米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 武器 -> ダイセル化学工業株式会社

発明の名称 点火器組立体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−132531(P2007−132531A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−323132(P2005−323132)
出願日 平成17年11月8日(2005.11.8)
代理人 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
発明者 小田 愼吾
要約 課題
組立時における樹脂の射出が容易な点火器組立体の提供。

解決手段
上型102の樹脂充填孔103から樹脂を注入すると、上型102、点火器11、点火器カラー20Aからなる空間110に樹脂が充填されると共に、第2貫通孔26を通って下型101と点火器カラー20Aからなる空間111にも樹脂が充填される。
特許請求の範囲
【請求項1】
電気式点火器と点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記電気式点火器が、点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に軸方向に形成された1又は2以上の第2貫通孔を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記第2貫通孔内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体。
【請求項2】
2つの電気式点火器と1つの点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記2つの電気式点火器が、それぞれ点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された2つの第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に軸方向に形成された1又は2以上の第2貫通孔を有し、前記2つの第1貫通孔の一端開口部同士を連結する連結溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記第2貫通孔及び前記連結溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体。
【請求項3】
前記第1貫通孔が、内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間が、一端側の第1大径部空間、前記導電ピンが位置する他端側の第2大径部空間及び中間の小径部空間であり、前記第2貫通孔が、前記第1大径部空間と前記第2大径部空間とを連絡するものである、請求項1又は2記載の点火器組立体。
【請求項4】
電気式点火器と点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記電気式点火器が、点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された第1貫通孔と、前記第1貫通孔の内周に沿って軸方向に形成された1又は2以上の貫通溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記貫通溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体。
【請求項5】
2つの電気式点火器と1つの点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記2つの電気式点火器が、それぞれ点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された2つの第1貫通孔と、前記第1貫通孔の内周に沿って軸方向に形成された1又は2以上の貫通溝を有し、前記2つの第1貫通孔の一端開口部同士を連結する連結溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記貫通溝及び前記連結溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体。
【請求項6】
