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発明の名称 誘導弾
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−120916(P2007−120916A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−316826(P2005−316826)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 古川 英俊
要約 課題
移動していない目標に対しても誘導精度を劣化させないで誘導できる誘導弾。

解決手段
アンテナ13からの送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機14と、受信した信号に基づき目標を検出して目標信号を出力する目標検出部15と、目標信号に基づき推定した推定位置信号を出力する追随制御部16と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を誘導する誘導制御部17とを備えた電波誘導装置1を搭載した誘導弾であって、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距して得られた測距値に基づき目標の捕捉範囲を設定し、目標検出部は、追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力する。
特許請求の範囲
【請求項1】
アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、
前記受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、
前記目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、
外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を誘導する誘導制御部と、
を備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、
前記追随制御部は、前記誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより得られた測距値に基づき目標の捕捉範囲を設定し、
前記目標検出部は、前記追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする誘導弾。
【請求項2】
アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、
前記受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、
前記目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、
外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部と、
を備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、
前記追随制御部は、前記誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより複数の測距値が得られた場合は、各距離に基づき各距離に対応する目標の捕捉範囲を、前記目標検出部によって目標が検出されるまで順次に設定し、
前記目標検出部は、前記追随制御部で順次に設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする誘導弾。
【請求項3】
偏波切替アンテナから送信した送信波の反射波を該偏波切替アンテナで受信する受信機と、
前記受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、
前記目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、
外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部と、
を備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、
前記追随制御部は、前記誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記偏波切替アンテナから送信される送信波の偏波を切り替えて得られた受信信号の大きさに基づき目標を判別し、該判別結果に基づき目標の捕捉範囲を設定し、
前記目標検出部は、前記追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする誘導弾。
【請求項4】
アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、
前記受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、
前記目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、
外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部と、
を備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、
前記誘導制御部は、略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導した後に、該誘導弾を、機軸を中心に回転させながら目標に誘導し、
