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発明の名称 油圧緩衝器のばね荷重調整装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−218409(P2007−218409A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−42975(P2006−42975)
出願日 平成18年2月20日(2006.2.20)
代理人 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
発明者 田村 繁貴
要約 課題
油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、ばね荷重を調整するための回転力をばね支持体からカム筒に確実に伝えることができ、ばね支持体の強度も確保すること。

解決手段
シリンダ11の外周に回転可能に嵌装されるばね支持体70をカム筒60の他端面の上に載せ、ばね支持体70に形成した複数の突起71をカム筒60の他端面に切欠いた複数の矩形孔状の凹溝62に係合し、ばね支持体70に設けた回転操作部80に加える回転力によりカム筒60を回転操作可能にする油圧緩衝器10のばね荷重調整装置50において、ばね支持体70が円板70Aの内周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片71Aを直角に折曲した内周突起71を備え、この内周突起71を前記突起71とするもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
シリンダにピストンロッドを摺動自在に挿入し、
シリンダの外周にストッパを設け、
シリンダの外周に回転可能に嵌装されるカム筒の一端面にカム段を形成し、このカム段を上記ストッパに係合し、
シリンダの外周に回転可能に嵌装されるばね支持体をカム筒の他端面の上に載せ、ばね支持体に形成した複数の突起をカム筒の他端面に切欠いた複数の矩形孔状の凹溝に係合し、ばね支持体に設けた回転操作部に加える回転力によりカム筒を回転操作可能にする油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、
ばね支持体が円板の内周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を直角に折曲した内周突起を備え、この内周突起を前記突起とすることを特徴とする油圧緩衝器のばね荷重調整装置。
【請求項2】
前記ばね支持体が、円板の周方向において相隣る内周突起に挟まれる板面部をカム筒の他端面の上に載せて支持され、この板面部と内周突起の内周面をシリンダの外周面に摺接させて回転可能にする請求項1に記載の油圧緩衝器のばね荷重調整装置。
【請求項3】
前記ばね支持体が円板の外周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を、前記内周突起と同一方向に直角に折曲した外周突起を備え、円板の周方向において相隣る外周突起に挟まれる矩形状の凹溝を前記回転操作部にする請求項1又は2に記載の油圧緩衝器のばね荷重調整装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧緩衝器のばね荷重調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧緩衝器のばね荷重調整装置として、特許文献1に記載の如く、シリンダにピストンロッドを摺動自在に挿入し、シリンダの外周にストッパを設け、シリンダの外周に回転可能に嵌装されるカム筒の一端面にカム段を形成し、このカム段を上記ストッパに係合し、シリンダの外周に回転可能に嵌装されるばね支持体(ばね受保持板)をカム筒の他端面の上に載せ、ばね支持体に形成した複数の凹型屈曲部の外側凸部をカム筒の他端面に切欠いた複数の矩形孔状の凹溝に係合したものがある。ばね支持体に懸架スプリングを支持する状態で、ばね支持体に設けた回転操作部に加える回転力を凹型屈曲部の外側凸部と、カム筒の凹溝との噛合を介してカム筒に伝え、カム筒をシリンダに対して回転させることにより、カム筒が備えるカム段のいずれかの係合部をシリンダのストッパに選択的に係合させ、選択された係合部の高さに応じたばね荷重を得る。
【特許文献1】実公昭54-19510
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のばね荷重調整装置には以下の問題点がある。
(1)ばね支持体が円板の板面を凹状にプレス成形して凹型屈曲部を形成するものであり、カム筒の凹溝に係合する凹型屈曲部の外側凸部の側面が丸味状を帯び易い。このため、凹型屈曲部の外側凸部とカム筒の矩形孔状の凹溝との噛合面が小さくなり、ばね支持体に設けた回転操作部の側からカム筒への回転力の伝達効率が低い。特に、ばね支持体が大荷重の懸架スプリングを支持する場合には、カム筒を確実に回転できず、ばね荷重の調整が困難になる。
【0004】
