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発明の名称 車両用灯具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−165142(P2007−165142A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−360498(P2005−360498)
出願日 平成17年12月14日(2005.12.14)
代理人 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
発明者 芥川 貴志 / 後藤 卓
要約 課題
本発明は、簡単な構成により、低コストで、前面レンズにおける着雪を確実に排除することができるようにした車両用灯具を提供することを目的とする。

解決手段
可視光及び赤外光を含む光を出射し、前方にほぼ水平に延びる光軸を有する光源11と、上記光源からの光を前方に向かって所定の配光特性で反射させる凹状の反射面12と、上記光源または反射面から前方に進む光の出射面を覆うように上記光源の前方に配置され、透光性材料から成る前面レンズ13と、を含んでいる、車両用灯具10において、上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域12aが、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されるように、車両用灯具10を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
可視光及び赤外光を含む光を出射し、前方にほぼ水平に延びる光軸を有する光源と、上記光源からの光を前方に向かって所定の配光特性で反射させる凹状の反射面と、上記光源または反射面から前方に進む光の出射面を覆うように上記光源の前方に配置され、透光性材料から成る前面レンズと、を含んでいる、車両用灯具において、
上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されている
ことを特徴とする、車両用灯具。
【請求項2】
上記反射面が、前方に向かって凹状の放物系反射面として構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記反射面が、前方に向かって凹状の楕円系反射面として構成されていると共に、上記反射面と前面レンズとの間に配置され、反射面からの反射光を集束させる投影レンズを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記前面レンズが、赤外光吸収剤を含んでいることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記前面レンズが、その内面に赤外光吸収剤をコーティングされていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項6】
上記光源が、HID等の放電灯であって、上記赤外光吸収剤として、ジイモニウム塩を含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
上記前面レンズが、外面に溌水性を備えていることを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項8】
上記前面レンズが、外面に溌水コーティングを備えていることを特徴とする、請求項7に記載の車両用灯具。
【請求項9】
上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、前面レンズの所定領域に光を反射させるように形成されていることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項10】
上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、反射面と別体に構成されていることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載の車両用灯具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の前部に設けられた前照灯,補助前照灯等として使用される車両用灯具に関し、特に赤外光の成分が少ない光を出射するHID等の放電灯を光源として使用した車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような車両用灯具は、例えば図6に示すように、構成されている。 即ち、図6において、車両用灯具1は、例えば自動車の前照灯であって、光源2と、光源2からの光を前方に向かって反射させる反射面3と、光源2から前方に向かって出射する直接光を遮断するフード4と、反射面3の前方に配置されている前面レンズ5と、から構成されている。
