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差動揺動型減速機 - ナブテスコ株式会社
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発明の名称 差動揺動型減速機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232119(P2007−232119A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−55926(P2006−55926)
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
発明者 野原 修
要約 課題
差動揺動型減速機に3つの外歯歯車を配設した場合に、(ピン歯にかかる荷重を軽減しつつ)回転損失が増大するのを抑制する。

解決手段
クランク軸48に設けられた3つの偏心部48a〜48cと、各偏心部48a〜48cにそれぞれ連動する外歯歯車44〜46と、外歯歯車44〜46が噛み合うようにケース内周に配置される複数のピン歯31と、外歯歯車44〜46に連動して回転するキャリア22とを備える。各偏心部48a〜48cはクランク軸48の回転方向に120度の位相差を有する。各外歯歯車44〜46に対し3分の1のピン歯31が当該外歯歯車44〜46と噛み合うように設定されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動部に連動して回転するクランク軸と、
前記クランク軸に設けられた第1偏心部と、
前記クランク軸に設けられた第2偏心部と、
前記クランク軸に設けられた第3偏心部と、
前記第1偏心部に連動する第1外歯歯車と、
前記第2偏心部に連動する第2外歯歯車と、
前記第3偏心部に連動する第3外歯歯車と、
前記第1外歯歯車、前記第2外歯歯車及び前記第3外歯歯車が噛み合うようにケース内周に配置される複数のピン歯と、
前記第1外歯歯車、前記第2外歯歯車及び前記第3外歯歯車に連動して回転する出力軸部とを備え、
前記各偏心部が前記クランク軸の回転方向に所定の位相差を有して配置されている差動揺動型減速機において、
前記各外歯歯車は、前記ピン歯のうち半分未満のピン歯が噛み合うように設定されている差動揺動型減速機。
【請求項2】
前記各外歯歯車が噛み合う前記ピン歯の総数は前記ピン歯の数と等しくなるように設定されている請求項1に記載の差動揺動型減速機。
【請求項3】
前記ピン歯の数は、3の整数倍であり、
前記各偏心部は位相差が120度になるように配置され、
前記各外歯歯車は、3分の1の前記ピン歯が噛み合うように設定されている請求項1又は2に記載の差動揺動型減速機。
【請求項4】
前記少なくとも1つの外歯歯車は、歯末の丈が歯元の丈よりも短く形成されている請求項1から3の何れか1項に記載の差動揺動型減速機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット用減速機、建設機械等の走行用または旋回用減速機、風車用減速機に用いられ、入力回転から減速した出力回転を得るようにした差動揺動型減速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、偏心部に外嵌された外歯歯車を内歯歯車に噛み合わせながら公転させることにより入力回転から減速した出力回転を得るようにしたサイクロ減速機等の差動揺動型減速機が知られている。この種の差動揺動型減速機では、一般に2つの偏心部が位相差を有した状態でクランク軸に設けられていて、各偏心部に外嵌された外歯歯車がそれぞれピン歯に噛み合わされている。このピン歯はケースの内周面に沿って周方向に間隔をおいて配設されるものである。偏心部の位相差は180度となっていて、クランク軸の回転に伴い外歯歯車がピン歯に噛み合いながら前記位相差で公転して出力回転を得ている。このとき、外歯歯車に噛み合っているピン歯が外歯歯車からの力を受けて自転するようになっていて、これにより外歯歯車がピン歯に対して摺動せず、外歯歯車の回転抵抗が低減されるようになっている。また、各外歯歯車が180度の範囲でピン歯と噛み合うように設定されることにより、各ピン歯にかかる荷重の負担が軽減されるようになっている。
【0003】
一方、差動揺動型減速機には、例えば特許文献1に開示されているように、3つの偏心部が設けられるとともに、外歯歯車も3つ配設されたものが知られている。このものでは3つの偏心部は互いに120度ずつの位相差を有するように設けられている。
