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車両用灯具。 - スタンレー電気株式会社
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発明の名称 車両用灯具。
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−87665(P2007−87665A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−272760(P2005−272760)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
発明者 谷田 安 / 久志本 琢也
要約 課題
本発明は、簡単な構成により、LEDランプユニットで発生する熱を効率的に外部に放出すると共に、LEDランプユニットの可動性を確保するようにした、LEDランプを提供することを目的とする。

解決手段
前方が開放した筐体11と、この筐体内で前方に向かって光を照射するように配置された少なくとも一つのLEDランプユニット12と、上記筐体の開放した前面を閉じる透光性材料から成る前面レンズ13と、上記LEDランプユニットが取り付けられ熱的に接続される熱伝導性材料から成る放熱部材14と、を含むLEDランプ10において、上記放熱部材14が、中空円筒状に形成されており、上記筐体内に配置されると共に、その上下端がそれぞれ筐体の上面及び下面に備えられた貫通孔11a,11bに対して密閉部材15a,15bにより気密的に連結されるように、LEDランプ10を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
前方が開放した筐体と、この筐体内で前方に向かって光を照射するように配置されたそれぞれ少なくとも一つのLED素子を有する少なくとも一つのLEDランプユニットと、上記筐体の開放した前面を閉じる透光性材料から成る前面レンズと、上記LEDランプユニットと熱的に接続される熱伝導性材料から成る放熱部材と、を含んでいる車両用灯具において、
上記放熱部材が、端部が解放した中空に形成されており、上記筐体内に配置されることを特徴とする、車両用灯具。
【請求項2】
上記放熱部材の端部が、
それぞれ筐体の上面及び下面に備えられた貫通孔に対して気密的に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記放熱部材が、その内面に放熱フィンを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記放熱部材が、その外面に放熱フィンを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記放熱部材が、その二つの開放端の間にて、少なくとも一部分で分岐していることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項6】
上記放熱部材が、少なくとも一部分で他の部分と異なる断面形状を備えていることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項7】
上記放熱部材が、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して、放熱部材の可動範囲を与える密閉部材を介して、連結されていることを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項8】
上記放熱部材が、中間領域に球面形状の外形部分を備えていると共に、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して気密的に連結されており、 上記LEDランプユニットの放熱部材への取付部分が、上記球面形状の外形部分を収容可能な形状を有することを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項9】
上記放熱部材の球面形状の外形部分と上記LEDランプユニットの放熱部材への取付部分との間に、熱伝導性材が塗布されていることを特徴とする、請求項8に記載の車両用灯具。
【請求項10】
上記放熱部材の空気流の導入口付近に、この導入口への空気流の導入を促進する送風手段が配置されていることを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項11】
