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発明の名称 航空障害灯装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−59325(P2007−59325A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−245977(P2005−245977)
出願日 平成17年8月26日(2005.8.26)
代理人 【識別番号】100083150
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻木 信義
発明者 三沢 茂
要約 課題
下方に向かう光を遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供する。

解決手段
屋外に設置される建築構造物からなる被設置体11と、被設置体11に設置され発光部13を有する航空障害灯12と、被設置体11に設置され発光部13から下方に向かう光を遮光する遮光板14と、遮光板14に形成され発光部13からの光を遮光するスリット状の貫通孔15とを具備する航空障害灯装置を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;
被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;
被設置体に設置され発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;
遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔と;
を具備することを特徴とする航空障害灯装置。
【請求項2】
屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;
被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;
被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置し発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;
を具備することを特徴とする航空障害灯装置。
【請求項3】
屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;
被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;
被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置し発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;
遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔と;
を具備することを特徴とする航空障害灯装置。
【請求項4】
前記遮光板は、雪を検出するセンサーにより制御される電熱装置を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一に記載の航空障害灯装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電線鉄塔等に設置される航空障害灯を備えた航空障害灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空法では、航空の障害となる建築構造物の存在を航空機に明示するために、地表または水面から60m以上の高さの物件には航空障害灯を設置しなければならないとされている。
【0003】
一方、この種の航空障害灯において、中光度白色航空障害灯を設置する場合には、建築構造物である鉄塔等の昼間障害標識である赤と白の塗装が免除されるため、塗装費用の削減、景観の改善を図ることができる。
【0004】
しかし、中光度白色航空障害灯は鉄塔の頂上及び中間部の高さ位置に設置され、所定間隔毎に閃光発光するものであり、周辺地域のグレアの影響評価が必要で、周辺地域の光度を規定光度の範囲に収める必要がある。
【0005】
しかし、光度が規定の範囲内であっても、鉄塔が設置された周辺地域では閃光による眩しさを感じるなどの影響が発生する恐れがあり、このような場合には、閃光を伴う中光度白色航空障害灯の設置が難しくなる問題がある。
【0006】
この問題を解決するため、例えば、特許文献1に示される航空障害灯装置が知られている。
