米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 照明 -> 松下電工株式会社

発明の名称 光フィルタ及びそれを用いる照明器具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−180040(P2007−180040A)
公開日 平成19年7月12日(2007.7.12)
出願番号 特願2007−19898(P2007−19898)
出願日 平成19年1月30日(2007.1.30)
代理人 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
発明者 青木 慎一 / 山田 真 / 倉光 修 / 内田 達清 / 阪口 敏彦
要約 課題
色調や透光性を損なうことなく、虫が近寄りにくくした光フィルタ及び照明器具を提供する。

解決手段
各照明器具A,B,Cは、ランプ11,11’,11”の照射方向にそれぞれ配置された光フィルタ1、グローブ13及び前面パネル14を備える。光フィルタ1、グローブ13及び前面パネル14の材料には透光性合成樹脂に紫外線吸収剤や染料や顔料を添加したものが用いられ、波長が300nmから395nmまでの光を100%カットし、波長が405nmの光の透過率が50%以下となり、波長が450nm以上の光の平均透過率が50%以上となるようにカット率及び透過率が調整されている。また光フィルタ1、グローブ13及び前面パネル14において、少なくとも人から視認可能な側の表面に、透光性材料よりもYI値の小さい層を積層してある。
特許請求の範囲
【請求項1】
照明器具に用いられ光源の光から虫を誘引しやすい波長の光を取り除く光フィルタであって、波長が300nmから395nmまでの光を100%カットし、波長が405nmの光の透過率が50%以下となり、波長が450nm以上の光の平均透過率が50%以上となるようにカット率及び透過率が調整された透光性材料からなり、少なくとも人から視認可能な側の表面に、前記透光性材料よりもYI値の小さい層を積層したことを特徴とする光フィルタ。
【請求項2】
前記YI値の小さい層のYI値が10以下であることを特徴とする請求項1記載の光フィルタ。
【請求項3】
請求項1又は2の何れか1つに記載の光フィルタを光源の照射方向に配置したことを特徴とする照明器具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光フィルタ及びそれを用いる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定の波長の光を光フィルタでカットすることによって虫が近寄り難くした照明器具が提供されている。
【0003】
一般に、飛翔昆虫などの虫を誘引しやすい光の分光分布は紫外線にピークがあると言われているので、波長が約380nmまでの光(紫外光)をカットした照明器具や、紫外領域から可視領域の短波長側(約450nm)までの波長の光をカットした照明器具や、さらに短波長側(約600nm)までの波長の光をカットした照明器具が従来より提供されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−161253号公報(第3頁−第5頁、及び、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した照明器具の内、波長が約380nmまでの光(紫外光)をカットした照明器具では、紫外光を低減することで虫は近寄りにくくなるが、可視領域の短波長側の光にも虫を誘引する効果があるため、誘虫性の低減効果としては不十分であった。
【0005】
また、紫外領域から可視領域の短波長側(約450nm)までの波長の光をカットした照明器具では、紫外光をカットした照明器具に比べて虫が近寄りにくくなるものの、その光は明らかに黄色く見えるため、一般の照明に用いる場合は点灯時の照明器具の見掛けが悪くなるという問題があった。
【0006】
