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発明の名称 クラッチブースタシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−100816(P2007−100816A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−290829(P2005−290829)
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
代理人 【識別番号】100088029
【弁理士】
【氏名又は名称】保科 敏夫
発明者 高橋 孝治
要約 課題
ペダルフィーリングを悪化させることなく、振動の抑制効果を高める。

解決手段
第1に、コントロールライン80における絞り通路82の絞り機能をいわゆる壁感を生じない範囲に抑える。そして、それによって残される問題(たとえば、リレーピストン85にハンチングが生じるおそれ)を、コントロールピストン83とリレーピストン85との間に緩衝材90を配置することによって解決する。緩衝材90は、たとえばゴム板であり、そのばね定数がリレーピストン85のばね856よりも大きい。
特許請求の範囲
【請求項1】
クラッチペダルの操作により液圧を発生するマスタシリンダと、
一端に液圧室を区画し、その液圧室に前記マスタシリンダからの液圧を導入し、クラッチを操作するクラッチ操作力を生じる液圧ピストンと、
その液圧ピストンと直列に配置され、液圧ピストンによるクラッチ操作力を助勢するエアピストンと、
そのエアピストンが区画する圧力室に圧縮空気を供給する圧縮空気源と、
その圧縮空気源と前記圧力室とを連絡する通路途中に位置し、それら圧縮空気源と圧力室との間を連通・遮断する供給弁と、
その供給弁に隣り合い、前記クラッチペダルを操作しないときには、ばねにより供給弁から離れ、クラッチペダルの操作に応じて、前記ばねを変形させて一端が前記供給弁に当たり、供給弁を連通状態にするリレーピストンと、
そのリレーピストンに隣り合い、一端がリレーピストンに当たり他端が前記液圧室の液圧を絞り通路を通して受圧するコントロールピストンとを備え、さらに
次の各特徴があるクラッチブースタシステム。
(A)前記絞り通路は、クラッチペダルを操作する者が所定以上の抵抗を感じないような絞り機能をもつ。
(B)前記互いに隣り合うコントロールピストンとリレーピストンとは、弾性変形をする緩衝材を挟んで互いに接触しており、その緩衝材は、前記リレーピストンのばねよりも大きなばね定数をもつばね手段から構成される。
【請求項2】
前記所定以上の抵抗を感じないような絞り機能は、前記クラッチペダルを操作する者が前記液圧ピストンによるクラッチ操作力に対し、前記エアピストンの助勢作用の時間的な遅れを感じないような範囲である、請求項1のクラッチブースタシステム。
【請求項3】
前記緩衝材は、前記コントロールピストンあるいは前記リレーピストンのいずれかに保持される、請求項1のクラッチブースタシステム。
【請求項4】
前記ばね手段は、ゴムあるいは金属スプリング、またはそれらの組み合わせによって構成される、請求項1のクラッチブースタシステム。
【請求項5】
前記リレーピストンは、前記圧力室の圧縮空気を排気するための排気弁の弁体を兼ねる、請求項1のクラッチブースタシステム。
【請求項6】
前記コントロールピストンあるいは前記リレーピストンの少なくとも一方が樹脂製である、請求項1のクラッチブースタシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、クラッチ操作力を生じる液圧ピストンと、その液圧ピストンの作動を助勢するエアピストンとを含むクラッチブースタを主体としたクラッチブースタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
中大型のバスやトラックなどでは、液圧によるクラッチ操作力をエアタンク(圧縮空気源)の圧縮空気を利用して助勢する方法が採られる。そこで、その種のクラッチブースタシステムは、操作対象のクラッチのほか、クラッチペダルの操作により液圧を発生するマスタシリンダ、ならびに、マスタシリンダの液圧で作動する液圧ピストン、および圧縮空気の供給を受けて作動するエアピストンを備える。液圧ピストンとエアピストンとは、有効な助勢を行うため、ブースタのハウジング内に直列に配置されている。