【0007】
特許文献1に示されるものは、送電線鉄塔に中光度白色航空障害灯及び遮光板を設置し、遮光板を中光度白色航空障害灯の周囲に水平に設置することにより、下方へ向かう光を遮光したものである。
【特許文献1】特開2003−338203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示される航空障害灯装置は、遮光板を中光度白色航空障害灯の周囲に水平に設置するものであり、積雪地帯の送電線鉄塔に設置した場合、遮光板に雪が積もり、しかも遮光板は面積が広く大きな平板形状をなしていることから、さらに雪が積もりやすい構成となっている。このため、大量の積雪に耐えるために、遮光板自体の強度を補強した頑丈な構成となす必要があると共に、送電線鉄塔もその重量に耐える強固な構成で建造する必要が生じる。
【0009】
しかし、頑丈に遮光板を構成すると、遮光板自体の重量が増すこととなり、高所における鉄塔上での作業が困難となる新たな問題が生じる。
【0010】
このため、航空障害灯装置においては、積雪地帯での遮光板への積雪を如何に防止するかが重要な課題となっている。
【0011】
本発明は、上述した問題、課題を解決することを目的とし、下方に向かう光を遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の航空障害灯装置の発明は、屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;被設置体に設置され発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔と;を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、被設置体に設置され発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と、遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔により、下方に向かう光を遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板が構成される。
【0014】
本発明において、屋外に設置される建築構造物からなる被設置体は、送電線鉄塔や無線鉄塔、煙突、橋桁、風力発電設備等の高さの高い建築構造物を許容する。
【0015】
発光部を有する航空障害灯は、閃光を伴う発光部を有する中光度白色航空障害灯が好適であるが、これに限定されず低光度航空障害灯でも中光度赤色航空障害灯であってもよい。
【0016】
遮光板は、一体の1枚の平板で構成しても、さらには、複数枚に分割して構成してもよい。
【0017】
発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板は、下方に向かう光を100%完全に遮光することを意味しているのではなく、光の性質を考慮して決定された許容値を含めて遮光することを許容する。
【0018】
発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔は、光は遮光し空気や水は通す、細く長い貫通したスリット孔で構成することが好ましいが、複数の丸孔または角穴等を直線状に配列して、各孔が全体として直線をなすスリット状に配置されて構成されたもの等でもよく、さらにスリットは直線状に限らずに円弧状または曲線状に配置されてもよく、孔の形状及びスリットの形状等は、特に限定されない。
【0019】
スリット状の貫通孔は、水平に設置された遮光板においては、直進する光を遮光するように上方に向かって傾斜するように貫通させて形成してもよい。さらに、遮光板が水平面に対し上方に向かって傾斜して配置された場合には、略垂直方向に貫通させて形成してもよく、要は光を遮光し、空気や水は通過させるように形成した貫通する全ての孔を許容する。
【0020】
さらに積雪を抑制し、かつ遮光板全体を軽量化するためにも、スリットは多数形成することが好ましいが、複数形成することが条件ではなく単一のスリットでもよく、遮光板の強度、積雪防止性能及び重量等を加味し、孔の個数を設計上で適宜選択すればよい。
【0021】
複数に分割して遮光板を構成した場合、各遮光板に形成するスリット状の貫通孔の数、大きさ、傾斜角度は全て同一に形成しても、各遮光板の設置方向、環境等の条件に応じて異なるようにしてもよい。
【0022】
また、スリット状の貫通孔により、発光部からの光を100%完全に遮光することを意味しているのではなく、光の性質を考慮して決定された許容値を含めて遮光することを許容する。
