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発明の名称 渦巻ポンプ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−205167(P2007−205167A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−21590(P2006−21590)
出願日 平成18年1月31日(2006.1.31)
代理人 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫
発明者 橋本 靖志 / 原 裕紀 / 西村 弘一
要約 課題
異物を容易に切断することができ、異物が羽根車を通過する際の通過率が向上する渦巻ポンプ装置を提供する。

解決手段
ケーシングの吸込孔16の内周面16aから拡径面15aに亘って溝18が形成され、溝18は、羽根車10の回転方向Fにおいて前方に位置する前方側壁面18aと、後方に位置する後方側壁面18bと、両側壁面18a,18b間に形成された底面とで構成されているとともに、羽根車10の上流側で異物21を切断する切断領域と、切断された異物21を羽根車10の下流側へ排出する排出領域とを有しており、切断領域において、吸込孔16の内周面16aと溝18の前方側壁面18aとによって先端の尖ったエッジ部22が形成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
ケーシング内に渦巻室が形成され、
渦巻室に、羽根を有する羽根車が回転軸心を中心に回転自在に設けられた渦巻ポンプ装置であって、
ケーシングは、吸込孔と、吸込孔の内周面の奥端部から径方向外側へらっぱ状に広がって渦巻室に至る拡径面とを有し、
羽根車の羽根は、先端部が吸込孔に突入しているとともに、外周部が拡径面に対向しており、
ケーシング内に、吸込孔の内周面から拡径面に亘って溝が形成され、
溝は、羽根車の回転方向において前方に位置する前方側壁面と、上記回転方向において後方に位置する後方側壁面と、これら前後両側壁面間に形成された底面とで構成され、
吸込孔の内周面に異物切断用エッジ部が形成され、
異物切断用エッジ部は吸込孔の内周面と溝の前方側壁面とがなす角度を略直角又は鋭角としており、
溝の幅方向断面の底面は、拡径面において、拡径面と略平行に形成されていることを特徴とする渦巻ポンプ装置。
【請求項2】
拡径面は、平面部と、平面部から吸込孔にかけて連続する曲面部とを有し、
溝は、羽根車の上流側で異物を収容する収容領域と、収容領域の下流側で異物を切断する切断領域と、切断領域の下流側で前記切断された異物を羽根車の下流側へ排出する排出領域とを有し、
切断領域は吸込孔の内周面に面しており、
異物切断用エッジ部は切断領域に形成され、
排出領域は拡径面の平面部と曲面部とに面しており、
平面部において、溝の底面は、溝の長手方向にわたって、平面部から一定深さに位置していることを特徴とする請求項1記載の渦巻ポンプ装置。
【請求項3】
拡径面の平面部において、溝の後方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜135°の範囲内にしたことを特徴とする請求項2記載の渦巻ポンプ装置。
【請求項4】
拡径面の平面部において、溝の後方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜125°の範囲内にしたことを特徴とする請求項2記載の渦巻ポンプ装置。
【請求項5】
拡径面の平面部において、溝の前方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜125°の範囲内にしたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の渦巻ポンプ装置。
【請求項6】
溝は、吸込孔の内周面から拡径面に亘って、羽根車の回転方向において次第に外側へ広がっていく滑らかな曲線を描いて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の渦巻ポンプ装置。
【請求項7】
