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発明の名称 車両用灯具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−207687(P2007−207687A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−27808(P2006−27808)
出願日 平成18年2月6日(2006.2.6)
代理人 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
発明者 二見 隆
要約 課題
本発明は、簡単な構成により、明るさを低下させることなく、灯具全体の奥行きを短縮するようにしたバルブ横置き型の車両前照灯を提供することを目的とする。

解決手段
車両前後方向に水平に延びる光軸上に横向きに配置された光源11と、光源の前方にて光軸の上及び下に配置された第一及び第二の投影レンズ16,17と、光源から後方の上側及び下側に出射する光をそれぞれ反射させて上記第一及び第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる第一及び第二の反射面12,13と、光源から前方に出射する光を上記光源の下方領域に反射させる第三の反射面14と、上記光源の下方領域にて第三の反射面からの反射光を上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる平面鏡15と、を含むように、車両前照灯10を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両前後方向に水平に延びる光軸上に側方から配置された光源と、
この光源の照射方向前方にて、光軸の上方に配置された凸形の第一の投影レンズと、
この光源の照射方向前方にて、光軸の下方に配置された凸形の第二の投影レンズと、
第一の焦点位置が上記光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の上側に出射する光を反射し上記第一の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束する凹状の楕円系の第一の反射面と、
第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第二の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の下側に出射する光を反射して上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる凹状の楕円系の第二の反射面と、
この光源の前方にて、上記第一及び第二の反射面からそれぞれ対応する第一及び第二の投影レンズに入射する光を妨げない位置にて、光源から前方に出射する光を上記光源の下方領域に向かって反射する第三の反射面と、
上記光源の下方領域にて、上記第三の反射面からの反射光を上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束する平面鏡と、
を含んでおり、
上記第三の反射面が、その第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、その第二の焦点位置が上記第三の投影レンズの後側の焦点位置の上記平面鏡による共役位置付近に配置されている、
ことを特徴とする、車両前照灯。
【請求項2】
上記第一及び第二の反射面の少なくとも一方が、短冊状楕円面の集成体から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。
【請求項3】
上記第一及び第二の反射面の少なくとも一方が、楕円を基本とする自由曲面から構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
【請求項4】
上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズに対して、その後側焦点位置付近に配置され、所定の配光パターンを画成するカットオフラインを形成する遮光シャッタを備えていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の車両前照灯。
【請求項5】
上記遮光シャッタが、光軸に対して垂直な平面、または光軸から前側に向かって湾曲した円弧状または楕円体状に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の車両前照灯。
【請求項6】
さらに、第一の反射面の前方上側にて、第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置された遮光シャッタの前側に位置していて、この光源から前方の上側に出射する光を反射して上記遮光シャッタの前側に向かって集束する凹状の楕円系の第四の反射面と、
上記遮光シャッタの前方下側にて、上記第四の反射面からの光を反射させて、オーバーヘッドサインに対応する方向に光を照射する反射板と、
を備えていることを特徴とする、請求項4または5に記載の車両前照灯。
【請求項7】
上記第四の反射面が、短冊状楕円面の集成体から構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の車両前照灯。
【請求項8】
上記第四の反射面が、楕円を基本とする自由曲面から構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の車両前照灯。
【請求項9】
