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発明の名称 液晶プロジェクタ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3854(P2007−3854A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184452(P2005−184452)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 岩田 裕二
要約 課題
透明度の高いインクジェット法或いはスピンコート法と、透明度が低いフレキソ法で作られた液晶パネル基板を意図的に組み合わせることにより、投写画像全体の透明度が向上され、投写時に観察される「スジムラ」が抑制された液晶プロジェクタ装置を提供することを目的とする。

解決手段
光Gに対して人間は最も感度がよいため、光G用液晶ライトバルブ145Gの配向膜80の塗布方法として、フレキソ法で塗布された方法を採用する。フレキソ法で塗布された配向膜80は、透明度が低いため「スジムラ」は観察し難くなる。また、光R用液晶ライトバルブ145Rの配向膜80の塗布方法として、フレキソ法で塗布された方法を採用すれば、光G用液晶ライトバルブ145G程の効果は望めないが「スジムラ」が観察され難くなる。インクジェット法又はスピンコート法で塗布された方法で製造されたカラー液晶パネルを採用してもよい。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のカラー液晶パネルと、
前記複数のカラー液晶パネルがそれぞれ有する配向膜と、
前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜の透明度が、前記複数のカラー液晶パネルの他のカラー液晶パネルの前記配向膜の透明度と異なることを特徴とする液晶プロジェクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はインクジェット法で形成されたことを特徴とする液晶プロジェクタ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はフレキソ法で形成されたことを特徴とする液晶プロジェクタ装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はスピンコート法で形成されたことを特徴とする液晶プロジェクタ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶プロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット法によって機能液滴を塗布する方法として、液晶パネルの配向膜をインクジェット法で形成する方法が知られている。インクジェット法で配向膜を塗布して製作された液晶パネルを使用した液晶プロジェクタ装置は、フレキソ法で製作されたパネルにくらべてムラが少なく、透明度の高い画像を投写することが可能である(例えば、特許文献1)。また、配向膜の作製方法に特徴を有し、2種以上の配向膜原料を吐出口より吹き出しモザイク状に配向膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平3−249623号公報
【特許文献2】特開平10−197873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶パネルの配向膜の平坦性が良いほど、液晶パネルとしての透明度が高くなる。この
液晶パネルの配向膜の透明度を求めると、配向膜の平坦性が良いスピンコート法が最適であるが、スピンコート法で配向膜を製作する場合、配向膜となる機能液滴の使用効率が低いこと、液晶パネルの基板への選択的な塗布ができないこと、さらには、液晶パネルの基板の大型化により、基板そのものを回転させて機能液滴を塗布することが困難といった課題があった。
【0005】
また、フレキソ法で製作された配向膜は、配向膜の平坦性が悪いために液晶パネルとしての透明度が低くなり、液晶プロジェクタ装置として投写した画面上で薄く部分的に不均一な部分(以降、まだらムラという)が観察され易くなるという問題があった。また、フレキソ法は、液晶パネルの基板に塗布するロールが直接接触しなければならず、大型の基板への塗布は基板の破損を生ずる問題があった。
【0006】
そこで、インクジェット法による配向膜の塗布方法が提案されている。この方法によると、フレキソ法で製作された配向膜と比較して、配向膜の平坦性が良く液晶パネルとしての透明度が高い。また、液晶パネルの基板に非接触で配向膜となる機能液滴を塗布することができるため、液晶パネルの基板の配向膜が必要なエリアへの選択的な塗布(パターニング)が容易であり、大型の基板への対応も可能である。
【0007】