羽根車は、回転方向において前向きとなる前縁部が回転方向とは逆方向へ曲線を描くように形成された羽根を有する後退翼形式のものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の渦巻ポンプ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物を含有した液体を揚水する渦巻ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のポンプ装置としては、例えば図13に示すような遠心ポンプ60がある。遠心ポンプ60のケーシング61内には渦巻室62が形成され、ケーシング61の底部に吸込孔63が形成され、ケーシング61の側部に吐出孔64が形成され、渦巻室62内に回転自在な羽根車65が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
これによると、羽根車65が回転することによって、水(液体)が、吸込孔63から渦巻室62内に流入し、吐出孔64から吐出される。図13に示した遠心ポンプ60では、羽根車65とケーシング61の内部底面との間隔67を広く確保しているため、水に含まれている異物が、羽根車65とケーシング61との間に詰まることはなく、水と共に吸込孔63から渦巻室62内を経て吐出孔64から確実に吐出される。
【0004】
しかしながら図13に示した遠心ポンプ60では、羽根車65とケーシング61の内部底面との間隔67が非常に大きくなるため、ポンプ66の効率が大幅に低下するといった問題がある。
【0005】
これに対して、羽根車とケーシングの内部底面との間隔を狭くした遠心ポンプとしては、図14に示すものがある(特許文献2参照)。
すなわち、図14(a)(b)に示すように、ケーシング71に円筒形状の吸込孔72が形成され、ケーシング71内に回転自在な羽根車73が設けられ、羽根車73はハブ73aと複数の羽根73bとで構成されている。ケーシング71の内面壁部75には、異物排出用の溝76が形成されている。図14(c)に示すように、上記溝76の断面は、溝76の幅方向における外側の端縁76aから内側の端縁76bにわたって緩やかに傾斜した傾斜面76cと、内側の端縁76bに形成され且つ内面壁部75に対して直交する直交面76dとを有している。尚、溝76の深さは内面壁部75を基準にして所定深さDに設定されている。
【0006】
これによると、図14に示す遠心ポンプ77の羽根車73の羽根73bとケーシング71の内面壁部75との間隔78が図13に示した遠心ポンプ60のものよりも狭くなるため、遠心ポンプ77の効率が向上する。また、羽根車73が回転方向Fに回転することにより、水に含まれる異物は、水と共に吸込孔72からケーシング71内に吸込まれ、溝76の内部を通過して羽根車73の上流側から下流側へ排出される。
【0007】
しかしながら上記遠心ポンプ77では、図14(c)に示すように、溝76の傾斜面76cが外側の端縁76aから内側の端縁76bにわたって緩やかに傾斜しているため、所定深さDを有するのは傾斜面76cの幅方向における一部分しかなく、傾斜面76cの他の大部分の領域は所定深さDよりも浅くなる。したがって、ハンドタオル等の厚い布状の異物が溝76内を通過する際の通過率が劣るといった問題がある。
【特許文献1】特開平11−257270
【特許文献2】特開平11−201087
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、効率の大幅な低下を防止し、異物を容易に切断することができ、ハンドタオルのような厚い布状の異物が羽根車を通過する際の通過率が向上する渦巻ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本第1発明では、ケーシング内に渦巻室が形成され、
渦巻室に、羽根を有する羽根車が回転軸心を中心に回転自在に設けられた渦巻ポンプ装置であって、
ケーシングは、吸込孔と、吸込孔の内周面の奥端部から径方向外側へらっぱ状に広がって渦巻室に至る拡径面とを有し、
羽根車の羽根は、先端部が吸込孔に突入しているとともに、外周部が拡径面に対向しており、
ケーシング内に、吸込孔の内周面から拡径面に亘って溝が形成され、