【0003】
上記光源2は、例えばハロゲン電球やHID等の放電灯から構成されており、外部から給電することにより、発光するようになっている。
上記反射面3は、光源2から後方または側方に向かって出射した光を前方に向かって反射させるように、例えば前方に向かって凹状の放物反射面として形成されている。
そして、上記反射面3の焦点位置が、光源2の発光中心付近に位置するように配置されている。
【0004】
上記フード4は、不透光性材料から構成されており、光源2の前方の光軸上に配置されることにより、光源2から直接に前面レンズ5に入射する光を遮断するようになっている。
【0005】
上記前面レンズ5は、透光性材料から構成されており、反射面3からの光を前方に向かって透過させると共に、光源2及び反射面3を保護するようになっている。
ここで、上記透光性材料は、例えばガラスや、ポリカーボネイト等のプラスチック材料が使用される。
【0006】
このような構成の車両用灯具1によれば、光源2から出射した光Lが、反射面3で反射されて、前面レンズ5を介して前方に向かって照射され、例えば所謂すれ違いビームの配光パターンの範囲を照明するようになっている。
【0007】
ここで、光源2としてハロゲン電球を使用した車両用灯具1の場合には、光源2から赤外光を多く含む光が出射しているため、前面レンズ5が光源2からの光Lによって加熱され、前面レンズ5の温度が比較的高くなっている。
従って、例えば降雪時等に、前面レンズ5の外面に雪が付着したとき、前面レンズ5の熱によって融解することになり、結果的に前面レンズ5に雪が堆積し難くなっている。
【0008】
これに対して、光源2としてHID等の放電灯が使用されている場合には、このような放電灯は赤外光の成分が少ない光を出射することが知られており、前面レンズ5が光源2からの光Lによってあまり加熱されない。
従って、例えば降雪時等に、前面レンズ5の外面に雪が付着したとき、前面レンズ5に付着した雪が溶けにくくなってしまう。
【0009】
また、反射面3は、その全前面が反射率を高めるためにアルミ蒸着膜等により鏡面加工されていると共に、光源2として放電灯を使用する場合には、上記反射面3は、その上面3aや下面3bの前縁付近等の前方への配光に有効に寄与しない反射光、所謂グレアを生成してしまう部分を有しており、これらの部分にはグレアの生成を防止するために、例えばローレット処理等の拡散処理が施されている。これにより、配光特性に寄与しない光L’が、点線で示すように拡散されるようになっている。
【0010】
従って、光源2からの光Lは、前面レンズ5の一部の領域5aのみに当たって、この領域5aのみが加熱されることになる。これにより、光源2からの光Lが当たる領域5aのみで融雪が行なわれることになる。
このため、反射面3から前方に向かって照射される光Lの一部が、前面レンズ5の周縁付近に付着した雪により遮られてしまうことになり、前方視界の周辺に関して十分な照度を得ることができなくなってしまう。
【0011】
これに対して、特許文献1においては、内部に炭素系発熱体を備えた車両用ランプが開示されている。
この構成によれば、炭素系発熱体が給電により発熱し、前面レンズを加熱することになる。従って、前面レンズの温度が比較的高くなるので、例えば降雪時等に、前面レンズの外面に雪が付着すると、前面レンズの熱によって溶けることになり、前面レンズに雪が堆積してしまうようなことはない。
【0012】
また、特許文献2においては、光透過カバーの内外または近傍に加熱体を備えた自動車用照明灯が開示されている。
この自動車用照明灯によれば、加熱体が給電により発熱して、光透過カバーの温度が比較的高くなる。これにより、光透過カバーの前面に付着した氷雪が融解されることになり、光透過カバーに雪が堆積してしまうようなことがない。
【特許文献1】特開2004−127574号
【特許文献2】特開2002−166778号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、特許文献1による車両用ランプにおいては、内部に備えられた炭素系発熱体により、前面レンズを加熱して、前面レンズの外面に付着した雪等を溶かすことができるが、内部に炭素系発熱体を備えると共に、この炭素系発熱体に対する給電ラインを設ける必要があり、構造が複雑になってしまう。
【0014】
また、特許文献2による自動車用照明灯においては、同様に光透過カバーの内外または近傍に備えられた加熱体により、光透過カバーを加熱して、光透過カバーの前面に付着した氷雪を融解することができるが、光透過カバーの内外または近傍に加熱体を設置すると共に、この加熱体に対する給電ラインを設ける必要があり、構造が複雑になってしまう。