然しながら、インクジェット法或いはスピンコート法による透明度の高い液晶パネルの基板を製作し、これらの液晶パネルを組み合わせて液晶プロジェクタ装置を構成したところ、フレキソ法によって製作された液晶パネルの基板を使用して液晶プロジェクタ装置を構成した時の投写された画面上では観察されなかった、薄く筋状の不均一な部分(以降、スジムラという)が観察されるようになった。
【0008】
これは、インクジェット法により配向膜の平坦性が良くなり、液晶パネルとしての透明度が向上したことにより、基板上に存在している液晶を駆動するTFT電極部や画素を区画する画素バンクの段差が観察されやすくなったと推測される。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、透明度の高いインクジェット法或いはスピンコート法と、透明度が低いフレキソ法で作られた液晶パネル基板を意図的に組み合わせることにより、投写画像全体の透明度が向上され、投写時に観察される前述した「スジムラ」が抑制された液晶プロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、複数のカラー液晶パネルと、前記複数のカラー液晶パネルがそれぞれ有する配向膜と、前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜の透明度が、前記複数のカラー液晶パネルの他のカラー液晶パネルの前記配向膜の透明度と異なることを要旨とする。
【0011】
これによれば、複数のカラー液晶パネルがそれぞれ有する配向膜の少なくともひとつのカラー液晶パネルの配向膜の透明度が、複数のカラー液晶パネルの他のカラー液晶パネルの配向膜の透明度と異なることにより、「スジムラ」が観察され難い液晶プロジェクタ装置を提供することができる。
【0012】
本発明の液晶プロジェクタ装置の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はインクジェット法で形成されたことを要旨とする。
【0013】
これによれば、複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの配向膜はインクジェット法で形成されるので、配向膜の透明度が高くなり投写された画像の明るさが確保された液晶プロジェクタ装置を提供することができる。
【0014】
本発明の液晶プロジェクタ装置の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はフレキソ法で形成されたことを要旨とする。
【0015】
これによれば、複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの配向膜はフレキソ法で形成されるので、配向膜の透明度が低下して「スジムラ」が観察され難い液晶プロジェクタ装置を提供することができる。
【0016】
本発明の液晶プロジェクタ装置の前記複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの前記配向膜はスピンコート法で形成されたことを要旨とする。
【0017】
これによれば、複数のカラー液晶パネルの少なくともひとつのカラー液晶パネルの配向膜はスピンコート法で形成されるので、配向膜の透明度が高くなり投写された画像の明るさが確保された液晶プロジェクタ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、液晶プロジェクタ装置100の光学系の概略構成図を示す。
液晶プロジェクタ装置100の光学系について説明する。光源部31は、光源ランプ130、リフレクタ131と、インテグレータ光学系110とから構成されている。インテグレータ光学系110は、第1レンズアレイ132と、第2レンズアレイ133と、偏光変換素子134及び、重畳レンズ135とから構成される。光源ランプ130は、好適な事例としてハロゲンランプを用いている。なお、ハロゲンランプ以外に、メタルハライドランプや、高圧水銀ランプ等も使用することができる。光源ランプ130から放射された光は、反射面からなるリフレクタ131で反射され、光軸35に沿って平行化された光となって、第1レンズアレイ132の方向へ進行する。
【0020】
第1レンズアレイ132及び第2レンズアレイ133は、光軸35から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小さな集光レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。第2レンズアレイ133と、偏光変換素子134及び、重畳レンズ135は密着して構成されている。このインテグレータ光学系110に入射した光源ランプ130からの略平行な光は、第1レンズアレイ132の複数の矩形集光レンズにより複数の部分光束に分割される。複数の矩形集光レンズにより切りだされた光源像は、各矩形集光レンズに対応した第2レンズアレイ133及び重畳レンズ135により所定の照明領域上に重畳結像される。ここで、所定の照明領域は、後述する複数のカラー液晶パネルとしての赤色光(以下、光Rという)R用液晶ライトバルブ145R、複数のカラー液晶パネルとしての緑色光(以下、光Gという)G用液晶ライトバルブ145G、複数のカラー液晶パネルとしての青色光(以下、光Bという)B用液晶ライトバルブ145Bのそれぞれの入射端面となる。これにより、インテグレータ光学系110から射出された光は、光R用液晶ライトバルブ145R、光G用液晶ライトバルブ145G、光B用液晶ライトバルブ145Bの入射端面において、光の強度分布が略均一化された光となっている。