前記追随制御部は、前記誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、該誘導弾の回転角度と前記受信信号の大きさとに基づき目標を判別し、該判別結果に基づき目標の捕捉範囲を設定し、
前記目標検出部は、前記追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする誘導弾。
【請求項5】
アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、
前記受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、
前記目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、
外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、前記追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部と、
を備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、
前記追随制御部は、前記誘導弾の機軸が鉛直方向になって目標を捕捉した後は、地表までを間欠的に測距し、該測距により得られた測距値に基づき目標の追尾範囲を補正し、
前記目標検出部は、前記追随制御部で補正された追尾範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする誘導弾。
【請求項6】
前記誘導制御部からの指示に応じて開傘および切り離しがなされるパラシュートを備え、
前記誘導制御部は、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から前記パラシュートを開傘して目標に接近するように誘導弾を誘導し、その後、前記パラシュートを切り離して前記追随制御部からの信号に基づき誘導弾を目標に誘導することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の誘導弾。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標に向かって飛翔する誘導弾に関し、特にホバリングしているヘリコプタに向けて誘導弾を誘導する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搭載された電波誘導装置によって目標を捕捉および追尾しながら飛翔する誘導弾が知られている。この誘導弾に搭載された電波誘導装置は、レーダ装置と同様に、目標に向けて電波を発射し、目標からの反射波を受信して信号処理を行うことにより目標を検出する。そして、誘導弾は、電波誘導装置によって検出された目標に向けて飛翔するように制御される。このような電波誘導装置を用いて、低高度でホバリングしているヘリコプタを検出しようとする場合、ヘリコプタからの反射波には、目標からの反射波の他に、クラッタと呼ばれる例えば地表からの反射波が含まれる。
【0003】
移動している目標からの反射波の場合は、ドップラ周波数の違いを利用して、その移動している目標からの反射波のみを抽出できる。しかしながら、目標が移動していない場合、例えばホバリングしているヘリコプタの場合は、ヘリコプタの胴体からの反射波のドップラ周波数はクラッタからの反射波のドップラ周波数と同じであるため、そのヘリコプタの胴体からの反射波のみを抽出することはできない。
【0004】
このようなホバリングしているヘリコプタを検出するために、ホバリング状態であっても回転運動をしているロータ・ブレード等からの反射波を受信し、受信された反射波のドプラ周波数に基づき目標を検出する電波誘導装置が知られている。
【0005】
例えば、特許文献1は、受信信号を周波数分析した後の周波数方向積分前後のCFAR(Constant False Alarm Rate)によるヒットの有無およびCFARヒットのあった振幅の周波数方向積分前後の変化を抽出し、周波数方向積分効果の有無により、ヘリコプタの検出を判定するレーダ装置を開示している。
【0006】
また、特許文献2は、強大な地面クラッタの影響を受けることなく、ホバリングヘリコプタを安定して探知するレーダ装置を開示している。このレーダ装置は、受信機から出力されるビデオ信号からクラッタレベル算出するクラッタレベル算出装置と、算出されたクラッタレベルに基づいてホバリングヘリコプタを検出するためのドップラ周波数範囲を設定する周波数範囲設定回路とを備え、ホバリングヘリコプタ検出装置において、上記設定されたクラッタの大きさによって変化するドップラ周波数範囲と予め設定された検出スライサレベルおよびホバリングヘリコプタ判定基準値とに基づいてホバリングヘリコプタを検出する。
【0007】
しかしながら、上述したホバリングしているヘリコプタを検出する技術では、ヘリコプタのロータ・ブレードからの反射波は周期的にしか得られず、その繰り返し周期が長い信号であるため、連続的に目標を検出することができない。
【0008】
上述した従来の誘導弾の詳細な構成および動作を、図面を参照しながら説明する。図10は、従来の誘導弾を上方から見た外観図である。この誘導弾は、電波誘導装置1、弾頭2、推進装置3、操舵装置4、主翼5および操舵翼6から構成されている。
【0009】
