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発明の名称 歯車式減速機および該歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−247730(P2007−247730A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2006−70303(P2006−70303)
出願日 平成18年3月15日(2006.3.15)
代理人 【識別番号】100080540
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 敏雄
発明者 栗田 昌兆
要約 課題
偏心揺動型減速機21および産業用ロボット11の関節部構造の軸方向長さを短縮し、軽量化を図る。

解決手段
位置決めピン74の一部が挿入される複数の第1ピン穴71をハンド62の平坦面70に、その残部が挿入される複数の第2ピン穴39をキャリア33の先端面38にそれぞれ形成すれば、ハンド62とキャリア33とを締結したときのキャリア33とハンド62との同心度を位置決めピン74により高精度に維持することができる。このとき、従来必要であった円筒状突出部が不要となるため、印籠結合における印籠部の長さ分だけ第4関節20の軸方向長さを短くすることができる
特許請求の範囲
【請求項1】
固定部と、入力回転が付与される入力部と、入力部からの回転を減速する歯車減速部と、歯車減速部により減速された回転を、締結された被回転部材に出力する出力部とを備え、前記出力部の先端面全体を平坦面から構成するとともに、前記被回転部材に一部が挿入可能な位置決めピンの残部が挿入される複数のピン穴を前記出力部の先端面に形成したことを特徴とする歯車式減速機。
【請求項2】
固定部、入力回転が付与される入力部、入力部からの回転を減速する歯車減速部、および、歯車減速部により減速された回転を出力する出力部を有する歯車式減速機と、前記固定部に取り付けられた産業用ロボットの基端側部材と、前記出力部に締結された先端側部材とを備えた産業用ロボットの関節部構造であって、前記出力部の先端面全体を平坦面から構成するとともに、出力部と前記先端側部材とを、該出力部の先端面と先端側部材に形成された平坦面とのみで面接触させ、かつ、先端側部材の平坦面および出力部の先端面に複数の第1および第2ピン穴をそれぞれ形成するとともに、位置決めピンの一部を前記先端側部材の第1ピン穴に、残部を出力部の第2ピン穴にそれぞれ挿入するようにしたことを特徴とする歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造。
【請求項3】
産業用ロボットが少なくとも3個の関節を有するとき、先端から3個の関節のうち、少なくともいずれか一つに請求項2記載の関節部構造を用いた歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造。
【請求項4】
先端から3個目の関節に前記関節部構造を用いるとともに、前記先端側部材および出力部を中空とした請求項3記載の歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造。
【請求項5】
前記固定部と出力部との間にオイルシールを設けるとともに、半径方向外側に配置された固定部または出力部に前記先端側部材の平坦面を近接配置した請求項2〜4のいずれかに記載の歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力された回転を減速する歯車式減速機および該歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、6個の自由度を有する産業用ロボットとしては、種々のものが知られており、多用されているものの例として、以下の特許文献1に記載のようなものを挙げることができる。
【特許文献1】特開昭63−185595号公報
【特許文献2】特開昭64−20993号公報
【0003】
この産業用ロボットは、床面上に設置された基台と旋回ヘッドとの間に設けられ、旋回ヘッドに回転力を付与して該旋回ヘッドを垂直な第1軸回りに回転させる第1関節と、旋回ヘッドの上端部と第1アームの基端部との間に設けられ、第1アームに回転力を付与して該第1アームを水平な第2軸回りに揺動させる第2関節と、第1アームの先端部と第2アームの基端部との間に設けられ、第2アームに回転力を付与して該第2アームを水平な第3軸回りに揺動させる第3関節を備えている。
【0004】
また、前記産業用ロボットは、第2アームの先端部と円筒状をしたハンドの基端部との間に設けられ、ハンドに回転力を付与して該ハンドを自身の中心軸上に位置する第4軸回りに回転させる第4関節と、ハンドとハンド軸との間に設けられ、ハンド軸に回転力を付与して該ハンド軸を第4軸に直交する第5軸回りに揺動させる第5関節と、ハンド軸と取付け台との間に設けられ、取付け台に回転力を付与して該取付け台を第5軸に直交する第6軸回りに回動させる第6関節とを備えている。