また、より短波長側(約600nm)の光をカットした照明器具では、さらに虫が近寄りにくくできるが、その光は赤色光となるため、その照明下で人が作業を行う場合には非常に不快に感じたり、作業能力が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、色調や透光性を損なうことなく、虫が近寄りにくくした光フィルタ及びそれを用いる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、照明器具に用いられ光源の光から虫を誘引しやすい波長の光を取り除く光フィルタであって、波長が300nmから395nmまでの光を100%カットし、波長が405nmの光の透過率が50%以下となり、波長が450nm以上の光の平均透過率が50%以上となるようにカット率及び透過率が調整された透光性材料からなり、少なくとも人から視認可能な側の表面に、前記透光性材料よりもYI値の小さい層を積層したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、YI値の小さい層のYI値が10以下であることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は照明器具であって、請求項1又は2の何れか1つに記載の光フィルタを光源の照射方向に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、紫外領域の光を低減して虫を引き寄せにくくするととともに、波長が405nmの光の透過率を50%以下とし、450nm以上の光の透過率を50%以上としているので、可視領域の短波長側まで光をカットする場合に比べて光が黄色味を帯びるのを低減できるという効果がある。さらに、透光性材料よりもYI値の小さい層を人から視認可能な側の表面に積層しているので、光フィルタを照明器具の照射方向に配置した場合には、消灯時において光フィルタの黄色味を少なくでき、光フィルタの見掛けを良くできるという効果がある。
【0012】
ここにおいて、YI値の小さい層のYI値は10以下とするのが好ましい。
【0013】
また、請求項3の発明によれば、紫外領域の光を低減して虫を引き寄せにくくするととともに、光が黄色味を帯びるのを低減した照明器具を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(基本構成)
図1は基本構成および後述の実施形態で説明する光フィルタ1を用いた照明器具Aの外観図を示し、ポール10の上端にランプ11を収納する箱状のランプ収納部12が設けられており、ランプ収納部12の四方の側面に形成された窓孔に矩形板状の光フィルタ1が取り付けられている。
【0016】
図2は光フィルタ1の断面図を示し、図3(a)に示すような分光スペクトルを有する透光性材料から板状に形成されている。この光フィルタ1は照明器具に用いられてランプ11(光源)の光から虫を誘引しやすい波長の光を取り除くためのものであり、その材料には、アクリル(PMMA)樹脂、ポリカーボネイト(PC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、PS樹脂とPE樹脂からなるPS/PEアロイ等の透光性合成樹脂の何れかに、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加したものが用いられている。そして、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加することで、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットし、波長が約405nmの光の透過率が約50%以下となり、波長が約450nm以上の光の平均透過率が約50%以上となるようにカット率及び透過率が調整されている。
【0017】
このように各波長の光のカット率及び透過率が調整された光フィルタ1をランプ11の照射方向に配置しているので、ランプ11の光から波長が約300〜約395nmの光を略100%カットするとともに、波長が約405nmの光の透過率を約50%以下とすることで、紫外領域の光を低減して照明器具Aの光に誘引される虫の数を抑制することができる。また、波長が約405nmの光の透過率を約50%以下とし、約450nm以上の光の平均透過率を約50%以上としているので、可視領域の短波長側まで光をカットする場合のように、照射光が黄色味を帯びることはなく、照明器具Aの見掛けを良くできる。なお、ランプ11の光に誘引される虫がさらに低減するためには、波長が約405nmの光の透過率を約10%以下とすることが望ましい。
【0018】
また、虫が誘引されるのを防止しつつ、色調の黄色味を減らすためには、図3(b)に示すように横軸に波長を、縦軸に透過率をとり、波長の1nmの目盛りaが透過率の1%の目盛りbに等しくなるようにして透光性材料の透過率のグラフを作成した場合に、透過率の変化曲線の変曲点における接線Lと横軸とが交差する角度θの正接が2以上であることが望ましい(tanθ≧2)。すなわち、変曲点における接線Lの傾きを大きくすることで、透過率の立ち上がりを大きくして、波長が約450nm以上の光の透過率を約50%以上とすることができ、色調の黄色味を減らすことができる。なお、角度θの正接を3以上とすれば、透過率の立ち上がりをさらに大きくして、色調の黄色味をさらに低減することができる。