【0015】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、低コストで、前面レンズにおける着雪を確実に排除することができるようにした車両用灯具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、本発明の構成によれば、可視光及び赤外光を含む光を出射し、前方にほぼ水平に延びる光軸を有する光源と、上記光源からの光を前方に向かって所定の配光特性で反射させる凹状の反射面と、上記光源または反射面から前方に進む光の出射面を覆うように上記光源の前方に配置され、透光性材料から成る前面レンズと、を含んでいる、車両用灯具において、上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されていることを特徴とする、車両用灯具により、達成される。
【0017】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記反射面が、前方に向かって凹状の放物系反射面として構成されている。
【0018】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記反射面が、前方に向かって凹状の楕円系反射面として構成されていると共に、上記反射面と前面レンズとの間に配置され、反射面からの反射光を集束させる投影レンズを備えている。
【0019】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記前面レンズが、赤外光吸収剤を含んでいる。
【0020】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記前面レンズが、その内面に赤外光吸収剤をコーティングされている。
【0021】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記光源が、HID等の放電灯であって、上記赤外光吸収剤として、ジイモニウム塩を含むものによる。
【0022】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記前面レンズが、外面に溌水性を備えている。
【0023】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記前面レンズが、外面に溌水コーティングを備えている。
【0024】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、前面レンズの所定領域に光を反射させるように形成されている。
【0025】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、反射面と別体に構成されている。
【発明の効果】
【0026】
上記構成によれば、光源から出射した光が、直接にまたは反射面で反射されて、前面レンズを介して前方に向かって照射され、例えばすれ違いビームの配光パターンの範囲を照明する。
その際、光源から直接に出射した光、そして反射面で反射された光の一部が、前面レンズの中心領域に入射すると、その中心領域が光に含まれる赤外光成分により加熱され、前面レンズの中心領域の温度が上昇する。
【0027】
また、反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域に対して入射した光は、この領域にて可視光が吸収されると共に、赤外光が反射されて、上記前面レンズの中心領域の周囲に入射する。これにより、前面レンズの中心領域の周囲が赤外光により加熱され、前面レンズの中心領域の周囲の温度が上昇する。
【0028】
これにより、前面レンズは、その中心領域だけでなく、その周囲も赤外光によって加熱されることにより、前面レンズの温度が上昇することになり、例えば降雪時等に、前面レンズの外面に雪が付着したとしても、前面レンズの温度上昇によって雪が溶けることになり、前面レンズに雪が堆積してしまうようなことはない。
【0029】
このようにして、反射面のうち、所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域に対して入射した光に関して、可視光をカットして、赤外光のみを前面レンズに向かって反射させることにより、グレアを発生させることなく、光の利用効率も向上し、前面レンズの中心領域の周囲を含む広い範囲に亘って、前面レンズを赤外光により加熱して、着雪を融解させることが可能になる。
【0030】
従って、例えば光源として赤外光の成分が少ない光を出射するHID等の放電灯が使用されている場合であっても、出射光に含まれる赤外光を有効に利用し、前面レンズの中心領域の周囲を含む広い領域で着雪が融解され得るので、前面レンズの外面に雪が堆積してしまうようなことはなく、十分な照度の光が前方に向かって照射され、視界が確保され得ることになる。
【0031】
上記反射面が、前方に向かって凹状の放物系反射面として構成されている場合には、光源及び反射面から成る光学系を備えた車両用灯具が構成されることになる。
【0032】
