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発明の名称 車両前照灯
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−179915(P2007−179915A)
公開日 平成19年7月12日(2007.7.12)
出願番号 特願2005−378244(P2005−378244)
出願日 平成17年12月28日(2005.12.28)
代理人 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
発明者 二見 隆
要約 課題
本発明は、簡単な構成により、AFSのすれ違いビームと高速道路走行モード配光とを切換えて、高速道路走行時の遠方視認性を向上させると共に、配光の切換え感を出すようにしたプロジェクタタイプの車両前照灯を提供することを目的とする。

解決手段
光源21,反射面22,投影レンズ23及び遮光部材24から成る第一のランプユニット20を備え、さらに、この第一のランプユニットの上方または下方に一体的に同様の構成の第二のランプユニット30を備えており、上記第一のランプユニットによるカットオフラインの角度位置が水平線から0.57度下方に位置して、一般道路走行用のすれ違いビームの配光パターンを形成すると共に、上記第二のランプユニットによるカットオフラインの角度位置が水平線から0.4度または0.23度下方に位置して、高速道路走行モードの配光パターンを形成するように、車両前照灯を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
光源と、光源からの光を前方に向かって反射させるように、第一の焦点位置が光源付近に位置し且つ第二の焦点位置が前方にほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置された前方に向かって凹状の楕円系の反射面と、上記光軸上にてその光源側の焦点位置が上記反射面の第二焦点位置付近に位置するように配置された凸状の投影レンズと、上記反射面の第二焦点位置付近に配置され、上縁がカットオフラインを画成するように形成された遮光部材とを有する第一のランプユニットと、
この第一のランプユニットの鉛直方向上方または下方に、上記第一のランプユニットと同様の構成を有する第二のランプユニットと、を備えることを特徴とする車両前照灯。
【請求項2】
上記第一のランプユニットと第二のランプユニットとの境界に設けられる開口部と、
上記第一のランプユニットからの光を上記開口部から第二のランプユニットの反射面方向に反射する挿入位置と上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光路から退避する退避位置との間で移動可能な反射面である可動ミラーと、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。
【請求項3】
上記第一のランプユニットが、その遮光部材によるカットオフラインの角度位置が水平線から0.57度下方に位置することにより、一般道路走行用のすれ違いビームの配光パターンを形成すると共に、
上記第二のランプユニットが、その遮光部材のカットオフラインの角度位置が水平線から0.4度または0.23度下方に位置することにより、高速道路走行モードの配光パターンを形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
【請求項4】
一般道路走行時には、第一のランプユニットが点灯し、高速道路走行時には第一のランプユニット及び第二のランプユニットの双方が同時に点灯することを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のランプユニット。
【請求項5】
カーブ走行時には、自動車の進行方向に対して、上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットが左右方向に揺動することを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の車両前照灯。
【請求項6】
第一のランプユニット及び第二のランプユニットを鉛直方向に揺動させるレベリング機構をさらに備え、
このレベリング機構が、車両がピッチング方向に傾斜したときにその傾斜に対応して上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光軸を一定に保持することを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の車両前照灯。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の前部に設けられた前照灯または補助前照灯として使用されるプロジェクタタイプの車両前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような車両前照灯は、例えば図10に示すように、構成されている。即ち、図10において、車両前照灯1は、光源としてのバルブ2と、反射面3と、投影レンズ4と、遮光部材5と、から構成されている。
