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発明の名称 水冷エンジン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−239719(P2007−239719A)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
出願番号 特願2006−67311(P2006−67311)
出願日 平成18年3月13日(2006.3.13)
代理人 【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
発明者 高見 雅保 / 田中 多聞 / 坂野 倫祥 / 梅田 裕三 / 宮崎 秀也 / 舩木 耕一 / 室弥 昇吾 / 植田 真人 / 稲川 栄 / 山下 健次 / 山中 重善
要約 課題
冷却対象に応じた適正な冷却と、冷却対象の冷却効率の向上とを実現できる水冷エンジンを提供する。

解決手段
オイルクーラ19とEGRクーラ6とを備え、エンジン冷却水をオイルクーラ19とEGRクーラ6とに送出し、エンジン冷却水でエンジンオイルとEGRガスとを冷却するようにした水冷エンジンにおいて、オイルクーラ19とEGRクーラ6とを個別に配置し、シリンダブロック26とシリンダヘッド2とにわたって形成したウォータージャケットに高さの異なる一対の冷却水送出口3031を設け、低所冷却水送出口30からオイルクーラ19にエンジン冷却水30aを送出し、高所冷却水送出口31からEGRクーラ6にエンジン冷却水31aを送出するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】
オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを備え、エンジン冷却水をオイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とに送出し、エンジン冷却水でエンジンオイルとEGRガスとを冷却するようにした水冷エンジンにおいて、
オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを個別に配置し、シリンダブロック(26)とシリンダヘッド(2)とにわたって形成したウォータージャケットに高さの異なる一対の冷却水送出口(30)(31)を設け、低所冷却水送出口(30)からオイルクーラ(19)にエンジン冷却水(30a)を送出し、高所冷却水送出口(31)からEGRクーラ(6)にエンジン冷却水(31a)を送出するようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項2】
請求項1に記載した水冷エンジンにおいて、
クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向と直交するエンジンの幅方向を左右横方向、前後方向のうち、ギヤトレイン(32)を配置した方を後として、ギヤトレイン収容室壁(33)をシリンダブロック(26)の横壁よりも横方向に突出させ、ギヤトレイン収容室壁(33)の前面に補機(34)を取り付け、補機入力軸(35)にギヤトレイン(32)の補機入力ギヤ(36)を取り付け、補機(34)をギヤトレイン収容室壁(33)から取り外す際、補機入力ギヤ(36)を補機入力軸(35)から取り外し、補機(34)を前向きに移動させて、補機入力軸(35)をギヤトレイン収容室壁(33)内から抜き取ることができるようにするに当たり、
低所冷却水送出口(30)から横向きに突出する低所チューブ接続管(30b)にEGRクーラ(6)に向かう上向きの枝管を設けないことにより、補機(34)をギヤトレイン収容室壁(33)から取り外す際、前向きに移動させた補機(34)にチューブ接続管(30b)が干渉しないようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した水冷エンジンにおいて、
排気経路をEGR弁ケース(7)を介して吸気経路に連通させ、EGR弁ケース(7)内のEGR弁(9)を弁アクチュエータ(8)で作動させるに当たり、
弁アクチュエータ(8)を温度に応じて変形する素材で構成し、EGR弁ケース(7)と隣接する通水ジャケット(21)を設け、高所冷却水送出口(30)からのエンジン冷却水(30a)がこの通水ジャケット(21)を通過するようにし、通水ジャケット(21)の放熱部(22)からエンジン冷却水(30a)の熱が弁アクチュエータ(8)に伝達されるようにし、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値未満の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が閉弁状態を維持し、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値以上の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が開弁状態を維持するようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項4】
請求項3に記載した水冷エンジンにおいて、
クランク軸(1)の架設方向を前後方向とし、前後方向と直交するシリンダヘッド(2)の幅方向を横方向として、シリンダヘッド(2)の横一側面に吸気分配通路壁(3)を取り付け、この吸気分配通路壁(3)の上壁に吸気入口管(5)を立設し、吸気分配通路壁(3)の上方で吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを前後方向に並べて配置し、EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを隣接させ、前記通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)とを冷却水パイプ(23)で連通させ、この冷却水パイプ(23)を介して上記通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)との間でエンジン冷却水を受け渡すことができるようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載した水冷エンジンにおいて、