前記第1貫通孔が、内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間が、一端側の第1大径部空間、前記導電ピンが位置する他端側の第2大径部空間及び中間の小径部空間であり、前記貫通溝が、前記第1大径部空間と前記第2大径部空間にまたがって形成されているものである、請求項4又は5記載の点火器組立体。
【請求項7】
前記第2大径部空間がコネクタを嵌め込むための空間であり、前記樹脂で覆われた側面が、前記コネクタが有する突起と対応する形状の凹部を有している、請求項3又は6記載の点火器組立体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の点火器組立体の組立方法であり、
下型に、前記点火器カラーの第1貫通孔内に前記電気式点火器が位置するように、前記点火器カラーと前記電気式点火器を取り付ける工程、
前記下型と、樹脂充填孔を有する上型を組み合わせる工程、
前記上型の樹脂充填孔から、前記第2貫通孔又は前記貫通溝を通して溶融樹脂を注入し、前記下型、前記上型、前記点火器カラー及び前記電気式点火器により形成される空間内に樹脂を充填し、固化させ、前記第1貫通孔内において前記電気式点火器を固定させる工程、
並びに
型抜きする工程
を有する点火器組立体の組立方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス発生器に使用する点火器組立体及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点火器組立体は、点火器本体と点火器カラーを樹脂で一体化する構造が、コスト面で有利であり、現在広く使用されている。一体化には樹脂等が使用され、射出成型方法で組み立てられる。
【0003】
特許文献1には、エアバッグ用のガス発生器に使用する点火器組立体が開示されている。点火器組立体の組立時に射出成形(インジェクション)法を適用する場合には、成型のための型が用いられるが、図1、図2に示されているとおり、ガス発生器等に組み込んで作動させた時の火薬の熱で樹脂が溶けたとき、点火器本体に何らかの力が加わった場合、点火器本体がカラー(挿入部材40)に形成された孔を通って点火器本体が抜けないように、カラーの内向きフランジ部分(内側部80)を厚くして強度を確保する必要がある。
【0004】
しかし、内向きフランジ部分を厚くすると、カラーに射出型を挿入するスペースが少なくなり、例えばカラー下側の射出成形型とカラーとの間に隙間が形成されにくく、樹脂が円滑に型内に流れ込みにくくなる。特に、射出装置の単純化から、樹脂射出口が1箇所(例えばカラーの上側のみ)である場合、カラーと型との間に形成される隙間が小さいため、カラーの下側に樹脂が流れにくくなる。
【特許文献1】特開平11−321541号公報(USP6,073,963)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、点火器カラー内への電気式点火器の樹脂固定が容易である点火器組立体、及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
本発明は、課題の解決手段として、
電気式点火器と点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記電気式点火器が、点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に軸方向に形成された1又は2以上の第2貫通孔を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記第2貫通孔内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体を提供する。
【0007】
点火器(電気式点火器)は、エアバッグ用ガス発生器等の車両の人員拘束装置の起動手段として用いられるもので、点火器本体(着火薬、着火薬を着火させるブリッジワイヤ、薄膜ブリッジ、ニクロム線等の発熱源を含む)と、点火器本体に電気エネルギーを供給する導電ピンを含んで構成され、金属製の点火器カラー内に樹脂で固定された状態で取り付けられている。
【0008】
点火器を点火器カラーに固定する場合は、型(上型と下型の組み合わせ)内に点火器と点火器カラーを置き、充填孔から、金属製カラーと点火器本体間に形成される空間内に樹脂を射出した後、型抜きをする方法が適用される。
【0009】
