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発明の名称 ワイヤーグリッド偏光子の製造方法、液晶装置、プロジェクタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3786(P2007−3786A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183338(P2005−183338)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
発明者 澤木 大輔
要約 課題
狭ピッチのワイヤーグリッド偏光子を容易かつ低コストに製造することができる方法を提供する。

解決手段
ワイヤーグリッド偏光子の製造方法が、金属薄膜101上に感光性膜103を成膜する工程と、感光性膜103に対して二光束干渉露光を施す工程と、感光性膜103に対して干渉波の位相をずらして二光束干渉露光を再度施す工程と、感光性膜103を現像して多数の略平行な直線状の突起部103aを出現させる工程と、感光性膜103に対して耐エッチング材料を斜方成膜して耐エッチング膜111を形成する工程と、耐エッチング膜111をマスクとして感光性膜103をエッチングする工程と、感光性膜103をマスクとして金属薄膜101をエッチングする工程と、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
金属薄膜上に感光性膜を成膜する工程と、
前記感光性膜に対して二光束干渉露光を施す工程と、
前記感光性膜に対して干渉波の位相をずらして二光束干渉露光を再度施す工程と、
前記感光性膜を現像して多数の略平行な直線状の突起部を出現させる工程と、
前記感光性膜に対して耐エッチング材料を斜方成膜して耐エッチング膜を形成する工程と、
前記耐エッチング膜をマスクとして前記感光性膜をエッチングする工程と、
前記感光性膜をマスクとして前記金属薄膜をエッチングする工程と、
を有することを特徴とするワイヤーグリッド偏光子の製造方法。
【請求項2】
前記突起部は、傾斜側面を有することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーグリッド偏光子の製造方法。
【請求項3】
前記感光性膜は、化学増幅型感光性膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイヤーグリッド偏光子の製造方法。
【請求項4】
前記二光束干渉露光に用いられる光は、固体レーザから照射されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のワイヤーグリッド偏光子の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の製造方法により得られたワイヤーグリッド偏光子を備えることを特徴とする液晶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液晶装置を光変調手段として備えることを特徴とするプロジェクタ。



発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細なワイヤーグリッドを有する偏光子の製造方法、これを備えた液晶装置、プロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などに用いられているワイヤーグリッド偏光板は、優れた光学特性を得るために、入射する光の波長よりも微細なグリッドピッチが要求されている。
ワイヤーグリッド偏光板の製造方法としては、フォトリソグラフィー法が用いられており、例えば、レーザ光を利用した二光束干渉露光法を用いる方法が知られている(特許文献1参照)。この方法によれは、干渉光(例えば、固体レーザ光:波長266nm)の波長の約半分のグリッドピッチを有する偏光板を製造することが可能である。
【特許文献1】特開2004−177904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、更に優れた光学特性を有する偏光板、すなわち、更に狭ピッチのワイヤーグリッド偏光板の実現が要請されている。
このため、より波長の短い干渉光を用いることが考えられるが、例えば、F2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外線は、酸素分子に吸収されやすいという性質を有するので、その取り扱いが容易でなく、このため、製造装置(干渉露光装置)の高コスト化を招いてしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、狭ピッチのワイヤーグリッド偏光子を容易かつ低コストに製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るワイヤーグリッド偏光子の製造方法、液晶装置、プロジェクタでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、ワイヤーグリッド偏光子の製造方法が、金属薄膜上に感光性膜を成膜する工程と、前記感光性膜に対して二光束干渉露光を施す工程と、前記感光性膜に対して干渉波の位相をずらして二光束干渉露光を再度施す工程と、前記感光性膜を現像して多数の略平行な直線状の突起部を出現させる工程と、前記感光性膜に対して耐エッチング材料を斜方成膜して耐エッチング膜を形成する工程と、前記耐エッチング膜をマスクとして前記感光性膜をエッチングする工程と、前記感光性膜をマスクとして前記金属薄膜をエッチングする工程と、を有するようにした。
