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液滴吐出ヘッド用吸引装置、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドへの液体充填方法 - セイコーエプソン株式会社
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発明の名称 液滴吐出ヘッド用吸引装置、液滴吐出装置、および液滴吐出ヘッドへの液体充填方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3239(P2007−3239A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181116(P2005−181116)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
発明者 ▲高▼城 富美男
要約 課題
本発明は、コンタミネーションを生じさせることなく、液体貯留部内の液体をノズル孔先端まで効率よく充填する技術を提供することを目的とする。

解決手段
本発明は、液滴吐出ヘッド(10)のノズル孔形成面(12)に対向し、ノズル孔形成面に向かって加圧することが可能な加圧プレート(102)と、加圧プレート上に島状に形成され、加圧プレートで加圧することによってノズル孔に密着する気液分離層(104)と、加圧プレート上に気液分離層を囲むように配置され、加圧プレートで加圧することによってノズル孔形成面と加圧プレートとの間隙を密閉するシール部材(106)と、を備え、加圧プレートの気液分離層の周囲であって、シール部材の内側の領域に、吸引手段に連通される孔(108)が形成されている、液滴吐出ヘッドのノズル孔先端まで液体を充填するための吸引装置を提供するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
ノズル孔と、液体貯留部と、該ノズル孔と該液体貯留部とを接続する流路と、を備える液滴吐出ヘッド用吸引装置であって、該液体貯留部に供給された液体を、該ノズル孔から吸引することによって該ノズル孔先端まで充填する装置であり、
前記液滴吐出ヘッドのノズル孔形成面に対向し、該ノズル孔形成面に向かって加圧することが可能な加圧プレートと、
前記加圧プレート上に島状に形成され、前記加圧プレートで加圧することによって前記ノズル孔に密着する気液分離層と、
前記加圧プレート上に前記気液分離層を囲むように配置され、前記加圧プレートで加圧することによって前記ノズル孔形成面と前記加圧プレートとの間隙を密閉するシール部材と、を備え、
前記加圧プレートの前記気液分離層の周囲であって、かつ前記シール部材の内側の領域に、吸引手段に連通される孔が形成されている、吸引装置。
【請求項2】
前記気液分離層は、多孔質シートに気液分離フィルターが積層されてなり、該気液分離フィルターが前記ノズル孔に密着するように構成されている、請求項1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記気液分離フィルターは、ポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜である、請求項2に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記多孔質シートは、ポリエチレン製である、請求項2または3に記載の吸引装置。
【請求項5】
前記多孔質シートは、その表面を平滑処理されている、請求項2から4のいずれか1項に記載の吸引装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の吸引装置と、吸引手段とを備える液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の吸引装置を用いて、ノズル孔と、液体貯留部と、該ノズル孔と該液体貯留部とを接続する流路とを備える液滴吐出ヘッドのノズル孔先端まで液体を充填させる方法であって、
前記液体貯留部に前記液体を供給する工程と、
前記吸引装置の加圧プレートで加圧して、前記気液分離層を前記ノズル孔に密着させ、前記シール部材により前記ノズル孔形成面と前記加圧プレートとの間隙を密閉する工程と、