樹脂の射出時においては、金属製カラーと点火器本体間に形成される空間が大きいほど射出が容易になる。前記空間を大きくする方法としては、点火器をより長くしたり、点火器カラーの径を大きくしたりなどして、点火器カラーと型との間に形成される隙間を大きくすることが考えられるが、ガス発生器全体に対する小型軽量化の市場要求から、これらの方法は採用できない。そこで、点火器カラーの長さや径を変えずに、より薄肉にすることが考えられるが、点火器カラー自体の強度が低下してしまう。
【0010】
また射出作業の簡素化から、射出口(型に設ける樹脂充填孔)を1箇所にして、そこからのみ樹脂を充填し、型内全体に行き渡らせることが望ましい。
【0011】
本発明の点火器組立体では、点火器カラーが第1貫通孔と第2貫通孔を有している。第1貫通孔は、点火器を配置するための縦長の空間であり、第2貫通孔は、射出成形時に樹脂充填孔から充填された溶融樹脂を、点火器カラーの端部まで行き渡らせるように作用するものである。端部とは、点火器カラーのうち、樹脂充填孔の近傍から離れた位置にある部分全体を意味するもので、特定部分に限定されるものではない。
【0012】
第1貫通孔は、点火器カラーを略筒状(幅方向の断面形状は、円形、楕円形、多角形等)にした場合の貫通空間である。第2貫通孔は、点火器カラーの肉厚部に軸方向に形成された貫通孔であり、第1貫通孔の周囲に複数形成されていることが好ましい。
【0013】
第2貫通孔は、点火器カラーの内表面から内向きに環状平板部を突設し、前記環状平板部に形成してもよい。第2貫通孔は、樹脂の充填のしやすさから、第1貫通孔と軸方向に平行か、又はそれに近い角度で形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明の点火器組立体は、点火器カラーが第2貫通孔を有していることから、第1貫通孔内での樹脂が通過する隙間が小さくても(或いは全く形成されていなくても)、第2貫通孔を通って型内の空間全体に樹脂を行き渡らせることができるため、樹脂固化時の収縮により、点火器カラーと点火器を締め付けるように固定することができ、シール性能を向上させることができる。
【0015】
また、第2貫通孔内にも樹脂が充填されているため、点火器カラー内で樹脂が回転することが防止される。さらに、前記環状平板部の肉厚を維持することができるため、ガス発生器内部が高圧になり、点火器カラーから点火器が飛び出そうとしたときでも、その力に充分に耐えて、点火器の飛び出しを防止することができる。
【0016】
(請求項2)
本発明は、課題の他の解決手段として、
2以上の電気式点火器と1つの点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記2以上の電気式点火器が、それぞれ点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された2以上の第1貫通孔と、前記第1貫通孔とは別に軸方向に形成された1又は2以上の第2貫通孔を有し、前記2以上の第1貫通孔の一端開口部同士を連結する連結溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記第2貫通孔及び前記連結溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体を提供する。
【0017】
本発明の点火器組立体は、2つの点火器を2つの第1貫通孔内に配置したものであり、前記2つの第1貫通孔の一端開口部同士を連結する溝(連結溝)を有しているほかは、請求項1の発明と同じものである。
【0018】
前記連結溝は、射出時に用いる型の樹脂充填孔に対向する位置(好ましくは正対する位置)にある。そして、前記樹脂充填孔から充填された樹脂が、前記連結溝の中間部付近に射出されるようにすることが好ましい。このようにすることで、2つの第1貫通孔に対して均等に樹脂を充填できるため、樹脂の温度や固化時における収縮度合いを均等にすることができる。
【0019】
(請求項3)
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記第1貫通孔が、内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間が、一端側の第1大径部空間、前記導電ピンが位置する他端側の第2大径部空間及び中間の小径部空間であり、前記第2貫通孔が、前記第1大径部空間と前記第2大径部空間とを連絡するものである、請求項1又は2記載の点火器組立体を提供する。
【0020】
小径部空間は、第1及び第2大径部空間よりも内径の小さな空間であり、例えば、点火器カラーの内表面から内向きに突設された環状平板部を有する空間である。そして、このような環状平板部が樹脂で被覆されるようにすると、樹脂固化時における収縮により、前記環状平板部が厚さ方向両側から締め付けられるようになるため、シール性が向上する。