この発明によれば、入射する光の波長よりも微細なグリッドピッチを有する偏光子を容易かつ効率的に製造することができる。
【0006】
前記突起部が、傾斜側面を有するものでは、この傾斜側面を利用して、感光性膜を選択的にエッチングすることが可能となる。
前記感光性膜が、化学増幅型レジストであることを特徴とするものでは、二光束干渉露光により、良好に感光性膜上に微細なストライプ状のパターンを形成することができる。
前記二光束干渉露光に用いられる光が、固体レーザから照射されるものでは、取り扱いが容易であるため、製造装置の低コスト化が実現できる。
【0007】
第2の発明は、液晶装置が、第1の発明の製造方法により得られたワイヤーグリッド偏光子を備えるようにした。
この発明によれば、微細なグリッドピッチを有する偏光子が用いられるので、高精細な表示が可能な液晶装置を得ることができる。
【0008】
第3の発明は、プロジェクタが、第2の発明の液晶装置を光変調手段として備えるようにした。
この発明によれば、光変調が良好に行うことができるので、高精細で高輝度な表示が可能なプロジェクタを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のワイヤーグリッド偏光子の製造方法、液晶装置、プロジェクタの実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、ワイヤーグリッド偏光子を製造する露光装置の構成を示す模式図である。
露光装置1は、感光性膜を露光するために用いられるものであり、レーザ光源10、ミラー11、12、シャッター13、回折型ビームスプリッタ14、モニタ15、レンズ16a,16b、空間フィルタ17a,17b、ミラー18a,18b、ステージ19、位相変調手段20を含んで構成されている。
【0010】
レーザ光源10は、可視光波長よりも短い波長の1本のレーザービームを出力する。このようなレーザ光源10としては、各種のレーザ発振器が好適に用いられる。一例として本実施形態では、固体UVレーザのNd:YVO4(第四高調波:波長266nm、最大出力200mW程度、CW発振)をレーザ光源10として用いる。
そして、レーザ光源10からレーザービームB0(例えば、ビーム径約1mm)が出射されると、各ミラー11、12により進路(光路)を変更され、シャッター13を通過した後に回折型ビームスプリッタ14へ入射する。
【0011】
シャッター13は、上述したようにレーザービームB0の進路中に配置され、当該レーザービームB0を通過させ、又は遮断する。
回折型ビームスプリッタ14は、1本のレーザービームB0を分岐して2本のレーザービームB1,B2を生成する分岐手段である。この回折型ビームスプリッタ14は、石英等の表面に施した微細な凹凸形状による形状効果を用いてその機能を実現する凹凸型回折素子である。当該スプリッタはその全体が石英等のみからなり耐久性が高いため、高出力のUVレーザを照射した場合でも損傷を被ることがなく、ほぼ永久に使用できる。回折型ビームスプリッタ14の形状ならびに深さは最適設計されており、入射するビームをTE偏光とした場合に、等しい強度の2本の回折ビーム(±1次)を発生させる。
本実施形態では、これらの±1次回折ビームを各レーザービームB1,B2として用いている。また、本実施形態では、0次ビームに僅かにエネルギーを残すように回折型ビームスプリッタ14を設計している。光学系を組上げる際に、当該0次ビームB3を参照することにより、各レーザービームB1,B2の基板100上での交叉角度の設定や、基板100の位置合わせを容易に行うことが可能となる。さらに、分岐された2本のレーザービームB1,B2が左右反転せずに干渉するため、コントラストの高い干渉縞を得ることができ、アスペクト比が高いパターンを形成するためには有利である。
【0012】
なお、回折型ビームスプリッタ14によって±2次又はそれより高次の回折ビームを生成し、当該回折ビームを上記レーザービームB1,B2として用いてもよい。また、分岐手段として、回折型ビームスプリッタの代わりに、簡便な振幅分割型ビームスプリッタや耐久性に優れた偏光分離型ビームスプリッタを用いることも可能である。偏向分離型ビームスプリッタを用いた場合には、分離されたビームの一方の偏光方位を波長板を用いてTEへ変換する必要がある。
【0013】