図11は、図10に示す誘導弾に搭載される電波誘導装置1の構成を示すブロック図である。この電波誘導装置1は、送信機11、サーキュレータ12、アンテナ13、受信機14、目標検出部15、追随制御部16および誘導制御部17から構成されている。なお、誘導弾とは別に、該誘導弾の発射前または飛翔中に、例えば地上に設置されたレーダ装置といった外部センサによって捕捉された目標の予測位置を表す情報を誘導弾に与える誘導弾制御装置19が設けられている。
【0010】
アンテナ13は、送信機11からサーキュレータ12を経由して送られてくる送信信号を電波に変換し、送信波として指定方向の空間に送出するとともに、送信波に対する反射波を受信し、受信信号としてサーキュレータ12を経由して受信機14に送る。受信機14は、アンテナ13からサーキュレータ12を経由して送られてくる受信信号をデジタルビデオ信号に変換し目標検出部15に送る。
【0011】
目標検出部15は、受信機14から送られてくるデジタルビデオ信号のうち、追随制御部16から送られてくる目標ゲート信号のゲート内にあるデジタルビデオ信号を処理することにより目標を検出し、目標の検出情報を目標信号として、追随制御部16へ出力する。ここで、目標ゲート信号は、目標の予測位置を中心として時間的に前後に対称な信号である。
【0012】
追随制御部16は、目標捕捉前には、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、目標ゲート信号を生成して、目標検出部15へ送り、目標捕捉後には、目標検出部15から送られてくる目標信号に基づき、目標位置を推定し、その推定結果を目標ゲート信号として目標検出部15へ送ると共に、推定位置信号として誘導制御部17へ送る。目標捕捉前の目標ゲート信号は、予測位置の誤差が大きいためにゲート幅が広く、目標の観測回数が増加して、予測位置の誤差が小さくなるにつれて、ゲート幅を狭くすることができる。
【0013】
誘導制御部17は、誘導弾の発射直後は、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、誘導弾を目標の予測位置へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。その後、誘導弾が目標の予測位置から所定範囲に入ると、それ以降は、追随制御部16から送られてくる推定位置信号、図示しないセンサで検出された誘導弾の位置情報および姿勢情報を用いて、誘導弾を目標へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標位置に向けて飛翔させる。
【特許文献1】特許第3359586号
【特許文献2】特許第2991080号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述したように構成される従来の誘導弾に搭載された電波誘導装置1では、ホバリングしているヘリコプタのように、観測回数に対して、目標の検出回数が少ない場合は、次のような問題が発生する。
【0015】
すなわち、目標位置の推定精度が、中心極限定理に従うとすると、目標位置の分散は、検出回数に反比例する。例えば、検出回数が従来の十分の一になった場合、目標位置の分散は、十倍になる。その結果、ホバリングしているヘリコプタに対しては、目標の検出回数が著しく減少することにより、目標位置の推定精度が劣化し、電波誘導装置1の誘導精度が劣化するという問題がある。
【0016】
本発明の課題は、ホバリングしているヘリコプタのように移動していない目標に対しても誘導精度を劣化させないで誘導できる誘導弾を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る誘導弾は、常に目標が検出できるように、略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を制御することにより、目標とクラッタを距離方向に分離し、検出回数の低下による誘導精度の劣化に関する問題を回避している。
【0018】
このために、請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を誘導する誘導制御部とを備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより得られた測距値に基づき目標の捕捉範囲を設定し、目標検出部は、追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明は、アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部とを備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより複数の測距値が得られた場合は、各距離に基づき各距離に対応する目標の捕捉範囲を、目標検出部によって目標が検出されるまで順次に設定し、目標検出部は、追随制御部で順次に設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明は、偏波切替アンテナから送信した送信波の反射波を該偏波切替アンテナで受信する受信機と、受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部とを備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、偏波切替アンテナから送信される送信波の偏波を切り替えて得られた受信信号の大きさに基づき目標を判別し、該判別結果に基づき目標の捕捉範囲を設定し、目標検出部は、追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明は、アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部とを備