EGR弁(9)の弁軸(9a)を垂直にしてEGR弁ケース(7)内の弁軸挿通孔(7c)に摺動自在に内嵌させた、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載した水冷エンジンにおいて、
クランク軸(1)の架設方向を前後方向とし、前後方向と直交するシリンダヘッド(2)の幅方向を横方向として、シリンダヘッド(2)の横一側面に吸気分配通路壁(3)を取り付け、この吸気分配通路壁(3)の上壁に吸気入口管(5)を立設し、吸気分配通路壁(3)の上方で吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とを前後方向に並べて配置し、
EGR弁ケース(7)と吸気入口管(5)との間に逆止弁ケース(10)を配置し、この逆止弁ケース(10)内の逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入とEGRガスの逆流とを阻止することができるようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項7】
請求項3から請求項6のいずれかに記載した水冷エンジンにおいて、
シリンダヘッド(2)に水冷ジャケット内を通過するヘッド内EGR通路(11)を設け、このヘッド内EGR通路(11)の下流にEGRクーラ(6)を配置した、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項8】
請求項7に記載した水冷エンジンにおいて、
クランク軸(1)の架設方向を前後方向とし、前後方向と直交するシリンダヘッド(2)の幅方向を横方向として、シリンダヘッド(2)の横一側面に吸気分配通路壁(3)を取り付け、この吸気分配通路壁(3)の上壁に吸気入口管(5)を立設し、吸気分配通路壁(3)の上方で吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを前後方向に並べて配置し、
前後方向の任意の一方を前、その反対側を後として、後から前に向かって順に、吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを配置し、
吸気入口管(5)の周壁前部のEGRガス入口部(5a)にEGR弁ケース(7)の後部のEGR弁ケース出口部(7a)を連通させ、EGR弁ケース(7)の前部のEGR弁ケース入口部(7b)にEGRクーラ(6)の後端のクーラ出口部(6a)を取り付けてこれらを連通させ、EGRクーラ(6)の前端のクーラ入口部(6b)に接続管(12)の後面上部の接続管出口部(12a)を取り付けてこれらを連通させ、接続管(12)の横面下部の接続管入口部(12b)をシリンダヘッド(2)の横面前部のヘッド内EGR通路出口部(11a)に取り付けてこれらを連通させた、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項9】
請求項8に記載した水冷エンジンにおいて、
EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを剛性連結体の構成要素とし、これら構成要素で可撓性のない剛性連結体を構成した、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項10】
請求項9に記載した水冷エンジンにおいて、
逆止弁ケース(10)も剛性連結体の構成要素とし、
EGR弁ケース(7)の後部のEGR弁ケース出口部(7a)に逆止弁ケース(10)の前部の逆止弁ケース入口部(10b)を取り付けてこれらを連通させ、逆止弁ケース(10)の後面の逆止弁ケース出口部(10a)を吸気入口管(5)の周壁前部のEGRガス入口部(5a)に取り付けてこれらを連通させ、逆止弁ケース(10)内の逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入とEGRガスの逆流とを阻止することができるようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項11】
請求項7から請求項10のいずれかに記載した水冷エンジンにおいて、
吸気分配通路壁(3)内からシリンダヘッド(2)外を通過するヘッド外EGR通路(13)を導出し、このヘッド外EGR通路(13)の下流にEGRクーラ(6)を配置し、EGRクーラ(6)にヘッド内EGR通路(11)とヘッド外EGR通路(13)の両方からEGRガスを導入するようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項12】
請求項11に記載した水冷エンジンにおいて、
前後方向のうち、エンジン冷却ファン(14)を配置した方を前、その反対側を後として、エンジン冷却ファン(14)の後方にヘッド外EGR通路(13)を配置し、このヘッド外EGR通路(13)にエンジン冷却ファン(14)で起こしたエンジン冷却風が吹き当たるようにした、ことを特徴とする水冷エンジン。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載した水冷エンジンにおいて、
前後方向の任意の一方を前として、吸気入口管(5)の周壁前部に横長のEGRガス入口部(5a)を設け、このEGRガス入口部(5a)に左右一対のキリ孔のEGRガス入口(5b)(5c)をあけ、吸気入口管(5)の中心軸線(16)と平行な向きに見た場合に、吸気入口管(5)の中心軸線(16)を通過する前後方向仮想線(17)の左右に、各EGRガス入口(5b)(5c)の中心線(25b)(25c)を位置させ、シリンダヘッド(2)から遠い外寄りのEGRガス入口(5b)の中心線(25b)がシリンダヘッド(2)に近い内寄りのEGRガス入口(5c)の中心線(25c)よりも、前後方向仮想線(17)から遠ざかるようにし、吸気入口管(5)に接続する吸気供給パイプ(18)をシリンダヘッド(2)側から吸気入口管(5)に近づけた、ことを特徴とする水冷エンジン。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水冷エンジンに関し、詳しくは、冷却対象に応じた適正な冷却と、冷却対象の冷却効率の向上とを実現できる水冷エンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水冷エンジンとして、本発明と同様、オイルクーラとEGRクーラとを備え、エンジン冷却水をオイルクーラとEGRクーラとに送出し、エンジン冷却水でエンジンオイルとEGRガスとを冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種の水冷エンジンでは、次の利点がある。エンジン冷却水でエンジンオイルを冷却するので、その熱劣化を抑制することができる。また、エンジン冷却水でEGRガスを冷却するので、EGRガスの温度を低下させ、吸気の効率を高めることができるとともに、NOの低減を図ることができる。