また、蛍光を発する紙媒体などを用いて0次ビームB3を参照することにより、各レーザービームB1,B2の基板100上での交叉角度の設定や、基板100の位置合わせが容易となる。また、0次ビームをモニタ15によって電気信号に変換することで、露光時における積算露光量を推定することが可能となる。そして、この推定露光量からシャッター13を制御することで、基板毎の露光量が均一になり、歩留まりが向上される。
【0014】
レンズ16aは、回折型ビームスプリッタ14により生成された一方のレーザービームB1が入射するように配置されており、当該レーザービームB1を集光する。空間フィルタ17aは、ピンホールを有しており、レンズ16aによる集光後のレーザービームB1が当該ピンホールに入射するように配置されている。すなわち、レンズ16aと空間フィルタ17aによってビームエキスパンダが構成されており、これらによってレーザービームB1のビーム径が拡大される。
同様に、レンズ16bは、回折型ビームスプリッタ14により生成された他方のレーザービームB2が入射するように配置されており、当該レーザービームB2を集光する。空間フィルタ17bは、ピンホールを有しており、レンズ16bによる集光後のレーザービームB2が当該ピンホールに入射するように配置されている。すなわち、レンズ16bと空間フィルタ17bによってビームエキスパンダが構成されており、これらによってレーザービームB2のビーム径が拡大される。
例えば、本実施形態では、各レーザービームB1,B2は、各ビームエキスパンダによってそれぞれビーム径が200mm程度に拡げられる。各空間フィルタ17a,17bの作用により、不要散乱光が除かれた後のビーム波面を露光へ用いることができるので、欠陥やノイズのない、きれいな露光パターンを形成でき、したがって、きれいな潜像を形成できる。
【0015】
ミラー18aは、空間フィルタ17aを通過後のレーザービームB1が入射するように配置されており、当該レーザービームB1を反射して基板100の方向へ導く。
同様に、ミラー18bは、空間フィルタ17bを通過後のレーザービームB2が入射するように配置されており、当該レーザービームB2を反射して基板100の方向へ導く。
これらのミラー18a,18bは、2本のレーザービームB1,B2が所定角度で交叉して干渉光を発生するように当該各レーザービームの進路を設定する光学的手段として機能する。
【0016】
ステージ19は、基板100を支持し、当該基板100上の感光性膜が各レーザービームB1,B2の交叉により発生した干渉光(干渉縞)によって露光され得るようにその相対的な位置を設定する。すなわち、ステージ19は、感光性膜と干渉光の発生位置との相対的な位置を設定する位置設定手段として機能する。
【0017】
位相変調手段20は、一方のレーザービームB2の進路上に配置されて当該レーザービームB2に位相変調を与えるものである。この位相変調手段20により、レーザービームB2に対し、1回目の露光と2回目の露光との相互間に、位相差が与えられる。位相変調手段としては、例えば1/2波長板等が用いられる。1/2波長板は、進相軸と遅相軸を有し、一方の軸からもう一方の軸へ入射偏光方位に合わせることにより、1/2波長板を通過するビーム波面の位相φをπだけずらすことができる。これにより、干渉縞を1/2周期だけ変位させることができる。
なお、本例ではレーザービームB2の進路上に位相変調手段20を配置するが、レーザービームB1の進路上に位相変調手段を配置してもよし、各レーザービームの進路上にそれぞれ位相変調手段を配置してもよい。
【0018】
次に、本発明のワイヤーグリッド偏光板の製造方法の実施形態について、詳細に説明する。
図2から図4は、ワイヤーグリッド偏光板の製造方法を工程順に示す図である。
【0019】
(金属薄膜形成工程、反射防止膜形成工程)
まず、図2(A)に示すように、基板100の一面に金属薄膜101と反射防止膜102とを形成する。
基板100は、被加工体としての金属薄膜101を支持するものであり、ガラス基板、樹脂基板など透光性のものを用いる。本例では、基板100として板厚1mmのガラス基板を用いる。
【0020】
金属薄膜101は、Al、Ag、Au、Cu、Ta、Cr、Moから選択される金属若しくはこれらの金属を含む複合金属からなる膜であり、スパッタや真空蒸着等の成膜方法によって膜厚150nm程度に形成する。
【0021】
反射防止膜102は、上述した干渉光により感光性膜103を露光する際において、金属薄膜表面での入射光の反射を抑制するものであり、スピンコート法などの成膜方法により膜厚75nm程度に形成する。
反射防止膜102としては、干渉光を吸収する等によって当該反射を抑制し得るものであれば、無機材料、有機材料のいずれも採用し得る。特に、日産化学工業株式会社製のDUV44などの有機材料であれば後工程での剥離(除去)が容易となる。これにより、干渉定在波のない良好なパターンを形成できる。
【0022】
(感光性膜形成工程)
次に、図2(B)に示すように、被加工体としての金属薄膜101の上側(本例では反射防止膜102の上面)に感光性膜103を形成する。