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、誘導制御部は、略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導した後に、該誘導弾を、機軸を中心に回転させながら目標に誘導し、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、該誘導弾の回転角度と受信信号の大きさとに基づき目標を判別し、該判別結果に基づき目標の捕捉範囲を設定し、目標検出部は、追随制御部で設定された捕捉範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明は、アンテナから送信した送信波の反射波を該アンテナで受信する受信機と、受信機からの信号に基づき目標を検出して目標を表す目標信号を出力する目標検出部と、目標検出部からの目標信号に基づき推定した目標位置を表す推定位置信号を出力する追随制御部と、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、該誘導弾の機軸が鉛直方向になった後は、追随制御部からの推定位置信号に基づき誘導弾を目標に誘導する誘導制御部とを備えた電波誘導装置を搭載した誘導弾であって、追随制御部は、誘導弾の機軸が鉛直方向になって目標を捕捉した後は、地表までを間欠的に測距し、該測距により得られた測距値に基づき目標の追尾範囲を補正し、目標検出部は、追随制御部で補正された追尾範囲内で目標を検出して目標信号を出力することを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5記載の発明において、誘導制御部からの指示に応じて開傘および切り離しがなされるパラシュートを備え、誘導制御部は、外部から与えられた目標の推定位置情報にしたがって略鉛直方向からパラシュートを開傘して目標に接近するように誘導弾を誘導し、その後、パラシュートを切り離して追随制御部からの信号に基づき誘導弾を目標に誘導することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより、クラッタ(地表)を除く捕捉範囲を設定して誘導弾を誘導するので、誘導精度の劣化を防ぐことができ、比較的平らな地表上をホバリングしているヘリコプタに対する誘導弾として最適である。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、複数の測距値が得られた場合に、捕捉範囲を順次切り替えて目標を検出するので、凹凸のある地表上でホバリングしているヘリコプタに対する誘導弾として最適である。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、偏波を用いて目標とクラッタとを判別するので、クラッタによる誤捕捉および誤追随を防止することができ、誘導弾として最適である。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、誘導弾自体が回転することにより請求項3記載の発明における偏波切替と同様に作用するので、偏波切替アンテナではなく、通常のアンテナで電波誘導装置を構成することができる。また、誘導弾自体を回転させることにより目標とクラッタとを判別するので、クラッタによる誤捕捉および誤追随を防止することができ、誘導弾として最適である。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、追尾中に間欠的に、地表までの測距を行って追尾範囲を設定するので、クラッタによる誤追随を防止する誘導弾として最適である。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、パラシュートが開傘することにより、誘導弾の落下速度が遅くなり、目標の捕捉に関わる処理時間を長くすることができる。この結果、目標の捕捉範囲を拡大し、また、目標の捕捉確率を向上させることができる。したがって、探知後に消失した目標に対する誘導弾として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、従来の技術の欄で説明した誘導弾の構成部分に相当する部分には、従来の技術の欄で使用した符号と同じ符号を用いて説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明の実施例1に係る誘導弾を上方から見た外観図である。この誘導弾は、従来の誘導弾と同様に、電波誘導装置1a、弾頭2、推進装置3、操舵装置4、主翼5および操舵翼6を備えている。
【0032】
上記のように構成される誘導弾は、目標の予測位置に対して、略鉛直方向から接近するように制御される。図2は、誘導弾と目標および地表の位置関係を示す図である。今、図2(a)に示すように、誘導弾が、目標に対して斜め上方向から接近するものとする。この場合、目標から地表までの距離に対して、目標から誘導弾までの間の距離が十分に大きいと、破線で示すように、誘導弾から目標までの距離と、誘導弾から地表までの距離とは略等しいとみなすことができるので、誘導弾は、目標からの反射波とクラッタ(地表)からの反射波とを略同時に受信する。
【0033】
したがって、誘導弾では、図2(a)の左側に示すように、クラッタに対応する振幅および広がりの大きいピーク信号SGのみが出現する目標信号が得られ、目標に対応するピーク信号STは埋もれてしまうので、目標とクラッタを分離することができない。
【0034】