上記放熱部材の二つの開放端が円形に形成されていて、上記筐体に対して中心軸の周りに回動可能であることを特徴とする、請求項1から10の何れかに記載の車両用灯具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてLED素子を使用したヘッドランプ等の車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白色LEDの高出力化,高輝度化に伴って、車両前照灯への白色LEDの利用が検討されている。
このような白色LEDは、一般的には、例えば青色LEDチップ(InGaN)と、例えばYAG等の青色光に励起されて黄色光に波長変換する蛍光体との組合せにより、これらの青色光と黄色光の混色によって、擬似的に白色光を得るようにしている。
また、青色LEDチップと、緑色及び赤色または橙色の蛍光体との組合せによる白色LEDや、紫外LEDチップと、RGB蛍光体との組合せによる白色LEDも既に開発されている。
【0003】
ところで、このような構成の白色LEDは、高出力型のものでは、一つのパッケージ当たり数Wの熱を発生すると共に、温度上昇に伴って発光効率が低下する特性を有している。このため、高出力型の白色LEDを使用する際には、効率的な放熱を行なって、LEDチップ接合部の温度を100℃以下の温度に抑制する必要がある。
これに対して、車両前照灯として使用する場合には、車両前照灯は自動車のエンジンルーム内に設置されることから、周囲にエンジンやバッテリ等の発熱源が多く、エンジンルーム内の温度は常に例えば70℃〜90℃程度の高温になっている。従って、高出力型の白色LEDを使用するために良好な環境とはいいがたい。
このため、エンジンルーム内でもLEDの動作に適した温度を提供できるようにした、放熱機構を備えたLEDヘッドランプが検討されている。
【0004】
このようなLED、即ち光源としてLEDを使用したLEDヘッドランプは、例えば図7に示すように構成されている。
即ち、図7において、LEDヘッドランプ1は、前面が開放した樹脂製の筐体2と、この筐体2内に設けられたLEDランプユニット3と、筐体2の前面を覆うように筐体2に取り付けられた透光性樹脂材料から成る前面レンズ4と、放熱部材5と、ダクト6と、から構成されている。
上記各LEDランプユニット3は、少なくとも一つのLED素子を含んでおり、前方に向かって光を出射するように、熱伝導性材料から成るランプユニット支持体3aにより筐体2の後方にて放熱部材5に対して支持されている。
【0005】
また、上記放熱部材5は、例えば多数の放熱フィンを備えたヒートシンク等として構成されており、上記筐体2に対して密閉部材5aを介して支持されている。
この密閉部材5aは、例えば図示の場合、蛇腹式ゴムシール材により構成されている。
【0006】
上記ダクト6は、上記筐体の後方に配置されており、自動車の走行による空気流を上記放熱部材5に対して導入し、上記放熱部材5を強制的に空冷するようになっている。
さらに、上記ダクト6は、その壁面が断熱材から構成されており、エンジンルーム内からの熱を遮断して、上記放熱部材5のエンジンルームからの熱による温度上昇を抑制するようになっている。
【0007】
このような構成のLEDヘッドランプ1によれば、LEDランプユニット3に対して外部から給電することにより、上記LEDランプユニット3のLED素子が駆動され、発光する。
そして、上記LEDランプユニット3から出射した光が、上記前面レンズ4を介して前方に向かって照射される。
【0008】
この場合、LEDランプユニット3内の個々のLED素子の発光に伴って熱が発生するが、この熱は、ランプユニット支持体3aを介して放熱部材5に伝達され、この放熱部材5がダクト6により導入される空気流により強制的に空冷されることにより、外部に放出される。
これにより、LEDランプユニット3内の個々のLED素子が比較的低温に維持され得るので、各LED素子が比較的高い発光効率で発光し、高輝度の照射光を前方に向かって出射するようになっている。
【特許文献1】特開2004ー127782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このような車両前照灯1においては、上記放熱部材5の放熱フィンが外気に対して曝されていることから、上記放熱部材5は、筐体2に対して防水,防塵のため気密的に取り付けられる必要があり、図示の場合、密閉部材6により密閉されている。
ここで、LEDヘッドランプ1においては、その光軸調整のために、上記LEDランプユニット3そして放熱部材5が筐体2に対して、上下左右方向に数度の範囲で傾斜し得るように支持されている。
このため、上記密閉部材6は、フレキシブルな構造を必要とし、例えば蛇腹式ゴムシール材から構成されており、その気密の信頼性が重要である。