上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズがフレネルレンズとして構成されていることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載の車両前照灯。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の前部に設けられた前照灯または補助前照灯として使用される車両前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂プロジェクタタイプの自動車用の車両前照灯は、例えば図8に示すように構成されている。
即ち、図8において、車両前照灯1は、単眼式の車両前照灯として構成されており、光源としてバルブ2と、上記バルブ2の発光中心が第一の焦点位置F1付近に位置し且つ長軸がバルブ2の光軸と一致するように配置されていて、バルブ2からの光を前方に向かって反射させる楕円系の反射面3と、その光源側の焦点位置が上記反射面3の第二の焦点位置F2付近に位置するように配置され、バルブ2または反射面3からの光を集束させる投影レンズ4と、バルブ2から投影レンズ4への光路中にて上記反射面3の第二の焦点位置F2付近に配置されたカットオフを形成するための遮光シャッタ5と、から構成されている。
【0003】
ここで、上記バルブ2は、所謂C−8光源と呼ばれ、その中心軸が前方に向かってほぼ水平に延びる投影レンズの光軸と一致するように、前向きに配置されている。
このC−8光源は、その強度分布が長手方向である前後端側では比較的弱く、またその垂直方向である上下左右方向では比較的強くなっている。
従って、上記バルブ2は、反射面3の後方から取り付けられ、その垂直方向に出射する光が反射面3で前方に向かって反射されることにより、照射光の光強度を高めるようにしている。
【0004】
尚、上記投影レンズ4は、例えば非球面の凸レンズから成り、レンズホルダー6を介して反射面3に対して固定保持されている。
さらに、上記遮光シャッタ5は、上記反射面3とレンズホルダー6との間に取り付けられている。
【0005】
このような構成の車両前照灯1によれば、バルブ2から出射した光が、直接にまたは上記反射面3で反射されて、この反射面3の第二の焦点位置F2に向かって集束した後、投影レンズ4に入射し、この投影レンズ4によって集束されることにより、前方に向かって照射される。
その際、投影レンズ4に入射する光の一部が遮光シャッタ5によって遮断される。これにより、カットオフが形成され、対向車に幻惑光を与えないように対向車線側で照射距離が短くなるような所望の配光特性(図9参照)が得られ、所謂すれ違いビームが形成されるようになっている。
尚、走行ビーム用の車両前照灯の場合には、上述した遮光シャッタ5が省略されており、バルブ2からの光が反射面3により反射・集束され、さらに投影レンズ4により前方に向かって照射されることにより、走行用ビームが形成されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このような構成の車両前照灯1においては、上述したように、バルブがC−8光源として前向きに配置されていることから、灯具全体の前後方向の全長Lが比較的長くなってしまい、自動車の車体に対する取付スペースが大きくなると共に、取付の自由度が小さく、自動車の車体デザイン上の制約となってしまう。
特に、バルブ2としてHID(High Intensity Discharge)光源を使用する場合には、HID光源を駆動し発光させるための点灯装置の一部が組み込まれた比較的大型の給電用ソケットが必要となることから、HID光源自体の光軸方向の奥行きが約100mm程度になるので、車両前照灯1全体の長さLが約180mm程度になってしまう。
【0007】
ところで、最近の自動車においては、車体前部のオーバーハング(車軸から端までの張り出し部分)が短く、さらに空力性能を考慮して車体四隅が丸められた絞りの強い車体形状が多く採用されてきており、またユーザーの扁平率の低い幅広のタイヤ及び大径のホイールを組み合わせる傾向と相まって、ヘッドランプを設置するための前後のスペースが極めて小さくなってきている。従って、車両前照灯の光軸方向の奥行きの短縮化が強く求められてきている。
他方、安全性向上や差別化等の観点から、光強度を高めるために、奥行きが大きいHID光源の装着率が高まっており、さらにAFS(Adaptive Front−Lighting System)機能として曲線道路用配光可変型前照灯の使用が認められるようになったことを受けて、発光面の小型化の要請から、プロジェクタタイプの車両前照灯が多く使用されている。
【0008】
これに対して、特許文献1及び特許文献2には、バルブを横向きにして、さらに投影レンズの光軸より下方に配置するようにした、車両前照灯が開示されている。
このような構成によれば、バルブが横向きに配置されていることにより、灯具の全長が短縮され得る。
また、このようなプロジェクタタイプの車両前照灯においては、反射面の光軸側方領域が、バルブからの光を反射して投影レンズに導くことにより、配光パターンにおける拡散領域を形成するようになっている。この車両前照灯は、バルブを光軸より下方に配置して側方から灯具内に挿入するために、上述した反射面の光軸側方領域に切欠を設ける必要がない。このため、配光パターンにおける拡散領域の光量が低下せず、十分な光量の拡散領域が形成され得るようになっている。
【特許文献1】特開2004−127830号
【特許文献2】特開2005−100766号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1及び特許文献2に示した車両前照灯においては、バルブが横向きに配置されていることにより、車両前照灯の光軸方向の長さが短縮され、全体として長手方向に関して短く構成されている。
しかしながら、例えばバルブとしてHID光源を使用する場合、バルブ横置きによる短縮効果は、約50mm程度である。