【0003】
しかし、上記従来のエンジンでは、オイルクーラとEGRクーラとを一体化した一体化クーラを用い、ウォータージャケットに単一の冷却水送出口を設け、この冷却水送出口から一体化クーラにエンジン冷却水を送出し、エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に用いるエンジン冷却水の分配量を調節することができない構造になっているため、問題が生じる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−303953号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、次の問題がある。
《問題》 冷却対象に応じた適正な冷却を行なえない場合がある。
エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に用いるエンジン冷却水の分配量を調節することができない構造になっているため、エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に過不足が生じることがあり、冷却対象に応じた適正な冷却を行なえない場合がある。
【0006】
《問題》 冷却対象の冷却効率が低い。
オイルクーラとEGRクーラとを一体化した一体化クーラを用い、ウォータージャケットに単一の冷却水送出口を設け、この冷却水送出口から一体化クーラにエンジン冷却水を送出しているため、エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に同一温度のエンジン冷却水を用いることになり、温度の異なる冷却対象に応じて温度の異なるエンジン冷却水を効果的に用いることができず、冷却対象の冷却効率が低い。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決することができる水冷エンジン、すなわち、冷却対象に応じた適正な冷却と、冷却対象の冷却効率の向上とを実現できる水冷エンジンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図3に例示するように、オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを備え、エンジン冷却水をオイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とに送出し、エンジン冷却水でエンジンオイルとEGRガスとを冷却するようにした水冷エンジンにおいて、
オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを個別に配置し、シリンダブロック(26)とシリンダヘッド(2)とにわたって形成したウォータージャケットに高さの異なる一対の冷却水送出口(30)(31)を設け、低所冷却水送出口(30)からオイルクーラ(19)にエンジン冷却水(30a)を送出し、高所冷却水送出口(31)からEGRクーラ(6)にエンジン冷却水(31a)を送出するようにした、ことを特徴とする水冷エンジン
【発明の効果】
【0009】
(請求項1に係る発明)
《効果》 冷却対象に応じた適正な冷却を行なうことができる。
図3に例示するように、オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを個別に配置し、シリンダブロック(26)とシリンダヘッド(2)とにわたって形成したウォータージャケットに高さの異なる一対の冷却水送出口(30)(31)を設け、低所冷却水送出口(30)からオイルクーラ(19)にエンジン冷却水(30a)を送出し、高所冷却水送出口(31)からEGRクーラ(6)にエンジン冷却水(31a)を送出するようにしたので、エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に用いるエンジン冷却水の分配量を、各冷却水送出口(30)(31)の口径の設定等により調節することができる。このため、エンジンオイルの冷却とEGRガスの冷却に過不足が生じる不具合を回避することができ、冷却対象に応じた適正な冷却を行なうことができる。
【0010】
《効果》 冷却対象の冷却効率を向上させることができる。
図3に例示するように、低所冷却水送出口(30)からオイルクーラ(19)にエンジン冷却水(30a)を送出し、高所冷却水送出口(31)からEGRクーラ(6)にエンジン冷却水(31a)を送出するようにしたので、シリンダジャケットの高所にある既に高温化したエンジン冷却水(31a)を高温のEGRガスの冷却に用い、シリンダジャケットの低所にある比較的低温のエンジン冷却水(30a)をEGRガスに比べて温度の低いエンジンオイルの冷却に有効利用することができる。このため、温度の異なる冷却対象に応じて温度の異なるエンジン冷却水(30a)(31a)を効果的に用いることができ、冷却対象の冷却効率を向上させることができる。
【0011】
(請求項2に係る発明)
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 補機の取り外し作業が簡単になる。
図3に例示するように、低所冷却水送出口(30)から横向きに突出するチューブ接続管(37)にEGRクーラ(6)に向かう上向きの枝管を設けないことにより、補機(34)をギヤトレイン収容室壁(33)から取り外す際、前向きに移動させた補機(34)に低所チューブ接続管(30b)が干渉しないようにしたので、補機(34)の取り外しを行う場合に、低所冷却水送出口(30)からチューブ接続管(37)を取り外す必要がなく、補機(34)の取り外し作業が簡単になる。
【0012】
(請求項3に係る発明)
《効果》 エンジン始動後にEGRガスを速やかに還流させることができる。