前記吸引手段を作動させて、前記ノズル孔形成面、前記加圧プレート、および前記シール部材により画定された密閉空間内を減圧することにより、前記ノズル孔から気体または液体を吸引し、前記液体を、前記ノズル孔先端まで充填させる工程と、を含む液体充填方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッドのノズル孔先端まで、液体を効率よく充填する方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、核酸やタンパク質、細胞等の生体由来物質をプローブとして基板上に固定化したいわゆるマイクロアレイを用い、生体分子間の結合の特異性を利用して、サンプル中の標的物質を検出・測定する方法が広く用いられている。
【0003】
特開平11−187900号公報(特許文献1)には、このようなマイクロアレイを作製する方法として、標的物質に対して特異的に結合可能であるプローブを含む液体を、インクジェット法により固相表面に吐出し、該固相表面にプローブを付着させることを特徴とするプローブの固相へのスポッティング方法が開示されている。
【0004】
また、マイクロアレイには、標的物質をハイスループットに検出するため、微小な領域に多種類のプローブ分子を固定する必要がある。このような必要性に応えるものとして、特開2004−160904号公報(特許文献2)には、複数の液体貯留部を有する第1の基板と、前記複数の液体貯留部にそれぞれ独立に連通する複数の流路を有する第2の基板と、前記複数の流路にそれぞれ独立に連通し、液滴を吐出する複数のノズルを有する一または複数のヘッドチップとを備えたインクジェットヘッドが開示されている。このようなインクジェットヘッドによれば、複数の液体貯留部と、マイクロアレイのスポットの配置に対応させた複数のノズル孔とが、それぞれ流路で連通されているので、多数のプローブを微小領域に固定したマイクロアレイを高速に作製することができる。
【0005】
このようなインクジェットヘッドに設けられた流路は極めて細く形成されているため、液体貯留部に供給された液体は、容易には該流路に流入しないが、液体がノズル孔先端まで到達しないと、安定した吐出を行うことが困難である。特開2004−06650号公報には、このような問題を解決するものとして、インクジェットヘッドのノズル開口面に、気体透過性フィルターを介して吸引キャップを密着させ、ポンプにより前記吸引キャップ内の空気を吸引することにより、液体をノズル先端まで充填させる方法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−187900号公報
【特許文献2】特開2004−160904号公報
【特許文献3】特開2004−06650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ポンプにより吸引キャップ内の空気を吸引すると、気体透過性フィルターも陰圧を受け、ノズル孔への密着性が低下する可能性がある。気体透過性フィルターがノズル孔に密着していないと、吸引したときにノズル孔から液体が流出し、ノズル孔間にコンタミネーションが生じるおそれもあると共に、試料も浪費される。
【0007】
そこで、本発明は、コンタミネーションや試料の浪費を生じさせることなく、液体貯留部内の液体をノズル孔先端まで効率よく充填する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、ノズル孔と、液体貯留部と、該ノズル孔と該液体貯留部とを接続する流路と、を備える液滴吐出ヘッド用吸引装置であって、該液体貯留部に供給された液体を、該ノズル孔から吸引することによって該ノズル孔先端まで充填する装置であり、前記液滴吐出ヘッドのノズル孔形成面に対向し、該ノズル孔形成面に向かって加圧することが可能な加圧プレートと、前記加圧プレート上に島状に形成され、前記加圧プレートで加圧することによって前記ノズル孔に密着する気液分離層と、前記加圧プレート上に前記気液分離層を囲むように配置され、前記加圧プレートで加圧することによって前記ノズル孔形成面と前記加圧プレートとの間隙を密閉するシール部材と、を備え、前記加圧プレートの前記気液分離層の周囲であって、かつ前記シール部材の内側の領域に、吸引手段に連通される孔が形成されている、吸引装置を提供する。
【0009】
