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発明の名称 気象測定装置、気象測定方法、及びプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10460(P2007−10460A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191132(P2005−191132)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 佐藤 達也
要約 課題
雲の有無を局所的に測定することができる気象測定装置を提供する。

解決手段
この気象測定装置は、4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信するGPS信号受信部10と、受信した4種類以上のGPS信号を演算処理することにより、GPS信号受信部10の位置を示す位置情報を算出する位置情報算出部12と、位置情報、第1のGPS信号に含まれる発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する基準時間算出部13と、第1のGPS信号を受信した時刻と発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する遅延時間算出部14と、基準遅延時間と実遅延時間の差を用いて、第1のGPS信号を発信したGPS衛星とGPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する水蒸気量算出部15とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信するGPS信号受信部と、
前記GPS信号受信部が受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号受信部の位置を示す位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する基準時間算出部と、
前記第1のGPS信号を受信した時刻と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する水蒸気量算出部と、
を具備する気象測定装置。
【請求項2】
前記気象測定装置は移動端末である請求項1に記載の気象測定装置。
【請求項3】
前記気象測定装置は、前記4種類以上のGPS信号それぞれを用いて、前記4個以上のGPS衛星それぞれと前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する請求項1又は2に記載の気象測定装置。
【請求項4】
算出した前記水蒸気量を、前記GPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時刻、前記位置情報、及び前記GPS信号を発信した前記GPS衛星の方向それぞれに対応付けて記録する履歴記録部を更に具備する請求項3に記載の気象測定装置。
【請求項5】
前記履歴記録部は、前記水蒸気量が基準値以上である場合に、前記水蒸気量を前記時刻、前記位置情報及び前記方向に対応付けて記録する請求項4に記載の気象測定装置。
【請求項6】
前記履歴記録部に格納されているデータを用いて、雲が存在すると推定される地点を算出し、該算出した地点を表示装置に表示させる表示制御部を更に具備する請求項4又は5に記載の気象測定装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、基準値以上の前記水蒸気量に対応付けられている前記位置情報が示す位置から、該位置情報に対応する前記方向に延伸する直線を引き、該直線が基準高さを通過する地点に、雲が存在すると推定する請求項6に記載の気象測定装置。
【請求項8】
GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信するGPS信号受信部と、
前記GPS信号受信部の位置を示す位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する基準時間算出部と、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する水蒸気量算出部と、
を具備する気象測定装置。
【請求項9】
4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信し、受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号を受信した位置を示す位置情報を算出し、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出し、
実際に前記第1のGPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出し、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する、気象測定方法。
【請求項10】
GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信し、
前記GPS信号を受信する位置を示す位置情報を保持しておき、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出し、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出し、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する、気象測定方法。
【請求項11】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、
4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信する機能と、
受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号を受信した位置を示す位置情報を算出する機能と、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する機能と、
実際に前記第1のGPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する機能と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項12】