【0021】
光源ランプ130から放射される光には、様々な方向の波を持つ光が含まれている。ここで、光R用液晶ライトバルブ145R、光G用液晶ライトバルブ145G、光B用液晶ライトバルブ145Bは、液晶によって光の変調を行うため、一種類の偏光光のみの変調が可能である。光の利用効率を考えると、一種類の偏光光のみを使う場合は、光源ランプ130からの光のうち約半分が無駄になってしまう。偏光変換素子134は、入射した光の内、液晶ライトバルブで変調可能な偏光光はそのままの偏光方向で射出し、変調できない偏光光は、変調可能な偏光光に偏光方向を変えてから重畳レンズ135へ進行させる作用を有する。偏光変換素子134は、複数の偏光分離プリズムアレイとλ/2位相差板等から構成されている。これにより、光の利用効率が向上する。なお、前述のインテグレータ光学系110及び、偏光変換素子134については、例えば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0022】
空間光変調部32は、色分離光学系111、及びリレー光学系112と、各色光用のフィールドレンズ143と、複数のカラー液晶パネルとしての光R用液晶ライトバルブ145R、複数のカラー液晶パネルとしての光G用液晶ライトバルブ145G、複数のカラー液晶パネルとしての光B用液晶ライトバルブ145Bとから構成されている。色分離光学系111は、2枚のダイクロイックミラー136,137と、反射ミラー142とを備えている。ダイクロイックミラー136は、光R、光G成分を透過し、光Bを反射する。ダイクロイックミラー137は、光R成分を透過し、光Gを反射する。光源部31から射出された複数の波長領域を有する照明光は、2枚のダイクロイックミラー136,137により、光R、光G、光Bの各色光に分離される。
【0023】
ダイクロイックミラー136で反射した光Bは、反射ミラー142で反射し、フィールドレンズ143を通って、光B用液晶ライトバルブ145Bへ入射する。フィールドレンズ143は、光Bを、光Bの光軸35に沿って平行な光束に整える作用を持つ。なお、光R及び光G用のフィールドレンズ143も同じ作用を有し、各色光を、各色光の光軸35に沿って平行な光束に整える。光B用液晶ライトバルブ145Bで、画像信号に応じて変調された光Bは、クロスダイクロイックプリズム148に入射する。光R用液晶ライトバルブ145R、光G用液晶ライトバルブ145G、光B用液晶ライトバルブ145Bとしては、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いた液晶パネルを用いる。また、光R用液晶ライトバルブ145R、光G用液晶ライトバルブ145G、光B用液晶ライトバルブ145Bは、各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム148に密接して固定されている。
【0024】
ダイクロイックミラー136を透過した光R及び光Gの内、光Gはダイクロイックミラー137で反射し、フィールドレンズ143で光束を整えられて、光G用液晶ライトバルブ145Gへ入射する。光G用液晶ライトバルブ145Gで、画像信号に応じて変調された光Gは、クロスダイクロイックプリズム148に入射する。また、ダイクロイックミラー136を透過した光Rは、さらにダイクロイックミラー137も透過し、リレー光学系112の入射側レンズ138へ入射する。リレー光学系112は、入射側レンズ138と、反射ミラー139と、リレーレンズ140及び反射ミラー141とから構成されている。入射側レンズ138から射出した光Rは、反射ミラー139で反射し、リレーレンズ140を通り、さらに反射ミラー141で反射し、フィールドレンズ143で光束を整えられて、光R用液晶ライトバルブ145Rへ入射する。光Rの光路は、光G及び光Bに比べて長いため、入射側レンズ138及びリレーレンズ140により、光Rの発散等による減衰を防いでいる。光R用液晶ライトバルブ145Rで、画像信号に応じて変調された光Rは、クロスダイクロイックプリズム148に入射する。
【0025】
