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発明の名称 光学素子の製造方法、投射型表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3871(P2007−3871A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184654(P2005−184654)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 熊井 啓友 / 澤木 大輔
要約 課題
透過率等の光学特性に優れ、偏光素子や回折格子として好適に用いることができる光学素子の製造方法を提供する。

解決手段
本発明の光学素子の製造方法は、誘電体からなる基板11A上に金属層2を形成する金属層形成工程と、前記金属層2に対して、放電加工により線状の溝パターン13を所定配列で形成する溝パターン形成工程と、を具備してなることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
誘電体からなる基板上に金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層に対して、放電加工により線状の溝パターンを所定配列で形成する溝パターン形成工程と、を具備してなることを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記溝パターン形成工程は、前記金属層と、所定の基材上に形成されたカーボンナノチューブ電極との間に生じる放電により、当該金属層に前記溝パターンを形成する工程であって、
前記カーボンナノチューブ電極は、前記金属層に形成すべき溝パターンと同一パターンの線状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記溝パターン形成工程は、前記金属層と、所定の基材上に形成されたカーボンナノチューブ電極との間に生じる放電により、当該金属層に前記溝パターンを形成する工程であって、
前記カーボンナノチューブ電極は、前記金属層に形成すべき溝パターンの配列と同一配列で形成された凸状体からなり、
前記放電は、当該カーボンナノチューブ電極が形成された前記基材を、前記金属層に対し、当該カーボンナノチューブ電極の配列方向と交差する方向に相対移動させつつ連続的に行うことを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記溝パターン形成工程において、前記放電加工を油浴中で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
光源装置と、該光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射装置とを備える投射型表示装置であって、
前記光変調装置の光入射側と光射出側とに偏光素子が配設されてなり、該偏光素子が請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法により製造された光学素子により構成されてなることを特徴とする投射型表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子の製造方法、投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ等の投射型表示装置における光変調装置として、液晶装置が用いられている。このような液晶装置としては、対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された構成のものが知られており、この一対の基板の内側には、液晶層に電圧を印加するための電極が形成されている。また、この電極の内側には、電圧無印加時において液晶分子の配列を制御する配向膜が形成され、配向膜としてはポリイミド膜の表面にラビング処理を施したものが公知である。
【0003】
一方、一対の基板の外側(液晶層に対向する面とは異なる面側)には偏光板が配設されており、液晶層に対して所定の偏光が入射される構成となっている。偏光板としては、有機化合物の樹脂フィルムを一方向に延伸することによってヨウ素や二色性染料を一定方向に配向させて製造される偏光フィルムの他、特許文献1に開示されたような微細パターンを有した偏光素子が知られている。
【特許文献1】特開平10−96808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、シリコンカーバイトなどの高硬度の型を用いて、金属膜表面を直接インプリントすることで微細パターンを形成している。このような方法は、量産性及び再現性に優れる一方、方式自体が接触式であるため、型が磨耗ないし損傷する惧れがある。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、透過率等の光学特性に優れ、偏光素子や回折格子等として好適に用いることができる光学素子について、その効率的な製造方法を提供することを目的としている。また、本発明は、そのような方法により製造された光学素子を備えた投射型表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の光学素子の製造方法は、誘電体からなる基板上に金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層に対して、放電加工により線状の溝パターンを所定配列で形成する溝パターン形成工程と、を具備してなることを特徴とする。