(2)ばね支持体が円板の板面を凹状にプレス成形して凹型屈曲部を形成するものであり、円板の板面に垂直に作用するばね荷重に対する曲げ強度が弱く、特に、ばね支持体が大荷重の懸架スプリングを支持する場合には、曲げ変形するおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、ばね荷重を調整するための回転力をばね支持体からカム筒に確実に伝えることができ、ばね支持体の強度も確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、シリンダにピストンロッドを摺動自在に挿入し、シリンダの外周にストッパを設け、シリンダの外周に回転可能に嵌装されるカム筒の一端面にカム段を形成し、このカム段を上記ストッパに係合し、シリンダの外周に回転可能に嵌装されるばね支持体をカム筒の他端面の上に載せ、ばね支持体に形成した複数の突起をカム筒の他端面に切欠いた複数の矩形孔状の凹溝に係合し、ばね支持体に設けた回転操作部に加える回転力によりカム筒を回転操作可能にする油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、ばね支持体が円板の内周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を直角に折曲した内周突起を備え、この内周突起を前記突起とするようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ばね支持体が、円板の周方向において相隣る内周突起に挟まれる板面部をカム筒の他端面の上に載せて支持され、この板面部と内周突起の内周面をシリンダの外周面に摺接させて回転可能にするようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ばね支持体が円板の外周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を、前記内周突起と同一方向に直角に折曲した外周突起を備え、円板の周方向において相隣る外周突起に挟まれる矩形状の凹溝を前記回転操作部にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1)
(a)ばね支持体が、円板の内周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を直角に折曲した内周突起を備え、この内周突起をカム筒の凹溝に係合させた。従って、カム筒の凹溝に係合するばね支持体の内周突起の側面を、ばね支持体に加える回転力の方向に対して直角に立上げできる。このため、ばね支持体の矩形舌片状の内周突起とカム筒の矩形孔状の凹溝との噛合面を大きくとり、ばね支持体に設けた回転操作部の側からカム筒への回転力の伝達効率が高くなる。特に、ばね支持体が大荷重の懸架スプリングを支持する場合にも、カム筒を確実に回転でき、ばね荷重を容易に調整できる。
【0010】
(b)ばね支持体が、円板の内周に形成した切欠片を直角に折曲した内周突起を備え、この内周突起が円板の板面に垂直に作用するばね荷重に対する曲げ強度を補強する。特に、ばね支持体が大荷重の懸架スプリングを支持する場合にも、ばね支持体の曲げ強度を同一板厚でも高くでき、曲げ変形防止できる。
【0011】
(請求項2)
(c)ばね支持体が、円板の周方向において相隣る内周突起に挟まれる板面部をカム筒の他端面の上に載せて支持され、この板面部と内周突起の内周面をシリンダの外周面に摺接させて回転可能にする。従って、ばね支持体に作用するばね荷重を安定的にカム筒に伝えることができるし、ばね支持体をシリンダに対して安定的に回転操作できる。
【0012】
(請求項3)
(d)ばね支持体が円板の外周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片を、前記内周突起と同一方向に直角に折曲した外周突起を備え、円板の周方向において相隣る外周突起に挟まれる矩形状の凹溝を前記回転操作部にする。従って、ばね支持体の相隣る外周突起に破挟まれる凹溝に工具を挿入する等により、回転操作部を容易に形成できるし、円板の板面に対して内外の内周突起と外周突起を同一方向に折曲したから、ばね支持体の前述(c)の曲げ強度を一層補強できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は油圧緩衝器を示す断面図、図2はばね荷重調整装置を示す断面図、図3はカム筒を示し、(A)は平面図、(B)は筒状成形前の展開図、図4はばね支持体を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【実施例】
【0014】
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、シリンダ11にピストンロッド12を摺動自在に挿入し、シリンダ11とピストンロッド12の外側に懸架スプリング13を設けている。
【0015】
シリンダ11は車体側取付部材14を備え、ピストンロッド12に車輪側取付部材15をロックナット15Aにより固定している。シリンダ11の外周にはばね荷重調整装置50に支持されるばねシート16が設けられる。ピストンロッド12の外周には車輪側取付部材15に支持されるばね受17が設けられ、ばね受17にはダストカバー18の基端フランジを介してばねシート19が設けられる。ばねシート16とばねシート19の間に懸架スプリング13を介装してある。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。尚、ダストカバー18はばね受17の側からシリンダ11の外周に延び、ダストカバー18の先端ダストシール18Aをシリンダ11の外周面に摺接させている。
【0016】
シリンダ11はピストンロッド12が貫通するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、Oリング22を介してシリンダ11の内周に液密に嵌装されるとともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイド21の外側に圧側バンパ26を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧側バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制可能としている。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の内側にワッシャ28A、伸側バンプラバー28を備えている。