図6に示すように、弁アクチュエータ(8)を温度に応じて変形する素材で構成し、EGR弁ケース(7)と隣接する通水ジャケット(21)を設け、高所冷却水送出口(30)からのエンジン冷却水(30a)がこの通水ジャケット(21)を通過するようにし、通水ジャケット(21)の放熱部(22)からエンジン冷却水(30a)の熱が弁アクチュエータ(8)に伝達されるようにし、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値未満の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が閉弁状態を維持し、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値以上の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が開弁状態を維持するようにしたので、エンジン始動直後に速やかに高温となる高所のエンジン冷却水(31a)が通水ジャケット(21)を通過し、EGR弁(9)を開弁させる。このため、このため、エンジン始動後にEGRガスを速やかに還流させることができる。
【0013】
《効果》 弁アクチュエータの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、EGR弁ケース(7)と隣接する通水ジャケット(21)を設け、高所冷却水送出口(30)からのエンジン冷却水(30a)がこの通水ジャケット(21)を通過するようにしたので、EGRガスの熱がEGR弁ケース(7)を介して通水ジャケット(21)内を通過するエンジン冷却水に放熱され、EGRガスの熱が弁アクチュエータ(8)には伝達されにくい。このため、過熱による弁アクチュエータ(8)の損傷を抑制することができる。
【0014】
《効果》 エンジンの製造コストを安くすることができる。
図1に例示するように、弁アクチュエータ(8)を温度に応じて変形する素材で構成し、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値未満の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が閉弁状態を維持し、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値以上の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が開弁状態を維持するようにしたので、センサやコントローラを必要とせず、エンジンの製造コストを安くすることができる。
【0015】
《効果》 エンジン内部の損傷を抑制することができる。
弁アクチュエータ(8)の温度が所定値未満の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が閉弁状態を維持するので、冷始動時のEGRガスの還流を停止することができる。このため、冷始動時にEGRガス中の酸化硫黄が水分に溶解して硫酸となってエンジン内部に流入する不具合がなく、腐食によるエンジン内部の損傷を抑制することができる。
【0016】
《効果》 白煙の発生を抑制することができる。
冷始動時のEGRガスの還流を停止することができるので、EGRガスの還流による燃焼の不具合が起こりにくく、これに起因する白煙の発生を抑制することができる。
【0017】
(請求項4に係る発明)
請求項3に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 弁アクチュエータの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、吸気分配通路壁(3)の上方にEGR弁ケース(7)を配置したので、排気合流通路壁(4)の上方にEGR弁ケース(7)を取り付けた場合と異なり、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けない。このため、この熱がEGR弁ケース(7)を介して弁アクチュエータ(8)に伝達されることもなく、過熱による弁アクチュエータ(8)の損傷を抑制することができる。
【0018】
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けないので、この熱がEGR弁ケース(7)を介してEGR弁(9)に伝達されることもなく、過熱によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0019】
《効果》 EGRクーラの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、吸気分配通路壁(3)の上方にEGRクーラ(6)を配置したので、排気合流通路壁(4)の上方にEGRクーラ(6)を取り付けた場合と異なり、EGRクーラ(6)が排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けない。このため、過熱によるEGRクーラ(6)の損傷を抑制することができる。
【0020】
《効果》 冷却水パイプが短くて済む。
図1に例示するように、EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを隣接させ、通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)とを冷却水パイプ(23)で接続し、この冷却水パイプ(23)を介して通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)との間でエンジン冷却水を受け渡すことができるようにしたので、冷却水パイプ(23)が短くて済む。
【0021】
《効果》 エンジンを小型化することができる。
図1に示すように、吸気分配通路壁(3)の上方で吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを前後方向に並べて配置したので、本来はデッドスペースとなる吸気分配通路壁(3)の上方空間を、EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)の配置空間として有効利用することができ、エンジンを小型化することができる。
【0022】
(請求項5に係る発明)
請求項3または請求項4に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、EGR弁(9)の弁軸(9a)を垂直にしてEGR弁ケース(7)内の弁軸挿通孔(7c)に摺動自在に内嵌させたので、EGR弁の弁軸を水平にした場合のように、EGR弁の弁軸が自重による傾きで弁軸挿通孔に片当たりする不具合がなく、偏磨耗によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0023】