このため、前述した車両前照灯に対する小型化の要求に対応することは困難であり、より一層の小型化が求められている。
【0010】
さらに、バルブを横向きした構成では、HID光源を使用する場合に、最も光度の高い中心軸方向の光が、前方の中心付近に向かって照射されず、拡散領域に照射されることになる。このため、バルブからの光利用効率が低下してしまい、配光パターンにおける中心付近の最大光度が低くなる。
【0011】
また、バルブから前方に向かって照射される光のうち、投影レンズに入射しない光は、前方に向かって照射されず、配光パターンの形成に寄与しないことから、全光束が不足することになってしまう。
さらに、HID光源の場合には、横向きにすることによって、光軸方向の短縮は、約50mm程度しかなく、大幅な奥行きの短縮を実現することはできなかった。
【0012】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、明るさを低下させることなく、灯具全体の奥行きを短縮するようにしたバルブ横置き型のプロジェクタタイプの車両前照灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、本発明の構成によれば、車両前後方向に水平に延びる光軸上に側方から配置された光源と、この光源の照射方向前方にて、光軸の上方に配置された凸形の第一の投影レンズと、この光源の照射方向前方にて、光軸の下方に配置された凸形の第二の投影レンズと、第一の焦点位置が上記光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の上側に出射する光を反射し上記第一の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束する凹状の楕円系の第一の反射面と、第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第二の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の下側に出射する光を反射して上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる凹状の楕円系の第二の反射面と、この光源の前方にて、上記第一及び第二の反射面からそれぞれ対応する第一及び第二の投影レンズに入射する光を妨げない位置にて、光源から前方に出射する光を上記光源の下方領域に向かって反射する第三の反射面と、上記光源の下方領域にて、上記第三の反射面からの反射光を上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束する平面鏡と、を含んでおり、上記第三の反射面が、その第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、その第二の焦点位置が上記第三の投影レンズの後側の焦点位置の上記平面鏡による共役位置付近に配置されている、ことを特徴とする、車両前照灯により、達成される。
【0014】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一及び第二の反射面の少なくとも一方が、短冊状楕円面の集成体から構成されている。
【0015】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一及び第二の反射面の少なくとも一方が、楕円を基本とする自由曲面から構成されている。
【0016】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズに対して、その後側焦点位置付近に配置され、所定の配光パターンを画成するカットオフラインを形成する遮光シャッタを備えている。
【0017】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記遮光シャッタが、光軸に対して垂直な平面、または光軸から前側に向かって湾曲した円弧状または楕円体状に形成されている。
【0018】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、さらに、第一の反射面の前方上側にて、第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置された遮光シャッタの前側に位置していて、この光源から前方の上側に出射する光を反射して上記遮光シャッタの前側に向かって集束する凹状の楕円系の第四の反射面と、上記遮光シャッタの前方下側にて、上記四三の反射面からの光を反射させて、オーバーヘッドサインに対応する方向に光を照射する反射板と、を備えている。
【0019】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第四の反射面が、短冊状楕円面の集成体から構成されている。
【0020】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第四の反射面が、楕円を基本とする自由曲面から構成されている。
【0021】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズがフレネルレンズとして構成されている。
【発明の効果】
【0022】
上記構成によれば、光源から後方の上側に出射した光が、第一の反射面によって反射され、その第二の焦点位置即ち第一の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束され、さらに第一の投影レンズを介して前方に向かって所定の配光パターンで、例えば水平方向にやや分散して照射される。