【0003】
上記反射面3は、バルブ2を第一焦点(後側の焦点)とし且つ長軸が前方に向かってほぼ水平に延びる楕円系反射面から構成されており、その内面が反射面として形成されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
【0004】
上記投影レンズ4は、凸レンズから構成されており、その光源側(後側)の焦点が、上記反射面3の第二の焦点位置付近に配置されており、バルブ2または反射面3から前方に向かって進む光を集光し、前方に向かって照射するようになっている。
【0005】
上記遮光部材5は、前方に向かって照射される光に対して所定のすれ違いビーム用の配光パターンを付与するためのものであり、上記反射面3の第二の焦点位置付近に配置されていると共に、上記配光パターンにカットオフラインを形成するために、その上縁5aが所定形状に形成されている。
【0006】
このような構成の車両前照灯1によれば、バルブ2が給電され、発光することにより、バルブ2から出射した光は、直接に、または上記反射面3で反射されて、この反射面3の第二焦点付近に向かって前方に進み、投影レンズ4により集束されながら、前方に向かって照射される。
その際、前方に向かって照射される光は、その一部が遮光部材5により遮断されると共に、この遮光部材5の上縁5aによりカットオフラインを形成されて、すれ違いビームとして前方に向かって照射されることになる。
【0007】
これにより、上記カットオフラインが投影レンズ5により投影されることになるので、配光パターンに関して、中心から右側で水平線よりやや下方にて水平に、そして中心から左側にてほぼ水平線に沿って水平に延びるカットオフラインが形成され、このカットオフラインの下側のみに対して、すれ違いビームに適した光が照射されるようになっている。
また、この場合、路面等照度パターンは、進行方向右側がやや短く、左側にてやや長い照射範囲を形成するようになっている。
【0008】
また、プロジェクタ型車両前照灯1においては、すれ違いビームの際には、上記遮光部材5によりカットオフラインが形成されることにより、すれ違いビーム用の配光パターンが形成されると共に、走行ビームの際には遮光部材5が光路から退避されることにより、走行ビーム用の配光パターンが形成されるようになっている。
【0009】
ところで、上述した車両前照灯1においては、そのカットオフラインによるすれ違いビーム用の配光パターンは常に一定である。
これに対して、近年AFS(Adaptive Front lighting System)として可変配光機能を備えた車両前照灯が認められるようになってきており、カーブ走行時にヘッドランプの配光を進行方向の左右何れかに振ることによって、進行方向の視認性を向上させるようにした車両前照灯が既に量産車に採用されていると共に、さらに高速道路走行時に遠方視認性を向上させる高速道路走行モード配光や、雨天時の視認性を考慮した悪天候モード配光、歩行者の眩惑性を考慮した市街地モード配光が追加で認められるようになってきている。
【0010】
そして、これらの追加された3モード配光においては、それぞれ新たな配光規格が定められており、特に高速道路走行モード配光は、遠方視認性の向上が求められることから、配光規格の要求光度値も上限がすれ違いビームの約45000cdに対して、約80000cdと大幅に引き上げられると共に、カットオフラインの角度位置も、従来の水平線より0.57度下方から0.23度下方まで、0.34度上昇させてもよい緩和措置がとられている。
【0011】
このようなAFSを実現するために、例えば特許文献1には、すれ違いビームのカットオフを形成するための第一の遮光部材と、路面手前の光を遮断する第二の遮光部材を移動させると共に、レベリング機構を使用して、カットオフの角度一を上下方向に調整するようにした車両前照灯が開示されている。
【特許文献1】特開2004−327187号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1による車両前照灯においては、すれ違いビームのカットオフを形成するための遮光部材の遮光量を低減するためのカットオフ位置を0.34度上方に移動させる構造では、例えば焦点距離約40mm程度の投影レンズを使用したとき、約1度のカットオフラインの角度上昇が、当該投影レンズの焦点位置では1mmに相当することになるので、遮光部材の移動量が0.34mm程度と1/100mmオーダーの位置決め精度が必要になることから、遮光部材の可動構造が複雑になると共に、可動構造のコストが高くなってしまうため、信頼性や耐久性の点で量産化が困難であった。
【0013】
