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会合時間算出装置、弾頭の起爆装置、及び飛翔体 - 株式会社東芝
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発明の名称 会合時間算出装置、弾頭の起爆装置、及び飛翔体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10273(P2007−10273A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194060(P2005−194060)
出願日 平成17年7月1日(2005.7.1)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
発明者 山川 克也
要約 課題
移動目標を追尾しつつ飛翔する飛翔体の、会合点までの到達時間(会合時間)の算出精度向上を図る。

解決手段
会合点hにおいて、離隔量(ミスディスタンス)Mを形成して飛翔体1が相手移動目標2が交差するとき、レーダ装置11により、時刻を異にして複数回得られる飛翔体1及び移動目標2の各位置情報から、飛翔体1を原点O(0,0,0)とした相対座標系において、現在座標位置P(x,y,z)に位置する移動目標2の速度Vt及び速度ベクトルVを得る。
特許請求の範囲
【請求項1】
空中を飛翔する飛翔体と移動目標との各位置情報及び各速度情報に基づき、前記飛翔体が前記移動目標と会合するまでの時間を算出する会合時間算出装置において、
前記飛翔体位置を原点とした相対座標系において、時刻を異にして得られる前記飛翔体と前記移動目標の相対位置情報から、前記移動目標の相対座標系における速度ベクトル及び速度を算出する第1算出手段と、
この第1算出手段により算出された相対座標系における前記移動目標の速度ベクトルと、この速度ベクトル上の前記移動目標の会合座標位置と前記原点とを結ぶベクトルとが略直交することを条件として、前記会合座標位置を算出する第2算出手段と、
この第2算出手段による前記会合座標位置と、前記相対座標系における前記移動目標現在位置との間の距離を算出する第3算出手段と、
この第3手段で算出された距離と、前記会合座標位置に向けた前記移動目標の速度とから会合時間を算出する第4算出手段と
を具備することを特徴とする会合時間算出装置。
【請求項2】
弾頭を搭載して飛翔する飛翔体と移動目標とが会合するまでの時間を算出し、その算出した会合時間に対応したタイミングで前記弾頭を起爆させる弾頭の起爆装置において、
前記会合時間を算出する請求項1に記載の会合時間算出装置と、
この会合時間算出装置により算出された前記会合時間に基づき、前記弾頭の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定手段と、
この起爆タイミング設定手段で設定された時刻に前記弾頭を起爆させる起爆手段と
を具備することを特徴とする弾頭の起爆装置。
【請求項3】
弾頭及びその起爆装置を搭載し、相手移動目標と会合すべく誘導制御される飛翔体において、
前記移動目標の現在位置を、時刻を異にして検出するレーダ装置と、
このレーダ装置により検出された前記移動目標の現在位置に基づき、前記移動目標と会合するまでの時間を算出する請求項1に記載の会合時間算出装置と、
この会合時間算出装置により算出された前記会合するまでの時間に基づき、前記弾頭の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定手段と、
この起爆タイミング設定手段で設定されたタイミングで前記弾頭を起爆させる起爆手段と
を具備することを特徴とする飛翔体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾頭を搭載して、移動目標との会合点に向けて飛翔する飛翔体、及び飛翔体が移動目標との会合点に到達するまでの時間を算出する会合時間算出装置、及びその会合時間算出装置により算出のされた時間に対応したタイミングで弾頭を起爆させる弾頭の起爆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飛翔体に搭載された弾頭を起爆させ、飛来する敵ミサイルや戦闘機等の相手移動目標を破壊しようとするとき、弾頭を搭載したミサイル等の飛翔体は、相手移動目標に命中するように誘導制御される。