【0010】
また、上記LEDランプユニット3は、個々のLED素子の出力が比較的低いことから、図7に示すように、複数の光学モジュール3b,3cから構成されている。
このため、上記放熱部材5は、図7に示すように、全光学モジュール3b,3cがランプユニット支持体3aにより取り付けられ、あるいは各光学モジュール3b,3cがそれぞれランプユニット支持体3aを介して、それぞれ一つの放熱部材5に取り付けられる。
【0011】
全光学モジュール3b,3cが一つの放熱部材5に取り付けられる場合には、放熱部材5自体が比較的大きくなること、また前述した光軸調整の際の筐体2に対する移動距離が大きくなることから、密閉部材6の信頼性が低下しやすくなると共に、筐体2に放熱部材5を受容するための比較的大きな孔が設けられることから、筐体2の強度が低下してしまう。
さらに、LEDヘッドランプ1のデザインによっては、密閉部材5が縦長あるいは横長の形状になることがあり、密閉部材6による密閉のための応力が不均一となり、信頼性が低下してしまうことがあった。
【0012】
また、個々の光学モジュール3b,3cがそれぞれ対応する一つの放熱部材5に取り付けられる場合には、筐体2の強度は確保されるものの、複数箇所で密閉部材6による密閉が必要となることから、気密の信頼性を確保すべき部分が多くなり、全体としての信頼性が低下する傾向がある。
【0013】
さらに、このLEDヘッドランプは、上記放熱部材5が光軸調整のための上下左右方向にそれぞれ数度の可動範囲を有することは可能であるが、例えばAFSにおける例えば20度を越えるような大きな揺動に対応することは困難であった。
【0014】
本発明は、以上の点から、簡単な構成により、LEDランプユニットで発生する熱を効率的に外部に放出すると共に、LEDランプユニットの可動性を確保するようにした、LEDランプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、本発明によれば、前方が開放した筐体と、この筐体内で前方に向かって光を照射するように配置されたそれぞれ少なくとも一つのLED素子を有する少なくとも一つのLEDランプユニットと、上記筐体の開放した前面を閉じる透光性材料から成る前面レンズと、上記LEDランプユニットと熱的に接続される熱伝導性材料から成る放熱部材と、を含んでいる車両用灯具において、上記放熱部材が、端部が解放した中空に形成されており、上記筐体内に配置されることを特徴とする、車両用灯具により、達成される。
【0016】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材の端部が、それぞれ筐体の上面及び下面に備えられた貫通孔に対して気密的に連結されている。
【0017】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、その内面に放熱フィンを備えている。
【0018】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、その外面に放熱フィンを備えている。
【0019】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、その二つの開放端の間にて、少なくとも一部分で分岐している。
【0020】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、少なくとも一部分で他の部分と異なる断面形状を備えている。
【0021】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して気密的に連結されており、放熱部材の可動範囲を与える密閉部材を介して、連結されている。
【0022】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材が、中間領域に球面形状の外形部分を備えていると共に、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して気密的に連結されており、LEDランプユニットの放熱部材への取付部分が、上記球面形状の外形部分を収容可能な形状を備えている。
【0023】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材の球面形状の外形部分と上記LEDランプユニットの放熱部材への取付部分の間に、熱伝導性材が塗布されている。
【0024】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材の空気流の導入口付近に、この導入口への空気流の導入を促進する送風手段が配置されている。