(請求項7に係る発明)
請求項3から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入を阻止することができるようにしたので、EGR弁(9)が吸気の流入で急激に冷却される不具合がなく、急激な冷却によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0024】
《効果》 NOの低減を図ることができる。
図1に例示するように、逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)へのEGRガスの逆流を抑制することができるようにしたので、EGR率の適正化により効率的にNOの低減を図ることができる。
【0025】
《効果》 弁アクチュエータの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、吸気分配通路壁(3)の上方にEGR弁ケース(7)を配置したので、排気合流通路壁(4)の上方にEGR弁ケース(7)を取り付けた場合と異なり、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けない。このため、この熱がEGR弁ケース(7)を介して弁アクチュエータ(8)に伝達されることもなく、過熱による弁アクチュエータ(8)の損傷を抑制することができる。
【0026】
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けないので、この熱がEGR弁ケース(7)を介してEGR弁(9)に伝達されることもなく、過熱によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0027】
(請求項7に係る発明)
請求項3から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGRクーラを小型化することができる。
図2に例示するように、シリンダヘッド(2)に水冷ジャケット内を通過するヘッド内EGR通路(11)を設け、このヘッド内EGR通路(11)の下流にEGRクーラ(6)を配置したので、EGRガスをヘッド内EGR通路(11)で冷却できる分だけ、EGRクーラ(6)の冷却能力を下げることができ、EGRクーラ(6)を小型化することができる。
【0028】
《効果》 NOの低減を図ることができる。
EGRガスをヘッド内EGR通路(11)で冷却できる分だけ、EGRガスの温度を低下させることができ、効率的にNOの低減を図ることができる。
【0029】
(請求項8に係る発明)
請求項1から請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGRクーラの損傷を抑制することができる。
図1、図2に例示するように、後から前に向かって順に、後から前に向かって順に、吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを配置したので、エンジンの製造時やメンテナンス時に部品や工具等の物体がEGRクーラ(6)に後方から接近しても、この物体がEGRクーラ(6)に後方から衝突する前に、この物体を吸気入口管(5)や吸気入口(5)に接続した吸気供給パイプ(18)で受け止めることができる。このため、後方からの物体の衝突によってEGRクーラ(6)が損傷するのを抑制することができる。また、同様に、物体がEGRクーラ(6)に前方から接近しても、この物体がEGRクーラ(6)に前方から衝突する前に、この物体を接続管(12)で受け止めることができる。このため、前方からの物体の衝突によってEGRクーラ(6)が損傷するのを抑制することもできる。
【0030】
《効果》 弁アクチュエータの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、吸気分配通路壁(3)の上方にEGR弁ケース(7)を配置したので、排気合流通路壁(4)の上方にEGR弁ケース(7)を取り付けた場合と異なり、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けない。このため、この熱がEGR弁ケース(7)を介して弁アクチュエータ(8)に伝達されることもなく、過熱による弁アクチュエータ(8)の損傷を抑制することができる。
【0031】
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、EGR弁ケース(7)が、排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けないので、この熱がEGR弁ケース(7)を介してEGR弁(9)に伝達されることもなく、過熱によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0032】
《効果》 EGRクーラの損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、吸気分配通路壁(3)の上方にEGRクーラ(6)を配置したので、排気合流通路壁(4)の上方にEGRクーラ(6)を取り付けた場合と異なり、EGRクーラ(6)が排気合流通路壁(4)から放熱される熱を受けない。このため、過熱によるEGRクーラ(6)の損傷を抑制することができる。
【0033】
(請求項9に係る発明)
請求項8に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン組み立てラインでの部品組み付け作業をスムーズに行なうことができる。
図1、図2に示すように、EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを剛性連結体の構成要素とし、これら構成要素で可撓性のない剛性連結体を構成したので、この剛性連結体をエンジン組み立てライン外で予め連結しておくことにより、エンジン組み立てラインでは、複数の部品を一体の剛性連結体として、一括してエンジンに組み付けることができ、エンジン組み立てラインでの部品組み付け作業をスムーズに行なうことができる。
【0034】
《効果》 剛性連結体は取り扱いが容易である。