コンピュータで実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、
GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信する機能と、
前記GPS信号を受信する位置を示す位置情報を保持する機能と、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する機能と、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する機能と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する機能と、
を実現させるプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象測定装置、気象測定方法、及びプログラムに関する。特に本発明は、周囲の雲の有無を局所的に測定することができる気象測定装置、気象測定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の気象予報は、気象衛星による情報等を解析することにより、ある程度広範囲な地域ごと(例えば県単位又は市町村単位)に、ある程度長い時間単位(例えば3時間単位)の予報として提供されている。すなわち、従来の気象予報は、地域及び時間それぞれである程度平均化した気象を予報していることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば山間部では、わずかな距離を離れるだけで気象が全く異なる場合が多い。このため、自分の周囲の局所的な気象情報(例えば雲の有無)を得ることが重要な場合がある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、周囲の雲の有無を局所的に測定することができる気象測定装置、気象測定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明に係る気象測定装置は、4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信するGPS信号受信部と、
前記GPS信号受信部が受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号受信部の位置を示す位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する基準時間算出部と、
前記第1のGPS信号を受信した時刻と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する水蒸気量算出部と、
を具備する。
【0005】
電波の伝播速度は、伝播する空間に存在する水蒸気の量によって変化する。このため、本気象測定装置のように、前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いることにより、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出することができる。この水蒸気量は、主に雲の有無によって変化する。このため、本気象測定装置によれば、周囲の雲の有無を局所的に測定することができる。
【0006】
前記気象測定装置は移動端末である場合、特に効果を発揮する。前記気象測定装置は、前記4種類以上のGPS信号それぞれを用いて、前記4個以上のGPS衛星それぞれと前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出するのが好ましい。
【0007】
算出した前記水蒸気量を、前記GPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時刻、前記位置情報、及び前記GPS信号を発信した前記GPS衛星の方向それぞれに対応付けて記録する履歴記録部を更に具備してもよい。この場合、前記履歴記録部は、前記水蒸気量が基準値以上である場合に、前記水蒸気量を前記時刻、前記位置情報及び前記方向に対応付けて記録してもよい。このようにするのは、前記水蒸気量が基準値以上である場合、雨雲が存在する可能性が高いためである。
【0008】
前記履歴記録部に格納されているデータから、雲が存在すると推定される地点を算出し、該算出した地点を表示装置に表示させる表示制御部を更に具備してもよい。この場合、前記表示制御部は、例えば、基準値以上の前記水蒸気量に対応付けられている前記位置情報が示す位置から、該位置情報に対応する前記方向に延伸する直線を引き、該直線が基準高さを通過する地点に、雲が存在すると推定する。
【0009】
本発明に係る他の気象測定装置は、GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信するGPS信号受信部と、
前記GPS信号受信部の位置を示す位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する基準時間算出部と、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号受信部の間に存在する水蒸気量を算出する水蒸気量算出部とを具備する。
【0010】
本発明に係る気象測定方法は、4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信し、受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号を受信した位置を示す位置情報を算出し、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出し、
実際に前記第1のGPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出し、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する。
【0011】
本発明に係る他の気象測定方法は、GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信し、
前記GPS信号を受信する位置を示す位置情報を保持しておき、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出し、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出し、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する。
【0012】