これに対し、図2(b)に示すように、誘導弾が、目標に向けて鉛直方向から接近するものとすると、目標から地表までの距離に対して、目標から誘導弾までの距離が大きくても、誘導弾から目標までの距離と誘導弾から地表までの距離とに有意差を見出すことができる。このため、目標からの反射波とクラッタからの反射波は、異なったタイミングで受信される。
【0035】
したがって、図2(b)の左側に示すように、地表のクラッタに対応する振幅が大きく広がりが小さいピーク信号SGと目標に対応するピーク信号STとが独立して出現する目標信号に得られるので、目標とクラッタを分離することができる。本発明に係る誘導弾は、略鉛直方向から目標に接近するように制御することにより、クラッタと目標とを判別するようにしたものである。
【0036】
図3は、図1に示す誘導弾に搭載される電波誘導装置1aの構成を示すブロック図である。この電波誘導装置1aは、送信機11、サーキュレータ12、アンテナ13、受信機14、目標検出部15a、追随制御部16aおよび誘導制御部17から構成されている。なお、誘導弾とは別に、該誘導弾の発射前または飛翔中に、例えば地上に設置されたレーダ装置といった外部センサによって捕捉された目標の予測位置を表す情報を誘導弾に与える誘導弾制御装置19が設けられている。
【0037】
アンテナ13は、送信機11からサーキュレータ12を経由して送られてくる送信信号を電波に変換し、送信波として指定方向の空間に送出するとともに、送信波に対する反射波を受信し、受信信号としてサーキュレータ12を経由して受信機14に送る。受信機14は、アンテナ13からサーキュレータ12を経由して送られてくる受信信号をデジタルビデオ信号に変換し、目標検出部15に送る。
【0038】
目標検出部15aは、受信機14から送られてくるデジタルビデオ信号のうち、追随制御部16aから送られてくる多用途ゲート信号のゲート内にあるデジタルビデオ信号を処理することにより目標を検出し、目標の検出情報を目標信号として、追随制御部16aへ出力する。
【0039】
追随制御部16aは、目標捕捉前には、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、多用途ゲート信号を生成して、目標検出部15aへ送り、目標捕捉後には、目標検出部15aから送られてくる目標信号に基づき、目標位置を推定し、その推定結果を多用途ゲート信号として目標検出部15aへ送ると共に、推定位置信号として誘導制御部17へ送る。この追随制御部16aについては、後にさらに詳細に説明する。
【0040】
誘導制御部17は、誘導弾の発射直後は、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、誘導弾を目標の予測位置へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標の予測位置に向けて飛翔させる。この場合、図2(b)に示すように、誘導弾が目標に対して鉛直方向から接近する軌跡で飛翔するように制御される。
【0041】
また、誘導制御部17は、図示しないセンサによって誘導弾の機軸(誘導弾の長手方向の中心軸)が鉛直方向になったことを検出すると、それ以降は、追随制御部16aから送られてくる推定位置信号、図示しないセンサで検出された誘導弾の位置および姿勢情報を用いて、誘導弾を目標へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標位置に向けて飛翔させる。
【0042】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係る誘導弾の動作を説明する。まず、誘導弾の発射直後においては、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報を受け取った誘導制御部17は、該情報に基づいて誘導弾を目標の予測位置へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標の予測位置に向けて飛翔させる。
【0043】
そして、誘導弾の飛翔経路、つまり誘導弾の機軸が目標に向けて鉛直方向になると、電波誘導装置1aは、目標捕捉を行うが、その目標捕捉前に、地表までの測距を行い、測距した距離に基づいて、目標の捕捉範囲を決定する。目標の捕捉範囲は、目標の予測位置とその予測誤差幅から設定される。なお、目標の捕捉範囲から外す範囲は、任意に設定することもできる。
【0044】
今、地表までの測距を行わずに捕捉範囲を設定しようとすると、予測位置の誤差が大きいために、目標ゲート信号のゲート幅が広く、図4(a)に示すように、低高度でホバリングしているリコプタに対しては、捕捉範囲の一部が、地表以下となる場合が多く、誤った目標捕捉が行われる可能性がある。これは、誘導弾が、目標に対して略鉛直方向から接近することにより、目標(ロータ・ブレード)もクラッタもドップラ周波数がゼロとなり、ドップラ周波数による目標とクラッタの分離が不可能になるためである。
【0045】
これに対し、図4(b)に示すように、目標捕捉前に、地表までの測距を行うことにより、地表自体を目標の捕捉範囲から除外することが可能であり、誤った目標捕捉が行われるのを防止することができる。
【0046】
具体的には、誘導弾の機軸が目標に向けて鉛直方向になったことが検出されると、送信機11は、サーキュレータ12を経由してアンテナ13から送信波を鉛直方向の空間に送信する。この送信波に対する反射波は、アンテナ13で受信され、サーキュレータ12を経由して受信機14に送られる。受信機14は、アンテナ13からの受信信号をデジタルビデオ信号に変換し、目標検出部15aに送る。目標検出部15aは、受信機14から送られてくるデジタルビデオ信号を処理することにより目標信号を生成する。
【0047】