【0025】
本発明による車両用灯具は、好ましくは、上記放熱部材の二つの開放端が円形に形成されていて、上記筐体に対して中心軸の周りに回動可能である。
【発明の効果】
【0026】
上記構成によれば、各LEDランプユニットのLED素子に対して外部から給電することにより、個々のLED素子が駆動され、発光する。そして、各LEDランプユニットから出射した光が、上記前面レンズを介して前方に向かって照射される。
【0027】
この場合、各LEDランプユニットのLED素子で発生した熱は、それぞれLEDランプユニットからランプユニット支持体を介して上記放熱部材に伝達される。そして、上記放熱部材の中空部内に、例えば自動車の走行時に空気流が導入されることより、この放熱部材が強制的に空冷されることになる。これにより、LEDランプ内で発生する熱が外部に放熱され、LEDランプ内部の特に各LEDランプユニットのLED素子周辺の温度上昇が抑制され得る。
従って、各LEDランプユニットにおける個々のLEDの温度が低く抑制されることによって、個々のLED素子の温度上昇による発光効率の低下が抑制され得ることになる。
【0028】
さらに、この場合、放熱部材が中空の筒(管、パイプ)状に形成されており、その両端がそれぞれ筐体の上面及び下面に備えられた貫通孔に対して気密的に連結されされているので、上記筐体に設けられる貫通孔は比較的小さく、例えば従来と比較して約1/5程度となると共に、二つだけであるので、筐体の強度が低下するようなことはなく、また従来のようなダクトを設ける必要もない。このため、本発明は部品点数が少なくて済み、小型で軽量に構成され得ることになる。
【0029】
上記放熱部材が、その内面に放熱フィンを備えている場合には、この放熱部材内に空気流が導入されることにより、放熱部材内に備えられた放熱フィンを介して、より効率的に空冷が行なわれ得る。
【0030】
上記放熱部材が、その外面に放熱フィンを備えている場合には、この放熱部材に伝達された熱の一部が、外面に備えられた放熱フィンを介して筐体内に放熱されることにより、放熱効率がさらに向上することになる。
【0031】
上記放熱部材が、その二つの開放端の間にて、少なくとも一部分で分岐している場合には、任意の形状の筐体内に配置された各LEDランプユニットに対して分岐部分を近接して配置することによって、各LEDランプユニットで発生する熱がそれぞれ効率良く放熱を行なうことができる。
【0032】
上記放熱部材が、少なくとも一部分で異なる断面形状を備えている場合には、この放熱部材内を流れる空気流による温度差を勘案して、断面形状や断面積を変化させることにより、空気流との熱交換が効率良く行なわれ、空冷能力が増大することになる。
【0033】
上記放熱部材が、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して、放熱部材の可動範囲を与える密閉部材を介して、連結されている場合には、信頼性が重要である密閉部材が比較的小さく、例えば従来と比較して約1/5程度となると共に、二つのみであることから、例えばゴム材料による締付応力即ち密閉力が均一となり、比較的高い信頼性が得られることになる。
【0034】
上記放熱部材が、中間領域に球面形状の外形部分を備えていると共に、その二つの開放端にて、それぞれ上記筐体の貫通孔に対して気密的に連結されており、上記LEDランプユニットの放熱部材への取付部分が、上記球面形状の外形部分を収容可能な形状を備えている場合には、これらの球面形状に基づいて、上記LEDランプユニットが放熱部材に対してボールジョイントのように連結される。本発明は、このボールジョイントによりLEDランプユニットの上下左右方向の揺動性が確保され得るので、上記放熱部材の両端が筐体に対して可動性を確保するための密閉部材を介して連結する必要がなく、固定的に、例えばシリコーン等の接着シール材により気密的に連結することができる。このため、本発明は、連結部分の信頼性がより一層向上することになる。
【0035】
本発明の車両用灯具は、上記放熱部材の球面形状の外形部分と上記LEDランプユニットの放熱部材への取付部分の間に、熱伝導性材が塗布されている場合には、各LEDランプユニットと放熱部材とがボールジョイントのような連結であっても、熱伝導材によって双方の間の熱的な接触が確保されることになり、各LEDランプユニットから放熱部材への熱伝導性が低下するようなことはない。
【0036】
上記放熱部材の空気流の導入口付近に、この導入口への空気流の導入を促進する送風手段が配置されている場合には、例えばファンやタービン等の送風手段により、放熱部材の内側に常に所定量の空気流を導入する。これにより、本発明は、安定した空冷能力が得られることになり、自動車の停車時でも空冷が確実に行なわれ得る。