【特許文献1】特開昭64−15556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように外歯歯車を3つ設ける場合において、従来のように外歯歯車が180度の範囲でピン歯と噛み合う構成では、延べ540度の範囲でピン歯が噛み合うことになるので、2つの外歯歯車に同時に噛み合うピン歯が存在することとなる。このため、そのピン歯では、2つの外歯歯車から力を同時に受けることになり、しかもその力の向き及び大きさが互いに異なるために、少なくとも一方の外歯歯車がピン歯に対して摺動することとなる。この結果、外歯歯車がピン歯と噛み合う範囲が180度のままで3つの外歯歯車が設けられる構成にすると、2つの外歯歯車が設けられる構成のようにピン歯が自転して外歯歯車の回転抵抗を低減するという効果が得られず、差動揺動型減速機の回転損失が増大してしまうという問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、差動揺動型減速機に3つの外歯歯車を配設した場合に、回転損失が増大するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明は、駆動部に連動して回転するクランク軸と、前記クランク軸に設けられた第1偏心部と、前記クランク軸に設けられた第2偏心部と、前記クランク軸に設けられた第3偏心部と、前記第1偏心部に連動する第1外歯歯車と、前記第2偏心部に連動する第2外歯歯車と、前記第3偏心部に連動する第3外歯歯車と、前記第1外歯歯車、前記第2外歯歯車及び前記第3外歯歯車が噛み合うようにケース内周に配置される複数のピン歯と、前記第1外歯歯車、前記第2外歯歯車及び前記第3外歯歯車に連動して回転する出力軸部とを備え、前記各偏心部が前記クランク軸の回転方向に所定の位相差を有して配置されている差動揺動型減速機を前提とする。そして、前記各外歯歯車は、前記ピン歯のうち半分未満のピン歯が噛み合うように設定されている。
【0007】
本発明では、各外歯歯車においてピン歯と噛み合う範囲が180度よりも小さくなるので、2つの外歯歯車と同時に噛み合うピン歯が存在するとしても、その数を低減することができる。このため、外歯歯車が摺動するピン歯の数を低減できるので、回転抵抗が増大してしまうのを抑制することができる。この結果、外歯歯車がピン歯に噛み合いながら回転する場合の回転損失が増大するのを抑制することができる。
【0008】
ここで、前記各外歯歯車が噛み合う前記ピン歯の総数は前記ピン歯の数と等しくなるように設定されているのが好ましい。
【0009】
この態様では、各外歯歯車と噛み合うピン歯の数を加算した延べ数がケース内周に配置されたピン歯の数に等しくなるため、ピン歯が2つの外歯歯車と同時に噛み合うのを極力抑制することができる。
【0010】
また、前記ピン歯の数は3の整数倍であり、前記各偏心部は位相差が120度になるように配置される場合には、前記各外歯歯車は、それぞれ3分の1の前記ピン歯が噛み合うように設定されているのが好ましい。
【0011】
この態様では、各外歯歯車がクランク軸回りに均等に配置されることになるので、クランク軸に偏心荷重がかかるのを低減でき、これにより振動を低減することができる。しかも3分の1のピン歯がそれぞれ噛み合うので、各ピン歯にかかる荷重を軽減することができる。この結果、ピン歯を小径にすることができ、それにより装置全体の小型化を図ることができる。また、ピン歯を小径にできるので、ケース内に配設できるピン数を増やすことができ、その結果、設定可能な減速比の幅を増大させることができ、設計の自由度を向上することができる。
【0012】
前記少なくとも1つの外歯歯車は、歯末の丈が歯元の丈よりも短く形成されているのが好ましい。
【0013】
この態様では、歯末の丈を短くするだけで各外歯歯車が噛み合うピン歯数をケース内に配設されたピン歯数の半分よりも少なくできるので、その他の構成要素について設計を変更する必要がなくなる。このため、外歯歯車とピン歯とが噛み合う範囲を狭くする設計を行うのに要する労力を軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、差動揺動型減速機に3つの外歯歯車を配設した場合に、回転損失が増大するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による差動揺動型減速機10の全体構成を示した図であり、図2は、図1に示した差動揺動型減速機10のII−II線に沿った断面図である。
【0017】
本実施形態による差動揺動型減速機(以下、単に減速機という)10は、例えば風力発電設備のピッチ変換装置として活用されるものであり、この他にロボット用減速機、建設機械等の走行用または旋回用減速機等にも用いることが可能である。減速機10は、外側ケース12を備えている。この外側ケース12は、円筒状に形成された円筒部13と、カバー14とを締結することによって構成されている。円筒部13には、例えば発電装置の固定フレーム(図示せず)に取り付けるための鍔部13aが設けられ、この鍔部13aを通して固定フレームに締結できるようになっている。前記カバー14には、駆動部としての駆動モータ16が固定されている。