【0007】
このような製造方法によると、有機材料を用いない光学素子を製造することができ、該製造される光学素子は耐光性及び耐熱性に非常に優れたものとなる。
また、放電加工により金属層に溝パターンを形成して微細構造体からなる光学素子を製造しており、該放電加工は非接触で被加工体を加工できるものであるため、従来のような型による接触式の転写方法に比して電極等を磨耗、損傷する惧れがない。つまり、放電加工を用いた製造方法は、非常に高効率で、生産性の高い方法であり、該放電加工の導入により安価で高信頼性の光学素子を提供することが可能となるのである。
【0008】
本発明の製造方法において、前記溝パターン形成工程は、前記金属層と、所定の基材上に形成されたカーボンナノチューブ電極との間に生じる放電により、当該金属層に前記溝パターンを形成する工程であって、前記カーボンナノチューブ電極は、前記金属層に形成すべき溝パターンと同一パターンの線状に形成されてなるものとすることができる。
【0009】
このようなカーボンナノチューブ電極の採用により、極めて微細な線状パターンの電極を得ることができ、当該電極を金属層に形成すべき溝パターンと同一パターンの線状に構成することで、所望の微細構造体を有した光学素子を簡便に製造することが可能となる。
【0010】
また、本発明の製造方法において、前記溝パターン形成工程は、前記金属層と、所定の基材上に形成されたカーボンナノチューブ電極との間に生じる放電により、当該金属層に前記溝パターンを形成する工程であって、前記カーボンナノチューブ電極は、前記金属層に形成すべき溝パターンの配列と同一配列で形成された凸状体からなり、前記放電は、当該カーボンナノチューブ電極が形成された前記基材を、前記金属層に対し、当該カーボンナノチューブ電極の配列方向と交差する方向に相対移動させつつ連続的に行うものとすることができる。
【0011】
このような凸状体を有したカーボンナノチューブ電極を採用し、これを金属層に対して相対移動させつつ連続的に放電加工を行うことで、線状の溝パターンを有した微細構造体を簡便に形成することが可能となる。
【0012】
また、前記放電加工は油浴中で行うものとすることができる。このように金属層とカーボンナノチューブ電極の間に誘電体である油を介在させることで、金属層とカーボンナノチューブ電極間の異常放電を回避することが可能となる。
【0013】
なお、本発明の金属層に適用可能な金属材料としては、例えばアルミニウムが好適で、その他にも、銀、金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、又はこれらの合金などを用いることができる。
【0014】
次に、上記課題を解決するために、本発明の投射型表示装置は、光源装置と、該光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、該光変調装置により変調された光を投射する投射装置とを備える投射型表示装置であって、前記光変調装置の光入射側と光射出側とに偏光素子が配設されてなり、該偏光素子が上述した方法により製造された光学素子により構成されてなることを特徴とする。
【0015】
このような投射型表示装置は非常に安価なものとなる。つまり、上述した方法により製造された光学素子は、非常に簡便に製造されるためコストが低いものとなるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
[プロジェクタ]
図1は、本発明の製造方法により得られる光学素子を偏光素子(偏光板)として用いたプロジェクタ(投射型表示装置)の一実施形態であり、その要部を示す概略構成図である。本実施形態のプロジェクタは、光変調装置として液晶装置を用いた液晶プロジェクタである。
【0018】
図1において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は液晶装置からなる光変調装置、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズ、831、832、833は入射側の偏光板(光学素子)、834、835、836は出射側の偏光板である。
【0019】
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。なお、光源810としては、メタルハライド以外にも超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等を用いることも可能である。
【0020】
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、偏光板831を介して赤色光用液晶光変調装置822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、偏光板832を介して緑色光用液晶光変調装置823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が偏光板833を介して青色光用液晶光変調装置824に入射される。
【0021】
各光変調装置822〜824により変調された3つの色光は、各色偏光板834〜836を介してクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
【0022】
ここで、本実施形態のプロジェクタにおいては、偏光板831〜836として、無機材料からなるものを採用している。メタルハライドランプ811からなる光源810は高エネルギーの発光が行われるものであるため、有機材料では当該高エネルギーの光により分解ないし変形が生じる惧れがある。そこで、耐光性及び耐熱性の高い無機材料(金属材料を含む)で偏光板831〜836を構成している。
