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発明の名称 フロントフォーク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−92935(P2007−92935A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−285197(P2005−285197)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
発明者 村上 陽亮
要約 課題
フロントフォークにおいて、ダンパシリンダを車軸側チューブの底部に立設するに際し、ダンパシリンダの板厚を薄肉化するとともに、ダンパシリンダの下端面の仕上げを簡素化すること。

解決手段
フロントフォーク10において、ダンパシリンダ21の下端部の内周にボトムピース51を挿入し、該ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定し、車軸側チューブ12の底部に外側から係入させたボトムボルト24をボトムピース51に螺着することにより、ボトムピース51の下面を車軸側チューブ12の底面に締結するもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、
車軸側チューブの底部にダンパシリンダを立設してなるフロントフォークにおいて、
ダンパシリンダの下端部の内周にボトムピースを挿入し、該ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に加締固定し、
車軸側チューブの底部に外側から係入させたボトムボルトをボトムピースに螺着することにより、ボトムピースの下面を車軸側チューブの底面に締結することを特徴とするフロントフォーク。
【請求項2】
前記ボトムピースの中間部外周に凹溝を設けるとともに、下端部外周にダンパシリンダの板厚より大きい段差を設け、
ダンパシリンダの下端部をボトムピースの凹溝に加締固定するとともに、最下端部をボトムピースの段差に加締固定することにより、ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に加締固定する請求項1に記載のフロントフォーク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車等のフロントフォークに関する。
【背景技術】
【0002】
フロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車軸側チューブの底部にダンパシリンダを立設してなるものがある。
【0003】
特許文献1のフロントフォークでは、ダンパシリンダの下端面を車軸側チューブの底部(車軸ブラケット等)に突き当て、該ダンパシリンダの下端部の内周にボトムピースを挿入し、該ダンパシリンダの下端内周のストッパリングにボトムピースを係止し、車軸側チューブの底部に外側から係入させたボトムボルトをボトムピースに螺着することにより、ダンパシリンダを引き寄せて該ダンパシリンダの下端面を車軸側チューブの底面に締結する。
【特許文献1】特開2003-172392
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のフロントフォークには以下の問題点がある。
(1)ダンパシリンダがフロントフォークの引張に必要な強度を確保するに足る実断面に加え、ストッパリングを設けるための溝断面を併せ備えるものであり、ダンパシリンダの板厚の薄肉化に困難がある。
【0005】
(2)車軸側チューブの底部が車軸ブラケット等のアルミ合金から形成され、ダンパシリンダが鉄から形成されるとき、ダンパシリンダの下端面が車軸側チューブの底面に食い込み等を生じないようにするため、ダンパシリンダの下端面が車軸側チューブの底面に及ぼす面圧を小さくする必要があり、ダンパシリンダの板厚の薄肉化に困難がある。
【0006】
(3)ダンパシリンダの下端面を車軸側チューブの底面に突き当てるため、ダンパシリンダの下端面の直角度、面粗度等の仕上げ工数が多大になる。
【0007】
本発明の課題は、フロントフォークにおいて、ダンパシリンダを車軸側チューブの底部に立設するに際し、ダンパシリンダの板厚を薄肉化するとともに、ダンパシリンダの下端面の仕上げを簡素化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車軸側チューブの底部にダンパシリンダを立設してなるフロントフォークにおいて、ダンパシリンダの下端部の内周にボトムピースを挿入し、該ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に加締固定し、車軸側チューブの底部に外側から係入させたボトムボルトをボトムピースに螺着することにより、ボトムピースの下面を車軸側チューブの底面に締結するようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ボトムピースの中間部外周に凹溝を設けるとともに、下端部外周にダンパシリンダの板厚より大きい段差を設け、ダンパシリンダの下端部をボトムピースの凹溝に加締固定するとともに、最下端部をボトムピースの段差に加締固定することにより、ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に加締固定するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1)