【0003】
しかしながら、空中を高速飛行している相手方移動目標に対し、ミサイル等の飛翔体を100%命中するように誘導制御するのは容易でなく、飛翔体と移動目標とが、いわゆる離隔量(ミスディスタンス)を形成して、互いにすれ違うように交差してしまうことが多い。
【0004】
このように、飛翔体が移動目標に命中しない場合でも、相手方移動目標を破壊させ、あるいはこれに多大な損傷を与えるには、飛翔体は、移動目標に最接近した位置、すなわち会合点近くに到達したタイミングで弾頭を起爆させることが必要となる。
【0005】
弾頭の起爆動作特性は弾頭の種類によって異なることが多いから、弾頭の種類や性能に則した起爆タイミングを会合点への到達時刻に対応して個々に設定する必要がある。
【0006】
そこで、相手移動目標に対する破壊を効果あるものとするには、会合点への到達タイミングを適切に検出する必要がある。
【0007】
飛翔体が会合点近くに到達したか否かは、よく知られているように、近接信管による相手移動目標の検出の有無に基づき判定されたり、あるいは飛翔体及び移動目標双方の現在位置や速度等の運動状態の検出信号に基づき、会合点までの所定到達時間(会合時間)が算出され、その算出された会合時間が経過したか否かによっても判定される。
【0008】
後者の、飛翔体及び移動目標双方の現在位置や運動状態の検出信号から、会合時間を算出するとき、もしも算出された計算上の会合時間と実際の会合時間(実会合時間)との間に差があるとすれば、起爆装置は適正な起爆タイミングを失してしまい、移動目標を的確に破壊するという飛翔体の目的を達成することが困難になる。
【0009】
図5に示したように、従来、飛翔体1及び移動目標2がいずれも等速度直線飛行を行い、たとえば45度の交戦角θを形成し、会合点hでは離隔量を形成することなく飛翔体1が移動目標2に命中すると仮定したとき、観測される両者間の相対距離Rc及び相対速度Vcから、会合時間Tcは、会合時間Tc=(相対距離Rc/相対速度Vc)の計算式で求められることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−178598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、飛翔体1と移動目標2とがともに直線上を等速度で飛行し、飛翔体1が移動目標2に衝突し命中するとしたときには、理論上、会合時間Tc=(相対距離Rc/相対速度Vc)なる式が成立する。従って、飛翔体及び移動目標双方の現在位置や速度等の運動状態の検出に観測上の誤差がないものとすれば、飛翔体1に搭載したパルスレーダ装置による、飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rcや相対速度Vcの観測値から、上記式による計算により、実会合時間Tに近い会合時間Tcを得ることができる。
【0011】
上記のように、上記式(Tc=Rc/Vc)の成立条件は、飛翔体1及び移動目標2がともに直線上を等速度で飛行し、かつ会合点hにおいて飛翔体1が移動目標2に命中して衝突することが前提である。
【0012】
一般に、空中を飛行する飛翔体1や移動目標2には、重力や空力抵抗等の種々の外力が作用し、また両者ともに常に一定推力のもとで飛行しているとは限らないから、会合点に向けて飛行する飛翔体1と移動目標2とが共に、等速度直線飛行をしているものとは言い難い。もっとも、会合点h間近の、例えば手前側数10m程度のごく短い区間領域に限れば、飛翔体1のみならず移動目標2も、直線上を等速度で移動していると見なすことができる。
【0013】
しかしながら、上記式(Tc=Rc/Vc)は、たとえ飛翔体1及び移動目標2の直線上等速度飛行を行っているとしても、会合点hにおいて、両者がすれ違うことなく命中して衝突するという条件が満足してはじめて成立するものである。
【0014】
従って、いずれか1の条件が成立しないときには、上記式による計算上の会合時間と実会合時間との間に差が生じてしまい、弾頭をタイミング良く起爆させることができなくなる。