【0019】
尚、光フィルタ1を用いる照明器具Aとしてエクステリア用のものを例に説明したが、図1(b)に示すようなシーリングタイプの照明器具Bでは、円環状の蛍光ランプよりなるランプ11’を覆うドーム状のグローブ13を、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加した透光性合成樹脂で形成することで、各波長の光のカット率や透過率を調整し、このグローブ13で光フィルタを構成すれば良い。また、図1(c)に示すような天井面に埋込配設されるベースライトタイプの照明器具Cでは、直管形の蛍光ランプよりなるランプ11”の前面(下面)を覆う前面パネル14を、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加した透光性合成樹脂で形成することで、各波長の光のカット率や透過率を調整し、この前面パネル14で光フィルタを構成すれば良い。このようにシーリングタイプやベースライトタイプの照明器具B,Cにおいても、ランプ11’,11”の照射方向にグローブ13又は前面パネル14からなる光フィルタをそれぞれ配置することで、上述の照明器具Aと同様、色調を損なうことなく、光に誘引される虫(飛翔昆虫など)の数を低減することができる。
【0020】
また、光フィルタ1を、PMMA樹脂、PC樹脂、PS樹脂、PE樹脂、PET樹脂、PS樹脂とPE樹脂からなるPS/PEアロイ等の透光性合成樹脂の何れかに紫外線吸収剤や染料や顔料を添加したものから形成しているが、ハロゲン化物などを添加することによって各波長におけるカット率及び透過率を上述のように調整した硼珪酸系或いはリン酸系などの透光性ガラスから形成しても良い。また、光フィルタ1の材料を上記のものに限定する趣旨のものではなく、上記のように各波長における光のカット率及び透過率が調整できるのであれば、どのような材料を用いても良い。また、光フィルタ1を、上記の材料からなる単層構造としても良いし、上記の材料からなる複数の層を積層した積層体としても良い。
【0021】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図4に基づいて説明する。本実施形態では、基本構成で説明した透光性材料からフィルタ層2を形成するとともに、フィルタ層2の少なくとも人から視認可能な側の表面に、フィルタ層2の材料よりもYI値の小さい層3を積層することによって、光フィルタ1を形成している。ここに、YI値とはJIS K7103に規定される黄色味の指数であり、X、Y、Zを光源色の三刺激値とすると、YI値は以下の式で求められる。
【0022】
YI=100×(1.28X−1.06Z)/Y
尚、光フィルタ1を用いる照明器具A〜Cは基本構成で説明した器具と同様であるので、その説明は省略する。
【0023】
本実施形態ではフィルタ層2の少なくとも人から視認可能な表面に、フィルタ層2よりもYI値の小さい層3を形成しているので、消灯時に照明器具を見たときに、光フィルタ1の黄色味を減少することができ、商品の見掛けを良くできる。光フィルタ1の黄色味を低減するには、YI値をできるだけ小さくすることが望ましく、YI値を3以下とするのが好ましい。また、層3の色が乳白色の場合には黄色味を低減するのに有効である。尚、フィルタ層2の表面にYI値の小さい層3を積層する方法としては、フィルタ層2の形成時に層3を同時に形成しても良いし、フィルタ層2の形成後にフィルム状に形成された層3を貼り付けるようにしても良く、層3の積層方法は問わない。
【0024】
(参考例1)
本発明の参考例1を図5に基づいて説明する。本参考例では、基本構成で説明した透光性材料からフィルタ層2を形成するとともに、フィルタ層2の少なくとも人から視認可能な側の表面に、フィルタ層2の材料よりも屈折率が高く且つ透光性を有する高屈折率層4を積層することによって、光フィルタ1を形成している。尚、光フィルタ1を用いる照明器具A〜Cは基本構成で説明した器具と同様であるので、その説明は省略する。
【0025】
上述のように本参考例ではフィルタ層2の少なくとも人から視認可能な表面に、フィルタ層2よりも屈折率の高い高屈折率層4を形成しており、消灯時に照明器具を見たときに、高屈折率層4が無い場合に比べて表面反射が大きくなるので、フィルタ層2及び高屈折率層4の材料自体の黄色味を識別できなくなり、商品の見掛けを良くできる。なおフィルタ層2が透明な場合は、フィルタ層2の材料自体に添加剤を添加することなく、色調を改善することは難しいが、高屈折率層4を形成することで、フィルタ層2及び高屈折率層4の材料自体の黄色味を識別できなくしているので、消灯時の照明器具の見掛けを良くできる。