同時に、追随制御部16aは、クラッタ(地表)が含まれるような、または、図4(a)に示すような、クラッタ(地表)と目標とが含まれるような多用途ゲート信号を生成して目標検出部15aに送る。換言すれば、目標の予測位置を中心とする、または、略地表の予測位置を中心とする円または楕円の内部を検出範囲とする。これにより、目標検出部15aは、受信機14から送られてくるデジタルビデオ信号のうち、追随制御部16aから送られてくる多用途ゲート信号のゲート内にあるデジタルビデオ信号を処理することによりクラッタ(地表)を検出し、クラッタ(地表)の検出情報を目標信号として、追随制御部16aへ出力する。
【0048】
この目標信号を受け取った追随制御部16は、最大の振幅を有し且つそれ以降に検出情報が出現しないピークが出現しないピーク信号SGをクラッタ(地表)と判断し、目標を捕捉するために、図4(b)に示すように、目標の予測位置を中心とする捕捉範囲から、ピーク信号SGを除外するような多用途ゲート信号を生成して目標検出部15aへ送る。これにより、目標検出部15aは、クラッタ(地表)を含まないデジタルビデオ信号を処理することになり、目標のみが含まれる目標信号を追随制御部16aへ送る。
【0049】
追随制御部16aは、目標検出部15aから送られてくる、目標のみが含まれる目標信号を用いて目標を捕捉する。すなわち、追随制御部16aは、目標検出部15aから送られてくる目標信号を用いて目標の位置を推定し、推定位置信号として誘導制御部17に送る。誘導制御部17は、上述したように、追随制御部16aから送られてくる推定位置信号、図示しないセンサで検出された誘導弾の位置情報および姿勢情報を用いて、誘導弾を目標へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標位置に向けて飛翔させる。
【0050】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る誘導弾によれば、略鉛直方向から目標に接近するように誘導弾を誘導し、誘導弾の機軸が鉛直方向になった後に、地表までを測距することにより、クラッタ(地表)を除く捕捉範囲を設定して誘導弾を誘導するので、誘導精度の劣化を防ぐことができ、比較的平らな地表上をホバリングしているヘリコプタに対する誘導弾として最適である。
【0051】
なお、上述した実施例1に係る誘導弾に搭載された電波誘導装置では、多用途ゲート信号というハードウェア信号を用いて距離方向の目標信号をゲートするように構成したが、ソフトウェア処理により目標信号をゲートするように構成することもできる。この場合、目標に対する測角を行い、得られた角度情報と距離方向の目標信号とによって3次元的に目標の位置を特定するように構成することもできる。
【実施例2】
【0052】
本発明の実施例2に係る誘導弾は、目標が存在する地表の形状が複雑であっても、該目標に誘導弾を高精度で誘導できるようにしたものである。
【0053】
実施例2に係る誘導弾の構成および動作は、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。また、実施例2に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置の構成および動作は、追随制御部16の動作を除き、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。以下では、実施例1と相違する部分を中心に説明する。
【0054】
この実施例2に係る誘導弾に搭載された電波誘導装置は、目標捕捉前に、地表までの測距を行い、複数の測距値が得られた場合に、各測距値に対応する目標の捕捉範囲の設定を、目標が検出されるまで、予め設定された手順に従って、順次変更する。
【0055】
図5は、目標の捕捉範囲を設定する動作を説明するための図である。今、地表までの測距の結果、近距離と遠距離といった2つの測距値が得られるものとする。ホバリングしているヘリコプタは、被発見性を高めるため山陰等でホバリングすることが多いため、高度差を有する部分の遠距離側(くぼ地側)を最初の捕捉範囲(捕捉範囲(1))とし、この捕捉範囲(1)において目標が検出されなかった場合は、捕捉範囲を近距離側(山頂側)の捕捉範囲(2)に切り替えて、目標の捕捉を行う。各測距値に対する目標の捕捉範囲を設定する動作は、上述した実施例1に係る誘導弾の場合と同じである。これにより、複雑な地形であっても目標捕捉が可能となる。
【0056】
なお、捕捉範囲を変更する順番は、上述したような遠距離側から近距離側といった順序に限らず、任意に設定することができる。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施例2に係る誘導弾は、複数の測距値が得られた場合に、捕捉範囲を順次切り替えて目標を検出するように構成したので、凹凸のある地表上でホバリングしているヘリコプタに対する誘導弾として最適である。
【実施例3】
【0058】
本発明の実施例3に係る誘導弾は、偏波による受信信号の大きさ変化により、目標とクラッタとを識別するようにしたものである。
【0059】
実施例3に係る誘導弾の構成および動作は、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。図6は、本発明の実施例3に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置1bの構成を示すブロック図である。この電波誘導装置1は、実施例1の電波誘導装置aにおけるアンテナ13が偏波切替アンテナ18に置き換えられて構成されている。その他の構成要素は、目標検出部15bおよび追随制御部16bの動作を除き、実施例1に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置1のそれらと同じである。以下では、実施例1と相違する部分を中心に説明する。
