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発明の名称 車両前照灯
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−214074(P2007−214074A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−35185(P2006−35185)
出願日 平成18年2月13日(2006.2.13)
代理人 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
発明者 山中 幸雄
要約 課題
本発明は、簡単な構成により、カットオフラインより下方の配光分布を変化させて、遠方視認性及び車両手前の視認性を向上するようにした車両前照灯を提供することを目的とする。

解決手段
光源11,反射面12,投影レンズ13,カットオフラインを画成する遮光部材14を備えた車両前照灯10において、上記遮光部材が移動手段により光軸方向に移動可能である可動部分を含み、この可動部分の光源側に一体に取り付けられた後方に向かって凹状の凹面鏡が、上記可動部分が挿入位置に在るとき、その中心が光源付近に位置するように、車両前照灯10を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
光源と、
第一の焦点位置が光源付近に位置し、且つ第二の焦点位置が光源からほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置される凹状の楕円系の反射面と、
光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に配置された凸状の投影レンズと、
上縁が上記光源から投影レンズへの反射光を遮光してカットオフラインを画成するように形成され、上記反射面の第二の焦点位置付近である挿入位置と当該第二の焦点位置から離間した退避位置との間を移動する遮光部材と、
上記反射面の反射方向側に設けられ上記挿入位置と退避位置との間を移動可能であり、上記光源からの光を当該反射面に反射する凹面鏡と、
上記遮光部材及び凹面鏡を挿入位置に挿抜するための駆動装置と、を備える車両前照灯であり、
凹面鏡の中心が、
上記遮光部材が挿入位置にあるときには上記光源付近にある車両前照灯。
【請求項2】
光源と、
光源からの光を前方に向かって反射させるように、第一の焦点位置が光源付近に位置し、且つ第二の焦点位置が前方にほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置された前方に向かって凹状の楕円系の反射面と、
上記反射面の前方にて、光源の光軸上にて、その光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に位置するように配置された凸状の投影レンズと、
上記反射面の第二の焦点位置付近に配置され、上縁がカットオフラインを画成するように形成された遮光部材と、
を備えている、車両前照灯において、
上記遮光部材が移動手段により光軸方向に移動可能である可動部分を含んでいると共に、
さらに、上記遮光部材の可動部分の光源側に、後方に向かって凹状の凹面鏡が一体的に取り付けられており、
上記凹面鏡が、上記遮光部材の可動部分が上記反射面の第二の焦点位置付近(挿入位置)に位置するとき、その中心が光源付近に位置するように形成されていて、
上記遮光部材の可動部分が上記挿入位置に在るとき、中心付近の光度が高い配光パターンが形成され、
また上記遮光部材の可動部分が挿入位置から光軸に沿って移動したとき、やや拡散した配光パターンが形成される
ことを特徴とする、車両前照灯。
【請求項3】
上記移動手段が、自動車の走行速度に対応して、上記遮光部材の可動部分を光軸方向に関して段階的または連続的に移動させることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。
【請求項4】
上記遮光部材が、さらに挿入位置に固定された固定部分を備えており、上記可動部分が、上記固定部分の光源側に移動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
【請求項5】
上記遮光部材が、さらに上記固定部分の投影レンズ側に第二の可動部分を備えており、
上記第二の可動部分が、上記移動手段により、上記可動部分と連動して、上記可動部分とは反対方向に移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の車両前照灯。
【請求項6】
上記移動手段が、自動車の走行状態に対応して、上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分と凹面鏡を光軸方向に移動させることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の車両前照灯。
【請求項7】
上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分が、配光パターンにおける少なくとも自動車の対向車線側に向かう光を遮断することを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の車両前照灯。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の前部に設けられた前照灯または補助前照灯として使用されるプロジェクタタイプの車両前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような車両前照灯は、例えば図7に示すように、構成されている。 即ち、図7において、車両前照灯1は、光源としてのバルブ2と、反射面3と、投影レンズ4と、遮光部材5と、から構成されている。