【0005】
そして、このような産業用ロボットにおける第1〜第6関節はいずれも、モータの回転を減速して出力する歯車式減速機を備えたほぼ同様の構造をしているが、その詳細構造を、例えば前記特許文献2に記載されている第5関節を参照しながら以下に説明する。
【0006】
ここで、前記第5関節は、ハンド(基端側部材)に取り付けられた固定部と、ハンド軸(先端側部材)に締結された出力部と、入力回転が付与される入力部と、入力部からの回転を減速して出力部に出力する歯車減速部とを有する歯車式減速機を備えているが、このものでは、前記出力部とハンド軸との同心度を高精度とするために、出力部の先端部を固定部からハンド軸に向かって突出させるとともに、ハンド軸のフランジに固定部に向かって突出する円筒状の突出部を形成し、該先端部の外周面と円筒状突出部の内周面とを面接触させた状態で出力部とハンド軸とを嵌合させる、いわゆる印籠結合を行っている。そして、このような印籠結合は、通常前述したいずれの関節においても行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の産業用ロボットの関節部構造にあっては、前述のように出力部と先端側部材との同心度を高精度とするために印籠結合を用いるようにしているため、出力部の先端部と先端側部材に形成された円筒状突出部とが半径方向に重なり合う印籠部の軸方向長さ分だけ、関節部構造の軸方向長さが長くなり、大重量になってしまうという課題があった。特に、このような課題は、小型でありながらハンド軸、取付け台、ツール等の合計重量に耐える必要がある第4軸(第4関節)において顕著であった。
【0008】
この発明は、軸方向長さを短縮し、軽量化を図ることができる歯車式減速機および該歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、第1に、固定部と、入力回転が付与される入力部と、入力部からの回転を減速する歯車減速部と、歯車減速部により減速された回転を、締結された被回転部材に出力する出力部とを備え、前記出力部の先端面全体を平坦面から構成するとともに、前記被回転部材に一部が挿入可能な位置決めピンの残部が挿入される複数のピン穴を前記出力部の先端面に形成した歯車式減速機により、達成することができる。
【0010】
第2に、固定部、入力回転が付与される入力部、入力部からの回転を減速する歯車減速部、および、歯車減速部により減速された回転を出力する出力部を有する歯車式減速機と、前記固定部に取り付けられた産業用ロボットの基端側部材と、前記出力部に締結された先端側部材とを備えた産業用ロボットの関節部構造であって、前記出力部の先端面全体を平坦面から構成するとともに、出力部と前記先端側部材とを、該出力部の先端面と先端側部材に形成された平坦面とのみで面接触させ、かつ、先端側部材の平坦面および出力部の先端面に複数の第1および第2ピン穴をそれぞれ形成するとともに、位置決めピンの一部を前記先端側部材の第1ピン穴に、残部を出力部の第2ピン穴にそれぞれ挿入するようにした歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造により、達成することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載のように、歯車式減速機の出力部における先端面全体を平坦面から構成するとともに、該出力部に締結される被回転部材に一部が挿入可能な位置決めピンの残部が挿入される複数のピン穴を前記出力部の先端面に形成したので、出力部に被回転部材を締結する際、出力部と被回転部材との同心度を、これらの印籠結合によることなく、位置決めピンの一部を被回転部材に、残部をピン穴にそれぞれ挿入することで高精度に維持することができる。
【0012】
このとき、従来必要であった被回転部材の円筒状突出部を省略することが可能となるので、出力部の先端部に該円筒状突出部と重なり合う部位を設ける必要がなくなり、この結果、出力部の先端部の前記固定部からの突出量を、印籠結合のために余分に突出していた分(印籠部の長さ分)だけ短縮することができ、これにより、歯車式減速機の軸方向長さを短縮することができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0013】
また、請求項2に記載のように、位置決めピンの一部が挿入される複数の第1ピン穴を先端側部材に形成された平坦面に、位置決めピンの残部が挿入される複数の第2ピン穴を出力部の先端面にそれぞれ形成すれば、先端側部材と出力部とを締結したときの先端側部材と出力部との同心度を前記第1、第2ピン穴に挿入された位置決めピンにより高精度に維持することができる。