【0023】
請求項2に記載の航空障害灯装置の発明は、屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置し発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;を具備することを特徴とする。
【0024】
本発明において、水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置した遮光板の角度は、例えば、約30度程度に傾斜させることが好ましいが、航空障害灯を設置する場所、気候環境、光源の種別、光の強さや方向、遮光板の形状や大きさ等を考慮して設計的に決定された全ての角度が許容される。
【0025】
さらに、複数に分割して構成した遮光板においては、各遮光板の角度が全て同じ角度で上方に傾斜されていても、さらには、各遮光板の設置方向等の条件に応じて、各遮光板の傾斜角度を異ならせるようにしてもよい。
【0026】
請求項3に記載の航空障害灯装置の発明は、屋外に設置される建築構造物からなる被設置体と;被設置体に設置され発光部を有する航空障害灯と;被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置し発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と;遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔と;を具備することを特徴とする。
【0027】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3いずれか一に記載の航空障害灯装置において、前記遮光板は、雪を検出するセンサーにより制御される電熱装置を有することを特徴とする。
【0028】
雪を検出するセンサーは、積もった雪の高さや雪の重量を検出する積雪センサーでも、降雪状態を検知する降雪センサーであってもよい。
【0029】
電熱装置は、発熱線を配置したシート状の電熱体を、例えば、平板状をなす遮光板の表面または裏面、さらには両面に設置したものでも、さらに、鋼板等の金属板からなる遮光板に直接電流を流して発熱させるようにしたものでもよく、その熱により遮光板の雪を溶かすための全ての電熱装置を許容する。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明によれば、被設置体に設置され発光部から下方に向かう光を遮光する遮光板と、遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔により、下方に向かう光を確実に遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供することができる。
【0031】
請求項2の発明によれば、被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置した遮光板により、下方に向かう光を確実に遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供することができる。
【0032】
請求項3の発明によれば、被設置体に水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置した遮光板と、遮光板に形成され発光部からの光を遮光するスリット状の貫通孔により、下方に向かう光を確実に遮光すると共に、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供することができる。
【0033】
請求項4の発明によれば、遮光板は、雪を検出するセンサーにより制御される電熱装置を有するので、下方に向かう光を確実に遮光すると共に、より一層、積雪を抑制することが可能な遮光板を有する航空障害灯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の航空障害灯装置の実施形態につき説明する。
【実施例1】
【0035】
まず、航空障害灯装置の構成を図1〜図4に従い説明する。
【0036】
10は本発明の航空障害灯装置で、本発明の被設置体を構成する送電線鉄塔11と、送電線鉄塔に設置され本発明の航空障害灯を構成する中光度白色航空障害灯12と、中光度白色航空障害灯の発光部13から下方に向かう光を遮光する遮光板14と、遮光板に形成されたスリット状の貫通孔15と、遮光板14の上面に設置された電熱装置16で構成する。
【0037】