溝は、羽根車の回転方向において前方に位置する前方側壁面と、上記回転方向において後方に位置する後方側壁面と、これら前後両側壁面間に形成された底面とで構成され、
吸込孔の内周面に異物切断用エッジ部が形成され、
異物切断用エッジ部は吸込孔の内周面と溝の前方側壁面とがなす角度を略直角又は鋭角としており、
溝の幅方向断面の底面は、拡径面において、拡径面と略平行に形成されているものである。
【0010】
これによると、羽根車が回転することによって、液体が、吸込孔から渦巻室に吸込まれ、羽根車の下流側へ吐出される。この際、液体中に含まれる異物は、吸込孔から拡径面に沿って流れ方向が変わるよりも前に、羽根車の羽根と異物切断用エッジ部との間に挟まれて切断される。切断された異物の一部分は溝の内部を通過して羽根車の上流側から下流側へ排出される。このとき切断された分、異物は羽根車とケーシング内面との間を通過し易くなり、羽根車の羽根とケーシング内面との間隔を狭くすることが可能となる。これにより、ポンプの効率の大幅な低下を防止することができる。
【0011】
また、溝の幅方向断面の底面は拡径面において拡径面と略平行に形成されているため、厚さの分厚い異物であっても、切断後、異物の一部分を溝の内部に収容して羽根車の下流側へ送り出すことができる。
【0012】
本第2発明では、拡径面は、平面部と、平面部から吸込孔にかけて連続する曲面部とを有し、
溝は、羽根車の上流側で異物を収容する収容領域と、収容領域の下流側で異物を切断する切断領域と、切断領域の下流側で前記切断された異物を羽根車の下流側へ排出する排出領域とを有し、
切断領域は吸込孔の内周面に面しており、
異物切断用エッジ部は切断領域に形成され、
排出領域は拡径面の平面部と曲面部とに面しており、
平面部において、溝の底面は、溝の長手方向にわたって、平面部から一定深さに位置しているものである。
【0013】
これによると、拡径面の平面部において、溝の底面は溝の長手方向にわたって平面部から一定深さに保たれているため、厚さの分厚い異物であっても、切断後、異物の一部分を確実に溝の内部に収容して羽根車の下流側へ送り出すことができる。
【0014】
本第3発明では、拡径面の平面部において、溝の後方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜135°の範囲内にしたものである。
これによると、切断された後の異物が排出領域における溝の内部を通過する際の通過率が向上する。
【0015】
本第4発明では、拡径面の平面部において、溝の後方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜125°の範囲内にしたものである。
これによると、切断された後の異物が排出領域における溝の内部を通過する際の通過率がより一層向上する。
【0016】
本第5発明では、拡径面の平面部において、溝の前方側壁面と平面部とがなす角度を略直角〜125°の範囲内にしたものである。
これによると、切断された後の異物が排出領域における溝の内部を通過する際の通過率が向上する。
【0017】
本第6発明では、溝は、吸込孔の内周面から拡径面に亘って、羽根車の回転方向において次第に外側へ広がっていく滑らかな曲線を描いて形成されているものである。
本第7発明では、羽根車は、回転方向において前向きとなる前縁部が回転方向とは逆方向へ曲線を描くように形成された羽根を有する後退翼形式のものである。
【0018】
これによると、紐状や布状の異物が羽根車に絡みつくのを低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によると、吸込方向と排出方向が異なる渦巻ポンプにおいて、異物が羽根車の上流側から下流側へ排出される際に切断され、その一部分が流れ方向を変えて溝の内部を通過する。このとき切断された分、異物は羽根車とケーシング内面との間を通過し易くなる。これにより、羽根車の羽根とケーシング内面との間隔を狭くすることが可能となり、ポンプの効率の大幅な低下を防止することができる。
【0020】
また、溝の幅方向断面の底面は拡径面において拡径面と略平行に形成されているため、厚さの分厚い異物であっても、切断後、異物の一部分を溝の内部に収容して羽根車の下流側へ送り出すことができ、これにより、異物が羽根車を通過する際の通過率が向上する。