【0003】
上記反射面3は、バルブ2を第一焦点(後側の焦点)とし且つ長軸が前方に向かってほぼ水平に延びる楕円系反射面から構成されており、その内面が反射面として形成されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
【0004】
上記投影レンズ4は、凸レンズから構成されており、その光源側(後側)の焦点が、上記反射面3の第二の焦点位置付近に配置されている。上記投影レンズ4は、バルブ2または反射面3から前方に向かって進む光を集光し、前方に向かって照射するようになっている。
【0005】
上記遮光部材5は、前方に向かって照射される光に対して所定のすれ違いビーム用の配光パターンを付与する。上記遮光部材5は、上記反射面3の第二の焦点位置付近に配置されていると共に、上記配光パターンにカットオフラインを形成するために、その上縁5aが所定形状に形成されている。
【0006】
このような構成の車両前照灯1によれば、バルブ2が給電され、発光することにより、バルブ2から出射した光は、直接に、または上記反射面3で反射されて、この反射面3の第二焦点付近に向かって前方に進む。そして、この光は、投影レンズ4により集束されながら、前方に向かって照射される。
その際、前方に向かって照射される光は、その一部が遮光部材5により遮断されると共に、この遮光部材5の上縁5aによりカットオフラインを形成されて、すれ違いビームとして前方に向かって照射されることになる。
【0007】
これにより、図8に示すように、上記カットオフラインが投影レンズ5により投影されることになるので、配光パターンに関して、中心から対向車側で(右側)で水平線よりやや下方にて水平に、そして中心から自車側(左側)にてほぼ水平線に沿って水平に延びるカットオフラインCが形成され、このカットオフラインCの下側のみに対して、すれ違いビームに適した光が照射されるようになっている。
【0008】
このようにして、このような車両前照灯1においては、すれ違いビームの際には、上記遮光部材5によりカットオフラインCが形成されることにより、すれ違いビーム用の配光パターンが形成されるようになっている。
【0009】
ところで、上述した車両前照灯1においては、そのカットオフラインCによるすれ違いビーム用の配光パターンは一定である。
これに対して、近年AFSとして可変配光機能を備えた車両前照灯が認められるようになってきており、カーブ走行時に光軸を正面から左右何れかに移動することによって、進行方向の視認性を向上させるようにした車両前照灯を搭載した自動車が既に販売されている。
光軸を移動する方法としては、カットオフラインを画成する遮光部材やシェードを水平方向に揺動したり、反射面の一部を揺動したり、あるいは専用の光源を別途点灯するものがある。
【0010】
しかしながら、例えば高速道路走行時には遠方視認性が重要であり、あるいは市街走行時には、比較的前方の近い領域の視認性が重要である。
このような高速道路走行時の遠方視認性と、市街地走行時の車両手前の視認性を実現するために、特許文献1〜特許文献4による車両前照灯が開示されている。
【0011】
特許文献1による車両用前照灯においては、図9に示すように、遮光部材5を上下方向に移動可能に配置して、高速道路走行時には、図10に示すように、カットオフラインC1を僅かに上昇させることにより、遠方視認性を確保するようにしている。
【0012】
また、特許文献2による車両用前照灯においては、図11に示すように、二つの互いに高さの異なる遮光部材5b,5cを用意して、これらの遮光部材5b,5cを横方向に延びる水平回転軸5dの周りに取り付ける。
そして、この水平回転軸5dを回動させることにより、各遮光部材5bまたは5cを所定位置に持ち来たして、遮光部材5の上縁の位置を切換えるように構成されている。
これにより、高速道路走行時には、図11に示すように、上縁がより低く設定されている遮光部材5cを所定位置に挿入することにより、同様に図10に示すように、カットオフラインC1を僅かに上昇させて、遠方視認性を確保するように構成されている。
【0013】
また、特許文献3による車両用前照灯においては、光軸の上方に配置された可動リフレクタで反射させた光を、光軸の下方に配置された互いに光学特性の異なる複数個の付加リフレクタのそれぞれに対して選択的に入射させて、これらの付加リフレクタで反射した光を投影レンズを介さずに前方に向かって反射させるように構成されている。
これにより、上記可動リフレクタを車両の走行状況等に対応して移動させることにより、各付加リフレクタにより前方に向かって光を反射させて、配光パターンを切換えることができる。
【0014】
さらに、特許文献4による車両用前照灯においては、反射面の上端付近に配置された可動シェードにより、反射面の上方領域で反射され投影レンズに入射する光を通過させ、あるいは部分的に遮断することにより、カットオフラインより下方の領域の配光パターンを変更するように構成されている。
【特許文献1】実開平07−036305号
【特許文献2】特許第2861737号