また、光源から後方の下側に出射した光が、第二の反射面によって反射され、その第二の焦点位置即ち第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束され、さらに第二の投影レンズを介して前方に向かって同様に所定の配光パターンで照射される。
さらに、光源から前側に出射して第三の反射面に入射した光は、第三の反射面により反射されて後方やや下向きに平面鏡に向かって進み、この平面鏡で反射された後、第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束され、第二の投影レンズを介して前方に向かって照射される。
【0023】
従って、光源から前側に向かって出射する光が第二の反射面により第二の投影レンズを介して前方に出射される。従って、光源からの光の利用効率が向上し、配光パターンを形成する全光束が増大する。
また、第三の反射面及び平面鏡で反射された光が、比較的小さな入射角で第二の投影レンズに入射することから、前方に向かって比較的中心付近に集光して照射される。このため、前方に向かって照射される光の配光パターンの中心付近における最大光度が十分に高められ得ることになる。
【0024】
これにより、光源からの光の利用効率がさらに向上することから、配光パターンをを形成する全光束がさらに増大すると共に、前方に向かって照射される光の配光パターンの中心付近における最大光度がより一層高められ得ることになる。
【0025】
この場合、光源が光軸に対して横向きに配置されていることによって、車両前照灯の灯具全体が比較的短く構成され得ると共に、第一及び第二の反射面で反射された光が、それぞれ第一及び第二の投影レンズを介して前方に向かって照射される。これにより、一つの投影レンズから照射するのに比べて二倍の集光性を得ることが可能となり、配光パターンの明るさを減ずることなく、各投影レンズの直径及び焦点距離が、従来の単眼式車両前照灯と比較して小さく選定され得ることになる。
従って、各投影レンズの焦点距離を小さくすることによって、車両前照灯全体の光軸方向の長さをより低減することができると共に、各投影レンズの直径を小さくすることによって、車両前照灯全体の高さを低減することができる。
【0026】
そして、短焦点の投影レンズを使用することによって、従来のプロジェクタタイプの車両前照灯と比較して、水平方向に関して格段に広がりの大きな、即ち視認範囲の広い配光パターンが得られることになり、より一層安全性を向上させることができる。
【0027】
また、光源からの光が複数の投影レンズに分散して入射することによって、各投影レンズに対する熱の集中が回避されるので、各投影レンズの温度上昇が抑制され得ることになる。従って、各投影レンズと光源との間の距離をより短く設定することが可能となり、車両前照灯全体の長さをより一層短縮することが可能になる。
【0028】
さらに、複数の投影レンズが並んで配置されることによって、斬新な外観見栄えを呈することが可能になる。
【0029】
上記第一及び第二の反射面の少なくとも一方が、短冊状楕円面の集成体または楕円を基本とする自由曲面から構成されている場合には、第一及び第二の反射面が容易に設計され、形成され得ることになる。
ここで、短冊状楕円面の集成体とは、回転楕円面の一部をあたかも短冊のように細長く切ったようにした反射面を複数組合せたものを指す。
このような短冊状楕円面を設定するには、まず楕円の第一焦点を光源に置き、第二焦点を所望の配光設計(左右拡散角)に合わせて設定する。その後、非球面レンズの出射側から逆に光線を追跡することで、左右拡散角に対応する非球面レンズへの入射位置を定めた非球面レンズの仮想焦点曲線を描き、その仮想焦点曲線上にずらすことで回転楕円面の形状を求める。そして、求めた回転楕円面を所望の形状に(例えば短冊状に細長く)分割したものを組合せたものが短冊状楕円面の集成体となる。
【0030】
上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズに対して、その後側焦点位置付近に配置され、所定の配光パターンを画成するカットオフラインを形成する遮光シャッタを備えている場合には、当該投影レンズの後側焦点位置付近に集光された光により、遮光シャッタの影が前方に向かって投影されることになる。従って、配光パターンに対して例えばすれ違いビームのカットオフラインが形成されることになる。
【0031】
上記遮光シャッタが、光軸に対して垂直な平面、または光軸から前側に向かって湾曲した円弧状または楕円体状に形成されている場合には、遮光シャッタの形状に基づいて、配光パターンにカットオフラインが形成されることになる。
【0032】
さらに、第一の反射面の前方上側にて、第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置された遮光シャッタの前側に位置していて、この光源から前方の上側に出射する光を反射させて上記遮光シャッタの前側に向かって集束させる凹状の楕円系の、好ましくは短冊状楕円面の集成体または楕円を基本とする自由曲面から成る第四の反射面と、上記遮光シャッタの前方下側にて、上記第四の反射面からの光を反射させて、オーバーヘッドサインに対応する方向に光を照射する反射板と、を備えている場合には、上記第四の反射面及び反射板を介して光が前方に出射することにより、前方上側に位置する標識等に対して光を照射し、この標識等が容易に視認され得ることになる。
その際、第四の反射面の第二の焦点位置が対応する第一の投影レンズの後側の焦点位置より前側にずれて配置されていることにより、前方に向かって投影される光源像の輪郭がぼける。従って、明暗の境界線がぼやけることになり、標識等のオーバーヘッドサインの視認性が向上することになる。
【0033】
上記第一及び第二の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズがフレネルレンズとして構成されている場合には、当該投影レンズの奥行きが短縮され得るので、車両前照灯全体の光軸方向の長さがさらに短縮され得ることになる。