また、従来のプロジェクタタイプの車両前照灯1において、遠方視認性が必要な高速道路走行モード配光を得るために、上下レベリング機構によりランプユニット全体を上昇させて、カットオフラインの角度位置を0.34度上方に移動させる構造を採用した場合、最大光度値は変化しない。
これに対して、遮光部材による遮光量を低減させてカットオフ位置を0.34度上方に移動させる構造では、前述したと同様に、遮光部材の位置決め精度の問題があることから、光度を2000〜3000cd程度しか上昇させることができないので、十分な遠方視認性を得ることはできず、高速道路走行モード配光に切換えたときの切換え感が得られない。
【0014】
本発明は、以上の点から、AFSのすれ違いビーム配光と高速道路走行モード配光とを切換えて、高速道路走行時の遠方視認性を含む灯具の性能を向上させるようにしたプロジェクタタイプの車両前照灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、本発明によれば、光源と、光源からの光を前方に向かって反射させるように、第一の焦点位置が光源付近に位置し且つ第二の焦点位置が前方にほぼ水平に延びる光源の光軸上に位置するように配置された前方に向かって凹状の楕円系の反射面と、上記光軸上にてその光源側の焦点位置が上記反射面の第二焦点位置付近に位置するように配置された凸状の投影レンズと、上記反射面の第二焦点位置付近に配置され、上縁がカットオフラインを画成するように形成された遮光部材とを有する第一のランプユニットと、この第一のランプユニットの鉛直方向上方または下方に、上記第一のランプユニットと同様の構成を有する第二のランプユニットと、を備えることを特徴とする車両前照灯により、達成される。
【0016】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一のランプユニットと第二のランプユニットとの境界に設けられる開口部と、上記第一のランプユニットからの光を上記開口部から第二のランプユニットの反射面方向に反射する挿入位置と上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光路から退避する退避位置との間で移動可能な反射面である可動ミラーと、をさらに備える。
【0017】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、上記第一のランプユニットが、その遮光部材によるカットオフラインの角度位置が水平線から0.57度下方に位置することにより、一般道路走行用のすれ違いビームの配光パターンを形成すると共に、上記第二のランプユニットが、その遮光部材のカットオフラインの角度位置が水平線から0.4度または0.23度下方に位置することにより、高速道路走行モードの配光パターンを形成する。
【0018】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、一般道路走行時には、第一のランプユニットが点灯し、高速道路走行時には第一のランプユニット及び第二のランプユニットの双方が同時に点灯する。
【0019】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、カーブ走行時には、自動車の進行方向に対して、上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットが左右方向に揺動する。
【0020】
本発明による車両前照灯は、好ましくは、第一のランプユニット及び第二のランプユニットを鉛直方向に揺動させるレベリング機構をさらに備え、このレベリング機構が、車両がピッチング方向に傾斜したときにその傾斜に対応して上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光軸を一定に保持する。
【発明の効果】
【0021】
上記構成によれば、一般道路走行時には、第一のランプユニットの光源のみが給電されることにより、第一のランプユニットの光源から出射した光が、直接にまたは反射面で反射されて、その第二の焦点位置に向かって集束され、さらに投影レンズを介して前方に向かって照射される。
これにより、従来のプロジェクタタイプの車両前照灯と同様にして、遮光部材のカットオフラインにより、対向車や歩行者に対して眩惑を与えないような一般道路走行のために最適なすれ違いビーム用の配光パターンが形成されることになる。
【0022】
これに対して、高速道路走行時には、第二のランプユニットの光源のみが給電されることにより、第二のランプユニットの光源から出射した光が、直接にまたは反射面で反射されて、その第二の焦点位置に向かって集束され、さらに投影レンズを介して前方に向かって照射される。
【0023】
ここで、第二のランプユニットは、高速道路走行モード配光となるように、正面中心付近の比較的狭い角度範囲に対して光を照射するように構成されることによって、配光パターンにおける最大光度が第一のランプユニットによる一般道路走行時と比較して高められることになり、遠方視認性が向上する。従って、高速道路走行に適した配光パターンが得られることになると共に、最大光度の大幅な向上により明確な切換感が得られることになる。