送電線鉄塔11は、図1に示すように、地表からの高さが105m以上、150m未満の高さを有する鉄塔で、頂部に1台の航空障害灯装置10が設置され、105m以内の略中間部に位置する高さに、鉄塔の大きさによって2〜4台、本実施形態では4台の航空障害灯装置10が設置されている。
【0038】
この航空障害灯装置10には、それぞれ中光度白色航空障害灯12が設置され送電線鉄塔11としては、上述したように昼間障害標識である赤白塗装が免除されている。
【0039】
中光度白色航空障害灯12は、図2に示すように、略円筒形の灯体12aと、灯体の下部に形成された取付部12bからなり、灯体の上部周面に形成された開口にガラス等の光透過部材で構成した光透過部12cを設ける。
【0040】
光透過部12c内には、発光部13が構成され、発光部は複数の灯器具13aが周方向に沿って等間隔に3台配置されている。
【0041】
灯器具13aは、例えば、キセノンランプからなる光源13bと、光源から放射される光を鉛直方向、つまり主として水平方向から上方に反射させる反射体13cで構成する。
【0042】
遮光板14は図3に示すように、亜鉛メッキ鋼板等の金属板で構成し、正方形の4枚の遮光板14aと、2等辺の直角三角形をなす4枚の遮光板14bからなり、中光度白色航空障害灯12の周囲に、角度90度毎に正方形の4枚の遮光板14aを配置し、正方形遮光板の間に三角形遮光板14bを1枚ずつ配置し、全体として正八角形をなすように配置すると共に、各遮光板の表面が水平になるようにして設置する。
【0043】
各遮光板14の表面は、光の反射を抑制するために、例えば、つや消しの黒色塗装を施してもよい。
【0044】
貫通孔15は、図2(b)に示すように、各遮光板14の表面から裏面にわたって細長に貫通した直線をなすスリット状の孔で構成し、さらに貫通孔は傾斜して形成する。
【0045】
すなわち、スリット状の貫通孔15は、約45度の角度kで上方に向かい傾斜させて形成し、水平にした遮光板14を垂直方向から見た場合、孔が透過(貫通)して見えないように、すなわち、発光部13から下方に向かう光は遮光し、空気や水は通すように構成する。
【0046】
さらに、スリット状の貫通孔15は、正方形遮光板14aの正方形の一辺に沿って平行で、かつ等間隔に同じ大きさのスリット5本形成し、三角形遮光板14bには三角形の底辺に平行で、かつ等間隔に長さが順次短くなるスリット4本を形成し、全体として正八角形をなすように配置した際、各スリット状の貫通孔が八角の中心から略同心状で、筋状をなすように配置する。
【0047】
因みに、本実施形態における中光度白色航空障害灯12、遮光板14及び各スリット状の貫通孔15の寸法は、下記のように構成する。
【0048】
中光度白色航空障害灯12の高さ寸法hは約700mm、灯体12a上部の直径寸法dは約450mm。
【0049】
遮光板14の板厚寸法aは約3.2mm、4枚の正方形遮光板14aの一辺の長さ、及び4枚の三角形遮光板14bの等辺の長さ寸法bは約500mm。
【0050】
正方形遮光板14aにおけるスリット状の貫通孔15の長さ寸法s1は約450mm、幅寸法s2は5〜20mm、本実施形態では約10mm、遮光板14全体がなす正八角形の幅寸法wは約1500mmに構成する。
【0051】
次に電熱装置16の構成を説明すると、図4(a)に示すように、電熱装置16は、電気絶縁性及び耐熱性を有する塩化ビニール等の合成樹脂シートに、電熱線を蛇行状に配置して構成し、正方形遮光板14a及び三角形遮光板14bと同じ大きさのシート状の電熱体に構成し、各遮光板14a、14bの上面に接着またはビス止め等の手段で、容易に剥がれないように強固に固定する。
【0052】
シート状の電熱装置16には、各遮光板の上面に固定した際に、遮光板のスリット状の貫通孔15に対応した位置に、スリット状の貫通孔を形成し、遮光板のスリット状の貫通孔15をシート状の電熱体で塞がないように構成する。
【0053】
各遮光板に固定されたシート状の電熱装置16は、積雪センサー17に連動して動作する。
【0054】
積雪センサー17は、送電線鉄塔の管制器近傍に支柱の外側に突出して設置され、積もった雪の高さを検知する(図1)。
【0055】
図4(a)に、概略的な電気回路構成を示すように、積雪センサー17で検知したセンサー信号は、管制器のセンサー制御器に送信され、センサー制御器から電熱線制御信号として遮光板14の電熱線コントローラーに送信して電熱装置16のON.OFF制御を行う。
【0056】
電熱装置16には中光度白色航空障害灯12の配線ボックスを通じて管制器から電源が送電される。
【0057】