【0060】
偏波切替アンテナ18は、1のアンテナ素子群と他のアンテナ素子群とが交差するように配置された構造を有し、振動方向が異なる電波、例えば水平偏波と垂直偏波とを順次切替ながら送受信を行う。偏波切替アンテナ18は、送信機11からサーキュレータ12を経由して送られてくる送信信号を、水平偏波または垂直偏波に変換し、送信波として指定方向の空間に送出するとともに、送信波に対する反射波を受信し、受信信号としてサーキュレータ12を経由して受信機14に送る。受信機14は、アンテナ13からサーキュレータ12を経由して送られてくる受信信号をデジタルビデオ信号に変換し、目標検出部15bに送る。
【0061】
目標検出部15bは、受信機14から送られてくるデジタルビデオ信号のうち、追随制御部16bから送られてくる目標ゲート信号のゲート内にあるデジタルビデオ信号を処理することにより目標を検出し、目標の検出情報を目標信号として、追随制御部16bへ出力する。
【0062】
追随制御部16bは、目標捕捉前には、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、目標ゲート信号を生成して、目標検出部15bへ送り、目標検出部15bから送られてくる目標信号の大きさ及び大きさの変化の有無に応じて目標とクラッタとを判別し、この判別結果に基づいて目標のみを抽出するような目標ゲート信号を生成して、目標検出部15bに送る。また、追随制御部16bは、目標検出部15bから送られてくる目標信号に基づき目標位置を推定し、その推定した目標位置を推定位置信号として誘導制御部17へ送る。
【0063】
誘導弾が、目標に対して略鉛直方向から接近することにより、目標(ロータ・ブレード)もクラッタも、ドップラ周波数がゼロとなり、ドップラ周波数による目標とクラッタの分離は不可能であるが、偏波による受信信号の大きさの変化、つまりクラッタ(地表)の場合は偏波によって受信信号の大きさは変化しないが、形状が一定でない目標(ヘリコプタ)の場合は偏波によって受信信号の大きさが変化するので、目標とクラッタを判別することができる。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施例3に係る誘導弾によれば、偏波を用いて目標とクラッタとを判別するように構成したので、クラッタによる誤捕捉および誤追随を防止することができ、誘導弾として最適である。
【実施例4】
【0065】
本発明の実施例4に係る誘導弾は、誘導弾自体を回転させることにより偏波切替と同様に機能させて、目標とクラッタとを識別するようにしたものである。
【0066】
実施例4に係る誘導弾の構成および動作は、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。図7は、実施例4に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置1cの構成を示すブロック図である。この電波誘導装置1cは、追随制御部16cおよび誘導制御部17cの動作を除き、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。以下では、実施例1と相違する部分を中心に説明する。
【0067】
誘導制御部17cは、誘導弾の発射直後は、誘導弾制御装置19から与えられた目標の予測位置を表す情報にしたがって、誘導弾を目標の予測位置へ向けて飛翔させるための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を目標の予測位置に向けて飛翔させる。この場合、誘導弾が目標に向けて鉛直方向から接近する軌跡で飛翔するように制御される。
【0068】
また、誘導制御部17cは、図示しないセンサによって誘導弾の機軸が鉛直方向になったことを検出すると、その後は、追随制御部16cから送られてくる推定位置信号、図示しないセンサで検出された誘導弾の位置および姿勢情報を用いて、誘導弾を目標へ向けるとともに、誘導弾を、機軸を中心に回転させながら飛翔するための誘導信号を生成し、操舵装置4に送る。これにより、操舵装置4は、操舵翼6を制御して誘導弾を回転させながら目標位置に向けて飛翔させる。また、誘導制御部17cは、回転角度を表す信号を追随制御部16cに送る。
【0069】
追随制御部16cは、誘導制御部17cから送られてくる回転角度と目標検出部15cから送られてくる目標信号の大きさ及び大きさの変化の有無に基づき目標とクラッタとを判別し、この判別結果に基づいて目標ゲート信号を生成して目標検出部15cに送る。また、追随制御部16cは、目標検出部15cから送られてくるゲートされた目標信号に基づき目標位置を推定し、その推定した目標位置を表す推定位置信号を誘導制御部17cに送る。
【0070】
誘導弾が、目標に対して略鉛直方向から接近することにより、目標(ロータ・ブレード)もクラッタも、ドップラ周波数がゼロとなり、ドップラ周波数による目標とクラッタの分離は不可能であるが、回転角度による受信信号の大きさの変化、つまりクラッタ(地表)の場合は回転角度によって受信信号の大きさは変化しないが、形状が一定でない目標(ヘリコプタ)の場合は回転角度によって受信信号の大きさが変化するので、目標とクラッタを判別することができる。
【0071】
以上説明したように、本発明の実施例4に係る誘導弾によれば、誘導弾自体が回転することにより実施例4に係る誘導弾における偏波切替と同様に作用するので、偏波切替アンテナではなく、通常のアンテナで電波誘導装置1cを構成することができる。
【0072】