【0018】
減速機10は、入力軸21と、出力軸部の一例としてのキャリア22とを備えている。入力軸21には、駆動モータ16の駆動軸25が連結されており、駆動モータ16により入力軸21に回転駆動力が付与される。キャリア22は、入力軸21の軸心と同じ軸回りに回転可能に配置されるものである。減速機10は、図1に示すように、例えば入力軸21が上で、キャリア22が下になるように配置することができる。この場合には、キャリア22が垂直軸回りに回転することとなる。以下、この姿勢で配置されているものとして説明を続ける。
【0019】
入力軸21には、駆動モータ16の駆動軸25に対して所定の比率で減速するための減速機構26と、この減速機構26を通して駆動力が伝達される中間軸部27とが含まれる。駆動軸25は、駆動モータ16から下方に延び、カバー14の中央部を貫通している。この駆動軸25は、図示省略した軸受によってカバー14に対して回転自在となっている。
【0020】
前記減速機構26は、駆動軸25の下端部に設けられた太陽歯車26aと、前記カバー14の側壁内側に設けられた内歯歯車26bと、これら太陽歯車26aおよび内歯歯車26bに噛み合う遊星歯車26cとを備えている。遊星歯車26cは、駆動軸25の回転に伴い、太陽歯車26aの周りを公転する。
【0021】
前記中間軸部27は、駆動軸25と同軸状に配置される中間軸部本体27aと、この中間軸部本体27aから半径方向外側に延びる腕部27bとを備えている。中間軸部本体27aは、駆動軸25の真下に配置されるとともに後述する端板部36に回転可能に支持されている。腕部27bは、その先端部が遊星歯車26cの中央に設けられた貫通孔26dに挿通されている。そして、遊星歯車26cが公転すると、それに伴い腕部27bも公転し、これにより中間軸部本体27aは、駆動軸25の回転数に対して所定の比率で減速された回転数で回転する。この中間軸部本体27aの下部には、駆動外歯歯車29が設けられている。
【0022】
前記円筒部13の軸方向中間部における内周部には、周方向の全体に亘って複数のピン歯31が配設されている。これらピン歯31は、それぞれ軸方向に延びる姿勢で配置され、等間隔に配置されている。各ピン歯31は、内歯歯車の内歯を構成するものであり、円筒部13は、内周部に内歯が設けられた内歯歯車を構成している。
【0023】
前記キャリア22は、円筒部13の径方向の内側に配設されている。このキャリア22は、軸方向の2箇所に配設された軸受32,33によって回転自在に円筒部13に支持されている。キャリア22は、円筒部13の軸心に一致する軸回りに回転する。
【0024】
キャリア22は、基部35と、この基部35の上方に配置された端板部36と、端板部36側へ延びるように基部35に一体的に形成されたシャフト部37とを備えている。基部35は、その下端部が円筒部13から下方に突出するように構成されており、この基部35の下端部には、円筒部13の軸心と同軸状になるように伝達歯車39が外嵌されている。この伝達歯車39は、例えば風力発電設備の旋回軸に回転駆動力を付与する。
【0025】
シャフト部37は、基部35の上面から上方に向かって軸方向に延びる柱状に構成されている。また、シャフト部37は、図2に示すように周方向に間隔をおいて3つ設けられており、各シャフト部37は、断面略三角形状に形成されている。
【0026】
シャフト部37には、図1に示すように、有底のボルト穴37aが設けられ、端板部36には、このボルト穴37aに対応する位置にボルト挿通孔36bが設けられている。そして、このボルト挿通孔36bに挿通されたボルト52がシャフト部37のボルト穴37aに螺合されている。また、シャフト部37および端板部36には、それぞれピン孔37b又はピン孔36cが設けられていて、これらピン孔37b,36cに跨るようにピン53が挿入されている。これにより、前記基部35および端板部36は、互いに位置ずれしないように固定されている。そして、基部35および端板部36が一体となって円筒部13の軸心回りに回転するようになっている。
【0027】
円筒部13の内側において、基部35と端板部36との間に閉空間が形成されている。この閉空間には、第1外歯歯車44、第2外歯歯車45および第3外歯歯車46が下から上に順番に配設されている。第1〜第3外歯歯車44〜46は、何れも同じ形状のものであり、外径も同じとなっている。第1〜第3外歯歯車44〜46は、円筒部13の内径よりも少し小さく形成されていて、円筒部13のピン歯31に噛み合う外歯47(図2参照)を有する。第1〜第3外歯歯車44〜46の外歯47は、ピン歯31の歯数より若干、例えば1つだけ少なくなっている。