なお、各遮光板14a、14bに固定されたシート状の電熱装置は、それぞれ直列に接続されて電熱線コントローラーに接続される。
【0058】
次に、上記のように構成した、中光度白色航空障害灯12と、スリット状の貫通孔15及び電熱装置16を有する遮光板14を送電線鉄塔11に設置した航空障害灯装置の構成を説明する。
【0059】
まず、送電線鉄塔の頂部に設置する航空障害灯装置の構成につき、図5〜図6に従い説明する。
【0060】
送電線鉄塔11は、四角形の四隅に配置される4本の支柱20が基礎から立設され、これら支柱が連結構造体21によって互いに連結され、鉄塔上部に送電線を掛け渡すための送電線架設部22が上下方向に複数段、本実施形態では2段にわたり設置されている(図1)。
【0061】
送電線鉄塔11の頂部には、4本の支柱20が四隅に配置され、四角形の各辺に対応して隣り合う支柱が連結材23によって連結され、さらにそれぞれ対角線上の位置する支柱間が連結材24で連結され、一方の対向する辺に位置する連結材23、23の中間部分が連結材25によって連結されている。
【0062】
また、隣り合う支柱20の側面はX字形に組み合わされる連結材26などによって連結される。
【0063】
X字形に組み合わされる連結材26の略中間部分に水平な設置台27が設置され、設置台には高さ調整架台28が設置される。
【0064】
高さ調整架台28は、中光度白色航空障害灯12の種類に応じて対応する高さ寸法及び取付構造のものが選択されて用いられ、下部が設置台27に取付けられ、上部に中光度白色航空障害灯の取付部12bを取付ける。
【0065】
これにより、設置台27が、連結材23と対角線上に位置する連結材24、24の間を通じて上方に臨み、水平な状態で設置される。
【0066】
また、設置台27の上方に位置して、鉄塔の連結材23、24、25に、支持材29を介して遮光板14を支持するための支持台30が設置される。
【0067】
支持台30は、枠材により八角形の構造体として構成され、中心に中光度白色航空障害灯12の円筒状をなす灯体12aが挿入される開口部を有し、各連結材23、24、25に八角形の構造体が略水平状態になるようにして設置される。
【0068】
上記のように設置された支持台30に、中光度白色航空障害灯12及びに遮光板14が設置される。すなわち、支持台中心の開口部に中光度白色航空障害灯12の円筒状の灯体12aを挿入し、取付部12bを高さ調整架台28に取付ける。
【0069】
これにより、支持台30に中光度白色航空障害灯12の灯体12aが埋め込まれた状態で配置され、灯体12aの上面が連結材23と対角線上の位置する連結材24、24の間を通じて上方に臨み、かつ灯体12aが水平な状態で送電線鉄塔11に設置される。
【0070】
さらに、八角形の構造体からなる支持台30上面に、中光度白色航空障害灯12の周囲に位置して、角度90度毎に正方形の4枚の遮光板14aを配置し、正方形の遮光板の間に三角形の遮光板14bを1枚ずつ配置し、全体として正八角形をなすように配置して固定する(図6)。
【0071】
また、図2(a)に示すように、遮光板14は、略水平の状態にして配置される。すなわち、遮光板の外端部の位置が、中光度白色航空障害灯12の発光部13の高さ位置より下方であって、発光部を基準とする水平面をx、この水平面xに対する下方への鉛直角をyとした場合、鉛直角y=5度より下方の位置である図中斜線領域z内に、遮光板14は設置される。
【0072】
これにより、遮光板14のスリット状の貫通孔15は、この水平面xに対し約45度の角度kで上方に向かい傾斜させた状態で設置され、発光部13から放射され下方に向かう光は上方に傾斜したスリット状の貫通孔15の内壁で遮られて遮光される。しかし雨水及び雪や雪解け水は貫通孔を通って下方に排水され、同時に風も貫通孔を通るようになる。
【0073】
次に、送電線鉄塔11の略中間部の位置に設置される航空障害灯装置の構成につき、図7に従い説明する。
【0074】
略中間部に設置される航空障害灯装置10も、上述した頂部に設置される航空障害灯装置10と同様に構成されるが、送電線鉄塔11の支柱20の略中間部に設置するため、設置台27の支持構造が異なっている。
【0075】
すなわち、略中間部に設置される設置台27は、送電線鉄塔11の支柱20の外側に突出して設置されるため、支柱に連結された支持材31及び斜めに連結された連結材32で水平になるように設置される。
【0076】
さらに、設置台27の上方に位置して支持材29により遮光板14を支持するための支持台30が設置される。
【0077】
上記のように設置された設置台27及び支持台30に、上述した頂部における航空障害灯装置10と同じ構成の中光度白色航空障害灯12及びスリット状の貫通孔15及び電熱装置16を有する遮光板14を、同様の手順及び構成によって設置する。