【0003】
ここで、マスタシリンダが生じる液圧は、液圧ピストンを作動するだけでなく、別のピストン手段を通してエアピストンに対する圧縮空気の供給・排出を制御するためにも用いられる。そのため、別のピストン手段は、マスタシリンダが生じる液圧と、エアピストンに供給する圧縮空気とを通して、液圧および空圧の各変動を受ける。それらの変動には、マスタシリンダおよび圧縮空気源の元々の変動もあるし、クラッチの作動に伴って生じる変動もある。
【0004】
別のピストン手段に目を向けるとき、今までのブースタを第1および第2の二つのタイプに分類することができる。第1のタイプは、別のピストン手段をワンピース構造にしたもの(特許文献1)であり、第2のタイプは、別のピストン手段を二つに分割しツーピース構造にしたもの(特許文献2)である。後者の第2のタイプは、液圧と空圧とを分離したピストンで別個に受圧することができ、両者の変動を分離することができるほか、組立てなどの面でも有利である。
【特許文献1】特開平9−250563号公報
【特許文献2】実開昭58−79462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、第2のタイプのピストン手段をもつブースタに着目し、いろいろと検討をしたところ、次のようなことが判明した。マスタシリンダが生じる液圧は、液圧ピストンが区画する液圧室を通して分割した一方のピストン(コントロールピストン)に加わる。このコントロールピストンの入力室に通じるコントロールラインには、通例、絞り通路が設けられる。この絞り通路の絞り機能を弱めれば(絞りの径を大きくすれば)、作動の応答性は良くなるが、ピストン手段(特には、分割した他方のリレーピストン)のハンチングやクラッチからの振動の抑制効果が小さくなる。しかし一方、絞り通路の絞り機能を強めれば(絞りの径を小さくすれば)、振動の抑制効果を高めることはできるが、クラッチペダルに大きな抵抗感(いわゆる壁感)を生じ、ペダルフィーリングを悪化してしまう。
【0006】
そこで、この発明は、ペダルフィーリングを悪化させることなく、振動の抑制効果を高めるようにした技術を提供することを目的とする。この発明のその他の目的については、今後の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明では、第1に、コントロールラインにおける絞り通路の絞り機能をペダルフィーリングを悪化させない範囲に抑える。そのため、絞り通路に、クラッチペダルを操作する者が所定以上の抵抗(いわゆる壁感)を感じないような絞り機能をもたせる。いわゆる壁感は、クラッチペダルを踏み込むとき、液圧ピストンの作動に対し、エアピストンの助勢作用の時間的な遅れをペダル操作者が感じ、壁を押すような抵抗を感じるペダルフィーリングである。壁感を感じないような絞り機能にするとき、液圧や空圧の各変動による問題を必ずしも十分には解決することができず、リレーピストンにハンチングが生じるおそれが残る。
【0008】
そのような残される技術的課題を解決するため、この発明では、互いに隣り合うコントロールピストンとリレーピストンとの間に特定の緩衝材を挟み込むように配置する。この緩衝材は、弾性変形するばね手段であり、そのばね定数がリレーピストンのばねよりも大きい。それによって、リレーピストンがばねを変形させ、供給弁を開いた状態において、緩衝材は、空圧などの変動を抑えるように緩衝する。
【0009】
緩衝材は、互いに隣り合うコントロールピストンおよびリレーピストンの両者に対し力(弾性変形に伴う力)を加えることができるように配置すべきである。そのためには、緩衝材を両ピストンの互いに向かい合う端面の間に配置すべきである。両ピストンの互いに向かい合う少なくとも一方の端面に凹部を設け、その凹部に緩衝材を挿入し保持するようにするのが良い。
【0010】
要するに、この発明では、コントロールラインにおける絞り通路を前提とするが、その絞り通路による絞り機能を少し弱めにし、その弱めたことの対策として、コントロールピストンとリレーピストンとの間(つまり、液圧を受圧するコントロールピストンと空圧を受圧するリレーピストンとの間)に緩衝材を設け、液圧の脈動およびピストン(特には、リレーピストン)のハンチングを有効に防止する。
【0011】