【0024】
この場合、第二のランプユニットの遮光部材は、国内では水平線から0.4度下方の角度位置にカットオフラインを形成するように、またアメリカ,ヨーロッパ等においては水平線から0.23度下方の角度位置にカットオフラインを形成するようになっており、これにより、各国または地域の規則等を満たすようになっている。
【0025】
また、第二のランプユニットが第一のランプユニットに対して一体的に固定されており、複雑な可動機構を必要としないので、高い位置決め精度を容易に実現することが可能である。従って、簡単な構成により、低コストで信頼性の高いAFS機能を実現することができる。
【0026】
一般道路走行時には、第一のランプユニットのみが点灯されると共に、高速道路走行時には、第一のランプユニット及び第二のランプユニットの双方が同時に点灯される場合には、高速道路走行時には、第一のランプユニットにより比較的広い角度範囲に亘って光が照射されるので、第二のランプユニットは中心付近にのみ集中して光を照射すればよいので、中心付近の最大光度がより高められ得ることになり、より高い遠方視認性が得られることになる。
【0027】
さらに、高速道路走行時には、第二のランプユニットを追加点灯させればよいので、可動シャッタによる配光切換えと比較して、シャッタによる遮光量が変化することがなく、光源からの光が効率良く利用され得ることになると共に、第二のランプユニットの追加点灯による光度アップによって、明確な切換え感が得られることになる。
従って、安全性がより向上すると共に、複雑な可動機構を必要としないことから、信頼性が向上し且つ商品性が高められ得ることになる。
【0028】
カーブ走行時には、自動車の進行方向に対応して、上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットが一体的に左右方向に揺動される場合には、自動車の進行方向に向かって、第一のランプユニット及び第二のランプユニットにより光が照射されるので、カーブ走行時の視認性が向上し、安全性が高められると共に、左右方向への揺動機構が、第一のランプユニット及び第二のランプユニットを一体的に揺動されることにより、簡単な構成により低コストで構成され得ることになる。
【0029】
第一のランプユニット及び第二のランプユニットを一体的に前後方向に揺動させるレベリング機構を備えており、このレベリング機構が、自動車のピッチング方向の車体傾斜時に、その傾斜に対応して、上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光軸を一定に保持する場合には、例えば自動車のトランクルームへの荷物積載や加減速時の車体傾斜等に対してレベリング機構により、第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光軸を常に一定に保持することにより、縦方向に関して常に一定の配光パターンが維持され得ることになる。従って、例えば光軸が上方に振れて、他車や歩行車に幻惑光を与えるようなことはなく、また光軸が下方に振れて、十分な前方視認性が得られなくなるようなことはない。
【0030】
上記第一のランプユニットが、水平線から2度下方の角度位置から下側に照射される光を第二のランプユニットの光源に向けて反射させる挿入位置と、第一のランプユニット及び第二のランプユニットの光路から退避される退避位置との間で移動可能な可動ミラーを備えており、上記可動ミラーが悪天候モード時にのみ挿入位置に配置される場合には、悪天候時に上記第一のランプユニット及び第二のランプユニットが点灯されると共に、上記可動ミラーが挿入位置に持ち来たされると、第一のランプユニットから路面手前に照射されるべき光が上記可動ミラーによって反射される。
【0031】
これにより、対向車に対する眩惑光となる路面手前への光が上記可動ミラーによって遮断されることになる。
そして、上記可動ミラーで反射された光は、第二のランプユニットの光源に向かって進み、第二のランプユニットと反射面で反射されて、第二のランプユニットによる配光パターン内で前方に向かって照射され、有効利用され得ることになる。
尚、悪天候時以外は、上記可動ミラーは退避位置に持ち来たされることにより、第一のランプユニット及び第二のランプユニットの配光パターンを妨げないようになっている。
【0032】
このようにして、一般道路走行時には、従来と同様にして第一のランプユニットによりすれ違いビームの配光パターンが形成されることにより、規定の最大光度値を満たす一般道路走行のために最適な配光パターンが得られると共に、高速道路走行時には、第二のランプユニットにより高速道路走行モード配光が形成されることにより、第二のランプユニットの光学系によって高速道路走行モードの最大光度値を満たす配光パターンが得られることになる。