【0014】
このとき、出力部の平坦な先端面に先端側部材の平坦面のみが面接触していると、前述の請求項1と同様に印籠部の長さ分だけ関節の軸方向長さを容易に短くすることができるとともに、該関節を軽量化することができ、産業用ロボットに好適である。しかも、前述のように複数の位置決めピンを先端側部材、出力部に挿入するようにしたので、これら先端側部材と出力部との回転方向位置決めも高精度で行うことができる。
【0015】
通常、先端から3個の関節は、手首3軸(手首関節)と呼ばれ、これらは産業用ロボットのアームに取り付けられるが、これらの少なくとも1つに請求項3に記載のように軽量な関節部構造を用いれば、手首関節の性能低下を効果的に抑制することができる。
【0016】
ここで、先端から3個目の関節より先端側には、ツールや2個の関節等が設けられるため、先端から3個目の関節と前記2個の関節とを接近させ、該3個目の関節に生じるモーメント負荷を低減させる必要があるが、請求項4に記載のように構成すれば、先端から3個目の関節に生じるモーメント負荷を低減させることができる。このとき、先端側部材および出力部を中空とすれば、該3個目の関節より先端側の関節に回転力を伝達するための駆動軸等を問題なく通すことができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0017】
また、請求項5に記載のように構成すれば、固定部と出力部との間(オイルシール)に塵、埃等が侵入する事態を効果的に防止することができ、これにより、オイルシールの寿命を延ばすことができる。
【実施例】
【0018】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は少なくとも3個の関節、ここでは、6個の関節を備えた6自由度の産業用ロボットであり、この産業用ロボット11は、前述と同様に図示していない第3関節から回転力が付与されることで基端部を中心(水平な第3軸回り)に揺動することができる基端側部材としての第2アーム12を有する。ここで、この第2アーム12は円柱状を呈し、内部に軸方向に貫通した中空孔13が形成されている。
【0019】
20は前記第2アーム12と後述のハンドとの間に設けられた第4関節であり、この第4関節20は産業用ロボット11の先端側(取付け台側)から数えて3個目の関節で、歯車式減速機としての偏心揺動型減速機21を有する。この減速機21は略円筒状をした固定部としてのケース22を有し、このケース22の軸方向中央部内周には周方向に等距離離れた多数の内歯としてのピン歯23が設けられている。
【0020】
25はケース22と前記第2アーム12の先端部との双方にねじ込まれた複数のボルトであり、これらのボルト25によって第2アーム12はケース22に取り付けられている。前記ケース22内にはリング状を呈するピニオン26が複数(ここでは2個)軸方向に並べられて収納され、これらピニオン26の外周には多数の外歯27がそれぞれ形成されている。
【0021】
ここで、前記ピニオン26の外歯27の歯数は前記ピン歯23の歯数より若干、ここでは1個だけ少なく、また、これらピニオン26とケース22とは内接した状態で外歯27とピン歯23とが噛み合っているが、2つのピニオン26の最大噛み合い部(噛み合いの最も深い部位)は 180度だけ位相がずれている。そして、これらピニオン26の中心軸上には貫通した中心孔31が、また、その内、外周間の中間部には軸方向に貫通した複数(3個)の貫通孔32が周方向に等距離離れて形成されている。
【0022】
33は前記ケース22内に挿入された出力部としてのキャリアであり、このキャリア33はピニオン26の軸方向両外側に配置された略リング状を呈する一対の端板部34、35と、一側端が端板部34に一体形成され、他側端が端板部35にボルト36により締結された複数(貫通孔32と同数)の柱部37とから構成され、これら柱部37は前記貫通孔32内にそれぞれ遊嵌されている。
【0023】
このキャリア33、詳しくは端板部34の先端面38(軸方向一側端面)全体は軸方向に直交する平坦面から構成されており、この平坦な先端面38の内、外周間の略中間部には後述するハンド側に開口した軸方向に延びる複数(ここでは2個)の第2ピン穴39が周方向に離れて(ここでは周方向に 120度離れて)形成されている。また、前記キャリア33の中心軸上には前記中心孔31とほぼ同径の中心孔41が形成されている。
【0024】
42は前記キャリア33、詳しくは端板部34、35の外周とケース22の軸方向両端部内周との間に介装された一対の軸受であり、これらの軸受42によりキャリア33はケース22に対し相対回転可能に支持される。43は各ピニオン26に成形された軸方向に延びる貫通した複数(3個)のクランク孔であり、これらのクランク孔43は周方向に等距離離れるとともに、前記貫通孔32と交互に配置されている。