【0023】
図2は偏光板831〜836(以下、これらを総称して偏光板1とも言う)の概略構成を示す斜視図、図3は偏光板1の平面模式図、図4は偏光板1の断面模式図、図5は偏光板1を光が透過する際の作用を示す説明図である。
【0024】
偏光板1は、本発明の光学素子に係るもので、光源810から射出された各色光を、偏光選択して直線偏光のみを透過させるものである。具体的には図2に示すように、ガラス基板等の誘電材料からなる透光性の基材11A上に、ストライプ状に配置された複数の非有機材料(無機材料及び/又は金属材料、本実施形態ではアルミニウムを用いている)からなる格子(微細構造体)12を備えて構成されている。
【0025】
図3に示すように、格子12のピッチPは入射光の波長よりも小さい値であり、例えば140nm以下に設定されている。また、格子12の幅は、例えば70nm以下に設定されており、製造上の都合もあるが、入射光の波長の1/10程度にするとより好ましい。なお、格子12の隙間に形成される線状の溝パターン13は空間とされているが、例えば当該格子12と異なる透光性の材料を挿入するものとしても良い。
【0026】
なお、格子(微細構造体)12の高さは10nm〜50nm程度となっている。また、格子12を構成する金属材料としては、アルミニウム以外にも、銀、金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、又はこれらの合金などを用いることができる。
【0027】
このような偏光板1は、図5に示すように、格子12の屈折率nと、格子12間に介在する空間11Bの屈折率nとが異なるため、偏光板1に入射した光の偏光方向により、偏光選択が行なわれる。具体的には、格子12の延在方向と垂直な方向に偏光軸を有する直線偏光Xを透過させ、格子12の延在方向と平行な方向に偏光軸を有する直線偏光Yを反射する。したがって、本実施形態の偏光板1は、光反射型偏光子と同じ作用、すなわち光軸(透過軸)と平行な偏光を透過させ、垂直な偏光に対しては反射させる作用を有している。
【0028】
偏光板1を透過して生成された直線偏光は、光変調手段としての液晶装置822〜824に入射する。液晶装置822〜824は、例えば図6に示したような構成を備えている。図6は、液晶装置822〜824の断面模式図である。
【0029】
液晶装置822〜824は、ガラスやプラスチック等の透明基板で構成される2枚の基板(素子基板10,対向基板20)を含んで構成され、該一対の基板10,20間に液晶層50が挟持されている。素子基板10の液晶層50側にはITO等で構成された透明電極9がマトリクス状に形成されており、透明電極9のさらに液晶層50側には、液晶分子の配向規制を行う配向膜11が基板全面に形成されている。
【0030】
一方、対向基板20の液晶層50側には、基板全面にベタ状の透明電極23が形成されており、透明電極23のさらに液晶層50側には、液晶分子の配向規制を行う配向膜21が基板全面にベタ状に形成されている。
【0031】
図6の構成においては、一対の基板10,20が、シール材(図示略)を介して貼り合わせられ、その内部に液晶が封入されている。この場合、液晶層50の液晶モードとしてTN(Twisted Nematic)モードが採用されているが、その他にもSTN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード等を採用することができる。
【0032】
素子基板10は、ガラスや石英等の透光性の基板であって、画素電極9に対する電圧印加をスイッチング駆動するTFT素子(図示略)を備えている。画素電極9はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性且つ導電性の材料にて構成されており、膜厚が50nm〜100nm程度(例えば85nm)とされている。また、配向膜11はSiOの斜方蒸着材料から構成されており、液晶分子の配向を規制している。なお、配向膜11の膜厚は1nm〜10nm程度(例えば5nm)とされている。
【0033】
一方、対向基板20は、素子基板10と同様、ガラスや石英等の透光性の基板から構成されており、その液晶層側にITO(インジウム錫酸化物)等の透光性且つ導電性の材料にて構成された共通電極23が、膜厚50nm〜150nm程度(例えば140nm)に形成されている。また、共通電極23のさらに液晶層側には、SiOの斜方蒸着材料から構成される配向膜21が形成されており、その膜厚は1nm〜10nm程度(例えば5nm)とされている。
【0034】
このような液晶装置822〜824では、図1に示した偏光板831,832,833を介して入射する直線偏光の位相制御が行われる。つまり、電極9,23に対する印加電圧により液晶層50の駆動制御を行い、当該入射光の位相を制御するものとしている。位相制御された光は、光射出側に配設された偏光板834,835,836に入射して変調される。
【0035】
液晶装置822〜824及び偏光板831〜836で変調された各色光は、上述した通り、クロスダイクロイックプリズム825に入射して形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
【0036】
本実施の形態では、偏光板1(831〜836)に関して有機材料を用いないものとしている。つまり、メタルハライドランプから供給される高エネルギー光により劣化する惧れのある有機材料を排除して、無機材料及び/又は金属材料から偏光板1(831〜836)を構成している。また、当該偏光板1(831〜836)は、以下に示すような方法により製造しているため、製造コストも安価で、非常に信頼性の高いものとなっている。