【0015】
とりわけ、会合点hにおいて、離隔量Mを有して飛翔体1と移動目標2とがすれ違い交差するとすれば、(たとえ会合点h近くにおいて、飛翔体1及び移動目標2が直線上を等速度で飛行しているとみなすことができたとしても)上記式による計算上の会合時間と実会合時間Tとの間には差ΔTが生じ、しかもその差ΔTは、以下説明するように、会合点hに近づくほど大となるので、タイミング良く弾頭を起爆させることができなくなるという現象が発生した。
【0016】
すなわち、図6は、図5に示したように、飛翔体1と移動目標2とが離隔量Mを有して会合する会合点hに向けて等速度直線飛行している状態で、飛翔体1に搭載されたパルスレーダ装置により、ある任意の時刻tにおいて、飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rc及び相対速度Vcが観測されるとともに、その観測時における移動目標2の現在座標位置P(x,y,z)を、飛翔体1の座標位置を原点O(0,0,0)とした3次元の相対座標系上に示した図である。
【0017】
また、図6は、移動目標2は相対座標系の会合座標位置H(x0,y0,z0)に位置したとき、両者は離隔量Mの距離を有してすれ違い、交差することも合わせ示している。
【0018】
飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rcの長さと、離隔量Mの長さとを比較したとき、図6に示したように、距離Rcよりも離隔量Mが十分短い(Rc≫M)状況では、(すなわち、移動目標2の現在座標位置P(x,y,z)における、原点O(0,0,0)と会合座標位置H(x0,y0,z0)とのなす角(俯角)φが小さい状況では)、上記式(Tc=Rc/Vc)のもとで計算上、移動目標2が相対速度Vcを有してPO間を移動するに要する時間と、移動目標2が実際にPH間を移動して飛翔体1と会合するまでの時間(すなわち、実会合時間T)との間の差ΔTは小さなものとなる。
【0019】
しかしながら、図7(a)及び図7(b)にそれぞれ順次拡大して示したように、飛翔体1と移動目標2とが次第に会合点hに近づき、相対距離Rcが短くなるにつれ、移動目標2における俯角φは大となるから、最終的に、飛翔体1及び移動目標2が会合点hに到達した時点、すなわち移動目標2が会合座標位置H(x0,y0,z0))に到達した時点においても、上記式による計算においては、飛翔体1と移動目標2との間に、離隔量Mの長さの相対距離Rcが残存することを意味するから、計算上の会合時間Tcは実会合時間Tとの間に大きな開き(差ΔT)が発生する。
【0020】
図8及び図9は、会合点hからの距離(横軸)に関し、上記式(Tc=Rc/Vc)に基づく、従来の計算上の会合時間Tcと実会合時間Tとの差ΔT(縦軸)を示した特性曲線である。
【0021】
なお、図8及び図9はいずれも、観測上の誤差がなく、飛翔体1及び移動目標2のいずれもマッハ1.2の速度で飛行し、会合点hにおいては離隔量4mを有しつつ、45度の交戦角θで交差するものとし、また図8では、飛翔体1は加減速度はゼロで、図9では飛翔体1は−5Gの減速度を有して飛行するとして示したものである。
【0022】
図8及び図9にも示したように、上記式(Tc=Rc/Vc)に基づく計算上の会合時間Tcと実会合時間Tとの差ΔTは、飛翔体1(あるいは、移動目標2)が会合点hにごく接近した位置において顕著であり、また図9に示したように、飛翔体1が加減速度を有して飛翔している場合には、会合点hからやや離れた領域においても発生する。
【0023】
なお、図10は、上記図9の特性曲線が得られる条件のもとで、飛翔体1(及び移動目標2)の会合点hからの距離(横軸)に対する、飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rc(縦軸)を示した特性曲線図である。
【0024】
そこで、飛翔体1が移動目標2を捕捉して追尾し、会合点hに向けて誘導制御が行われている状況のもとで、実効が得られるように弾頭を起爆させるためには、弾頭の起爆動作特性上、飛翔体1ができるだけ会合点hにより近づいた位置で、実会合時間Tに近い正確な会合時間Toを算出する必要がある。