(a)ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に加締固定するものであり、ダンパシリンダにストッパリングを設けるための溝を必要としない。ダンパシリンダの板厚が溝を必要としない分だけ薄肉化できる。従って、フロントフォークを軽量、低コスト化できる。
【0011】
(b)ボトムボルトはボトムピースを引き寄せて該ボトムピースの下面を車軸側チューブの底面に締結する。ダンパシリンダの下端面が車軸側チューブの底面に突き当てられて食い込む等のおそれが全くないから、ダンパシリンダの板厚を薄肉化できる。従って、フロントフォークを軽量、低コスト化できる。
【0012】
(c)ダンパシリンダの下端面が車軸側チューブの底面に突き当てられることがないから、ダンパシリンダの下端面の直角度、面粗度等の仕上げ加工を簡素化できる。
【0013】
(請求項2)
(d)ダンパシリンダの下端部をボトムピースの中間部外周の凹溝に加締固定するとともに、最下端部をボトムピースの下端部外周の段差に加締固定することにより、ダンパシリンダの下端部をボトムピースの外周に強固に加締固定できる。ダンパシリンダの最下端部が加締固定されるボトムピースの段差がダンパシリンダの板厚より大きいから、加締固定されたダンパシリンダの最下端部は段差内に納まり、車軸側チューブの底面に干渉することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1はフロントフォークを示す断面図、図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面図、図3は図1のフロントフォークの中間部拡大断面図、図4は図1のフロントフォークの上部拡大断面図、図5はキャップ小組体を示し、(A)は断面図、(B)は底面図、図6はキャップを示し、(A)は断面図、(B)は底面図、図7はアジャスター本体を示し、(A)は正面図、(B)は断面図、図8はアジャスターカラーを示す断面図、図9はスライダーを示す平面図、図10は板ばねを示し、(A)は平面図、(B)は側面図、図11はダンパ小組体を示す断面図、図12は図11の要部拡大図、図13はボトムバルブ小組体を示す断面図である。
【実施例】
【0015】
フロントフォーク10は、図1〜図4に示す如く、車体側のアウタチューブ(車体側チューブ)11を車軸側のインナチューブ(車軸側チューブ)12に摺動自在に嵌合して倒立にし、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を正立にして内装している。
【0016】
アウタチューブ11の下端内周部にはインナチューブ12の外周部が摺接するブッシュ15、オイルシール16、ダストシール17が嵌着され、インナチューブ12の上端外周部にはアウタチューブ11の内周部が摺接するブッシュ18が嵌着される。
【0017】
アウタチューブ11はアッパブラケット19A、ロアブラケット19Bを介して車体側に支持され、インナチューブ12は車軸ブラケット20を介して車軸に結合される。
【0018】
インナチューブ12の底部にはダンパ14のダンパシリンダ21の下端部が取着されて立設している。このとき、ダンパシリンダ21は、後述のボトムピース51を介して、車軸ブラケット20に外側から係入させたボトムボルト24により後述する如くに固定保持される。
【0019】
アウタチューブ11の上端部にはキャップ25の円筒部25AがOリング26を介して液密に挿着されるとともに螺着され、キャップ25の蓋部25Bの内周にはばね荷重調整アジャスター28がOリング27を介して液密に回転可能に挿入される。アジャスター28の下端内周にはピストンロッド29の基端部が螺着され、ロックナット30でロックされている。このピストンロッド29の先端部はダンパシリンダ21に挿入されている。
【0020】
インナチューブ12の内部のダンパシリンダ21の上端外周部にはオイルロックカラー31が固定され、オイルロックカラー31の上端部にはばね受32が設けられている。他方、アウタチューブ11の内部で、キャップ25の円筒部25Aの内周には軸方向に沿う溝部25Cが設けられ、アジャスター28の外周に上記キャップ25の溝部25Cとの間で回り止めされるスライダー33を螺合している。スライダー33はスプリングカラー34Aを介して懸架スプリング13の上端を支持し、ばね受32によって懸架スプリング13の下端を支持する。アジャスター28を回動操作することにより、スライダー33を上下動し、ひいてはスプリングカラー34Aを介して懸架スプリング13の初期荷重を設定可能とする。このとき、アジャスター28のねじ部とスライダー33のねじ部は、アジャスター28の右回転によってスライダー33を下降させ、懸架スプリング13を圧縮させるような逆ねじに設定される。
【0021】