本明細書において、気液分離層とは、気体のみ透過させ、液体を透過させない層を意味する。本発明に係る吸引装置によれば、気液分離層に加圧プレートで加圧することによって、吸引時にも気液分離層がノズル孔に密着した状態を維持することができる。従って、ノズル孔からの液体の流出を妨げ、コンタミネーションが生じるのを抑えることができる。一方、吸引ポンプ等の吸引手段を作動させると、シール部材と加圧プレートとノズル孔形成面とに画定される空間が減圧される。これにより、ノズル孔内部の気体は気液分離層を通過して外部に排出されるので、ノズル孔先端まで液体を充填することができる。
【0010】
尚、本発明に係る吸引装置においては、加圧プレートを可動な構成とし、加圧プレートの動作によって吸引装置を液滴吐出ヘッドに押し付けるようにしてもよいし、加圧プレートを固定して、液滴吐出ヘッドを加圧プレートに押し付けるように移動させて密着させてもよい。
【0011】
本発明に係る吸引装置において、気液分離層は、多孔質シートに気液分離フィルターが積層されてなり、該気液分離フィルターが前記ノズル孔に密着するように構成されていることが好ましい。ここで、多孔質シートとは、気体または液体を十分に透過させる多孔性の物質であるとともに、適度な強度を有しており、加圧プレートで加圧した際にも容易には変形せず、気液分離フィルターをノズル孔に密着させて担持できるシートである。一方、気液分離フィルターとは、気体のみ透過させ、液体を透過させない膜状体を意味する。多孔質シートに気液分離フィルターを積層することによって、気液分離フィルターのノズル孔への密着性が著しく高められ、吸引時にノズル孔から液体が流出するのを妨げることが可能となる。
【0012】
気液分離フィルターとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。また、多孔質シートは、ポリエチレン製のものが好ましく、その表面を平滑処理されていることも好ましい。多孔質シートの表面を平滑処理しておくことによって、気液分離層とノズル孔形成面とを、隙間なく密着させることができる。
【0013】
また、本発明は、上述した吸引装置と、吸引手段とを備える液滴吐出装置をも提供する。吸引手段としては、特に限定されないが、たとえば公知の吸引ポンプを用いることができる。このような液滴吐出装置によれば、気液分離層がノズル孔からはずれて液体が流出するのを防ぎつつ、ノズル孔内部の気体を吸引して液体をノズル孔先端まで充填させることができる。
【0014】
また、本発明は、本発明に係る吸引装置を用いて、ノズル孔と、液体貯留部と、該ノズル孔と該液体貯留部とを接続する流路とを備える液滴吐出ヘッドのノズル孔先端まで液体を充填させる方法であって、前記液体貯留部に前記液体を供給する工程と、前記吸引装置の加圧プレートで加圧して、前記気液分離層を前記ノズル孔に密着させ、前記シール部材により前記ノズル孔形成面と前記加圧プレートとの間を密閉する工程と、前記吸引手段を作動させて、前記ノズル孔形成面と前記加圧プレートと前記シール部材とにより画定された密閉空間内を減圧することにより、前記ノズル孔から前記流路内の気体または液体を吸引し、前記液体を、前記ノズル孔先端まで充填させる工程と、を含む液体充填方法をも提供する。
【0015】
このような構成によれば、加圧プレートで加圧することによって、気液分離層をノズル孔に密着させた状態を維持しながら、ノズル孔形成面と加圧プレートとシール部材とによって画定された空間内を減圧することが可能となる。そのため、ノズル孔から液体が流出するのを防ぎつつ、ノズル孔内の気体を十分に吸引除去し、ノズル孔先端まで液体を充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(吸引装置)
図1に、本発明にかかる吸引装置100を示す。
【0017】
図1(A)は、吸引装置100の概略斜視図である。図1(A)に示されるように、吸引装置100は、加圧プレート102と、加圧プレート102上に島状に形成された気液分離層104と、気液分離層104を囲むように配置されたシール部材106とを備えており、加圧プレート102には、気液分離層の104の周囲であってシール部材106の内側となる領域に孔108aおよび108bが形成されている。
【0018】
図1(B)は、図1(A)におけるIB−IB線に沿って切断した吸引装置100の概略断面図である。図示されるように、気液分離層104は、多孔質シート112と気液分離フィルター110が積層された構造となっている。また、孔108aおよび108bは、加圧プレート102内部で結合して一つの孔となり、図示されない吸引手段(吸引ポンプ等)に連通させることができるようになっている。