【特許文献3】特開2005−347127号
【特許文献4】特開2005−347128号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上述した特許文献1及び特許文献2による車両用前照灯においては、それぞれ高速道路走行時に、遮光部材の上縁を僅かに上方に移動させることによって、カットオフラインを僅かに上昇させる。これにより、水平線付近に向かって光を照射させることにより、遠方視認性を確保するようにしている。
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2による車両用前照灯においては、高速道路走行時及び市街地走行時において、カットオフラインから十分に下方、即ち車両手前に対応する領域の配光特性を変化させることができない。
このため、市街地走行時に車両手前を明るくするという要求を満たすことはできなかった。
【0016】
また、特許文献3による車両用前照灯においては、可動リフレクタ及び付加リフレクタが、それぞれ車両前照灯の上方及び下方に配置されることから、部品点数が多くなると共に、上下方向に関して大型化してしまう。
【0017】
さらに、特許文献4による車両用前照灯においては、可動シェードが遮光状態から減光状態を経て遮光解除状態まで大きく揺動する必要があることから、可動シェードの比較的大きな揺動スペースが必要になると共に、この可動シェードを揺動させるための駆動機構が大型化してしまう。
【0018】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、カットオフラインより下方の配光分布を変化させて、高速走行時等における遠方視認性を向上すると共に、市街地走行時等における車両から近距離の視認性を向上するようにした車両前照灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的は、本発明によれば、光源と、第一の焦点位置が光源付近に位置し、且つ第二の焦点位置が光源からほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置される凹状の楕円系の反射面と、光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に配置された凸状の投影レンズと、上縁が上記光源から投影レンズへの反射光を遮光してカットオフラインを画成するように形成され、上記反射面の第二の焦点位置付近である挿入位置と当該第二の焦点位置から離間した退避位置との間を移動する遮光部材と、上記反射面の反射方向側に設けられ上記挿入位置と退避位置との間を移動可能であり、上記光源からの光を当該反射面に反射する凹面鏡と、上記遮光部材及び凹面鏡を挿入位置に挿抜するための駆動装置と、を備える車両前照灯であり、凹面鏡の中心が、上記遮光部材が挿入位置にあるときには上記光源付近にある車両前照灯により、達成される。
【0020】
更に上記目的は、本発明によれば、光源と、光源からの光を前方に向かって反射させるように、第一の焦点位置が光源付近に位置し、且つ第二の焦点位置が前方にほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置された前方に向かって凹状の楕円系の反射面と、上記反射面の前方にて、光源の光軸上にて、その光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に位置するように配置された凸状の投影レンズと、上記反射面の第二の焦点位置付近に配置され、上縁がカットオフラインを画成するように形成された遮光部材と、を備えている、車両前照灯において、上記遮光部材が移動手段により光軸方向に移動可能である可動部分を含んでいると共に、さらに、上記遮光部材の可動部分の光源側に、後方に向かって凹状の凹面鏡が一体的に取り付けられており、上記凹面鏡が、上記遮光部材の可動部分が上記反射面の第二の焦点位置付近(挿入位置)に位置するとき、その中心が光源付近に位置するように形成されていて、上記遮光部材の可動部分が上記挿入位置に在るとき、中心付近の光度が高い配光パターンが形成され、また上記遮光部材の可動部分が挿入位置から光軸に沿って移動したとき、やや拡散した配光パターンが形成されることを特徴とする、車両前照灯により、達成される。
【0021】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記移動手段が、自動車の走行速度に対応して、上記遮光部材の可動部分を光軸方向に関して段階的または連続的に移動させる。
【0022】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記遮光部材が、さらに挿入位置に固定された固定部分を備えており、上記可動部分が、上記固定部分の光源側に移動可能である。
【0023】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記遮光部材が、さらに上記固定部分の投影レンズ側に第二の可動部分を備えており、上記第二の可動部分が、上記移動手段により、上記可動部分と連動して、上記可動部分とは反対方向に移動可能である。
【0024】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記移動手段が、自動車の走行状態に対応して、上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分と凹面鏡を光軸方向に移動させる。