感光性膜103としては、光照射を受けた部分に変質を生じ、後の所定処理によって当該光照射部分又は非光照射部分のいずれかを選択的に除去し得る性質を備える材料を用いられる。例えば、本実施形態では、UV波長(λ〜250nm)用に調整された化学増幅型レジストが用いられる。そして、この化学増幅レジストをスピンコート法などの成膜方法によって成膜することにより、膜厚450nm程度の感光性膜103を形成する。
【0023】
(第1の露光工程)
次に、図3(A)に示すように、可視光波長よりも短い波長(本例では266nm)の2本のレーザービームB1,B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。例えば、2本のレーザービームB1,B2の交叉角度を71.8度とすることにより、周期約140nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞に対応した潜像パターン104aが感光性膜103に形成される。
【0024】
(第2の露光工程)
次に、図3(B)に示すように、位相変調手段を操作し、2本のレーザービームB1,B2の相互間に上記第1の露光工程の際とは異なる位相差を与えながら当該各レーザービームB1,B2を所定角度で交叉させて干渉光を発生させ、当該干渉光を照射することによって感光性膜103を露光する。
例えば、2本のレーザービームB1,B2の交叉角度を70度とすることにより、上記のように周期約140nmの干渉縞が得られ、当該干渉縞に対応した潜像パターン104bが感光性膜103に形成される。
このとき、レーザービームB2に対し、1回目の露光と2回目の露光との相互間に、1/2波長分の位相差が与えられる。具体的には、位相変調手段20の方位をπ/2回転させる。その結果、第1の露光工程における潜像パターン104aを、半ピッチ(P/2)だけずらした位置に新たな潜像パターン104bが形成される。
【0025】
なお、本例ではビームエキスパンダによりビーム径が200mm程度まで拡大されたレーザービームB1,B2を用いているので、上記の第1及び第2の露光工程においては、4インチ程度の領域を一括露光できる。露光に要する時間は30秒程度である。また、さらに大きな領域(例えば、8インチ程度)を露光する場合には、基板100をステップ&リピートで移動すればよい。
【0026】
(現像工程)
次に、図3(C)に示すように、露光後の感光性膜103を焼成(ベーキング)し、その後に現像することにより、第1及び第2の露光工程における干渉光のパターンに対応する形状を感光性膜103に発現させる。
第1の露光工程において感光性膜103に形成される潜像パターン104a、及び第2の露光工程において感光性膜103に形成される潜像パターン104bの断面形状は、理論的には矩形となるはずである。しかし、実際には、各条件を調整することにより、矩形の角が丸くなった形状(略サイン波形)となる(図3(A),(B)参照)。
このため、潜像パターン104aと潜像パターン104bとを重ねることにより、図3(C)に示すように、感光性膜103の表面には、多数の略平行な直線状の突起部103aからなるパターン(ストライプ状のパターン)が約70nm程度のピッチを有して発現される。そして、この突起部103は、それぞれ傾斜側面103sを有する形状となる。
【0027】
(耐エッチング層形成工程(斜方成膜工程))
次に、図3(D)に示すように、感光性膜103の表面に、SiO等の誘電体材料(耐エッチング材料)からなる誘電体膜(耐エッチング層)111をスパッタ等の成膜方法によって成膜する。
誘電体材料は、基板100に対して斜め方向、且つ感光性膜103の表面に形成された多数の略平行な直線状の突起部103aのパターンに対して略法線方向から、放出する。この際、基板100に対する誘電体材料の放出角度は、浅い角度である必要がある。浅い角度とすることで、感光性膜103上の各突起部103aの一方の傾斜側面103sのみに誘電体膜111が付着する。他方の傾斜側面103sは、突起部103aの陰となるので、誘電体膜111の付着はない。
このようにして、感光性膜103の表面に、ストライプ状のパターンを有する誘電体膜111が形成される。
なお、基板100に対する誘電体材料の放出角度を制御することにより、誘電体膜111の形成範囲が調整でき、この形成範囲により、製造されるワイヤーグリッド偏光子200のデューティ比が規定される。
【0028】
(第1のエッチング工程)
次に、図4(A)に示すように、感光性膜103上に成膜された誘電体膜111をエッチングマスクとして用いて、感光性膜103を、例えば異方性エッチングする。これにより、上面に誘電体膜111が配置された感光性膜103は残存し、露出していた感光性膜103は除去されて、感光性膜103がストライプ状のパターンを有するように加工される。そして、感光性膜103を除去した部分に、金属薄膜101を露出させる。
【0029】
(第2のエッチング工程)
次に、図4(B)に示すように、残存した感光性膜103をエッチングマスクとして用いて、金属薄膜101を、例えば異方性エッチングする。これにより、金属薄膜101へレジストパターンが転写され、金属薄膜101がストライプ状のパターンを有するように加工される。