【0025】
47は複数本(クランク孔43と同数)の入力部としてのクランク軸であり、これらのクランク軸47は周方向に等距離離れて配置されている。これらクランク軸47とキャリア33、詳しくは端板部34、35との間には軸方向に離れた一対の軸受48がそれぞれ介装され、これにより、前記クランク軸47の軸方向両端部はこれら一対の軸受48を介してキャリア33に回転可能に支持される。
【0026】
また、前記クランク軸47は軸方向中央部にクランク軸47の中心軸から等距離だけ偏心したピニオン26と同数(2個)の偏心部49を有し、これら偏心部49は軸方向に隣接して配置されるとともに、互いに 180度だけ位相がずれている。そして、前記クランク軸47の偏心部49はピニオン26のクランク孔43内にそれぞれころ軸受50を介して挿入されており、この結果、前記ピニオン26とクランク軸47とは相対回転が許容されている。
【0027】
51は軸方向一側の軸受42より軸方向一側に配置されたオイルシールであり、このオイルシール51は、ケース22の軸方向一側端部内周とキャリア33、詳しくは端板部34の軸方向一側端部外周との間に設けられることで、ケース22とキャリア33との間をシールし、これらの間を通って減速機21内の潤滑剤等が外部に漏出したり、塵や埃等が内部に侵入する事態を防止する。
【0028】
55は第2アーム12の中空孔13内に収納され、内部に中空孔56が形成された円筒状の伝達軸であり、この伝達軸55の中心軸は減速機21および第2アーム12の中心軸と同軸である。そして、この伝達軸55は図示していない駆動源(駆動モータ)から駆動力を受けることで、自身の回転軸回りに回転することができる。前記伝達軸55の先端(軸方向一側端)には第1外歯車57が設けられており、この第1外歯車57は前記駆動源から駆動力が伝達されると、軸線回りに回転する。
【0029】
58は少なくともいずれか1本、ここでは全てのクランク軸47の軸方向片側端(軸方向他側端)にそれぞれ取り付けられた第2外歯車であり、これら全ての第2外歯車58は前記第1外歯車57の周囲に等角度離れて配置されるとともに、該第1外歯車57に噛み合っている。これにより、前記駆動源を作動して伝達軸55を回転させると、全てのクランク軸47は伝達軸55から入力回転が付与されて、自身の中心軸回りに回転する。
【0030】
そして、これらクランク軸47の偏心部49からの偏心回転がピニオン26に伝達されると、該ピニオン26は偏心揺動回転するが、このとき、ピニオン26の外歯27の歯数がケース22のピン歯23の数より1個だけ少ないので、該ピニオン26はその偏心揺動回転によりクランク軸47からの回転を大幅に減速し、キャリア33に伝達する。
【0031】
前述したピン歯23、ピニオン26は全体として、クランク軸(入力部)47からの回転を減速する歯車減速部59を構成し、この歯車減速部59により減速された回転は、キャリア33から該キャリア33に締結された後述のハンドに出力される。また、前述した固定部としてのケース22、出力部としてのキャリア33、入力部としてのクランク軸47および歯車減速部59は全体として、クランク軸47に入力された回転を減速してキャリア33から出力する前記偏心揺動型減速機21を構成する。
【0032】
また、前述した第1、第2外歯車57、58は全体として、偏心揺動型減速機21のクランク軸47に伝達軸55からの回転を伝達する歯車列60を構成するが、このような歯車列60をキャリア33の軸方向他側面から入力側(駆動源側)に突出させて配置したので、出力側(後述のハンド62側)においてキャリア33内に遊嵌させた状態で配置した場合に比較し、軽量化を図ることができる。なお、この歯車列60を前段減速機とし、ここで回転を減速するようにしてもよい。
【0033】
62は中心軸上に中心孔63が形成された被回転部材(産業用ロボット11の先端側部材)としての略円筒状のハンドであり、このハンド62の基端部(軸方向他側端部)に形成されたリング状のフランジ64は前記キャリア33、詳しくは端板部34に複数のボルト66によって締結されている。前記ハンド62は減速機21の軸方向に延びるとともに、その中心軸は減速機21、第2アーム12の中心軸と同軸であり、このハンド62は前記減速機21(キャリア33)から回転力が付与されることで、自身の中心軸上に位置する第4軸回りに回転することができる。
【0034】
70はハンド62の軸方向他側端面(キャリア33側端面)全体に形成され軸方向に直交する平坦面であり、この平坦面70はキャリア33の先端面38に面接触している。このようにハンド62とキャリア33とは、先端面38と平坦面70とのみが面接触しており、従来のようにハンドがキャリアの外周面に接触することはない。また、この平坦面70の内、外周間の略中間部には第2アーム12側が開口した軸方向に延びる複数(ここでは前記第2ピン穴39と同数の2個)の第1ピン穴71が周方向に離れて(ここでは周方向に 120度離れて)形成され、これらの第1ピン穴71には後述する位置決めピンの一部が挿入可能である。そして、前述のようにキャリア33とハンド62とが締結されたとき、前記第1、第2ピン穴71、39は同軸に配置される。