新たに設ける緩衝材としては、ゴムあるいは金属スプリング、またはそれらの組み合わせによって構成するばね手段を利用することができる。
【実施例】
【0012】
図1は、この発明の実施例であるクラッチブースタシステムの中のブースタ10の断面構造を示す図である。
【0013】
ブースタ10のハウジングは、二分割構造である。二分割した一方は、マスタシリンダ20に対する配管接続口210を含む第1ハウジング部材11、もう一つは、圧縮空気源であるエアタンク30に対する配管接続口320を含む第2ハウジング部材12である。第1ハウジング部材11には、真ん中寄りに第1シリンダ部110、また、上部周辺寄りに止まり孔112がある。それに対し、第2ハウジング部材12は、全体としてカップ型であり、一方に開いた凹部122があるほか、上部には第2シリンダ部120がある。
【0014】
そのような第1および第2のハウジング部材11,12は、第1シリンダ部110の軸線と凹部122の中心、また、止まり孔112の中心と第2シリンダ部120の軸線とをそれぞれ合わせた形態で連結される。その結果、第1および第2のハウジング部材11,12は、一方の側から他方の側にわたって伸びる二つのシリンダ孔空間を形作る。すなわち、その一つは、凹部122から第1シリンダ部110のシリンダ孔1100にわたるシリンダ孔空間であり、もう一つは、第2シリンダ部120のシリンダ孔1200から止まり孔112にわたるシリンダ孔空間である。なお、第2シリンダ部120の開口部には、配管継手32がねじ結合し、その内周が配管接続口320となっている。
【0015】
ハウジングの凹部122の中には、たとえば70mm径の大径なエアピストン40がある。エアピストン40は、外周にカップシール42を保持し、凹部122の内部空間を圧力室44と無圧室46とに区画する。圧力室44は、第2ハウジング部材12に設けた斜め通路124、第2シリンダ部120の内部の供給弁50を通して配管接続口320に連絡している。そこで、圧力室44には、供給弁50の作用により、エアタンク30から圧縮空気を供給することができる。供給弁50は、第2シリンダ部120のシリンダ孔1200の内壁(内壁に設けた段部)を弁座とするポペット型の弁である。この供給弁50は、クラッチペダルを操作しない段階では、自らのばね52の力およびエアタンク30からの空気圧を受けて、閉状態を保っている。しかし、後で述べるように、クラッチペダルの操作に応じて、供給弁50は開状態となり、圧力室44の中にエアタンク30からの圧縮空気を供給し、倍力作用を生じる。
【0016】
エアピストン40は、無圧室46側にリターンスプリング48およびプッシュロッド43を携えている。プッシュロッド43は、エアピストン40の中心部にカシメによって一体に固定されている。エアピストン40の中心から伸びるプッシュロッド43の他端は、軸線を一にする第1シリンダ部110のシリンダ孔1100の中に入り込んでいる。なお、第2ハウジング部材12の底部に逆止弁47があるが、この逆止弁47は、無圧室46を大気に開放するための弁であり、また、圧力室44の圧縮空気を排気する排気口としても機能する。
【0017】
プッシュロッド43が入り込む第1シリンダ部110のシリンダ孔1100の中を見ると、開口部にはガイド手段60があり、その奥に液圧ピストン70がある。ガイド手段60は、液圧ピストン70側に臨むカップシール62と、内外周にシールリング64i,64oを保持し、カップシール62をバックアップするガイド部材64と、ガイド部材64の抜けを防止するストッパ66とを備える。このようなガイド手段60は、中心を貫くガイド孔600にプッシュロッド43を挿入し、エアピストン40の軸線方向の動きをガイドする。プッシュロッド43はガイド手段60のガイド孔600を貫通し、先端部が液圧ピストン70の一端に当たっている。
【0018】
液圧ピストン70は、外周にカップ型のシールリング72を保持し、ガイド手段60のカップシール62と相協力して、シリンダ孔1100の内部に液圧室700を区画する。液圧室700には、クラッチペダルの操作により、配管接続口210を通してマスタシリンダ20の液圧を供給することができる。液圧室700に液圧を供給すると、液圧ピストン70は、ガイド手段60から離れるように動き、隣り合う出力軸74を通してクラッチ作動アームを揺動させる。なお、出力軸74は、クラッチ作動アーム側から戻り力を与えられているので、出力軸74は液圧ピストン70に常に当たっている。