【0034】
このようにして、本発明によれば、光源を横向きに配置すると共に、光源から後方上側,下側及び前方に出射する光を、それぞれ第一,第二及び第三の反射面により反射させて、それぞれ第一及び第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させることにより、光源からの光の利用効率が向上し、且つ配光パターンにおける中心付近の最大光度が高められ得ると共に、全光束が増大することになる。
【0035】
また、光源からの光が分散して第一及び第二の投影レンズに入射することから、各投影レンズの直径を小さく、またその焦点距離を短くすることができるので、各投影レンズが小型化され得ることになり、車両前照灯全体も小型化され得ることになる。
【0036】
さらに、第三の反射面は、第一の反射面から第一の投影レンズに入射する光の光路及び第二の反射面から第二の投影レンズに入射する光の光路の間に配置されることになるので、第三の反射面が横方向に突出するようなことはなく、車両前照灯が横方向に関しても小型に構成され得ることになる。
【0037】
さらにまた、第四の反射面及び反射板を設けることによって、プロジェクタタイプの車両前照灯であっても、例えば水平線から4度上方までの範囲のオーバーヘッドサインに対応する方向に対して光を照射することができるので、この領域における最低照度を容易に実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図7を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0039】
[実施例1]
図1〜図2は、本発明による車両前照灯の一実施形態の構成を示している。
図1〜図2において、車両前照灯10は、自動車の左側の前照灯であって、光源としてのバルブ11と、上記バルブ11からの光を前方に向かって反射させる第一の反射面12,第二の反射面13と、上記バルブ11の前方にて後方を向いて配置された第三の反射面14と、上記第三の反射面14からの反射光を前方に向かって反射させる平面鏡15と、第一の投影レンズ16及び第二の投影レンズ17と、第一の遮光シャッタ18及び第二の遮光シャッタ19と、上記第一の反射面12の前方上側に配置された第四の反射面20と、上記第四の反射面20からの反射光を前方上側に向かって反射させる反射板21と、から構成されている。
以下、車両前後方向について、前方向を+Z方向とし、車両鉛直方向について、上方向を+Y方向とし、さらに車両横方向に関して、車両中心から側方に向かって外側を+X方向とする。
【0040】
上記バルブ11は、一般に自動車の前照灯または補助前照灯に使用されるバルブであって、例えば白熱電球,ハロゲン電球やメタルハライドランプ等の放電灯等のバルブが使用され、ソケットにより固定保持されると共に、給電されるようになっている。
図示の場合、上記バルブ11は、例えば長さ約100mmのHID光源が使用されている。
【0041】
そして、上記バルブ11は、図2(A)に示すように、車両前後方向に水平に延びる光軸Oに対して、ほぼ横向きに且つ車体側方の外側に向かって、即ち+X方向に向かって先端が延びるように、且つその発光中心11aが光軸O上に位置するように、配置されている。
さらに、上記バルブ11は、取付の際に、車両中心の内側即ち−X側から、例えばエンジンルーム内にて、挿入され、固定保持されるようになっている。
【0042】
上記第一の反射面12は、上記バルブ11の後方(−Z領域)の上側(+Y領域)に配置されている。
そして、上記第一の反射面12は、図2(C)に示すように、上記バルブ11から後方の上側に出射する光を前方(+Z方向)に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2aが前側にて上記光軸Oの上方に位置するように、楕円系反射面から構成されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
これにより、バルブ11からほぼ−Z方向上側に出射した光は、上記第一の反射面12で反射され、後述するように第一の投影レンズ16の後側の焦点位置に向かって進み、さらに第一の遮光シャッタ18を介して第一の投影レンズ16を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
従って、バルブ11,第一の反射面12及び第一の投影レンズ16そして第一の遮光シャッタ18により、第一の投影系が構成されることになる。
【0043】
これに対して、上記第二の反射面13は、上記バルブ11の後方(−Z領域)の下側(−Y領域)に配置されている。
そして、上記第二の反射面13は、図2(C)に示すように、上記バルブ11から後方の下側に出射する光を前方に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2bが前側にて上記光軸Oの下方に位置するように、同様の楕円系反射面から構成されている。
これにより、バルブ11からほぼ−Z方向下側に出射した光は、上記第二の反射面13で反射され、後述するように、第二の投影レンズ17の後側の焦点位置に向かって進み、さらに第二の遮光シャッタ19を介して第二の投影レンズ17を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
従って、バルブ11,第二の反射面13及び第二の投影レンズ17そして第二の遮光シャッタ19により、第二の投影系が構成されることになる。
【0044】
ここで、上記第一の反射面12及び第二の反射面13は、実際には、短冊状の回転楕円面等の集成体または楕円を基本とする自由曲面から構成されており、さらに配光設計自由度向上のため、対応する第一及び第二の投影レンズ16,17の光軸の上下にて、分割され、部分的に異なる曲率等の反射面が組合せられてもよい。