【0021】
さらに、溝の後方側壁面と拡径面の平面部とがなす角度を略直角〜135°又は略直角〜125°の範囲内にすることにより、切断された後の異物が排出領域における溝の内部を通過する際の通過率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明における実施の形態を図面に基いて説明する。
図1に示すように、1は渦巻ポンプ装置であり、そのケーシング2は、ケーシング本体3と、ケーシング本体3の底部に取付けられた吸込部4と、ケーシング本体3の側部に取付けられた吐出部5と、ケーシング本体3の上部に取付けられたケーシングカバー6とで構成されている。
【0023】
ケーシング本体3の内部には渦巻室7が形成されている。渦巻室7には、回転軸8の上下方向の回転軸心9を中心に回転自在な羽根車10が設けられている。ケーシングカバー6内には、回転軸8を回転させるモーター11等が内蔵されている。
【0024】
図1〜図3に示すように、吸込部4は、ケーシング本体3の下方へ突出する円筒状部14と、この円筒状部14の上端から径方向外側へ広がる拡径部15とで構成されている。円筒状部14には、渦巻室7に連通する吸込孔16が形成されている。また、拡径部15には、吸込孔16の内周面16aの上端部(奥端部)から径方向外側へ連続的にらっぱ状に広がって渦巻室7に至る拡径面15aが形成されている。尚、拡径面15aは、回転軸心9に直交する平面部15bと、平面部15bから吸込孔16の内周面16aに連続する円弧状の曲面部15cとを有している。
【0025】
ケーシング2の吸込部4には、吸込孔16の内周面16aから拡径部15の拡径面15aに亘って2本(複数本)の溝18が形成されている。これら溝18は、羽根車10の回転方向Fにおいて次第に外側へ広がっていく滑らかな曲線を描いて形成されている。尚、各溝18の上流側始端部E1は吸込孔16の内周面16aに達しており、各溝18の下流側終端部E2は拡径面15aの外周端に達している。
【0026】
また、各溝18は、羽根車10の回転方向Fにおいて前方に位置する前方側壁面18aと、上記回転方向Fにおいて後方に位置する後方側壁面18bと、これら前後両側壁面18a,18b間に形成された底面18cとで構成されている。尚、前方側壁面18aと後方側壁面18bとは上記回転軸心9を中心とする径方向において相対向している。
【0027】
図2に示すように、各溝18は、羽根車10の上流側で異物21を収容する収容領域R1と、収容領域R1の下流側で異物21を切断する切断領域R2と、切断領域R2の下流側で前記切断された異物21を羽根車10の下流側へ排出する排出領域R3とを有している。尚、収容領域R1と切断領域R2とはそれぞれ吸込孔16の内周面16aに面している。また、排出領域R3は拡径面15aの平面部15bと曲面部15cとに面している。
【0028】
図4は切断領域R2から排出領域R3に至る溝18の幅方向に沿った断面(図2,図3におけるa−a断面〜f−f断面)の形状を示している。図4(1)(2)に示すように、切断領域R2において、吸込孔16の内周面16aと溝18の前方側壁面18aとによって先端の尖った異物切断用エッジ部22が形成されている。この異物切断用エッジ部22は羽根車10に対向している。上記内周面16aと前方側壁面18aとがなす角度A(異物切断用エッジ部22の角度)は、a−a断面およびb−b断面において鋭角となっている。
【0029】
また、図5は排出領域R3における拡径面15aの平面部15bの溝18の幅方向に沿った断面(図2,図3におけるg−g断面〜i−i断面)の形状を示している。拡径面15aの平面部15bにおける溝18の底面18cは、上記平面部15bとほぼ平行であり、且つ溝18の長手方向にわたって平面部15bから一定深さDの位置に形成されている。また、上記平面部15bにおいて、溝18の後方側壁面18bと平面部15bとがなす角度Bを120°に設定し、溝18の前方側壁面18aと平面部15bとがなす角度Cを直角に設定している。
【0030】
尚、上記図2,図3におけるa−a断面〜d−d断面は回転軸心9の方向に対して傾斜した断面であり、e−e断面〜i−i断面は回転軸心9と同方向の断面である。