エッチング方法としては、原理的にはウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも採用することが可能である。特に、ICP(誘導結合プラズマ)やECR(電子サイクロトロン共鳴)等の方法でドライエッチングすることが好適である。
【0030】
(感光性膜除去工程)
次に、図4(C)に示すように、反射防止膜102、感光性膜103及び誘電体膜111を除去する。これにより、微細なアルミパターンからなるワイヤーグリッド偏光子200が得られる。
なお、反射防止膜102、感光性膜103及び誘電体膜111の除去は、必ずしも必須ではない。ワイヤーグリッド偏光子200に要求される光学特性に応じて、例えば、反射防止膜102、感光性膜103及び誘電体膜111の全てを残存させたり、また、反射防止膜102のみを残存させたりしてもよい。
【0031】
図5は、ワイヤーグリッド偏光子200の光学特性を示す図であり、図5(A)はワイヤーグリッド偏光子200と入射光及び出射光の関係を説明する図であり、図5(B)はワイヤーグリッド偏光子200(グリッドピッチ約70nm)の光学特性を示す図であり、図5(C)は従来のワイヤーグリッド偏光子(グリッドピッチ約140nm)の光学特性を示す図である。なお、図5(B)及び図5(C)において、実線はTM偏光の透過率を示し、破線はTM偏光とTE偏光のコントラスト(TM/TE)を示す。
図5(B)及び図5(C)から明らかなように、ワイヤーグリッド偏光子200は、グリッドピッチを従来に比べて微細化しているので、透過率、コントラストがそれぞれ向上している。なお、ワイヤーグリッド偏光子200のデューティは0.5、ワイヤーグリッドの高さは150nmである。
このように、ワイヤーグリッド偏光子200は、優れた光学特性(透過率、反射率等)を有するので、例えば液晶プロジェクタなどの電子機器へ適用することができる。特に、高分子を用いた偏光子を用いた場合では、高輝度ランプを長時間照射することによる特性の劣化が著しいために液晶プロジェクタの長寿命化の妨げとなっていたが、本実施形態のワイヤーグリッド偏光子200を用いることにより、液晶プロジェクタの長寿命化を図ることが可能となる。
【0032】
以上のように、2本のレーザービームB1,B2をある程度の角度で交叉させることにより、当該レーザービームB1,B2の波長と同程度のピッチ或いはそれ以下のピッチの光強度分布を有する干渉光が得られる。そして、2本のレーザービームB1,B2の相互間の位相差を可変に設定し、干渉光を所定量だけ変位させて多重露光を行うことにより、更に微細な潜像パターン104a,104bを形成することが可能となる。
こうして得られた潜像パターン104a,104bにより、感光性膜103上に多数の略平行な直線状の突起部103aを出現させることができ、この直線状の突起部103aを利用することにより、金属薄膜101をエッチングする際のマスクを形成することができる。
これにより、入射する光の波長よりも短いグリッドピッチのワイヤーグリッド偏光子200を低コストに実現することが可能となる。
また、固体UVレーザをレーザ光源10として用いているので、真空紫外線を用いた場合に比べて、製造装置を簡便な構成とすることができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、露光工程について広いプロセスマージンと高いスループットを確保できるので、量産ラインへの適用が容易である。
また、本実施形態によれば、比較的に大面積の露光領域に対しても容易に対応可能であり、例えば8インチ程度の領域であっても短時間で処理可能である。
【0034】
(液晶装置、プロジェクタ)
次に、上記ワイヤーグリッド偏光子200を備える液晶装置、プロジェクタについて、図を用いて説明する。
図6は、液晶装置600の構成を示す概略断面図である。
液晶装置600は、TFTアレイ基板610と、これに対向配置された対向基板620と、これらの間に挟持された液晶層650とを主体として構成されている。
TFTアレイ基板610は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体610A、およびその内側に形成されたTFT素子630や画素電極609、配向膜616などを主体として構成されている。
一方の対向基板620は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体620A、およびその内側に形成された共通電極621や配向膜622などを主体として構成されている。
【0035】
そして、TFTアレイ基板610と対向基板620との間には、ネマチック液晶等からなる液晶層650が挟持されている。このネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。
【0036】
また、両基板610,620の外側には、偏光板618,628が配置されている。この偏光板618,628は、上述したワイヤーグリッド偏光子200が用いられる。
