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発明の名称 車両用前照灯
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−103159(P2007−103159A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−291224(P2005−291224)
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
代理人 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
発明者 金田 真
要約 課題
従来の1つの光源ですれ違い配光と走行配光とが得られるようにした車両用前照灯においては、可動遮光板とソレノイドとの作動軌跡が異なるので、関節などを設けて移動方向の違いを補正しなければ成らず、構成が煩雑化する課題があった。

解決手段
本発明により、可動遮光板5から延設されたバネ性部材による接続板7によりソレノイド6のプランジャー6aに設けたスロット6bに嵌着して接続する構成としたことで、ソレノイド6の作動時における可動遮光板5との動作方向のズレを、関節などを設けることなく、接続板7が撓むことにより吸収するものとして、構成を簡素化すると共に、動作も円滑なものとして課題を解決する。
特許請求の範囲
【請求項1】
光源と、反射鏡と、可動遮光板と、該可動遮光板を移動するソレノイドとから成り、前記ソレノイドにより前記可動遮光板を移動することで前記光源からの光の前記反射鏡に当接する位置、または、前記前記反射鏡からの反射反射光の一部を遮蔽する位置を調節し、異なる配光形状が得られるように構成して成る車両用前照灯において、前記可動遮光板と前記ソレノイドのプランジャーとを接続する構成は、少なくとも前記可動遮光板の前記プランジャーに接続する接続板が、前記プランジャーに設けられた溝部の両壁に接する略U字状の曲面を有するバネ性部材で形成されており、前記プランジャーの移動に伴い弾性による変形により接続を維持し、前記可動遮光板を所定位置に移動させて所望の配光を得ることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記接続板に設けられた略U字状の曲面は、前記溝部の一方の面に前記接続板の前面側が接し、他方の面に背面側が接する曲率として形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記接続板に設けられ略U字状の曲面は、前記プランジャーに設けられた溝部の幅の両壁に一方の面で接するように折り返されて形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドライト、フォグライト、ドライビングライトなど、主に車両の進行方向を照射するために用いられる灯具に関するものであり、詳細には、1つの光源で配光の切り換えを可能とした灯具の構成に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の車両用前照灯90の構成の例を示すものが図7であり、例えば、メタルハライド放電灯91など、一個のバルブ91a内に、それぞれが独立して点滅可能な2つの光源を納めるのが困難な構成であり、1つの光源(アーク)91bを利用してすれ違い配光と、走行配光との2つの配光形状を切換え自在に得ようとするときには、1つの方法として、すれ違い用反射面92と、走行用反射面93とを設けたものがある。
【0003】
この場合、上記すれ違い用反射面92、走行用反射面93に加えてソレノイド94(プランジャー94a)で作動する可動遮光板95が設けられ、例えば、走行配光が得たいときには、前記ソレノイド94で可動遮光板95を駆動し、前記すれ違い用反射面92と、走行用反射面93との双方に光源91bからの光が達するようにして、両反射面92、93からの反射光の総合で走行用配光が得られるものとされている。
【0004】
また、市街地走行時など、すれ違い配光が要求されるときには、前記ソレノイド94の駆動を停止すると、前記可動遮光板95はリターンスプリング95aにより位置を換え、走行用反射面93へ達していた光源91bからの光を遮蔽する。よって、前記すれ違い用反射面92を、少なくとも対向車線側には上向き光を生じないものとしておけば、対向車に眩惑を生じさせない、すれ違い配光が得られるものとなる。
【0005】
なお、上記可動遮光板95を使用する方法以外に、図示は省略するが、例えば、回転放物面として形成した1枚の反射面に対して、走行配光を得るときは、反射面の焦点に光源91bの位置を略一致させ、すれ違い配光を得るときには、反射面の焦点に対して光源91bを適宜に上方で且つ前方に移動させて、上向き光の発生を防止する方法もあるが、この場合には、前記光源91bの移動に、より高い精度が要求されるものとなる。