【0021】
小径部空間の内径は、点火器本体の外径(幅方向長さ)よりも小さいため、点火器の第2大径部側への飛び出しを防止できる。第2貫通孔は、前記環状平板部を貫通させて形成することができる。
【0022】
第1大径部空間は、点火器本体が位置する空間であり、点火器本体の大きさとの関連で内径が決定される。第2大径部空間は、導電ピンが位置する空間であり、コネクタを嵌め込む空間であるため、コネクタの大きさとの関連で内径が決定される。
【0023】
(請求項4)
本発明は、課題の他の解決手段として、
電気式点火器と点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記電気式点火器が、点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された第1貫通孔と、前記第1貫通孔の内周に沿って軸方向に形成された1又は2以上の貫通溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記貫通溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体を提供する。
【0024】
本発明の点火器組立体は、第2貫通孔の代わりに貫通溝を有しているほかは、請求項1の発明と同じである。貫通溝は、射出成形時に樹脂充填孔から充填された溶融樹脂を、型内全体に行き渡らせるように作用するものである。
【0025】
貫通溝は、第1貫通孔の内周に沿って、点火器カラーの内表面に形成された溝である。貫通溝は、点火器カラーの一端側から他端側にかけて軸方向に形成することができるが、少なくとも点火器カラーの一端側から射出された樹脂が他端側へ移動するに充分な長さだけ形成されていればよい。貫通溝は、周方向に均等間隔で、複数形成されていることが好ましい。
【0026】
(請求項5)
本発明は、課題の他の解決手段として、
2以上の電気式点火器と1つの点火器カラーを有しており、前記電気式点火器が、樹脂により前記点火器カラーに保持されている点火器組立体であり、
前記2以上の電気式点火器が、それぞれ点火器本体と前記点火器本体から延ばされた導電ピンを有しており、
前記点火器カラーが、軸方向に形成された2以上の第1貫通孔と、前記第1貫通孔の内周に沿って軸方向に形成された1又は2以上の貫通溝を有し、前記2以上の第1貫通孔の一端開口部同士を連結する連結溝を有しており、
前記電気式点火器が、前記第1貫通孔内において前記樹脂により固定されており、更に前記貫通溝及び前記連結溝内にも前記樹脂が充填されている、点火器組立体を提供する。
【0027】
本発明の点火器組立体は、2つの点火器を2つの第1貫通孔内に配置したものであり、前記2以上の第1貫通孔の一端開口部同士を連結する溝(連結溝)を有しているほかは、請求項4の発明と同じものである。
【0028】
前記連結溝は、射出時に用いる型の樹脂充填孔に対向する位置(好ましくは正対する位置)にある。そして、前記樹脂充填孔から充填された樹脂が、前記連結溝の中間部付近に射出されるようにすることが好ましい。このようにすることで、2つの第1貫通孔に対して均等に樹脂を充填できるため、樹脂の温度や固化時における収縮度合いを均等にすることができる。
【0029】
(請求項6)
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記第1貫通孔が、内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間が、一端側の第1大径部空間、前記導電ピンが位置する他端側の第2大径部空間及び中間の小径部空間であり、前記貫通溝が、前記第1大径部空間と前記第2大径部空間にまたがって形成されているものである、請求項4又は5記載の点火器組立体を提供する。
【0030】
小径部空間は、第1及び第2大径部空間よりも内径の小さな空間であり、例えば、点火器カラーの内表面から内向きに突設された環状平板部を有する空間である。そして、このような環状平板部が樹脂で被覆されるようにすると、樹脂固化時における収縮により、前記環状平板部が厚さ方向両側から締め付けられるようになるため、シール性が向上する。
【0031】
小径部空間の内径は、点火器本体の外径(幅方向長さ)よりも小さいため、点火器の第2大径部側への飛び出しを防止できる。貫通溝は、前記環状平板部を貫通させて形成することができる。
【0032】