【0033】
この場合、一般道路走行時から高速道路走行時の切換えは、第二のランプユニットの追加点灯のみであり、第一のランプユニットによるすれ違いビームの配光パターンに対して、第二のランプユニットによる高速道路走行モード配光が追加されることにより、明確な切換え感が得られると共に、その切換えのために可動機構が不要であるので、簡単な構成により低コストで、高い位置決め精度により所望の角度位置のカットオフラインが容易に形成され得ることになる。
さらに、第一及び第二のランプユニットを一体的に左右や縦に揺動させることによって、AFS機能によるカーブ走行時の自動車進行方向の視認性向上やレベリングによる光軸調整を容易に行なうことが可能である。
【0034】
このようにして、本発明によれば、AFSのすれ違いビーム配光と高速道路走行モード配光とを切換えて、高速道路走行時の遠方視認性を含む灯具の性能を向上させるようにしたプロジェクタタイプの車両前照灯が提供されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図9を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0036】
[実施例1]
図1は、本発明による車両前照灯の第一の実施形態の構成を示している。
図1において、車両前照灯10は、走行ビーム用ランプユニット11と、すれ違いビーム用の第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30と、共通の筐体12及び前面レンズ13と、から構成されている。
上記走行ビーム用ランプユニット11については、詳細な説明は省略する。
【0037】
上記すれ違いビーム用の第一のランプユニット20は、図10に示した従来のプロジェクタタイプの車両前照灯と同様の構成の一般道路走行のためのものであって、光源としてのバルブ21と、上記バルブ21からの光を前方に向かって反射させる反射面22と、上記反射面22の前方に配置された投影レンズ23と、上記反射面22と投影レンズ23との間に配置された遮光部材24と、から構成されている。
【0038】
上記バルブ21は、一般に自動車の前照灯または補助前照灯に使用されるバルブであって、例えば白熱電球,ハロゲン電球,赤外線反射膜付きのハロゲン電球やメタルハライドランプ等の放電灯等のバルブが使用され、その光軸O1が前方に向かってほぼ水平に配置され、ソケットにより固定保持されると共に、給電されるようになっている。
【0039】
上記反射面22は、上記バルブ21からの光を前方に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ21の発光点付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2が前側にてバルブ21から前方に延びる光軸O1上に位置するように、楕円系の反射面として構成されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
【0040】
上記投影レンズ23は、凸状のレンズから構成されており、上記光軸O1上にて、その光源側の焦点が上記反射面22の第二の焦点位置F2付近に位置するように、配置されている。
【0041】
上記遮光部材24は、不透光性材料から形成されていると共に、その上縁24aが、上記投影レンズ23の光源側の焦点位置即ち上記反射面22の第二の焦点位置F2付近に配置されている。
【0042】
そして、上記遮光部材24は、その上縁24aが、一般道路走行用の配光パターンを形成するようになっている。
より詳細には、上記遮光部材24は、水平線から0.57度下方の角度位置に、一般道路走行用のすれ違いビームのカットオフラインを形成するようになっている。
【0043】
これに対して、上記第二のランプユニット30は、上記第一のランプユニット20と同様の構成の高速道路走行のためのものであって、光源としてのバルブ31と、上記バルブ31からの光を前方に向かって反射させる反射面32と、上記反射面32の前方に配置された投影レンズ33と、上記反射面32と投影レンズ33との間に配置された遮光部材34と、から構成されている。
【0044】
上記バルブ31,反射面32,投影レンズ33及び遮光部材34は、上記第一のランプユニット20のバルブ21,反射面22,投影レンズ23及び遮光部材24と同様の構成であると共に、中心付近に対してより狭い角度範囲で遠くまで光を照射するようになっている。
【0045】
そして、上記遮光部材34は、その上縁34aが、高速道路走行用の配光パターンを形成するようになっている。
より詳細には、上記遮光部材34は、水平線から0.4度または0.23度下方の角度位置に、高速道路走行用のすれ違いビームのカットオフラインを形成するようになっている。
尚、この場合、上記カットオフラインの角度位置は、国内向けでは0.4度に設定され、また輸出用では0.23度に設定されるようになっている。