クロスダイクロイックプリズム148は、2つのダイクロイック膜146,147を有する。2つのダイクロイック膜146,147は、X字型に直交して配置されている。ダイクロイック膜146は、光Bを反射し、光Gを透過する。ダイクロイック膜147は、光Rを反射し、光Gを透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム148は、光R用液晶ライトバルブ145Rと、光G用液晶ライトバルブ145Gと、光B用液晶ライトバルブ145Bとにおいて変調された光R、光G及び光Bを合成し、変調光として投写光学系34の方向に進行させる。投写光学系34に入射した、光R、光G及び光Bを合成した変調光は、投写光学系34で拡大され、スクリーンに画像として投写される。
【0026】
図2は、フレキソ法としてのフレキソ印刷(転写法印刷)によって、液晶パネル基板10へ配向剤13を塗布する場合の模式図である。
図2では、液晶パネル基板10の面にTFT電極12が形成されている。このTFT電極12は配線パターンになっていて、表示画素11に対応する部分には液晶パネルとして光の透過性を確保するために配線を避けている。従って、TFT電極12と表示画素11との間には、数ミクロンメートルの段差が生じている。
【0027】
図2に示すように、TFT電極12が形成されている液晶パネル基板10と配向剤塗布装置76とが接触して配向剤13を塗布している状態である。配向剤塗布装置76は、ロール状の版胴61が備えられ、タンク79に貯留されている配向剤13が適宜、補助ロール81に供給され、膜厚制御装置82によって補助ロール81の周囲に付着している配向剤13の厚さを制御している。
【0028】
補助ロール81は、版胴61と隣接していて補助ロール81の周囲の配向剤13が版胴61に転写される。転写された配向剤13は、版胴61によって液晶パネル基板10ところの面に塗布される。また、版胴61の外周にエッチング加工等によって凸凹を設け、補助ロール81からの配向剤13を凸部だけに転写して、その凸部に付着した配向剤13を液晶パネル基板10に略接触させることにより、液晶パネル基板10の必要な所に配向剤13を塗布することができる。
【0029】
フレキソ印刷では、配向剤13の濃度が高いため、液晶パネル基板10の上に塗布された配向剤13の流動性が低く、配向剤13が版胴61から離れる際に塗布された配向剤13の液表面はかなり荒れた面となる。また、フレキソ印刷では、配向剤13の膜厚を薄く制御することが難しい反面、TFT電極12の厚さを充分吸収する程の厚さの配向剤13を塗布することができる。
【0030】
図3(a)は、フレキソ印刷法で塗布された配向剤13の表面状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図、(b)は、フレキソ印刷法で塗布された配向剤13が成膜処理された状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図である。
【0031】
図3(a)に示すように、フレキソ印刷で塗布された配向剤13は塗布されてからの時間が経過しても、配向剤13の粘度が高いため、配向剤13が版胴61から離れる際に生じた液表面の荒れた面はレベリングがされないままの状態となる。
【0032】
また、フレキソ印刷で塗布された配向剤13を成膜処理する方法としては、加熱処理を行うと厚さが数ミクロン程度の配向剤13に含まれている溶媒が配向剤13の内部から蒸発して、成膜処理された配向膜80に空洞ができてしまうため、配向剤13の乾燥は、自然(室温)乾燥で行う。成膜処理された配向膜80は、50〜70nm程度の厚さを有すポリイミド樹脂等の安定した有機物である。
【0033】
図3(b)に示すように、成膜処理された状態の配向膜80の表面は、配向剤13が版胴61から離れる際に生じた液表面の荒れた面を略維持したままの表面になる。この結果、液晶パネル基板10に成膜された配向膜80によって、液晶パネル基板10としての透明度が低下する。
【0034】
フレキソ印刷で配向剤13が塗布され成膜処理された配向膜80は、50〜70nm程度の厚さがあり、一対の液晶パネル基板10に液晶を挟持して製造されたカラー液晶パネルの透明度は、後述する配向剤13がインクジェット法或いはスピンコート法で塗布された配向膜80で製造されたカラー液晶パネルよりも低くなる。配向膜の透明度が低くなると、「スジムラ」は観察し難くなる。しかし、フレキソ印刷法で製造された配向膜80の厚さの不均一性から生ずる「まだらムラ」は発生し易くなる。
【0035】
また、スピンコート法によってTFT電極12が形成されている液晶パネル基板10に配向剤13を塗布する方法もある。この場合は、高速で回転している液晶パネル基板10に配向剤13を滴下して、遠心力によって配向剤13を振り飛ばし、液晶パネル基板10の表面に残留した配向剤13を成膜処理して配向膜80を得る方法である。成膜処理された配向膜80は、厚さが50〜70nm程度のポリイミド樹脂等の安定した有機物である。
【0036】
