の実施形態では、蛍光灯29を導光板28の1つの側面に配置したが、必要とされる明るさに応じて、導光板28の4つの側面のうち複数の側面に適宜、蛍光灯29を設置してもよい。
・前記第2及び第4の実施形態では、蛍光灯29を導光板28の1つの側面に1本配置したが、導光板28の大きさと蛍光灯29の長さと必要とされる明るさに応じて、導光板28の一側面当たりに複数の蛍光灯29を設置してもよい。
【0063】
・前記第2及び第4の実施形態では、導光板28下面に白色の塗料にてパターンを形成したが、凹凸を付けて乱反射させてもよい。
・前記第2及び第4の実施形態では、導光板28の材質にアクリル樹脂を使用したが、特に限定されるものではなく、透明な材質であればよい。たとえば、ポリカーボネイト、メタクリル樹脂、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリエーテルスルホンなどでもよい。
・前記実施形態では、マイクロレンズの材料の塗布にインクジェット法で行なったがこれに限定されない。スクリーン印刷、オフセット印刷、ディスペンサによる塗布、マスキングして吹き付け塗装でも良い。
【0064】
・前記実施形態では、マイクロレンズの材料を硬化するのに、乾燥および、紫外線を照射して硬化したが、これに限らない。マイクロレンズの材料に紫外線以外の放射線硬化性樹脂を使用して、紫外線以外の放射線を照射して硬化してもよい。ここで放射線とは、可視光線、遠紫外線、X線、電子線の総称である。
・前記実施形態では、隣接するマイクロレンズが接触しないように形成したが、これにかぎらない。隣接するマイクロレンズとつながっても、拡散作用、集光作用が得られれば良い。
【0065】
・前記発明の光学シートは、前記した用途以外にも種々の光学装置に適用可能であり、例えば、固体撮像装置の受光面、プロジェクタのスクリーン、レーザプリンタの光学ヘッドなどに設けられる光学部品としても使用可能である。
・前記第3の実施形態形態のバックライトユニット3の拡散板33では、単焦点のマイクロレンズと傾きの異なる2種類の多焦点レンズで3種類のマイクロレンズを、3種類の領域に配置して構成した。これに限らず、蛍光灯6の配列方向にレンズの傾きが連続的に変化するようにマイクロレンズ9を形成してもよい。その形成方法の一例として、まず、紫外線硬化性樹脂などからなるレンズ材料の液滴20を基材シート17の塗布予定領域の全域に塗布し、塗布面を重力加速度方向に向ける。次に、基材シート17の傾斜角を変更しながら、レンズ材料の液滴20を硬化させるために照射した紫外線のライン状のスポットを徐々に移動させることにより、マイクロレンズ9の傾きが連続的に変化するように成形してもよい。又、前記第4の実施形態形態のサイドライト型のバックライトユニット24でも同様に、導光板28の光が伝播する方向にレンズの傾きが連続的に変化するようにマイクロレンズ9を形成してもよい。
これによれば、拡散板33,36の各地点において拡散板33,36に入射する光線の入射角と強度の分布に応じてマイクロレンズ9の傾斜角度が設定がされるので、さらに屈折効果が得られる拡散板33,36とすることができる。
【0066】
・前記第3の実施形態形態のバックライトユニット3の拡散板33では、基材シート17のマイクロレンズ9を形成する面を重力加速度方向に向け、マイクロレンズ9を形成する予定の領域全てに紫外線硬化性樹脂などからなるレンズ材料の液滴20を塗布した。これに限らず、基材シート17においてマイクロレンズ9を形成する面を重力加速度方向と逆の方向に向け、マイクロレンズ9を形成する予定の領域全てに紫外線硬化性樹脂のレンズ材料の液滴20を塗布してもよい。つぎに、基材シート17を反転して、順次塗布面を重力加速度と所定の角度を設けた状態で、一部の領域に紫外線を照射して硬化してもよい。
これによれば、重力加速度方向に液滴を吐出する一般的な液滴吐出装置を活用できるので、生産設備を容易に準備することができる。
【0067】
・前記第4の実施形態のバックライトユニット24の拡散板36では、マイクロレンズ9を形成する面を重力加速度方向に向け、一部の領域にレンズ材料の液滴20を塗布し、硬化させた。これに限らず、基材シート17においてマイクロレンズ9を形成する面を重力加速度方向と逆の方向に向け、マイクロレンズ9を形成する予定の領域の一部にレンズ材料の液滴20を塗布し、その塗布面を反転後硬化してもよい。
製造方法の一例として、基材シート17を重力加速度方向と逆方向に向け、一部の領域に紫外線硬化性樹脂などからなるレンズ材料の液滴20を塗布する。その基材シート17を反転し塗布面を重力加速度方向に向けた状態で紫外線を照射して硬化させ、反転する。つぎに、他の領域において同様にレンズ材料の液滴20を塗布し反転して塗布面を重力加速度方向に向けて、紫外線を照射して硬化させてもよい。
これによれば、重力加速度方向に液滴を吐出する一般的な液滴吐出装置を活用できるので、生産設備を容易に準備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1の実施形態の表示装置の斜視図。
【図2】第1の実施形態の表示装置の断面図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、第1の実施形態のマイクロレンズ内の光線の動作を説明するための図。
【図4】(a)〜(d)は、それぞれ、第1の実施形態の光学シートの製造方法を説明するための図。
【図5】第1の実施形態の光学シートの製造工程を示すフローチャート。
【図6】第2の実施形態の表示装置の斜視図。
【図7】第2の実施形態の表示装置の断面図。
【図8】第3の実施形態の表示装置の断面図。
【図9】第3の実施形態のマイクロレンズ内の光線の動作を説明するための図。
【図10】(a)〜(e)は、それぞれ、第3の実施形態の光学シートの製造方法を説明するための図。
【図11】第3の実施形態の光学シートの製造工程を示すフローチャート。
【図12】第4の実施形態の表示装置の断面図。
【図13】(a)〜(d)は、それぞれ、第4の実施形態の光学シートの製造方法を説明するための図。
【図14】第4の実施形態の光学シートの製造工程を示すフローチャート。
【図15】電子機器の斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1,22,32,35…表示装置、3,24…バックライトユニット、9,21…マイクロレンズ、7,31,33,36…光学シートとしての拡散板、17…基材シート、19…液滴としての微小液滴、37…電子機器。





 

 


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