上記反射面が、前方に向かって凹状の楕円系反射面として構成されていると共に、上記反射面と前面レンズとの間に配置され、反射面からの反射光を集束させる投影レンズを備えている場合には、プロジェクタタイプの車両用灯具が構成されることになる。
【0033】
上記前面レンズが、赤外光吸収剤を含んでいる場合、あるいは上記前面レンズが、その内面に赤外光吸収剤をコーティングされている場合には、光源からの光が前面レンズに入射したとき、赤外光吸収剤が入射した赤外光を吸収することにより、より効率的に加熱され、より高い温度まで上昇することになる。
【0034】
上記光源が、HID等の放電灯であって、上記赤外光吸収剤が、ジイモニウム塩から構成されている場合には、放電灯からの赤外光の成分の少ない光が前面レンズに入射したとき、より効率的に赤外光を吸収し得ることになる。
【0035】
上記前面レンズが、外面に溌水性を備え、好ましくは溌水コーティングを備えている場合には、降雪等の際に、雪が前面レンズの外面に付着しにくくなるので、前面レンズへの赤外光の入射による加熱と相まって、外面への着雪がより効果的に排除され得ることになる。
【0036】
上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、前面レンズの所定領域に光を反射させるように形成されている場合には、従来グレアとなっているような光が、反射面により赤外光として反射され、前面レンズの所定領域に向かって進むことになるので、前面レンズの所定領域に対してより効率的に赤外光が導かれることになり、より効率的に加熱され得ることになる。
【0037】
上記反射面の所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域が、反射面と別体に構成されている場合には、容易に可視光を吸収し且つ赤外光を反射させるように構成することができると共に、容易に前面レンズの所定領域に光を反射させるように形成することができる。
【0038】
このようにして、本発明による車両用灯具によれば、赤外光の成分が少ない例えばHID等の放電灯を光源として使用する場合であっても、前面レンズの中心領域だけでなく、その周辺にも赤外光が入射し得ることによって、前面レンズに対してより効率的に赤外光が入射され得ることになる。
従って、前面レンズの中心領域の周りも赤外光によって加熱されることになるので、簡単な構成によって、赤外光を発生させて、前面レンズを加熱することにより、降雪時等に、前面レンズの外面に付着した雪を確実に融解させて排除することが可能である。
これにより、前面レンズの外面に雪が堆積してしまうようなことはなく、十分な照度の光が前方に向かって照射され、視界が確保され得ることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図5を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0040】
[実施例1]
図1は、本発明を適用した車両用灯具の第一の実施形態の構成を示している。 図1において、車両用灯具10は、自動車の前照灯であって、光源11と、光源11からの光を前方に向かって反射させる反射面12と、反射面12の前方に配置された前面レンズ13と、から構成されている。
【0041】
上記光源11は、自動車の前照灯または補助前照灯として使用される光源であって、赤外光の成分が少ない光を出射する例えばHID等の放電灯が使用され、図示しない手段により固定保持されると共に、給電されるようになっている。
【0042】
上記反射面12は、光源11から後方または側方に向かって出射した光を前方に向かって反射させるように、例えば前方に向かって凹状の放物反射面として形成されている。
そして、上記反射面12の焦点位置が、光源11の発光中心付近に位置するように配置されている。
【0043】
上記前面レンズ13は、透光性材料、例えばポリカーボネイト,アクリル等のプラスチック樹脂から構成されており、光源11または反射面12からの光を前方に向かって透過させると共に、車両用灯具10の光出射面全体を覆って上記光源11及び反射面12を保護するように配置されている。
【0044】
以上の構成は、図6に示した従来の車両用灯具1とほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態による車両用灯具10においては、以下の点で異なる構成になっている。
即ち、上記反射面12は、所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域12aが、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されている。
【0045】
具体的には、上記反射面12は、上記領域12aにて、図2に示すように、ベース12bに対して、マスキング等により、順次に黒色塗装12c及び例えばTiO2 −SiO誘電体多層膜等の多層膜12dを形成することにより、構成されている。