なお、短冊状楕円面の集成体とは、回転楕円面の一部をあたかも短冊のように細長く切ったようにした反射面を複数組合せたものを指す。
このような短冊状楕円面を設定するには、まず楕円の第一焦点を光源に置き、第二焦点を所望の配光設計(左右拡散角)に合わせて設定する。その後、非球面レンズの出射側から逆に光線を追跡することで、左右拡散角に対応する非球面レンズへの入射位置を定めた非球面レンズの仮想焦点曲線を描き、その仮想焦点曲線上にずらすことで回転楕円面の形状を求める。そして、求めた回転楕円面を所望の形状に(例えば短冊状に細長く)分割したものを組合せたものが短冊状楕円面の集成体となる。
すなわち、本発明において短冊状楕円面の集成体と称するものは、上述のような方法により求められた細分化した回転楕円面の一部を複数組合せた楕円面の集成体と言う概念に含まれるといえる。言い換えると、本発明において、細分化した回転楕円面の集成体の形状は、必ずしも短冊状の形状には限定されることなく、様々な形状を設定することができる。
また、上記第一の反射面12及び第二の反射面13は、それぞれ路面照射配光パターンを考慮して、光軸O方向だけでなく、水平方向左右両側への拡散光も生成するように、構成されている。
さらに、図示の場合、第一の反射面12は、そのバルブ11の上方に位置する領域に、所謂ホットゾーン形成用の反射面を備えている。
【0045】
上記第三の反射面14は、上記バルブ11の前方(+Z領域)にて、上記反射面12,13からそれぞれ上記第一及び第二の投影レンズ16,17への入射光を妨げないように、光軸O上に配置されている。
そして、上記第三の反射面14は、上記バルブ11から前側に出射する光を後方に向かって−Y方向に斜め下方に反射するように後方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置する。また、上記第三の反射面14はその第二の焦点位置F2cが上記平面鏡15による第二の投影レンズ17の後側の焦点位置と共役な位置に位置するような、楕円系反射面から構成されている。
これにより、バルブ11からほぼ+Z方向に出射した光は、上記第三の反射面14で反射され、さらに平面鏡15で反射されて、第二の投影レンズ17の後側の焦点位置に向かって進み、さらに第二の遮光シャッタ19を介して第二の投影レンズ17を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
また、上記第三の反射面14は、同様に路面照射配光パターンを考慮して、光軸O方向だけでなく、水平方向左右両側への拡散光も生成するように、構成されている。
【0046】
上記平面鏡15は、図2(C)に示すように、上記バルブ11の下側領域(−Z方向)にて第二の投影レンズ17の光軸に対応する領域に配置されており、前述した上記第二の反射面13の下方領域と一体に形成されている。
そして、上記平面鏡15は、上記第三の反射面14からの反射光を反射して、第二の投影レンズ17の後側の焦点位置に向かって集束するように、その傾斜角度が設定されている。
【0047】
上記第一の投影レンズ16は、凸レンズ、好ましくは非球面レンズから構成されており、上記光軸Oの上方にて、光軸Oに平行な光軸O1上にて、その光源側の焦点が、上記第一の反射面12の第二の焦点位置F2a付近に位置するように、配置されている。
【0048】
また、上記第二の投影レンズ17は、同様に凸レンズ、好ましくは非球面レンズから構成されており、上記光軸Oの下方にて、光軸Oに平行な光軸O2上にて、その光源側の焦点が、上記第二の反射面13の第二の焦点位置F2b付近に位置するように、配置されている。
【0049】
上記第一の遮光シャッタ18は、不透光性材料から形成されていると共に、その上縁18aが、上記第一の投影レンズ16の光源側の焦点位置付近に配置されている。
そして、上記第一の遮光シャッタ18は、その上縁18aが、例えばすれ違いビームの配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。 尚、上記第一の遮光シャッタ18は、その両側が対応する第一の投影レンズ16側に向かって円弧状または楕円形状に湾曲して形成されている。
ここで、上記第一の遮光シャッタ18の湾曲形状は、第一の投影レンズ16により前方に向かって照射される光の水平方向左右における拡散状態を勘案して選定されるようになっている。
また、上記第一の遮光シャッタ18は、平板状に形成されていてもよい。
【0050】
上記第二の遮光シャッタ19は、同様に、不透光性材料から形成されていると共に、その上縁19aが、上記第二の投影レンズ17の光源側の焦点位置付近に配置されている。
そして、上記第二の遮光シャッタ19は、その上縁19aが、例えばすれ違いビームの配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。 尚、上記第二の遮光シャッタ19は、第一の遮光シャッタ18と同様にして、その両側が対応する第二の投影レンズ17側に向かって円弧状または楕円形状に湾曲して形成されている。
【0051】
上記第四の反射面20は、上記バルブ11の前方(+Z領域)にて、上記第一の反射面12から上記第一の投影レンズ16への入射光を妨げないように、第一の投影レンズ16よりも上側に配置されている。
尚、図示の場合、上記第四の反射面20は、第一の反射面12の上縁前側に一体に形成されている。
そして、上記第四の反射面20は、上記バルブ11から前側上方に出射する光を前方に向かって−Y方向に斜め下方に反射させるように下方に向かって凹状に形成される。また、上記第四の反射面20は、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F3が第一の投影レンズ16の後側の焦点位置より僅かに前側に位置するように、楕円系反射面から構成されている。