【0019】
加圧プレート102は、圧力をかけても容易に変形せず、気液分離層104およびシール部材106に均等に圧力を加えられるものであればよく、その材料は特に限定されないが、例えば、合成樹脂、金属基板、ガラス基板、シリコン基板等を適宜選択して用いることができる。また、加圧プレート102に貫通孔108a、108bを形成する方法も特に限定されないが、図に示されるように加圧プレート102の内部で孔が屈曲する場合は、貫通孔や溝が設けられた基板を積層することによって、当該貫通孔や溝を接続させ、孔108a、108bを形成することもできる。
【0020】
多孔質シート112は、親水性でも疎水性でもよいが、空孔が空間的に連続して通気性がよいものが適している。また、加圧プレートによって、ノズル孔形成面に押し当てられたときに空孔がつぶれない程度の強度が必要である。さらに、多孔質シート112の表面が平滑処理されていれば、気液分離層104とノズル孔形成面との間に隙間を生じさせることなく、密着させることが可能である。このような多孔質シート112としては、例えば超高分子量ポリエチレン多孔質フィルム「サンマップ」(厚さ0.5mm、平滑処理済;日東電工株式会社製)を用いることができる。
【0021】
一方、気液分離フィルター110は、液滴吐出ヘッドのノズル孔に密着可能であって、気体のみ透過させて液体を透過させない限り、どのようなフィルターを使用してもよいが、撥水性の高いものが好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。尚、気液分離フィルター110は、多孔質シート112に接着してもよく、また着脱可能として、汚れが付着したら交換できる構成としてもよい。
【0022】
また、シール部材106としては、加圧プレート102によって加圧されたときに、液滴吐出ヘッドのノズル孔形成面に密着し、加圧プレート102と該ノズル孔形成面の間隙を密閉できる弾性材料が好ましく、フッ素ゴムパッキン、ガスケット、Oリング等が用いられる。シール部材106は、加圧プレート102上に固定されていてもよいし、着脱可能な構成として、その都度適当な位置に配置して用いてもよい。シール部材106の厚さを、気液分離層104と略等しいかわずかに厚い程度に形成しておくことにより、加圧プレート102とノズル孔形成面との密閉性を高め、かつ気液分離層104をノズル孔形成面に密着させることが可能となる。
(液滴吐出ヘッド)
ここで、図4〜6を用い、このような吸引装置100を使用して液体を充填するのに適した液滴吐出ヘッドの一例である、インクジェットヘッド10について説明する。
【0023】
図4(A)は、インクジェットヘッド10の概略斜視図である。インクジェットヘッド10は、ノズル孔が設けられたノズル孔形成面12と、ノズル孔形成面12に対向し、リザーバ(液体貯留部)16が設けられたリザーバ形成面14とを備えている。
【0024】
本実施形態では、リザーバ形成面14には、リザーバ16が8行×12列で96個設けられている。汎用されるマイクロタイタープレートのウェルの数および配置に従ってリザーバ16を設けることによって、マイクロタイタープレートから分注機等を使用して各リザーバに同一または異なる液体を供給することができる。
【0025】
図4(B)は、図4(A)におけるIVB−IVB線に沿ってインクジェットヘッド10を切断した概略断面図である。但し、説明の便宜上、実際にはIVB−IVB線に沿った断面には現れない流路13c、13j、加圧室22c、22j、およびノズル孔26c、26jも示されている。本実施形態においては、図4(B)に示すように、インクジェットヘッド10は、基板30、40および50が積層されて形成されており、ノズル孔形成面の中央には、ノズル孔26および加圧室22が形成されたヘッドチップ20が接着されている。基板50に形成されたリザーバ(液滴貯留部)16a〜16lに供給された液体は、流路13を通って加圧室22に到達し、加圧手段によって加圧され、ノズル孔26から吐出される。
【0026】
図5(A)に基板30の平面図を示す。基板30には、基板40を積層することによって流路13を形成する溝13'が96本形成されている。溝13'は、基板30の周縁部から中央に向かって集束し、各溝13'の基板周縁側の末端はリザーバ16のピッチ(形成間隔)と一致していている。一方、各溝13'の基板中央側の末端には、圧力室に接続する貫通孔が設けられている。
【0027】