剛性連結体は可撓性がないため、エンジン組み立てラインへの搬入時や、エンジン組み立てラインでの組み付け作業時に変形せず、その取り扱いが容易である。
【0035】
(請求項10に係る発明)
請求項9に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGR弁の損傷を抑制することができる。
図1に例示するように、逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入とEGRガスの逆流とを阻止することができるようにしたので、EGR弁(9)が吸気の流入で急激に冷却される不具合がなく、急激な冷却によるEGR弁(9)の損傷を抑制することができる。
【0036】
《効果》 NOの低減を図ることができる。
図1に例示するように逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)へのEGRガスの逆流を抑制することができるようにしたので、EGR率の適正化により、効率的にNOの低減を図ることができる。
【0037】
(請求項11に係る発明)
請求項7から請求項10に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 NOの低減を図ることができる。
図2に例示するように、EGRクーラ(6)にヘッド内EGR通路(11)とヘッド外EGR通路(13)の両方からEGRガスを導入するようにしたので、高いEGR率を確保することにより、効率的にNOの低減を図ることができる。
【0038】
(請求項12に係る発明)
請求項11に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 EGRクーラを小型化することができる。
図3〜図5に例示するように、ヘッド外EGR通路(13)にエンジン冷却ファン(14)で起こしたエンジン冷却風が吹き当たるようにしたので、EGRガスをヘッド外EGR通路(13)で冷却できる分だけ、EGRクーラ(6)の冷却能力を下げることができ、EGRクーラ(6)を小型化することができる。
【0039】
《効果》 NOの低減を図ることができる。
EGRガスをヘッド外EGR通路(13)で冷却できる分だけ、EGRガスの温度を低下させることができ、効率的にNOの低減を図ることができる。
【0040】
(請求項13に係る発明)
請求項1から請求項12のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 NOの低減を図ることができる。
図6に例示するように、横長のEGRガス入口部(5a)に左右一対のキリ孔のEGRガス入口(5b)(5c)をあけたので、EGRガス入口部(5a)に単一のキリ孔のEGRガス入口をあける場合に比べ、EGRガス入口の径を大きくすることなく、EGRガス入口の総面積を広くすることができ、高いEGR率を確保することにより、NOの低減を図ることができる。また、シリンダヘッド(2)から遠い外寄りのEGRガス入口(5b)の中心線(25b)がシリンダヘッド(2)に近い内寄りのEGRガス入口(5c)の中心線(25c)よりも、前後方向仮想線(17)から遠ざかるようにし、吸気入口管(5)に接続する吸気供給パイプ(18)をシリンダヘッド(2)側から吸気入口管(5)に近づけたので、各気筒へのEGRガスの分配が均等になり、効率的にNOの低減を図ることができる。その理由としては、外寄りのEGRガス入口(5b)から吸気入口管(5)の外寄りに流入したEGRガスが、吸気入口管(5)の外寄りで発生する高速の吸気流に巻き込まれ、吸気とEGRガスとの混合が良好なるためではないかと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図6は本発明の実施形態に係る水冷エンジンを説明する図で、この実施形態では、立型の水冷多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
【0042】
本発明の実施形態の概要は、次の通りである。
クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向と直交するエンジンの幅方向を左右横方向とする。図3に示すように、シリンダブロック(26)の上部にシリンダヘッド(2)を組み付け、シリンダブロック(26)の下部にオイルパン(27)を組み付け、シリンダブロック(26)の前部にポンプケース(28)を組み付け、シリンダブロック(26)の後部にフライホイルハウジング(29)を組み付けている。このエンジンは、オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを備え、エンジン冷却水をオイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とに送出し、エンジン冷却水でエンジンオイルとEGRガスとを冷却するようにしている。
【0043】
これらの冷却の工夫は、次の通りである。
図3に示すように、オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを個別に配置し、シリンダブロック(26)とシリンダヘッド(2)とにわたって形成したウォータージャケットに高さの異なる一対の冷却水送出口(30)(31)を設け、低所冷却水送出口(30)からオイルクーラ(19)にエンジン冷却水(30a)を送出し、高所冷却水送出口(31)からEGRクーラ(6)にエンジン冷却水(31a)を送出するようにしている。低所冷却水送出口(30)はウォータージャケットの下端部に臨ませ、高所冷却水送出口(31)はウォータージャケットの上端部に臨ませている。
【0044】
図3に示すように、オイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とはエンジンの横一側方に配置している。オイルクーラ(19)は、ポンプケース(28)の後面に取り付けられ、オイルクーラ(19)の後面には燃料フィルタ(38)が取り付けられている。ポンプケース(28)は水ポンプとオイルポンプとを収容したもので、その横端部(28a)をシリンダブロック(26)の横壁よりも横方向に突出させ、その横端部(28a)の後面にポンプケース(28)を取り付けている。EGRクーラ(6)の配置については後述する。低所冷却水送出口(30)には低所チューブ接続管(30b)を、高所冷却水送出口(31)には高所チューブ接続管(31b)をそれぞれ取り付けている。ウォータージャケットにはオイルクーラ(19)とEGRクーラ(6)とを冷却したエンジン冷却水(30a)(31a)が戻ってくる冷却水戻り口(39)を設け、この冷却水戻り口(39)に戻り口チューブ接続管(39b)を取り付けている。低所冷却水送出口(30)から送出されたエンジン冷却水(30a)はオイルクーラ(19)内を通過して冷却水戻り口(39)に流入し、高所冷却水送出口(31)から送出されたエンジン冷却水(31a)はEGRクーラ(6)を通過した後、後述する弁アクチュエータ(8)用の通水ジャケット(21)を通過して冷却水戻り口(39)に流入する。