【0019】
液圧ピストン70によるクラッチ操作力をエアピストン40によって有効に助勢するためには、液圧ピストン70の動きに関連してエアピストン40を作動することが必要である。そのため、ブースタ10は、液圧室700に連絡するコントロールライン80を備え、そのコントロールライン80の液圧を利用して圧力室44に対する圧縮空気の供給および排気を制御するようにしている。
【0020】
コントロールライン80は、液圧室700から絞り通路82を通して止まり孔112の内部に連絡する。すでに述べたように、この発明では、この絞り通路82による絞り機能を、クラッチペダルの操作フィーリングを悪化させないような範囲に設定する。マスタシリンダ20からの液圧の脈動などを防止する点からすれば、絞り通路82の絞りの径を0.7〜0.8mmのような小さな径にする方が好ましいところ、ここでは、それよりも大きな径の0.9mmに設定した。それに応じて、この発明では、第2シリンダ部120のシリンダ孔1200から止まり孔112にわたるシリンダ孔空間の中の構成に新たな工夫を施す。
【0021】
止まり孔112の部分には、金属製のコントロールピストン83がはまり合い、そのコントロールピストン83と供給弁50との間に樹脂成型品のリレーピストン85がある。コントロールピストン83の外周にはシールリング832があり、それによって、コントロールピストン83は、止まり孔112の底部に入力室810を区画する。したがって、絞り通路82は、入力室810への急激な作動液の流れを防止することになる。一方、樹脂製のリレーピストン85は、供給弁50に臨む端部から無圧室46の出入口464に臨む側まで連通する内部通路854をもつ。このリレーピストン85は、供給弁50から遠ざけようとする力を与えるばね856を携えている。そのため、リレーピストン85は、クラッチペダルを操作しない段階では、ばね856の作用により、供給弁50に臨む側を供給弁50から離している。したがって、クラッチペダルを操作しないとき、圧力室44は、斜め通路124、リレーピストン85の内部通路854、出入口464を通して無圧室46に開放されている。したがって、リレーピストン85は、圧力室44の圧縮空気を排気するための排気弁の弁体としても機能する。しかし、リレーピストン85は、外周にカップシール852を保持しているので、その端部が供給弁50を押して供給弁50を開状態にすれば、圧力室44と無圧室46との間を閉じる。
【0022】
したがって、供給弁50は、リレーピストン85の作動に伴って開閉し、それに応じて、圧力室44にエアタンク30から圧縮空気を供給し、あるいは圧力室44から圧縮空気を排出する。そして、リレーピストン85を作動するものが、コントロールピストン83である。図示した例では、リレーピストン85に臨むコントロールピストン83の端部に凹所を形作り、その中にゴム板からなる緩衝材90を保持させている。緩衝材90は、凹所からわずかに突き出ているため、コントロールピストン83とリレーピストン85とは、その緩衝材90を通して相互に力を伝達する。ここで、緩衝材90のばね定数をリレーピストン85のばね856のばね定数よりも大きく設定している。それにより、緩衝材90は、ばね856をたわめて供給弁50を有効に開状態にすることができ、しかもまた、供給弁50を開いた状態(すなわち、クラッチの操作時点)において、緩衝材50がもつばね特性あるいは弾性変形によって、液圧の脈動およびリレーピストン85のハンチングを防止する。これにより、ブースタ10を主体としたブースタシステムは、ペダルフィーリングを損なうことなく、液圧の脈動およびリレーピストン85のハンチングを有効に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明のクラッチブースタシステムで用いるブースタの一例を示す断面構造図である。
【符号の説明】
【0024】
10 ブースタ
20 マスタシリンダ
30 エアタンク(圧縮空気源)
40 エアピストン
44 圧力室
46 無圧室
50 供給弁
60 ガイド手段
70 液圧ピストン
700 液圧室
80 コントロールライン
82 絞り通路
83 コントロールピストン
85 リレーピストン
90 緩衝材





 

 


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