【0037】
[偏光板の製造方法]
以下、図2〜図4に示した偏光板1の製造方法の一例について説明する。図7は偏光板1の製造工程において行う放電加工法の概略を示す説明図で、図8は該製造工程で用いる放電加工用型の一例を示す断面模式図である。また、図9は放電加工法の一変形例を示す説明図、図10も同放電加工法の一変形例を示す説明図である。
【0038】
まず、図7(a)に示したように透光性の誘電体材料であるSiOからなる基板11Aに対して、アルミニウムをスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などにより基板全面に形成し、膜厚が100nm〜300nm程度のアルミニウム層を形成する。
【0039】
次に、図7(b)に示すように、アルミニウム層2の表面に所定の線状溝パターン13(図2参照)を形成し、アルミニウムからなる格子12を形成する。ここでは、放電加工法を用いて溝パターン13を形成するものとしており、具体的には、図8に示すような放電加工用型35を用いている。
【0040】
放電加工用型35は、アルミニウム層2に形成すべき溝パターン13と同一のパターンで形成されてなる突条部34を有したガラス基板30を基台としてなるもので、該突条部34上に触媒層31を介してカーボンナノチューブ電極32が形成されてなるものである。なお、突条部34を有するガラス基板30は、平坦なガラス基板に対して電子ビーム描画法、ナノインプリント法、干渉露光法等の加工を行うことで作製することができる。そして、突条部34の表面に触媒層31を形成し、該触媒層31にカーボンナノチューブを成長させて放電加工用型35を得る。
【0041】
このような放電加工用型35を用いて、図7(b)に示すように、カーボンナノチューブ電極32がアルミニウム層2と対向するように設置し、カーボンナノチューブ電極32とアルミニウム層2との間に放電EDを生じさせることにより、カーボンナノチューブ電極32のパターンに対応した溝パターン13をアルミニウム層2に形成するものとしている。そして、アルミニウム層2への溝パターン13の形成により、格子12が基板11Aに形成される。このような放電加工は被加工面(アルミニウム層2の表面)と非接触で行われることが最大の特徴で、放電加工用型35は加工時に磨耗や損傷が生じる可能性が極めて低いものとなっている。
【0042】
なお、放電加工は例えば図9に示すような油浴33中で行うことができる。このようにカーボンナノチューブ電極32とアルミニウム層2との間に誘電体である油を介在させることで、カーボンナノチューブ電極32とアルミニウム層2との間の異常放電を回避することができる。
【0043】
また、例えば図10に示すように、一列に並んだ凸状体37を有するガラス基板30に対し、カーボンナノチューブ電極32を一列の凸パターンとしたものを放電加工用型として用いることもできる。つまり、カーボンナノチューブ電極32を、形成する溝パターン13の配列と同一配列パターンで形成した放電加工用型36を用いて、図2〜図4に示した偏光板1を製造することができる。このような放電加工用型36は、図10の矢印で示したように、アルミニウム層2に対し、カーボンナノチューブ電極32の配列方向と交差する方向に当該型36を相対移動させつつ連続的に放電を行うことで、所望の溝パターン13を形成することができる。
【0044】
なお、凸状体37(すなわちカーボンナノチューブ電極32)の形状としては、柱状(例えば四角柱)の他、半球状のもの、或いは錐状(例えば四角錐)のものを採用することができる。
【0045】
以上のような製造方法によると、有機材料を用いない偏光板(光学素子)1を製造することができ、該製造される偏光板1は耐光性及び耐熱性に非常に優れたものとなる。また、放電加工によりアルミニウム層2に溝パターン13を形成して格子(微細構造体)12からなる偏光板1を製造しており、該放電加工は非接触で被加工体たるアルミニウム層2を加工できるものであるため、従来のようなプリント型による接触式の転写方法に比して当該型を磨耗ないし損傷する惧れがなく、製造効率が向上することとなる。
【0046】
なお、本実施の形態では、微細構造を有する光学素子を偏光素子(偏光板)として用いる例を示したが、その他にも回折素子やPBS(Polarized Beam Splitter)、位相差板として用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態のプロジェクタの概略構成を示す模式図。
【図2】偏光板の一実施形態を模式的に示す斜視図。
【図3】偏光板の一実施形態を模式的に示す平面図。
【図4】偏光板の一実施形態を模式的に示す断面図。
【図5】偏光板の作用を示す説明図。
【図6】光変調装置として用いた液晶装置の一実施形態を模式的に示す断面図。
【図7】放電加工法の一例を示す説明図。
【図8】放電加工用型の一例を示す斜視図。
【図9】放電加工法の一変形例を示す説明図。
【図10】放電加工法の一変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0048】
1,831〜836…偏光板、2…アルミニウム層(金属層)、11A…基板、12…格子(微細構造体)、13…溝パターン、32…カーボンナノチューブ電極、35…放電加工用型




 

 


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