【0045】
低所チューブ接続管と補機の関係は、次の通りである。
図3に示すように、ギヤトレイン(32)を配置した方を後として、ギヤトレイン収容室壁(33)をシリンダブロック(26)の横壁よりも横方向に突出させ、ギヤトレイン収容室壁(33)の前面に補機(34)を取り付け、補機入力軸(35)にギヤトレイン(32)の補機入力ギヤ(36)を取り付け、補機(34)をギヤトレイン収容室壁(33)から取り外す際、補機入力ギヤ(36)を補機入力軸(35)から取り外し、補機(34)を前向きに移動させて、補機入力軸(35)をギヤトレイン収容室壁(33)内から抜き取ることができるようにしている。このようにするに当たり、低所冷却水送出口(30)から横向きに突出するチューブ接続管(30b)にEGRクーラ(6)に向かう上向きの枝管を設けないことにより、補機(34)をギヤトレイン収容室壁(33)から取り外す際、前向きに移動させた補機(34)にチューブ接続管(30b)が干渉しないようにしている。この実施形態の補機(34)は、燃料噴射ポンプと燃料噴射カムとメカニカルガバナとをケース内に収容した機器である。
【0046】
EGR装置の構成は、次の通りである。
図2に示すように、シリンダヘッド(2)の横左側面に吸気分配通路壁(3)を取り付け、シリンダヘッド(2)の横右側方に排気合流通路壁(4)を取り付け、排気合流通路壁(4)内をEGRクーラ(6)とEGR弁ケース(7)と逆止弁ケース(10)とを介して吸気分配通路壁(3)内に連通させている。吸気分配通路壁(3)は、吸気マニホルドの機能を果たすものであるが、図1に示すように、分岐管のない箱型構造であるため、このような部品名を用いた。排気合流通路壁(4)は排気マニホルドの機能を果たすものであるが、吸気分配通路壁(3)という部品名と対応させてこのような部品名を用いた。
【0047】
EGR装置の工夫は、次の通りである。
図1に示すように、排気合流通路壁(4)内をEGR弁ケース(7)を介して吸気分配通路壁(3)に連通させ、EGR弁ケース(7)内のEGR弁(9)を弁アクチュエータ(8)で作動させる。弁アクチュエータ(8)を温度に応じて変形する素材で構成し、EGR弁ケース(7)と隣接する通水ジャケット(21)を設け、高所冷却水導出口(30)からのエンジン冷却水(30a)がこの通水ジャケット(21)を通過するようにし、この通水ジャケット(21)の放熱部(22)からエンジン冷却水(30a)の熱が弁アクチュエータ(8)に伝達されるように、放熱部(22)に弁アクチュエータ(8)を接当させている。弁アクチュエータ(8)の温度が所定値未満の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が閉弁状態を維持し、弁アクチュエータ(8)の温度が所定値以上の場合には、弁アクチュエータ(8)の形状に基づいて、EGR弁(9)が開弁状態を維持するようにしている。EGR弁(9)は、付勢バネ(24)で閉弁方向に付勢している。
【0048】
弁アクチュエータ(8)は、形状記憶合金製のコイルバネで、放熱部(22)とEGR弁(9)との間に配置し、温度が所定値未満の場合(冷始動の場合)には、縮小状態を維持し、付勢バネ(24)の付勢力で、EGR弁(9)が閉弁状態を維持する。弁アクチュエータ(8)は、温度が所定値以上の場合(温始動時や始動後の場合)には、伸長し、付勢バネ(24)の付勢力に抗して、EGR弁(9)を開弁状態に維持する。この弁アクチュエータ(8)は、EGR弁(9)を全開と全閉の2位置で切替える。弁アクチュエータ(8)には、バイメタルを用いることもできる。
【0049】
図2に示すように、吸気分配通路壁(3)の上壁に吸気入口管(5)を立設し、吸気分配通路壁(3)の上方で吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを前後方向に並べて配置し、EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)とを隣接させ、弁アクチュエータ(8)用の通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)とを冷却水パイプ(23)で接続し、この冷却水パイプ(23)を介して通水ジャケット(21)とEGRクーラ(6)との間でエンジン冷却水を受け渡すことができるようにしている。
【0050】
EGR弁ケース(7)は、吸気分配通路壁(3)の真上、すなわち、図2に示すように、シリンダ中心軸線(25)と平行な向きに見た場合に、吸気分配通路壁(3)の上方で、吸気分配通路壁(3)と重なる位置に配置している。EGRクーラ(6)は、吸気分配通路壁(3)の真上、すなわち、図2に示すように、シリンダ中心軸線(25)と平行な向きに見た場合に、吸気分配通路壁(3)の上方で、吸気分配通路壁(3)と重なる位置に配置している。EGRクーラ(6)は、シリンダ中心軸線(25)と平行な向きに見た場合に、吸気分配通路壁(3)よりも横外(シリンダヘッドから離れる側)にはみ出さないように配置している。EGRクーラ(6)には、シリンダブロック(26)内の水冷ジャケットからエンジン冷却水を導入し、弁アクチュエータ(8)用の通水ジャケット(21)を経て、冷却水ポンプ(図外)に冷却水を導出する。図1に示すように、ポペット弁製のEGR弁(9)の弁軸(9a)を垂直にしてEGR弁ケース(7)内の弁軸挿通孔(7c)に摺動自在に内嵌させている。
【0051】
図1、図2に示すように、EGR弁ケース(7)と吸気入口管(5)との間に逆止弁ケース(10)を配置し、この逆止弁ケース(10)内の逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入とEGRガスの逆流とを阻止することができるようにしている。シリンダヘッド(2)に水冷ジャケット内を通過するヘッド内EGR通路(11)を設け、このヘッド内EGR通路(11)の下流にEGRクーラ(6)を配置している。