本発明に係るプログラムは、コンピュータで実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、
4個以上のGPS衛星それぞれから、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信する機能と、
受信した4種類以上の前記GPS信号を演算処理することにより、前記GPS信号を受信した位置を示す位置情報を算出する機能と、
前記位置情報、第1の前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記第1のGPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する機能と、
実際に前記第1のGPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する機能と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記第1のGPS信号を発信したGPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する機能と、
を実現させる。
【0013】
本発明に係る他のプログラムは、コンピュータで実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、
GPS衛星から、発信時刻情報及び発信地点情報を含むGPS信号を受信する機能と、
前記GPS信号を受信する位置を示す位置情報を保持する機能と、
前記位置情報、前記GPS信号に含まれる前記発信地点情報、及び電波の基準伝搬速度を用いることにより、前記GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準遅延時間を算出する機能と、
実際にGPS信号受信部が前記GPS信号を受信した時間と、前記発信時刻情報との差である実遅延時間を算出する機能と、
前記基準遅延時間と前記実遅延時間の差を用いて、前記GPS衛星と前記GPS信号を受信した位置の間に存在する水蒸気量を算出する機能と、
を実現させる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る気象測定装置1の概略を説明する為の概念図である。気象測定装置1は携帯型の装置(携帯通信端末、及び車載型の装置を含む)であり、4個以上のGPS衛星50それぞれからGPS信号を受信する。それぞれのGPS信号には、GPS衛星50がGPS信号を発信した時刻を示す発信時刻情報、及びGPS衛星50がGPS信号を発信した地点を示す発信地点情報が含まれている。
【0015】
気象測定装置1は、受信した4種類以上のGPS信号を解析し、気象測定装置1の現在位置を示す位置情報(例えば緯度経度情報)を算出する。また、気象測定装置1は、GPS信号が発信されてから受信されるまでの時間である実遅延時間を算出する。この実遅延時間は、GPS衛星50と気象測定装置1の間の空間に含まれる水蒸気量(例えば雲)によって変化する。
【0016】
このため、気象測定装置1は、実遅延時間を測定することにより、気象測定装置1の周囲に位置する雲を局所的に測定することができる。また、気象測定装置1は、測定した雲の位置の変化を表示するため、気象測定装置1の所持者に、雲の移動方向を認識させることができる。
【0017】
図2は、気象測定装置1の構成を説明する為のブロック図である。気象測定装置1は、GPS信号受信部10、時計11、位置情報算出部12、基準時間算出部13、遅延時間算出部14、水蒸気量算出部15、履歴格納部20、表示制御部30、及び表示装置40を有する。以下、気象測定装置1の動作を説明する。
【0018】
まず、GPS信号受信部10は、4個以上のGPS衛星50それぞれからGPS信号を受信し、GPS信号を受信した時刻を示す受信時刻情報に対応付ける。GPS信号受信部10は、受信時刻情報を時計11から取得する。
【0019】
GPS信号受信部10がGPS信号を受信すると、位置情報算出部12は、実遅延時間を、GPS信号に含まれる発信時刻情報と受信時刻情報との差分として算出する。そして、GPS衛星50から気象測定装置1までの距離を、実遅延時間と電波の基準伝搬速度の積として算出する。位置情報算出部12は、この距離の算出を、4つ以上のGPS衛星50それぞれに対して行う。そして、算出した4つ以上の距離と、GPS衛星50それぞれの発信地点情報と合わせることにより、気象測定装置1の現在位置を算出する。
【0020】
上記した現在位置の算出は、原理的には3つのGPS衛星50からのGPS信号を用いることにより行える。しかし、電波の伝搬速度は、GPS衛星50と気象測定装置1の間の空間に含まれる水蒸気によって遅くなるため、位置情報算出部12が算出した距離には、この遅延に起因した誤差が生じる。位置情報算出部12は、この誤差を消すために、さらに別のGPS衛星50からのGPS信号を用いている。
【0021】
その後、基準時間算出部13は、位置情報算出部12が算出した気象測定装置1の位置情報と、GPS信号に含まれる発信地点情報とから、GPS衛星50から気象測定装置1までの実際の距離を算出する。次いで、この距離を電波の基準伝搬速度で除することにより、GPS信号が発信されてから受信されるまでの基準的な時間である基準遅延時間を算出する。基準時間算出部13は、基準遅延時間の算出を、4種類以上のGPS信号それぞれに対して行う。
一方、遅延時間算出部14は、4種類以上のGPS信号それぞれに対して実遅延時間を算出する。
【0022】
その後、水蒸気量算出部15は、実遅延時間と基準遅延時間との差分を算出し、この差分を用いて、GPS衛星50と気象測定装置1の間の空間に含まれる水蒸気量を算出する。水蒸気量算出部15は、水蒸気量の算出を、4種類以上のGPS信号それぞれに対して行い、4個以上のGPS衛星50それぞれと気象測定装置1の間の空間に存在する水蒸気量を算出する。
【0023】
図3は、水蒸気量算出部15が水蒸気量を算出する方法を概念的に説明する為のグラフである。電波の伝搬速度は、空間に含まれる水蒸気量が増えるにつれて遅くなる。このため、水蒸気量算出部15は、実遅延時間と基準遅延時間との差分を、予め所持している所定の関数に導入することにより、GPS衛星50と気象測定装置1の間の空間に含まれる水蒸気量を算出することができる。ここで用いられる所定の関数は、例えば、予め実遅延時間と基準遅延時間との差分と、水蒸気量との相関を実測し、この実測結果を関数で近似することにより得られる。
【0024】