アウタチューブ11とインナチューブ12の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には、油溜室35Aと気体室35Bとが設けられ、気体室35Bに閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。油溜室35Aの作動油は、気体室35Bのばね定数の調整と、アウタチューブ11とインナチューブ12の摺接ブッシュ15、18の潤滑、インナチューブ12の下端部のオイルシール16の湿潤に寄与する。そして、これらの懸架ばね13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0022】
ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40と、ボトムバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有する。ダンパ14は、ピストンバルブ装置40とボトムバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴うアウタチューブ11とインナチューブ12の伸縮振動を抑制する。
【0023】
ダンパシリンダ21の上端開口部にはロッドガイド36が加締固定され、ロッドガイド36にはピストンロッド29を摺接案内するブッシュ37が圧入されている。
【0024】
尚、ダンパシリンダ21の内周のロッドガイド36の直下には最伸長時に後述のピストンホルダ41との間で圧縮されて緩衝作用を果たすリバウンドスプリング38が保持されている。
【0025】
また、ピストンロッド29の外周にはストッパリング39Aで保持したオイルロックピース39が装着あるいは嵌着(圧入でも可)され、このオイルロックピース39を最圧縮時に前述のオイルロックカラー31に進入させて最圧縮時の緩衝作用を果たす。
【0026】
以下、フロントフォーク10の減衰機構について説明する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、ピストンロッド29の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41に螺着されるナット41A、バルブストッパ41Bによりピストン42、バルブストッパ41Cを装着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21の内部を摺接し、ダンパシリンダ21の内部をピストンロッド29が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド29が収容されるロッド側油室43Bとに区画する。ピストン42は、伸側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45(不図示)とを備える。
【0027】
また、ピストンバルブ装置40は、アジャスター28にOリング46Aを介して液密に挿着されるとともに螺着されて外部から操作できる減衰力調整ロッド46にかしめ固定された減衰力調整チューブ47をピストンロッド29の中空部に通し、この減衰力調整チューブ47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
【0028】
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ピストン側油室43Aの油が圧側流路45を通り圧側バルブ45Aを開いてロッド側油室43Bへ導かれる。
【0029】
また、フロントフォーク10の伸長時には、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が低速のとき、ロッド側油室43Bの油がニードル47Aのあるバイパス路48を通ってピストン側油室43Aへ導かれ、この間のニードル47Aによる絞り抵抗により伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、減衰力調整ロッド46によるニードル47Aの位置調整により調整される。
【0030】
また、フロントフォーク10の伸長時で、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が中高速のとき、ロッド側油室43Bの油が伸側流路44を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0031】
(ボトムバルブ装置50)
ボトムバルブ装置50は、ダンパシリンダ21が後述する如くに固定されるボトムピース51に、ボルト52により圧側バルブ56A、バルブハウジング53、バルブストッパ54を保持している。バルブストッパ54は、バルブハウジング53との間に伸側バルブ(チェックバルブ)57A、ばね57Bを保持する。バルブハウジング53はダンパシリンダ21の中間部に液密に密着し、ピストン側油室43Aの下方にボトムバルブ室55を区画形成する。バルブハウジング53は、圧側バルブ56Aを備えたピストン側油室43Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする圧側流路56と、伸側バルブ57Aを備えてピストン側油室43Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする伸側流路57(不図示)とを備える。ボトムバルブ室55はダンパシリンダ21の壁面に設けた油路58により、ダンパシリンダ21の外部に設けてある油溜室35Aに連絡可能とされている。