これにより、図2おいて、光Lが入射したとき、光Lが多層膜12dを介して黒色塗装12cに達することにより、可視光成分L1が吸収されると共に、吸収されない赤外光成分L2が反射されるようになっている。
【0046】
また、上記前面レンズ13を構成する透光性材料は、赤外光吸収剤として、アントラキノン誘導体,ジイモニウム塩,アミウム塩等が添加されている。
特に、光源11としてHIDが使用されている場合には、上記赤外光吸収剤として、好ましくはジイモニウム塩が使用される。
【0047】
さらに、上記前面レンズ13は、その外面に、溌水コーティング13aが施されることにより、溌水性が付与されている。
この溌水コーティング13aは、例えばシリコン系,フッ素系の添加剤から構成されており、前面レンズ13の外面に対して高い溌水性を付与するようになっている。
【0048】
本発明実施形態による車両用灯具10は、以上のように構成されており、光源11に給電することにより、光源11から可視光及び赤外光を含む光Lが出射し、直接にまたは反射面12で反射されて、前面レンズ13を介して前方に向かって照射され、例えば所謂すれ違いビームの配光パターンの範囲を照明するようになっている。
【0049】
ここで、光源11から直接に出射した光、そして反射面12で反射された光の一部が前面レンズ13の中心領域を透過する際に、これらの光Lに含まれる赤外光成分L2が前面レンズ13の中心領域13bを加熱し、前面レンズ13の中心領域13bの温度を上昇させる。
その際、前面レンズ13に赤外光吸収剤が添加されていることにより、前面レンズ13の中心領域13bに入射した光Lの赤外光成分L2が前面レンズ13に効果的に吸収されることになり、前面レンズ13の中心領域13bがより高い温度に上昇することになる。
【0050】
また、光源11から反射面12の上記領域12aに入射した光Lのうち、可視光成分L1が吸収されることにより、この領域12aで反射されて所定の配光特性の外側に拡散してグレアを発生することがなく、また赤外光成分L2は、この領域12aで反射されて、所定の配光特性の外側に拡散して、即ち上記前面レンズ13の中心領域13bの外側の周辺領域13cに入射することになる。
【0051】
これにより、前面レンズ13の上記周辺領域13cに赤外光成分L2が入射することによって、この周辺領域13cを加熱し、前面レンズ13の周辺領域13cの温度を上昇させる。
その際、前面レンズ13に赤外光吸収剤が添加されていることにより、前面レンズ13の周辺領域13cに入射した光Lの赤外光成分L2が前面レンズ13に効果的に吸収されることになり、前面レンズ13の周辺領域13cもより高い温度に上昇することになる。
【0052】
従って、例えば降雪時等には、前面レンズ13の外面に溌水コーティング13aが施されていることにより、前面レンズ13の外面に雪が付着しにくくなると共に、前面レンズ13の外面に雪が付着した場合には、付着した少量の雪は、前面レンズ13の中心領域13b及び周辺領域13cの広い範囲に亘って、熱により容易に融解することになる。
これにより、前面レンズ13の外面に雪が堆積してしまうようなことはなく、十分な照度の光が前方に向かって照射され、視界が確保され得ることになる。
【0053】
[実施例2]
図3は、本発明を適用した車両用灯具の第二の実施形態の構成を示している。 図3において、車両用灯具20は、図1に示した車両用灯具10とほぼ同様の構成であって、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図3に示す上記車両用灯具20は、図1に示した車両用灯具10とは、反射面12の形状が、上記領域12aにて、赤外光成分L2を、前面レンズ13の所定領域13d(図3(B)参照)に向かって反射させるように形成されている点でのみ異なる構成になっている。なお、図3(A)の赤外光成分L2の照射方向には、所定領域13d(不図示)があり、そこに赤外光成分L2を照射する。
【0054】
ここで、上記領域12aは、図示の場合、反射面12の上面及び下面のみに設けられているが、これに限らず、反射面12の側面あるいはベゼル(エクステンション)部分に設けられていてもよい。
【0055】
このような構成の車両用灯具20によれば、図1に示した車両用灯具10と同様に作用すると共に、上記領域12aで反射された赤外光成分L2が、図3(A)及び(B)に示すように、前面レンズ13の所定領域13dに向かって反射されることになる。
【0056】
従って、例えば降雪時等に、前面レンズ13の外面に溌水コーティング13aが施されていることにより、前面レンズ13の外面に雪が付着しにくくなると共に、前面レンズ13の外面に雪が付着した場合、付着した少量の雪は、前面レンズ13の所定領域13dにて、赤外線成分L2の加熱により容易に融解することになる。