【0025】
しかしながら、上記のように、飛翔体1と移動目標2とが会合点hにおいて離隔量Mを有して交差する状況のもとで、式(Tc=Rc/Vc)により会合時間Tcを算出したのでは、飛翔体1(あるいは、移動目標2)が会合点hに近づけば近づくほど、実際の会合時間Tと計算された会合時間Tcとの間に大きな差ΔTが生じるという不都合が発生する。
【0026】
そこで本発明は、時刻を異にして、飛翔体と移動目標との間の相対位置を観測し、その観測値に基づき、会合点に向けた移動目標の速度ベクトル及び速度を得るとともに、飛翔体位置を原点とした相対座標系においては、移動目標の速度ベクトルの方向と原点を通り前記速度ベクトル上に位置する移動目標の会合座標位置を通るベクトルが略直交することに着目してなされたものである。
【0027】
すなわち、本発明は、飛翔体と移動目標とが、会合点hにおいて離隔量Mを有して会合するとき、飛翔体が会合点hにごく接近した位置でも、実会合時間との間に差がない、あるいはその差が実用上無視できる程度に小さく、より正確な会合時間を算出し得る会合時間算出装置を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、より正確に算出された会合時間に基づき、飛翔体に搭載された弾頭に対する起爆タイミングを設定することで、移動目標をより確実に破壊可能な弾頭の起爆装置を提供することを目的とする。
【0029】
さらに、本発明は、搭載したレーダ装置による移動目標の位置情報に基づき、実会合時間に近似した正確な会合時間を算出し、その算出された会合時間に対応した起爆タイミングで、弾頭を起爆させてより確実に移動目標を破壊し得る飛翔体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
第1の本発明は、空中を飛翔する飛翔体と移動目標との各位置情報及び各速度情報に基づき、前記飛翔体が前記移動目標と会合するまでの時間を算出する会合時間算出装置において、前記飛翔体位置を原点とした相対座標系において、時刻を異にして得られる前記飛翔体と前記移動目標の相対位置情報から、前記移動目標の相対座標系における速度ベクトル及び速度を算出する第1算出手段と、この第1算出手段により算出された相対座標系における前記移動目標の速度ベクトルと、この速度ベクトル上の前記移動目標の会合座標位置と前記原点とを結ぶベクトルとが略直交することを条件として、前記会合座標位置を算出する第2算出手段と、この第2算出手段による前記会合座標位置と、前記相対座標系における前記移動目標現在位置との間の距離を算出する第3算出手段と、この第3手段で算出された距離と、前記会合座標位置に向けた前記移動目標の速度とから会合時間を算出する第4算出手段とを具備することを特徴とする。
【0031】
第2の本発明は、弾頭を搭載して飛翔する飛翔体と移動目標とが会合するまでの時間を算出し、その算出した会合時間に対応したタイミングで前記弾頭を起爆させる弾頭の起爆装置において、前記会合時間を算出する第1の本発明の会合時間算出装置と、この会合時間算出装置により算出された前記会合時間に基づき、前記弾頭の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定手段と、この起爆タイミング設定手段で設定された時刻に前記弾頭を起爆させる起爆手段とを具備することを特徴とする。
【0032】
第3の本発明は、弾頭及びその起爆装置を搭載し、相手移動目標と会合すべく誘導制御される飛翔体において、前記移動目標の現在位置を、時刻を異にして検出するレーダ装置と、このレーダ装置により検出された前記移動目標の現在位置に基づき、前記移動目標と会合するまでの時間を算出する第1の本発明の会合時間算出装置と、この会合時間算出装置により算出された前記会合するまでの時間に基づき、前記弾頭の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定手段と、この起爆タイミング設定手段で設定されたタイミングで前記弾頭を起爆させる起爆手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明の会合時間算出装置は、飛翔体位置を原点とした相対座標系における移動目標の会合座標位置と移動目標の現在位置との間の距離を算出し、その距離と移動目標の速度とから会合時間を算出するので、その算出された会合時間は、移動目標及び飛翔体が実際に会合点に到達する時間そのものあるいはごくそれに近似したものとして得ることができる。