【0028】
そして、第1〜第3外歯歯車44〜46を貫通するようにクランク軸48が設けられている。このクランク軸48は、周方向に間隔をおいて3つ設けられている(図2参照)。各クランク軸48は、図1に示すように、上下一対のクランク軸受56,57によって回転自在に支持されている。上側のクランク軸受56は、端板部36に形成された貫通孔36aに嵌め込まれている。下側のクランク軸受57は、基部35の上面に形成された凹部35aに嵌め込まれている。換言すると、クランク軸48は、その上部において上側のクランク軸受56を介して端板部36によって支持されるとともに、下部において下側のクランク軸受57を介して基部35によって支持されている。
【0029】
上側のクランク軸受56よりも上方に突出した各クランク軸48の上端部には、従動外歯歯車59がそれぞれ設けられている。これら各従動外歯歯車59は、前記駆動外歯歯車29に噛み合っている。そして、クランク軸48は、駆動外歯歯車29と従動外歯歯車59との歯数比で減速されて、従動外歯歯車59と一体的に回転および公転するようになっている。
【0030】
各クランク軸48には、偏心部48a,48b,48cが3つ設けられている。これら偏心部48a,48b,48cは、軸方向に沿って配設されるものであり、図1の下から順番に第1偏心部48a、第2偏心部48bおよび第3偏心部48cとなっている。これら第1〜第3偏心部48a〜48cは、クランク軸48の軸心に対してそれぞれ同じ偏心量だけ偏心した円柱状に形成されている。そして、第1〜第3偏心部48a〜48cは、実質的に同じ外径を有するとともに、互いに角度120度の位相差を有するように設けられている。
【0031】
第1偏心部48a、第2偏心部48bおよび第3偏心部48cには、前述した第1外歯歯車44、第2外歯歯車45および第3外歯歯車46がそれぞれ外嵌されている。第1偏心部48a、第2偏心部48bおよび第3偏心部48cは、位相がずれている以外は同じ構成である。
【0032】
第1外歯歯車44には、図2に示すように、第1貫通孔49と第2貫通孔50とがそれぞれ設けられている。第1貫通孔49は、クランク軸48に対応して設けられるので、周方向に等間隔に3つ設けられている。各第1貫通孔49は、円形状に形成されており、これら各第1貫通孔49には、軸受51を介装した状態で第1偏心部48aがそれぞれ挿通されている。同様に、第2外歯歯車45の第1貫通孔49には、軸受を介装した状態で第2偏心部48bが挿通され、第3外歯歯車46の第1貫通孔49には、軸受を介装した状態で第3偏心部48cが挿通されている。
【0033】
第1外歯歯車44〜第3外歯歯車46の第2貫通孔50には、前記シャフト部37が挿通されている。第2貫通孔50は、シャフト部37との間に所定の隙間が形成されるようにシャフト部37の断面よりも大きな略三角形状に形成されている。第2貫通孔50は、シャフト部37に対応して設けられるので、周方向に等間隔に3つ設けられている。
【0034】
ここで、本実施形態に係る減速機10が従来の減速機と異なる点について説明する。従来の減速機では、図3〜5に示すように、第1〜第3の各外歯歯車71,72,73はそれぞれ180度の範囲でピン歯75と噛み合っている。例えばピン歯75は42本設けられており、21本が外歯歯車71,72,73の外歯と接触している。この状態で各外歯歯車71,72,73の位相が120度ずつずれている。例えば第1外歯歯車71が−120度(又は240度)〜60度の範囲に位置するピン歯75と噛み合っている状態のときには(図3)、第2外歯歯車72が0度〜180度の範囲に位置するピン歯75と噛み合い(図4)、第3外歯歯車73が120度〜300度の範囲に位置するピン歯75と噛み合っている(図5)。このため、図6に示すように0度〜60度の範囲のピン歯75には、第1外歯歯車71と第2外歯歯車72が噛み合った状態にあり、120度〜180度の範囲のピン歯75には、第2外歯歯車72と第3外歯歯車73が噛み合った状態にあり、240度〜300度の範囲のピン歯75には、第1外歯歯車71と第3外歯歯車73が噛み合った状態にある。したがって、これらのピン歯75では、それぞれ2つの外歯歯車71〜73が重複して噛み合った状態となっている。
【0035】