【特許文献1】特開2001−319506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の構成では、ソレノイド94のプランジャー94aが直線運動を行うものであるのに対して、遮光板95は円弧運動を行うものであるので、両者間には動作時の軌跡の違いを生じ、これを補正するためには、前記プランジャー94a側も、遮光板95側も回動自在とする連結桿96で接続しなければ成らず、この取付に手間の係るものとなる問題点を生じている。
【0007】
また、走行配光からすれ違い配光に切換えるときには、前記ソレノイド94の駆動を停止するのみであるので、常時に遮光板95に対してすれ違い配光が得られる位置に移動させる偏寄力を与えているリターンスプリング95aも取付けなければ成らず更に組立に手間の係るものとなると共に、前記ソレノイド94の駆動時には、リターンスプリング95aの偏寄力に抗して、所定位置に移動させなければ成らず、前記ソレノイド94に充分な駆動力のあるものを採用しなければ成らず大型化してコストアップの要因となる問題点も併せて生じている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、光源と、反射鏡と、可動遮光板と、該可動遮光板を移動するソレノイドとから成り、前記ソレノイドにより前記可動遮光板を移動することで前記光源からの光の前記反射鏡に当接する位置、または、前記前記反射鏡からの反射反射光の一部を遮蔽する位置を調節し、異なる配光形状が得られるように構成して成る車両用前照灯において、前記可動遮光板と前記ソレノイドのプランジャーとを接続する構成は、少なくとも前記可動遮光板の前記プランジャーに接続する接続板が、前記プランジャーに設けられた溝部の両壁に接する略U字状の曲面を有するバネ性部材で形成されており、前記プランジャーの移動に伴い弾性による変形により接続を維持し、前記可動遮光板を所定位置に移動させて所望の配光を得る車両用前照灯を提供することで、プランジャーと可動遮光板との接続工程を単純化して課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、可動遮光板のプランジャーと接続される部分である接続板をバネ性部材で形成したことで、両者間の直線運動と円弧運動による軌跡の相違をバネ性で吸収し、連結桿、或いは加えて、リターンスプリングの使用を不要として構成を簡素化するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に符号1で示すものは、本発明に係る車両用前照灯1の要部である光源部2をすれ違い配光の状態で示すものであり、図1は側面図、図2は斜視図である。この光源部2はメタルハライド放電灯など、1つのバルブ内に2つの発光源3aを設けることが困難な光源3と、ソケット4とが設けられ、該ソケット4は図示を省略した反射鏡に取付けられ、結果として光源3と反射鏡とは相互の位置が固定されている。
【0011】
そして、前記光源3には、略円筒状などとした可動遮光板5が被着され、この可動遮光板5は回動軸5aにより回動自在とされていて、回動により前記光源3、即ち、発光源を覆う位置を換えることで、反射鏡に光が達する位置を変化させ、例えば、すれ違い配光と走行配光とを切換えるものである点は、従来例のものと同様である。
【0012】
本発明においても、前記可動遮光板5を作動させるに当たっては、ソレノイド6を採用し、現状では、通常のほとんどの夜間走行時に使用することの多い、すれ違い配光がソレノイド6に通電を行うことのない状態で得られるようにされ、よって、ソレノイド6のプランジャー6aは最前端に位置する状態となっている。
【0013】
よって、前記ソレノイド6から突出した状態としたプランジャー6aと、すれ違い配光が得られる位置とした前記可動遮光板5とが、本発明においては、前記可動遮光板5から延設された接続板7により接続されている。
【0014】
図3は、前記プランジャー6aと接続板7との取付けの状態を示すものであり、プランジャー6aの先端近傍には、前記接続板7の板厚に対して適宜な溝幅とし、このプランジャー6aの移動方向に対して直角方向としたスロット6bが垂直方向で、且つ、適宜な間隔を有するようにして対峙する2箇所に設けられている。
【0015】
また、接続板7の側には、長手方向に沿い上記2つのスロット6b間に嵌合する溝部7aが設けられると共に、前記溝部7aを形成する両側の脚状部7bは、先端側が適宜な押圧を加えることにより前記スロット6bに嵌り込むように略U字状の曲げ加工が行われてプランジャー嵌合部7cとされている。
【0016】
そして、上記のように形成された接続板7は、前記溝部7aが形成された反対側が延長され、例えば2箇所など複数箇所に曲げ部7dが設けられて、前記可動遮光板5に達するものとされており、例えば、スポット溶接など適宜な手段で可動遮光板5と一体化が行われている。また、本発明においては、配光の切り換えの繰り返しに備えて前記接続板7にはスプリング鋼などバネ性を有する部材が採用され、同じ動作が保証できるものとされている。
【0017】