これにより、前面レンズ13の外面の広い範囲に亘って、雪が堆積してしまうようなことはなく、光源11からの十分な照度の光が前方に向かって照射され、視界が確保され得るだけでなく、他の車両用灯具からの光も前面レンズ13の所定領域13dを介して前方に向かって着雪に妨げられることなく、前方に向かって照射され得ることになる。
【0057】
[実施例3]
図4は、本発明による車両用灯具の第三の実施形態の構成を示している。
図4において、車両用灯具30は、所謂プロジェクタタイプの車両前照灯として構成されており、光源31と、光源31からの光を前方に向かって反射させる反射面32と、反射面32からの光を集束させる投影レンズ33と、投影レンズ33の前方に配置されている前面レンズ34と、シャッタ35と、から構成されている。
【0058】
上記光源31及び前面レンズ34は、図1に示した車両用灯具10における光源11及び前面レンズ13と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。
【0059】
上記反射面32は、光源31から後方または側方に向かって出射した光を前方に向かって反射させるように、例えば前方に向かって凹状の楕円反射面として形成されている。
そして、上記反射面32は、その長軸が光源31から前方に延びる光軸Oと一致するように、そして後側の第一の焦点位置が光源31の発光中心付近に位置するように配置されている。
【0060】
上記投影レンズ33は、凸レンズから構成されており、上記光軸O上にて、その後側の焦点位置が、上記反射面32の前側の第二の焦点位置付近に位置するように配置されている。
上記シャッタ35は、その上縁35aが、上記投影レンズ33の後側の焦点位置付近に配置されており、上縁35aが配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。
【0061】
この場合も、上記反射面32のうち、所定の配光特性の形成に寄与しない光を反射させる領域32aが、同様に、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されている。
【0062】
このような構成の車両用灯具30によれば、光源31に給電することにより、光源31から可視光及び赤外光を含む光Lが出射し、直接にまたは反射面32で反射されて、反射面32の第二の焦点位置付近に向かって進んだ後、投影レンズ33により集束されて前面レンズ34を介して前方に向かって照射され、その際シャッタ35によりカットオフラインを形成されることにより、例えば所謂すれ違いビームの配光パターンの範囲を照明するようになっている。
【0063】
ここで、光源31から直接に出射した光、そして反射面32で反射された光の一部が前面レンズ34の中心領域34aを透過する際に、これらの光Lに含まれる赤外光成分L2が前面レンズ34の中心領域34aを加熱し、前面レンズ34の中心領域34aの温度を上昇させる。
その際、前面レンズ34に赤外光吸収剤が添加されていることにより、前面レンズ34の中心領域34aに入射した光Lの赤外光成分L2が前面レンズ34に効果的に吸収されることになり、前面レンズ34の中心領域34aがより高い温度に上昇することになる。
【0064】
また、光源31から反射面32の上記領域32aに入射した光Lのうち、可視光成分L1が吸収されることにより、可視光成分がこの領域32aで反射されて所定の配光特性の外側に拡散してグレアを発生することがない。
また、赤外光成分L2は、この領域32aで反射されて、所定の配光特性の外側に拡散して、即ち上記前面レンズ34の中心領域34aの外側の周辺領域34bに入射することになる。
【0065】
これにより、前面レンズ34の上記周辺領域34bに赤外光成分L2が入射することによって、この周辺領域34bを加熱し、前面レンズ34の周辺領域34bの温度を上昇させる。
その際、前面レンズ34に赤外光吸収剤が添加されていることにより、前面レンズ34の周辺領域34bに入射した光Lの赤外光成分L2が前面レンズ34に効果的に吸収されることになり、前面レンズ34の周辺領域34bもより高い温度に上昇することになる。
【0066】
従って、例えば降雪時等には、前面レンズ34の外面に溌水コーティング34cが施されていることにより、前面レンズ34の外面に雪が付着しにくくなると共に、前面レンズ34の外面に雪が付着した場合には、付着した少量の雪は、前面レンズ34の中心領域34a及び周辺領域34bの広い範囲に亘って、熱により容易に融解することになる。
これにより、前面レンズ34の外面に雪が堆積してしまうようなことはなく、十分な照度の光が前方に向かって照射され、視界が確保され得ることになる。
【0067】
[実施例4]
図5は、本発明による車両用灯具の第四の実施形態の構成を示している。
図5において、車両用灯具40は、図4に示した車両用灯具30とほぼ同様に構成されており、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両用灯具40は、図4に示した車両用灯具30とは、反射面32の上側にて、領域32aの代わりに、反射面32の本体とは別体に構成されている赤外光反射専用の領域41が備えられている点でのみ異なる構成になっている。