また、実施例4に係る誘導弾によれば、誘導弾自体を回転させることにより目標とクラッタとを判別するように構成したので、クラッタによる誤捕捉および誤追随を防止することができ、誘導弾として最適である。
【実施例5】
【0073】
本発明の実施例5に係る誘導弾は、目標を捕捉した後の目標追尾中に、間欠的に地表までの測距を行い、測距により得られた測距値に基づいて、追尾範囲、つまり追尾時のゲート信号を決定するようにしたものである。
【0074】
実施例5に係る誘導弾の構成および動作は、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。実施例5に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置1dの構成および動作は、追随制御部16dの動作を除き、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。以下では、実施例1と相違する部分を中心に説明する。
【0075】
追尾範囲は、目標の予測位置とその予測誤差幅から設定される。今、地表までの測距を行わずに追尾範囲を設定しようとすると、図8(a)に示すように、予測誤差は、一般的に予測位置に対して対称に設定されるため、低高度でホバリングしているヘリコプタに対しては、追尾範囲、地表を含む場合が多く、誤った追尾が行われる可能性がある。
【0076】
これに対し、図8(b)に示すように、追尾中に間欠的に、地表までの測距を行うことにより、地表自体を追尾範囲から除外することが可能であり、誤った追尾が行われるのを防止することができる。
【0077】
以上説明したように、本発明の実施例5に係る誘導弾によれば、追尾中に間欠的に、地表までの測距を行って追尾範囲を設定するように構成したので、クラッタによる誤追随を防止する誘導弾として最適である。
【実施例6】
【0078】
本発明の実施例6に係る誘導弾は、実施例1〜実施例5に係る誘導弾にパラシュートを備えたものである。
【0079】
図9は、実施例6に係る誘導弾の構成を示す図である。この誘導弾は、操舵装置4の一部分にパラシュート7を備えている。このパラシュートの開傘および切り離しは、誘導制御部17eの制御によって行われる。
【0080】
実施例6に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置1の構成および動作は、誘導制御部17eの動作を除き、実施例1に係る誘導弾のそれらと同じである。以下では、実施例1と相違する部分を中心に説明する。誘導制御部16aは、パラシュート7の開傘および切り離しを制御する。
【0081】
次に、上記のように構成される実施例6に係る誘導弾の動作を説明する。誘導制御部17eは、図示しないセンサによって誘導弾の機軸が鉛直方向になったことを検出すると、誘導制御部17eは、パラシュート7を開傘させる。追随制御部16は、パラシュート7が開傘されている状態で、目標の捕捉に関わる動作を実施する。目標を捕捉できた後は、誘導制御部17eは、パラシュート7を切り離す。これにより、誘導弾は、誘導制御部17eの制御によって目標位置に向けて飛翔する。
【0082】
以上説明したように、本発明の実施例6に係る誘導弾によれば、パラシュート7が開傘することにより、誘導弾の落下速度が遅くなり、目標の捕捉に関わる処理時間を長くすることができる。この結果、目標の捕捉範囲を拡大し、また、目標の捕捉確率を向上させることができる。したがって、探知後に消失した目標に対する誘導弾として最適である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る誘導弾は、対ヘリコプタ誘導弾に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例1に係る誘導弾を上方から見た外観図である。
【図2】本発明の実施例1に係る誘導弾と目標および地表の位置関係を示す図である。
【図3】図1に示す誘導弾に搭載される電波誘導装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1に係る誘導弾に搭載された電波誘導装置において行われる目標の捕捉範囲の設定を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例2に係る誘導弾に搭載された電波誘導装置において行われる目標の捕捉範囲の設定を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例3に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例4に係る誘導弾に搭載されている電波誘導装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例1に係る誘導弾に搭載された電波誘導装置において行われる目標の追尾範囲の設定を説明するための図である。
【図9】本発明の実施例6に係る誘導弾を上方から見た外観図である。
【図10】従来の誘導弾を上方から見た外観図である。
【図11】図10に示す誘導弾に搭載される電波誘導装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
1 電波誘導装置
2 弾頭
3 推進装置
4 操舵装置
5 主翼
6 操舵翼
7 パラシュート
11 送信機
12 サーキュレータ
13 アンテナ
14 受信機
15 目標検出部
16 追随制御部
17 誘導制御部
18 偏波切替アンテナ
19 誘導弾制御装置




 

 


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