【0032】
また、インナチューブ12の底部に設けた車軸ブラケット20、ボトムボルト24、ボトムピース51、ボルト52には、圧側流路56と伸側流路57とをバイパスしてピストン側油室43Aと油溜室35Aとを連絡可能とするバイパス流路59を備える。また、車軸ブラケット20にOリング61Aを把持して液密に挿着されたキャップ61に、減衰力調整ロッド62をOリング63を介して液密に挿着するとともに螺着しており、減衰力調整ロッド62の先端ニードル62Aによりインナチューブ12のバイパス流路59の流路面積を調整可能としている。
【0033】
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド29の進入容積分の油が、ピストン側油室43Aから、バイパス流路59を通って油溜室35A、或いは圧側流路56、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油路58を通って油溜室35Aに排出される。このとき、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が低速のときには、バイパス流路59に設けてあるニードル62Aによる絞り抵抗により圧側の減衰力を得る。この減衰力は、減衰力調整ロッド62によるニードル62Aの位置調整により調整される。また、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が中高速のときには、ピストン側油室43Aから圧側流路56を通る油が圧側バルブ56Aを撓み変形させてボトムバルブ室55に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
【0034】
フロントフォーク10の伸長時には、ダンパシリンダ21から退出するピストンロッド29の退出容積分の油が、油溜室35Aからボトムバルブ室55、伸側流路57を通ってピストン側油室43Aに還流される。
【0035】
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ボトムバルブ装置50において、バルブハウジング53の圧側バルブ56A或いはニードル62Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰力を生じない。
【0036】
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ボトムバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0037】
しかるに、フロントフォーク10にあっては、(A)懸架スプリング13のばね荷重調整装置において、キャップ25に設けるアジャスター28の取付構造、(B)ダンパシリンダ21の立設構造を以下の如くに構成している。
【0038】
(A)アジャスター28の取付構造
図5に示すキャップ小組体70の如くに、キャップ25は円筒部25Aの外周環状溝に装填されるOリング26を介してアウタチューブ11の上端部に液密に挿着可能にされるとともに、キャップ25の蓋部25Bの内周にはアジャスター28がOリング27を介して液密に回転可能に挿入される。アジャスター28の上端内周には減衰力調整ロッド46がOリング46Aを介して液密に挿着されるとともに螺着され、減衰力調整ロッド46の下端部には減衰力調整チューブ47がかしめ固定される。アジャスター28の外周にはスライダー33(図9)が螺着され、スライダー33の直径方向の外方に突出する凸部33Aがキャップ25(図6)の円筒部25Aの内周に設けられている軸方向に沿う溝部25Cに係入し、スライダー33は回り止め状態で上下動できる。
【0039】
アジャスター28は、キャップ25の蓋部25Bの内周に回転可能に挿入されるアジャスター本体80(図7)を有し、キャップ25内に位置するアジャスター本体80の外周にアジャスターカラー90(図8)を圧入し、アジャスターカラー90の外周に設けたねじ92にスライダー33を螺合させている。
【0040】
アジャスター28は、キャップ25の蓋部25B外に位置するアジャスター本体80の上端大径外周部80Aに鍔状操作部81を一体に成形し、キャップ25の蓋部25Bに挿入されているアジャスター本体80の中間中径外周部80BにOリング27のための外周環状溝82を設け、キャップ25内に位置するアジャスター本体80の下端小径外周部80Cの概ね上半部をアジャスターカラー90のための圧入部83としている。アジャスター本体80は上端小径内周部84に減衰力調整ロッド46のOリング46Aを液密に挿着し、上端小径内周部84の直下の大径ねじ部85に該減衰力調整ロッド46を螺着する。
【0041】
アジャスター28は、アジャスター本体80の圧入部83に圧入されるアジャスターカラー90の上端外周に大径鍔部91を設け、鍔部91の直下にねじ92を形成してある。
【0042】
アジャスター28は、アジャスター本体80をキャップ25の外方からその蓋部25Bの内周に挿入し、中間中径外周部80BをOリング27を介してその蓋部25Bの内周に回転可能に挿着した後、キャップ25の内部に位置するアジャスター本体80の圧入部83にアジャスターカラー90を圧入し、アジャスター本体80の鍔状操作部81とアジャスターカラー90の鍔部91とでキャップ25の蓋部25Bの上下面を挟持し、該アジャスター28を抜け止めする。