なお、水蒸気量算出部15は、実遅延時間を基準遅延時間で除した値(すなわち遅延率)を別の関数に導入することにより、上記した水蒸気量を算出してもよい。この場合に用いられる関数も、予め遅延率と水蒸気量との相関を実測し、この実測結果を関数で近似することにより得られる。
【0025】
その後、図2に示すように、履歴格納部20は、水蒸気量算出部15の算出結果を記憶する。
図4は、履歴格納部20が記憶するデータの構成をテーブル形式で示す図である。本図に示す例において、履歴格納部20は、水蒸気量算出部15が算出した水蒸気量が一定値以上である場合に、気象測定装置1の位置を基準にしたGPS衛星50の方向を、気象測定装置1の位置情報及び受信時刻情報とともに格納する。算出された水蒸気量が一定以上の場合、GPS衛星50と気象測定装置1の間の空間には雨雲が存在する可能性が高いためである。
なお、履歴格納部20は、算出した全ての水蒸気量を、GPS衛星50の方向、気象測定装置1の位置情報、及び受信時刻情報に対応付けて格納してもよい。
【0026】
その後、図2に示すように、表示制御部30は、履歴格納部20に格納されているデータ(受信時刻情報、位置情報、及びGPS衛星の方向の組み合わせ)を読み出す。次いで、気象測定装置1の最新の位置情報を表示装置40に表示させるとともに、雨雲が存在する地点を推定し、この推定した地点を、過去の推定地点と合わせて受信時刻が分かるように表示する。
【0027】
雨雲が存在すると想定される地点は、例えば以下のようにして算出される。まず、読み出した位置情報が示す位置から、この位置情報に対応付けられている方向に延伸する直線を引く。次いで、この直線が、所定の高さ(例えば3000m)を通過する地点を算出し、算出した地点を、雨雲が存在すると想定される地点とする。
【0028】
なお、表示制御部30は、雨雲が存在すると想定される地点を示す情報を、受信時刻情報に対応付けて履歴格納部20に格納してもよい。このようにすると、表示制御部30は、過去の推定地点を表示装置に表示させるときに、上記した演算処理を行わなくて済む。
【0029】
図5は、表示装置40の表示例を示す図である。本図において、気象測定装置1の最新の位置情報は、符号41で示されている。また、雨雲が存在する地点は、符号42で示されている。なお、雨雲が存在する最新の地点は実線で示されており、それ以前の地点は点線で示されている。このため、気象測定装置1の所持者は、雨雲の動きを視覚的に把握することができる。
【0030】
気象測定装置1は、上記した動作を定期的に繰り返す。
なお、気象測定装置1は、上記した機能を有するプログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、実現される。このプログラムは、例えば記録媒体を介してコンピュータシステムにインストールされる。プログラムを格納する記録媒体は、例えばフロッピーディスク(商標)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、DVD−RAM、MO、及び半導体メモリー等のリムーバブルディスク、若しくはハードディスクであるが、これら以外であってもよい。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線を介してダウンロードされることにより、コンピュータシステムにインストールされてもよい。
【0031】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、気象測定装置1は、気象測定装置1の周囲における雨雲の有無を局所的に測定することができる。そして、雨雲の推定位置の変化を視覚的に把握できるように表示することができる。従って、気象測定装置1の所持者は、自分の周囲(特に進行方向)の局所的な雨雲の移動を把握することができる。特に、受信可能なGPS衛星50の数が多いほど、雨雲の有無及び移動を詳細に把握することができる。
【0032】
上記の効果は、GPS信号が受信できる場所であれば、いずれの場所(例えば山間部)でも得ることができる。また、時間の経過と共に履歴格納部20に情報が蓄積されていくため、雨雲の移動を詳細に把握することができる。
【0033】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る気象測定装置の構成を説明する為のブロック図である。本図に示す気象測定装置は、固定型の装置であり、位置情報算出部12の代わりに位置情報保持部16を有する点を除いて、第1の実施形態に係る気象測定装置と同一の構成である。また、本図に示す気象測定装置の動作は、基準時間算出部13の動作を除いて、第1の実施形態に係る気象測定装置と同一の構成である。
【0034】
位置情報保持部16は、予め気象測定装置の位置情報を保持している。基準時間算出部13は、位置情報保持部16が保持している位置情報、及び受信したGPS信号を用いて、基準遅延時間を算出する。
【0035】
この気象測定装置は、第1の実施形態と同様に、上記した機能を有するプログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、実現される。なお、本実施形態では、時計及びGPS信号受信部10を、その他の部材と別体にし、相互間で情報を通信するようにしてもよい。
【0036】
本実施形態によっても、気象測定装置は、気象測定装置の周囲における雨雲の有無を局所的に測定することができる。そして、気象測定装置を見ている人に、雨雲の推定位置の変化を視覚的に把握させることができる。
【0037】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば第1の実施形態において、位置情報算出部12が実遅延時間を途中で算出しているため、この実遅延時間を用いることにより、遅延時間算出部14を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施形態に係る気象測定装置1の概略を説明する為の概念図。
【図2】気象測定装置1の構成を説明するブロック図。
【図3】水蒸気量算出部15が水蒸気量を算出する方法を概念的に説明するグラフ。
【図4】履歴格納部20が記憶するデータの構成をテーブル形式で示す図。
【図5】表示装置40の表示例を示す図。
【図6】第2の実施形態に係る気象測定装置の構成を説明するブロック図。
【符号の説明】
【0039】
1…気象測定装置、10…GPS信号受信部、11…時計、12…位置情報算出部、13…基準時間算出部、14…遅延時間算出部、15…水蒸気量算出部、16…位置情報保持部、20…履歴格納部、30…表示制御部、40…表示装置、50…GPS衛星




 

 


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