これにより、バルブ11から前方上側に出射した光は、上記第四の反射面20で反射された後に反射板21で反射されて、さらに第一の投影レンズ16を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
【0052】
ここで、上記反射板21は、平板または曲率の大きな凹面から形成されており、第四の反射面20からの光を反射して、配光パターンにおける水平から4度上までの最低照度を満たすための所謂オーバーヘッドサイン領域を画成するようになっている。
尚、オーバーヘッドサイン領域の輪郭をぼかすために、上記第四の反射面20は、その第二の焦点位置が、第一の投影レンズ16の後側焦点位置より前方(+Z方向)に僅かにずれて配置されている。
【0053】
本発明実施形態による車両前照灯10は、以上のように構成されており、バルブ11が給電されて発光することにより、以下のように動作する。
即ち、まず図3に示すように、第一の投影系では、バルブ11から後方の上側に出射する光L1は、上記第一の反射面12で反射されて、第二の焦点F2a即ち第一の投影レンズ16の後側の焦点位置付近に向かって進み、さらに第一の遮光シャッタ18を介して第一の投影レンズ16により集束されながら、前方に向かって照射される。
【0054】
また、第二の投影系では、バルブ11から後方の下側に出射する光L2は、上記第二の反射面13で反射されて、第二の焦点F2b即ち第二の投影レンズ17の後側の焦点位置付近に向かって進み、さらに第二の遮光シャッタ19を介して第二の投影レンズ17により集束されながら、前方に向かって照射される。
【0055】
さらに、バルブ11から前方に向かって出射する光L3は、第三の反射面14で反射されて、対応する平面鏡15で反射された後、第二の投影レンズ17の後側の焦点位置付近に向かって進み、さらに第二の遮光シャッタ19を介して第二の投影レンズ17により集束されながら、前方に向かって照射される。
【0056】
その際、上記光L1,L2,L3は、それぞれ第一の遮光シャッタ18,第二の遮光シャッタ19の上縁18a,19aが、それぞれ投影レンズ16,17によって前方に向かって拡大して投影されることにより、配光パターンにおけるカットオフラインが形成され、すれ違いビームの配光パターンが得られることになる。
ここで、上記光L3は、平面鏡15が第二の投影レンズ17の光軸O2の領域に位置していることから、第二の投影レンズ17に対して比較的狭い角度範囲で入射することになる。従って、上記光L3は、第二の投影レンズ17により前方に向かって配光パターンの中心領域に照射されることになる。
【0057】
ここで、バルブ11がHID光源である場合には、一般的に点灯中でも発光管内でガス化しない発光物が残留することから、バルブ11から下方に出射する光が、この残留発光物により遮断される。
従って、図4に示すように、下方への光放射強度が大幅に低下することになるので、前述したように、第二の反射面13の下側領域を、上記平面鏡15として形成したとしても、上記光L2による配光パターンはあまり影響を受けることがない。
【0058】
さらに、図5に示すように、バルブ11から前方の上側に出射する光L4は、上記第四の反射面20で反射されて、第二の焦点F3即ち第一の投影レンズ16の後側の焦点位置より僅かに前側に向かって進み、さらに反射板21により反射されて、第一の投影レンズ16により集束されながら、前方に向かって照射される。
その際、第四の反射面20の第二の焦点位置が第一の投影レンズ16の後側焦点位置より僅かに前側に位置していることにより、いわゆるオーバーヘッドサイン領域がぼけて投影されることになり、オーバーヘッドサイン領域における明暗境界がぼやける。従って、オーバーヘッドサイン領域の境界に標識等が位置している場合でも、容易に標識等が視認され得ることになる。
これにより、上記光L4は、配光パターンにおけるオーバーヘッドサインを画成することになり、例えば車両前方の上側に位置する標識等を照射して、これら標識等の視認性を高めるようになっている。
従って、配光規格に関して、オーバーヘッドサインとして、自動車の前方上側に位置する標識等を視認することができるように、水平線から4度上までの範囲における最低照度を確実に実現することが容易に可能となる。
【0059】
また、バルブ11が横向きに配置されていることにより、灯具全体の前後長が短く構成され得ると共に、バルブ11からの光が二つの投影系により前方に向かって照射されている。従って、集光性を二倍にすることができるので、各投影レンズ16,17の焦点距離そして直径を小さくすることができる。
これにより、各投影レンズ16,17が小型に構成されるので、車両前照灯10が全体として光軸方向の長さを短く、また上下方向の厚さを小さくすることができ、車両前照灯10全体が小型化され得ることになる。
また、短焦点の投影レンズ16,17を使用することによって、視認範囲の広い配光パターンが得られることになり、安全性がより一層向上する。
【0060】
例えば、各投影レンズ16,17の焦点距離は、従来の単眼式の車両前照灯における投影レンズの焦点距離より短い15〜40mm程度、またその直径は、同様により小さい20〜50mm程度に選定され得る。
従って、楕円系の反射面12,13,14の焦点位置の短縮化と相まって、車両前照灯10は、その全長が100mm以下に短縮され得ることになる。
尚、従来のバルブ横置きで単眼式のプロジェクタタイプの車両前照灯では、奥行きが130mm程度であった。
【0061】
さらに、このような構成の車両前照灯10においては、各投影レンズ16,17に入射する光量は、分散されることにより、従来の単眼式の車両前照灯と比較して、それぞれ約半分程度になる。