【0043】
アジャスター28は、減衰力調整ロッド46をキャップ25の内方からアジャスター本体80の内周に挿入する。減衰力調整ロッド46は、アジャスター本体80の上端小径内周部84にOリング46Aを介して回転可能に挿着されるとともに、大径ねじ部85に螺着される。その後、アジャスター28は、アジャスター本体80の大径ねじ部85にダンパシリンダ21のピストンロッド29の基端部を螺着され、ピストンロッド29に螺着されるロックナット30とアジャスター本体80の下端面との間にワッシャ93を挟圧ロックする(図4)。ワッシャ93はアジャスターカラー90のねじ92より大径をなす。
【0044】
アジャスター28は、アジャスターカラー90の上部の鍔部91をスライダー33の上限規制ストッパ94Aとし、アジャスターカラー90の下部のワッシャ93をスライダー33の下限規制ストッパ94Bとする。
【0045】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)アジャスター28を構成するアジャスター本体80に一定の圧入力(スライダー33の上下動が制止されたときにスリップする圧入締代)で圧入したアジャスターカラー90にスライダー33を螺合させた。これにより、ばね荷重調整範囲内では、アジャスター本体80の回転が圧入結合力(圧入締代)でアジャスターカラー90に伝えられ、スライダー33を上下動させる。ばね荷重調整範囲の上限と下限でスライダー33の上下動が制止されると、アジャスター本体80への過度の回転入力に対しアジャスターカラー90がスリップし、アジャスター28等の破損を防止できる。スリップ後も圧入力は消失せず、ばね荷重調整範囲内では通常のばね荷重調整動作がなされる。
【0046】
(b)アジャスターカラー90の上下に、スライダー33のための上限規制ストッパ94Aと下限規制ストッパ94Bを設けたから、ばね荷重調整範囲の上限と下限でスライダー33の上下動を確実に制止し、アジャスターカラー90をスリップさせるものになる。
【0047】
(c)アジャスター28がキャップ25外に位置するアジャスター本体80に鍔状操作部81を一体に成形し、該鍔状操作部81とアジャスターカラー90とでキャップ25の蓋部25Bを挟持し、アジャスター28を抜け止めした。アジャスター本体80に鍔状操作部81を一体に成形したから、アジャスター28の抜け止め性を向上できるし、部品点数、組付工数を削減できる。
【0048】
(d)ダンパシリンダ21のピストンロッド29に作用する軸方向の引張荷重を、アジャスター本体80に一体に成形してある鍔状操作部81で確実に受けることができ、アジャスター本体80への過度の引張入力によるアジャスター28の脱落を防止できる。
【0049】
更に、アジャスター28は、キャップ25の蓋部25Bの下面と、アジャスターカラー90の鍔部91の上面との間に環状の板ばね100を弾性圧縮状態で介装している。キャップ25の蓋部25Bの下面には、板ばね100の外縁に沿って該板ばね100を径方向にて位置決めする環状凹部25Dが設けられている。板ばね100はキャップ25の環状凹部25Dに装填される。
【0050】
板ばね100は、図10に示す如く、環状円板の1つの直径線Aを挟む左片101と右片102を側面視で円弧をなすように湾曲成形(又は互いにくの字をなすように屈曲成形でも可)したものである。板ばね100は、キャップ25の環状凹部25Dに装填され、直径線A上の円弧の中央湾曲凸部(又はくの字の中央屈曲凸部)をアジャスターカラー90の鍔部91の上面に圧接するものになる。但し、板ばね100は、皿ばね状をなすものでも良い。
【0051】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)キャップ25の蓋部25Bの下面と、アジャスター28との間に板ばね100を介装したから、キャップ25とアジャスター28の寸法誤差に基づく組立ガタを板ばね100の弾性変形により吸収するとともに、振動によるアジャスター28の不測の回転を板ばね100が該アジャスター28に及ぼす摩擦力により防止する。
【0052】
(b)上述(a)の板ばね100を用いるものでは、アジャスター28の回転操作力や回転操作位置に関し、Oリングにおける如くの締代や粘り感の影響がなく、アジャスター28の回転操作性を向上できる。
【0053】
(c)上述(a)の板ばね100を用いるものでは、Oリングにおける如くの加工工数や組付工数を必要としないし、組付スペースも小スペースで足り、小型化できる。
【0054】
(B)ダンパシリンダ21の立設構造
図11に示すダンパ小組体14Aは、ピストンロッド29のピストンバルブ装置40等をダンパシリンダ21に挿入し、ダンパシリンダ21の上端部にロッドガイド36を加締固定するとともにオイルロックカラー31を固定し、ダンパシリンダ21の下端部にボトムバルブ小組体50Aを固定する等にて構成される。ボトムバルブ小組体50Aは、図13に示す如く、ボトムピース51の上部ねじにボルト52を螺着し、ボトムピース51とボルト52の間に圧側バルブ56A、バルブハウジング53、バルブストッパ54、伸側バルブ(チェックバルブ)57A、ばね57Bを小組して構成されている。
【0055】