図6に示すように、羽根車10は、後退翼形式のものであり、円板状のハブ25と、このハブ25に設けられた2枚(複数枚)の羽根26とから構成されている。各羽根26は、回転方向Fにおいて前向きとなる前縁部26aが上記回転方向Fとは逆方向へ滑らかな曲線を描くように形成されている。
【0031】
図1に示すように、羽根車10の羽根26の先端部は、上方から吸込孔16の上部に突入しており、切断領域R2における溝18の異物切断用エッジ部22との間で異物21を切断する。また、羽根26の外周部は、拡径面15aに対向している。尚、羽根26と吸込孔16の内周面16aとの間並びに羽根23と拡径面15aとの間にはそれぞれ僅かな間隔が空いている。
【0032】
以下、上記構成における作用を説明する。
羽根車10が所定の回転方向Fに回転することによって、水(流体の一例)は、吸込孔16から渦巻室7に吸込まれ、渦巻室7を経て吐出部5から吐出される。この際、水に異物21(例えばハンドタオルや布切れ、紐等)が含まれている場合、上記異物21は、図8に示すように遠心力によって吸込孔16の内周面16aに面して移動し、図9に示すように、溝18の収容領域R1において、その一部分が溝18に入り込み、図10に示すように、溝18の切断領域R2において、回転している羽根車10の羽根26の端縁26bと異物切断用エッジ部22との間に挟まれて切断される。
【0033】
切断された異物21の一部分は、回転軸心9の方向から径方向へ流れを変えながら、図11に示すように、溝18の内部を通って切断領域R2から排出領域R3へ送られ、排出領域R3において溝18の内部を通過し下流側終端部E2から渦巻室7に排出される。このように、切断された異物21の一部分が溝18の内部を通過して羽根車10の上流側から下流側へ排出される。このとき切断された分、異物21は羽根車10とケーシング2の吸込部4の内面との間を通過し易くなる。これにより、羽根車10の羽根26とケーシング2の吸込部4の内面との間隔を狭くすることが可能となり、ポンプ1の効率の大幅な低下を防止することができる。
【0034】
また、図5に示すように、拡径面15aの平面部15bにおいて、溝18の底面18cは、平面部15bとほぼ平行であり且つ溝18の長手方向にわたって平面部15bから一定深さDに保たれているため、ハンドタオルのような厚さの分厚い異物21であっても、切断後、一部分を溝18の内部に収容して羽根車10の下流側へ送り出すことができる。
【0035】
また、図12(a)のグラフは、溝18の後方側壁面18bと拡径面15aの平面部15bとがなす角度B(図5参照)に対する異物21の羽根車部の通過率の関係を示すものである。尚、このグラフは、吸込孔16の口径がΦ100〜Φ110mmで、深さDが2.0〜3.5mmの溝18を2本備えた渦巻ポンプ1についての実験データを元に作成したものであり、異物21としては、大きさ340×340mm、質量34gのハンドタオルを用いている。
【0036】
これによると、上記実施の形態では、上記角度Bを120°に設定しているため、異物通過率は95%以上と非常に良好な値になり、異物21が溝18に詰まるのを防止することができる。
【0037】
尚、上記実施の形態では上記角度Bを120°に設定しているが、120°に限定されるものではなく、上記異物通過率が90%を超える約90°〜135°の範囲内の値であればよく、さらには、上記異物通過率が95%を超える約90°〜125°の範囲内の値にするのが好ましい。
【0038】
また、図12(b)のグラフは、上記角度Bに対する渦巻ポンプ1の効率の関係を示すものである。これによると、上記角度Bが90°〜135°の範囲内である場合、渦巻ポンプ1の効率はほとんど変動せずにほぼ一定の値を示す。
【0039】
上記実施の形態では、図5に示すように、溝18の前方側壁面18aと拡径面15aの平面部15bとがなす角度Cを直角に設定しているが、直角に限定されるものではなく、約90°〜125°の範囲内の値であればよい。尚、この数値範囲(約90°〜125°)において、上記と同じハンドタオルの通過率が90%を超えることを実験で確認している。
【0040】
上記実施の形態では、図6に示すように、羽根車10は2枚の羽根26を有しているが、3枚以上の羽根26を有したものでもよい。
上記実施の形態では、図2に示すように、吸込部4に溝18を2本形成しているが、1本又は3本以上形成してもよい。