【0025】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分が、配光パターンにおける少なくとも自動車の対向車線側に向かう光を遮断する。
【発明の効果】
【0026】
上記構成によれば、光源から出射した光が、直接にまたは反射面で反射されて、その第二の焦点位置に向かって集束され、さらに投影レンズを介して前方に向かって照射される。
【0027】
ここで、高速走行時や直線道路走行時等には、遮光部材の可動部分が移動手段により光路中にて反射面の第二の焦点位置付近に挿入される。
これにより、反射面から投影レンズに入射する光の一部が、上記遮光部材の可動部分によって遮断される。これにより、前方に向かって照射される照射光の配光パターンには、水平線よりやや下方のカットオフラインが形成される。
その際、上記遮光部材の可動部分が投影レンズの後側焦点位置付近に位置することにより、上記遮光部材の可動部分の上縁が水平線よりやや下方にてシャープに投影され、カットオフラインの位置にはっきりした明暗境界線が形成されることになる。従って、対向車や歩行者に対して幻惑光を与えることがない。
【0028】
また、光源から上記遮光部材の可動部分の光源側に取り付けられた凹面鏡に入射した光は、この凹面鏡により反射されて光源に戻り、さらに反射面で反射される。この光は、その第二の焦点位置に向かって集束した後、投影レンズを介して前方に向かって中心付近に集束して照射される。
従って、従来、遮光部材で遮断されていた光が、凹面鏡により反射される。上記遮光部材の可動部分の上側を通って前方の中心付近に向かって照射される。このため、本発明によれば、光源からの光の利用効率が向上すると共に、遠方視認性が向上することになる。
このようにして、本発明ではカットオフラインが水平線よりやや下方に位置すると共に、中心付近の光度が高められる。このため、本発明によれば、遠方視認性が良好となり、高速走行や直線走行のために最適な配光パターンが得られることになる。
【0029】
これに対して、市街地走行時や屈曲路走行時等には、上記遮光部材の可動部分が移動手段により光軸方向前方または後方に移動されるので、上記遮光部材の可動部分が、投影レンズの後側の焦点位置からずれることになる。
これにより、反射面から投影レンズに入射する光の一部が、上記遮光部材の可動部分によって遮断されるので、前方に向かって照射される照射光の配光パターンに、上記遮光部材の可動部分の上縁の投影像によってカットオフラインが形成される。
その際、遮光部材の可動部分が投影レンズの後側の焦点位置からずれているために、遮光部材の可動部分の上縁の投影像即ちカットオフラインによる明暗境界線がぼやける。これにより、この明暗境界線にてなだらかな光度勾配が備えられることになるので、水平線より上側の視認性が向上することになる。
【0030】
また、光源から上記遮光部材の可動部分の光源側に取り付けられた凹面鏡に入射した光は、この凹面鏡により反射される。その際、この凹面鏡の中心が光源からずれることにより、凹面鏡による反射光は、やや拡散することになる。従って、この凹面鏡による反射光は、さらに反射面で反射されたとき、その第二の焦点位置に向かって集束せず、遮光部材の可動部分の上側を通って、投影レンズを介して前方に向かって照射される。
このとき、凹面鏡による反射光は、第二の焦点位置に向かう集束光に対してやや拡散しているので、上記遮光部材の可動部分の上側を通って、より下方に即ち車両手前にも照射されることになる。
【0031】
このようにして、市街地走行時や屈曲路走行時等には、上記遮光部材の可動部分が光軸に沿って挿入位置から前方または後方に移動するので、凹面鏡で反射された光がやや拡散することにより、配光パターンにおけるカットオフラインより低い方向即ち車両手前に対応する領域の光度を高めることができる。
また、カットオフラインによる明暗境界線がぼけることにより、明暗境界線付近の視認性が向上すると共に、車両手前が明るくなることにより、車両前方の近い領域の視認性が向上するので、市街地走行や屈曲路走行等のために最適な配光パターンが得られることになる。
【0032】
上記移動手段が、自動車の走行速度に対応して、上記遮光部材の可動部分を光軸方向に関して段階的または連続的に移動させる場合には、自動車が高い速度で走行しているときには、高速走行に適した配光パターンが形成されると共に、自動車の走行速度が低くなると、それに対応して遮光部材の可動部分が挿入位置から段階的または連続的にずれるので、走行速度に対応して市街地走行や屈曲路走行等に適した配光パターンが形成される。
【0033】
上記遮光部材が、さらに挿入位置に固定された固定部分を備えており、上記可動部分が、上記固定部分の光源側に移動可能である場合には、上記遮光部材の可動部分が挿入位置から光軸方向に移動したときにも、上記固定部分の上縁によりはっきりした明暗境界線が形成される。また、上記固定部分の光軸方向の厚さに基づいて上記固定部分の上面で反射された光が、配光パターンにおける所謂オーバーヘッドサイン領域を形成する。これにより、例えば車両前方の上方に位置する標識等の視認性が確保され得ることになる。
【0034】
上記遮光部材が、さらに上記固定部分の投影レンズ側に第二の可動部分を備えており、上記第二の可動部分が、上記移動手段により、上記可動部分と連動して、上記可動部分とは反対方向に移動可能である場合には、上記遮光部材の二つの可動部分が連動して互いに反対方向に移動することにより、投影レンズの焦点位置からのずれにより発生する色収差が相殺されることになる。