ダンパ小組体14Aにあっては、ダンパシリンダ21の下端部の内周にボトムバルブ小組体50Aのボトムピース51を挿入し、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定する。このとき、図12、図13に示す如く、ボトムピース51の中間部外周に環状に連続する凹溝51Aを設けるとともに、下端部外周にダンパシリンダ21の板厚tより大きい段差51B(段差量h)を設ける。そして、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の凹溝51Aに加締部21Aにより加締固定するとともに、ダンパシリンダ21の最下端部をボトムピース51の段差51Bに加締部21Bにより加締固定することにより、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定する。加締部21Aはダンパシリンダ21の周方向に沿う複数位置(又はダンパシリンダ21の全周に連続するものでも可)に設けられる。加締部21Bはダンパシリンダ21の全周に連続状をなすように設けられる。
【0056】
インナチューブ12の内部にダンパ小組体14Aを挿入し、ダンパ小組体14Aを構成しているボトムピース51の下面を車軸ブラケット20の底面に乗せる状態で、車軸ブラケット20に外側から係入されるボトムボルト24をボトムピース51の下部ねじに螺着する。ボトムボルト24は、車軸ブラケット20の底部に設けた貫通孔に、シール材23を介して外側から係入せしめられる。これにより、ボトムピース51の下面が車軸ブラケット20の底面に圧接せしめられて締結される。
【0057】
このとき、車軸ブラケット20はアルミ合金からなり、ダンパシリンダ21は鉄からなる。
【0058】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定するものであり、ダンパシリンダ21にストッパリングを設けるための溝を必要としない。ダンパシリンダ21の板厚が溝を必要としない分だけ薄肉化できる。従って、フロントフォーク10を軽量、低コスト化できる。
【0059】
(b)ボトムボルト24はボトムピース51を引き寄せて該ボトムピース51の下面を車軸ブラケット20の底面に締結する。ダンパシリンダ21の下端面が車軸ブラケット20の底面に突き当てられて食い込む等のおそれが全くないから、ダンパシリンダ21の板厚を薄肉化できる。従って、フロントフォーク10を軽量、低コスト化できる。
【0060】
(c)ダンパシリンダ21の下端面が車軸ブラケット20の底面に突き当てられることがないから、ダンパシリンダ21の下端面の直角度、面粗度等の仕上げ加工を簡素化できる。
【0061】
(d)ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の中間部外周の凹溝51Aに加締固定するとともに、最下端部をボトムピース51の下端部外周の段差51Bに加締固定することにより、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に強固に加締固定できる。ダンパシリンダ21の最下端部が加締固定されるボトムピース51の段差51Bがダンパシリンダ21の板厚より大きいから、加締固定されたダンパシリンダ21の最下端部は段差51B内に納まり、車軸ブラケット20の底面に干渉することがない。
【0062】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は正立型フロントフォークにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1はフロントフォークを示す断面図である。
【図2】図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面図である。
【図3】図3は図1のフロントフォークの中間部拡大断面図である。
【図4】図4は図1のフロントフォークの上部拡大断面図である。
【図5】図5はキャップ小組体を示し、(A)は断面図、(B)は底面図である。
【図6】図6はキャップを示し、(A)は断面図、(B)は底面図である。
【図7】図7はアジャスター本体を示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。
【図8】図8はアジャスターカラーを示す断面図である。
【図9】図9はスライダーを示す平面図である。
【図10】図10は板ばねを示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図11】図11はダンパ小組体を示す断面図である。
【図12】図12は図11の要部拡大図である。
【図13】図13はボトムバルブ小組体を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 フロントフォーク
11 アウタチューブ(車体側チューブ)
12 インナチューブ(車軸側チューブ)
20 車軸ブラケット(車軸側チューブの底部)
21 ダンパシリンダ
21A、21B 加締部
24 ボトムボルト
51 ボトムピース
51A 凹溝
51B 段差




 

 


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