【0017】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(圧側及び伸側減衰力発生装置)30を有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
【0018】
ピストンバルブ装置30は、シリンダ11に挿入されたピストンロッド12の端部にバルブストッパ31、圧側バルブ32、ピストン33、伸側バルブ34、バルブストッパ35を装着し、これらをナット36で固定してある。
【0019】
ピストン33は、外周部に備えたOリング、ピストンリングを介してシリンダ11の内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容されないピストン側油室38Aと、ピストンロッド12が収容されるロッド側油室38Bとに区画する。ピストン33は、圧側バルブ32を備えてピストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能とする圧側流路(不図示)と、伸側バルブ34を備えてピストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能とする伸側流路34Aとを備える。
【0020】
また、油圧緩衝器10は、シリンダ11のピストン側油室38Aに対し体積補償室40を区画するセパレータ41を備える。セパレータ41は、シリンダ11の内径に加締固定され、可動隔壁部材42を備える。体積補償室40は、油溜室40Aと、この油溜室40Aと可動隔壁部材42により区画される気体室40Bとからなり、ピストン側油室38Aと油溜室40Aとを連通するオリフィス孔43がセパレータ41の中心軸上に穿設されている。可動隔壁部材42はセパレータ41の端面に設けられている取付部41Aに係着されたダイヤフラムからなる(但し、隔壁部材42はフリーピストンでも可)。
【0021】
これにより、油圧緩衝器10にあっては、圧縮時には、セパレータ41に設けたオリフィス孔43がピストンロッド12の進入体積分の油の流れに対してピストン33の圧側バルブ32で発生する抵抗力よりも大きな抵抗力を発生させ、ピストン側油室38Aの油をピストン33の圧側流路からロッド側油室38Bに流し、必ずピストン33の圧側バルブ32で圧側減衰力を発生させるようにし、他方、伸長時には、ピストンロッド12の退出体積分の油を体積補償室40の油溜室40Aからセパレータ41に設けたオリフィス孔43を通して速やかにピストン側油室38Aに戻し、ピストン側油室38Aに負圧を発生させないように、該オリフィス孔43の開口面積を設定するものである。
【0022】
従って、油圧緩衝器10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
ピストン側油室38Aの油が圧側流路を通ってロッド側油室38Bに流れ、この油が圧側バルブ32を撓み変形させて圧側の減衰力を得る。これに続き、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が余剰になり、この余剰油がピストン側油室38Aからセパレータ41のオリフィス孔43を通って体積補償室40の油溜室40Aに排出されるものとなる。
【0023】
(伸長時)
ロッド側油室38Bの油が伸側流路34Aを通り、伸側バルブ34を撓み変形させてピストン側油室38Aへ流れ、伸側の減衰力を得る。そしてこのとき、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出体積分の油が不足し、この不足油が体積補償室40の油溜室40Aからセパレータ41のオリフィス孔43を通ってピストン側油室38Aへ速やかに補給される。
【0024】
これらの圧側と伸側の減衰力により、油圧緩衝器10の伸縮振動が抑制される。
【0025】
尚、油圧緩衝器10の最圧縮時には、シリンダ11の側のバンパ26とピストンロッド12の側のバンパストッパ27との衝合により最圧縮時の緩衝作用を果たす。また、油圧緩衝器10の最伸長時には、シリンダ11の側のバンパラバー28とピストンロッド12の側のバルブストッパ31との衝合により、伸び切り時の緩衝作用を果たす。
【0026】
以下、ばね荷重調整装置50について説明する。
ばね荷重調整装置50は、図2に示す如く、シリンダ11の外周の周方向で180度離隔する2位置のそれぞれに、ストッパ51をスポット溶接等して固定する。そして、シリンダ11の外周に回転可能に嵌装されるカム筒60の一端面の周方向2領域に各1組のカム段61を形成し、各カム段61が備える複数の係合部61A・・・61Nを各ストッパ51の先端部に選択的に係合可能にする。更に、シリンダ11の外周に回転可能に嵌装される環状ばね支持体70をカム筒60の他端面の上に載せ、ばね支持体70に形成した複数の内周突起71をカム筒60の他端面に切欠いた複数の矩形孔状の凹溝62に係合し、カム筒60とばね支持体70をそれらの回転方向において一体化する。これにより、ばね支持体70に設けた回転操作部80に加える回転力により、カム筒60を回転操作可能にする。
【0027】