【0035】
上記移動手段が、自動車の走行状態に対応して、上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分と凹面鏡を光軸方向に移動させる場合には、例えば道路情報に基づいて、高速道路または一般道路の走行中に、それぞれ適正な配光パターンを形成することが可能となる。
【0036】
上記遮光部材の可動部分及び/または第二の可動部分が、配光パターンにおける少なくとも自動車の対向車線側に向かう光を遮断する場合には、対向車線側の配光パターンが、自動車の走行速度や走行状態に対応して変化するので、対向車に幻惑光を与えることがない。
【0037】
このようにして、本発明によれば、遮光部材の可動部分を投影レンズの後側焦点位置付近の挿入位置に移動させることにより、配光パターンにおけるカットオフラインがシャープに形成され、遮光部材の可動部分の光源側に備えた凹面鏡により光源からの光を反射・集束させ、配光パターンの中心付近に集束光を照射することにより、中心付近の光度を高める。
これにより、例えば高速走行や直線走行等の場合に、遮光部材の可動部分を挿入位置に移動させることにより、配光パターンにおける中心付近の光度が高くなるので、遠方視認性が向上することになる。
【0038】
これに対して、遮光部材の可動部分を光軸方向に沿って移動させて、投影レンズの後側焦点位置付近からずらすことによって、配光パターンにおけるカットオフラインの明暗境界線をぼかすと共に、上記凹面鏡により光源からの光を反射・拡散させ、カットオフラインの下側に対してやや拡散した光を照射することにより、カットオフラインの下側の光度を高める。
これにより、例えば市街地走行や屈曲路走行等の場合に、遮光部材の可動部分を挿入位置から光軸方向に沿って移動させることにより、配光パターンにおける車両手前に対応する領域の光度が高くなるので、車両手前の視認性が向上することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図6を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0040】
[実施例1]
図1は、本発明による車両前照灯の第一の実施形態の構成を示している。
図1において、車両前照灯10は、光源としてのバルブ11と、上記バルブ11からの光を前方に向かって反射させる反射面12と、上記反射面12の前方に配置された投影レンズ13と、上記反射面12と投影レンズ13との間に配置された遮光部材14と、上記遮光部材14の光源側に取り付けられた凹面鏡15と、上記遮光部材14及び凹面鏡15を一体的に光軸に沿って前後に移動させる移動手段16と、から構成されている。
【0041】
上記バルブ11は、一般に自動車の前照灯または補助前照灯に使用されるバルブであって、例えば白熱電球,ハロゲン電球,赤外線反射膜付きのハロゲン電球やメタルハライドランプ等の放電灯等のバルブが使用され、その光軸Oが前方に向かってほぼ水平に配置され、ソケット11aにより固定保持されると共に、給電されるようになっている。
【0042】
上記反射面12は、上記バルブ11からの光を前方に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光点付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2が前側にてバルブ11から前方に延びる光軸O上に位置するように、楕円系の反射面として構成されている。 ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
【0043】
上記投影レンズ13は、凸状のレンズ、好ましくは非球面レンズから構成されており、上記光軸O上にて、その光源側(後側)の焦点が上記反射面12の第二の焦点位置F2付近に位置するように、配置されている。
【0044】
上記遮光部材14は、前方に向かって照射される光に対して所定のすれ違いビーム用の配光パターンを付与するためのものであり、不透光性材料から形成されている。
そして、上記遮光部材14は、図1にて実線で示すように、上記投影レンズ13の光源側の焦点位置即ち上記反射面12の第二の焦点位置F2付近の挿入位置Aに配置されている。
【0045】
さらに、上記遮光部材14は、図1に実線で示した挿入位置Aから、前方に向かって点線で示す移動位置B(退避位置)まで、移動手段16により、段階的または連続的に移動し得るように構成されている。
【0046】
また、上記遮光部材14は、その上縁14aが、所望の配光パターンを形成するようになっている。
より詳細には、上記遮光部材14は、上述した挿入位置Aにて、上縁14aが高速走行や直線走行用のすれ違いビームのカットオフラインを形成する。また、上記遮光部材14は、上述した移動位置Bにて、上縁14aが市街地走行や屈曲路走行用のすれ違いビームのカットオフラインを形成するようになっている。
【0047】
上記凹面鏡15は、上述した遮光部材14の光源側に配置され、本実施例では遮光部材14に対して一体的に取り付けられている。
図示の場合、上記凹面鏡15は、後方に向かって凹状に形成された遮光部材14の光源側の面に一体に構成されており、上記遮光部材14と共に、上記移動手段16により光軸方向に移動されるようになっている。