ピン歯75は、外歯歯車71〜73が噛み合ったときには外歯歯車71〜73から力を受けることになるため、ピン歯75は受ける力に応じて自転する。このとき、2つの外歯歯車71,72,73が重複して噛み合っている場合には、各外歯歯車71〜73から受ける力の向き、大きさがそれぞれ異なるため、少なくとも一方の外歯歯車71〜73がピン歯75に対して摺動することとなる。なお、これらの外歯歯車71〜73の外歯76は、図7に示すように、歯先76a及び歯底76bがそれぞれ湾曲状となっている。
【0036】
これに対し、本実施形態に係る減速機10では、各外歯歯車44〜46がどの位相位置にきても1つのピン歯31には、1つの外歯歯車44〜46しか噛み合わない構成となっている。具体的に説明すると、ピン歯31が42本設けられる一方、各外歯歯車44〜46の歯数はそれぞれ同じになっていて、各外歯歯車44〜46に対しそれぞれ14本のピン歯31が接触して噛み合うように設定されている。すなわち、図8に示すように各外歯歯車44〜46は、それぞれ120度の範囲でピン歯31と噛み合っていて、これら各外歯歯車44〜46が互いに120度の位相差を有していることから、1つのピン歯31に同時に2つ以上の外歯歯車44〜46が接触することはほとんどないようになっている。
【0037】
このように各外歯歯車44〜46に対してそれぞれ全数の3分の1のピン歯31が噛み合うようにすべく、各外歯歯車44〜46は、図9に示すように、歯末61の丈が歯元62の丈よりも短く形成されている。そして、歯先が平面状又は緩やかな曲面状に形成されている。
【0038】
歯末61の丈が歯元62の丈よりも短くなるようにするには、ピッチ円Pよりも外側の歯末61の歯先76aを削り取る後加工を施すことが可能である。歯先76aを削り取る加工であれば、加工が容易である。また後加工をする場合には現行の外歯歯車を利用することができる。なお、後加工するのではなく、予め図9のような形状の外歯47を成形するようにしてもよい。
【0039】
次に、本実施形態による減速機10の動作について説明する。
【0040】
駆動モータ16の駆動軸25が回転すると、減速機構26によって所定の減速比で減速されて駆動外歯歯車29が回転する。この駆動外歯歯車29の回転により、各従動外歯歯車59が回転する。この従動外歯歯車59の回転数は、駆動外歯歯車29の回転数に対して所定の減速比で減速されており、この従動外歯歯車59が回転することによりクランク軸48が一緒に回転する。これにより、第1〜第3偏心部48a〜48cが回転し、それによって、第1〜第3外歯歯車44〜46がピン歯31に噛み合いながら公転するとともに揺動する。このとき、各外歯歯車44〜46に対しそれぞれ3分の1のピン歯31が噛み合い、この状態を維持しながら各外歯歯車44〜46が公転する。このため、1つのピン歯31に同時に2つ以上の外歯歯車44〜46が接触することはない。
【0041】
例えば図10に示すように、第1外歯歯車44が歯底でピン歯31と接触する0度の位置にあるときには、第2外歯歯車45は120度の位置にあり、このとき第2外歯歯車45の外歯47(歯末61)がピン歯31からちょうど離間した状態となる。そして、任意の位相角度で各外歯歯車44〜46が噛み合っているピン歯31の総数が、配設されたピン歯31の数(42本)と等しくなっている。このため、1つのピン歯31に同時に2つ以上の外歯歯車44〜46が接触することはない。
【0042】
第1〜第3外歯歯車44〜46の公転は、クランク軸48の公転に対して大幅に減速されている。そして、第1〜第3外歯歯車44〜46の公転に伴い、シャフト部37が公転し、キャリア22全体が回転する。これにより、伝達歯車39が、駆動モータ16の回転数に対して大幅に減速された回転数で回転する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態では、各外歯歯車44〜46に対してピン歯31が噛み合う範囲が120度に設定され、各外歯歯車44〜46に対して噛み合う前記ピン歯31の総数が前記ピン歯31の数と等しくなるように設定されているので、ピン歯31に対して外歯歯車44〜46が摺動するのを極力抑えることができる。このため、回転抵抗が増大してしまうのを抑制することができる。この結果、外歯歯車44〜46がピン歯31に噛み合いながら回転する場合の回転損失が増大するのを抑制することができる。しかも、1つのピン歯31に同時に2つ以上の外歯歯車44〜46が接触することがないので、各ピン歯31にかかる荷重を軽減することができる。この結果、ピン歯31を小径にすることができ、それにより装置全体の小型化を図ることができる。また、ピン歯31を小径にできるので、ピン歯31の数を増やすことができ、その結果、設定可能な減速比の幅を増大させることができ、設計の自由度を向上することができる。
【0044】