図5(B)に基板30上に積層される基板40の平面図を示す。基板40には8行×12列で96個の貫通孔42が形成されている。貫通孔42のピッチは、リザーバ16のピッチに一致する。貫通孔42は、流路13とリザーバ16とを連通させる流路となる。
【0028】
図5(C)に、基板40上に積層される基板50の平面図を示す。基板50には、貫通孔52が96個形成されており、基板50を基板40上に積層することによって、貫通孔52がリザーバ16を形成する。
【0029】
基板30、40および50は、ガラス、樹脂等の材料で形成することができ、溝や貫通孔は、エッチング、射出成形等、材料に適した方法によって形成することができる。基板30〜50を積層し、熱溶着、または接着剤等を用いる方法により接着した後、さらに、基板30の中央にヘッドチップ20を接着して、インクジェットヘッド10が完成する。
【0030】
ヘッドチップ20は、電気的に接続するだけで単独で加圧室の加圧手段を作動させ、ノズル孔から液滴を吐出可能な構成となっている。図6に、ヘッドチップ20の一例として静電駆動方式のヘッドチップの拡大断面図を示す。説明の便宜上、基板40および50は省略し、基板30のみ示している。ヘッドチップ20は、電極68が形成された電極基板71、加圧室22を形成する加圧室基板72、およびノズル孔26が形成されたノズル基板73により構成されている。加圧室22に流入した液体は、図示しない共通電極と電極68との間に電圧を加えると、振動板69が弾性変位することによって加圧され、ノズル孔26から吐出される。本実施形態では、電極68と振動板69とが加圧手段に該当する。尚、電極基板71には、図中下側の面から溝が形成され、その天井部に電極68が形成されているため、電極68と振動板69との間にはわずかな空隙(エアギャップ)が形成されている。加圧室基板72、ノズル基板73、電極基板71の材料は特に限定されないが、吐出する液体に生体試料が含まれる場合には、ガラス、シリコン等が適している。
【0031】
ヘッドチップ20を、基板30に接着することにより、電極基板および加圧室基板72に設けられた貫通孔が、基板30の貫通孔に接続し、図示しないリザーバと加圧室22が連通され、インクジェットヘッド10が完成する。尚、本実施形態では、ヘッドチップのノズルが形成された面と基板30の下側の面とにわずかな段差が存在する構成となって
いるが、双方を併せてノズル孔形成面12と呼ぶ。
(液体充填方法)
次に、本発明に係る吸引装置100を使用して、上述したインクジェットヘッド10のノズル孔先端まで液体を充填する方法について説明する。
【0032】
図2は、本発明に係る液体充填方法を説明する工程図である。
【0033】
まず、インクジェットヘッド10のリザーバ16に、吐出すべき液体を供給する。続いて、加圧プレート102で加圧して、気液分離層104をノズル孔に、シール部材106をノズル孔形成面12にそれぞれ密着させる。密着した様子を図2(B)に示す。多孔質シート112は、加圧によって容易に変形しないため、気液分離フィルター110は、ノズル孔形成面12との間に隙間が生じることなく密着させられる。こうして、ノズル孔形成面12、加圧プレート102、およびシール部材106に画定された密閉空間が形成される。
【0034】
次に、図2(C)に示されるように、図示されない吸引手段を作動させて吸引することによって、上記密閉空間内が減圧され、リザーバ16に収容されていた液体が、流路13および加圧室22を経てノズル孔先端まで吸引される。
【0035】
図3に、吸引を行ったときの気体の流れを示す。流路13、加圧室22内の気体は、吸引によってノズル孔26を経て気液分離フィルター110を透過し、多孔質シート112を通って気液分離層104外に排出され、孔108aまたは108bを介して外部に排出される。吸引するための孔108aおよび108bは、気液分離層104から離れた位置に形成されているので、気液分離フィルター110や、多孔質シート112に直接陰圧がかからない。また、気液分離層の下に孔108aおよび108bが形成されている場合に比べて加圧プレートの荷重が均一にノズル孔形成面に伝えられる。吸引する間も加圧プレート102による加圧は継続されるので、気液分離層104がノズル孔26に密着した状態が維持され、ノズル孔26先端に達した液体がノズル孔26から外に流出するのを妨げることができる。例えば、各リザーバ16に供給された液体の粘性にばらつきがあり、流路13を移動する速度が異なっていても、すべての液体がノズル孔26先端に充填されるまで、他の液体はノズル孔26から流出することなくそこで保持される。ノズル孔26からの流出を防ぐことにより、高価な試料や貴重な試料の浪費も防ぐことが可能であり、またノズル孔形成面12の汚染も回避することができる。