従って、各投影レンズ16,17における発熱も同様に約半分程度になるので、各投影レンズ16,17をそれぞれ樹脂化することも可能となる。
その際、各投影レンズ16,17をフレネルレンズとして構成することにより、各投影レンズ16,17の光軸方向の厚さが10mm以上低減され得るので、車両前照灯10全体の光軸方向の長さがより一層短縮され得る。
【0062】
図6は、上述した車両前照灯10による配光パターンのシミュレーション結果を示している。
ここで、図6(A)は、第一の投影系において、バルブ11から第一の反射面12により反射されて第一の投影レンズ16を介して前方に出射される光L1及び第四の反射面20及び反射板21により反射されて第一の投影レンズ16を介して前方に出射される光L4による配光パターンを示している。
この場合、第四の反射面20及び反射板21によるオーバーヘッドサイン領域が形成されていることが分かる。
【0063】
また、図6(B)は、第二の投影系において、バルブ11から第二の反射面13により反射されて第二の投影レンズ17を介して前方に出射される光L2及び第三の反射面14及び平面鏡15により反射されて第二の投影レンズ17を介して前方に出射される光L3による配光パターンを示している。
この場合、第三の反射面14及び平面鏡15により配光パターンの中心付近の光度が高められていることが分かる。
【0064】
従って、上述した光L1,L2,L3及びL4による車両前照灯10全体の配光パターンは、図6(C)及び図7の路面配光パターンに示すようになり、全光束が増大すると共に、配光パターンの中心付近の最大光度が十分に高められていることが分かる。
さらに、全体の配光パターンは、従来の車両前照灯による左右片側35〜40度の照射範囲に対して、左右片側約58度程度と広い照射範囲が得られることになる。
その際、上記配光パターンは、従来の単眼式の車両前照灯による全体の配光パターンと比較して、同等以上の約1100lmの明るさを得ることができると共に、左右の拡散性も良好であり、オーバーヘッドサインを確保することが可能となる。
【0065】
上述した実施形態においては、車両前照灯10は、所謂二眼式として構成されているが、これに限らず、第一の反射面12,第一の投影レンズ16及び第一の遮光シャッタ18を省略を省略することも可能である。
この場合、残りの第二の反射面13そして第三の反射面14を拡大することにより、バルブ11からの光の利用効率の低減を補償することが可能である。
【0066】
また、上述した実施形態においては、第一の投影系及び第二の投影系が共にすれ違いビーム用として遮光シャッタ18,19を備えているが、これに限らず、何れかの投影系にて遮光シャッタ18または19が省略されることにより、走行ビーム用として構成されてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態においては、第四の反射面20及び反射板21により配光パターンにオーバーヘッドサイン領域を形成するようになっているが、これに限らず、これら第四の反射面20及び反射板21は省略されてもよい。
【0068】
さらに、上述した実施形態においては、車両前照灯10は、自動車用の左側の前照灯として構成されているが、これに限らず、左右対称の構成の右側の前照灯としても構成され得、また光軸Oに対して左右対称に構成することにより、右側通行の地域における車両前照灯とすることもできる。
【0069】
また、上述した実施形態においては、車両前照灯10は、所謂ヘッドランプとして構成されているが、これに限らず、例えばフォグランプ等の補助前照灯として構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明による車両前照灯10は、自動車用の左側の前照灯として構成されているが、これに限らず、補助前照灯等を含む他の種類の車両前照灯に本発明を適用することが可能である。
【0071】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、明るさを低下させることなく、灯具全体の奥行きを短縮するようにした、極めて優れたバルブ横置き型のプロジェクタタイプの車両前照灯が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明による車両前照灯の一実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の車両前照灯を示す(A)+Y方向から見た概略平面図,(B)+Z方向から見た概略正面図及び(C)+X方向から見た光軸に沿った縦断面図である。
【図3】図1の車両前照灯における第一の投影系及び第二の投影系の光学作用を示す説明図である。
【図4】図1の車両前照灯における光源バルブの(A)正面視光度分布及び(B)側面視光度分布を示すグラフである。
【図5】図1の車両前照灯における第三の反射面の光学作用を示す説明図である。
【図6】図1の車両前照灯における(A)第一の投影系による配光パターン,(B)第二の投影系による配光パターン及び(C)全体の配光パターンをそれぞれを示すグラフである。
【図7】図1の車両前照灯における路面配光パターンを示すグラフである。
【図8】従来の車両前照灯の一例の構成を示す光軸に沿った(A)横断面図及び(B)縦断面図である。
【図9】図8の車両前照灯における配光パターンを示すグラフである。
【符号の説明】
【0073】
10 車両前照灯
11 バルブ(光源)
12 第一の反射面
13 第二の反射面
14 第三の反射面
15 平面鏡
16 第一の投影レンズ
17 第二の投影レンズ
18 第一の遮光シャッタ
19 第二の遮光シャッタ
20 第四の反射面
21 反射板




 

 


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