スピンコート法で配向剤13が塗布され成膜処理された配向膜80の平坦性は最もよい。しかも、液晶パネル基板10を回転させて配向剤13を塗布するため、多少のごみは液晶パネル基板10の外に吹き飛ばすことができる。一方、スピンコート法による配向剤13の塗布では、配向剤13の材料使用効率が悪く、滴下された配向剤13に対して液晶パネル基板10の面に定着する量は2〜3%である。また、スピンコート法では、液晶パネル基板10の全面に配向剤13が塗布されてしまうため、対向する液晶パネル基板10を固着するシール剤の固着力が低下することもある。また、大型の液晶パネル基板10(例えば、2m×2m位の大きさの液晶パネル基板10)では、液晶パネル基板10を回転させること自体が困難であるため、このスピンコート法は適さない。
【0037】
このため、カラー液晶パネルの透明度は、後述する配向剤13がインクジェット法で塗布された配向膜80で製造されたカラー液晶パネルよりも高くなる。カラー液晶パネルの透明度が高くなると「スジムラ」は観察し易くなる。
【0038】
図4は、インクジェット法によって、液晶パネル基板10へ配向剤13を塗布する場合の模式図である。
インクジェットヘッド15は、配向剤13を吐出する圧電駆動機構(図示せず)とノズルプレート16とを備えている。ノズルプレート16は、複数のノズル孔17を有している。液晶パネル基板10とインクジェットヘッド15との相対位置変更と、前述した圧電駆動機構(図示せず)とを制御して、配向剤13をTFT電極12及び表示画素11が配設されている液晶パネル基板10の所望する場所に吐出して塗布することができるようになっている。
【0039】
図4に示すように、インクジェットヘッド15から吐出された配向剤13は、液晶パネル基板10の上に数ミクロンメートルの厚さで塗布される。インクジェット法で使用される配向剤13は、インクジェットヘッド15から液滴として吐出するため粘度を低くしている。このため、インクジェットヘッド15から吐出された配向剤13は、直前に吐出された配向剤13とすぐに隣接して結合する。配向剤13が吐出され塗布された配向剤13の表面の状態は、図4に示すように、少しドット形状を残した状態で隣接するドット同士が結合する。
【0040】
図5(a)は、配向剤13がインクジェット法で塗布されて時間が経過した状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図、(b)は、インクジェット法で塗布された配向剤13が成膜処理された状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図である。
図5(a)に示すように、インクジェット法で配向剤13が液晶パネル基板10に塗布されてから時間が経過すると、配向剤13が流動して液面がレベリングされ表面が平坦になる。
【0041】
図5(b)に示すように、図5(a)の状態を維持して成膜処理(乾燥)を施すことによって、得られる配向膜80の厚さは50〜70nm程度と前述したフレキソ法と略同じであるが、TFT電極12及び表示画素11に塗布されて成膜処理された配向膜80は、前述したフレキソ法よりは平坦な配向膜80となる。このために、カラー液晶パネルとしては、TFT電極12の厚さ(約180nm)による段差の凸凹が観察され易くなる。また、フレキソ印刷法で製造した配向膜80の厚さの不均一性から生ずる「まだらムラ」は発生し難くなる。成膜処理された配向膜80は、ポリイミド樹脂等の安定した有機物である。
【0042】
インクジェット法で配向剤13が塗布され成膜処理された配向膜80は、50〜70nm程度の厚さであり、一対の液晶パネル基板10に液晶を挟持して製造されたカラー液晶パネルの透明度は、前述した配向剤13をフレキソ印刷で塗布され製造されたカラー液晶パネルと比較して高くなる。配向膜の透明度が高くなると、「スジムラ」は観察し易くなり、「まだらムラ」は観察し難くなる。
【0043】
図6(a)は、光の波長と人間の目の相対感度との相関を示す相対視感度グラフであり、(b)は、光R、光G、光Bのそれぞれの光の波長と光の透過率との相関を示す分光グラフである。
図6(a)に示すように、人間の目の光の波長に対する相対感度は約550nmで最も感度が高く、約550nmから遠ざかる程感度は低下していく。光の波長が400nm以下及び700nm以上では、ほとんど感度がない。このことから、人間は光の波長が550nm付近の光をより強く感じるようになっている。
【0044】
図6(b)に示すように、光R、光G、光Bのそれぞれの光の波長と光の透過率との相関は、光Rは、光の波長として約550nmで最小値を示し、波長が長くなる程、透過率は上昇する特性を有している。また、光Bは、光の波長として約480nmで最大値を示し、波長が長くなる程、透過率は低下する特性を有している。また、光Gは、光の波長として約550nmで最大値を示し、約550nmから遠ざかる程、透過率は低下する特性を有している。
【0045】
このことから、図1に示した光B用液晶ライトバルブ145B、光G用液晶ライトバルブ145G、光R用液晶ライトバルブ145Rの内で、人間が最もよく光の色に対して感じるのは光G用液晶ライトバルブ145Gであり、次に、光R用液晶ライトバルブ145Rであり、最も人間が感じ難いのは光B用液晶ライトバルブ145Bである。