【0078】
この場合、設置台27と支持台30間の寸法は、頂部に設置した場合における設置台27と支持台30間の寸法と同一に構成している。このため、頂部に設置する場合と略中間部に設置する場合において、同一仕様の中光度白色航空障害灯12及び高さ調整台28を用いても、中光度白色航空障害灯12と遮光板14との位置関係が同一になる。
【0079】
なお、送電線鉄塔11の略中間部に設置する場合には、航空障害灯装置10が鉄塔の外側に突出して設置されるため、送電線鉄塔11方向へは鉄塔自体で遮光が行える場合もあり、この場合には送電線鉄塔の支柱側に位置する遮光板を省略するようにしてもよい。
【0080】
上記に説明した略中間部に設置された航空障害灯装置10は、4本の支柱の略同一の高さに位置させて、それぞれ1台ずつ計4台を設置する。
【0081】
なお、上述した頂部及び略中間部に設置した航空障害灯装置10において、各連結材23、24、25、26、設置台27、高さ調整架台28、中光度白色航空障害灯12の取付部12b、支持台30等は鋼材で構成し、それぞれを連結するための取付け手段は、図示しないボルト、ナットなどの連結具によって行われる。
【0082】
次に、上記に構成された航空障害灯装置10の作動につき説明する。
【0083】
送電線鉄塔11の頂部及び略中間部に設置された航空障害灯装置10の中光度白色航空障害灯12は、それぞれキセノンランプを光源とした発光部13が所定間隔毎に閃光発光する。
【0084】
すなわち、送電線鉄塔11に設置された周辺照度検出器(図示せず)により、鉄塔周辺照度を検出し、周辺照度が基準値より高い場合には昼間モードで、周辺照度が基準値より低い場合には夜間モードで発光する。
【0085】
図4(b)に示すように、昼間モードでは発光部を1.5秒間隔で単発光させて実効光度を高める。また、夜間モードでは発光部を1.5秒間隔で群発光させて実効光度を低める。
【0086】
上記のように、送電線鉄塔11の頂部及び略中間部に設置された、それぞれの中光度白色航空障害灯12は、発光部13から閃光発光した光が反射体13cで反射され、主として水平面xから上方に向かって放射されて航空機に送電線鉄塔11の存在を標示する。
【0087】
この際、発光部13から発光した光の内、水平面より下方であって所定の鉛直角以下の方向に向かう光は遮光板14により、鉄塔全周にわたって遮光され、鉄塔の周辺地域で眩しさを感じる等の影響を抑制する。
【0088】
遮光板14は送電線鉄塔11に対して略水平に設置されており、風圧の影響を低減することができ、遮光板自体の強度的な影響や、遮光板を設置した鉄塔への強度的な影響も低減する。
【0089】
さらに、遮光板14のスリット状の貫通孔15により、上方及び下方から吹く風も貫通孔15を通過させることができ、上下方向からの風による風圧も低減する。
【0090】
雨が降った場合、雨水は遮光板14のスリット状の貫通孔15から下方に排水されて、遮光板の上面に溜まることがなく、雨水の滞留による遮熱板の重量増による強度的な影響も低減する。
【0091】
降雪があった場合、雪や解けた水はスリット状の貫通孔15を通過して排出され積もることがない。
【0092】
大量の降雪があり、遮光板14に雪が積もってしまった場合には、積雪センサー17が積雪状態を検知して電熱装置16を作動させ、雪を解かしてスリット状の貫通孔15から排水させる。これにより雪の積雪重量による遮光板14の強度的な影響が起きない。
【0093】
上記実施形態において、遮光板14を送電線鉄塔11に対して略水平に位置させて設置したが、水平面に対し上方に向かい傾斜させて設置してもよい。
【0094】
すなわち図8(a)に示すように、遮光板14の一方の外端部を中光度白色航空障害灯12の取付部12bに設置し、他方の外端部を上方に向かい約30度の角度sをもって傾斜させて設置する。
【0095】
また、遮光板14のスリット状の貫通孔15は、傾斜して設置した遮光板に対して略垂直方向に貫通させ、発光部13から放射される下方に向かう光は垂直に形成されたスリット状の貫通孔の内壁で遮られて遮光される。しかし雨水及び雪や雪解け水は垂直の貫通孔15を通って下方に排水され、同時に風も貫通孔を通るようにする。
【0096】
大量の降雪があり、傾斜した遮光板14に万一雪が積もってしまった場合には、積雪センサー17が積雪状態を検知して電熱装置16を作動させ、雪を解かしてスリット状の貫通孔15から排水させる。
【0097】