各偏光板618,628は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。偏光板618,628のワイヤーグリッドに入射した光は、その偏光成分のうち平行導体線の方向と一致した偏光状態の光は反射され、平行導体線の方向に対して垂直の偏光状態の光は反射されることなく、透過する。
TFTアレイ基板610側の偏光板618は、その透過軸が配向膜616の配向規制方向と略一致するように配置される。一方、対向基板620側の偏光板628は、その透過軸が配向膜622の配向規制方向と略一致するように配置されている。
【0037】
液晶装置600は、対向基板620を光源側に向けて配置される。その光源光のうち偏光板628の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板628を透過して液晶装置600に入射する。
非選択電圧印加時の液晶装置600では、基板に対して水平配向した液晶分子が液晶層650の厚さ方向に約90°ねじれたらせん状に積層配置されている。そのため、液晶装置600に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶装置600から出射する。この直線偏光は、偏光板618の透過軸と一致するため、偏光板618を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶装置600では、白表示が行われるようになっている。
また、選択電圧印加時の液晶装置600では、液晶分子が基板に対して垂直配向している。そのため、液晶装置600に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶装置600から出射する。この直線偏光は、偏光板618の透過軸と直交するため、偏光板618を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶装置600では黒表示が行われるようになっている。
なお、液晶装置600は、両基板610,620の外側に偏光板618,628を配置した構成であるが、両基板610,620の内側偏光板618,628を配置(内蔵)した構成であってもよい。
【0038】
図7は、プロジェクタ800の要部を示す概略構成図である。
このプロジェクタ800は、光源810、ダイクロイックミラー813,814、反射ミラー815,816,817、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820、光変調手段822,823,824、クロスダイクロイックプリズム825、投射レンズ826を備える。
このプロジェクタ800は、上記液晶装置600を光変調手段822,823,824として備えている。
【0039】
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
【0040】
各光変調手段822,823,824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。
合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
【0041】
上記実施形態では、3板式のプロジェクタ800(投射型表示装置)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
【0042】
また、本発明の液晶装置600を、プロジェクタ800以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。
また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】ワイヤーグリッド偏光子を製造する露光装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明のワイヤーグリッド偏光板の製造方法を工程順に示す図である。
【図3】図2に続く工程を示す図である。
【図4】図3に続く工程を示す図である。
【図5】ワイヤーグリッド偏光子の光学特性を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプロジェクタの要部を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1…露光装置、 10…レーザ光源(固体レーザ)、 20…位相変調手段、 100…基板、 101…金属薄膜、 103…感光性膜、 103a…突起部、 103s…傾斜側面、 104a,104b…潜像パターン、 111…誘電体膜(耐エッチング膜)、 200…ワイヤーグリッド偏光子、 600…液晶装置、 618,628…偏光板、 800…プロジェクタ、 822,823,824…光変調手段







 

 


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