【0048】
上記凹面鏡15は、後方に向かって凹状のほぼ球面の一部の形状から構成されており、上記遮光部材14が挿入位置Aに在るとき、その中心が上記バルブ11の発光部付近に位置する。上記凹面鏡15は、挿入位置Aから移動位置Bまで移動するにつれて、その中心が上記バルブ11の発光部付近から離反するようになっている。
【0049】
上記移動手段16は、例えばステッピングモータ,DCモータやソレノイド等から構成されており、例えば自動車の走行速度や走行状態に応じて、遮光部材14を光軸方向に沿って段階的または連続的に移動制御するようになっている。
【0050】
本発明実施形態による車両前照灯10は、以上のように構成されており、バルブ11がソケットから給電されて発光することにより、バルブ11の発光部から光が出射されることになる。
バルブ11から出射した光は、その一部の光L1が、直接に、または上記反射面12で反射されて、この反射面12の第二焦点F2付近に向かって前方に進み、投影レンズ13により集束されながら、前方に向かって照射される。
また、バルブ11から出射した光は、他の一部L2が、上記凹面鏡15で反射され、さらに反射面12で反射されて前方に進み、投影レンズ13を介して前方に向かって照射される。
【0051】
ここで、高速走行時や直線走行時等においては、上記遮光部材14が図1にて実線で示す挿入位置Aに在って、上記凹面鏡15は、その中心がバルブ11の発光部付近に位置している。
これにより、バルブ11または反射面12からの光L1のうち、一部の光が上記遮光部材14により遮断され、その上縁14aによりカットオフラインC1を形成されて、前方に向かって照射されることになる。
また、凹面鏡15で反射された光L2は、その中心に向かって集束した後、反射面12で反射されて、その第二の焦点位置F2に向かって集束する。これにより、上記光L1と同様にして、投影レンズ13を介して前方に向かって照射される。
【0052】
従って、図2(A)に示すように、上記光L1により、水平線よりやや下方にてすれ違いビーム用のカットオフラインC1を備えた配光パターンが形成されると共に、上記光L2は、この配光パターンの中心付近に集束することになる。
ここで、上記配光パターンにおける上下方向の光度分布は、図2(B)に示すように、カットオフラインC1付近にて比較的大きな光度勾配g1を有すると共に、比較的高い光度を備えることになる。
これにより、配光パターンにおいて、明暗境界線がシャープで、全体の光度が向上すると共に、特に中心付近の光度がより高められるので、遠方視認性が良好となり、高速走行や直線走行のために最適な配光パターンが得られることになる。
【0053】
これに対して、市街地走行時や屈曲路走行時等においては、上記遮光部材14が図1にて波線で示す移動位置Bまで移動手段16により前方に移動される。これにより、上記凹面鏡15は、その中心がバルブ11の発光部付近から前方にずれることになる。
これにより、バルブ11または反射面12からの光L1のうち、一部の光が上記遮光部材14により遮断され、その上縁14aによりカットオフラインC2を形成されて、前方に向かって照射されることになる。従って、上記遮光部材14が投影レンズ13の後側焦点位置から前方にずれることにより、その上縁14aの投影像がぼやけるため、カットオフラインC2の明暗境界線もぼやけることになる。
また、凹面鏡15で反射された光L2は、その中心に向かって集束した後、反射面12で反射されて、やや拡散して、投影レンズ13を介して前方に向かって照射される。
【0054】
従って、図3(A)に示すように、上記光L1により、水平線よりやや下方にてすれ違いビーム用のカットオフラインC2を備えた配光パターンが形成されると共に、上記光L2は、この配光パターンのカットオフライン下側にやや拡散して照射されることになる。
ここで、上記配光パターンにおける上下方向の光度分布は、図3(B)に示すように、カットオフラインC2付近にて比較的小さな光度勾配g2を有することになる。
これにより、配光パターンにおいて、明暗境界線がなだらかな光度勾配を有すると共に、カットオフラインの下側の比較的広い領域、即ち車両手前の光度が高められるので、車両手前の視認性が良好となり、市街地走行や屈曲路走行のために最適な配光パターンが得られることになる。
【0055】
このようにして、上記遮光部材14が挿入位置Aに在るときには、従来のすれ違いビームと同様の配光パターンが得られると共に、凹面鏡15で反射された光L2が、中心付近に向かって集束して照射される。そのため、車両前照灯10は遠方視認性の良好な配光パターンが形成される。
また、上記遮光部材14が移動位置Bに在るときには、遮光部材14が投影レンズ13の後側焦点位置から前方にずれると共に、凹面鏡15の中心がバルブ11の発光部から前方にずれることになる。従って、車両前照灯10では上記遮光部材が挿入位置Aに在るときと比較して、なだらかな光度勾配のカットオフラインが形成される。また、車両前照灯10は凹面鏡15による反射光L2が拡散して、カットオフラインの下側の広い領域に照射される。これにより、車両手前の視認性が良好な配光パターンが形成される。
このようにして、遮光部材14を光軸方向に移動させて投影レンズ13の後側焦点位置からずらすことにより、車両前照灯10は、カットオフラインが上下方向に移動するだけでなく、その上下方向の光度勾配を緩やかにする。また、車両前照灯10は凹面鏡15による反射光L2をカットオフラインの下側の領域に照射することにより、配光パターン自体を変化させて、常に最適な配光パターンが得られることになる。