【0046】
上記筐体12は、上述した第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30そして走行ビーム用ランプユニット11を自動車の車体の適宜の位置にて収容するように成っており、その前側が光を照射するために開放している。
【0047】
上記前面レンズ13は、上記筐体12の開放端を閉塞するように備えられており、各ランプユニット11,20及び30から前方に出射され光を透過させると共に、筐体12内を保護するようになっている。
【0048】
本発明実施形態による車両前照灯10は、以上のように構成されており、一般道路走行時及び高速道路走行時には、それぞれ以下のように動作する。
【0049】
即ち、一般道路走行時には、第一のランプユニット20のバルブ21のみがソケットから給電されて発光することにより、バルブ21の発光部から光が出射される。そして、バルブ21から出射した光は、直接に、または上記反射面22で反射されて、この反射面22の第二焦点F2付近に向かって前方に進み、投影レンズ23により集束されながら、前方に向かって照射される。
【0050】
その際、バルブ21から出射した光のうち、一部の光が上記遮光部材24により遮断され、その上縁24aによりカットオフラインが形成されることになる。 従って、図3(a)に示すように、従来の一般道路走行のすれ違いビームと同様のカットオフラインが形成されることになり、対向車や歩行者に眩惑を与えない、一般道路走行に最適な配光パターンが得られることになる。
【0051】
これに対して、高速道路走行時には、上記第一のランプユニット20に加えて、上記第二のランプユニット30のバルブ31も同時に給電されて、第二のランプユニット30も点灯する。
これにより、バルブ31の発光部から光が出射されて、バルブ31から出射した光は、直接に、または上記反射面32で反射されて、この反射面32の第二焦点F2付近に向かって前方に進み、投影レンズ33により集束されながら、前方に向かって照射される。
【0052】
その際、バルブ31から出射した光のうち、一部の光が上記遮光部材34により遮断され、第二のランプユニット30の配光は図3(b)のようにその上縁34aによりカットオフラインが形成されることになる。
従って、第二のランプユニット30と第一のランプユニットとの配光を重ねることによって、図4に示すように、一般道路走行の場合と比較して0.17度または0.34度上方にずれたカットオフラインが形成されることになり、より遠方まで光が照射される遠方視認性の良好な、高速道路走行に最適な配光パターンが得られることになる。
【0053】
このようにして、一般道路走行時には、図3に示す一般道路走行用の配光パターンにより、路面配光パターンは、図5に示すように、比較的短い距離で、特に中央から左側に光が照射されることにより、前方視認性が確保され得るようになっている。
これに対して、高速道路走行時には、図3に示す一般道路走行用の配光パターンに加えて、図4に示す高速道路走行用の配光パターンが追加されることになるので、高速道路走行モードにおける路面配光パターンは、図6に示すように、比較的遠い距離まで光が照射される。
【0054】
その際、第二のランプユニット30は、高速道路走行時専用に設計されるので、その配光パターンが中心付近の比較的狭い角度範囲に形成されることになり、最大光度値が高められ得る。
従って、高速道路走行時においては、比較的遠い距離まで光が照射されると共に、最大光度値が向上するので、遠方視認性が向上することになる。
【0055】
この場合、一般道路走行時から高速道路走行時への配光パターンの切換えは、第二のランプユニット30の追加点灯により行なわれるので、配光パターン切換えのための可動機構が不要であり、信頼性が向上すると共に、最大光度値の増大により明確な切換え感が得られることになる。
尚、高速走行の判定は、例えば車速や操舵角の当該車両の情報、あるいはETCやGPS等の外部からの情報等に基づいて、適宜に行なわれ得る。
【0056】
[実施例2]
図7は、本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示している。
図7において、車両前照灯40は、図1及び図2に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
上記車両前照灯40は、前述した車両前照灯10と比較して、第一のランプユニット20が、可動ミラー41を備えている点でのみ異なる構成になっている。 上記可動ミラー41は、不透光性材料から構成されており、第一のランプユニット20の反射面22から投影レンズ23への光路中に挿入される挿入位置(図7(a)に図示位置)と、上記第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30の光路から退避される退避位置(図7(b)に図示位置)との間を移動可能に支持されている。