【0034】
また、本発明の弾頭の起爆装置によれば、上記本発明の会合時間算出装置により算出された会合時間に基づき、弾頭の起爆タイミングを設定するので、弾頭を的確なタイミングで起爆させて、移動目標を破壊させることができる。
【0035】
さらに、本発明の飛翔体は、レーダ装置を搭載し、上記本発明の会合時間算出装置により算出された会合時間に基づき、弾頭の起爆タイミングを設定し、その設定された起爆タイミングで弾頭を起爆させるので、簡単な構成で、移動目標を的確に破壊させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明による飛翔体の一実施例を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。なお、図5ないし図10に示した従来技術の説明と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
本実施例における飛翔体1は、図5に示した飛翔体1と同様に、空中において、交戦角θが45度で交差する会合点hに向けて飛翔するとともに、飛翔体1及び移動目標2はいずれも直線上を等速度移動するものとする。ただし、従来技術における説明と同様に、会合点hでは、両者は離隔量(ミスディスタンス)Mを有してすれ違い交差するものとして以下説明する。
【0038】
本実施例の飛翔体1は、図1に示したように、パルスレーダ波を送受信するレーダ装置11と、このレーダ装置11に接続された、第1ないし第4算出回路121〜124からなる算出手段12と、この算出手段12に接続された起爆タイミング設定回路13と、この起爆タイミング設定回路13に接続された起爆回路14と、この起爆回路14に接続された弾頭15とを搭載して構成されている。
【0039】
レーダ装置11は、空中を飛行する移動目標2を捕捉追尾しつつ、時々刻々、時刻を異にした観測により、飛翔体1を基準とした3次元の座標軸上における移動目標2の位置を捉え、その位置情報を算出手段12の第1算出回路121に供給する。
【0040】
レーダ装置11のパルスレーダ波が移動目標2を捉えたとき、図5で示したのと同様に、ドプラ反射信号により移動目標2までの距離Rc及び移動目標2との間の相対速度Vcを検出できると同時に、自機(飛翔体1)の位置及び向きを基準とする移動目標2の3次元上の位置及び方位情報も同時に、時々刻々捉えることができる。
【0041】
飛翔体1と移動目標2は、会合点hにおいて離隔量Mを有して会合すべく直線等速度飛行しているから、時刻を異にしたレーダ観測により移動目標2の3次元上の位置及び方位情報を得たとき、その複数回にわたる3次元上の位置及び方位情報から、移動目標2の会合点h方向への速度Vt及び速度ベクトルVを検出できる。
【0042】
図2は、会合点hに向けて直線飛行する移動目標2に対するレーダ観測により、飛翔体1と相対距離Rcを隔てて位置する移動目標2を検出し、その検出した移動目標2の現在位置を、飛翔体1位置を原点O(0,0,0)とした3次元の相対座標系に、現在座標位置P(x,y,z)として表示したものである。
【0043】
また、会合点hに向けて直線飛行する移動目標2と飛翔体1とは、離隔量Mを形成して会合することから、図2に示した3次元の相対座標系において、原点O(0,0,0)との間に最短の離隔量Mを形成する会合座標位置H(x0,y0,z0)において、移動目標2は飛翔体1と会合する。
【0044】
飛翔体1と移動目標2とが会合点hにおいて離隔量Mを形成して会合するとき、移動目標2の会合座標位置H(x0,y0,z0)において、原点O(0,0,0)とその会合座標位置H(x0,y0,z0)とを通るベクトル(OH)と、現在位置における移動目標2の速度ベクトルV(すなわち、(PH)方向)とは略直交する。
【0045】