【0056】
以上の説明では、上記遮光部材14が挿入位置A及び移動位置Bに位置する場合についてのみ説明したが、これに限らず、上記遮光部材14を挿入位置Aから移動位置Bまで段階的または連続的に移動させることも可能である。
この場合、カットオフラインの明暗境界線における光度勾配gは、図4に示すように、遮光部材14の光軸O上の前後方向の位置に応じて連続的に変化する。従って、カットオフラインの移動切り替えの際に、自動車の走行速度や走行状態に適した配光パターンが形成されることにより、上記光度勾配が急激に変化して、運転者に違和感を与えるようなことがない。
【0057】
[実施例2]
図5は、本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示している。
図5において、車両前照灯20は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯20は、遮光部材14が光軸Oに対して垂直に形成されていると共に、移動手段16が、モータ17及び伝動機構18から構成されており、さらに、移動手段16が制御システム21により駆動制御される点で異なる構成になっている。
【0058】
上記モータ17は、ステッピングモータ等の回転量を制御できるような構成のモータである。
上記伝動機構18は、図示の場合、光軸Oに対して平行に延び且つモータ17により回転駆動される長いネジ18aと、このネジ18aに噛合するナット部材18bと、から構成されており、ネジ18aがモータ17により回転駆動されることにより、ナット部材18bが光軸方向に移動するようになっている。
上記ナット部材18bに対して、上記遮光部材17及び凹面鏡15が固定されている。
【0059】
上記制御システム21は、上記モータ17を駆動制御するモータドライバ22と、モータドライバ22を制御する制御部としてのECU23と、車速検出手段24と、道路情報検出手段25と、から構成されている。
【0060】
上記モータドライバ22は、ECU23からの制御信号に基づいて、所定角度または所定回転数だけモータ17を駆動制御するようになっている。
上記ECU23は、例えばコンピュータから構成されており、車速検出手段24及び道路情報検出手段25からの検出信号に基づいて、最適な遮光部材14の光軸O上の位置を演算する。そして、ECU23はこの演算結果に基づいて、上記モータドライバ22に対して制御信号を送出するようになっている。
【0061】
具体的には、上記ECU23は、車速が所定値を越えている場合には、遮光部材14を挿入位置Aに保持するが、車速が所定値以下になったときには、その車速に応じて、遮光部材14を移動位置Bまでの間の適宜の位置まで移動させるような制御信号をモータドライバ22に対して出力する。
また、上記ECU23は、自動車の例えば高速道路走行中または一般道路走行中あるいは直線道路走行中または屈曲路走行中等の走行状態に応じて、制御信号をモータドライバ22に出力する。すなわち、ECU23は、高速道路走行中または直線道路走行中には、遮光部材14を挿入位置Aに保持するが、一般道路走行中または屈曲路走行中には、その走行状態に応じて、遮光部材14を移動位置Bまでの間の適宜の位置まで段階的にまたは連続的に移動させるような制御信号をモータドライバ22に対して出力する。
【0062】
ここで、上記車速検出手段24は、自動車に搭載されている車速センサの出力をそのまま利用することができる。
また、上記道路情報検出手段25は、例えばカーナビゲーション装置における道路情報を利用することが可能である。
【0063】
このような構成の車両前照灯20によれば、図1に示した車両前照灯10と同様に動作することにより、自動車の車速,道路状況等の走行状態に応じて、遮光部材14を光軸方向に移動させて投影レンズ13の後側焦点位置からずらすことにより、カットオフラインを上下方向に移動させるだけでなく、その上下方向の光度勾配を緩やかにする。また、車両前照灯20は、、凹面鏡15による反射光L2をカットオフラインの下側の領域に照射することにより、配光パターン自体を変化させて、常に最適な配光パターンが得られることになる。
【0064】
[実施例3]
図6は、本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示している。
図6において、車両前照灯30は、図5に示した車両前照灯20とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯30は、遮光部材14が挿入位置Aに固定配置された固定部分14bと、この固定部分14bの前後にて光軸Oに対して移動可能である二つの可動部分14c,14dから構成されており、後方の可動部分14dに対して、凹面鏡15が取り付けられている点で異なる構成になっている。
上記固定部分18bは、その上縁が光軸O方向に厚さを有しており、好ましくはその上端面が反射面として形成されている。
【0065】
この場合、移動手段16の伝動機構18は、そのネジ18aが、上記挿入位置Aに対応する位置の前後で逆方向のネジ山18a1,18a2を備えていると共に、各ネジ山18a1,18a2に対して、それぞれ可動部材14c,14dを保持するナット部材18b1,18b2が螺合している。
これにより、ネジ18aがモータ17により回転駆動するとき、各ナット部材18b1,18b2が互いに逆方向に移動するようになっている。