【0037】
上記放熱部材の二つの開放端が円形に形成されていて、上記筐体に対して中心軸の周りに回動可能である場合には、上記筐体内にて、放熱部材そして各LEDランプユニットが、上記放熱部材の中心軸の周りに回動される。これにより、本発明は、例えばAFS機構における大きな角度範囲での光軸の揺動が可能となる。
【0038】
このようにして、本発明によれば、少なくとも一つのLEDランプユニットを有するLEDランプ、例えば自動車用LEDヘッドランプ等の車両用のLEDランプにおいて、各LEDランプユニットで発生する熱が、ランプユニット支持体から筐体内に配置された中空の筒状の放熱部材に伝達され、この放熱部材の中空部に外部から導入される空気流によって、上記放熱部材が強制的に空冷される。このため、本発明は、十分な放熱性能が得られると共に、放熱部材を冷却するための空気流が筐体内を通過することになる。従って、上記放熱部材は、上記筐体に対して、その両端が気密的に筐体に連結されているので、LEDランプの信頼性が大幅に向上され得ることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図7を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。[実施例1]
【0040】
図1は、本発明によるLEDランプの第一の実施形態の構成を示している。
図1において、LEDランプ10は、自動車用のLEDヘッドランプであって、前面が開放した樹脂製の筐体11と、この筐体11内に設けられたLEDランプユニット12と、筐体11の前面を覆うように筐体11に取り付けられた透光性樹脂材料から成る前面レンズ13と、放熱部材14と、から構成されている。
【0041】
上記LEDランプユニット12は、少なくとも一つのLED素子(図示せず)を含んでおり、前方に向かって光を出射するように、熱伝導性材料から成るランプユニット支持体12aにより筐体11の内側にて放熱部材14に対して支持されている。
【0042】
以上の構成は、図8に示した従来のLEDランプ1と同様の構成であるが、本発明実施形態によるLEDランプ10においては、上記放熱部材14が、中空の筒状、図示の場合中空円筒状に形成されていると共に、この放熱部材14の上下両端が、上記筐体11の上面及び下面に設けられた貫通孔11a,11bに対して密閉部材15a,15bを介して気密的に連結されている点で異なる構成になっている。
なお、これらは筐体の上下に必ずしも連結されている必要はない。
【0043】
上記放熱部材14は、熱伝導性の高い材料、例えばアルミニウム,銅やグラファイトを含有した樹脂等から、例えばヒートシンク等として押し出し成形により構成されている。
尚、上記放熱部材14は、押し出し成形のできない複雑な形状を有している場合には、例えば円柱軸方向に分割して射出成形等により成形した後、互いに接合するようにしてもよい。
また、放熱部材14は、円柱(筒)状でなくともよく、例えば角柱のような形状など、通気可能な中空形状であれば種々の形状をとることができる。
【0044】
これにより、上記LEDランプユニット12は、ランプユニット支持体12aを介して、上記放熱部材14に対して熱的に接続されることになり、上記LEDランプユニット12で発生した熱が上記放熱部材15に伝達されるようになっている。
【0045】
さらに、上記放熱部材14は、上下両端が、上記筐体11の上面及び下面に設けられた貫通孔11a,11bに対して密閉部材15a,15bを介して気密的に連結されている。これにより、車両用灯具10はその中空部内には自動車の走行時に外部から空気流が導入可能である。この中空部内に空気流が導入されることによって、空冷されるようになっている。
その際、上記放熱部材14は、冷却効率を高めるために、図2(A)に示すように、半径方向に延びる放熱フィン14a、あるいは図2(B)に示すように、互いに平行に延びる放熱フィン14bを備えており、その表面積が非常に大きく形成されている。
【0046】
尚、上記放熱部材14は、前述したランプユニット支持体12aの取付位置と干渉しない範囲で、その外面にも放熱フィンを備えていてもよい。これにより、上記放熱部材14は、外側の放熱フィンを介して筐体11内にも放熱を行なうことができ、放熱効率がより一層向上することになる。
【0047】
上記密閉部材15a,15bは、LEDランプユニット12の上下左右への揺動を許すように、フレキシブルな構造を有しており、例えば蛇腹式ゴムシール材から構成されている。
【0048】