そこで、この実施例の飛翔体1は、レーダ装置11を介して、移動目標2の複数位置情報が算出手段12に供給されたとき、第1ないし第4の算出回路121は、原点O(0,0,0)と会合座標位置H(x0,y0,z0)とを通るベクトル(OH)と、速度Vtで飛行する移動目標2の速度ベクトルV(すなわち、(PH)方向)とは略直交するとの条件のもとに、以下順次説明する手順により、飛翔体1と移動目標2との会合時間To を算出し、起爆タイミング設定回路13に供給する。
【0046】
すなわち、まず第1算出回路121は、レーダ装置11から時刻を異にして供給される飛翔体1と移動目標2の複数の相対位置情報から、飛翔体1を原点O(0,0,0)とした相対座標系における移動目標2の速度ベクトルV及び速度Vtを算出する。
【0047】
図2に示した、時刻tにおける相対座標系における移動目標2の現在座標位置P(x,y,z)の速度ベクトルVは、直線を示し、下記(1)式で示される。
【数1】


【0048】
但し、 Vx:相対座標系速度ベクトルVのx成分
Vy:相対座標系速度ベクトルVのy成分
Vz:相対座標系速度ベクトルVのy成分
X:時刻tにおけるx座標軸上の移動目標位置
Y:時刻tにおけるy座標軸上の移動目標位置
Z:時刻tにおけるz座標軸上の移動目標位置
第1算出回路121で算出された移動目標2の相対座標系における速度ベクトルV及び速度Vtのデータは第2算出回路122に供給される。
【0049】
第1算出回路121から、移動目標2の相対座標系における速度ベクトルV及び速度Vtのデータを受けた第2算出回路122は、移動目標2が会合点hにおいて離隔量Mを有して飛翔体1と会合することから、移動目標2の速度ベクトルVと、移動目標2の会合点hにおける会合座標位置H(x0,y0,z0)と原点O(0,0,0)とを結ぶベクトル(OH)とが略直交することを条件として、当該ベクトル(OH)と速度ベクトルVとの相対座標系における交点位置、すなわち会合座標位置H(x0,y0,z0)を算出する。
【0050】
すなわち、上記(1)式で表された速度ベクトルV上にあって、移動目標2が、時刻t0 において会合座標位置H(x0,y0,z0)に位置するとしたとき、その時刻t0 における会合座標位置H(x0,y0,z0)の座標位置は、(Vx・t0+X,Vy・t0+Y,Vz・t0+Z)と表わされるから、原点O(0,0,0)と会合座標位置H(x0,y0,z0)とを通るベクトル(OH)は、下記(2)式で表される。
【数2】


【0051】
この(2)式のベクトル(OH)と上記(1)式で表された速度ベクトルVとは、会合座標位置H(x0,y0,z0)において直交することから、その内積結果はゼロとなり、下記(3)式が導かれる。
【0052】
(Vx・t0+X)・Vx+(Vy・t0+Y)・Vy+(Vz・t0+Z)・Vz=0 (3)
この(3)式において、時刻t0 についての解を求めると下記(4)式が得られる。
【0053】
t0 =−(Vx・X+Vy・Y+Vz・Z)/(Vx+Vy+Vz) (4)
そこで、この(4)式のt0 を上記(1)式に代入すると、会合座標位置H(x0,y0,z0)は下記(5)式で表される。
【数3】


【0054】
すなわち、第2算出回路122は、第1算出回路121から供給される移動目標2の相対座標系における速度ベクトルV及び速度Vtのデータから、相対座標系における会合座標位置H(x0,y0,z0)を算出し、その算出した会合座標位置H(x0,y0,z0)を第3算出回路123に供給する。
【0055】
第2算出回路122から、相対座標系における会合座標位置H(x0,y0,z0)のデータ供給を受けた第3算出回路123は、移動目標2の会合座標位置H(x0,y0,z0)と現在座標位置P(x,y,z)のデータとから、下記(6)式に基づいて会合座標位置H(x0,y0,z0)と現在座標位置P(x,y,z)との間の距離Dを算出する。
【0056】
すなわち、3次元の相対座標系において、上記(5)式による会合座標位置H(x0,y0,z0)と、上記(1)式による現在座標位置P(x,y,z)とから、PH間の距離Dは下記(6)式で表される。
【0057】
D =√((x−x0)+(y−y0)+(z−z0)) (6)