【0041】
上記実施の形態では、図1に示すように、ケーシング本体3と吸込部4とを別部材にしているが、ケーシング本体3と吸込部4とを一体物にしてもよい。
上記実施の形態では、溝18は、羽根車10の回転方向Fにおいて次第に外側へ広がっていく滑らかな曲線を描いて形成されているが、直線状や放射状に形成されているものでもよい。
【0042】
上記実施の形態では、拡径面15aの平面部15bが回転軸心9に直交しているが、直交してなくてもよい。また、拡径面15aに平面部15bが存在していないものでもよい。
【0043】
上記実施の形態では、図4(1)(2)に示すように、異物切断用エッジ部22は、吸込孔16の内周面16aと溝18の前方側壁面18aとがなす角度Aを鋭角としているが、略直角にしてもよい。
【0044】
上記実施の形態では、流体の一例として水を挙げたが、水以外の液体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態における渦巻ポンプ装置の一部切欠き側面図である。
【図2】同、渦巻ポンプ装置の吸込部の平面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】同、渦巻ポンプ装置の溝の幅方向に沿った断面図であり、(1)は図2,図3におけるa−a矢視図、(2)は図2,図3におけるb−b矢視図、(3)は図2,図3におけるc−c矢視図、(4)は図2,図3におけるd−d矢視図、(5)は図2,図3におけるe−e矢視図、(6)は図2,図3におけるf−f矢視図を示す。
【図5】同、渦巻ポンプ装置の溝の幅方向に沿った断面図であり、(1)は図2,図3におけるg−g矢視図、(2)は図2,図3におけるh−h矢視図、(3)は図2,図3におけるi−i矢視図を示す。
【図6】同、渦巻ポンプ装置の羽根車を吸込孔の入口側となる方向から見た図である。
【図7】同、渦巻ポンプ装置の羽根車の断面図であり、(1)は図6におけるa−a矢視図、(2)は図6におけるb−b矢視図、(3)は図6におけるc−c矢視図を示す。
【図8】同、渦巻ポンプ装置による異物切断のメカニズムを示す図であり、(a)は吸込部と羽根車とを吸込孔の入口側から見た図、(b)は上記(a)におけるX−X矢視図、(c)は上記(b)における一部拡大図を示す。
【図9】同、渦巻ポンプ装置による異物切断のメカニズムを示す図であり、(a)は吸込部と羽根車とを吸込孔の入口側から見た図、(b)は上記(a)におけるX−X矢視図、(c)は上記(b)における一部拡大図を示す。
【図10】同、渦巻ポンプ装置による異物切断のメカニズムを示す図であり、(a)は吸込部と羽根車とを吸込孔の入口側から見た図、(b)は上記(a)におけるX−X矢視図、(c)は上記(b)における一部拡大図を示す。
【図11】同、渦巻ポンプ装置による異物切断のメカニズムを示す図であり、(a)は吸込部と羽根車とを吸込孔の入口側から見た図、(b)は上記(a)におけるX−X矢視図、(c)は上記(b)における一部拡大図を示す。
【図12】(a)は溝の後方側壁面と拡径面とがなす角度に対する異物の通過率の関係を示すグラフであり、(b)は溝の後方側壁面と拡径面とがなす角度に対するポンプの効率の関係を示すグラフである。
【図13】従来のポンプ装置の断面図である。
【図14】従来の別のポンプ装置の図であり、(a)はケーシングの吸込孔と羽根車との断面図、(b)は上記(a)におけるa−a矢視図、(c)は上記(b)におけるb−b矢視図を示す。
【符号の説明】
【0046】
1 渦巻ポンプ装置
2 ケーシング
7 渦巻室
9 回転軸心
10 羽根車
15a 拡径面
15b 平面部
15c 曲面部
16 吸込孔
16a 吸込孔の内周面
18 溝
18a 前方側壁面
18b 後方側壁面
18c 底面
22 異物切断用エッジ部
26 羽根
26a 前縁部
A 吸込孔の内周面と溝の前方側壁面とがなす角度
B 後方側壁面と拡径面とがなす角度
C 前方側壁面と拡径面とがなす角度
D 一定深さ
F 羽根車の回転方向
R1 収容領域
R2 切断領域
R3 排出領域




 

 


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