そして、上記可動ミラー41は、その挿入位置において、第一のランプユニット20の投影レンズ23に入射する光のうち、投影レンズ23を透過した後に水平線から2度下方の角度位置から下側に照射される光を第二のランプユニット30のバルブ31に向けて反射させるようになっている。
尚、上記可動ミラー41は、悪天候時にのみ上述した挿入位置に移動されると共に、悪天候時以外には退避位置に位置するようになっている。
【0058】
このような構成の車両前照灯40によれば、通常(悪天候時以外)は、上記可動ミラー41が図7(b)の退避位置に位置していることにより、図1及び図2に示した車両前照灯10と同様に作用すると共に、悪天候時には、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30が点灯され、且つ上記可動ミラー41が退避位置から図7(a)の挿入位置に移動されることによって、第一のランプユニット20の水平線から2度下方の角度位置から下側に照射される光、即ち路面手前に照射される光が上記可動ミラー41により遮断され、第二のランプユニット30のバルブ31に向かって反射される。
【0059】
従って、悪天候時に対向車に対して眩惑光となる光が遮断されると共に、この遮断された光が第二のランプユニット30のバルブ31に向かって反射されることにより、第二のランプユニット30のバルブ31から出射する光と同様にして、その投影レンズ33から前方に向かって高速道路走行時の配光パターンを形成するために利用されることになる。これにより、可動ミラー41により遮断された光が有効利用されると共に、第二のランプユニット30による最大光度値がより一層高められることになる。
なお、この可動ミラー41は、上述のように天候によって動かす以外にも(例えば運転者の操作によって)動かすことが可能である。
【0060】
[実施例3]
図8は、本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示している。
図8において、車両前照灯50は、図1及び図2に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
上記車両前照灯50は、前述した車両前照灯10と比較して、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を一体的に垂直な回転軸51aの周りに左右方向に揺動させる揺動機構51を備えている点でのみ異なる構成になっている。
上記揺動機構51は、自動車のカーブ走行時に、ステアリングの操舵角に応じて、自動車の進行方向に向けて第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を揺動させるようになっている。
【0062】
このような構成の車両前照灯50によれば、通常(直進時)は、上記揺動機構51が第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を正面方向に保持していることにより、図1及び図2に示した車両前照灯10と同様に作用すると共に、カーブ走行時には、上記揺動機構51が、自動車のステアリングの操舵角に応じて、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を揺動させることにより、自動車の進行方向に向けて光を照射させる。
これにより、カーブ走行時であっても、自動車の進行方向に光が照射されることにより、自動車の進行方向の視認性が向上することになる。
尚、このような車両前照灯50においても、図7に示す可動ミラー51を備えるようにしてもよい。
【0063】
[実施例4]
図9は、本発明による車両前照灯の第四の実施形態の構成を示している。
図9において、車両前照灯60は、図1及び図2に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
上記車両前照灯60は、前述した車両前照灯10と比較して、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を一体的に左右方向に延びる水平軸61aの周りに縦方向(ピッチング方向)に揺動させるレベリング機構61を備えている点でのみ異なる構成になっている。
上記レベリング機構61は、自動車のトランクルームへの荷物積載や加減速時のピッチング方向の車体傾斜時に、車体傾斜角度に応じて、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30の光軸を一定に保持するようになっている。
【0065】
このような構成の車両前照灯60によれば、通常は、上記レベリング機構61が第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を所定の縦方向角度位置に保持していることにより、図1及び図2に示した車両前照灯10と同様に作用すると共に、車体傾斜時には、その車体傾斜角度に応じて、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30を縦方向に揺動させることにより、その光軸を一定の角度位置に補正する。