本発明実施形態によるLEDランプ10は、以上のように構成されており、上記LEDランプユニット12に対して外部から給電することにより、上記LEDランプユニット12の個々のLED素子が駆動され、発光する。
そして、上記LEDランプユニット12から出射した光が、上記前面レンズ13を介して前方に向かって照射される。
【0049】
この場合、上記LEDランプユニット12内の個々のLED素子の発光に伴って発生した熱は、このLEDランプユニット12からランプユニット支持体12aを介して、上記放熱部材14に伝達される。
そして、この放熱部材14が、その中空部内に外部から自動車の走行に伴って導入される空気流により強制的に空冷されることになる。
【0050】
これにより、LEDランプユニット12内の個々のLED素子で発生した熱は、放熱部材14から外部に放熱され、LEDランプ10内の温度上昇が抑制され得るようになっている。
従って、LEDランプユニット3内の個々のLED素子が比較的低温に維持され得るので、各LED素子が比較的高い発光効率で発光し、高輝度の照射光を前方に向かって出射するようになっている。
【0051】
ここで、ランプユニット支持体12aが放熱部材14そして弾力性を備えた密閉部材15a,15bを介して筐体11に取り付けられていることから、これらの密閉部材15a,15bの変形によって、LEDランプユニット12の上下左右方向への揺動による光軸調整が行なわれ得る。
【0052】
また、上記密閉部材15a,15bは、図8に示した従来のLEDランプ1と比較して、比較的小さいことから、その周縁が全体に亘って筐体11の貫通孔11a,11bに対して均一な密閉力で接触することになり、信頼性が向上することになる。
さらに、上記密閉部材15a,15bを取り付けるための筐体11の貫通孔11a,11bも小さいことから、筐体11の強度が低下してしまうようなことはない。
さらにまた、空気流が、中空の放熱部材11内に導入され、筐体11内を流れることになるので、図8に示した従来のLEDランプ1におけるダクト6が不要となる。このため、車両用灯具10は、部品点数が少なくて済み、全体が小型で簡単な構成により、低コストで構成され得ることになる。
【0053】
上述したLEDランプ10において、上記放熱部材14が、上記密閉部材15a,15bを介して、上記筐体11に対してその中心軸の周りに回動可能に支持されていると、各LEDランプユニット12は、この中心軸の周りに大きな角度、例えば20度以上揺動することが可能となる。すなわち、車両用灯具10によれば、例えばAFS機能における曲線走行時の左右の揺動を実現することができる。
【0054】
[実施例2]
図3及び図4は、本発明によるLEDランプの第二の実施形態の要部の構成を示している。
図3及び図4において、LEDランプ20は、LEDランプユニット12のランプユニット支持体12aと放熱部材14との接続部分のみ異なる構成であり、他の部分は同じ構成であるから、筐体11,前面レンズ13の説明及び図示は省略する。
【0055】
この場合、上記放熱部材14は、その中間付近に、球面形状の外形部分14cを備えている。これに対して、上記ランプユニット支持体12aは、この外形部分14cに対応する球面形状の凹部12dを備えている。
これにより、ランプユニット支持体12aは、その凹部12d内に上記放熱部材14の球面形状の外形部分14cが嵌合することにより、ボールジョイントのように連結されることになる。従って、ランプユニット支持体12aは、このボールジョイントのような連結によって、上記放熱部材14に対して上下左右に揺動して光軸調整が行なわれるように、支持されることになる。
【0056】
従って、この場合、上記放熱部材14の筐体11に対する可動性を確保する必要がなくなるので、上記放熱部材14の上下両端は、上記筐体11の貫通孔11a,11bに対して、密閉部材15a,15bを使用することなく、直接に例えばシリコーン等の接着シール材を使用して接続され得る。
これにより、上記放熱部材14の筐体11に対する密閉性に関して、信頼性がより一層向上することになる。
【0057】
ここで、好ましくは、上記ランプユニット支持体12aの凹部12dと放熱部材14の外形部分14cの間には、熱伝導性材が塗布されている。
これにより、熱的接触が確保されることになり、ランプユニット支持体12aから放熱部材14への熱伝導が効率良く行なわれ得ることになる。
【0058】
[実施例3]
図5は、本発明によるLEDランプの第三の実施形態の構成を示している。
図5において、LEDランプ30は、図1に示したLEDランプ10とほぼ同様の構成であるから、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