【0035】
74は前記第1ピン穴71に一部(軸方向一側部)が挿入された複数本(2本)の位置決めピンであり、これらの位置決めピン74の残部(軸方向他側部)は前記第2ピン穴39に挿入されている。このようにキャリア33の先端面38に第2ピン穴39を形成すれば、キャリア33(端板部34)にハンド62を締結する際、キャリア33とハンド62との同心度を、従来のようなこれらの印籠結合によることなく、位置決めピン74の一部をハンド62の第1ピン穴71に、残部をキャリア33の第2ピン穴39にそれぞれ挿入することで、高精度に維持することができる。
【0036】
このとき、前述のようにキャリア33と前記ハンド62とを、該キャリア33の平坦な先端面38とハンド62に形成された平坦面70とのみで面接触させると、従来必要であった印籠結合用の円筒状突出部を省略することができるので、キャリア33の先端部(軸方向一端部)に該円筒状突出部と重なり合う部位を設ける必要がなくなり、この結果、キャリア33の先端部の前記ケース22からの突出量を、印籠結合のために余分に突出していた分(印籠部の長さ分)だけ短縮することができ、これにより、第4関節20(偏心揺動型減速機21)の軸方向長さを短縮することができるとともに、軽量化を図ることができ、産業用ロボット11に好適である。
【0037】
しかも、前述のように複数の位置決めピン74をハンド62、キャリア33に挿入するようにしたので、これらハンド62とキャリア33との回転方向位置決めも位置決めピン74により高精度で行うことができる。ここで、前述の位置決めピン74としては、平行ピン(JIS B1354)やスプリングピン(JIS B2808)を用いることができる。なお、この実施例ではハンド62とキャリア33とを前述のように位置決めピン74により同心度を維持しながら締結するようにしたが、第2アーム12とケース22とを印籠結合ではなく、同様に位置決めピンを用いながら締結するようにしてもよい。
【0038】
また、前記ハンド62と図示していないハンド軸との間には、ハンド軸に回転力を付与して該ハンド軸を第4軸に直交する第5軸回りに揺動させる第5関節が設けられており、さらに、該ハンド軸と溶接手段等のツールが取り付けられる取付け台との間には、該取付け台に回転力を付与して該取付け台を第5軸に直交する第6軸回りに回動させる第6関節が設けられている。
【0039】
このように先端から3個目の関節、即ち第4関節20より先端側には2個の第5、第6関節が設けられているため、該第4関節20は小型であるにも拘わらずハンド軸、取付け台、第5、第6関節、ツール等の合計重量に耐える必要がある。このため、この実施例では、先端から3個目の関節(第4関節20)と前記2個の関節とを接近させて、該第4関節20に生じるモーメント負荷を低減させるために、該第4関節20を前述のような構造とし、これにより、第4関節20の軸方向長さを短くして、モーメント負荷を低減させるようにしている。
【0040】
また、前記ハンド62に中心孔63を、キャリア33に中心孔41を設けることで、これらハンド62、キャリア33を中空とすれば、第4関節20より先端側の第5、第6関節に回転力をそれぞれ伝達するための中空駆動軸77、駆動軸78、必要に応じて制御用のケーブル、配管等を、これら中心孔63、41を通じて問題なく通すことができるとともに、軽量化を図ることもできる。
【0041】
なお、この実施例においては、第4関節20を前述のような構造としたが、先端から3個の関節、通常、手首3軸(手首関節)と呼ばれている第4、第5、第6関節のうちの少なくともいずれか一つに前述のような関節部構造を用いることが好ましく、このような軽量な関節部構造を用いれば、手首関節の性能低下を効果的に抑制することができる。
【0042】
また、この実施例では前述のような位置にオイルシール51を設けるとともに、固定部または出力部のうち、半径方向外側に配置されたもの、ここでは固定部としてのケース22の軸方向一端に、前記ハンド62の平坦面70を、お互いが摺接しない程度で極く近接して配置している。この結果、ケース22とキャリア33との間(オイルシール51)に塵、埃等が侵入する事態を効果的に防止することができ、これにより、オイルシール51の寿命を延ばすことができる。
【0043】
ここで、キャリア33とハンド62との同心度を高精度とするために、中心孔63の孔径D1を中心孔41の孔径D2より小径とすることで、ハンド62の半径方向内端部にキャリア33に向かって延びる環状の突出部を形成し、該突出部の外周面と前記中心孔41の内周面とを面接触させてキャリア33とハンド62とを印籠結合させることも考えられる。