これにより、車体傾斜時においても、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30の光軸が一定に保持されることにより、第一のランプユニット20及び第二のランプユニット30による配光パターンが変化するようなことはなく、常に最適な配光パターンが形成されるので、視認性が向上することになる。
尚、このような車両前照灯60においても、図7に示す可動ミラー51や図8に示す揺動機構61を備えるようにしてもよい。
【0066】
[実施例5]
上記実施例1において、車両前照灯10は、すれ違いビーム用の第一のランプユニット20と高速道路用の配光を形成する第二のランプユニット30とを用いて、すれ違い用配光と高速道路用の配光とを形成していた。これに対して本発明では、第一のランプユニット20と第二のランプユニット30とをピッチング方向(鉛直方向)に揺動させる実施例4に挙げたレベリング機構を用いて配光パターンを変化するようにしてもよい。
すなわち、第一のランプユニット20と第二のランプユニット30とをピッチング方向(鉛直方向)に揺動することで、例えば走行速度の違いによって高速道路用配光に用いる遮光部材のカットオフラインを変更する場合、あるいは右側通行と左側通行との違いなど、前照灯に要求される様々な仕様に応じてレベリング機構に用いるアクチュエータの動作制御プログラムを変更することで、配光の変更動作に対応する。
このように、レベリング機構を用いて配光形成を変更する場合には、遮光部材の位置を可動することによって配光を変化させる場合に比べて移動量に対する配光の変化量が緩やかであるためその制御が容易に行なえることから、様々な仕様に対する要求に対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上述した実施形態においては、上記遮光部材34は、そのカットオフラインが水平線から4度または2.3度下方の角度位置に位置するように構成されているが、これに限らず、高速道路走行モードにおける配光規格に応じて、適宜の角度位置に位置するように構成されていてもよい。
【0068】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、AFSのすれ違いビームと高速道路走行モード配光とを切換えて、高速道路走行時の遠方視認性を向上させると共に、配光の切換え感を出すようにした、極めて優れた車両前照灯が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による車両前照灯の一実施形態の構成を示す概略正面図である。略斜視図である。
【図2】図1の車両前照灯を示す概略断面図である。
【図3】(a)図1の車両前照灯における第一のランプユニットによる、一般道路走行時の最適配光パターン示すグラフである。(b)図1の車両前照灯における第一のランプユニットによる、一部の光が遮光部材により遮断される配光パターンを示すグラフである。
【図4】図1の車両前照灯における第二のランプユニットによる配光パターンを示すグラフである。
【図5】図1の車両前照灯における一般道路走行時の路面配光パターンを示すグラフである。
【図6】図1の車両前照灯における高速道路走行時の路面配光パターンを示すグラフである。
【図7】(a)本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示す概略断面図で、可動ミラーの挿入位置を示している。(b)本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示す概略断面図、可動ミラーの退避位置を示している。
【図8】本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明による車両前照灯の第四の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図10】従来の車両前照灯の一例の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0070】
10 車両前照灯
11 走行ビーム用ランプユニット
12 筐体
13 前面レンズ
20 一般道路走行時のすれ違いビーム用ランプユニット
21 バルブ(光源)
22 反射面
23 投影レンズ
24 遮光部材
24a 上縁
30 一般道路走行時のすれ違いビーム用ランプユニット
31 バルブ(光源)
32 反射面
33 投影レンズ
34 遮光部材
34a 上縁
40 車両前照灯
41 可動ミラー
50 車両前照灯
51 揺動機構
60 車両前照灯
61 レベリング機構




 

 


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