なお、このときには、前記ソレノイド6(プランジャー6a)からの力が効率良く可動遮光板5に伝わるように、前記回動軸5aよりも下方、或いは、前方に接続出来るように前記曲げ部7dが形成されることが好ましく、また、前記プランジャー6aが動作したときには、前記曲げ部7dは応力が集中する場所となるので、直角の折り曲げではなく、曲線でなだらかに曲げられているのが好ましい。
【0018】
図4、図5は上記説明の構成とした光源部2におけるソレノイド6の駆動時の状態を示すものであり、図4は側面図、図5は斜視図である。前記プランジャー6aの位置の移動により、前記可動遮光板5は前下がりに傾き、従来例でも説明したように、走行配光を形成する反射鏡(図示せず)にも光源3からの光を配布し、例えば、高速道路の走行などにも対応できる視界が得られるものとする。
【0019】
ここで、このときの前記接続板7の状態を考察してみると、従来例でも説明したように一方のプランジャー6aが直線運動であるのに対して、他方の可動遮光板5が回転運動であるので、接続板7には当然に動作に伴う歪みを生じるものとなる。本発明では、前記接続板7にプランジャー嵌合部7c、曲げ部7dを形成したことで、上記の歪みは、これらプランジャー嵌合部7c、曲げ部7dなどの変形により吸収される。
【0020】
このとき、前記接続板7はバネ状部材で形成されているので、変形時には常時、反発力が加わっており、ソレノイド6の駆動が停止されたときには、元の形状に復帰する応力を生じるものとなる。よって、前記接続板7の板厚、形状、或いは、素材などを適正化すれば、リターンスプリングを設けることなくすれ違い配光に復帰するものとなる。また、リターンスプリングを設けるとしても、上記の理由から小規模のものでよい。
【0021】
このときに、前記プランジャー6aが、前記接続板7の形状復帰時の応力、或いは、リターンスプリングからの応力により所定の位置よりも前方に突出することのないように、プランジャー6aの先端が当接し、位置決めが行われるようにストッパ8が設けられ、一層に繰り返し精度を高く保てるようにされている。
【0022】
図6は、本発明に係る光源部2の別の実施形態であり、前の実施形態では前記ソレノイド6のプランジャー6aに設けるスロット6bを比較的に幅広のものとし、接続板7のプランジャー嵌合部7cは、前記スロット6bの幅の中で略U字状に曲げられているものであり、即ち、接続板7の片側の面でスロット6bに接し、略U字状とした幅を変化させ、移動時にプランジャー6aと可動遮光板5とに生じる傾きの変化を吸収するものであった。
【0023】
それに対して、この実施例では、前記接続板7が形成された板厚よりも、例えば、2倍程度と僅かに広い幅のスロット6bを形成しておき、前記接続板7のプランジャー嵌合部7cを長手方向に沿う中心を有する円弧状に曲げて取付けを計るものであり、よって、プランジャー6aへは接続板7は表裏面で接して取付けが行われるものとなり、両者間に傾きを生じたときには、上記した円弧状の部分が圧縮されて寸法差を吸収するものとなる。
【0024】
何れにしても、本発明によれば、可動遮光板5から延設されている接続板7の先端を、プランジャー6aに設けられたスロット6bに挿入するのみの工程で、可動遮光板5とソレノイド6との組立が行われるものとなるり、工程が簡素化して、生産性が向上する。また、可動遮光板5とソレノイド6との間には常時に接続板7のバネ性により連接されているので両者間にガタがなく、動作もスムーズである。
【0025】
なお、上記各実施形態では可動遮光板5が光源3から反射鏡へ向かう光を遮蔽するように設けられているもので説明を行ったが、プロジェクタ型の灯具についても上記各実施形態と同様な構造を採用することが可能である。
【0026】
即ち、プロジェクタ型灯具は基本的に光源、楕円反射面、投影レンズ、遮光板から成るものであり、遮光板は、光源から反射した光を楕円反射面で反射し、この反射光を遮光板により一部遮光し投影レンズに照射するものである。
【0027】
この際、楕円反射面からの反射光の一部を遮光する遮光板を移動して配光形状を形成するものであるため、これに、上記に説明した実施形態と同様な可動遮光板とソレノイドのプランジャーとの結合構造を設けても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る車両用前照灯の要部である光源部のすれ違い配光の状態を示す側面図である。
【図2】同じ光源部のすれ違い配光状態を示す斜視図である。
【図3】プランジャーと接続板との取付状態を示す説明図である。
【図4】同じく本発明に係る車両用前照灯の走行配光の状態を示す側面図である。
【図5】同じく走行配光の状態を示す斜視図である。
【図6】プランジャーと接続板との取付の別の実施形態を示す説明図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1…車両用前照灯
2…光源部
3…光源
3a…バルブ
4…ソケット
5…可動遮光板
5a…回動軸
6…ソレノイド
6a…プランジャー
6b…スロット
7…接続板
7a…溝部
7b…脚状部
7c…プランジャー嵌合部
7d…曲げ部
8…ストッパ




 

 


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