【0026】
(参考例2)
本発明の参考例2を図6に基づいて説明する。本参考例では、基本構成で説明した透光性材料からフィルタ層2を形成するとともに、フィルタ層2の表面に、点灯時のフィルタ層2の色と同色の層5を積層している。尚、光フィルタ1を用いる照明器具A〜Cは基本構成1で説明した器具と同様であるので、その説明は省略する。
【0027】
層5の材料としては、消灯時の色が乳白色で、点灯時に透明になるような材料であって、しかも色調が黄色味の少ない材料であることが必須であり、本参考例では常温で乳白色であり、熱で溶融すると透明になる蝋を用いている。ここで、層5の材料に常温で乳白色の蝋を用いる場合、フィルタ層2の材料が透明であれば、光を透過させる必要があるフィルタ層2の部位はランプ点灯時に蝋の溶融温度以上になるように照明器具Aを構成する必要がある。また、点灯時に蝋を溶融させることで、ランプの光が層5で遮られるのを防止して、照明器具の発光効率が低減するのを防止できる。なお、層5は適宜の手段によって封止されており、蝋が溶融した際に蝋が漏れるのを防止している。
【0028】
このように、点灯時のフィルタ層2の色(白色)と同色の層5をフィルタ層2の表面に形成しているので、消灯時に光フィルタ1の色が黄色く見えるのを防止して、照明器具Aの見掛けを良くすることができる。
【0029】
尚、本参考例では層5の材料として蝋を用いているが、層5を蝋に限定する趣旨のものではなく、フィルタ層2の表面に、点灯時のフィルタ層2の色と同色であって、通電されると透明になる液晶の層を形成しても良い。ここで、点灯時には液晶に通電して液晶の層を透明とすることでランプの光が遮られるのを防止して、発光効率が低減するのを防止することができ、消灯時には液晶への通電を停止して液晶の色を点灯時のフィルタ層2の色と同色にすることで、消灯時に光フィルタ1が黄色味を帯びて見えるのを防止して、照明器具の見掛けを良くできる。
【0030】
(参考例3)
本発明の参考例3を図7に基づいて説明する。本参考例ではフィルタ層2’の材料として、波長が410nm以下の光で励起され、青色領域に蛍光発色のピークを有するフォトルミネッセンス材料を添加した乳白色の材料又は拡散材料の何れかを用いている。尚、光フィルタ1を用いる照明器具A〜Cは基本構成で説明した器具と同様であるので、その説明は省略する。
【0031】
ここで、光フィルタ1の色調を効率良く改善するためには(より白くするためには)、フィルタ層2’の材料に蛍光増白剤などを添加することが望ましく、また光フィルタ1の耐久性を重視するのであれば、蛍光体や蛍光ガラスの粉末などを添加することが望ましい。また、フォトルミネッセンス材料の発光効率をアップするためには、一般的に使用するランプの中でも短波長光をより多く含む光源を使用することが望ましい。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明の実施例と比較例について低誘虫性や色調を評価した結果を説明する。
【0033】
(実施例1)
図8は実施例1の光フィルタ1を示し、光フィルタ1は1層のフィルタ層2aからなり、フィルタ層2aの材料として、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加することで、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットするとともに、波長が約405nmの光を略100%カットし、波長が約450nm以上の光の平均透過率が約90%以上となるようにカット率及び透過率が調整された透明なアクリルを用いており、tanθ=3となっている。
【0034】
(実施例2)
図9は実施例2の光フィルタ1の断面図であり、光フィルタ1は1層のフィルタ層2bからなり、フィルタ層2bの材料として、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加することで、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットするとともに、波長が約405nmの光を略100%カットし、波長が約450nm以上の光の平均透過率が約50%以上となるようにカット率及び透過率が調整された乳白色のアクリルを用いており、tanθ=2.4となっている。
【0035】
(実施例3)