第3算出回路123において上記(6)式により算出された、会合座標位置H(x0,y0,z0)と現在座標位置P(x,y,z)との間の距離Dデータは、第4算出回路124に供給される。
【0058】
第3算出回路123から距離Dのデータ供給を受けた第4算出回路124は、供給された距離Dのデータと、予め検出された相対座標系における移動目標2の速度Vtとから、下記(7)式により、現在座標位置P(x,y,z)の移動目標2が会合座標位置H(x0,y0,z0)に到達するまでの時間To を算出する。
【0059】
To =D/Vt (7)
移動目標2が会合座標位置H(x0,y0,z0)に到達するまでの時間Toとは、移動目標2が、実際に、離隔量Mを有して飛翔体1と会合するまでの時間であり、これはとりもなおさず、飛翔体1が会合点hに到達するまでの会合時間に他ならない。
【0060】
このように、本実施例の飛翔体1は、第1ないし第4算出回路からなる算出手段12により会合時間算出装置を構成し、離隔量Mを有して会合するとき、会合時間算出装置は、飛翔体1位置を原点Oとした相対座標系において、移動目標2の速度ベクトルVの方向と原点Oを通り速度ベクトルV上に位置する移動目標2の会合座標位置Hを通るベクトル(OH)が略直交することを条件に、飛翔体1における会合時間To を算出するので、その算出した会合時間To は、会合点h近くにおいても、実会合時間Tに近似し、実会合時間Tとの差ΔTはゼロに近いものとなる。
【0061】
図3は、図8における条件と同じように、本実施例による飛翔体1において、飛翔体1の会合点hまでの距離(横軸)に対する、上記(7)式により算出した会合時間To と実会合時間Tとの差ΔT(縦軸)を示したものである。
【0062】
図3に示したように、本実施例の飛翔体1によれば、計算による会合時間To の算出値が、会合点hに近い位置に到達しても、実会合時間Tとの差ΔTが殆ど生じないことを示している。
【0063】
従って、この算出手段12により算出された会合時間To を既知の起爆タイミング設定回路13に供給したとき、起爆タイミング設定回路13は、弾頭15の動作特性に即した適切な起爆時刻を設定し、その設定された起爆時刻に従って起爆回路14を作動させることができるので、飛翔体1は搭載した弾頭15を効果的に起爆して、相手移動目標2を的確に破壊させることができる。
【0064】
なお、上記実施例の説明において、第3算出回路123は、PH間の距離Dを、(6)式により算出したが、下記(8)式により、飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rcと離隔量Mとから求めることもできる。
【0065】
D=√(Rc−M) (8)
但し、M=√(x0+y0+z0)である。
【0066】
また、レーダ装置11により、飛翔体1と移動目標2との間の相対速度(ドップラ速度)Vcが観測されたとすれば、会合座標位置H(x0,y0,z0)における直交条件から、PH間の距離Dは、その相対速度Vcと移動目標2の相対座標系における速度Vtとにより、D=(Vc・Rc)/Vtとも表わすことができる。
【0067】
また、上記実施例の説明では、飛翔体1及び移動目標2はともに等速度直線飛行するものとしたが、もしも飛翔体1が加減速度を有して直線飛行しているときには、相対的に、移動目標2側において加減速度を有して直線飛行しているものとして捉えることができる。
【0068】
従って、飛翔体1が加減速度飛行するとき、レーダ装置11は、時を異にした少なくとも3回(複数回)の移動目標2の検出位置情報から、相対的に、移動目標2が加減速度Aを有して飛行しているものとの検出が可能である。
【0069】
そこで、相対座標系において、会合座標位置H(x0,y0,z0)に向けて飛行する移動目標2の速度をVt 、加減速度をAとしたとき、現在座標位置P(x,y,z)と会合座標位置H(x0,y0,z0)との間の距離Dは下記(9)式で表わされる。
【0070】
D=Vt・t + A/2・t (9)
但し、A=−(Ax・Vx+Ay・Vy+Az・Vz)/Vtである。
【0071】
ここで、Ax:相対座標系加速度Aのx成分
Ay:相対座標系加速度Aのy成分
Az:相対座標系加速度Aのz成分
であり、
Vt =√(Vx+Vy+Vz