【0066】
このような構成の車両前照灯30によれば、図5に示した車両前照灯10と同様に動作することにより、自動車の車速,道路状況等の走行状態に応じて、遮光部材14を光軸方向に移動させて投影レンズ13の後側焦点位置からずらす。これにより、車両前照灯30はカットオフラインを上下方向に移動させるだけでなく、その上下方向の光度勾配を緩やかにすると共に、凹面鏡15による反射光L2をカットオフラインの下側の領域に照射することにより、配光パターン自体を変化させて、常に最適な配光パターンが得られることになる。
【0067】
この場合、各可動部分14c,14dが光軸Oに関して互いに離反したとき、光軸O方向に厚さを有することになるので、投影レンズ13による色収差が補正され得る。従って、前方に向かって照射される光の色収差による色付きが排除され得る。
尚、この場合、上記遮光部材14の後方の可動部分14dは、挿入位置Aから後方に移動される。そのとき可動部分14dは前方に移動される場合と同様にして、投影レンズ13の後側焦点位置からずれることになり、カットオフラインがぼやけると共に、凹面鏡15による反射光がカットオフラインの下側に拡散して照射されることになる。
【0068】
さらに、上記遮光部材14の固定部分14bの上端面が光軸Oの方向に関して幅を有している。このため、反射面12の上側で反射された光の一部L3が、この固定部分14bの上端面に入射して反射される。そして、この光L3が投影レンズ13を介して水平線よりやや上側に向かって照射される。これにより、配光パターンにおける水平から4度上までの最低照度を満たすための所謂オーバーヘッドサイン領域が画成されることになる。従って、例えば車両前方の上側に配置された標識等が容易に視認され得ることになる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
上述した実施形態においては、車両前照灯10,20,30は、それぞれ自動車のヘッドランプとして構成されているが、これに限らず、自動車の補助前照灯やフォグランプ等の補助灯等を含む広い意味での車両前照灯に本発明を適用し得ることは明らかである。
【0070】
また、上述した実施形態においては、車両前照灯20,30における移動機構16がモータ17及び伝動機構18から構成されているが、これに限らず、任意の構成の移動機構を使用し得ることは明らかであり、例えばリニアモータを使用して直接に遮光部材14を光軸方向に移動させることも可能である。
【0071】
さらに、上述した実施形態においては、車両前照灯10,20における可動式の遮光部材14そして車両前照灯30における可動部材14c,14dは、横方向に関して左右側に設けられているが、特に挿入位置における水平線に近い領域の配光分布を規制して、対向車への幻惑光を排除するためには、上記遮光部材14,可動部材14c,14dが対向車線側への配光パターンのみを画成するようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、車両前照灯20,30において制御システム21が道路情報検出手段25を備えているが、これに限らず、道路情報検出手段25は省略されてもよい。
【0073】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、カットオフラインより下方の配光分布を変化させて、高速走行時等における遠方視認性を向上すると共に、市街地走行時等における車両手前の視認性を向上するようにした、極めて優れた車両前照灯が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による車両前照灯の第一の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の車両前照灯における遮光部材が挿入位置Aに在るときの(A)配光パターン及び(B)カットオフラインの光度勾配を示すグラフである。
【図3】図1の車両前照灯における遮光部材が移動位置Bに在るときの(A)配光パターン及び(B)カットオフラインの光度勾配を示すグラフである。
【図4】図1の車両前照灯における遮光部材の移動位置とカットオフラインの光度勾配の関係を示すグラフである。
【図5】本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図6】本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図7】従来の車両前照灯の一例の構成を示す概略断面図である。
【図8】図7の車両前照灯による配光パターンを示すグラフである。
【図9】従来の車両前照灯の他の例の構成を示す概略断面図である。
【図10】図9の車両前照灯による配光パターンを示すグラフである。
【図11】従来の車両前照灯のさらに他の例の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0075】
10,20,30 車両前照灯
11 バルブ(光源)
12 反射面
13 投影レンズ
14 遮光部材
14a 上縁
14b 固定部材
14c,14d 可動部材
15 凹面鏡
16 移動手段
17 モータ
18 伝動機構
21 制御システム
22 モータドライバ
23 ECU
24 車速検出手段
25 道路情報検出手段




 

 


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