(請求項7)
本発明は、課題の他の解決手段として、前記第2大径部空間がコネクタを嵌め込むための空間であり、前記樹脂で覆われた側面が、前記コネクタが有する突起と対応する形状の凹部を有している、請求項3又は6記載の点火器組立体を提供する。
【0033】
点火器カラーにコネクタを接続した後のコネクタの脱落防止のために、コネクタ側の突起が係合する凹部を設けることになるが、点火器カラーの第2大径部空間が金属のままであると、凹部(溝)の加工が煩雑となる。しかし、樹脂であれば成型型で凹部(溝)を形成しやすいため、第2大径部空間の表面を樹脂で覆い、凹部を形成する。
【0034】
(請求項8)
本発明は、他の課題の解決手段として、
請求項1〜7のいずれかに記載の点火器組立体の組立方法であり、
下型に、前記点火器カラーの第1貫通孔内に前記電気式点火器が位置するように、前記点火器カラーと前記電気式点火器を取り付ける工程、
前記下型と、樹脂充填孔を有する上型を組み合わせる工程、
前記上型の樹脂充填孔から、前記第2貫通孔又は前記貫通溝を通して溶融樹脂を注入し、前記下型、前記上型、前記点火器カラー及び前記電気式点火器により形成される空間内に樹脂を充填し、固化させ、前記第1貫通孔内において前記電気式点火器を固定させる工程
並びに
型抜きする工程
を有する点火器組立体の組立方法を提供する。
【0035】
本発明の点火器組立体の組立方法では、点火器カラーとして、第2貫通孔又は貫通溝を有するものを用いる。このため、型に設けられた樹脂充填孔から溶融樹脂を射出充填すると、溶融樹脂は、型、点火器カラー及び点火器から形成される空間内に入り込むとき、溶融樹脂は第2貫通孔又は貫通溝も通って移動するため、前記空間内全体に溶融樹脂を行き渡らせることができ、品質を向上できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の組立方法によれば、品質の向上した、シール性の良い点火器組立体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(1)図1の点火器組立体
図1は、点火器組立体の軸方向断面図、図2は、図1で用いた点火器カラーの軸方向の断面図である。
【0038】
図1に示す点火器組立体10は、1つの金属製の点火器カラー20Aに、1つの電気式点火器11が樹脂30で一体化されている。
【0039】
点火器11は、点火器本体12と、点火器本体12から延ばされた一対の導電ピン13とを有しており、導電ピン13同士は、電気的絶縁状態が保たれた上で、点火器本体内においてブリッジワイヤ(図示せず)が掛け渡されている。ブリッジワイヤには、点火器本体12内に存在する着火薬が接触させられており、この着火薬は、ブリッジワイヤーの発熱によって着火され燃焼し、ガス発生器の作動を開始する上で必要な火炎を生じさせる。
【0040】
金属製の点火器カラー20Aは、略筒状のもので、電気式点火器11を中に入れて取り付けるための第1貫通孔21を有している。
【0041】
第1貫通孔21は、内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間は、点火器本体12が位置する一端側の第1大径部空間22、中間位置の小径部空間23、導電ピン13が位置する他端側の第2大径部空間24からなっている。
【0042】
小径部空間23は、点火器カラー20Aの内表面から内向きに突設された環状平板部25により形成された空間である。環状平板部25には、周方向に均等間隔に配置された2個の第2貫通孔26が軸方向に貫通して形成されている。これらの第2貫通孔26により、第1大径部空間22と第2大径部空間24が連絡されている。
【0043】
小径部空間23の内径は、点火器本体12の外径よりも小さい。このため、作動時の火薬の燃焼熱(あるいはガス発生器に組み込んだ場合のガス発生剤の燃焼熱)により、樹脂30が溶融したときに点火器本体12側から圧力がかかっても、点火器11は、飛び出す(図1において下側に抜ける)ことがない。また図1に示すように、環状平板部25の軸方向厚み(aで示す)は十分に厚く、点火器11の飛び出しを阻止するに十分耐えうる強度を有している。
【0044】
第1大径部空間22、小径部空間23及び電気式点火器11で形成される空間には樹脂30が充填され、前記空間外の点火器本体12の一部周囲も樹脂30で包囲されている。第2大径部空間24は、コネクタを嵌め込むための空間となるものであり、内表面に近接した部分のみが樹脂30で覆われており、コネクタの突起を嵌め込むための環状の凹部(溝)31が形成されている。