【0044】
しかしながら、このようにすると、ハンド62が大重量となるとともに、ハンド62の内部に前述のような駆動軸等を通過させる場合の制約が増すという事態が生じてしまう。このため、この実施例においては、前記ハンド62に設けられた中心孔63の孔径D1を前記中心孔41の孔径D2より大とし、これにより、ハンド62を軽量化するとともに、ハンド62の内部を駆動軸等が容易に通過することができる。
【0045】
次に、前記実施例の作用について説明する。
前述のような産業用ロボット11を用いて、例えば溶接作業を行う場合には、第1〜第6関節を作動して取付け台に取付けられている溶接手段をワークの溶接箇所まで移動させる。このときの第1〜第6関節の作動を代表して第4関節20で説明する。
【0046】
この第4関節20において駆動源からの駆動力により伝達軸55が回転すると、この伝達軸55の回転は第1、第2外歯車57、58を介して全てのクランク軸47に伝達され、これらクランク軸47を自身の中心軸回りに同一方向に同一速度で回転させる。このとき、クランク軸47の偏心部49がピニオン26のクランク孔43内において偏心回転してピニオン26を偏心揺動回転させるが、前記ピニオン26の外歯27の歯数がケース22のピン歯23の数より1個だけ少ないので、キャリア33はピニオン26の偏心揺動回転により減速され低速回転する。その後、前記キャリア33の回転はハンド62に伝達され、該ハンド62を回転させる。
【0047】
このとき、ハンド62の軸方向他側端面全体を平坦面70とするとともに、該平坦面70に複数の第1ピン穴71を形成し、一方、キャリア33の先端面38全体を平坦面から構成するとともに、該先端面38に複数の第2ピン穴39を形成し、これら第1、第2ピン穴71、39に複数の位置決めピン74の一部および残部をそれぞれ挿入するようにしたので、キャリア33にハンド62を締結する際、キャリア33とハンド62との同心度を、従来のようなこれらの印籠結合によることなく、高精度に維持することができる。
【0048】
しかも、従来必要であったハンドの円筒状突出部を省略することができるので、第4関節20(偏心揺動型減速機21)の軸方向長さを短縮することができるとともに、軽量化を図ることができる。さらに、前述の位置決めピン74により、ハンド62とキャリア33との回転方向位置決めも高精度で行うことができる。
【0049】
なお、前述の実施例においては、固定部としてのケース22を第2アーム12に固定する一方、出力部としてのキャリア33から減速された回転をハンド62に出力するようにしたが、この発明においては、キャリアを固定部として第2アームに固定する一方、ケースを出力部としてハンドに減速された回転を出力するようにしてもよい。また、前述の実施例においては、歯車式減速機として偏心揺動型減速機21を用いたが、遊星歯車減速機等の高比で減速することができる減速機を用いてもよい。
【0050】
また、前述の実施例においては、全て(3本)のクランク軸47に第2外歯車58を取り付けるとともに、1個の第1外歯車57にこれら全ての第2外歯車58を噛み合わせるようにしたが、この発明においては、いずれか1本のクランク軸のみに第2外歯車を取り付けるとともに、第1外歯車に第2外歯車を1対1で噛み合わせるようにしてもよい。さらに、前述の実施例においては、偏心揺動型減速機21におけるピン歯23の歯数と外歯27との歯数差が1であったが、この発明においては2以上であってもよい。また、この発明は、回転中心にクランク軸を配置したセンタークランク方式にも適用することができる。
【0051】
さらに、前述の実施例においては、ハンド62の軸方向他側端面全体を平坦面70としたが、この発明においては、キャリアの先端面に対向する部位が平坦面であればよく、該部位より半径方向外側がキャリア側に突出していてもよい。しかしながら、このような突出部、特に内周は印籠結合となってしまうので、固定部(キャリア)に面接触してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、入力された回転を減速する歯車式減速機および該歯車式減速機を備えた産業用ロボットの関節部構造に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施例を示す第4関節の正面断面図である。
【図2】図1のI−I矢視断面図である。
【符号の説明】
【0054】
11…産業用ロボット 12…基端側部材
21…歯車式減速機 22…固定部
33…出力部 38…先端面
39…第2ピン穴 47…入力部
51…オイルシール 59…歯車減速部
62…被回転(先端側)部材 70…平坦面
71…第1ピン穴 74…位置決めピン




 

 


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