(液滴吐出装置)
次に、図7を用いて、吸引装置100を備える液滴吐出装置の一例であるマイクロアレイ製造装置200について説明する。
【0036】
マイクロアレイ製造装置200は、ガラス等の基板202上に生体分子を含む試料溶液の液滴を複数配置して作製されるマイクロアレイを製造するためのものであり、基台220上に、複数の基板202を載置可能に構成されたテーブル204と、インクジェットヘッド10をY方向に自在に移動させるためのY方向駆動軸216と、テーブル204をX方向に自在に移動させるためのX方向駆動軸214と、を備える。また、インクジェットヘッド10を固定するための固定手段212と、固定手段212をZ方向に自在に移動させるためのZ方向駆動軸218と、をも備えている。
【0037】
基台220上には、さらに、吸引装置100が固定されている。インクジェットヘッド10のリザーバ16に吐出する液体を供給し、インクジェットヘッド10を固定手段212に固定した後、基板202への吐出に先立って、X方向駆動軸214とY方向駆動軸216を作動させて、吸引装置100の上方まで移動させる。そして、Z方向駆動軸218を作動させて、インクジェットヘッド10を下降させ、気液分離層104がノズル孔26に密着し、シール部材106がノズル孔形成面12と加圧プレート102との間隙を密閉するように配置する。この状態で、吸引装置100の孔108に連結された図示されない吸引ポンプを作動させ、リザーバ16に供給された液体をノズル孔先端まで充填する。
【0038】
吸引を終えたら、Z方向駆動軸218を作動させて、インクジェットヘッド10を適宜上昇させた後、X方向駆動軸214およびY方向駆動軸216を作動させて、インクジェットヘッド10を基板202の上方に移動させる。続いて、Z方向駆動軸218を作動させてノズル孔26と基板202との距離を調整した後、吐出を行う。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範
囲内において、種々に変更して実施することが可能である。気液分離層は、気液分離フィルターと多孔質シートを積層したものに限定されず、気体のみ透過させること、加圧プレートによって加圧されても容易には変形されず気体透過性を維持できること、ノズル孔形成面に密着すること、等の条件を果たし、本発明の課題を解決するものであれば、いずれの材料、形状のものを用いてもよい。また、吸引手段に連通される孔も、2つに限定されず、1つであっても3つ以上であってもよい。また、加圧プレートと、シール部材とは、例えば樹脂等によって一体に構成されたものを用いることもできる。さらに、上述の実施形態では、Z方向駆動軸を作動させて、インクジェットヘッド10を吸引手段100に押し付けるようにして気液分離層104とノズル孔26とを密着させ、シール部材106によってノズル孔形成面12と加圧プレート102との間隙を密閉させたが、吸引手段100の加圧プレートを可動な構成とし、静止したインクジェットヘッド10に吸引手段を押し付けるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る吸引装置を示す概略斜視図および断面図である。
【図2】本発明に係る液体充填方法を説明する工程図である。
【図3】本発明に係る吸引装置における吸引時の気体の動きを示す説明図である。
【図4】本発明に係る吸引装置を使用できる液滴吐出ヘッドの一例である。
【図5】図4に示す液滴吐出ヘッドを構成する基板の概略平面図である。
【図6】図4に示す液滴吐出ヘッドのヘッドチップの断面図である。
【図7】本発明に係る液滴吐出装置の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
100…吸引装置、102…加圧プレート、104…気液分離層、106…シール部材、108…孔、110…気液分離フィルター、112…多孔質シート、10…液滴吐出ヘッド、12…ノズル孔形成面、13…流路、16…リザーバ、30、40、50…基板、20…ヘッドチップ、22…加圧室、26…ノズル孔、200…液滴吐出装置





 

 


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