図10は実施例3の光フィルタ1の断面図であり、光フィルタ1は1層のフィルタ層2cからなり、フィルタ層2cの材料として、紫外線吸収剤や染料や顔料を添加することで、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットし、波長が約405nmの光の透過率が約50%以下となり、波長が約450nm以上の光の平均透過率が約90%以上となるようにカット率及び透過率が調整された透明なポリカーボネートを用いており、tanθ=3となっている。
【0036】
(実施例4)
実施例4では、光フィルタ1の材料として、ハロゲン化物などを添加することによって、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットするとともに、波長が約405nmの光の透過率が約50%以下となるようにカット率及び透過率が調整された透明なガラスを用いており、tanθ=3.5となっている。
【0037】
(実施例5)
実施例5では、光フィルタ1の材料として、ハロゲン化物などを添加することによって、波長が約300nmから約395nmまでの光を略100%カットするとともに、波長が約405nmの光を略100%カットするようにカット率が調整された透明なガラスを用いており、tanθ=3.5となっている。
【0038】
(実施例6)
図11は実施例6の光フィルタ1の断面図であり、実施例2と同一の材料で形成されたフィルタ層2bの表面に、フィルタ層2bよりもYI値の低い乳白色のアクリルの層3を形成している。
【0039】
(参考例A1)
図12は参考例A1の光フィルタ1の断面図であり、実施例1と同一の材料で形成されたフィルタ層2aの表面に、フィルタ層2aよりも屈折率の高い、膜厚が0.1μmのアルミナ(Al)の薄膜からなる高屈折率層4を形成している。
【0040】
(参考例A2)
図13は参考例A2の光フィルタ1の断面図であり、実施例5と同一の材料(透明なガラス)で形成されたフィルタ層2dと、フィルタ層2dに対向配置される板状のソーダガラス6との間に点灯時のフィルタ層2dの色と同色の蝋5’を挟み、フィルタ層2dとソーダガラス6との間を結合するシール材7,7で蝋5’を封止している。蝋5’は、点灯時にはランプの発熱で溶融して透明になり、消灯時には固化して点灯時のフィルタ層2dと同じ色に変化する。
【0041】
(参考例A3)
図14は参考例A3の光フィルタ1の断面図であり、実施例5と同一の材料で形成されたフィルタ層2dの表面に、点灯時のフィルタ層2の色と同色の液晶5”を形成している。液晶5”の駆動部は照明器具に設けられており、点灯時には駆動部によって液晶5”に通電されて、液晶5”の色が透明に変化するとともに、消灯時には液晶5”への通電が停止されて、点灯時のフィルタ層2の色と同じ色に変化する。
【0042】
(参考例A4)
図15は参考例A4の光フィルタ1の断面図であり、光フィルタ1は1層のフィルタ層2eからなり、実施例2の光フィルタ1に用いた乳白色のアクリルに、例えばUVITEX(R)OB(商品名)のような蛍光増白材を添加した材料でフィルタ層2eを形成している。
【0043】
(参考例A5)
図16は参考例A5の光フィルタ1の断面図であり、光フィルタ1は1層のフィルタ層2fからなり、実施例2の光フィルタ1に用いた乳白色のアクリルに、ZnSのような蛍光体の粉末を添加した材料でフィルタ層2fを形成している。
【0044】
(参考例A6)
図17(a)は参考例A6の光フィルタ1の断面図であり、波長が約380nmまでの光を略100%カットした透明なアクリルで形成されたフィルタ層2gの表面に、波長が約450nm付近のみの光をシャープカットし、420nm以上の可視光領域の光を通過させる光学多層膜8を形成してある。尚、図17(b)は光学多層膜8の分光スペクトルを示している。
【0045】
(参考例A7)
図18(a)は参考例A7の光フィルタ1の断面図であり、紫外領域の光をカットしない透明なアクリルで形成されたフィルタ層2gの表面に、波長が約420nm以上の可視光領域の光のみを通過させる光学多層膜8を形成してある。尚、図18(b)は光学多層膜8の分光スペクトルを示している。
【0046】
(比較例1〜4)
比較例1は透明なアクリルで形成され、波長が555nmの光の透過率が実施例1と同様である。比較例2は乳白色のアクリルで形成され、波長が555nmの光の透過率が実施例2と同様である。比較例3は透明なポリカーボネートで形成され、波長が555nmの光の透過率が実施例3と同様である。比較例4は一般的な透明なソーダガラスからなる。
【0047】