である。
【0072】
すなわち、上記(9)式におけるtの解は、移動目標2が距離Dを移動する時間、すなわち会合時間To を示したものに他ならないから、飛翔体1が加速度を有しているときには、時刻tについて得られる下記(10)式が成立し、下記(10)式によって求まるt の値を会合時間To として求めることができる。
【0073】
t =(−Vt+√(Vt+2・A・D))/A (10)
この(10)式で表された時刻tも、移動目標2が速度Vtを有して、会合点hにおける移動目標位置Hまでの距離Dを移動するのに要する時間、すなわち会合時間を示したものであるから、飛翔体1と移動目標2との間の相対距離Rcに対する上記(10)式により得られる会合時間To と実会合時間Tとの差ΔTは実用上無視できるほど小さなものとなる。
【0074】
なお、図4は、飛翔体1が加速度Aを有しているときに、上記(10)式に基づいて算出した会合時間To と実会合時間との差ΔTを示した特性曲線で、会合点hから数100m程度手前側の位置においても、差ΔTが小さく、実会合時間Tに近い会合時間To を得ることができることを示している。
【0075】
以上説明のように、本実施例の飛翔体1は、算出手段12からなる会合時間算出装置を搭載し、飛翔体1位置を原点Oとした相対座標系における移動目標2の速度ベクトルVを得るとともに、移動目標2における速度ベクトルVと、会合座標位置Hと原点Oとを結ぶベクトルとが略直交することを条件に会合時間To を算出し、その算出された会合時間To により弾頭15を起爆するように起爆装置を構成したので、タイミング良く弾頭を起爆させて、移動目標を的確に破壊させることができる。
【0076】
なお、上記実施例の説明において、飛翔体1はレーダ装置11を搭載し、その搭載したレーダ装置11により相手移動目標2の位置を検出する旨説明したが、飛翔体1がレーダ装置を搭載することなく、別途、地上に設置されたレーダ装置による飛翔体1及び移動目標2の各位置情報の検出信号に基づき、飛翔体1に対する移動目標2の位置データを算出して、算出手段12に供給するようにしても、同様に目的を達成することができる。
【0077】
また、上記実施例の飛翔体1は、相手移動目標2との会合タイミングを得るのに、会合時間算出装置に加えて、近接信管を合わせ搭載し、併用させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による飛翔体1の一実施例を示した構成図である。
【図2】図1に示した飛翔体における会合時間算出装置の動作説明図である。
【図3】図1に示した飛翔体が等速度飛行するとき、算出される会合時間Toと実会合時間Tとの差ΔTを示した特性図である。
【図4】図1に示した飛翔体が加減速飛翔するとき、算出される会合時間Toと実会合時間Tとの差ΔTを示した特性図である。
【図5】飛翔体と移動目標とがともに直線飛行して会合する状態を示した説明図である。
【図6】従来の会合時間算出方法を説明する説明図である。
【図7】同じく従来の会合時間算出方法を説明した説明図である。
【図8】飛翔体が等速度飛行するとき、図6及び図7に示した会合時間算出方法により算出した会合時間Tcと実会合時間Tとの差ΔTを示した特性図である。
【図9】飛翔体が加減速度飛行するとき、図6及び図7に示した会合時間算出方法により算出した会合時間Tcと実会合時間との差ΔTを示した特性図である。
【図10】図9に示した特性が得られたときの、会合点までの距離に対する飛翔体と移動目標との間の相対距離を示した特性図である。
【符号の説明】
【0079】
1 飛翔体
11 レーダ装置
12 算出手段(会合時間算出装置)
121 第1算出回路(第1算出手段)
122 第2算出回路(第2算出手段)
123 第3算出回路(第3算出手段)
124 第4算出回路(第4算出手段)
13 起爆タイミング設定回路(起爆タイミング設定手段)
14 起爆回路(起爆手段)
15 弾頭
2 移動目標
h 会合点
M 離隔量(ミスディスタンス)
Rc 相対距離
V 速度ベクトル
Vt 速度
Vc 相対速度




 

 


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