【0068】
上記領域41は、領域32aと同様に、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されている。
ここで、上記領域41は、反射面32の形状に限定されることなく、図示の場合には、反射面32より強い曲率を備えることによって、赤外光成分L2を、より下向きに反射させることができる。
また、領域41に、例えば多層膜を形成する際に、マスキング工程が不要となり、より簡単な工程によって製造され得ることになる。
【0069】
このような構成の車両用灯具40によれば、図4に示した車両用灯具30と同様に作用すると共に、反射面32とは別体の領域41により、配光特性に寄与しない光の赤外光成分L2を、前方に向かってより下方に向かって反射させることにより、すれ違いビームに対応した前面レンズ34の周辺領域34dを加熱し、温度上昇させることができる。
【0070】
従って、例えば降雪時等には、前面レンズ34の外面に溌水コーティング34cが施されていることにより、前面レンズ34の外面に雪が付着しにくくなると共に、前面レンズ34の外面に雪が付着した場合には、付着した少量の雪は、前面レンズ34の中心領域34a及び周辺領域34dの広い範囲に亘って、熱により容易に融解することになる。
これにより、前面レンズ34の外面に雪が堆積してしまうようなことはなく、十分な照度の光が前方に向かって照射され、すれ違いビームに対応した視界が確保され得ることになる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
上述した実施形態においては、反射面12,32の領域12a,32aまたは41が、黒色塗装12c及び多層膜12dを備えることによって、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されているが、これに限らず、例えば反射面12の表面に熱線反射フィルムを貼り付けるようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、上記前面レンズ13,34を構成する透光性材料に、赤外光吸収剤が添加されているが、これに限らず、赤外光吸収剤が添加されていてくてもよい。
【0073】
さらに、上述した実施形態においては、上記前面レンズ13,34の前面に溌水コーティング13a,34cが施されているが、これに限らず、溌水コーティング13a,34cが省略されてもよい。
【0074】
さらにまた、上述した実施形態においては、反射面12,32の領域12a,32aまたは41が、可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されているが、これに限らず、反射面12,32の周囲の同様に配光特性の形成に寄与しない部分、例えば投影レンズ33のレンズホルダー等が同様に可視光を吸収すると共に、赤外光を反射させるように構成されていてもよい。
【0075】
また、上述した実施形態においては、車両用灯具10から40は、例えば自動車の霧灯等の補助前照灯や自動二輪車の前照灯等の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。
【0076】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、低コストで、前面レンズに付着する雪を確実に排除することができるようにした、極めて優れた車両用灯具が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した車両用灯具の第一の実施形態の構成を示す概略側面図である。
【図2】図1の車両用灯具における反射面の部分拡大断面図である。
【図3】本発明を適用した車両用灯具の第二の実施形態を示す(A)反射面の概略斜視図及び(B)前面レンズの正面図である。
【図4】本発明を適用した車両用灯具の第三の実施形態の構成を示す概略側面図である。
【図5】本発明を適用した車両用灯具の第四の実施形態の構成を示す概略側面図である。
【図6】従来の車両用灯具の一例の構成を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0078】
10,20 車両用灯具
11 光源
12 反射面
12a 領域
12b ベース
12c 黒色塗装
12d 多層膜
13 前面レンズ
13a 溌水コーティング
13b 中心領域
13c 周辺領域
13d 所定領域
30,40 車両用灯具
31 光源
32 反射面
32a 領域
33 投影レンズ
34 前面レンズ
34a 中心領域
34b 周辺領域
34c 溌水コーティング
35 シャッタ
41 領域




 

 


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