さらに本実施形態では、各外歯歯車44〜46が120度の位相差を有し、かつ各外歯歯車44〜46に対してそれぞれ3分の1の前記ピン歯31が噛み合うように設定されているので、各外歯歯車44〜46がクランク軸回りに均等に配置されることになり、クランク軸48に偏心荷重がかかるのを低減でき、これにより振動を低減することができる。
【0045】
また本実施形態では、外歯歯車44〜46が、歯末61の歯先が削られているので、外歯歯車44〜46の加工が容易となる。すなわち、180度の範囲でピン歯に接する外歯の歯先を削るだけでよい。さらに、加工途中まで、上記180度の外歯と共有化できる。
【0046】
また、ピン歯31が噛み合う外歯歯車44〜46の歯先部分では、半径(ラジアル)方向の成分の荷重が大きくなり、回転(トルク)方向の成分の荷重は小さくなるが、本実施例では、外歯歯車44〜46の歯先を削って、ピン歯と噛み合う範囲を120度としたことで、回転(トルク)方向の成分の荷重の大きい歯底でピン歯と噛み合わせたから、効率を良くすることができる。また、噛み合い範囲を120度とすることで、ピン歯31の荷重が分散でき、ピン歯31の円筒部13の面圧も低減できる。
【0047】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、各外歯歯車44〜46に対してそれぞれ3分の1のピン歯31が噛み合う構成に代え、各外歯歯車44〜46が噛み合うピン歯31の数が異なる設定にしてもいい。例えば各外歯歯車44〜46がそれぞれ115度、115度、130度の範囲でピン歯31に噛み合う構成とすることができる。このようにピン歯31が噛み合う範囲が異なる場合においても、噛み合う範囲がちょうど360度になる設定であれば、各ピン歯31にかかる荷重を軽減することができるので、そうするのが好ましい。ただし、各外歯歯車44〜46がピン歯31と噛み合う範囲がそれぞれ180度未満であれば、噛み合う範囲が全体として360度を超えることがあっても、2つの外歯歯車44〜46と同時に噛み合うピン歯31の数が低減されて従来よりも回転抵抗を低減することができるため、全体として360度に設定されていなくてもよい。
【0048】
また、ピン歯31が噛み合う範囲が異なる場合において、各外歯歯車44〜46は、ピン歯31が噛み合う範囲が90度以上に設定されているのが好ましい。なお、1つの外歯歯車44〜46に対し、2本以上のピン歯31が噛み合えば減速機10として作動する。
【0049】
また本実施形態では、歯先を削り取る例について説明したが、これに限られるものではない。例えば歯元62を削り取ってもよく、あるいは歯末61と歯元62の双方を切除するようにしてもよい。歯末61及び歯元62の双方を切除する場合には、ピン歯31が外歯歯車44〜46の歯先と接触しないようになるとともに歯底でも接触しないようになる。この歯先及び歯底では、周方向の力が作用し難いので、歯先及び歯底の双方を切除する場合には外歯歯車44〜46の回転効率が低下するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る減速機の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】従来の減速機における第1外歯歯車が−120度(又は240度)〜60度の範囲のピン歯と噛み合った状態を示す説明図である。
【図4】従来の減速機における第2外歯歯車が0度〜180度の範囲のピン歯と噛み合った状態を示す説明図である。
【図5】従来の減速機における第3外歯歯車が120度〜300度の範囲のピン歯と噛み合った状態を示す説明図である。
【図6】従来の減速機において複数の外歯歯車が重複して噛み合う範囲を説明するための説明図である。
【図7】従来の減速機における外歯歯車の歯の形状を部分的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る減速機において1つの外歯歯車がピン歯と噛み合う範囲を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る減速機における外歯歯車の歯の形状を部分的に示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る減速機において、あるピン歯と噛み合う第1外歯歯車及び第2外歯歯車の位置を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0051】
16 駆動モータ
22 キャリア
31 ピン歯
44 第1外歯歯車
45 第2外歯歯車
46 第3外歯歯車
47 外歯
48 クランク軸
48a 第1偏心部
48b 第2偏心部
48c 第3偏心部
61 歯末
62 歯元




 

 


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