【0046】
本発明は、光B用液晶ライトバルブ145Bと、光G用液晶ライトバルブ145Gと、光R用液晶ライトバルブ145Rと、それぞれの液晶ライトバルブの配向膜80の塗布方法とを組み合わせることによって、前述した「スジムラ」が観察され難い液晶プロジェクタ装置100を提供することができる。具体的には、図6で説明したように、光Gに対して人間は最も感度がよいため、光G用液晶ライトバルブ145Gの配向膜80の塗布方法として、フレキソ法で塗布された方法を採用する。前述したように、フレキソ法で塗布された配向膜80は、透明度が低いため「スジムラ」は観察し難くなる。
【0047】
また、光R用液晶ライトバルブ145Rの配向膜80の塗布方法として、フレキソ法で塗布された方法を採用すれば、光G用液晶ライトバルブ145G程の効果は望めないが「スジムラ」が観察され難くなる。インクジェット法又はスピンコート法で塗布された方法で製造されたカラー液晶パネルを採用してもよい。
【0048】
また、光B用液晶ライトバルブ145Bの配向膜80の塗布方法として、フレキソ法で塗布された方法を採用しても効果はほとんどない。しかし、液晶プロジェクタ装置100としては明るい画像を投写する機能も重要であり、インクジェット法又はスピンコート法で塗布された方法で製造されたカラー液晶パネルを採用することによって、透明度の高い光B用液晶ライトバルブ145Bが得られ、液晶プロジェクタ装置100の明るさを確保することができる。
【0049】
以下、実施例の効果を記載する。
【0050】
(1)複数のカラー液晶パネルとしての光B用液晶ライトバルブ145B、光G用液晶ライトバルブ145G及び光R用液晶ライトバルブ145Rの少なくとも光G用液晶ライトバルブ145G又は光R用液晶ライトバルブ145Rの配向膜80の塗布方法をフレキソ法で行い、複数のカラー液晶パネルとしての光B用液晶ライトバルブ145B、光G用液晶ライトバルブ145G及び光R用液晶ライトバルブ145Rの少なくとも光R用液晶ライトバルブ145R又は光B用液晶ライトバルブ145Bの配向膜80の塗布方法がインクジェット法又はスピンコート法で行うことにより、液晶プロジェクタ装置100の投写された画像の明るさを確保しつつ、「スジムラ」が観察され難い液晶プロジェクタ装置100を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】液晶プロジェクタ装置100の光学系の概略構成図。
【図2】フレキソ法としてのフレキソ印刷(転写法印刷)によって、液晶パネル基板10へ配向剤13を塗布する場合の模式図。
【図3】(a)は、フレキソ印刷法で塗布された配向剤13の表面状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図、(b)は、フレキソ印刷法で塗布された配向剤13が成膜処理された状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図。
【図4】インクジェット法によって、液晶パネル基板10へ配向剤13を塗布する場合の模式図。
【図5】(a)は、配向剤13がインクジェット法で塗布されて時間が経過した状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図、(b)は、インクジェット法で塗布された配向剤13が成膜処理された状態を示す液晶パネル基板10の部分断面図。
【図6】(a)は、光の波長と人間の目の相対感度との相関を示す相対視感度グラフ、(b)は、光R、光G、光Bのそれぞれの光の波長と光の透過率との相関を示す分光グラフ。
【符号の説明】
【0052】
10…液晶パネル基板、11…表示画素、12…TFT電極、13…配向剤、15…インクジェットヘッド、16…ノズルプレート、17…ノズル孔、31…光源部、32…空間光変調部、34…投写光学系、35…光軸、61…版胴、76…配向剤塗布装置、79…タンク、80…配向膜、81…補助ロール、82…膜厚制御装置、100…液晶プロジェクタ装置、110…インテグレータ光学系、111…色分離光学系、112…リレー光学系、130…光源ランプ、131…リフレクタ、132…第1レンズアレイ、133…第2レンズアレイ、134…偏光変換素子、135…重畳レンズ、136,137…ダイクロイックミラー、138…入射側レンズ、139,141,142…反射ミラー、140…リレーレンズ、143…フィールドレンズ、145B…複数のカラー液晶パネルとしての光B用液晶ライトバルブ、145G…複数のカラー液晶パネルとしての光G用液晶ライトバルブ、145R…複数のカラー液晶パネルとしての光R用液晶ライトバルブ、146,147…ダイクロイック膜、148…クロスダイクロイックプリズム、B…光(青色光)、G…光(緑色光)、R…光(赤色光)。




 

 


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