【0045】
このように、第1大径部空間22を形成する周壁の頂面22a及び周面22b、小径部空間23を形成する環状平板部25の上面25a、周面25b、下面25c、第2貫通孔26、第2大径部空間24を形成する周面24aが樹脂30で覆われているため、樹脂30が成形収縮又は後収縮することにより、環状平板部25が樹脂30により厚さ方向に挟まれ、点火器カラー20Aと樹脂30との結合は確実なものとなる。
【0046】
このようにして、点火器カラー20Aと樹脂30の界面間の間隙形成が防止され、シール性能が向上するため、外部雰囲気からの湿気の侵入が防止される。
【0047】
樹脂30は、吸水性が少なく、かつ線膨張率が小さいものが好ましく、本実施の形態の点火器組立体では、特にナイロン6-12にガラスフィラーを33%充填した樹脂(流れ方向の成形収縮率0.2%,直角方向の成形収縮率0.3%,線膨張率2.3×10−5cm/cm℃)を用いることが好ましい。このような樹脂を用いることにより、環状平板部25を上下から挟み込む上で好適な成形収縮率を有し、成形後の変形や反り等を抑えることができる。
【0048】
(2)図1の点火器組立体の組立方法
図3により、図1の点火器組立体の組立方法を説明する。射出型100として、下型101と上型102の組み合わせを用いる。
【0049】
下型101は、点火器カラー20Aの外形に対応する凹部を有するものであり、円柱状の中央凸部105を有し、中央凸部105の周面には、複数の可動カム104が形成されている。可動カム104は、空気圧の作用により、中央凸部105の周壁面と面一になるように内部に引っ込んだり、周壁面から突起したりできるものである。
【0050】
まず、下型101に電気式点火器11と点火器カラー20Aを取り付ける。点火器カラー20Aは所定の凹部に嵌め込み、導電ピン13は、下型14に形成された導電ピン受容孔に差し込む。このとき、点火器カラー20Aの環状平板部25の下面25cの一部と、下型101の中央凸部105の頂面105aは当接しているか、溶融樹脂が入り込まない程度の間隙をおいて接している。
【0051】
次に、下型101に、点火器カラー20Aと点火器本体12に対応する凹部を有する上型102を被せる。下型101と上型102を重ね合わせることで、点火器11と点火器カラー20Aが射出型100内で固定された状態となる。上型102には、樹脂充填口103が形成されている。
【0052】
次に、上型102の樹脂充填孔103から、射出型100内に形成された空間内に溶融樹脂を注入し、固化させる。
【0053】
樹脂充填孔103から注入された溶融樹脂は、上型102、点火器カラー20A及び下型101の中央凸部105で囲まれた空間110を満たすと共に、第2貫通孔26内を通って、下型101と点火器カラー20Aで囲まれた空間111も満たす。このように1つの樹脂充填孔103から樹脂を充填した場合でも、点火器カラー20Aの環状平板部25の厚さ(図1中のaで示される厚さ)を維持したまま、第2貫通孔26の作用により、第2貫通孔26も含めた射出型100内のすべての空間に充填される。樹脂射出時には、可動カム104は中央凸部105の周壁面から突き出させておく。
【0054】
次に、型抜きして、点火器組立体を取り出す。まず、上型102を外した後、可動カム104を引っ込めた状態で下型101から取り出すことで、図1に示す点火器組立体10を得ることができる。
【0055】
(3)図4の点火器カラーを用いた点火器組立体
図4は、点火器カラー20Bの斜視図であり、第1貫通孔21の全体が見えるように一部壁面を切り欠いている。図4の点火器カラー20Bは、図2の点火器カラー20Aとは、第2貫通孔26の代わりに貫通溝27を有している点が異なっている。
【0056】
第1貫通孔21の内周には、3箇所に均等間隔で形成された貫通溝27が形成されている。貫通溝27は、図1に示す小径部空間23を囲む環状平板部25の一部を切り欠いて形成されている。第2貫通孔26の代わりに貫通溝27を形成すると、第1貫通孔21と共に1つの作業で形成できるので、点火器カラー20の製造工程が簡略化される。貫通溝27内にも樹脂30が充填される。
【0057】
次に、図5により、図4の点火器カラー20Bを用いた点火器組立体の組立方法を説明する。図5は、図6に示す状態にて、上型102と点火器11を取り除いた状態を示す平面図である。
【0058】
点火器カラー20Bの環状平板部25の下面(図2の25c)に、下型102の中央凸部105の頂面105aが当接されている。このとき、第1貫通孔27は頂面105aで閉塞された状態であるが、3つの貫通溝27は開口状態にあるため、図1に示す第2貫通孔26と同様の作用することができ、図3に示す空間111内にも樹脂が充填される。