これにより、上記実施形態と同様に、航空機に送電線鉄塔11の存在を標示し、下方向に向かう光は傾斜した遮光板14によって遮光して、鉄塔の周辺地域で眩しさを感じる等の影響を抑制する。
【0098】
さらに、遮光板14のスリット状の貫通孔15により、風を通過させることができ風圧も低減する。
【0099】
また、雨が降った場合、降雪があった場合も遮光板14のスリット状の貫通孔15から下方に排水し遮光板14の強度的な影響も低減する。
【0100】
遮光板14は上方に傾斜して設置されているので、雨及び雪や、雪解け水は傾斜に沿って速やかに排出され、特に雪が積もり難くなり、電熱装置16を省略することも可能となる。
【0101】
上記実施形態において、各遮光板14に形成したスリット状の貫通孔15の数、大きさ、傾斜角度は全て同一の角度に形成したが、各遮光板14の設置方向、環境等の条件に応じて、各貫通孔15の数、大きさ及び傾斜角度を異ならせるようにしてもよい。
【0102】
また、電熱装置16は遮光板14の上面に設けたが、遮光板の下面に設けてもよい。
【0103】
上記実施形態は、中光度白色航空障害灯を用いた航空障害灯装置を構成したが、装置に用いる航空障害灯は低光度航空障害灯でも中光度赤色航空障害灯でもよい。
【0104】
上記構成の航空障害灯装置によれば、送電線鉄塔の頂部及び略中間部に設置された、それぞれの中光度白色航空障害灯12により、発光部13から発光した光が反射体13cで反射され主として水平面xから上方に向かって放射され、航空機に送電線鉄塔の存在を標示することができる。
【0105】
発光部13から発光した光の内、水平面より下方に向向かう光は遮光板14によって確実に遮光され、鉄塔の周辺地域で眩しさを感じる等の影響を抑制することができる。
【0106】
遮光板14は送電線鉄塔11に対して略水平に設置されており、風圧の影響を低減することができる。
【0107】
遮光板14のスリット状の貫通孔15により、上方及び下方から吹く風も貫通孔を通過させることができ、上下方向からの風による風圧も低減することができる。
【0108】
雨が降った場合や降雪があった場合、雨水及び雪や、解けた水はスリット状の貫通孔15を通過して排出することができる。
【0109】
大量の降雪があり、遮光板14に雪が積もってしまった場合にも、電熱装置16を作動させ、雪を解かしてスリット状の貫通孔15から排水させることができる。
【0110】
また、遮光板14にはスリット状の貫通孔15が形成されているので、遮光板の重量を軽減することができる。
【0111】
遮光板14は正方形の4枚の遮熱板14aと、三角形の4枚の遮光板14bに分割して構成したので、スリット状の貫通孔15による軽量化と相まって、個々の遮光板が軽量化及び小形化され、高所での搭上作業を楽に行うことができる。
【0112】
中光度白色航空障害灯12は、設置台27に高さ調整架台28を介して設置するので、各種の異なる航空障害灯を設置することができ汎用性を高めることができる。
【0113】
送電線鉄塔11の頂部に設置した設置台27と支持台30間の寸法と、中間部に設置した設置台27と支持台30間の寸法を同一に構成しているので、同一仕様の中光度白色航空障害灯12及び遮光板14を、頂部及び中間部に共通して使用することができ汎用性がよくなる。
【0114】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施形態における送電線鉄塔を概略的に示す側面図。
【図2】本発明の実施形態における航空障害灯装置を示し、(a)は航空障害灯と遮光板との位置関係を示す説明図、(b)は(a)におけるA部を拡大して示す断面図。
【図3】同じく航空障害灯装置の遮光板を示す平面図。
【図4】同じく航空障害灯装置の作動を説明するもので、(a)は概略的な電気回路構成を示す説明図、(b)は発光タイミングを示すタイミングチャート。
【図5】同じく送電線鉄塔の頂部に設置された航空障害灯装置を示す側面図。
【図6】同じく送電線鉄塔の頂部に設置された航空障害灯装置を示す平面図。
【図7】同じく送電線鉄塔の略中間部に設置された航空障害灯装置を示す側面図。
【図8】同じく航空障害灯装置の変形例を示し、(a)は航空障害灯と遮光板との位置関係を示す説明図、(b)は(a)におけるB部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
【0116】
10 航空障害灯装置
11 被設置体(送電線鉄塔)
12 航空障害灯(中光度白色航空障害灯)
13 発光部
14 遮光板
15 貫通孔
16 電熱装置






 

 


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