LEDランプ30は、放熱部材14の空気流の導入口14dに隣接して、送風手段としてのファン31を備えている点でのみ、図1に示したLEDランプ10とは異なる構成になっている。
【0059】
上記ファン31は、駆動されたとき、上記放熱部材14の空気流の導入口14dから上記放熱部材14の中空部内に空気を送り込むようになっている。
これにより、上記ファン31が駆動されている間は、自動車が停止していたとしても、上記放熱部材14内に一定量の空気流が流されることになり、上記放熱部材14そして各LEDランプユニット12の放熱が常に行なわれ得ることになる。
尚、上記ファン31の代わりに、他の種類の送風手段、例えばタービン等が備えられていてもよい。
【0060】
このような構成のLEDランプ30によれば、図1に示したLEDランプ10と同様に作用すると共に、上記ファン31の駆動中は、常に上記放熱部材14の中空部内を一定量の空気流が流れることになる。従って、常に、即ち自動車が停止していたとしても、放熱部材14そして各LEDランプユニット12の放熱が効率良く行なわれ得ることになる。
【0061】
上述した実施形態においては、放熱部材14は、一定の断面形状及び断面積を備えるように形成されているが、これに限らず、筐体11の形状に対応して、例えば横長の筐体の場合には、図6に示すように、上記放熱部材14は、途中で左右二つの分岐するように構成されていてもよい。
これにより、図6に示すように、例えば横に並んだ二つのLEDランプユニット12のランプユニット支持体12aが、それぞれ上記放熱部材14の分岐部14e,15fに取り付けられ、熱的に接続されることにより、これらの放熱が効率良く行なわれ得ることになる。
さらに、上記放熱部材14の中空部の断面形状は、各LEDランプユニット12の配置や全体のデザインに応じて、あるいは空気との接触面積を増大させるために、途中で変化するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態においては、筐体11内に二つのLEDランプユニット12が設けられているが、これに限らず、一個または三個以上のLEDランプユニット12が設けられていてもよいことは明らかである。
この場合、各LEDランプユニット12は、それぞれランプユニット支持体12aにより放熱部材14に対して支持されていてもよく、また共通の一つのランプユニット支持体12aにより放熱部材14に対して支持されていてもよい。
また、各LEDランプユニット12は、共通の一つの放熱部材14に対して支持されていてもよく、またそれぞれ一つの放熱部材14に対して支持されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によるLEDランプ10は、自動車用LEDヘッドランプとして構成されているが、これに限らず、補助前照灯等を含む他の種類の車両用LEDランプや、さらには照明用等の各種LEDランプに本発明を適用することが可能である。
【0064】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、LEDランプユニットで発生する熱を効率的に外部に放出すると共に、LEDランプユニットの可動性を確保するようにした、LEDランプが提供され得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明によるLEDランプの第一の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のLEDランプにおける放熱部材の放熱フィンの形成例を示す拡大断面図である。
【図3】本発明によるLEDランプの第二の実施形態の要部の構成を示す概略断面図である。
【図4】図3の要部の概略斜視図である。
【図5】本発明によるLEDランプの第三の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図6】本発明によるLEDランプの第四の実施形態の要部の構成を示す概略斜視図である。
【図7】従来のLEDランプの一例の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10,20,30 LEDランプ
11 筐体
11a,11b 貫通孔
12 LEDランプユニット
12a ランプユニット支持体
12d 球面形状の凹部
13 前面レンズ
14 放熱部材
14a,14b 放熱フィン
14c 球面形状の外形部分
15a,15b 密閉部材
31 ファン(送風手段)




 

 


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