カム筒60は、図3に示す如く、板材60Aの一端面にカム段61を構成する複数の係合部61A・・・61Nをプレス加工等により順に形成した後、この板材を円筒状に成形し、板材の両端突合せ部を溶接することによって製作される。係合部61Aは高さを最低にする最低位係合部であり、ストッパ51に対する係合相手として最低位係合部61Aが選択されたとき、懸架スプリング13は最大取付長さになってばね荷重は最小になる。係合部61Nは高さを最高にする最高位係合部であり、ストッパ51に対する係合相手として最高位係合部61Nが選択されたとき、懸架スプリング13は最小取付長さになってばね荷重は最大になる。このとき、カム筒60は、前述した如く、板材60Aの他端面に複数(本実施例では4個)の矩形孔状の凹溝62を形成してある。
【0028】
ばね支持体70は、図4に示す如く、円板70Aの内周の複数位置(本実施例では4位置)に形成した矩形舌片状の切欠片71Aを、円板70Aの板面に対して直角に折曲した内周突起71を備え、これらの内周突起71を前述の如くにカム筒60の各凹溝62に係合する。内周突起71の舌片巾は凹溝62の溝巾と同一とされ、内周突起71は凹溝62に概ね隙間なく嵌合して係合する。
【0029】
ばね支持体70は、円板70Aの周方向において相隣る内周突起71に挟まれる円弧状板面部72を、カム筒60の他端面であって相隣る凹溝62に挟まれる平坦面63の上に載せて支持される。ばね支持体70は、この円弧状板面部72の内周面と、内周突起71の内周面を、シリンダ11の外周面に摺接させて回転可能にする。
【0030】
ばね支持体70は、円板70Aの外周の複数位置(本実施例では8位置)に形成した矩形舌片状の切欠片73Aを、円板70Aの板面に対して内周突起71と同一方向に直角に折曲した外周突起73を備える。ばね支持体70は、円板70Aの周方向において相隣る外周突起73に挟まれる矩形孔状の凹溝74を前述の回転操作部80とする。
【0031】
ばね荷重調整装置50は、ばね支持体70の円板70Aの突起71、73が折曲される側と反対側に前述のばねシート16を介して懸架スプリング13を支持する。懸架スプリング13のばね荷重を調整するには、ばね支持体70の相隣る外周突起73に挟まれる凹溝74(回転操作部80)に係入させた工具を用いてばね支持体70を回転させる。そして、ばね支持体70の内周突起71とカム筒60の凹溝62の係合により、ばね支持体70と回転方向に一体化されているカム筒60を回転させる。これにより、シリンダ11の側のストッパ51に係合するカム筒60のカム段61の係合部61A・・・を選択的に換え、選択された係合部61A・・・の高さに応じたばね荷重を得る。
【0032】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ばね支持体70が、円板70Aの内周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片71Aを直角に折曲した内周突起71を備え、この内周突起71をカム筒60の凹溝62に係合させた。従って、カム筒60の凹溝62に係合するばね支持体70の内周突起71の側面を、ばね支持体70に加える回転力の方向に対して直角に立上げできる。このため、ばね支持体70の矩形舌片状の内周突起71とカム筒60の矩形孔状の凹溝62との噛合面を大きくとり、ばね支持体70に設けた回転操作部80の側からカム筒60への回転力の伝達効率が高くなる。特にばね支持体70が大荷重の懸架スプリング13を支持する場合にも、カム筒60を確実に回転でき、ばね荷重を容易に調整できる。
【0033】
(b)ばね支持体70が、円板70Aの内周に形成した切欠片71Aを直角に折曲した内周突起71を備え、この内周突起71が円板70Aの板面に垂直に作用するばね荷重に対する曲げ強度を補強する。特に、ばね支持体70が大荷重の懸架スプリング13を支持する場合にも、ばね支持体70の曲げ強度を同一板厚でも高くでき、曲げ変形防止できる。
【0034】
(c)ばね支持体70が、円板70Aの周方向において相隣る内周突起71に挟まれる板面部72をカム筒60の他端面の上に載せて支持され、この板面部72と内周突起71の内周面をシリンダ11の外周面に摺接させて回転可能にする。従って、ばね支持体70に作用するばね荷重を安定的にカム筒60に伝えることができるし、ばね支持体70をシリンダ11に対して安定的に回転操作できる。
【0035】
(d)ばね支持体70が円板70Aの外周の複数位置に形成した矩形舌片状の切欠片73Aを、前記内周突起71と同一方向に直角に折曲した外周突起73を備え、円板70Aの周方向において相隣る外周突起73に挟まれる矩形状の凹溝74を前記回転操作部80にする。従って、ばね支持体70の相隣る外周突起73に破挟まれる凹溝74に工具を挿入する等により、回転操作部80を容易に形成できるし、円板70Aの板面に対して内外の内周突起71と外周突起73を同一方向に折曲したから、ばね支持体70の前述(c)の曲げ強度を一層補強できる。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】図2はばね荷重調整装置を示す断面図である。
【図3】図3はカム筒を示し、(A)は平面図、(B)は筒状成形前の展開図である。
【図4】図4はばね支持体を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 油圧緩衝器
11 シリンダ
12 ピストンロッド
50 ばね荷重調整装置
51 ストッパ
60 カム筒
61 カム段
62 凹溝
70 ばね支持体
70A 円板
71 内周突起
71A 切欠片
72 板面部
73 外周突起
73A 切欠片
74 凹溝
80 回転操作部




 

 


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