【0052】
図3に示すように、前後方向のうち、エンジン冷却ファン(14)を配置した方を前、その反対側を後として、後から前に向かって順に、吸気入口管(5)とEGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを配置している。図1、図2に示すように、吸気入口管(5)の周壁前部のEGRガス入口部(5a)にEGR弁ケース(7)の後部のEGR弁ケース出口部(7a)を連通させ、EGR弁ケース(7)の前部のEGR弁ケース入口部(7b)にEGRクーラ(6)の後端のクーラ出口部(6a)を取り付けてこれらを連通させ、EGRクーラ(6)の前端のクーラ入口部(6b)に接続管(12)の後面上部の接続管出口部(12a)を取り付けてこれらを連通させ、接続管(12)の横面下部の接続管入口部(12b)をシリンダヘッド(2)の横面前部のヘッド内EGR通路出口部(11a)に取り付けてこれらを連通させている。
【0053】
EGR弁ケース(7)とEGRクーラ(6)と接続管(12)とを剛性連結体の構成要素とし、これら構成要素で可撓性のない剛性連結体を構成している。また、逆止弁ケース(10)も剛性連結体の構成要素とし、EGR弁ケース(7)の後部のEGR弁ケース出口部(7a)に逆止弁ケース(10)の前部の逆止弁ケース入口部(10b)を取り付けてこれらを連通させ、逆止弁ケース(10)の後面の逆止弁ケース出口部(10a)を吸気入口管(5)の周壁前部のEGRガス入口部(5a)に取り付けてこれらを連通させ、逆止弁ケース(10)内の逆止弁(10c)で吸気入口管(5)からEGR弁ケース(7)への吸気の流入とEGRガスの逆流とを阻止することができるようにしている。
【0054】
図1、図2に示すように、吸気分配通路壁(3)内からシリンダヘッド(2)外を通過するヘッド外EGR通路(13)を導出し、このヘッド外EGR通路(13)の下流にEGRクーラ(6)を配置し、EGRクーラ(6)にヘッド内EGR通路(11)とヘッド外EGR通路(13)の両方からEGRガスを導入するようにしている。
【0055】
図3〜図5に示すように、エンジン冷却ファン(14)の後方にヘッド外EGR通路(13)を配置し、このヘッド外EGR通路(13)にエンジン冷却ファン(14)で起こしたエンジン冷却風が吹き当たるようにしている。図5に示すように、クランク軸(1)の架設方向と平行な向きに見た場合に、ヘッド外EGR通路(13)はエンジン冷却ファン(14)と重なる位置よりも僅かにずれているが、エンジン冷却風の吹き当たり領域は、エンジン冷却ファン(14)の外周の軌跡よりも拡がるため、エンジン冷却風はヘッド外EGR通路(13)に吹き当たる。
【0056】
図6に示すように、吸気入口管(5)の周壁前部に横長のEGRガス入口部(5a)を設け、このEGRガス入口部(5a)に左右一対のキリ孔のEGRガス入口(5b)(5c)をあけ、吸気入口管(5)の中心軸線(16)と平行な向きに見た場合に、吸気入口管(5)の中心軸線(16)を通過する前後方向仮想線(17)の左右に、各EGRガス入口(5b)(5c)の中心線(25b)(25c)を位置させ、シリンダヘッド(2)から遠い外寄りのEGRガス入口(5b)の中心線(25b)がシリンダヘッド(2)に近い内寄りのEGRガス入口(5c)の中心線(25c)よりも、前後方向仮想線(17)から遠ざかるようにし、吸気入口管(5)に接続する吸気供給パイプ(18)をシリンダヘッド(2)側から吸気入口管(5)に近づけている。図3〜図5に示すように、吸気供給パイプ(18)は、排気合流通路壁(4)の上部に取り付けた過給機(30)から導出している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの吸気分配通路壁とその周辺部分の左側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエンジンのシリンダヘッドのその周辺部分の平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るエンジンの左側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るエンジンの平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るエンジンの正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るエンジンで用いる吸気分配通路壁を説明する図で、図6(A)は後部の左側面図、図6(B)は図6(A)のB−B線断面図、図6(C)は後部の平面図である。
【符号の説明】
【0058】
(1) クランク軸
(2) シリンダヘッド
(3) 吸気分配通路壁
(4) 排気合流通路壁
(5) 吸気入口管
(5a) EGRガス入口部
(5b) EGRガス入口
(6) EGRクーラ
(6a) クーラ出口部
(6b) クーラ入口部
(7) EGR弁ケース
(7a) EGR弁ケース出口部
(7b) EGR弁ケース入口部
(7c) 弁軸挿通孔
(8) 弁アクチュエータ
(9) EGR弁
(9a) 弁軸
(10) 逆止弁ケース
(10a) 逆止弁ケース出口部
(10b) 逆止弁ケース入口部
(10c) 逆止弁
(11) ヘッド内EGR通路
(11a) ヘッド内EGR通路出口部
(12) 接続管
(12a) 接続管出口部
(12b) 接続管入口部
(13) ヘッド外EGR通路
(14) エンジン冷却ファン
(15) シリンダ中心軸線
(16) 中心軸線
(17) 前後方向仮想線
(18) 吸気供給パイプ
(19) オイルクーラ
(21) 通水ジャケット
(22) 放熱部
(23) 冷却水パイプ
(24) 付勢バネ
(25b) EGRガス入口の中心線
(25c) EGRガス入口の中心線
(26) シリンダブロック
(27) オイルパン
(28) ポンプケース
(29) フライホイルハウジング
(30) 低所冷却水送出口
(30a) エンジン冷却水
(30b) 低所チューブ接続管
(31) 高所冷却水送出口
(31a) エンジン冷却水
(32) ギヤトレイン
(33) ギヤトレイン収容室壁
(34) 補機
(35) 補機入力軸
(36) 補機入力ギヤ





 

 


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