【0059】
(4)図6の点火器組立体
図6は、別形態の点火器組立体の軸方向断面図、図7は、図6で用いた点火器カラーの軸方向の斜視図である。図6中、図1等と同じ番号のものは、同じものであることを意味する。
【0060】
図6に示す点火器組立体50は、1つの金属製の点火器カラー60に、2つの電気式点火器11が樹脂30で一体化されている。
【0061】
図7に示すとおり、金属製の点火器カラー60は、軸方向に形成された2つの第1貫通孔61a、61bを有している。2つの第1貫通孔61a、61bは、それぞれ同じ形状及び構造のものである。
【0062】
2つの第1貫通孔61a、61bの内部形状及び構造は、図2に示す点火器カラー20Aと同様で、各第1貫通孔26の周囲に複数の第2貫通孔62a、62bを有している。
【0063】
即ち、第1貫通孔61a、61bは、それぞれが内径の異なる3つの空間を有しており、前記3つの空間は、点火器本体12が位置する一端側の第1大径部空間、中間位置の小径部空間、導電ピン13が位置する他端側の第2大径部空間からなっている。小径部空間は、点火器カラー60の内表面から内向きに突設された環状平板部66a、66bにより形成された空間である。環状平板部66a、66bには、それぞれ2個の第2貫通孔62a、62bが形成されており、これらの貫通孔により、第1大径部空間と第2大径部空間が連絡されている。第2貫通孔62a、62bは、図2に示す第2貫通孔26と同様にして形成されたものである。
【0064】
2つの第1貫通孔61a、61bの一端側の開口部同士は、頂面64上に形成された連結溝65で連結されている。
【0065】
図6の点火器組立体50は、図1の点火器組立体10と同様にして、点火器カラー60内部に樹脂30が充填されているため、充填後に樹脂30が成形収縮又は後収縮することにより、環状平板部66a、66bが樹脂30により厚さ方向に挟まれ、点火器カラー60と樹脂30との結合は確実なものとなる。
【0066】
次に、図6の点火器組立体50の組立方法を説明する。射出型は、図3に示すような下型と上型の組み合わせを用いる。
【0067】
まず、下型に電気式点火器11と点火器カラー60を取り付ける。点火器カラー60は所定の凹部に嵌め込み、導電ピン13は、下型に形成された導電ピン受容孔に差し込む。
【0068】
次に、下型に、点火器カラー60と点火器本体12に対応する凹部を有する上型を被せる。下型と上型を重ね合わせることで、点火器11と点火器カラー60が射出型内で固定された状態となる。上型には、樹脂充填口が形成されている。
【0069】
次に、上型の樹脂充填孔から、連結溝65の長さ方向中間付近に樹脂を注入する。このようにして樹脂を注入することにより、溶融樹脂は、第1貫通孔61aと第1貫通孔61bの両方に均等に注入される。2つの第1貫通孔61a、61bに対して均等に溶融樹脂を充填できるため、溶融樹脂の温度や固化時における収縮度合いを均等にすることができる。
【0070】
樹脂充填孔から注入された溶融樹脂は、上型、点火器カラー60及び下型の中央凸部で囲まれた空間を満たすと共に、第2貫通孔62a、62b内を通って(図5に示すような状態)、下型と点火器カラー60で囲まれた空間も満たす。このように1つの樹脂充填孔から樹脂を充填した場合でも、環状平板部66a、66bの軸方向の厚さを維持した状態で、連結溝65と第2貫通孔62a、62bの作用により、第2貫通孔62a、62bも含めた射出型内のすべての空間に充填される。
【0071】
次に、型抜きして、点火器組立体を取り出すことで、図6に示す点火器組立体50を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】点火器組立体の軸方向断面図。
【図2】図1で用いた点火器カラーの軸方向断面図。
【図3】図1の点火器組立体の組立方法。
【図4】別形態の点火器カラーの斜視図。
【図5】図4の点火器カラーを用いた点火器組立体の組立方法の説明図。
【図6】別形態の点火器組立体の軸方向の断面図。
【図7】図6で用いた点火器カラーの斜視図。
【符号の説明】
【0073】
10、50 点火器組立体
11 電気式点火器
20A、20B、60 点火器カラー
21、61a、61b 第1貫通孔
26 第2貫通孔
27、62a、62b 貫通溝
30 樹脂







 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013