図19(a)は実験に用いた照明器具Aを示し、ポール10の上端に松下電器産業製の13W型コンパクト型蛍光ランプのようなランプ11を収納する箱状のランプ収納部12が設けられており、ランプ収納部12の四方の側面に形成された窓孔に実施例1〜6、参考例A1〜A7及び比較例1〜4の光フィルタ1をそれぞれ取り付けて誘虫性を評価する実験を行った。実験では10m四方の部屋の中に図19(a)の照明器具Aを設置してランプ11を点灯させるとともに、3種類の虫(ハエ、コナガ、ガ)を各々200匹ずつ離して、1時間後に光フィルタ1の下側に取り付けられた粘着シート9に捕獲された虫の数で評価する。尚、粘着シート9の大きさは□50〜300mmで、全ての実施例、参考例及び比較例で同じ大きさのものを使用した。以上のような条件で実験を行った結果と色調の評価を表1に示す。
【0048】
【表1】


【0049】
表中のカット率及び透過率は分光光度計による測定結果であり、カット率は次式で表される。
【0050】
(カット率)=100−100×Q/(Y1×(395−300))
尚、Y1は図20に示すように透過率の曲線がフラットになる部分での値であり、Qは波長が300〜395nmの範囲で透過率を積分した値を簡略的に求めた値であり、図中に斜線で示す三角形の面積である。
【0051】
また、評価項目Iは誘虫性の評価であり、比較例1の虫の総補虫数を100とした時の実施例1〜6、参考例A1〜A7及び比較例2〜4の総補虫数の相対値を示している。評価項目IIは消灯時における光フィルタ1の黄色味の目視による評価、評価項目IIIは点灯時における光フィルタ1及び光色の黄色味の目視による評価であり、それぞれ◎(殆どわからない)、○(よく見ないとわからない)、×(一目見れば分かる)の三段階で評価している。
【0052】
表1の評価結果より実施例1〜6及び参考例A1〜A7では比較例1に比べて捕虫した虫の数が約6割以下に低下しており、誘虫性を低減しつつ、消灯時及び点灯時の照明器具の見掛けをよくできた。
【0053】
また、実施例1及び比較例1、4の光フィルタ1を用いて、耐候変色試験を実施した。図21は試験に用いた照明器具Aを示し、照射面側の光フィルタ1の前方15cmのところに黄色染料を塗布した塗装紙15を配置し、松下電器産業製の400Wの水銀灯よりなるランプ11を点灯させた状態で1ヶ月後及び6ヶ月後の塗装紙15の変色度合いを目視で確認する試験(耐候変色試験1)を実施した。また、照射面側の光フィルタ1を太陽光と赤色染料を塗布した塗装紙の間に配置し、6ヶ月後及び12ヶ月後の塗装紙の変色度合いを目視で評価する試験(耐候変色試験2)も実施した。表2は両試験の試験結果を示しており、変色度合いを◎(殆ど変色無し)、○(若干変色あり)、×(変色が一目で分かる)の三段階で評価している。
【0054】
【表2】


【0055】
表2の試験結果より、実施例1では比較例1,4に比べて物体の変退色を防止する効果のあることが判明し、人の皮膚に太陽光や照明の光が与えるダメージを低減する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)〜(c)は光フィルタを用いる照明器具の基本構成を示す外観図である。
【図2】同上の光フィルタの断面図である。
【図3】(a)(b)は同上の光フィルタの分光分布の説明図である。
【図4】実施形態1の光フィルタの断面図である。
【図5】参考例1の光フィルタの断面図である。
【図6】参考例2の光フィルタの断面図である。
【図7】参考例3の光フィルタの断面図である。
【図8】実施例1の光フィルタの断面図である。
【図9】実施例2の光フィルタの断面図である。
【図10】実施例3の光フィルタの断面図である。
【図11】実施例6の光フィルタの断面図である。
【図12】参考例A1の光フィルタの断面図である。
【図13】参考例A2の光フィルタの断面図である。
【図14】参考例A3の光フィルタの断面図である。
【図15】参考例A4の光フィルタの断面図である。
【図16】参考例A5の光フィルタの断面図である。
【図17】参考例A6を示し、(a)は光フィルタの断面図、(b)は光学多層膜の分光分布の説明図である。
【図18】参考例A7を示し、(a)は光フィルタの断面図、(b)は光学多層膜の分光分布の説明図である。
【図19】実施例1〜6、参考例A1〜A7及び比較例1〜4の評価試験に用いる照明器具を示し、(a)は外観図、(b)は要部拡大図である。
【図20】カット率の計算式に用いる数値の説明図である。
【図21】実施例1及び比較例1、4の耐候変色試験に用いる照明器具の外観図である。
【符号の説明】
【0057】
A,B,C 照明器具
1 光フィルタ
11,11’,11” ランプ
13 グローブ
14 前面パネル




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013